JP2018507704A - ピオリシン方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

Truepereiia pyogenes用の改善された培養培地及び培養条件のための方法が本明細書に開示される。また、Truepereiia pyogenesからのピオリシンの単離及び精製のための改善された方法も開示される。【選択図】図3

Description

本発明は、ウシ子宮筋層炎の原因物質である、Trueperella pyogenesによって産生されるピオリシン(pyolysin)の量を増加させる方法に関する。本発明は更に、本明細書に記載の方法を使用して単離及び精製され、ウシ子宮筋層炎を減少または予防するのに有用なピオリシンを含む組成物に関する。
子宮筋層炎は、様々な微生物病原体による乳牛における子宮感染の結果である。それは通常、産後期の黄体機能の発現後に発症する。家畜が居住する環境に通常見られる細菌は恐らく分娩中または分娩後に子宮内に取り込まれる。細菌感染症を発症する産後の牛では、細菌は子宮内に侵入するが、すぐには急速な増殖を開始しない。急性子宮筋層炎は分娩後0日目〜21日目に生じる。臨床的子宮内膜炎(子宮の内膜、すなわち、子宮内膜の炎症または刺激)は、分娩後およそ21日目〜35日目に生じる。35日目を過ぎると、子宮内膜炎はしばしば無症候性になる。
分娩からのストレス、乳汁産生/秘乳、負のエネルギーバランス、免疫抑制、及びそのような動物が自然感染に対してより感受性であるという事実など、自然感染に関連する複数の要因が存在する。子宮筋層炎及び臨床的子宮内膜炎の発現の原因となる細菌性病原体の1つはTrueperella pyogenesである。この生物は、その病原性の潜在性に寄与する多数の毒性要因を保持し、そのうちの1つは、コレステロール依存性細胞溶解素であるピオリシンである。このタンパク質は、溶血素であり、マクロファージを含む免疫細胞に細胞溶解性である。この細菌の毒性のためにはピオリシンの発現が必要である。このタンパク質は、今日までに同定された最も有望なT.pyogenesサブユニットワクチン候補であるように思われる。単離されたピオリシンは、その天然状態のタンパク質と立体配座的及び免疫学的に類似/同一であることが肝要である。そのため、T.pyogenesから天然ピオリシンを産生し、必要であれば単離する方法、及びそれに基づく有効なワクチンが非常に望まれる。
Trueperella pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、グルコースと、グルコース、ガラクトース、スクロース、マルトース、オリゴ糖、グリセロール、ラクトース、デキストラン、デキストリン、コハク酸モノメチル、及びN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される追加的な濃縮炭素源、とを含有する基本培地を使用することと、培地中のグルコースの枯渇前に、培地にキレート剤を添加することと、T.pyogenesを集菌することと、そして、ピオリシンを単離すること、とを含む方法が開示される。
キレート剤は、エチレングリコールトレトラ酢酸(EGTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、またはそれら2つの組み合わせである、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、T.pyogenesは、600nmで5の光学密度(O.D.)よりも高い細菌細胞密度に複製する、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、培地を28℃〜32℃の温度で維持する、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、10mM〜200mMの濃度のリン酸塩で緩衝された基本培地の使用を更に含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、基本培地の使用を更に含み、その培地のpHは6.0〜8.0である、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、基本培地の使用を更に含み、その培地は鉄源としてヘミンを含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ポリソルベート80を含む基本培地の使用を更に含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ビタミンン溶液を含む基本培地の使用を更に含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ビタミン溶液は、次の、ビタミンB12、ミオイノシトール、ウラシル核酸塩基、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム、ピリドキサール−HCl、ピリドキサミン−2HCl、リボフラビン、チアミン−HCl、p−アミノ安息香酸、ビオチン、葉酸、ナイアシンアミド、及びβ−NADのうちの1つ以上を含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ビタミン溶液はピリドキサール−HClのみを含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、濃縮炭素源での連続的、準連続的、または1回の補充を含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、培養pHを、初期の基本培地の出発pHから5.50〜6.50のレベルに低下させることと、次いで塩基性滴定液の自動添加によってpHを5.50〜6.50に制御することと、を含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ピオリシンからT.pyogenesプロテアーゼを分離することを含む、方法が開示される。
T.pyogenesによって産生されるピオリシンの収率を増加させる方法であって、ピオリシンからのT.pyogenesプロテアーゼの分離は、クロマトグラフィー工程によって達成される、方法が開示される。
0.1%〜0.5%の最終濃度にホルマリンを添加することを含む、ピオリシンを不活性化する方法が開示される。
子宮筋層炎の減少または予防のための、特に無乳(dry)期間中のウシのワクチン接種に有用な免疫原性組成物が開示される。
本明細書に記載の培地で増殖したT.pyogenesから単離されたピオリシンを含む免疫原性組成物が開示される。
本明細書に記載の方法のいずれかによって得られるピオリシンを含む免疫原性組成物が開示される。
本明細書に記載の方法のいずれかによって得られるピオリシンと、担体とを含む免疫原性組成物が開示される。
本明細書に記載の方法のいずれかによって得られるピオリシンと、アジュバントとを含む免疫原性組成物が開示される。
ビタミンを含有しないか、自家ビタミン溶液を含有するか、または市販のビタミン溶液を含有する培地におけるTrueperella pyogenesによるピオリシン産生のレベルの比較である。 ビタミンを含有しないか、自家ビタミン溶液を含有するか、またはβ−NAD及びピリドキサールで補充された市販のビタミン溶液を含有する培地におけるTrueperella pyogenesによるピオリシン産生のレベルの比較である。 β−NAD、ピリドキサール、またはその両方を含有する培地中のTrueperella pyogenesによるピオリシン産生のレベルの比較である。 オートクレーブ処理された(AC)かまたはデキストロース(Dex)と組み合わせて無菌的に添加(SA)されたピリドキサール(Pyr)を含有する培地中の Trueperella pyogenesのO.D.(600nm)の比較である。 オートクレーブ処理された(AC)かまたはデキストロース(Dex)と組み合わせて無菌的に添加(SA)されたピリドキサール(Pyr)を含有する培地中の Trueperella pyogenesのピオリシン産生のレベルの比較である。 様々な時間照射されたかまたは全く照射されなかったヘミンを含有する培地中のTrueperella pyogenesのO.D.(600nm)の比較である。 様々な時間照射されたかまたは全く照射されなかったヘミンを含有する培地中のTrueperella pyogenesによって産生されたピオリシンのレベルの比較である。 培地に添加する前に様々な時間保持されたヘミンを含有する培地中のTrueperella pyogenesによって産生されたピオリシンのレベルの比較である。 様々な温度で維持された培地中の Trueperella pyogenesのO.D.(600nm)の比較である。 様々な温度に維持された培地中のTrueperella pyogenesによるピオリシン産生のレベルの比較である。 様々な温度で維持された培地中の Trueperella pyogenesのO.D.(600nm)の比較である。 様々な温度に維持された培地中のTrueperella pyogenesによるピオリシン産生のレベルの比較である。 培地の温度が32℃に維持されたか、または発酵プロセス中に37℃から32℃にシフトされたTrueperella pyogenesのピオリシン産生のレベルの比較である。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。
以下の定義は、実施形態の説明に採用されている用語に適用され得る。以下の定義は、参照により本明細書に組み込まれる各個々の参考文献に含まれる任意の矛盾した定義に優先する。
本明細書において他に定義されない限り、本実施形態に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって特に要求されない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」などの用語は、測定可能な数値変数と関連して使用される場合、変数の指示された値を意味し、変数の全ての値は、指示された値の実験誤差(例えば、平均で95%の信頼区間内)、または示された値の10%以内のいずれか大きい方である。日数に関しては、「約」はプラスマイナス1日を意味するものと解釈される。例えば、「約3日」は2、3、または4日を意味し得る。
本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、家畜及び野生の両方の哺乳動物を含む、子宮内膜炎に感受性である任意の動物を意味する。好ましくは、本明細書で使用される場合、「動物」はウシを指す。
本明細書で使用される場合、「細菌(bacteria)」、「細菌種」、「細菌(bacterium)」などの用語は、原核微生物の広い領域を意味する。好ましくは、本明細書で使用される場合、「細菌」は、Trueperella pyogenes及び関連細菌を含む微生物を指す。
本明細書で使用される場合、「細菌細胞密度」という用語は、培養物中に存在する細菌の数を意味する。細菌の数を定量化する1つの方法は、典型的には600nmで、分光光度計で培養物の光学密度を測定することによる。
本明細書で使用される場合、「基本培地」という用語は、微生物が最初に接種される培地を意味する。様々な培地成分のpH及び/または濃度に影響を及ぼし得る微生物の複製はまだ行われていない。
本明細書で使用される場合、「ウシ」という用語は、一般に双蹄を有する中〜大サイズの有蹄動物の多様な群、及び真の角を有する性別のうち少なくとも1つを意味する。ウシには、国産畜牛、バイソン、アフリカスイギュウ、スイギュウ、ヤク、及び4つの角またはらせん状角のレイヨウが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「培養物」または「培養培地」という用語は、微生物を含有する培地を意味する。
本明細書で使用される場合、「無乳期間」という用語は、牛で搾乳が行われない期間を意味する。この期間は、次の泌乳のために牛及びその乳房を準備することである。
本明細書で使用される場合、「子宮内膜炎」という用語は、「子宮内膜」とも称される子宮の内膜の炎症または刺激を意味する。
本明細書で使用される場合、「グルコースの枯渇」という用語は、培養物中の利用可能なグルコースの大部分または全ての消費、代謝、または分解を意味する。例えば、「枯渇」は、炭素源の濃度が10mM以下である場合であり得る。
本明細書で使用される場合、「ゴナドトロピン放出ホルモン」、「GnRH」、「黄体形成ホルモン放出ホルモン」、「LHRH」などの用語は、ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、及び黄体形成ホルモン(LH)の下垂体前葉からの合成及び分泌を担うペプチドホルモンを意味する。GnRH分泌は全ての脊椎動物において脈動的であり、正しい生殖機能に必要である。
本明細書で使用される場合、「接種物」という用語は、微生物の量または培養物を意味する。好ましくは、「接種物」は細菌培養物の量を指す。
本明細書で使用される場合、「筋肉内の」、「筋肉内に」などの用語は、物質を筋肉に注入することを意味する。
本明細書で使用される場合、「刺激」という用語は、組織の表面上の細胞に損傷を引き起こす刺激または薬剤に対する状態または反応を意味する。
本明細書で使用される場合、「泌乳する」、「泌乳している」、及び「泌乳」は、乳腺からの乳汁の分泌、及び雌がその子どもに与えるための乳汁を産生する期間を意味する。
本明細書で使用される場合、「分娩」という用語は、ウシが子牛を出産するときを意味する。
本明細書で使用される場合、「病原性微生物」または「病原体」という用語は、動物において病気または病的状態を引き起こすことが可能な微生物を意味する。そのようなものには、細菌、ウイルス、真菌、または酵母が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「妊娠した」または「妊娠」という用語は、雌の子宮内の胚または胎児として知られる1つ以上の子の受精及び成長を意味する。
本明細書で使用される場合、「プロゲステロン」という用語は、動物の発情周期、妊娠、及び胚発生に関与するステロイドホルモンを意味する。プロゲステロンは、プロゲストゲンと呼ばれる一連のホルモンに属する。
本明細書で使用される場合、「子宮」、「子宮の」などの用語は、妊娠中に胚及び胎児に栄養を与えるほとんどの哺乳類の雌性ホルモン応答性生殖器官を意味する。
本明細書で使用される場合、「獣医学的に許容可能な担体」または「担体」という用語は、正当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的な便益対リスク比に相応しく、それらの意図された使用に効果的である物質を指す。
以下の記載は、本発明を実施する際に当業者を助けるために提供される。それでも、本発明の発見の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書で論じられる実施形態の改変及び類型が当業者によってなされ得るため、この説明は本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
培養技術
Trueperella pyogenesを含む細菌は、その細菌の多数への複製を可能にし、所望のタンパク質(複数可)の単離を容易にする増殖培地を含有する容器内で増殖させることができる。増殖培地は、栄養ブロスの形態であり得、増殖に必要または有用な様々な化合物及び成分のための源として機能する任意の数の様々な原料を含有し得る。これには栄養源(複数可)が含まれる。培養培地の栄養成分は注意深く選択され、タンパク質、ペプチド、及びアミノ酸が含まれ得る。これらの成分は、細菌のための炭素源及び窒素源として機能し得る。より要求の厳しい生物は、補充的な栄養源の追加を必要とし得る。
エネルギー源も増殖培地において肝要である。それはしばしば炭水化物の形態で供給される。生物の増殖の速度を増大させるためのエネルギー源として培養培地に添加される最も一般的な物質はグルコースである。他の炭水化物も使用されてもよく、または必要とされてもよい。代替的な炭素源には、ガラクトース、スクロース、ラクトース、またはマルトースなどの様々な二糖類、及びオリゴ糖が含まれ得るが、これらに限定されない。他の炭素源にはまた、グリセロール、デキストラン、デキストリン、コハク酸モノメチル、及びN−アセチルグルコサミンも含まれ得る。
必須の金属及びミネラルも培地に添加され得る。培養培地のこれらの無機成分には、Na、K、Cl、P、S、Ca、Mg、及びFeなどのマクロ成分が含まれ得る。Zn、Mn、Br、B、Cu、Co、Mo、V、及びSrなどの様々なマイクロ成分も必要とされ得る。POも培地中に必要とされ得る。それは、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、及び200mMを含む10mM〜200mMの濃度で存在し得る。
培養培地のpHを所望の細菌の増殖に必要な範囲辺りで維持することも重要である。培養培地のpHは、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、及び8.0を含む6.0〜8.0であり得る。特定のpK値での緩衝化合物の使用は、発酵性炭水化物がエネルギー源として添加される場合に特に重要である。リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、双性イオン性化合物、及び特定のアミノ酸は、培養培地に添加され得る緩衝剤の例である。そのような化合物の1つの潜在的な副作用は、二価カチオン(例えば、Ca++及びMg++)をキレート化(または結合)するそれらの能力である。製剤中の必須カチオンを補充することに注意を払わない限り、これらの結合剤またはキレート剤の効果は増殖の低下または全く増殖しない場合に見られる。pHは、重炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムなどの様々な酸性または塩基性溶液の添加によっても調節され得る。溶存COはまた、培養物のpHを調節するために使用することができる。
増殖培地はまた、培養培地中の特定の炭水化物の発酵を検出する有効な方法として機能し得る着色した指標物質を含有し得る。そのような化合物は、臨界pH値で明瞭かつ急速に色を変化させるべきである。フェノールレッド、ブロモクレゾールパープル、フクシンなどの、使用されるこれらの化合物のほとんどが毒性であり得る。そのため、それらの低濃度の使用が必須である。
選択培地も増殖培地において必要であり得る。所定の微生物に選択的とするために、化学物質または抗菌剤が培養培地に添加される。選択薬剤は、多菌性サンプルにおいて、不要な生物の増殖を抑制するため、または所望の生物の増殖を増強するために、選ばれ、特定の濃度で添加される。選択薬剤が不要な生物を阻害するだけでなく、所望の生物の阻害されない増殖を可能にすることを確立することが必須である。
ゲル化剤も増殖培地において有用であり得る。培養培地に使用される最も一般的なゲル形成物質は寒天である。寒天は、寒天植物海藻、主にGelidium、Gracilaria、及びPterocladia種から得られる。それは100℃超で水溶液として抽出され、脱色され、濾過され、乾燥され、粉砕されて粉末になる。寒天は、不活性ゲル化剤ではなく、その産生に使用される化学的プロセスに応じて、培養培地に栄養素及び/または毒性薬剤を与え得る。
増殖培地に他の成分を添加して、特定の目的を果たすこともできる。これらには、様々な成長因子、全血または血液成分、及びホルモンが含まれ得る。
培養培地が維持される温度は、産生する毒素の量に関して重要な要因である。産生される毒素の量を最大にするために、培地の温度は37℃以下に維持され得る。好ましくは、温度は21℃〜36℃に維持され得る。より好ましくは、温度は25℃〜34℃に維持され得る。より好ましくは、温度は28℃〜32℃に維持され得る。
タンパク質精製技術
本明細書では、タンパク質精製の様々な調製方法が企図されている。そのような方法は、免疫原性組成物の調製用を含むその後の使用のために比較的多量の精製タンパク質(複数可)を回収することを狙いとする。(分析的精製方法は、様々な研究または分析目的のための少量のタンパク質の産生のためにより多い。)調製タンパク質精製の主な工程には、抽出、精製、及び必要に応じて濃縮が含まれる。
タンパク質を抽出するためには、それを溶液にする必要があり得る。これは、それを含有する組織または細胞を破損または破壊することによって達成され得る。これを達成するためのいくつかの方法がある。凍結及び解凍の繰り返し、超音波処理、高圧による均質化、濾過、または有機溶媒による透過化である。選択の方法は、タンパク質がどれほど脆弱か、及び細胞がどれほど頑丈かに依存する。通常、従来の目的のほとんどにとって、精製を達成するためにカラムクロマトグラフィーが使用される。この抽出プロセスの後、可溶性タンパク質は溶媒中に存在し、遠心分離によって細胞膜、DNAなどから分離され得る。
タンパク質の抽出に先立ってまたはそれと併せて、存在する場合があり、かつ精製されるタンパク質を分解することが可能なプロテアーゼを阻害することが必要であり得る。セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、及びアスパラギン酸プロテアーゼを含む、存在し得る複数のクラスのプロテアーゼがある。様々なクラスのプロテアーゼを阻害するための様々な方法が利用可能であり、限定されないが、プロテアーゼを阻害するために作用する他のタンパク質、またはプロテアーゼの活性を阻害し得る様々な化学的化合物の添加が含まれる。
精製策略は、一般に、いくつかのタイプのクロマトグラフィー工程(複数可)及び装置を含む。精製プロセスは、一般に、タンパク質を分離するために3つの特性を利用する。第一に、タンパク質は、pHで等級分けされたゲルまたはイオン交換カラムを通過させることなどによって、それらの等電点に従って精製され得る。第二に、タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーまたはSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)などにより、それらのサイズまたは分子量に従って分離され得る。第三に、タンパク質は、高速液体クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーなどによって、極性/疎水性によって分離され得る。タンパク質精製プロトコルは1つ以上のクロマトグラフィー工程を含有し得る。疎水性相互作用クロマトグラフィー(表面疎水性に基づく化合物の分離)及びアフィニティクロマトグラフィー(化合物に結合したリガンドに特異性を有する様々な樹脂を使用する化合物の分離)を含む他のクロマトグラフィー法も存在する。
タンパク質の濃縮が必要な場合、これは、凍結乾燥(タンパク質の乾燥)及び限外濾過(選択的透過性膜を使用する濃縮)を含み得る様々な技術を使用して達成され得る。
免疫原性組成物
本発明の免疫原性組成物は、T.pyogenesに対する有効な免疫応答を誘導するために動物に投与され得る。したがって、本発明は、本明細書に記載の本発明の免疫原性組成物の治療的有効量を動物に投与することによって有効な免疫応答を刺激する方法を提供する。
ピオリシンは、免疫原性組成物においてその使用に先立って不活性化され得る。不活性化の方法には、熱処理、UV光処理、pHの調節(上昇または低下)、または様々な化学物質を用いる処理が含まれるがこれらに限定されない。そのような化学薬剤には、ジチオスレイトール(DTT)またはベータ−メルカプトエタノール(BME)などの還元剤、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、TritonX−100、またはCHAPSなどの洗浄剤、フェノールまたは尿素などのカオトロピック剤、及びホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドなどの反応性消毒剤が含まれるがこれらに限定されない。そのような方法及び薬剤の使用方法は、当業者に良く知られている標準的な技術を使用して容易に達成される。
本発明の免疫原性組成物は、1種以上のアジュバントを含み得る。アジュバントには、RIBIアジュバント系(Ribi Inc.、Hamilton、MT)、ミョウバン、水酸化アルミニウムゲル、水中油型エマルション、油中水型エマルション、例えば、フロイント完全及び不完全アジュバント、ブロックコポリマー(CytRx、Atlanta、GA)、SAF−M(Chiron、Emeryville、CA)、AMPHIGEN(登録商標)アジュバント、死滅Bordetella、Stimulon(登録商標)QS−21(Antigenics、Framingham、MA)などのサポニン(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,057,540に記載されている)、及びそれらから生成される粒子、例えばISCOMS(免疫刺激複合体)、GPI−0100(Galenica Pharmaceuticals、Inc.、Birmingham、AL)または他のサポニン画分、モノホスホリルリピドA、アブリジン脂質−アミンアジュバント、Escherichia Coli(組換えまたはそうでない)からの熱に不安定なエンテロトキシン、コレラ毒素、またはムラミルジペプチドが含まれるがこれらに限定されない。また、MPL(商標)(3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドA、Corixa、Hamilton、MT)も有用であり、これは米国特許第4,912,094号に記載されており、参照により本明細書に組み入れられる。また、Corixa(Hamilton、MT)から入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれるUS6,113,918に記載されている合成リピドA類似体またはアミノアルキルグルコサミンホスフェート(AGP)化合物、またはそれらの誘導体もしくは類似体もまたアジュバントとして使用するのに好適である。アジュバントとしてQuilAとコレステロールの組み合わせも使用され得る。
CpGモチーフを含有するオリゴヌクレオチド(US6,207,646、参照により本明細書に組み込まれる)などの合成ポリヌクレオチドもアジュバントとして使用され得る。E−修飾P−クラス免疫刺激性オリゴヌクレオチドを含むP−クラス免疫刺激性オリゴヌクレオチドなどのCpGオリゴヌクレオチドが有用である。ステロールもアジュバントとして有用であり得る。使用に好適なものには、β−シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、エルゴカルシフェロール、及びコレステロールが含まれ得る。アジュバント組成物には更に、例えば、DEAEデキストラン、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、及びポリメタクリル酸(例えば、CARBOPOL(登録商標))などの1つ以上のポリマーが含まれ得る。アジュバント組成物には更に、例えば、Bay R1005(R)及びアルミニウムなどの1種以上のTh2刺激剤が含まれ得る。アジュバント組成物には更に、第4級アンモニウム化合物(例えば、DDA)、インターロイキン、インターフェロン、または他のサイトカインなどの1種以上の免疫調節剤が含まれ得る。
多数のサイトカインまたはリンホカインが免疫調節活性を有することが示されており、それ故アジュバントとして使用され得る。これらには、インターロイキン1−α、1−β、2、4、5、6、7、8、10、12(例えば、US5,723,127を参照)、13、14、15、16、17、及び18(及びその突然変異型)、インターフェロンα、β、及びγ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(例えば、US5,078,996及びATCC受託番号39900参照)、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、GSF、ならびに腫瘍壊死因子α及びβが含まれるがこれらに限定されない。本発明において有用な更に他のアジュバントには、限定されないが、MCP−1、MIP−1α、MIP−1β、及びRANTESを含むケモカインが含まれる。セレクチン(例えば、L−セレクチン、P−セレクチン、及びE−セレクチン)などの接着分子もアジュバントとして有用であり得る。更に他の有用なアジュバントには、限定されないが、ムチン様分子、例えば、CD34、GlyCAM−1、及びMadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、及びp150.95などのインテグリンファミリーのメンバー、PECAM、ICAM(例えば、ICAM−1、ICAM−2、及びICAM−3)、CD2、及びLFA−3などの免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー、CD40及びCD40Lなどの共刺激分子、血管成長因子、神経成長因子、線維芽細胞増殖因子、表皮成長因子、B7.2、PDGF、BL−1、及び血管内皮増殖因子を含む成長因子、Fas、TNFレセプター、Flt、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、及びDR6を含むレセプター分子が含まれる。更に別のアジュバント分子にはカスパーゼ(ICE)が含まれる。
カチオン性担体もアジュバント組成物において有用であり得る。好適なカチオン性担体には、限定されないが、デキストラン、デキストラン−DEAE(及びその誘導体)、PEG、グアーガム、キトサン誘導体、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)などのポリセルロース誘導体、ポリエチレンイミン、ポリリジンなどのポリアミノなどが含まれる。
本発明の免疫原性組成物は、投与経路に応じて様々な形態で作製され得る。例えば、免疫原性組成物は、注入可能な用途に好適な、滅菌水性溶液または分散液の形態で作製されるか、または凍結乾燥技術を使用して凍結乾燥形態で作製され得る。凍結乾燥された免疫原性組成物は、典型的には約4℃で維持され、アジュバントを有するまたは有しない安定化溶液、例えば生理食塩水またはHEPES中で再構成され得る。免疫原性組成物はまた、懸濁液またはエマルションの形態で作製され得る。
これらの免疫原性組成物は、任意の従来の投与経路を介する投与に好適な添加剤を含有し得る。本発明の免疫原性組成物は、例えば、液体、粉末、エアロゾル、錠剤、カプセル、腸溶コーティングされた錠剤もしくはカプセル、または坐剤の形態で対象に投与するために調製され得る。それ故、免疫原性組成物はまた、懸濁液、溶液、油性または水性媒体中のエマルション、ペースト、及び植え込み可能な徐放性または生分解性製剤の形態であり得るが、これらに限定されない。非経口投与のための製剤の一実施形態では、活性原料は、再構成された組成物の非経口投与の前に好適な媒体(例えば、発熱物質を含まない滅菌水)で再構成するための乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態で提供される。他の有用な非経口投与可能な製剤には、活性原料を、微結晶形態で、リポソーム製剤中に、または生分解性ポリマー系の成分として含むものが含まれる。徐放または植え込みのための組成物は、エマルション、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、または難溶性塩などの薬学的に許容可能なポリマーまたは疎水性材料を含み得る。
免疫原性組成物は、一般に、獣医学的に許容可能な担体を含む。そのような担体には、限定されないが、水、生理食塩水、緩衝生理食塩水、リン酸緩衝剤、アルコール性/水性溶液、エマルション、または懸濁液が含まれる。従来から採用される他の希釈剤、アジュバント、及び賦形剤は、従来の技術に従って添加され得る。そのような担体には、エタノール、ポリオール、及びその好適な混合物、植物油、及び注入可能な有機エステルが含まれ得る。緩衝剤及びpH調節剤も採用することができ、これには、限定されないが、有機酸または塩基から調製される塩が含まれる。代表的な緩衝剤には、限定されないが、有機酸塩、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、フタル酸の塩(例えばクエン酸塩)、トリス、トリメチルアミン塩酸塩、またはリン酸緩衝剤が含まれる。非経口担体には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース、トレハロース、スクロース、乳酸リンゲル液、または固定油が含まれ得る。静脈用担体は、流体及び栄養補充剤、電解質補充剤、例えばリンゲルデキストロースに基づくものなどを含み得る。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤(例えば、EGTA、EDTA)、不活性ガスなどのような防腐剤及び他の添加剤もまた薬学的担体に提供され得る。本発明は担体の選択によって限定されない。適切なpH、等張性、安定性、及び他の従来の特性を有する、上述の成分からのこれらの薬学的に許容可能な組成物の調製は、その技術の技能の範囲内である。例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、20th ed、Lippincott Williams & Wilkins、pub.、2000、及びThe Handbook of Pharmaceutical Excipients、4th edit.、eds.R.C.Roweら、APhA Publications、2003を参照。
組換え技術
本発明の更に他の実施形態では、免疫原性組成物は組換えワクチンを含み得る。そのような組換えワクチンは、組換えタンパク質、あるいはその組換えタンパク質をコードするベクター及び異種インサートを含み得る。いくつかの実施形態における異種インサートは、本発明のタンパク質をコードする1つ以上の核酸配列を含む。インサートは、任意に、例えば、その技術で知られている合成プロモーターなどの異種プロモーターを含み得る。あるいは、宿主ベクターのプロモーターは、インサートの発現に対して転写制御を発揮し得る。ベクターの選択に応じて、天然または異種であり得るプロモーターの好適な非限定的な例は、H6ワクシニアプロモーター、I3Lワクシニアプロモーター、42Kポックスウイルスプロモーター、7.5Kワクシニアプロモーター、及びPiワクシニアプロモーターである。
いくつかの実施形態では、ベクターは、限定されないが、パラポックス、ラクーンポックス、豚痘、及び異なるアビポックスベクター(例えば、カナリアポックス及び鶏痘株)などのワクシニア及びポックスウイルスベクターを含むウイルスベクターであり得る。一般に、ウイルス宿主にとって必須ではない配列は、本発明のインサートのための好適な挿入部位である。上記に列挙された株はその技術において十分に特徴付けられており、これらのベクター中のいくつかの挿入部位はよく知られている。
本発明のヌクレオチド配列をクローニング及び発現するために使用され得るいくつかの既知の方法または技術が存在する。例えば、その配列は、制限断片として単離され、クローニング及び/または発現ベクターにクローニングされ得る。配列はまた、PCR増幅され、クローニング及び/または発現ベクターにクローニングされ得る。あるいは、それらはこれらの2つの方法の組み合わせによってクローニングされ得る。Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1989)、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、Baltimore、 Maryland(1989)、Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning、John Wiley & Sons、New York(1988)、Watsonら、Recombinant DNA、Scientific American Books、New York、Birrenら(eds)Genome Analysis、A Laboratory Manual Series、Vols.1−4 Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1998)、ならびにUS4,666,828、US4,683,202、US4,801,531、US5,192,659、及びUS5,272,057に説明されている方法論に記載されているように、その技術で知られており、具体的には記載されていない標準的な分子生物技術に一般に従うことができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、一般に、PCRプロトコル、A Guide to Methods and Applications、Academic Press、San Diego、CA(1990)に記載されているように行われる。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列によって発現される組換えポリペプチドの短縮型(truncated)及び全長型(full−length)の両方を発現させるために使用され得る、ベクター及び宿主細胞を含む、原核及び真核発現系の使用を包含する。様々な宿主−発現ベクター系を利用して、本発明のポリペプチドを発現してよい。そのような宿主−発現系はまた、目的のコード配列をクローニングし、その後に発現したタンパク質(複数可)を精製し得る媒体を表す。本発明は更に、適切なベクターまたはヌクレオチド配列で形質転換またはトランスフェクトされたときに、本発明のコードされたポリペプチド遺伝子産物を発現し得る宿主細胞を提供する。そのような宿主細胞には、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコード配列を含有するコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、Escherichia coli、Bacillus subtilis)などの微生物、コード配列を含有する組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、Saccharomyces、Pichia)、コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染させた昆虫細胞系、組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV、タバコモザイクウイルス、TMV)で感染されたかまたはコード配列を含有する組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系、または哺乳類細胞(例えば、メタロチオネインプロモーター)からまたは哺乳類ウイルス(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)から誘導されたプロモーターを含有する組換え発現構築物を含む哺乳類細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、3T3)、及びコード配列を含む。
本発明のベクターは、限定されないが、細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体因子、哺乳類ウイルス、哺乳類染色体、及びそれらの組み合わせから誘導され得、例えば、コスミド及びプラスミドを含むがこれらに限定されないプラスミド及びバクテリオファージ遺伝的因子から誘導されるものである。
本発明のベクターはポリペプチドの発現のために使用され得る。一般に、本発明のベクターは、発現されるべきポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたシス作用調節領域を含む。その調節領域は構成的または誘導的であり得る。適切なトランス作用因子は、インビトロ翻訳系によって、補完ベクターによって、または宿主への導入時にベクターそれ自体によって、供給される。
ピオリシンの単離を容易にするために、ピオリシンが異種ポリペプチドに連結され、アフィニティクロマトグラフィーによる単離を可能にする融合ポリペプチドが作製され得る。好ましくは、融合ポリペプチドは、当業者に既知の発現系のうちの1つを使用して作製される。例えば、ピオリシンをコードするポリヌクレオチドは、その5’または3’末端のいずれかで、異種ポリペプチドをコードする核酸に連結する。その核酸は、適切なコドンリーディングフレームにおいて連結して融合ポリペプチドの産生を可能にし、ピオリシンのアミノ及び/またはカルボキシル末端は異種ポリペプチドに融合され、これにより融合ポリペプチドとしての抗原の単純化された回収が可能になる。融合ポリペプチドは、精製中に抗原が分解されるのを防ぐこともできる。いくつかの例では、精製後に異種ポリペプチドを除去することが望ましい場合がある。そのため、融合ポリペプチドは、ピオリシンと異種ポリペプチドとの間の接合部に切断部位を含むことも企図される。切断部位は、その部位でアミノ酸配列に特異的な酵素で切断されるアミノ酸配列からなる。企図されるそのような切断部位の例には、エンテロキナーゼ切断部位(エンテロキナーゼによって切断される)、第Xa因子切断部位(第Xa因子によって切断される)、及びGENENASE切断部位(GENENASEによって切断される、New England Biolabs、Beverly、Mass)が含まれる。
免疫原性組成物で使用するための組換えポリペプチドを産生するための原核生物発現系の例は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子融合系(Amersham Pharmacia Biotech、Piscataway、N.J.)である。融合タンパク質を産生する別の方法は、ポリヒスチジンタグをインフレームでコードするDNA配列と抗原をコードするDNAとを連結する方法である。そのタグは、金属アフィニティクロマトグラフィー、好ましくはニッケルアフィニティクロマトグラフィーによる融合ポリペプチドの精製を可能にする。Xpress系(Invitrogen、Carlsbad、CA)は、ポリヒスチジン−ポリペプチド融合タンパク質を作製し、次いで単離するために利用可能な市販のキットの例である。また、pMAL融合及び精製系(New England Biolabs、Beverly、MA)は、マルトース結合タンパク質(MBP)が抗原に融合された融合ポリペプチドを作製するための方法の別の例である。MBPは、アミロースアフィニティクロマトグラフィーによる融合ポリペプチドの単離を容易にする。他の融合パートナー、及びそのような融合を生成するための方法は、容易に利用可能であり、当業者に知られている。これらの融合物は、免疫原性組成物としてそれら全体として使用され得、または組換え抗原と異種ポリペプチドとの間の接合部で切断され得る。
本発明のベクターには、複製配列の複製起点、1つ以上のプロモーター、抗生物質耐性遺伝子、リーダーまたはシグナルペプチド配列、様々なタグ配列、制限部位、リボソーム結合部位、翻訳エンハンサー(翻訳後のmRNAの安定性のためのステムループ構造を形成することが可能な配列)、停止コドンを欠くアミノ酸をコードする配列、及び細菌コートタンパク質をコードする配列を含むがこれらに限定されない発現または表示ベクターに典型的に含まれる任意の要素が含まれ得る。
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これに限定されるものではない。
実施例1.ピオリシンの発現、単離、及び精製のための改善された方法。
全ての発酵段階に使用した培地は、加熱滅菌したトリプトン/酵母抽出物/Tween80/グルコース/リン酸塩/ヘミン溶液であった。滅菌濾過したビタミン溶液及び更に濾過滅菌したグルコース溶液を加熱滅菌後の培地に添加した。凍結野生型Trueperella pyogenesのアンプルを解凍し、これを使用して培地(0.5%v/v)を含有するフラスコ(約30%の充填容積で)に接種した。これを5%に設定したCOインキュベータ内で、100rpmで、37℃で16〜28時間インキュベートした。次いで、培地を含有する第2のフラスコに、第1のフラスコからの10%v/vの培養物を接種した。次いで、これを5%に設定したCOインキュベータ内で、100rpmで再び37℃で4〜8時間インキュベートした。次いで、発酵槽に第2のフラスコからの0.5%v/vの培養物を接種した。温度を37℃に保ち、出発pHは7.2〜7.4であった。pHをpH6.15に低下させ、次いで30%NaOHのみで一方向で制御した。純粋酸素を0.05vvmの最大流量で使用して溶存酸素を5%に維持し、容器を低速(2リットルスケールで20rpm)で攪拌した。グルコース枯渇の直前に、発酵槽にpH6.15に調節されたEGTA溶液を混ぜて2g/Lの最終濃度とした。これと同時に、滅菌濾過したラクトース溶液を最終濃度が4〜8g/Lになるように加えた。次いで、集菌時間はインプロセス超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)分析を通じて決定され、名目上は60〜80時間程度であった。次いで、集菌培養物を<20℃に冷却し、次いで細胞を遠心分離及び濾過によって除去した。10kDa(カットオフ)の修飾セルロースアセテートUF膜を使用して、接線流濾過によって上清を10〜30倍濃縮した。次いで、その上清を50mMのMES、500mMのNaSO、pH5.8を含有する緩衝剤を使用して4〜5回洗浄してダイアフィルトレーションした。次いでダイアフィルトレーションされた保持液(retentate)を滅菌濾過し、精製の準備をした。
上流プロセスの改善に関して、歴史的に培養物はグルコース枯渇が起こるときである定常期に4時間で最大量のピオリシンを産生する。次いで、その生物はプロテアーゼを産生しはじめるが、それは経時的に毒素を完全に分解する。それ故、600nmにおけるO.D.が典型的には約3.7の場合に、細胞の集菌は典型的にはグルコース枯渇後3〜4時間で行われる。次いで、pHを5.7〜5.9に調節してプロテアーゼを更に阻害した。このプロセスにおける1つの改善は、プロテアーゼがEGTAの添加で無効化されるという発見であった。それ故、グルコース枯渇の前またはその時点でのEGTAの添加は、最大収率に一致する細胞集菌を可能にしたが、その理由は、プロテアーゼの不活性化及びその後の新鮮な炭素源の培養物への供給により、より高い収率の達成が可能となったからである。また、上清の濃縮はかつて10kDaのPES限外濾過カセットを使用して行っていた。PLOの回収率は約65%だけであった。しかしながら、10kDaの改変セルロースアセテート(例えば、ハイドロサート(hydrosart))限外濾過カセットに切り替えることにより、PLOの回収を約100%に改善することが可能になった。
このプロセスの更なる改善には、リン酸緩衝化、ビタミン溶液の添加、ならびに培養物へのマグネシウムの添加が含まれていた。リン酸緩衝化に関して、pH6.8の25mMリン酸ナトリウムが最適であると決定された。ビタミン溶液に関して、以下の組成物が添加された。ビタミンB12(2.5mg/L)、ミオ−イノシトール(50mg/L)、ウラシル(50mg/L)、ニコチン酸(10mg/L)、パントテン酸カルシウム(50mg/L)、ピリドキサール−HCl(25mg/L)、ピリドキサミン−2HCl(25mg/L)、リボフラビン(50mg/L)、チアミン−HCl(25mg/L)、p−アミノ安息香酸(5mg/L)、ビオチン(5mg/L)、葉酸(20mg/L)、ナイアシンアミド(25mg/L)、及びβ−NAD(62.5mg /L)。マグネシウムの添加に関しては、これは、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、または硫酸マグネシウムの形態で供給することができた。
このプロセスの更なる改善には、単一または複数の炭素源補充を使用するバッチ及び/またはフェッドバッチ発酵策略が含まれていた。炭素源は、ヘミン及びホスフェートなどの追加的な栄養因子及び/または塩も含有し得る。ピオリシンの増殖及び産生を最大にするために計画された発酵最適化策略には、溶存酸素、酸化還元、pH、及び二酸化炭素レベルの制御が含まれる。いくつかの実験的作業はより低い操作温度が有益であり得ることを示唆しているので、インキュベート温度も改善され得る。
ピオリシンの下流処理及び精製に関して、50mMのMES、500mMのNaSOpH5.8で平衡化されたフェニルセファロース樹脂を使用して、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を介してそのタンパク質を精製した。それは50mMのMESpH5.8中で溶出された。次いで精製したタンパク質を濃縮し、続いてリン酸緩衝剤(ナトリウムまたはカリウム)に緩衝剤交換した。次いで、溶血活性決定して活性タンパク質が精製されたことを確保した。これは、アッセイ緩衝剤でのピオリシンの連続希釈、続いてウマ赤血球でのピオリシンの37℃でのインキュベートによって行われた。次いで、これを遠心分離して無傷赤血球をペレット化し、可溶性(溶解した)材料を新規のプレートに移し、405nmでのO.D.を測定し、結果をプロットした。溶血単位(HU)は曲線の中間点で決定され、溶血単位が1000未満である場合、ピオリシンは解毒したとみなされた。次いでUPLC及びSDS−PAGEを使用して、単離されたタンパク質の同一性を確認した。最後に、ピオリシンを20℃で24〜48時間、0.25%〜0.5%(v/v)ホルマリンで処理することによって不活性化し、次いで滅菌濾過した。
実施例2.ピオリシンの発現レベルを増加させるための更なる改善。
子宮筋層炎シード培地を調製するために必要な原材料を表1及び表2に示す(目標濃度を含む)。
Figure 2018507704
Figure 2018507704
塩化ヘミン溶液は必要な日に常に新鮮に調製される。まず、塩化ヘミン粉末を適切な容積の1MのNaOHに溶解し、完全に溶解したときに蒸留水で容積を調整する。
ポリソルベート80の高い粘度のために、子宮筋層炎シード培地を調製する際の最初の工程として、この成分をガラスビーカーに直接計量することがより容易である。マグネチックスターラー有するビーカーに蒸留水の最終容積の約60%を添加し、溶液を混合し、約50〜60℃に加熱する。この溶液は加熱すると曇ることに留意する。表2に示す順序で、他の成分の全てを徐々に添加する。全ての原料を完全に溶解し、蒸留水で容積を調整する。培地を121℃で15〜20分間加熱滅菌する。その培地は室温で7日間の貯蔵寿命を有する。この短い貯蔵寿命はヘミンの含有に起因する。ヘミンを用いずに基本培地を調製する場合、貯蔵寿命は室温で約3ヶ月に延長されるであろう。濾過滅菌した塩化へミン溶液は、必要に応じてバルク基本培地の一部に添加され得る。しかしながら、所定の市場では、使用前にその材料の外部機関の試験が必要となる。
35Lまでのパイロットスケールで実施された全ての発酵研究では、十分な接種容積を提供するために2つのシード段階しか必要でなかった。第1段階は定常期まで増殖され得、そのインキュベート期間に多くの適応性を有する。第2段階は、細胞を「新鮮にする」ために使用され、指数関数的増殖で発酵段階に移されるものである。
平滑な壁及びベントキャップを有する使い捨てのコーニング三角フラスコは、これまでの全ての発酵研究に使用されてきた。しかしながら、他の使い捨てまたは非使い捨ての培養フラスコも同様に良好であるべきである。全てのシード段階について、フラスコを総容積の32%まで充填し、接種後、5%及び100rpmに設定したCO振盪インキュベータ内でインキュベートする。大幅に改善された増殖に起因してCOインキュベータが最初に使用された。しかしながら、それ以来はるかに良好な増殖培地が開発されてきたので、標準的なインキュベータが現在では満足のいくものであり得る(これらの研究は実施していない)。
T.pyogenesマスターシードからの最大数のシード継代を試験する実験は、ピオリシン収率に有害な影響がないことを示した。実験設計は、10,000Lの理論的最終発酵培養容積に基づいており、マスターから7継代がこのスケールアッププロセスに十分であろう。これは、マスターシードからの豊富な3継代を有する作業シードバンクを調製することに基づいていた。
この実験は、マスターシードからの第6継代を接種した35Lのパイロット発酵槽でのピオリシン産生性を試験した。最初の5継代は125mLのフラスコ中40mLの容積であり、第6シード段階は1000mLのフラスコ中320mLであった。
シード段階1(125mL−スケールの例)
T.pyogenes作業シードアンプルを無菌で解凍して開ける。125mLの平滑壁フラスコ内の40mLの子宮筋層炎シード培地に0.5%v/vのアンプルを接種する。5%に設定されたCOインキュベータ内で、100rpmで、振盪プラットフォーム上で、37℃で16〜28時間好気的にインキュベートする。OD600は3〜7であるべきであり、残っている残留グルコースは存在しないはずである(セクション3.6.2参照)。培養物は、ヒツジまたはウマ血液寒天プレート上にストリークすることによって純度について試験されるべきである(セクション3.6.5参照)。
シード段階2(125mL−スケールの例)
125mLの平滑壁フラスコ内の40mLの子宮筋層炎シード培地に10%v/vのシード段階1(SS1)を接種する。5%に設定されたCOインキュベータ内で、100rpmで、振盪プラットフォーム上で、37℃で4〜8時間好気的にインキュベートする。OD600は1〜3であるべきであり、発酵槽(複数可)に接種する前にシード段階2(SS2)に残っている一部の残留グルコース(セクション3.6.2参照)があることを確保する。培養物は、ヒツジまたはウマ血液寒天プレート上にストリークすることによって純度について試験されるべきである(セクション3.6.5参照)。
子宮筋層炎産生基本培地の調製に必要な原材料を表3に示す。
Figure 2018507704
子宮筋層炎産生基本培地の一般的調製は、子宮筋層炎シード培地について上述したものと同じである。培地は同様であるが、塩化ヘミンの添加はなく、より低いグルコース濃度を有する。発酵槽中の基本培地の必要容積を121℃で30〜60分間加熱滅菌する。
この培地は、高加熱滅菌負荷に敏感であることで毒素収率が大幅に減少したトリプトンソイブロス(TSB)に基づく培地に取って代わる。この改善された培地は耐熱性がはるかに優れているが、トリプトンをTSBに対して高い(約2.5g/LのTSBに相当)及び低い(0.5g/L)グルコース濃度と比較するだけのため、ヘミンはこの開発研究から意図的に排除された。その意図は、後に、ヘミンの有無にかかわらず加熱滅菌された改善した培地を比較することであった。この作業はまだ実施されていない。
子宮筋層炎産生基本培地を発酵槽(複数可)内で加熱滅菌し、冷却した後、表4に示す割合で濾過滅菌した成分1及び2を添加することによって子宮筋層炎完全生産培地を調製する。この培地の残留グルコース濃度は14±2mMであるべきである。残留グルコースが8mM未満でありかつOD600が2.5を超えた場合にEGTA及びラクトース溶液を接種後およそ10〜12時間に添加する(それぞれセクション3.5.4及び3.5.6を参照)。ラクトース溶液は、ボーラスと連続的供給策略のどちらを採用するかに応じて、成分番号4aまたは4bのいずれかとして添加される。
Figure 2018507704
ビタミンストック溶液
ビタミンストック溶液の調製に必要な原材料を表5に示す。ビタミンK及びKを組み合わせて添加すると、フラスコ及び発酵研究の両方で収率が改善することが示された。この追加の複雑さが正当化されるかどうかを調査するために更なる作業が必要となるので、これらは現在のビタミンストック溶液には含まれていない。ビタミンK及びKの一方のみまたは両方が有益であるかどうかは知られていない。ビタミンK及びKは水溶性ではなく、実施された実験ではDMSOに溶解された。
Figure 2018507704
−20℃で凍結し、最大で12ヶ月間保存することができるビタミンの非滅菌ストック溶液を調製することがより容易である。冷たい蒸留水の最終容積の約20〜30%を、マグネチックスターラーを有するガラスビーカー、スコットボトル(Schott Bottle)、またはガラスエルレンメイヤーフラスコ(Erlenmeyer Flask)(または任意の他の好適な容器)に添加する。各成分を一度に1つずつ計量し、激しく攪拌しながら冷たい蒸留水で容器にすすぐ。容積を調整し、全ての原料が完全に溶解していることを確保し、次いで40mLの非滅菌アリコートとして分配し、−20℃で(または必要に応じてより冷たく)凍結する。
ビタミン/ヘミン溶液
子宮筋層炎産生基本培地の塩化ヘミン成分を毒素の収率に大きな影響を与えることなく20〜30分間加熱滅菌することが可能である。塩化ヘミンを含有する培地が、ピオリシン収率に有意な影響を及ぼすことなく、より高い熱負荷を使用して加熱滅菌され得るか否かを決定するために更なる作業が必要とされる。これは、安定性及びグローバルワクチンプラットフォームの確立を可能にするために抗原製造設計の重要な部分となる。例えば、オーストラリアは、加熱滅菌されたまたはガンマ線照射された塩化ヘミンの添加のみを許容するであろう(すなわち、濾過滅菌された塩化ヘミンの添加は、外部機関の試験なしにはオーストラリアの規制当局に受け入れられないであろう)。しかしながら、これが実験的に実証されるまで、濾過滅菌されたビタミン/ヘミン溶液は、加熱滅菌後の媒体添加剤として使用された。その貯蔵寿命は短いため、発酵槽(複数可)に接種する日にこの溶液を調製することが重要である。発酵槽の容積増加を最小限に抑えるために、ヘミンとビタミンを組み合わせた溶液を使用した(そうでなければ、40mL/Lの、塩化ヘミン及びビタミン溶液の両方が必要となるであろう)。ビタミン/へミン溶液を調製するのに必要な原材料を表6に示す。
Figure 2018507704
ビタミン/ヘミン溶液は、必要な日に常に新鮮に調製される。
必要量のビタミンストック溶液を解凍し、振盪によって混合する。最初に、塩化ヘミンを適切な容積の1MのNaOHに溶解し、完全に溶解したときに、必要容積の非滅菌ビタミン溶液に添加する。これは、添加されたNaOHの容積によって必要とされる合計量よりわずかに大きな容積を作製するが、この1%の増加は無視できる。基本培地中のヘミンに対する加熱滅菌効果が解消されるまで、この調製方法は満足のいくものである。濾過滅菌したヘミン/ビタミン溶液を残しておくことが決定された場合は、95%の容積でビタミンストック溶液を調製し、次いでヘミン添加後に容積を調製することによって、これをより正確に実施し得る。溶液を濾過滅菌し、調製の日に使用の準備ができるまで2〜8℃で保存する。
Figure 2018507704
マグネチックスターラーを有するアルミホイル(または同様のもの)で覆われたガラスビーカーに沸騰に近い蒸留水の最終容積の約50%を入れる。グルコース粉末を徐々に添加し、完全に溶解するまで加熱して覆いながら(溶液が沸騰するのを避ける)攪拌し続ける。容積を調整し、冷却して滅菌濾過する。
Figure 2018507704
マグネチックスターラーを有するガラスビーカー内で冷たい蒸留水の最終容積の約60%にEGTAを添加する。継続的に攪拌しながら、この段階でスラリーとして現れる溶液の初期pHを測定する。完全に溶解したときに、5.8の目標pHで必要とされる合計で30%のw/vNaOH溶液の80%を急速に添加する。ほぼ溶解したら、目標pHを達成するのに必要な30%w/vのNaOHのバランスを徐々に加えるとともに、完全な溶解を達成する。調製の最後の最後に目標pHが行き過ぎになりやすいので、この点で、1MのNaOHを最終調節に使用することがより良好であり得る。pH目標がわずかに行き過ぎた場合、2MのHCl溶液(または同様のもの)で戻して調節することができる。5.8のpHに正確に調節した後、容積を調整し、濾過滅菌する。
Figure 2018507704
マグネチックスターラーを有するアルミホイル(または同様のもの)で覆われたガラスビーカーに沸騰に近い蒸留水の最終容積の約50%を入れる。ラクトース粉末を徐々に添加し、完全に溶解するまで加熱して覆いながら(溶液が沸騰するのを避ける)攪拌し続ける。容積を調整し、冷却して滅菌濾過する。
Figure 2018507704
マグネチックスターラーを有するビーカー内の蒸留水の最終容積のおよそ80%にラクトース粉末を添加し、完全に溶解するまで混合する。容積を調整し、濾過滅菌する。
発酵のスケーラビリティ
T.pyogenes発酵プロセスは、0.5、2、5、及び35Lスケールで成功裏に増殖した。通常、最も困難な物理化学的性質の変化は、発酵プロセスが実験室からパイロットスケールにスケールアップされたときに観察される。しかしながら、小さな実験室スケールの発酵槽から幅広く良好なスケーラビリティを実証するプロセスを用いて、35Lのパイロットスケールまでのスケールアップを通して問題は観察されなかった。これまでに観察された良好なプロセススケーラビリティに基づけば、産生容器にスケールアップする場合に問題は予期されない。
表11は、試験された発酵槽の慣用な物理的パラメータを要約している。
Figure 2018507704
Figure 2018507704
発酵策略
接種前に、これまで試験した発酵槽の開始操作条件を表12に示す。
Figure 2018507704
溶存酸素制御及びCO環境
T.pyogenesから最も高い収率のピオリシンを産生する現在の策略は、各発酵槽において子宮筋層炎完全産生培地に0.5%の活発に増殖するSS2細胞を接種することである。初期の増殖は、遅い攪拌速度及び要求に応じて純粋酸素を使用して開始されて、0.05vvmの最大流量で5%の溶存酸素設定点を維持する。この策略の背後にあるコンセプトは、細胞が急速に増殖することを可能にすることであるが、気泡によって液相から除去されるCOを最小限にすることでもある。これが空気の代わりに酸素を使用する理由である。DOプローブの機能不全に関する問題は、この策略を使用する問題を時に引き起こしたので、酸化還元制御期まで0.05vvmの連続した酸素流量を実現するために同様に良好であり得る。
酸化還元制御
酸化還元制御がT.pyogenesのための発酵策略の一部として採用される理由は、ピオリシン産生性を最大にするために最適な微好気的環境条件を正確に維持することである。技術的には正確ではないものの、それは、標準的な光学式またはポーラログラフ式溶存酸素プローブによって測定することができない、非常に低いレベルの溶存酸素を制御する方法である。酸化還元制御はまた、微好気性及び好気性培養の両方において重要な異化反応を進行するのに役立つ。酸化還元制御の利点は、最適な酸化還元レベルに自己調整するシステムによって、複雑な培地成分(例えば、トリプトン及び酵母抽出物)のバッチ間のばらつきが最小限に抑えられる非常に改善されたプロセスの安定性である。酸化還元制御のない系では、トリプトンの乏しいバッチで観察されるより低い細胞収率が、ピオリシン収率の低下を引き起こす準最適な微好気性状態をもたらすであろう。酸化還元制御は、原材料の品質のわずかな変動にかかわらず、発酵の微好気的環境を最適レベルに自動的に調節する能力を有する。酸化還元制御の欠点は、酸化還元プローブを較正することができないことであるが、それらのアウトプットのみが標準溶液の理論値に照らして確認を行った。これらの値はまた、約±20mVのかなり大きな誤差を有する。
接種後直ちに酸化還元制御を使用することはできないが、その理由は、制御の設定点より低い酸化還元を進行するのに必要な「運動量(momentum)」を提供するために、十分に大きな溶存ガス環境を生成するのに十分な活動的増殖細胞をその系が必要とするからである。これが、pO制御が発酵の初期増殖期に使用される理由である。
現在の酸化還元制御策略は、酸化還元を増大させるための一定の空気スパージング速度でスターラー速度の変化を使用し、かつ酸化還元を減少させるために空気スパージング速度を減少させて設計された。最終的なGMS発酵法において純粋酸素を使用する必要性を完全に取り除くための努力をして酸素の代わりに空気を使用した。空気を使用することの欠点は、高められたガス泡立ち速度では、ピオリシン収率を最大にするための最適な溶存CO濃度が可能でない場合があることである。
現在、酸化還元を制御するためにアルゴリズムが使用されている(付録2参照)。このタイプのアルゴリズムは、その洗練のレベル及び自己調節能力が改善され得るが、酸化還元制御を最終的な製造プロセスに進行する決定がなされた場合、より安定な代替物が利用可能である。1つの解決策は、pO制御のために既に設置されたものと同様のカスケードPID制御系を適切な発酵槽ベンダーの顧客に作製させることであってよく、これによりその制御はまた、スターラー、空気、及び酸素スパージングを通して繋げられ得る。あるいは、培養物に電流を流すことによって酸化還元を制御する、利用可能なカスタマイズされた酸化還元制御発酵槽が存在する。
CO制御
策略はCOを制御するためにはまだ試験されていない。しかしながら、溶存CO濃度を制御することは、ピオリシン収率の一貫性を最適化及び維持の両方を行うのを助け得ると考えられる。Mettler Toledo InPro5000i溶存COプローブでその場で酸化還元制御策略を試験している間に、より高いガススパージング流量が溶存CO濃度に有意な影響を及ぼすことが明確に観察された。スターラー速度は、COレベルに最小限の影響しか及ぼさないように思われた。
酸化還元制御アルゴリズムを使用して溶存COを制御することもできた。記述された補完アルゴリズムは、溶存COプローブまたは他のCO測定装置(例えば、オフガス測定)からの出力を制御するために必要に応じてガススパージング流量を増加または減少させることができた。これはまた、酸化還元及びCOの制御が互いに独立するように、別の質量流制御器から実施することができた。このコンセプトは手動で試験され、機能したが、まずピオリシンの収率を最適化するために溶存CO濃度が重要かどうか、及びそれが重要であると判明した場合、次いで最適な制御レベルはどのくらいかを決定するためにある程度の努力が必要とされる。
溶存COがピオリシンの収率を最適化する上で重要であると判明した場合、要求されるより低いガス流量を通じて可能になる細かい制御のため、純粋酸素スパージングを使用して最適レベルを制御することが恐らくより簡単である。
プロテアーゼ阻害
残留グルコース濃度が8mM未満で、OD600が2.5を超える場合、培養物1リットル当たり20ミリリットルの10%EGTA溶液(pH5.8)を添加すべきである。初期グルコース濃度が14±2mMの正しい出発範囲にある場合、EGTA添加のタイミングは、接種後約10〜12時間である。これは発酵策略の肝要な部分であり、入念に監視し、慎重に実施しなければならない。EGTAは多くの二価金属イオンをキレート化するが、Ca2+イオンに対して非常に高い親和性を有する。EGTAを培養物に添加する理由は、プロテアーゼの活性(及び場合によっては形成)を阻害することである。我々は、カルシウムが、T.pyogenes培養物におけるプロテアーゼ活性に関与する主な金属であることを実証した。通常の量のEGTAを有するフラスコに余分なカルシウムを添加した場合、ピオリシン濃度は急速に低下するが、マグネシウム添加は収率を改善する。
ラクトース
増殖が停滞しないようにグルコース枯渇の前にラクトース溶液を添加することが重要であるが、採用された策略はEGTA添加後の培養物にラクトースを添加することであった。それは接種前に培養物に添加され得るが、EGTA添加後にそれを添加する唯一の理由は、より肝要なEGTA添加工程の正確な残留グルコースの監視を可能にすることである。ラクトースの存在下でグルコース濃度を監視することが可能である場合、この方法論は収率に悪影響を及ぼすことなく容易に変更され得る。
バッチ及びフェッドバッチラクトース供給の両方を使用していくつかの研究が実施されてきた。現時点では、フェッドバッチ策略がラクトースの単回または数回のボーラス添加のいずれかで利益をもたらすのかは知られていない。ボーラス添加は50%ラクトース溶液添加を使用して実施されてきた。必要な供給速度が非常に低いため、2Lの作業容積で蠕動ポンプを使用できるように、フェッドバッチ発酵には6%ラクトース溶液が使用された。この方法の欠点はより高い希釈効果である。より高い精度のポンピング方法(例えば、シリンジポンプ)を使用してより濃縮された溶液が添加され得る。あるいは、フェッドバッチ策略を使用して利益が観察される場合、他の栄養素及び/または原料が供給物(例えば、トリプトン、マグネシウム、塩化ヘミンなど)に添加され得る。
マグネシウム
様々なマグネシウム源を使用して小さなフラスコ研究を実施した。無機マグネシウム硫酸塩を、3種の有機マグネシウム源(グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、及びクロロフィル)と等モルのマグネシウム濃度で比較した。グルコン酸マグネシウムは最も高いピオリシン収率を提供したが、この原材料を調達することが困難な場合には、既に入手可能な他のマグネシウム源を使用して最適化研究を容易に行い得る。有機マグネシウム源の試験の背後にあるコンセプトは、EGTAが、無機源の弱いイオン結合よりも強く結合するマグネシウムを隔離する能力が低くあるべきであるということである。より高いレベルの無機マグネシウムを単に添加することにより、より大きなプロテアーゼ産生が可能になり得るという懸念があった(これは根拠がないかもしれないが)。マグネシウムは増殖に必要であるため、マグネシウム添加で観察される細胞質量の増加は、より高いピオリシン収率をもたらすべきでる(このフラスコ研究で観察されるように)。
インプロセス分析方法
光学密度
細胞増殖は、分光光度計で、600nmで測定した光学密度の変化によって決定される。吸光度測定精度の線形範囲内でサンプルが維持されることを確保するために、値が0.5を超える場合、希釈剤として水が一般に使用される。産生増殖培地を使用すると、バックグラウンドの吸光度が差し引かれるように精度がわずかに改善される。これは、培養増殖期の早期段階の結果に実際に影響を及ぼすだけなので、一般には必要でないと考えられる。
残留グルコース
残留グルコースは、市販の手持ち式血糖分析器を使用して測定される。試験ストリップを装置に挿入し、サンプルの準備が整ったことの表示を待ってから、約10〜20μLの濾過されていない発酵培養物を試験ストリップの先端に置き、結果は1リットル当たりのミリモルで提供される。
残留ラクトース
残留グルコースに使用される同じ分析器はまた、残留ラクトースの結果を提供する。提供される実際の値は正確ではないが、それでも、発酵監視に十分な相対的残留ラクトースレベルの監視が可能である。しかしながら、この器具を使用して残留ラクトースレベルが3mMを下回ると、増殖が著しく遅くなることが観察された。ボーラス及びフェッドバッチラクトースの供給の両方について、3mMを超える残留ラクトース濃度を維持することが必要である。
ピオリシン濃度
ピオリシン濃度を測定するために使用される主なインプロセス分析技術は、UPLCを使用する逆相液体クロマトグラフィーである。他の高感度技術は溶血アッセイであり、溶血アッセイは、粗標準に任意の溶血単位を割り当てることによってピオリシン濃度を測定し、次いでこの標準を参照することによって他のサンプルを測定する。このアッセイは、ピオリシントキソイドサンプルにおける不活性化レベルを測定するのに非常に有用である。その高感度から、高濃度(約50μg/mL超)のピオリシンサンプルでは、希釈誤差が拡大され、極端な注意を払わない限りアッセイがかなり変動する。
純度試験
培養物純度は、ヒツジまたはウマ血液寒天プレート(SBAまたはHBA)上にストリークすることによって試験され得る。プレートを好気的に37℃で48〜96時間インキュベートする。CO環境でのインキュベートは増殖率を増大させる。純粋培養物は、小さな白色/クリーム色で、凸状で光沢のあるコロニーとして現れる。プレートもインキュベートすることができるが、T.pyogenesコロニーもこれらの条件下で増殖する(但し、よりゆっくりである)。汚染は、プレート上の他のコロニータイプを観察することによって同定される。
集菌及び細胞除去
集菌の時期は現在十分に定義されていないが、接種後約60〜70時間でピオリシン濃度が後期定常期において増大しなくなったときに開始される。
研究及び開発スケールの両方での培養集菌及び細胞除去は、培養物を20℃未満に冷却し、無菌的に集菌し、事前に滅菌した遠心分離ポットで、4℃で15〜30分間6,000×gで遠心分離することによって実施した。次いで、上清を適切な滅菌容器に無菌的に静かに移し、低タンパク質結合滅菌グレードフィルターを通して濾過滅菌する。セルロースアセテート膜は、その非常に低いタンパク質結合特性のために第一選択であった。Sartorius Sartobranフィルターは、一般に、濾過される容積に適合するように選ばれた適切なフィルター膜領域で使用された。例えば、500cm2のSartorius Sartobran Pは、少なくとも5Lの培養上清を濾過するのに十分な容量を有する。これらのフィルターは、0.45μmのプレフィルター及び0.2μmの滅菌フィルターを有しているが、上澄みを濾過することは難しくなく、他のベンダーの同等物も同様に好適であるべきである。
濃度及びダイアフィルトレーション
産物濃縮は、Sartorius10kDaハイドロサート(修飾セルロースアセテート)及び10kDa PES(ポリエーテルスルホン)Sartocon Sliceカセットの両方を有するSartorius Alpha接線流濾過装置を非滅菌プロセスとして使用して実施した。ハイドロサートカセットは、PESの約70%と比較して、100%の回収率でPESカセットと比較して優れた性能を実証した。この結果は、膜性能を慎重に比較するためにより厳密な実験的試験が必要とされる限られた処理実行数に基づいている。
濃縮を開始する前に、初期の上澄み容積をガラスメスシリンダーで注意深く測定し、接線流濾過装置に分配し、次いで透過液ラインを閉じた状態で10分間循環させることによって膜(複数可)を調整する。この初期設定に続いて、全ての限外濾過処理を、それぞれ1.5、0.5、及び0バールに維持した供給液、保持液、及び透過液圧で実施し、産物温度を15±2℃に維持した。ピオリシン粗上清を一般に約10倍濃縮し、次いで50mMのMES/500mMのNaSO、pH5.8(精製開始緩衝剤)で4〜5回ダイアフィルトレーションする。濃縮及びダイアフィルトレーション工程の終了時に、シその系は、回収率を低下させ得る産物の発泡を最小限に抑えるために慎重に排出される。産物容積は、最終濃度を正確に計算するためにガラスメスシリンダーで測定される。次いで、産物をセルロースアセテート滅菌フィルター(一般的にSartorius Sartobranフィルター)を介して濾過滅菌し、直ちに精製しない場合には、好適な容積(通常100〜250mL)に等分し、精製の準備が整うまで−70℃で凍結する。
実施例3.ピオリシンの発現レベルを増加させるための更なる改善。
培地中の様々な原料の評価に先立って、発酵パラメータに対する更なる修正がなされた。対照パラメータに関しては、ベンチスケール開発作業については、攪拌しながら0.1vvmに制限されるが、酸化還元設定点を保持するために必要であれば増加するOスパージングを称する酸化還元制御策略が最適であることが決定された。開発作業に使用された酸化還元設定点は−447mVであった。酸化還元(mv)範囲の確立のための更なる作業、及び酸素及び攪拌制御の潜在的な他の方法が行われる。
発酵制御パラメータに関して、培養物の出発pHは7.2であり、発酵プロセス中にpHを6.15に低下させ、次いでそれを維持した。pH制御範囲及び一定のpH制御を確立するための更なる作業が行われる。初期の発酵増殖期の間、酸素スパージングは0.1vvmに制限されて溶存酸素(D.O.)は5%に維持された。攪拌も同様に制限された。培養物の目標光学密度(600nm)が少なくとも2.5に達したとき、ラクトースを30g/Lの最終濃度になるように、またEGTAを2g/Lの最終濃度になるように培養物に供給した。この時点で、制御は、D.O設定点から、継続的な増殖及び発酵の毒素産生期のための酸化還元制御プログラムにスイッチされた。ピオリシン産生のピーク時に集菌するために、毒素産生期を更に30〜70時間続けた。
これらの改善されたパラメータを適所に用いて、既存の製造承認源が好適であるかどうかを決定するために、媒体中の様々な原材料の評価を実施した。複数回の発酵の実行に続いて、動物ベースのポリソルベート80の代わりに植物ベースのポリソルベート80が使用されるであろうと結論付けられた。また、Becton Dickinsonから供給された酵母抽出物が好ましく、5グラム/リットルの濃度で滴定されることも決定された。Oxoid(商標)トリプトンが使用されることも決定された。
事前に、ピオリシンの収率を増加させるために発酵培養物に添加されるビタミンを自家で調製した。発酵プロセスを単純化しようと努力して、市販のビタミン溶液を購入することが有用であると考えられた。Sigma製の事前混合ビタミン溶液「RPMI1640」が自家ビタミン製剤に最も近い適合であることから選ばれた。2L発酵槽においてRPMI1640ビタミン対自家ビタミンを使用してピオリシン収率を試験するための実験を設計した。その実験の結果は、図1に示されているように、RPMI1640ビタミン溶液は、自家ビタミン溶液と比較して不十分に実施された。自家ビタミン溶液中に存在していた4つの成分は、RPMI1640ビタミン溶液には含まれていなかった(β−NAD、ピリドキサール、ウラシル、及びニコチン酸)。ウラシル及びニコチン酸は発酵中に消費されないことが示されていたので(データ示さず)、β−NAD及び/またはピリドキサールの欠如が、低下した性能の最も可能性の高い原因であると考えられた。RPMI1640ビタミンのβ−NAD及び/またはピリドキサールの補充の添加がこのビタミン溶液の性能を増加させ得るという仮説を試験するための実験を設計した。図2に示されるように、ピオリシン収率は、自家ビタミン溶液と補充されたRPMI1640ビタミン溶液との間で類似していた。β−NAD及び/またはピリドキサールが培養培地を補充するために必要とされる唯一のビタミン成分であり得るかどうかを試験する更なる実験を設計した。この実験の結果(図3)では、ピオリシンの収率を増加させるためにピリドキサールが培養培地に補充されるのに必要な唯一のビタミンであることを確認された。ピリドキサールを培地に添加する場合に関して、それは加熱殺菌後の滅菌溶液として行わなければならないが、オートクレーブ処理すると培養物のO.D.に影響を及ぼさないが(図4)、ピオリシン産生のレベルの低下につながった(図5)。
媒体中で利用されているヘミンに関しては、図6及び図7に示されているように、粉末原料の照射は、培養物のO.D.とピオリシン産生のレベルのいずれにも直接的な影響を及ぼさないようであった。図8は、ヘミン溶液の貯蔵寿命が長くなるにつれてピオリシン産生が減少することを実証している。それ故、加熱滅菌直前にヘミンを添加した。
様々な培地成分に加えて、発酵が生じた温度に関する更なる調査が行われた。事前に発酵を37℃で行った。しかしながら、その後の実験では、36℃のより低い設定点(対より高い温度)は、培養物のO.D.に有意な影響を及ぼさない一方で(図9)、産生されたピオリシンの量が増加する結果となった(図10)。次いで、更により低い温度がピオリシン産生のレベルにどのくらいの影響を及ぼすかについての疑問が提起された。これらの実験の結果は、より低い温度は培養物のO.D.の減少につながる一方で(図11)、それらはまた、産生されたピオリシンのレベルの増加をもたらし(図12)、現在の最適温度が32℃であるという結論につながる。培養の温度を32℃で維持するか、または発酵プロセス中に37℃から32℃にシフトさせるかのどちらがより良好なピオリシン収率が得られるかについては、一定温度がシフトよりも良好であることが決定された(図13)
実施例4.ピオリシン精製プロセスに対する更なる改善。
清澄化された発酵集菌の濃縮は、>95%のピオリシン回収率を有する10kDaポリスルホン中空繊維カートリッジを使用することによって実施した。濃縮に続いて、50mMのMES、1.2MのNaSO、pH5.8の溶液を濃縮物に添加して、0.425Mの硫酸ナトリウムの最終濃度を達成した。クロマトグラフィーカラムに適用する前にNaSOで処理した材料を濾過する。
ピオリシンは、50mMのMES、425mMのNaSO、pH5.8で平衡化されたフェニルセファロース樹脂を使用して、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を介して精製した。ピオリシンを、樹脂1リットル当たり1Gのピオリシンから樹脂1リットル当たり12Gのピオリシンの濃度でカラムに装填した。次いで、それを50mMのMES、pH5.8中で溶出し、ピオリシン収率は>80%であった。次いで精製したタンパク質を濃縮し、続いてリン酸緩衝剤(ナトリウムまたはカリウム)に緩衝剤交換した。次いで、溶血活性決定して活性タンパク質が精製されたことを確保した。これは、アッセイ緩衝剤でのピオリシンの連続希釈、続いてウマ赤血球でのピオリシンの37℃でのインキュベートによって行われた。次いで、これを遠心分離して無傷赤血球をペレット化し、可溶性(溶解した)材料を新規のプレートに移し、405nmでのO.D.を測定し、結果をプロットした。溶血単位は曲線の中間点で決定され、溶血単位が1000未満である場合、ピオリシンは解毒したとみなされた。次いでUPLC及びSDS−PAGEを使用して、単離されたタンパク質の同一性を確認した。最後に、ピオリシンを、20℃で20〜48時間、0.10%〜0.5%(v/v)ホルマリンで処理することによって不活性化し、次いで滅菌濾過した。
本発明の他の実施形態及び使用は、本明細書の考察及び本明細書に開示される発明の実施から当業者には明らかである。全ての出版物、米国及び外国特許及び特許出願を含む全ての参考文献は、具体的かつ完全に参照により組み込まれる。本明細書及び実施例は、以下の特許請求の範囲によって示される本発明の真の範囲及び趣旨と共に、単なる例示であるとみなされることが意図される。

Claims (17)

  1. Trueperella pyogenesによって産生されるピオリシン(pyolysin)の収率を増加させる方法であって、A)グルコースと、グルコース、ガラクトース、スクロース、マルトース、オリゴ糖、グリセロール、ラクトース、デキストラン、デキストリン、コハク酸モノメチル、及びN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される追加的な濃縮炭素源、とを含有する基本培地中でT.pyogenesを増殖させることと、B)前記培地中のグルコースが枯渇する前に、前記培地にキレート剤を添加することと、C)T.pyogenesを集菌することと、そして、D)ピオリシンを単離すること、とを含む、方法。
  2. 前記追加的な濃縮炭素源はラクトースである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記キレート剤は、エチレングリコールトレトラ酢酸(ethylene glycol tretraacetic acid)(EGTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、または前記2つの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記キレート剤はEGTAである、請求項3に記載の方法。
  5. T.pyogenesは、600nmで5の光学密度(O.D.)よりも高い細菌細胞密度に複製する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記培地は21〜37℃の温度で維持される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記培地は28〜32℃の温度で維持される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記基本培地の使用を更に含み、前記培地のpHは6.0〜8.0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記基本培地の使用を更に含み、前記培地は鉄源としてヘミンを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ポリソルベート80(Tween80)を含む前記基本培地の使用を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ビタミン溶液を含む前記基本培地の使用を更に含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ビタミン溶液は、ビタミンB12、ミオイノシトール、ウラシル核酸塩基、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム、ピリドキサール−HCl、ピリドキサミン−2HCl、リボフラビン、チアミン−HCl、p−アミノ安息香酸、ビオチン、葉酸、ナイアシンアミド、及びβ−NADのうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ビタミン溶液はピリドキサール−HClを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記培養のpHを、前記最初の基本培地の出発pHから5.50〜6.50のレベルに低下させることと、次いで塩基性滴定液の自動添加によって前記pHを5.50〜6.50に制御することと、を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ピオリシンからT.pyogenesプロテアーゼを分離することを更に含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. ピオリシンからのT.pyogenesプロテアーゼの前記分離は、クロマトグラフィー工程によって達成される、請求項15に記載の方法。
  17. ピオリシンを不活性化する方法であって、0.1%〜0.5%の最終濃度で、ホルマリンを添加することを含む、方法。
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