JP2018206609A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温性能及び充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池の提供。【解決手段】正極は、α−NaFeO2構造を有し、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図の2θ:44±1°における回折ピークの半値幅が0.125〜0.145°であり、空隙率が1.5〜3.5%であるリチウム遷移金属複合酸化物を活物質として含有し、非水電解質は、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含有する非水溶媒を含み、非水溶媒に占める鎖状カーボネートの体積比率が60%以上であり、鎖状カーボネート中に占めるジメチルカーボネートの体積比率が10%以上である、非水電解質二次電池。好ましくは、リチウム遷移金属複合酸化物が、遷移金属元素Meに対するNiのモル比Ni/Meが0.4〜0.6である非水電解質二次電池【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池の正極活物質として、α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が検討され、LiCoO、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3のような、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属(Me)中のMnのモル比Mn/Meが0.5以下である、いわゆる「LiMeO型」活物質を用いた非水電解質二次電池が実用化されている。また、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属(Me)中のMnのモル比Mn/Meが0.5を超え、Meに対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1より大きい、いわゆる「リチウム過剰型」活物質も、検討が行われている。
これらのリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた電池の容量や充放電サイクル性能については、前記遷移金属を構成する元素の種類及び組成の他、活物質の粉体特性に影響されることが知られている。
一般に、リチウム遷移金属複合酸化物の合成工程において、焼結反応が十分進行すると、粒子の空隙率が小さくなる傾向があることが知られている。焼結反応を十分進行させるための方法としては、焼成温度を高くする方法や、焼結助剤としてLiFを混合する方法が知られている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
一方、非水電解質二次電池用の非水電解質としては、高誘電率の環状カーボネートと低粘度の鎖状カーボネートとの混合溶媒が一般的に用いられている。ジメチルカーボネート(以下、「DMC」という。)等の鎖状カーボネートは、低温性能に影響することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、「リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極と、負極と、セパレータと、非水溶媒に電解質を溶解させた電解液とを有する円筒形非水電解液二次電池であって、エネルギー密度が550Wh/L以上であり、前記電解液の質量が前記リチウム遷移金属複合酸化物の質量に対して55%以下であり、前記電解液がジメチルカーボネートを含み、前記ジメチルカーボネートの体積比率が前記非水溶媒の全量に対して20%以上、55%以下であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式:LiNi1−(p+q+r)CoAlMrO2+y(Mはタングステン、チタンおよびジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素、0.9≦x≦1.2、−1.0≦y≦0.1、0.0001≦r≦0.01、0<p+q+r≦0.4)で表される円筒形非水電解液二次電池。」(請求項1)が記載されている。
そして、特許文献1には、「本発明において、電解液中のジメチルカーボネートの体積比率を非水溶媒の全量に対して55%以下まで低下させることで電解液の凝固点が−30℃以下となり、低温環境下での放電特性が向上する。更に、正極活物質にタングステン、チタン、およびジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素が添加されたリチウム遷移金属複合酸化物を用いることで、リチウム遷移金属複合酸化物の反応均一性が向上する。これにより、極板内における電解液の濃度分布の均一性が向上し、電解液の液枯れによる負極へのリチウム金属の析出が抑制され、サイクル特性が向上する。」(段落[0014]、[0015])と記載されている。
特許文献2には、「リチウム含有複合酸化物を含む正極と、リチウムを吸蔵および放出し得る炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備え、前記炭素材料は、易黒鉛化性炭素材料を含み、CuKα線を用いて測定される、前記易黒鉛化性炭素材料の広角X線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピーク強度I(101)の(100)面に帰属されるピーク強度I(100)に対する比が、以下の式:
0.5≦I(101)/I(100)≦0.7
を満たし、前記易黒鉛化性炭素材料のc軸方向の結晶子の厚みLc(004)が20nm以上60nm以下であり、前記非水電解質は、非水溶媒と前記非水溶媒に溶解された溶質とを含み、前記非水溶媒は、プロピレンカーボネートと、エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートから選ばれる少なくとも1種の鎖状カーボネートと、を含み、前記プロピレンカーボネートと前記エチレンカーボネートとが、前記非水溶媒の40体積%以上80体積%以下を占め、前記鎖状カーボネートが、前記非水溶媒の20体積%以上60体積%以下を占め、前記プロピレンカーボネートと前記エチレンカーボネートとの合計に占める前記プロピレンカーボネートの割合が、60体積%以上90体積%以下である非水電解質二次電池。」(請求項1)が記載されている。
また、特許文献2には、「正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物が用いられる。リチウム含有複合酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、スピネル構造を有するLiMn24が挙げられる。また、サイクル寿命特性を向上させるために、リチウム含有複合酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換してもよい。例えば、Ni元素の一部をCoや他の元素(Al、Mn、Tiなど)で置換したLiNiO2を正極活物質として用いることができる。」(段落[0021])、「本発明において、非水溶媒は、PCおよびECの他に、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートを含む。このとき、鎖状カーボネートの非水溶媒に占める割合は、20体積%〜60体積%であることが好ましい。このように、非水溶媒が鎖状カーボネートをさらに含むことにより、電解液の粘度を下げることができるため、低温特性および出力特性をさらに向上させることが可能となる。」(段落[0031])と記載されている。
特許文献3には、「電解液の溶媒がジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートから選ばれる少なくとも一種40体積%〜50体積%と、エチレンカーボネート4体積%〜10体積%と、プロピレンカーボネート10体積%〜17体積%と、ジメチルカーボネート30体積%〜40体積%との混合溶媒であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。」(請求項1)が記載されている。
そして、「本発明において正極活物質としては、従来よりリチウムイオン二次電池で用いられているものを利用することができ、例えば下記の一般式(1)または(2)で示されるLi−遷移金属複合酸化物が例示される。
LiA1-XMex2(1)
LiA2-xMex4(2)
式(1)において、Mは例えばCo、Ni、Mn、V、Geなどの遷移金属を示す。式(2)において、Mは例えばMn、Fe、Niなどの遷移金属を示す。式(1)及び(2)において、Meは、周期率表の3〜10族元素、例えばZr、V、Cr、Mo、Fe、Co、Mn、Niなど、または13〜15族元素、例えばB、Al、Ge、Pb、Sn、Sbなどを示す。但し、Meとしては、Mとして選択された元素と異なる元素を選択する。‥これらのうち、本発明においてはLiCoO2が特に好ましいものとして挙げられる。」(段落[0029]〜[0031])、「低温下において粘度が高くならない電解液を使用すれば、活物質密度を低下させることなく、低温下において電極内部に電解液を浸透させることができるため、低温特性の改善を図ることができると考えられる。しかしながら、従来の電解液においては、粘度を低くしようとすると、却って凝固点を上昇させてしまうという問題がある。例えば、従来より電解液に配合される成分のうちジメチルカーボネートは、配合比を高めることで電解液の粘度を低くする作用があるが、逆に電解液の凝固点を上昇させてしまう。」(段落[0007])と記載されている。
特開2015−162406号公報 特許第4994628号公報 特開2001−52682号公報
J. Electrochem. Soc., Jouanneau et al, 151, 1749 (2004) J. Electrochem. Soc., Kim et al, 152, 1707 (2005) J. Electrochem. Soc., Kim et al, 154, 561 (2007)
特許文献1〜3に記載されているように、α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とし、溶媒中にDMCが適量含まれる非水電解質の備えた非水電解質二次電池は、低温性能が向上することが知られている。しかし、DMCが含まれる非水電解質を用いると、充放電サイクル性能が劣るという課題が生じる。その理由は、以下のように推察される。DMCは耐還元性に優れ、充放電サイクルの進行に伴う負極の利用率の低下が小さい。負極の利用率の低下が小さいと、正極についても深い放電深度(低SOC領域)までの放電が繰り返される。深い放電深度に至る充放電サイクルが繰り返されると、正極活物質粒子内にクラックが入り、抵抗増加や極板膨張を引き起こす。その結果、充放電サイクル性能が劣化すると推察される。
本発明は、上記の課題に鑑み、低温性能及び充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明においては、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
正極と、負極と、非水電解質を備えた非水電解質二次電池であって、前記正極は、α−NaFeO構造を有し、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図の2θ:44±1°における回折ピークの半値幅が0.125〜0.145°であり、空隙率が1.5〜3.5%であるリチウム遷移金属複合酸化物を活物質として含有し、前記非水電解質は、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含有する非水溶媒を含み、前記非水溶媒に占める前記鎖状カーボネートの体積比率が60%以上であり、前記鎖状カーボネート中に占めるジメチルカーボネートの体積比率が10%以上である非水電解質二次電池。
本発明によれば、低温性能に優れるとともに、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の実施例に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の充放電サイクル後の写真(実施例1−4,2−4、参考例2−4) 本発明の比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の充放電サイクル後の写真(比較参考例2−3) 本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態を示す外観斜視図 本発明に係る非水電解質二次電池を複数個集合した蓄電装置を示す概略図
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本出願人は、適度の空隙率を有し、結晶性の制御されたα−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を正極活物質に用いることにより、体積当たりの容量を高めるとともに、充放電サイクル性能の優れた非水電解質二次電池を得ることができることを見出した(特願2015−244008号)。本発明は、この活物質を含有する正極に、非水溶媒にDMCを含有する非水電解質を組み合わせた非水電解質二次電池に関するものである。
[正極活物質]
本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係る非水電解質二次電池の正極活物質が含有するリチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属元素(Me)としてNi、Co及びMnを含むことが好ましい。典型的には、組成式Li1+xMe1−x(Me:Ni、Co及びMnを含む遷移金属)で表される。エネルギー密度が高い非水電解質二次電池を得るために、−0.1<x<0.1であることが好ましい。−0.05≦x≦0.09であることがより好ましい。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、一例として、x=0のとき、組成式Li(NiCoMn)O(a+b+c=1)で表される。
本実施形態においては、非水電解質二次電池の充放電サイクル性能を向上させるために、a、すなわち遷移金属元素Meに対するNiのモル比Ni/Meは、0.3〜0.6とすることが好ましい。本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、上記したように、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図の2θ:44±1°における回折ピークの半値幅が0.125〜0.145°であり、空隙率が1.5〜3.5%である。リチウム遷移金属複合酸化物がこのような特徴を備えることで、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供できるという作用効果を奏する。上記作用は、遷移金属元素Meに対するNiのモル比Ni/Meが比較的大きいリチウム遷移金属複合酸化物に適用することで、より効果的に奏される。従って、Ni/Meは、0.4〜0.6とすることがより好ましい。
また、活物質粒子の導電性を十分なものとするために、b、すなわち遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0〜0.4とすることが好ましい。
また、材料コストを低減するために、c、すなわち遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは、0.2〜0.6とすることが好ましく、0.2〜0.5とすることがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、Na,K等のアルカリ金属、Mg,Ca等のアルカリ土類金属、Fe,Zn等の3d遷移金属に代表される遷移金属など少量の他の金属を含有することを排除するものではない。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有している。合成後(充放電を行う前)、及び充放電後の上記リチウム遷移金属複合酸化物は、R3−mに帰属される。なお、「R3−m」は本来「R3m」の「3」の上にバー「−」を施して表記すべきものである。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、エックス線回折(CuKα線源を使用)パターンを元に空間群R3−mを結晶構造モデルに用いたときに、(104)面に帰属される回折ピーク(2θ=44±1°の回折ピーク)の半値幅(以下「FWHM(104)」という。)が0.125〜0.145°である。FWHM(104)が上記の特定の範囲にあり、空隙率が1.5〜3.5%の範囲にあるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として使用することにより、充放電サイクル性能の優れた非水電解質二次電池が得られる。
FWHM(104)が0.125°より小さい場合は、空隙率が1.5〜3.5%の範囲でも、充放電サイクル性能は低下する。FWHM(104)が0.145°より大きい場合は、それに伴い空隙率も3.5%を超え、充放電サイクル性能は低下する。FWHM(104)が0.125〜0.145°の範囲でも、空隙率が3.5%を超えると、充放電サイクル性能は低下する。
したがって、本実施形態に係る正極活物質においては、FWHM(104)を0.125〜0.145°とし、空隙率を1.5〜3.5%とすることが重要である。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物の半値幅FWHM(104)と空隙率を上記のように特定の範囲とすることにより、非水電解質二次電池の充放電サイクル性能が向上する理由は、以下のように推測される。
結晶学的には、FWHM(104)は立体的な結晶性を示すパラメータであり、FWHM(104)が大きいほど結晶全体の格子歪みが大きいことを示すものである。したがって、FWHM(104)が0.125〜0.145°であることは結晶の格子歪みが一定範囲内に収まっていることを示していると考えられる。
また、空隙率が1.5〜3.5%であることは、活物質粒子内部の細孔体積が一定範囲内に収まっていることを示していると考えられる。空隙率が1.5%未満であると、電解液が活物質粒子の内部に至って浸透し難いため、良好なサイクル特性を得ることができない。また、空隙率が3.5%を超えると、活物質粒子の比表面積が高くなりすぎるため、特に充電時の電解液との副反応が促進され、良好なサイクル特性を得ることができない。
よって、結晶の格子歪みと活物質粒子内部の細孔体積を一定範囲とすることで、充放電サイクル性能が優れる効果が奏されると推測される。
また、リチウム遷移金属複合酸化物は、過充電中に構造変化しないことが好ましい。これは、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されることにより確認できる。これにより、充放電サイクル性能が優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
さらに、リチウム遷移金属複合酸化物は、エックス線回折パターンを基にリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが、放電末において0.262以下、充電末において0.267以上であることが好ましい。これにより、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池を得ることができる。なお、酸素位置パラメータとは、空間群R3−mに帰属されるリチウム遷移金属複合酸化物のα―NaFeO型結晶構造について、Me(遷移金属)の空間座標を(0,0,0)、Li(リチウム)の空間座標を(0,0,1/2)、O(酸素)の空間座標を(0,0,z)と定義したときの、zの値をいう。即ち、酸素位置パラメータは、O(酸素)位置がMe(遷移金属)位置からどれだけ離れているかを示す相対的な指標となる。
[半値幅の測定]
リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造、及び半値幅の測定は、エックス線回折装置を用いて粉末エックス線回折測定を行う。本願明細書において、FWHM(104)は、次の条件で測定されるものとして規定される。線源はCuKα、加速電圧及び電流はそれぞれ30kV及び15mAとする。サンプリング幅は0.01deg、走査時間は14分(スキャンスピードは5.0)、発散スリット幅は0.625deg、受光スリット幅は開放、散乱スリットは8.0mmとする。得られたエックス線回折データについて、前記エックス線回折装置の付属ソフトである「PDXL」を用いて、空間群R3−mでは(104)面に指数付けされる、エックス線回折図上2θ=44°±1°に存在する回折ピークについての半値幅FWHM(104)を決定する。
[空隙率の測定]
本願明細書において、リチウム遷移金属複合酸化物の空隙率は、次の条件で測定されるものとして規定される。測定は、Quantachrome社製の「autosorb iQ」及び制御・解析ソフト「ASiQwin」を用いる。リチウム遷移金属複合酸化物の粒子1.00gを測定用のサンプル管に入れ、120℃にて12h真空乾燥することで、測定試料中の水分を十分に除去する。次に、液体窒素を用いた窒素ガス吸着法により、相対圧力P/P0(P0=約770mmHg)が0から1の範囲内で吸着側及び脱離側の等温線を測定する。そして、脱離側の等温線を用いてBJH法により計算することにより細孔分布を評価し、細孔容積ΔVを求める。また、別途、Quantachrome社製の「ULTRAPYCNOMETER1000」を用い、ヘリウムガスを用いた真密度測定により、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の真密度dを求める。これらを用いて、空隙率は以下の式で計算される。
(空隙率)= ΔV/(1/d+ΔV)×100 「%」
[正極活物質の製造方法]
次に、本実施形態に係る非水電解質二次電池用活物質を製造する方法について説明する。
本発明の非水電解質二次電池用活物質は、基本的に、活物質を構成する金属元素(Li,Ni,Co,Mn)を目的とする活物質(酸化物)の組成通りに含有する原料を調整し、これを焼成することによって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成の酸化物を作製するにあたり、Li,Ni,Co,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめNi,Co,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはNi,Coに対して均一に固溶しにくいため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。これまで文献などにおいては固相法によってNiやCoの一部にMnを固溶(LiNi1−xMnなど)しようという試みが多数なされているが、「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である。そこで、後述する実施例においては、「共沈法」を採用した。
本実施形態においては、Ni、Co及びMnを含有する原料水溶液を滴下し、溶液中でNi、Co及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を作製することが好ましい。
共沈前駆体を作製するにあたって、Ni,Co,MnのうちMnは酸化されやすく、Ni,Co,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Ni,Co,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。したがって、本実施形態においては、共沈前駆体に分布して存在するMnの酸化を抑制するために、溶存酸素を除去することが好ましい。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO)等を用いることができる。
溶液中でNi、Co及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を作製する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈水酸化物前駆体として作製しようとする場合には、10.5〜14とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。pHを11.5以下とすることにより、タップ密度を1.00g/cm以上とすることができ、高率放電性能を向上させることができる。さらに、pHを11.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
また、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製しようとする場合には、7.5〜11とすることができる。pHを9.4以下とすることにより、タップ密度を1.25g/cm以上とすることができ、高率放電性能を向上させることができる。さらに、pHを8.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
前記共沈前駆体の原料は、Ni化合物としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を、Mn化合物としては酸化マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を一例として挙げることができる。
前記原料水溶液の滴下速度は、生成する共沈前駆体の1粒子内における元素分布の均一性に大きく影響を与える。好ましい滴下速度については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、30mL/min以下が好ましい。放電容量を向上させるためには、滴下速度は10mL/min以下がより好ましく、5mL/min以下が最も好ましい。
また、反応槽内にNH等の錯化剤が存在し、かつ一定の対流条件を適用した場合、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続けることにより、粒子の自転および攪拌槽内における公転が促進され、この過程で、粒子同士が衝突しつつ、粒子が段階的に同心円球状に成長する。即ち、共沈前駆体は、反応槽内に原料水溶液が滴下された際の金属錯体形成反応、及び、前記金属錯体が反応槽内の滞留中に生じる沈殿形成反応という2段階での反応を経て形成される。したがって、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続ける時間を適切に選択することにより、目的とする粒子径を備えた共沈前駆体を得ることができる。
原料水溶液滴下終了後の好ましい攪拌継続時間については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、粒子を均一な球状粒子として成長させるために0.5h以上が好ましく、1h以上がより好ましい。また、粒子径が大きくなりすぎることで電池の低SOC領域における出力性能が充分でないものとなる虞を低減させるため、30h以下が好ましく、25h以下がより好ましく、20h以下が最も好ましい。
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、上記のようにして前駆体(共沈前駆体)を作製する際に、反応溶液中にフッ素イオンを存在させることが好ましい。反応溶液中には、さらにアンモニウムイオンが存在することが好ましい。従来技術でも、アンモニウムイオンは中和剤かつ錯化剤(キレート剤)として用いられているが、フッ素イオンがアンモニウムイオンと同時に存在することで、アンモニウムイオンのキレート剤としての効果により高密度な前駆体を作製できるため、好ましい。また、フッ化物イオンの存在で前駆体内部にまでフッ素を存在させることができる。フッ素イオンとアンモニウムイオンを同時に存在させる方法としては、フッ化アンモニウムを添加してもよく、塩化アンモニウムとフッ化ナトリウムを添加するなどそれぞれの化合物として添加してもよい。ここで、反応溶液中のフッ素イオンが多すぎないことが好ましい。フッ化アンモニウムを添加する場合には、反応槽のフッ化アンモニウム濃度は0.1〜0.3mol/Lとすることが好ましい。これにより、前駆体中のフッ素量が多すぎないものとできるので、焼成時に溶融した水酸化リチウムが前駆体内部に入り込んで拡散していく過程が阻害される虞が低減できる。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用活物質は、前記共沈前駆体とLi化合物とを混合した後、熱処理することで好適に作製することができる。
上記のようにして、共沈反応溶液中にフッ素イオンを存在させて得られた前駆体を、LiF等の焼結助剤の存在下で焼成するという従来技術と組み合わせることで、FWHM(104)が0.125〜0.145°であり、空隙率が1.5〜3.5%である正極活物質を得ることができ、充放電サイクル性能の向上という効果が奏される。作用機構としては、以下のような推察も可能であると思われる。焼成時にLiF等の焼結助剤を適用するだけでは、前駆体粒子と焼結助剤とが固相で接触するだけであるので、活物質粒子の表面にしか焼結助剤の作用が及ばない。これに対して、本実施形態では、溶液からの前駆体形成段階でフッ素を共存させることで、前駆体粒子内部にまでフッ素を存在させることができるので、結晶形態が丸みを帯びる傾向のある焼結効果がより有効に発揮され、結晶性の均一性が高く、空隙率が適度に小さい活物質が得られる。そのため、電解液との副反応が抑制され、充放電サイクル性能が向上したと推察される。
Li化合物として通常使用されている水酸化リチウム、炭酸リチウムと共に、焼結助剤としてLiF、LiSO、又はLiPOを使用することが好ましい。これらの焼結助剤の添加比率は、Li化合物の総量に対して1〜10mol%とすることが好ましい。なお、Li化合物の総量は、焼成中にLi化合物の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
焼成温度は、活物質の可逆容量に影響を与える。
焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性が低下する傾向がある。本実施形態において、焼成温度は900℃以上とすることが好ましい。900℃以上とすることにより、活物質の回折ピークの半値幅FWHM(104)を0.145°以下とすることができ、充放電サイクル性能を向上させることができる。
また、発明者らは、活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することで750℃より低い温度で合成した試料においては格子内に歪みが残存しており、それ以上の温度で合成することでほとんど歪みを除去することができることを確認した。そして、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本実施形態に係る活物質の組成においても、系内に格子の歪みがほとんどなく、かつ結晶子サイズが十分成長した粒子を志向することで良好な放電容量を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼす歪み量が2%以下、かつ結晶子サイズが50nm以上に成長しているような合成温度(焼成温度)及びLi/Me比組成を採用することが好ましいことがわかった。これらの活物質を用いた電極を成型して充放電を行うと、膨張収縮による変化も見られるが、充放電過程においても結晶子サイズは30nm以上を保っていることが効果が得られるので好ましい。
一方、焼成温度が高すぎると層状α−NaFeO構造から岩塩型立方晶構造へと構造変化がおこり、充放電反応中における活物質中のLi移動に不利な状態となり、放電性能が低下する。本実施形態において、焼成温度は1000℃以下とすることが好ましい。1000℃以下とすることにより、本実施形態に係る活物質の回折ピークの半値幅FWHM(104)を0.125°以上とすることができ、充放電サイクル性能を向上させることができる。
したがって、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を含有する正極活物質を作製する場合、充放電サイクル性能を向上させるために、焼成温度は900〜1000℃とすることが好ましい。
[負極材料]
負極材料としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを放出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
[正極・負極]
正極及び負極の主要構成成分である正極活物質の粉体及び負極材料の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが好ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で10μm以下であることが好ましい。粉体を所定の形状で得るために、粉砕機や分級機を用いてもよい。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種又はそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導電剤の添加量は、正極又は負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため望ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR),フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種又は2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極又は負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば限定されない。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極又は負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、及びその他の材料を混練し合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する集電体の上に塗布し、又は圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるものではない。
集電体としては、Al箔、Cu箔等の集電箔を用いることができる。正極の集電箔としてはAl箔が好ましく、負極の集電箔としてはCu箔が好ましい。集電箔の厚みは10〜30μmが好ましい。また、合剤層の厚みはプレス後において、40〜150μm(集電箔厚みを除く)が好ましい。
[非水電解質]
本実施形態に係る非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含有する非水溶媒を含み、前記非水溶媒に占める鎖状カーボネートの体積比率が60%以上であり、前記鎖状カーボネート中に占めるDMCの体積比率が10%以上であれば、特に限定されるものではなく、一般に非水電解質二次電池等への使用が提案されているものが使用可能である。環状カーボネートとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等;DMC以外の鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。
非水溶媒は、本発明の効果を損なわない限り、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフラン又はその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソラン又はその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトン又はその誘導体等を単独又は2種以上含有していてもよい。
非水溶媒に占める鎖状カーボネートの体積比率は、非水電解質を低粘度とするために、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。一方、体積比率が80%を超えると、高誘電率である環状カーボネートの含有量が少なくなるので、80%以下とすることが好ましい。
前記鎖状カーボネート中に占めるDMCの体積比率は、低温性能を向上させるために、10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li210Cl10、NaClO4、NaI、NaSCN、NaBr、KClO4、KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)又はカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、LiC(C25SO23、(CH34NBF4、(CH34NBr、(C254NClO4、(C254NI、(C374NBr、(n−C494NClO4、(n−C494NI、(C254N−maleate、(C254N−benzoate、(C254N−phthalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF6又はLiBF4と、LiN(C25SO22のようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より望ましい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/L〜5mol/Lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/L〜2.5mol/Lである。
[セパレータ]
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため望ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能である。
[非水電解質二次電池の構成]
本実施形態に係る非水電解質二次電池の構成については特に限定されるものではなく、従来用いられてきた端子、絶縁版、電池容器等をそのまま用いて差し支えない。外観の形状としては、円筒型電池、角型(矩形状)電池、扁平型電池等が挙げられる。
図3に、本発明の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図3に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
[蓄電装置の構成]
本発明は、上記の非水電解質二次電池1を複数個集合した蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図4に示す。図4において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
本発明の一実施態様に係る非水電解質二次電池を、以下の参考例に示すように作製して、サイクル容量維持率を測定し、その後、実施例に係る非水電解質電池を作製して、サイクル容量維持率と低温性能(0℃/25℃容量比[%])を測定した。
(参考例1)
(参考例1−1)
<前駆体作製工程>
非水電解質二次電池用正極活物質の作製にあたって、反応晶析法を用いて水酸化物前駆体を作製した。まず、硫酸ニッケル6水和物350.5g、硫酸コバルト7水和物374.8g、硫酸マンガン5水和物321.5gを秤量し、これらの全量をイオン交換水4Lに溶解させ、Ni:Co:Mnのモル比が1:1:1となる1.0mol/Lの硫酸塩水溶液を作製した。次に、5Lの反応槽に、0.01mol/Lとなるようにフッ化アンモニウムをイオン交換水に溶解させた水溶液2Lを注ぎ、Arガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中に含まれる酸素を除去した。反応槽の温度は50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を1500rpmの回転速度で攪拌しながら、反応層内に対流が十分おこるように設定した。前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で反応槽に滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム、0.5mol/Lのアンモニア水、及び0.5Mのヒドラジンからなる混合アルカリ溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に11.0(±0.1)を保つように制御すると共に、反応液の一部をオーバーフローにより排出することにより、反応液の総量が常に2Lを超えないように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに3h継続した。攪拌の停止後、室温で12h以上静置した。
次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した水酸化物前駆体粒子を分離し、さらにイオン交換水を用いて粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、80℃にて20h乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、水酸化物前駆体を作製した。
<焼成工程>
前記水酸化物前駆体1.898gに、水酸化リチウム1水和物0.887g、フッ化リチウム0.006gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Mn):Fのモル比が1:1:0.01となるように混合粉体を調製した。ペレット成型機を用いて、6MPaの圧力で成型し、直径25mmのペレットとした。ペレット成型に供した混合粉体の量は、想定する最終生成物の質量が2gとなるように換算して決定した。前記ペレット1個を全長約100mmのアルミナ製ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、常温から900℃まで10時間かけて昇温し、900℃で5h焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、参考例1−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
(参考例1−2〜1−5)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際に、フッ化リチウムの添加量をそれぞれ0.012g、0.018g、0.024g、又は0.030gに変更した以外は、参考例1−1と同様にして、それぞれ、参考例1−2〜1−5に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
(参考例1−6,1−7)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際に、フッ化リチウムに代えて、0.012gの硫酸リチウム又は0.008gのリン酸リチウムを加えた以外は、参考例1と同様にして、それぞれ、参考例1−6,1−7に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
(参考例1−8〜1−12)
前記前駆体作製工程において、Ni:Co:Mnのモル比を、1:1:1から、それぞれ、6:0:4、5:0:5、5:1:4、5:2:3、5:3:2に変更した以外は、参考例1−1と同様にして、それぞれ、参考例1−8〜1−12に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.6Mn0.4、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.5Co0.1Mn0.4、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.5Co0.3Mn0.2を作製した。
(比較参考例1−1)
前記前駆体作製工程において、フッ化アンモニウム水溶液を添加しない点を除いて、参考例1−1と同様にして、比較参考例1−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
(比較参考例1−2)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際にフッ化リチウムを添加しない点を除いて、参考例1−1と同様にして、比較参考例1−2に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
(比較参考例1−3)
前記前駆体作製工程において、フッ化アンモニウム水溶液を添加せず、前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際にフッ化リチウムを添加しない点を除いて、参考例1−1と同様にして、比較参考例1−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3を作製した。
参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物について、エックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて上記の条件にて粉末エックス線回折測定を行い、結晶構造を確認し、FWHM(104)を決定した。また、上記の条件にて空隙率を測定した。その結果、上記の参考例及び比較参考例に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有することを確認した。なお、後述する全ての参考例、比較参考例に係るリチウム遷移金属複合酸化物についても、エックス線回折測定を行い、結晶構造の確認、FWHM(104)を決定、及び空隙率の測定を行った。後述するすべての全ての参考例、比較参考例に係るリチウム遷移金属複合酸化物も、α−NaFeO構造を有していた。
<非水電解質二次電池用正極の作製>
参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物をそれぞれ非水電解質二次電池用正極活物質として用いて、以下の手順で、参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係る非水電解質二次電池用正極を作製した。N−メチルピロリドンを分散媒とし、正極活物質、アセチレンブラック(AB)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)が質量比90:5:5の割合で混練分散されている塗布用ペーストを作製した。該塗布ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の片方の面に塗布し、正極板を作製した。なお、全ての参考例及び比較参考例に係る非水電解質二次電池同士で試験条件が同一になるように、一定面積当たりに塗布されている活物質の質量及び塗布厚みを統一した。
<非水電解質二次電池用負極の作製>
非水電解質二次電池の負極には、グラファイト電極を用いた。
グラファイト電極は、水を分散媒とし、グラファイト、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が質量比96.7:2.1:1.2の割合で混練分散されている塗布用ペーストを厚さ10μmの銅箔集電体の片方の面に塗布、乾燥して作製した。該塗布ペーストの塗布量は、上記正極板と組み合わせたときに電池の容量が負極によって制限されないように調整した。
<非水電解質>
非水電解質として、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)が体積比30:35:35である混合溶媒に濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。
<非水電解質二次電池の作製>
参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物をそれぞれ用いて作製した正極、前記グラファイト電極、及びセパレータを積層して電極体を作製した。
セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用いた。正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように前記外装体に前記電極体を収納し、前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、前記非水電解質を注液後、注液孔を封止して、参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係る非水電解質二次電池を作製した。
<初期充放電工程>
それぞれの参考例、比較参考例に係る非水電解質二次電池について、25℃にて、2サイクルの初期充放電を行った。充電は、電流0.1C、電圧4.35Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/6に減衰した時点とした。放電は、電流0.1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。初期放電容量を確認した。
<充放電サイクル試験>
続いて、100サイクルの充放電サイクル試験を行った。充電は、電流1C、電圧4.35Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/6に減衰した時点とした。放電は、電流1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。
上記充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の百分率を算出し、「サイクル容量維持率(%)」とした。
参考例1−1〜1−12及び比較参考例1−1〜1−3に係る非水電解質二次電池におけるリチウム遷移金属複合酸化物のNi:Co:Mnのモル比、焼成温度、FWHM(104)及び空隙率と、非水電解質の溶媒組成並びにサイクル容量維持率を表1に示す。
表1から、Li(NiCoMn)O(0.3≦a≦0.6、0≦b≦0.4、0.2≦c≦0.5、a+b+c=1)で表される組成のリチウム遷移金属複合酸化物は、焼成温度条件が同じ場合、FWHM(104)はあまり変わらないが、前駆体の作製条件や焼結助剤の有無により、空隙率が変化していることがわかる。そして、これらのリチウム遷移金属複合酸化物を活物質として含有する電池のサイクル容量維持率は、空隙率が3.5以下の参考例の場合には高く、空隙率が3.5%を超える比較参考例の場合には低下していることがわかる。
(参考例2)
(参考例2−1)
前記前駆体作製工程において、硫酸ニッケル6水和物473.1g、硫酸コバルト7水和物281.1g、硫酸マンガン5水和物289.3gを秤量し、これらの全量をイオン交換水4Lに溶解させ、Ni:Co:Mnのモル比が45:25:30となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した以外は、参考例1−1と同様にして、水酸化物前駆体を作製した。
焼成工程において、前記水酸化物前駆体1.897gに、水酸化リチウム1水和物0.886g、フッ化リチウム0.006gを加え、Li:(Ni,Co,Mn):Fのモル比が1:1:0.01となるように混合粉体を調製した以外は、参考例1−1と同様にして、焼成(ペレットの焼成温度は900℃)を行い、参考例2−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(参考例2−2〜2−6)
前記焼成工程において、前記ペレットの焼成温度を、900℃から、それぞれ、920℃、940℃、960℃、980℃、1000℃に変更した以外は、参考例2−1と同様にして、それぞれ、参考例2−2〜2−6に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。参考例2−4に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の写真を図1に示す。
(参考例2−7〜2−9)
前記前駆体作製工程において、Ni:Co:Mnのモル比を、45:25:30から、それぞれ、40:30:30、50:25:25、55:20:25に変更した以外は、参考例2−4と同様にして、それぞれ、参考例2−7〜2−9に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.40Co0.30Mn0.30、LiNi0.50Co0.25Mn0.25、LiNi0.55Co0.20Mn0.25を作製した。
(参考例2−10、2−11)
前記前駆体作製工程において、Ni:Co:Mnのモル比を、45:25:30から、それぞれ、60:0:40、50:0:50に変更した以外は、参考例2−6と同様にして、それぞれ、参考例2−10、2−11に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.60Mn0.40、LiNi0.50Mn0.50を作製した。
(参考例2−12)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際に、フッ化リチウム0.006gに代えて、硫酸リチウム0.012gを加えた以外は、参考例2−4と同様にして、参考例2−12に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(参考例2−13)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際に、フッ化リチウム0.006gに代えて、リン酸リチウム0.008gを加えた以外は、参考例2−4と同様にして、参考例2−13に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(参考例2−14)
前記前駆体作製工程において、フッ化アンモニウム水溶液を添加しないで水酸化物前駆体を作製し、前記焼成工程において、フッ化リチウム0.006gに代えて、フッ化アンモニウム0.009gを加え、Li:(Ni,Co,Mn):Fのモル比が1:1:0.01となるように混合粉体を調製した以外は、参考例2−6と同様にして、参考例2−14に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(比較参考例2−1、2−2)
前記焼成工程において、前記ペレットの焼成温度を、900℃から、それぞれ、880℃、1050℃に変更した以外は、参考例2−1と同様にして、それぞれ、比較参考例2−1、2−2に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(比較参考例2−3)
前記前駆体作製工程において、フッ化アンモニウム水溶液を添加せず、前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際にフッ化リチウムを添加しない点を除いて、参考例2−1と同様にして、比較参考例2−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。この比較参考例2−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の写真を図2に示す。
(比較参考例2−4)
前記前駆体作製工程において、フッ化アンモニウム水溶液を添加しない点を除いて、参考例2−1と同様にして、比較参考例2−4に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(比較参考例2−5)
前記焼成工程において、前記混合粉体を調製する際にフッ化リチウムを添加しない点を除いて、参考例2−1と同様にして、比較参考例2−5に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を作製した。
(比較参考例2−6、2−7)
前記前駆体作製工程において、Ni:Co:Mnのモル比を、45:25:30から、80:10:10に変更し、前記焼成工程において、前記ペレットの焼成温度を、900℃から、それぞれ、700℃、800℃に変更した以外は、参考例2−1と同様にして、それぞれ、比較参考例2−6、2−7に係るリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.80Co0.10Mn0.10を作製した。
<非水電解質二次電池の作製>
参考例2−1〜2−14及び比較参考例2−1〜2−7に係るリチウム遷移金属複合酸化物をそれぞれ正極活物質として用いた以外は参考例1−1と同様にして作製した正極、前記グラファイト電極(負極)、及び前記非水電解質を用いて、参考例1−1と同様にして、参考例2−1〜2−14及び比較参考例2−1〜2−7に係る非水電解質二次電池を作製した。
<初期充放電工程>
作製された非水電解質二次電池は、25℃の下、初期充放電工程に供した。充電は、電流0.1C、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/6に減衰した時点とした。放電は、電流0.1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を2サイクル行った。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ30分の休止過程を設けた。
<充放電サイクル試験>
続いて、参考例1と同様の条件で、100サイクルの充放電サイクル試験を行った。
上記充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の百分率を算出し、「サイクル容量維持率(%)」とした。
参考例2−1〜2−14及び比較参考例2−1〜2−7に係る非水電解質二次電池におけるリチウム遷移金属複合酸化物のNi:Co:Mnのモル比、FWHM(104)、空隙率、及び1C容量維持率の結果を表2に示す。
表2より、FWHM(104)が0.125〜0.145°の範囲内にあり、空隙率が1.5〜3.5%の範囲内にあるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として使用した非水電解質二次電池(参考例2−1〜2−14)は、サイクル容量維持率が高く、充放電サイクル性能が優れていることがわかる。
これに対して、FWHM(104)が0.125より小さくても、0.145°より大きくても、サイクル容量維持率は低くなる(比較参考例2−1、2−2、2−7参照)。また、FWHM(104)が0.125〜0.145°の範囲内にあっても、空隙率が3.5%を超えると、サイクル容量維持率は低くなる(比較参考例2−3〜2−6参照)。
したがって、本参考例から、充放電サイクル性能を向上させるためには、FWHM(104)を0.125〜0.145°、かつ空隙率を1.5〜3.5%とすることが必要であることがわかる。
また、本参考例2においては、フッ素イオン(NHF)を含有する溶液中でNi、Co及びMnを含有する化合物を共沈させて得た前駆体に、焼結助剤としてLiF、LiSO、LiPOを含有させて焼成することにより、FWHM(104)が0.125〜0.145°、かつ空隙率が1.5〜3.5%であるリチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質を作製することができる。
焼成温度が低すぎると空隙率が3.5%より大きくなり(比較参考例2−1、2−6)、また、FWHM(104)が0.145°より大きくなる場合があり(比較参考例2−1)、焼成温度が高すぎるとFWHM(104)が0.125°より小さくなる(比較参考例2−2)ので、充放電サイクル性能を向上させるために、焼成温度は、900〜1000℃とすることが好ましい。
また、Niの含有量が多すぎるとFWHM(104)が0.125°より小さくなる場合がある(比較参考例2−7)ので、遷移金属元素Meに対するNiのモル比Ni/Meは、0.3〜0.6とすることが好ましい。
(実施例1−1)
前記参考例2−1で作製したリチウム遷移金属複合酸化物LiNi0.45Co0.25Mn0.30を正極活物質として用い、非水電解質として、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)の体積比率が30:70である非水溶媒を用いた以外は、参考例1−1と同様にして、実施例1−1に係る非水電解質二次電池を作製した。
[低温性能の評価]
実施例1−1に係る非水電解質二次電池を2群に分け、それぞれ25℃、及び0℃の下、初期充放電工程に供した。充電は、電流0.1CmA、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/6に減衰した時点とした。放電は、電流0.1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を2サイクル行い、充電後及び放電後にそれぞれ30分の休止過程を設け、25℃、及び0℃における初期容量を測定し、25℃における初期容量に対する0℃における初期容量の比率を算出し、これを低温性能の評価に用いた。
[充放電サイクル試験]
続いて、参考例1と同様にして、100サイクルの充放電サイクル試験を行い、上記充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の百分率を算出し、「サイクル容量維持率(%)」とした。
なお、前記低温性能の評価、及び充放電サイクル試験は、後述するすべての実施例及び比較例に係る非水電解質二次電池についても、実施例1−1と同様にして行った。
(実施例1−2〜1−6、比較例1−1、1−2)
前記参考例2−2〜2−6、及び比較参考例2−1、2−2で作製したリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜1−6、及び比較例1−1、比較例1−2に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1、1−2に係る非水電解質二次電池について、活物質に用いたリチウム遷移金属複合酸化物のFWHM(104)、空隙率、焼成温度、及びNi:Co:Mnのモル比;非水電解質の溶媒組成、及び鎖状カーボネート中のDMCの体積比率;サイクル容量維持率;並びに低温性能(0℃/25℃容量比[%])を表3に示す。
表3によると、サイクル容量維持率については、実施例1−1〜1−6に係る非水電解質二次電池(リチウム遷移金属複合酸化物のFWHM(104)が0.125〜0.145°、空隙率が1.5〜3.5%の範囲にある)では優れているのに対して、比較例1−1、1−2に係る非水電解質二次電池(リチウム遷移金属複合酸化物の(104)FWMF及び/又は空隙率が上記の範囲にない)では低下しているという、参考例2と同様の傾向を有することがわかる。
一方、実施例1−1〜1−6、及び比較例1−1、1−2に係る非水電解質二次電池は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを体積比率30:70で含有し、鎖状カーボネートがDMCである非水溶媒を含む非水電解質を備えており、低温性能が優れていることがわかる。
(実施例2−1〜2−6、比較例2−1,2−2)
非水電解質における溶媒組成を、体積比率でEC:DMC:EMC=30:35:35に変更した以外はそれぞれ実施例1−1〜1−6、及び比較例1−1、1−2と同様にして、実施例2−1〜2−6、及び比較例2−1、2−2に係る非水電解質二次電池(参考例2−1〜2−6、比較参考例2−1、2−2に係る非水電解質二次電池と同じ電池)を作製した。
(実施例2−7)
非水電解質における溶媒組成を、体積比率でEC:DMC:DECの30:35:35の混合溶媒に変更した以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−7に係る非水電解質二次電池を作製した。
これらの電池について、サイクル容量維持率及び低温性能評価の結果を表4に示す。
表4によると、非水溶媒中の鎖状カーボネート中のDMC体積比率が50%の非水電解液を用いる場合も、サイクル容量維持率については、参考例2−1〜2−6、比較参考例2−1、2−2についての表2に示したとおり、リチウム遷移金属複合酸化物のFWHM(104)が0.125〜0.145°、空隙率が1.5〜3.5%の範囲にある実施例2−1〜2−6に係る非水電解質二次電池が、FWHM(104)、空隙率が上記の範囲にない比較例2−1,2−2に係る電池に対して、優れた効果を奏していることがわかる。また、実施例2−7からは、DMCと組み合わせる鎖状カーボネートを、EMCからDECに変更しても、サイクル容量維持率が優れることがわかる。
一方、低温性能については、実施例、比較例に係る非水電解質二次電池は、すべて80%以上を確保しているので、一定の効果を有することがわかる。
(実施例3−1、3−2)
非水電解質におけるEC:DMCの体積比率を、それぞれ20:80、及び40:60に変更した以外は実施例1−1と同様にして、それぞれ実施例3−1、実施例3−2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3−3、3−4)
非水電解質における非水溶媒を、FEC:DMCの体積比率30:70、及びPC:DMCの体積比率30:70の混合溶媒に変更した以外は実施例1−1と同様にして、それぞれ実施例3−3、実施例3−4に係る非水電解質二次電池を作製した。
これらの電池について、サイクル容量維持率及び低温性能評価の結果を表5に示す。
実施例3−1、実施例3−2の結果から、非水溶媒に占める鎖状カーボネートの体積比率が60%や80%の場合においても、低温性能及び充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池が得られることがわかる。
実施例3−3、3−4から、環状カーボネートとしてEC以外にFEC又はPCを用いても、本発明の効果を奏することがわかる。
(実施例4−1、4−2)
前記参考例2−8、2−9に係る電池と同じ電池を作製し、低温性能、及び充放電サイクル性能を評価した。
その結果を実施例2−4とともに表6に示す。
表6から、活物質に用いるリチウム遷移金属複合酸化物が、α−NaFeO構造を有し、FWHM(104)が0.125〜0.145°、空隙率が1.5〜3.5%を満たす場合、低温性能、及び充放電サイクル性能が優れる非水電解質二次電池が得られることがわかる。
(実施例5−1、比較例5−1〜5−4)
非水電解質に含まれる鎖状カーボネート中のDMCの体積比率を、40%、30%、20%、10%、0%とした以外は、実施例2−1と同様にして実施例5−1〜5−4、及び比較例5−1に係る非水電解質二次電池を作製し、低温性能、及び充放電サイクル性能を評価した。
結果を実施例1−1、実施例2−1とともに表7に示す。
表7から、鎖状カーボネートに占めるDMCの体積比率が100%から低下するにつれて、サイクル容量維持率は向上するが、低温性能は低下することがわかる。したがって、低温性能と充放電サイクル性能がともに優れるという効果を得るためには、鎖状カーボネートに占めるDMCの体積比率は、10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
(比較例6−1〜6−5)
非水電解質に含まれる鎖状カーボネート中のDMCの体積比率を、40%、30%、20%、10%、0%とした以外は、比較例1−1と同様にして比較例6−1〜6−5に係る非水電解質二次電池を作製し、低温性能、及び充放電サイクル性能を評価した。
結果を比較例1−1、比較例2−1とともに表8に示す。
表8に示されているように、活物質として用いるリチウム遷移金属複合酸化物のFWHM(104)が0.125〜0.145°を満たさず、空隙率が1.5〜3.5%を満たさない比較例に係る非水電解質二次電池は、DMCの減少に伴い低温性能が低下する傾向は、表7の実施例に係る非水電解質二次電池と同様である。即ち、DMCの体積比率が30%の場合、実施例5−2、比較例6−2では、0℃/25℃容量比が、いずれも80%であり、DMCの体積比率が10%の場合、実施例5−4、比較例6−4では、0℃/25℃容量比が、いずれも77%である。一方、上記の比較例に係る非水電解質二次電池は、サイクル容量維持率が、DMCの体積比率が30%の場合、実施例5−2では97%であるのに対して、比較例6−2では、83%であり、DMCの体積比率が10%の場合、実施例5−4では98%であるのに対して、比較例6−4では、93%であるから、DMCの体積比率を10%まで減らしても、高々93%のサイクル容量維持率しか得られないことがわかる。
したがって、低温性能と充放電サイクル性能がともに優れるという効果を得るためには、FWHM(104)が0.125〜0.145°、空隙率が1.5〜3.5%を満たすリチウム遷移金属複合酸化物を活物質とすると共に、DMCの体積比率を10%以上とすることが好ましく、30%以上とすることがより好ましいといえる。
本発明の正極活物質と非水電解質とを備えることにより、低温性能及び充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供することができるので、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の電源として有用である。
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (2)

  1. 正極と、負極と、非水電解質を備えた非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、α−NaFeO構造を有し、CuKα線を使用した粉末エックス線回折図の2θ:44±1°における回折ピークの半値幅が0.125〜0.145°であり、空隙率が1.5〜3.5%であるリチウム遷移金属複合酸化物を活物質として含有し、
    前記非水電解質は、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含有する非水溶媒を含み、前記非水溶媒に占める前記鎖状カーボネートの体積比率が60%以上であり、前記鎖状カーボネート中に占めるジメチルカーボネートの体積比率が10%以上である非水電解質二次電池。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属元素Meに対するNiのモル比Ni/Meが0.4〜0.6である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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