JP2018205584A - 振れ補正機能付き光学ユニット及びその製造方法 - Google Patents

振れ補正機能付き光学ユニット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振れ補正機能付き光学ユニットにおいて磁石や駆動コイル等の部品ばらつきの影響を低減して、磁石と駆動コイルとの位置関係を高精度に設定し、消費電流のばらつきを抑えるとともに、振れ補正機能の応答性を高める。【解決手段】固定体と、光学素子を保持する可動体と、固定体に対して可動体を移動可能に支持する支持機構と、可動体を移動させる振れ補正用駆動機構とを備え、振れ補正用駆動機構は、可動体又は固定体のいずれか一方に設けられた磁石と、可動体又は固定体のいずれか他方に設けられ磁石の磁界内で可動体に電磁力を作用させる駆動コイルとを有する磁気駆動機構であり、磁石と該磁石を保持する可動体又は固定体の磁石保持部との間、又は、駆動コイルと該駆動コイルを保持する可動体又は固定体のコイル保持部との間のいずれかに、磁石と駆動コイルとの間の位置関係を調整可能な位置調整用部材が設けられている。【選択図】 図5

Description

本発明は、カメラ付き携帯電話機等に搭載される光学モジュールの振れ補正を行う振れ補正機能付き光学ユニット及びその製造方法に関する。
携帯電話機等には、撮影用の光学ユニットが搭載され、光学機器として構成されているものが多い。この光学ユニットにおいては、ユーザーの手振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、手振れを打ち消すように光学モジュールを移動させて振れを補正する機能が開発されている。この手振れ補正機能においては、携帯電話等の筐体からなる固定体に対して、光学素子を備える光学モジュールを移動可能に支持し、その光学モジュールを振れ補正用駆動機構により振れに応じて移動させる構成が採用されている。
その振れ補正用駆動機構は、磁石と駆動コイルとを備え、磁石の磁場内で駆動コイルにより光学モジュールに電磁力を作用させて駆動する構成とされている。
例えば特許文献1には、光学機器の筐体等に固定されるケース内に、光学モジュールを保持するホルダーが、光学モジュールを揺動可能に支持する揺動支持機構と、光学モジュールを光軸周りに回動可能に支持する回動支持機構とを介して支持されており、揺動補正用駆動機構により、光学モジュールを光軸と直交する2つの軸を中心に揺動させ、ローリング補正用駆動機構により、光学モジュールを光軸周りに回動する構成とされている。そして、その揺動補正用駆動機構及びローリング補正用駆動機構が、ともに磁石と駆動コイルとにより構成され、ホルダーに駆動コイルが取り付けられ、その駆動コイルと対峙するように磁石がケースの内面に固定されている。この場合、揺動補正用駆動機構及びローリング補正用駆動機構とも、磁石と駆動コイルとの組み合わせが複数組ずつ設けられている。特許文献1の図2、図6に示す例では、揺動補正用駆動機構とローリング補正用駆動機構とがそれぞれ4組設けられている。
特開2015‐82072号公報
ところで、振れ補正は、磁石と駆動コイルとの相対位置を変化させることにより行うものであるため、これら磁石と駆動コイルとの間隔及び取り付け姿勢(傾き)等の位置関係を初期の状態で正確に設定しておく必要がある。しかしながら、磁石や駆動コイル、あるいはこれらの支持部材の部品寸法のばらつきによって磁石と駆動コイルとの位置関係にもばらつきが生じる。特に、部品の製造ロットが異なると、その部品ばらつきもロット間で変動する。
この場合、前述したように磁石と駆動コイルとは1つの光学ユニットに複数組設けられるため、異なる製造ロットの部品が混在すると、各組において磁石と駆動コイルとの位置関係のばらつきが変動する。このため、振れ補正のための駆動力もばらつき、消費電流にもばらつきが生じる。また、このばらつきを見込んで、仕様を設定する必要が生じ、駆動力が低下したものでは振れ補正機能の応答性を低下させるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、振れ補正機能付き光学ユニットにおいて磁石や駆動コイル等の部品ばらつきの影響を低減して、磁石と駆動コイルとの位置関係を高精度に設定し、消費電流のばらつきを抑えるとともに、振れ補正機能の応答性を高めることを目的とする。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、固定体と、光学素子を保持する可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動可能に支持する支持機構と、前記可動体を移動させる振れ補正用駆動機構とを備え、前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体又は前記固定体のいずれか一方に設けられた磁石と、前記可動体又は前記固定体のいずれか他方に設けられ前記磁石の磁界内で前記可動体に電磁力を作用させる駆動コイルとを有する磁気駆動機構であり、前記磁石と該磁石を保持する前記可動体又は前記固定体の磁石保持部との間、又は、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間のいずれかに、前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整可能な位置調整用部材が設けられている。
位置調整用部材により磁石と駆動コイルとの間の位置関係を調整することができるので、部品ばらつき等がある場合でも、そのばらつきに応じて位置調整用部材を調整することにより、そのばらつきを小さくすることができる。
なお、可動体の移動には、いわゆるピッチング(縦揺れ)及びヨーイング(横揺れ)が含まれ、さらに、光軸周りのローリングをも含むものとしてもよい。したがって、振れ補正用駆動機構として、ピッチング及びヨーイングを補正する機能を有しており、これらの補正に加えて、ローリングを補正する機能を有するものにも本発明を適用できる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記位置調整用部材は、前記駆動コイルと前記コイル保持部との間に設けられているとよい。
磁石保持部材は通常磁性材によって形成されており、このため磁石と磁石保持部材との間に位置調整用部材を設ける場合、磁石からの磁束密度を低下させるおそれがある。これに対して、コイル保持部は非磁性材によって形成され、このため、駆動コイルとコイル保持部との間に位置調整用部材を設けても駆動コイルの磁束への影響は少なく、良好な振れ補正機能を維持することができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記位置調整用部材は合成樹脂製であるとよい。合成樹脂製の位置調整用部材は熱等によって変形させることが容易であり、位置調整作業を容易にすることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記位置調整用部材は、前記コイル保持部に設けられ、前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に突出する突起であり、該突起の先端面に前記駆動コイルの前記磁石との対向面とは反対側の面が接触しているとよい。
磁石との対向面とは反対側の面を突起の先端面に接触させた状態で駆動コイルをコイル保持部に保持することにより、突起の高さを調整して駆動コイルと磁石との対向方向の位置調整を行うことができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記突起は、前記コイル保持部に前記対向方向と平行に挿入されたピンの先端部とすることができる。コイル保持部からのピンの突出高さを調整することにより、駆動コイルの位置を調整することができる。ピンは、コイル保持部に設けた貫通穴に設けられてもよいし、底部を有する穴にピンの一端部が挿入状態に設けられるものでもよい。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記位置調整用部材は、前記駆動コイルと前記コイル保持部との間に介在したシート状部材とすることができる。シート状部材の厚さを調整することにより、駆動コイルの位置を調整することができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態において、前記駆動コイルは前記磁石との対向方向から視て矩形の環状に形成されており、前記位置調整用部材は、前記駆動コイルの矩形の角部を避けた辺部に接触しているとよい。
駆動コイルの矩形の角部は、屈曲して形成されるので、厚さ(対向方向の寸法)のばらつきが大きい。これに対して、駆動コイルの矩形の辺部は、厚さのばらつきが小さい。このため、この駆動コイルの矩形の辺部に位置調整用部材を接触させた状態とすることにより、位置調整を容易かつ正確に行うことができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法は、固定体と、光学素子を保持する可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動可能に支持する支持機構と、前記可動体を移動させる振れ補正用駆動機構とを備え、前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体又は前記固定体のいずれか一方に設けられた磁石と、前記可動体又は前記固定体のいずれか他方に設けられ前記磁石の磁界内で前記可動体に電磁力を作用させる駆動コイルとを有する磁気駆動機構である振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法であって、前記磁石と該磁石を保持する前記可動体又は前記固定体の磁石保持部との間、又は、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間のいずれかに配置されるように、前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整可能な位置調整用部材を設けておき、前記位置調整用部材を変形させて前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整する位置調整工程を有する。
位置調整用部材により磁石と駆動コイルとの間の位置関係を調整して組み立てられるので、その位置関係を高精度に設定し、消費電流のばらつきを抑えるとともに、振れ補正機能の応答性を高めることができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法の好ましい実施形態において、前記磁石と前記駆動コイルとの位置関係を評価する位置評価工程を有し、前記位置調整工程は、前記位置評価工程での評価結果に基づいて前記位置関係を調整するとよい。
磁石と駆動コイルとの位置関係を評価した結果に基づいて位置調整することにより、製造ロットの異なる部品を使用する場合など、部品ばらつきの変動が大きい場合でも、その変動に正確に対応することができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法の好ましい実施形態において、前記位置調整用部材として、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に、前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に突出する突起を設けておき、前記位置調整工程は、前記突起の先端部を潰して前記突起の高さを調整する。
突起の先端面が駆動コイルの支持面となっており、その先端部を潰すことにより支持面の位置を調整する。この場合、突起の潰し量を加減することで調整量を適切に設定することができる。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法の好ましい実施形態において、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に、前記コイル保持部に形成した穴から先端部を突出させた状態のピンを前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に設けておき、前記位置調整工程は、前記ピンの先端部の前記穴からの突出高さを調整する。
ピンの先端面が駆動コイルの支持面となっており、その先端面の突出高さを調整することにより支持面の位置を調整する。
この場合、穴は貫通穴でもよいし、底部を有する穴でもよいが、貫通穴として、その両端方向にピンを突出させた状態で挿入しておけば、ピンの後端を押圧するなどにより、先端の突出高さを調整し易い。
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法の好ましい実施形態において、前記位置調整用部材として、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に配置されるようにシート状部材を設けておき、前記位置調整工程は、前記シート状部材の厚さを調整する。
シート状部材の厚さを調整することにより、駆動コイルの位置を調整することができる。シート状部材の厚さの調整は、複数の厚さのシート状部材から適切な厚さのシート状部材を選択して使用することにより行ってもよいし、比較的肉厚のシート状部材を研削等により薄肉にすることにより調整してもよい。
本発明によれば、磁石や駆動コイル等の部品ばらつきの影響を低減して、磁石と駆動コイルとの位置関係を高精度に設定し、消費電流のばらつきを抑えるとともに、振れ補正機能の応答性を高めることができる。
本発明の一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットを搭載した光学機器を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの組立状態の斜視図である。 図2の振れ補正機能付き光学ユニットにおける固定体及びローターの分解斜視図である。 図2の振れ補正機能付き光学ユニットにおける可動体のローターを除く部分の分解斜視図である。 本発明の一実施形態のホルダーフレームにおいて一部の駆動コイルを分離した状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態のローターとボトムカバーとの間のローリング用駆動機構を示す分解斜視図である。 図2の振れ補正機能付き光学ユニットにおける光軸を通るY−Z平面での縦断面図である。 図2の振れ補正機能付き光学ユニットにおけるジンバル機構付近のX−Y平面での横断面図である。 図7における磁石と駆動コイルとの部分を拡大した要部断面図である。 位置調整用部材としてピンを設けた例を示す図9同様の要部断面図である。 位置調整用部材としてシート状部材を設けた例を示す一組のコイル保持部と駆動コイルとの分解斜視図である。
以下、本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、静置状態においては、Z軸方向に光軸L(レンズ光軸/光学素子の光軸)が配置されるものとする。また、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。また、X軸方向の一方側には+Xを付し、他方側には−Xを付し、Y軸方向の一方側には+Yを付し、他方側には−Yを付し、Z軸方向の一方側(被写体側/光軸方向前側)には+Zを付し、他方側(被写体側とは反対側/光軸方向後側)には−Zを付して説明する。また、図1〜図4等には、Z軸の一方+Z側を上方に向けた状態に配置し、この状態を静置状態とする。以下では、特に断らない限り、この静置状態で説明する。
本実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット100は、図1に概念的に示すように、カメラ付き携帯電話機等の光学機器1000に組み込まれる薄型カメラであって、光学機器1000のシャーシ(機器本体)2000に支持された状態で搭載される。この種のカメラでは、撮影時に光学機器1000に手振れ等の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。そこで、本実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット100には、後述するように、Z軸方向に沿って光軸Lが延在する光学モジュール1を備えた可動体10を固定体20内で移動可能に支持するとともに、可動体10に搭載したジャイロスコープ等の振れ検出センサ(図示略)によって手振れを検出した結果に基づいて、可動体10を揺動用駆動機構(図1では図示せず)300によって光軸Lに直交する2つの軸(X軸及びY軸とは異なる第1軸線R1及び第2軸線R2(詳細は後述する))周りに揺動させて、ピッチング及びヨーイングを補正し、また、ローリング用駆動機構(図1では図示せず)400によって可動体10をZ軸周りに回動させて、ローリングを補正することができるようになっている。
本実施形態では、振れ補正用駆動機構は、この揺動用駆動機構300とローリング用駆動機構400とからなるが、本発明は、ローリングに対する補正機能を有しない揺動用駆動機構300のみからなる構造のものも含むものとする。また、これら揺動用駆動機構300及びローリング用駆動機構400による振れ補正機能のフィードバック制御のため、揺動用駆動機構300に揺動位置検出機構310が付属し、ローリング用駆動機構400にローリング位置検出機構410が付属している。振れ補正用駆動機構が揺動用駆動機構300のみからなる構造の場合は、位置検出機構も揺動位置検出機構310のみが設けられる。これら振れ補正用駆動機構300、400及び位置検出機構310、410の詳細は後述する。
光学ユニット100には、光学モジュール1や振れ補正用駆動機構300、400、位置検出機構310、410等への給電等行うためのフレキシブル配線基板1800、1850、1900が引き出されており、これらフレキシブル配線基板1800、1850、1900は、光学機器1000の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続されている。可動体10において、光学モジュール1は、光学素子として、Z軸方向に沿って光軸Lが延在するレンズ(図示略)を備えている。
(光学ユニット100の概略構成)
図2は実施形態の光学ユニット100の組立状態の外観を示す斜視図、図3および図4は光学ユニット100を分解して2つの図に分けて示した分解斜視図、図7は光学ユニット100の光軸Lを中心とする縦断面図、図8は光学ユニット100の後述するジンバル機構50付近の横断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の光学ユニット100は、光学モジュール1を備える可動体10と、その周囲を囲むように設けられる固定体20と、可動体10と固定体20との間で固定体20に対して可動体10をX軸周り及びY軸周りに相対変位させる磁気駆動力を発生させる揺動用駆動機構300と、固定体20に対して可動体10を光軸L周りに相対回動させる磁気駆動力を発生させるローリング用駆動機構400とを有している。
より具体的には、本実施形態の可動体10は、光学素子を備えた光学モジュール1を保持するホルダーフレーム30と、ホルダーフレーム30の外側に配置されるローター40とを備えている。固定体20は、可動体10のローター40の周りを囲むケース210の下部にボトムカバー220が設けられている。そして、固定体20のボトムカバー220に、ローター40を光軸L周りに回転可能に支持する軸受221(図6、図7参照)が設けられ、可動体10のローター40と固定体20のボトムカバー220との間に、ローター40を光軸L周りに回動させるローリング用駆動機構400が備えられている。
また、本実施形態の可動体10において、ホルダーフレーム30は、ローター40の内側にジンバル機構50を介して支持されており、このジンバル機構50により、光軸L方向と直交しかつ相互に直交する第1軸線R1及び第2軸線R2の2つの軸線周りに揺動可能に支持されている。ローター40は枠状に形成されており、ローター40の外側を囲む固定体20のケース210とホルダーフレーム30との間に、ローター40の枠の空間部を通して揺動用駆動機構300が設けられている。
このような支持構造により、可動体10は、ローリング用駆動機構400により、ローター40が固定体20のボトムカバー220に対して光軸L周りに回動し、揺動用駆動機構300により、ローター40の内側のホルダーフレーム30が光軸Lに直交する第1軸線R1及び第2軸線R2の2つの軸線周りに揺動させられる(これらの動作の詳細については後述する)。この実施形態の場合、第1軸線R1及び第2軸線R2は光軸L方向に直交しており、第1軸線R1と第2軸線R2とは直交し、X軸およびY軸に対して45°の角度に配置されている。
本発明において固定体20に対して可動体10を移動可能に支持する支持機構は、固定体20のボトムカバー220にローター40を光軸L周りに回転可能に支持する軸受221と、ローター40の内側でホルダーフレーム30を光軸L方向と直交しかつ相互に直交する第1軸線R1及び第2軸線R2の2つの軸線周りに揺動可能に支持するジンバル機構50とにより構成される。また、本実施形態では、ピッチング、ヨーイング、ローリングの3方向の振れを補正する機能を有しているが、本発明は、ローリングに対する振れ補正機能を有しない光学ユニット、つまりピッチングとヨーイングの振れのみを補正する機能を有する光学ユニットであってもよい。ピッチングとヨーイングの振れのみを補正する機能を有する光学ユニットとする場合、ローター40を省略し、ジンバル機構50をケース210とホルダーフレーム30との間に介在すればよい。
(固定体20の構成)
固定体20は、可動体10の周りを囲むケース210と、ケース210の下(Z軸方向の他方側−Z)に固定されたボトムカバー220とを有している。ケース210は、複数の側板部231,232により角筒状(図示例では横断面八角形の筒状)に形成された筒体230と、筒体230の上(Z軸方向の一方側+Z)に固定され、径方向内側に張り出したカバー枠240とを有している。筒体230の下端部には、周方向に間隔をおいて複数の切欠き233が設けられている。
カバー枠240の中央部には円形の開口部241が形成されており、この開口部241を通して被写体からの光を光学モジュール1に導くようになっている。
ボトムカバー220の中心部に光軸L方向に沿う筒状部222が一体に形成され、この筒状部222の内周面に軸受221が固定されており、この軸受221に可動体10のローター40が回転自在に支持されている。このボトムカバー220は、ケース210の筒体230の横断面形状が八角形状であることから、その筒体230内に嵌合するように平面視がほぼ八角形状に形成されており、ケース210の筒体230の下端に固定した際に、筒体230の切欠き233に嵌合する複数の突起部223が設けられている。
なお、ボトムカバー220の外周部には、その一部を切除してなる切除部220aが形成されている。
(振れ補正用駆動機構300、400の構成)
本実施形態では、振れ補正用駆動機構は、固定体20のケース210とホルダーフレーム30との間に設けられた揺動用駆動機構300と、固定体20のボトムカバー220とローター40との間に設けられたローリング用駆動機構400とからなる。
具体的には、揺動用駆動機構300は、図7及び図8に示すように、板状の磁石301と駆動コイル302とを利用した磁気駆動機構である。この磁石301と駆動コイル302との組み合わせは、実施形態では、ホルダーフレーム30の周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。各駆動コイル302は、磁心(コア)を有しない空芯コイルであり、ホルダーフレーム30のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側−X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側−Yに保持されている。ホルダーフレーム30のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側−Xに配置される両駆動コイル302は、巻き線によってX軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成され、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側−Yに配置される両駆動コイル302は、巻き線によってY軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。したがって、いずれの駆動コイル302も光軸L方向に直交する方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。また、これら4つの駆動コイル302は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成される。
また、磁石301は、ケース210の筒体230において周方向に90°ずつ間隔をおいて配置された4つの側板部231(図3及び図8参照)の内面にそれぞれ保持されている。これら4つの側板部231がX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側−X、Y軸方向の一方側+Y、Y軸方向の他方側−Yにそれぞれ配置されていることから、ホルダーフレーム30とケース210との間では、X軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側−X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側−Yのいずれにおいても、磁石301と駆動コイル302とが対向している。本発明における磁石保持部は、この実施形態ではケース210の筒体230であり、この筒体230における側板部231の内面が磁石301に対する支持面である。
本実施形態において、磁石301は、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石301は、光軸L方向(Z軸方向)に2つに分離して着磁されており、駆動コイル302の側に位置する磁極301a、301bが光軸L方向で異なるように着磁されている(図7等参照)。したがって、両磁極301a、301bを分離する着磁分極線301cは、光軸Lと直交する方向に沿って配置されている。X軸方向の一方側+X及びX軸方向の他方側−Xにそれぞれ配置されている2つの磁石301は、着磁分極線301cがY軸方向に沿って配置され、Y軸方向の一方側+Y及びY軸方向の他方側−Yに配置されている2つの磁石301は、着磁分極線301cがX軸方向に沿って配置される。
また、4つの駆動コイル302のうち、X軸方向をコイルの軸心方向とする2つの駆動コイル302は、Y軸方向に延びる矩形状に形成され、Y軸方向をコイルの軸心方向とする2つの駆動コイル302は、X軸方向に延びる矩形状に形成されている。そして、いずれの駆動コイル302も、上下に配置される長辺部302aが、各磁石301の磁極301a,301bに対峙する有効辺として利用され、この駆動コイル302が励磁されていない状態では、両有効辺(長辺部302a)は、対向する磁石301の着磁分極線301cと平行で、着磁分極線301cから上下に等しい距離に配置される。
なお、4つの磁石301は、外面側および内面側に対する着磁パターンが同一である。このため、周方向で隣り合う磁石301同士が吸着し合うことがないので、組み立て等が容易である。ケース210は磁性材料から構成されており、磁石301に対するヨークとして機能する。
ローリング用駆動機構400は、揺動用駆動機構300と同様に、板状の磁石401と駆動コイル402とを利用した磁気駆動機構である。このローリング用駆動機構400の駆動コイル402も、磁心(コア)を有しない空芯コイルであり、ローターボトム41の下面(Z軸方向の−Z)側に保持されている。この場合、ローターボトム41には、中心に光軸L方向に延びる軸部43が設けられており、その軸部43を中心として180°対向位置にそれぞれ駆動コイル402が設けられている。いずれの駆動コイル402も、光軸L方向と平行な方向をコイルの軸心方向とする環状に形成された空芯コイルであり、その軸心方向に視て台形枠状に形成されている。そして、台形の短辺をローターボトム41の軸部43側に配置し、長辺をローターボトム41の外周側に配置し、2つの斜辺をローターボトム41の半径方向に沿って配置している。2つの駆動コイル402は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成される。
このローターボトム41において、これら駆動コイル402が取り付けられる部位は、平面状の取り付け面41aとされており、その取り付け面41aに駆動コイル402が接着等によって固定される。なお、この取り付け面41aの表面には、駆動コイル402の内側に配置される凸部41bが複数個設けられており、平面視台形枠状の駆動コイル402の内周面に凸部41bの外周面が接触することにより、駆動コイル402の取り付け位置(取り付け面41aの面方向における位置)が規制されるようになっている。この実施形態において、取り付け面41aを有するローターボトム41がコイル保持部であり、その取り付け面41aが駆動コイル402に対する支持面である。
磁石401は、ローターボトム41の下面に対向するボトムカバー220の上面(Z軸方向の+Z)側に軸受221を中心として180°対向位置にそれぞれ保持されている。この実施形態では、ボトムカバー220の上面が磁石401に対する支持面である。また、磁石401は、外面(Z軸方向の+Z)側及び内面(Z軸方向の−Z)側に異なる極に着磁されているとともに、図3に示す例ではX軸方向に2つに分離して着磁されており、駆動コイル402の側に位置する磁極401a、401bがX軸方向で異なるように着磁されている。したがって、これら磁極401a、401bを分離する着磁分極線401cは、Y軸方向に沿って配置されている。そして、ローターボトム41に設けられた2個の駆動コイル402と、ボトムカバー220に設けられた2個の磁石401とがそれぞれ対向しており、台形状の各駆動コイル402の斜辺部402aが、磁石401の各磁極401a,401bに対峙する有効辺として利用される。この駆動コイル402が励磁されていない状態では、両有効辺(斜辺部402a)は、磁石401の着磁分極線401cから左右に等しい距離に斜めに配置され、着磁分極線401cを中心として左右対称に配置される。
(可動体10の構成)
光学ユニット100の可動体10は、固定体20におけるボトムカバー220の軸受221に回転自在に支持されたローター40と、このローター40の内側にジンバル機構50を介して支持されたホルダーフレーム30と、このホルダーフレーム30に保持された光学モジュール1とを備えている。
ローター40は、ローターボトム41とこのローターボトム41の上に固定されたローターフレーム42とからなる。ローターボトム41は、固定体20のボトムカバー220の上面と対向するようにほぼ板状に形成されており、その中心部に光軸Lに沿ってZ軸方向の−Z方向に延びる軸部43が一体に固定され、その軸部43がボトムカバー220の軸受221内に回転自在に支持されている。
また、ローターボトム41の下面がボトムカバー220の上面との間にわずかな隙間をあけて対向しており、その対向部にローリング用駆動機構400が設けられている。このローターボトム41は、平面視では円形の一部が切除された平面形状を有しており、上面には、その切除部41cを除き周方向に沿って周壁部44が形成され、その周壁部44の外側に周方向に間隔をおいて複数の突起45が形成されている。この切除部41cは、ローターボトム41の上方(Z軸の+Z方向)に配置される揺動用駆動機構300や光学モジュール1等のフレキシブル配線基板1800、1850を外部に引き出す際の通路として利用される。ローターボトム41の下面には、後述するようにローリング用駆動機構400の2つの駆動コイル402と、後述するホール素子等の磁気検出素子411及びキャンセルコイル412とが固定される。
ローターフレーム42は、実施形態では、下部環状部46と、上部環状部47と、両環状部46,47の間を連結する4本のフレーム部48とを有している。下部環状部46は、ローターボトム41の周壁部44の外側に嵌合するように設けられ、その嵌合状態において突起45を嵌める切欠部46aが形成されている。これによりローターフレーム42はローターボトム41に回り止めされた状態に保持される。上部環状部47は円形環状に形成され、下部環状部46をローターボトム41に取り付けることにより、上部環状部47がローターボトム41の軸部43の延長上(Z軸方向の+Z側)に配置されるようになっている。フレーム部48は、これら下部環状部46と上部環状部47との間に周方向に間隔をおいて設けられている。
4本のフレーム部48のうち、180°対向する2本のフレーム部48の内側には、径方向内方に向けた溝部49が形成される。そして、この溝部49に、ジンバル機構50の接点用ばね510が固定され、そのジンバル機構50により、ローターフレーム42の内側に、光学モジュール1を保持するホルダーフレーム30が揺動可能に支持されている。ホルダーフレーム30には、後述するように揺動用駆動機構300の4つの駆動コイル302と、揺動位置検出機構310の磁気検出素子311及びキャンセルコイル312とが固定されている。
光学モジュール1は、光学素子1aや撮像素子1b(図7参照)、フォーカシング駆動用のアクチュエータ(図示せず)等を保持するモジュールホルダ11と、モジュールホルダ11の上(Z軸方向の一方側+Z)に固定される円筒状のウエイト12とを有している。ウエイト12は、非磁性の金属製であり、円形リング状に形成されている。そして、光学モジュール1のモジュールホルダ11は、光学素子1aを囲む鏡筒部13と、鏡筒部13の下端に一体に形成され撮像素子1b等を保持する基台部14とを有している。そして、基台部14がホルダーフレーム30の下(Z軸方向の−Z)側に配置され、鏡筒部13がホルダーフレーム30を貫通してZ軸方向の+Z側に突出した状態でホルダーフレーム30に保持されており、ホルダーフレーム30から突出している鏡筒部13の先端部にウエイト12が取り付けられることにより、Z軸方向における重心位置を調整する。光学モジュール1はジャイロスコープやキャパシタ等の電子部品が実装された実装基板(いずれも図示略)に接続され、実装基板に信号出力用のフレキシブル配線基板1800に接続されている。このフレキシブル配線基板1800は、モジュールホルダ11の下方(Z軸方向の他方側−Z)で複数回湾曲された後に外部に引き出されており、外部に引き回される部分が2本に分割されている。
一方、図4に示すように、ホルダーフレーム30のZ軸方向の他方側−Zの端部には、4つの駆動コイル302に接続された給電用のフレキシブル配線基板1850が設けられており、このフレキシブル配線基板1850も、ホルダーフレーム30の下方(Z軸方向の他方側−Z)で複数回湾曲された後に外部に引き出されている。
これらフレキシブル配線基板1800,1850は、可撓性を有していることから、揺動用駆動機構300によるホルダーフレーム30及びこのホルダーフレーム30に保持されている光学モジュール1の動きを阻害しないようになっている。
(ホルダーフレーム30の詳細構成)
可動体10において、ホルダーフレーム30は、図3〜図5及び図7、図8に示すように、概ね、モジュールホルダ11の鏡筒部13を内側に保持する筒状のモジュールホルダ保持部31と、このモジュールホルダ保持部31の下端部(Z軸方向の他方側−Zの端部)でフランジ状に拡径する肉厚のベース部32とを有している。ベース部32上には、モジュールホルダ保持部31よりも径方向外側に、4つの駆動コイル302をそれぞれ保持するコイル保持部33が設けられており、これらコイル保持部33とモジュールホルダ保持部31との間には、後述するジンバル機構50の可動枠51が配置される可動枠配置空間140が形成されている。各コイル保持部33は、モジュールホルダ保持部31に対してX軸方向の+X側、X軸方向の−X側、Y軸方向の+Y側、Y軸方向の−Y側にそれぞれ設けられており、周方向に隣接する2個ずつのコイル保持部33が連結部34により連結状態とされている。つまりX軸方向の+X側とY軸方向の+Y側とに設けられる2個のコイル保持部33が連結部34により連結状態とされ、X軸方向の−X側とY軸方向の−Y側とに設けられる2個のコイル保持部33が連結部34により連結状態とされている。これにより、二つの連結部34が180°対向した位置に配置され、その対向面に溝部35が形成される。図8に示す例では、第1軸線R1上に配置される2つの連結部34に溝部35が形成されている。
一方、X軸方向の+X側とY軸方向の−Y側とに設けられるコイル保持部33の間は離間しており、X軸方向の−X側とY軸方向の+Y側とに設けられるコイル保持部33の間も離間している。したがって、これらコイル保持部33の間の空所も、モジュールホルダ保持部31を介して180°対向する位置、図8に示す例では第2軸線R2上に配置されている。
そして、これら2つのコイル保持部33の間の空所に、ローター40の4本のフレーム部48のうちの180°対向する2本のフレーム部48の内側に形成された溝部49が臨ませられ、この溝部49が径方向内方に向けて配置される。これにより、コイル保持部33の間の連結部34の溝部35と、ローター40のフレーム部48の溝部49とがモジュールホルダ保持部31を中心として90°間隔で配置される。
また、各コイル保持部33は、空芯コイルである駆動コイル302の内側に嵌合する凸部33aと、この凸部33aを駆動コイル302に嵌合した状態で、駆動コイル302の背面側(磁石301と対向する面とは反対側)に配置される裏板部36とが一体に設けられた構成である。また、この裏板部36に、駆動コイル302の背面に当接する位置調整用突起(位置調整用部材)37が一体に設けられている。この位置調整用突起37は、駆動コイル302の周方向の複数個所(図5に示す例では3箇所)に当接するように設けられており、その複数個所で駆動コイル302の背面に当接することで各駆動コイル302におけるコイルの軸心方向の位置(光軸Lに対して直交する方向の位置)をそれぞれ設定している。
前述したように駆動コイル302は、導線を平面視矩形の環状に複数回巻いて形成されたものであり、導線は、矩形の辺部302a、302bでは直線状に束ねられるが、矩形の角部302cにおいては90°屈曲形成される。このため、この角部302cは、辺部302a、302bに比べて厚さ方向の寸法が大きくなり易いとともに、そのばらつきも辺部302a、302bに比べて大きくなる傾向にある。そこで、位置調整用突起37は、駆動コイル302の角部302cを避けて、辺部302a、302bの表面に当接するように配置されている。また、位置調整用突起37の先端による平面を形成するため、位置調整用突起37は少なくとも3か所に設けられている。図5等に示す例では、位置調整用突起37は、矩形の駆動コイル302の4つの辺部302a、302bのうち、3つの辺部に接触するように設けられている。
そして、駆動コイル302は、その内周面とコイル保持部33の凸部33aの外周面との間、及び背面と位置調整用突起37の先端面及び裏板部36の表面との間が接着等によって固定されている。つまり、位置調整用突起37の先端面が駆動コイル302に対する支持面となる。
また、各コイル保持部33の凸部33aには、駆動コイル302の外面(磁石301と対向する面)からさらに一部が外方に向けて突出し、その突出部38が磁石301と対向している。従って、外力によって、可動体10がX軸方向またはY軸方向に変位した際、コイル保持部33の突出部38は、磁石301に当接し、その可動範囲を規制する。
なお、ホルダーフレーム30は、合成樹脂により、モジュールホルダ保持部31、ベース部32、コイル保持部33が一体に形成されており、位置調整用突起37及び突出部38もコイル保持部33に一体に形成されている。
(ジンバル機構50の構成)
本実施形態の光学ユニット100において、可動体10を第1軸線R1周りおよび第2軸線R2周りに揺動可能に支持するにあたって、可動体10のローター40と可動体10のホルダーフレーム30との間には、以下に説明するジンバル機構50が構成されている。
本実施形態では、ジンバル機構50には、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に可動枠51が設けられる。この可動枠51は、図4、図7及び図8に示すように、薄板により環状に形成されており、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に配置されている。また、可動枠51には、周方向に90°間隔をおいて4箇所に半径方向外方に向けた突起部52が一体に形成され、各突起部52に半径方向外方に半球状の凸面を向けるように球体53が溶接等によって固定されている。
一方、ホルダーフレーム30において連結状態とされたコイル保持部33の間の連結部34の内側、及びコイル保持部33の間に配置されているローター40のフレーム部48の内側には、それぞれ溝部35、49が形成されており、この溝部35、49に接点用ばね510がそれぞれ取り付けられ、これら接点用ばね510に可動枠51の各球体53の先端凸部がそれぞれ支持されている。
具体的には、各接点用ばね510は、弾性変形可能なステンレス鋼等の金属からなる板材をプレス成形することにより、縦断面U字状となるように屈曲形成されており、ホルダーフレーム30及びローターフレーム42の各溝部35、49内に固定される取り付け部511と、取り付け部511の一端から折り返され取り付け部511とほぼ平行に延びる受け板部512とを有している。これら接点用ばね510は、取り付け部511がホルダーフレーム30又はローターフレーム42の各溝部35、49の内面に接着剤等により固定され、受け板部512をモジュールホルダ保持部31に向けた状態に配置している。また、各受け板部512には、可動枠51における各球体53の先端凸部を受ける凹部513が形成されている。接点用ばね510は、取り付け部511と受け板部512との間を離間接近させる方向に弾性変形可能であり、可動枠51の球体53との接触点に半径方向外側から内方に向けて弾性的な荷重を印加できるようになっている。
そして、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に可動枠51が配置され、可動枠51の外周側の4箇所の突起部52に設けられた球体53が、ホルダーフレーム30及びローターフレーム42に取り付けられた各接点用ばね510の受け板部512の凹部513に径方向内側から弾性的に接触させられている。
この場合、図8に示すように、ホルダーフレーム30に固定された接点用ばね510は、第1軸線R1方向で対をなすように対向し、可動枠51の球体53との間で第1揺動支点55を構成する。一方、ローターフレーム42に固定された接点用ばね510は、第2軸線R2方向で対をなすように対向し、可動枠51の球体53との間で第2揺動支点56を構成する。
このように構成したジンバル機構50において、各接点用ばね510の付勢力は等しく設定される。なお、本実施形態では、揺動用駆動機構300に磁気駆動機構が用いられていることから、ジンバル機構50に用いた可動枠51、接点用ばね510はいずれも、非磁性材料からなる。本実施形態において、可動枠51は、コイル保持部33と同じ高さ位置(Z軸方向における同一の位置)に配置されている。このため、光軸L方向に対して直交する方向からみたとき、ジンバル機構50は、揺動用駆動機構300と重なる位置に設けられている。特に本実施形態では、図7に示すように、光軸L方向に対して直交する方向からみたとき、ジンバル機構50は、揺動用駆動機構300のZ軸方向の中心と重なる位置に設けられている。より詳細には、揺動用駆動機構300の無励磁状態においては、磁石301の着磁分極線301cと同じ高さ位置に設けられている。
(位置検出機構310、410の構成)
振れ補正用駆動機構としての揺動用駆動機構300及びローリング用駆動機構400には、これらの振れ補正機能のフィードバック制御のために位置検出機構が付属して設けられている。この位置検出機構は、揺動用駆動機構300のための揺動位置検出機構310、及びローリング用駆動機構400のためのローリング位置検出機構410であり、いずれもホール素子等の磁気検出素子が用いられる。
揺動位置検出機構310においては、実施形態では、揺動用駆動機構300の各駆動コイル302が取り付けられているホルダーフレーム30の4つのコイル保持部33のうち、X軸方向の−X側、及びY方向の−Y側に配置される2つのコイル保持部33にそれぞれに磁気検出素子311が設けられている。この場合、駆動コイル302が空芯コイルであり、その駆動コイル302の内側に嵌合しているコイル保持部33の設置スペースを利用して磁気検出素子311が設けられている。具体的には、コイル保持部33が左右2つのブロック状に分離しており、その分離した部分の間に、フレキシブル配線基板1850上に搭載された磁気検出素子311と、この磁気検出素子311に作用する駆動コイル302からの磁束をキャンセルするキャンセルコイル312とが固定されている。この場合、キャンセルコイル312は円環状の空芯コイルであって、そのコイルの軸心を駆動コイル302におけるコイルの軸心に一致させて設けられており、磁気検出素子311は、キャンセルコイル312の内側の空間部に配置される。
前述したように、揺動用駆動機構300の駆動コイル302は、無励磁状態においては、磁石301の着磁分極線301cに対して上下等距離で有効辺302aが配置されていることから、駆動コイル302の内側に、磁石301の着磁分極線301cと同じ高さ位置(光軸L方向の位置)に磁気検出素子311とキャンセルコイル312とが配置される。言い換えれば、光軸Lと直交する方向において磁石301の着磁分極線301cと対向する位置に、磁気検出素子311とキャンセルコイル312とが配置される。
このキャンセルコイル312は、駆動コイル302に対して逆向きの巻き線によって構成されており、フレキシブル配線基板1850を介して光学機器1000の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続されており、キャンセルコイル312の内側の磁気検出素子311に作用する磁束のうち、駆動コイル302からの磁束を打ち消すための磁束を発生させるように制御される。つまり、磁気検出素子311に作用する駆動コイル302からの磁束と同じ大きさで逆向きの磁束を磁気検出素子311に作用させるように制御される。このため、磁気検出素子311は、その周囲に配置される駆動コイル302と対向する磁石301からの磁束のみを検出することができ、ケース210内面の磁石301との間の相対移動に伴い、その磁束の変化を検出して位置検出することができる。
図8に示すように、X軸上とY軸上とにそれぞれ1つずつ磁気検出素子311が設けられているので、X軸を中心とするピッチングに対しては、Y軸上に配置されている磁気検出素子311の出力により磁束の変化を検出して位置検出し、Y軸を中心とするヨーイングに対しては、X軸上に配置されている磁気検出素子311の出力により磁束の変化を検出して位置検出する。そして、そのフィードバック制御においては、4つの駆動コイル302に流す電流を調整しながら第1軸線R1または第2軸線R2を中心に揺動させて、それぞれの磁気検出素子311の出力を初期状態に戻すように制御される。
また、キャンセルコイル312の巻き線の高さは、駆動コイル302の巻き線の高さ(厚さ)よりも小さく形成され、駆動コイル302の外面からキャンセルコイル312の先端が外方に突出しないように設けられる。このキャンセルコイル312は、駆動コイル302がコイルの軸心方向に視て矩形の環状であるのに対して、円形の環状に形成され、駆動コイル302の有効辺(長辺部302a)がキャンセルコイル312の接線方向と平行に配置される(図4及び図5参照)。したがって、キャンセルコイル312の周方向の一点が駆動コイル302の有効辺(長辺部302a)に最も接近し、その一点から周方向のいずれの方向においても駆動コイル302の有効辺(長辺部302a)から離間するように配置される。
ローリング位置検出機構410においても、実施形態では、ローリング用駆動機構400の駆動コイル402が環状をなす空芯コイルからなるので、2つの駆動コイル402のうちの一方の駆動コイル402の内側に、その内部空間を利用して、磁気検出素子411とキャンセルコイル412とが設けられている。この場合、キャンセルコイル412は、円環状の空芯コイルであり、そのコイルの軸心を駆動コイル302におけるコイルの軸心とほぼ一致させて設けられており、磁気検出素子411は、キャンセルコイル412の内側の空間部に配置される。前述したように、ローリング用駆動機構400において磁石401の着磁分極線401cに対して駆動コイル402の有効辺(斜辺部402a)が左右対称に配置されているので、磁気検出素子411及びキャンセルコイル412は磁石401の着磁分極線401cに対向するように配置される。
このキャンセルコイル412は、駆動コイル402に対して逆向きの巻き線によって構成されており、フレキシブル配線基板1900を介して光学機器1000の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続されており、キャンセルコイル412の内側の磁気検出素子411に作用する磁束のうち、駆動コイル402からの磁束を打ち消すための磁束を発生させるように制御される。つまり、磁気検出素子411に作用する駆動コイル402からの磁束と同じ大きさで逆向きの磁束を磁気検出素子411に作用させるように制御される。このため、磁気検出素子411は、その周囲に配置される駆動コイル402と対向する磁石401からの磁束のみを検出することができ、ボトムカバー220表面の磁石401との間の相対移動に伴い、その磁束の変化を検出して位置検出することができる。
また、キャンセルコイル412の巻き線の高さは、駆動コイル402の巻き線の高さ(厚さ)よりも小さく形成され、駆動コイル402の外面からキャンセルコイル412の先端が外方に突出しないように設けられる。このキャンセルコイル412は、駆動コイル402がコイルの軸心方向に視て台形の環状であるのに対して、円形の環状に形成され、駆動コイル402の有効辺(斜辺部402a)がキャンセルコイル412の接線方向と平行に配置される。したがって、キャンセルコイル412の周方向の一点が駆動コイル402の有効辺(斜辺部402a)に最も接近し、その一点から周方向のいずれの方向においても駆動コイル402の有効辺(斜辺部402a)から離間するように配置される。
以上のように構成した振れ補正機能付き光学ユニット100を製造する場合、揺動用駆動機構300の磁石301と駆動コイル302との位置関係は次のようにして設定する。
各磁石301及び駆動コイル302、並びにこれらが取り付けられるケース210の筒体230等の製品検査を行い、組み立て後における磁石301と駆動コイル302との位置関係がどのような状態となるかについて評価する(位置評価工程)。その評価は、部品を1つずつ検査しながら、これを取り付けるたびに行ってもよいが、通常、1つの製造ロット内では製品ばらつきが大きく変化することはないので、例えば磁石301や駆動コイル302等の製造ロットが変わった際に行うとよい。
そして、この位置評価結果に基づき、必要に応じて位置調整用突起37の高さを低くするように、位置調整用突起37の先端部を潰す加工を施す(位置調整工程)。このため、位置調整用突起37の高さは、磁石301や駆動コイル302等の部品に予想される製品ばらつきを考慮して調整可能な寸法に設定しておくとよい。例えば、駆動コイル302の厚さが公差上限で磁石301が公差上限であった場合(位置調整しないと駆動コイル302と磁石301との隙間は最小となる)や、駆動コイル302の厚さが公差下限で磁石301が公差下限であった場合(位置調整しないと駆動コイル302と磁石301との隙間は最大となる)、駆動コイル302と磁石301との隙間を設計中心値に設定できるように調整可能な高さの位置調整用突起とする。コイル保持部33の裏板部36の表面から位置調整用突起37の先端面までの高さが0.5mm〜1mm程度に設定しておけば十分である。
この位置調整用突起37のこの位置調整用突起37の高さを小さくするには、この位置調整用突起37が合成樹脂製であるので、高温に熱した加熱板等を位置調整用突起37の先端面に押し付け、その一部を溶かしながら押し潰すことにより行うことができる。位置調整用突起37の先端面を削り取ることによって高さを小さくしてもよい。
このようにして位置調整用突起37の高さを調整した後、位置調整用突起37の先端面に駆動コイル302の背面(磁石301との対向面とは反対側の面)を当接させた状態として、コイル保持部33に駆動コイル302を取り付け、接着等により固定する。例えば、図9に示すように、位置調整用突起37の高さがh1であったものを位置調整によりh2の高さに小さくすることにより、駆動コイル302と磁石301との間隔をG1からG2に調整することができる。
駆動コイル302等の製品ばらつきの大きさによっては、位置調整用突起37の高さが「0」mmとなる場合もある。その場合は、コイル保持部33の裏板部36の表面に駆動コイル302の背面が直接固定される。
一方、この駆動コイル302と対向する磁石301については、板状のもので、比較的良好な平面度を有しており、また、磁石301が取り付けられる筒体230の側板部231の平面度も比較的高精度に仕上げることができるので、駆動コイル302に対する位置調整用突起37のような調整用部材を介さずに、磁石301を側板部231に接着等により直接固定する。
このようにして、駆動コイル302をコイル保持部33に固定する前に、磁石301と駆動コイル302との位置関係を評価する位置評価工程、及び、その位置評価結果に基づいて位置調整用突起37の高さを調整する位置調整工程を経た後に、駆動コイル302を取り付ける。したがって、磁石301と駆動コイル302との位置関係(磁石301と駆動コイル302との間隔、平行度等)が正確に設定される。
以上のように構成した振れ補正機能付き光学ユニット100において、ピッチング及びヨーイングに対しては、揺動用駆動機構300により、第1軸線R1又は第2軸線R2周りに光学モジュール1を揺動することにより振れを補正することができる。また、ローリングに対しては、ローリング用駆動機構400により、ローター40を光軸L周りに回動させて振れを補正することができる。具体的には、揺動用駆動機構300においては、ケース210内の磁石301による磁界の中で、駆動コイル302に電流を流すことにより電磁力を発生させ、その電磁力によってケース210(固定体20)に対してホルダーフレーム30(可動体10)を第1軸線R1、第2軸線R2のいずれかあるいは両方の軸線周りに揺動させて光学モジュール1の姿勢を制御する。ローリング用駆動機構400においては、ボトムカバー220に固定された磁石401の磁界の中で、駆動コイル402に電流を流すことにより電磁力を発生させ、その電磁力によってボトムカバー220(固定体20)に対してローター40を光軸L周りに回動させ光学モジュール1の姿勢を制御する。
この振れ補正において、振れ補正に伴う磁石301、401の相対変位を位置検出機構310、410の磁気検出素子311、411により検出して、フィードバック制御する。この場合、キャンセルコイル312、412は、磁気検出素子311、411に対する駆動コイル302、402からの磁束とは逆向きで同じ大きさの磁束を磁気検出素子311、411に作用することで、駆動コイル302、402からの磁束の影響をキャンセルする。このため、磁気検出素子311、411は、磁石301、401からの磁束のみを検出して、その相対位置の変化を正確に検出することができる。
本実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット100は、揺動用駆動機構300の各駆動コイル302と磁石301との位置関係を調整するための位置調整用突起37を設けて、その位置調整用突起37の高さ位置を調整することにより、磁石301と駆動コイル302との位置関係を調整して組み立てるようにしたので、これら磁石301や駆動コイル302等の製品ばらつきの影響を低減して、磁石301と駆動コイル302との位置関係を高精度に設定することができる。したがって、振れ補正のための駆動力のばらつきも低減して、消費電流のばらつきを抑えるとともに、振れ補正機能の応答性を高めることができる。
実施形態ではローリング用駆動機構400の駆動コイル402はローターボトム41の取り付け面41aに当接して取り付けられており、揺動用駆動機構300の駆動コイル302を保持するコイル保持部33のような位置調整用突起37を有していない。揺動用駆動機構300の場合は、4箇所に駆動コイル302がそれぞれ異なる向きで配置されており、各駆動コイル302とこれに対向する磁石301との間の位置調整が4箇所でそれぞれ必要になるため、位置調整用突起37によって個々の位置調整を容易にしたものである。これに対して、ローリング用駆動機構400の場合は、2つの駆動コイル402ともローターボトム41の同じ面に同じ向きで設けられており、それぞれボトムカバー220の同じ面に同じ向きで設けられた磁石401と対向する配置であるため、位置調整が容易である。このため、ローリング用駆動機構400の各駆動コイル402に対しては位置調整用突起は設けられていないが、揺動用駆動機構300の駆動コイル302に対するものと同様に位置調整用突起を設けて、位置調整できるようにしてもよい。その場合、コイル保持部であるローターボトム41に位置調整用突起を設けて、その先端面を駆動コイル402の背面に接触させるように設定しておき、駆動コイル402等の製品ばらつきに応じて位置調整用突起の高さを調整すればよい。
(他の実施形態)
前述の実施形態では、位置調整用部材として位置調整用突起37を設けた例としたが、図10に示す構造としてもよい。コイル保持部33の裏板部36に、磁石301と駆動コイル302との対向方向に沿う穴371が形成され、その穴371に、合成樹脂製等からなるピン372が挿入状態に設けられている。この場合、穴371は裏板部36を貫通しており、ピン372の両端部は穴371の両端から突出している。このピン372の両端部のうち、裏板部36の表面から磁石301に向けて突出している先端部372aの端面が駆動コイル302の背面に接触しており、この先端部372aが前述の実施形態における位置調整用突起37と同様の機能を有する位置調整用部材である。すなわち、このピン372の先端部372aの突出高さを調整することにより磁石301と駆動コイル302との位置関係を調整することができ、ピン372における先端部372aの先端面が駆動コイル302に対する支持面となる。
この場合、ピン372はコイル保持部33の裏板部36に貫通状態の穴371に挿入され、その両端部が穴371から突出している。このため、このピン372の挿入状態を軽い圧入状態としておくことにより、ピン372をその長さ方向に移動し得るようにしておく。そして、例えば、裏板部36の背部から突出しているピン372の後端を図10の矢印で示すように押圧することにより、二点鎖線で示すようにピン372を前進移動させて、駆動コイル302の位置を磁石301に接近させる。あるいは、逆に、裏板部36の前方に突出しているピン372の先端を押圧することにより、ピン372を後退移動させる。このようにしてピン372を移動することにより、コイル保持部33の裏板部36からのピン372の先端部372aの突出高さを調整することができる。もちろん、前述した実施形態の位置調整用突起37のように、ピン372の先端部372aを潰したり、切削するなどにより、その突出高さを小さくする方法としてもよい。
また、このようなピン372を設ける場合、裏板部36の表面からピン372の先端部と突出させた状態とすればよいので、裏板部36の穴371は必ずしも貫通状態に設けられていなくてもよく、底部を有する穴とし、裏板部36の背面側には貫通していない穴としてもよい。
なお、位置調整用部材としての突起37やピン372は、断面円形のものとして図示したが、断面矩形状のもの等、多角形状のものでもよい。
さらに、位置調整用部材として、突起37やピン372に代えて、図11に示すシート状部材373を設けてもよい。シート状部材373は、コイル保持部33の裏板部36の表面で図5に示す位置調整用突起37と同じ位置の3箇所に貼り付けられており、これらシート状部材373の表面が駆動コイル302に対する支持面とされている。
このシート状部材373は、合成樹脂等からなり、例えば、複数の厚さの異なるシート状部材373を用意しておき、前述した位置評価工程において評価した結果に基づき、適切な厚さのシート状部材373をコイル保持部33の裏板部36の表面に貼り付け、その上に駆動コイル302を取り付ければよい。あるいは、シート状部材373の厚さを比較的大きいものに形成しておき、位置評価工程において評価した結果に基づき、シート状部材373の厚さを薄くするように表面を切削することとしてもよい。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ジンバル機構50では、可動枠51に固定した球体53を接点用ばね510に接触させる構造としたが、必ずしも球体53でなくてもよく、棒状部材等の先端面を球状に形成してなる球状先端面を接点用ばね510に接触させる構造としてもよい。
また、可動体10を固定体20に支持する支持機構として、揺動可能に支持する機構をジンバル機構50により構成したが、ほぼ光軸Lに沿う方向のピボット軸による支持機構としてもよく、その場合、ピボット軸の先端面が球状先端面に形成され、ピボット軸は、その球状先端面を中心に光軸Lと交差する方向に揺動する。
1…光学モジュール、1a…光学素子、1b…撮像素子、10…可動体、11…モジュールホルダ、12…ウエイト、13…鏡筒部、14…基台部、20…固定体、30…ホルダーフレーム、31…モジュールホルダ保持部、32…ベース部、33…コイル保持部、33a,41b…凸部、34…連結部、35、49…溝部、36…裏板部、37…位置調整用突起、38…突出部、40…ローター、41…ローターボトム、41a…取り付け面、41c…切除部、42…ローターフレーム、43…軸、44…周壁部、45…突起、46…下部環状部、46a…切欠部、47…上部環状部、48…フレーム部、50…ジンバル機構、51…可動枠、52…突起部、53…球体、55…第1揺動支点、56…第2揺動支点、100…補正機能付き光学ユニット、140…可動枠配置空間、210…ケース、220…ボトムカバー、220a…切除部、221…軸受、222…筒状部、223…突起部、230…筒体、231,232…側板部、233…切欠き、240…カバー枠、241…開口部、300…揺動用駆動機構、400…ローリング補正用駆動機構、301,401…磁石、301a,301b,401a,401b…磁極、301c,401c…着磁分極線、302,402…駆動コイル、302a…長辺部(有効辺)、302b…短辺部、302c…角部、310…揺動位置検出機構、410…ローリング位置検出機構、311,411…磁気検出素子、312,412…キャンセルコイル、371…穴、372…ピン、372a…先端部、373…シート状部材、402a…斜辺部、510…接点用ばね、511…取り付け部、512…受け板部、513…凹部、1000…光学機器、1800,1850,1900…フレキシブル配線基板、2000…シャーシ、L…光軸、R1…第1軸線、R2…第2軸線

Claims (12)

  1. 固定体と、光学素子を保持する可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動可能に支持する支持機構と、前記可動体を移動させる振れ補正用駆動機構とを備え、
    前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体又は前記固定体のいずれか一方に設けられた磁石と、前記可動体又は前記固定体のいずれか他方に設けられ前記磁石の磁界内で前記可動体に電磁力を作用させる駆動コイルとを有する磁気駆動機構であり、
    前記磁石と該磁石を保持する前記可動体又は前記固定体の磁石保持部との間、又は、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間のいずれかに、前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整可能な位置調整用部材が設けられていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
  2. 前記位置調整用部材は、前記駆動コイルと前記コイル保持部との間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  3. 前記位置調整用部材は合成樹脂製であることを特徴とする請求項2記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  4. 前記位置調整用部材は、前記コイル保持部に設けられ、前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に突出する突起であり、該突起の先端面に前記駆動コイルの前記磁石との対向面とは反対側の面が接触していることを特徴とする請求項2又は3記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  5. 前記突起は、前記コイル保持部に前記対向方向と平行に挿入されたピンの先端部であることを特徴とする請求項4記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  6. 前記位置調整用部材は、前記駆動コイルと前記コイル保持部との間に介在したシート状部材であることを特徴とする請求項2又は3記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  7. 前記駆動コイルは前記磁石との対向方向から視て矩形の環状に形成されており、前記位置調整用部材は、前記駆動コイルの矩形の角部を避けた辺部に接触していることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
  8. 固定体と、光学素子を保持する可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動可能に支持する支持機構と、前記可動体を移動させる振れ補正用駆動機構とを備え、前記振れ補正用駆動機構は、前記可動体又は前記固定体のいずれか一方に設けられた磁石と、前記可動体又は前記固定体のいずれか他方に設けられ前記磁石の磁界内で前記可動体に電磁力を作用させる駆動コイルとを有する磁気駆動機構である振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法であって、
    前記磁石と該磁石を保持する前記可動体又は前記固定体の磁石保持部との間、又は、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間のいずれかに配置されるように、前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整可能な位置調整用部材を設けておき、前記位置調整用部材を変形させて前記磁石と前記駆動コイルとの間の位置関係を調整する位置調整工程を有することを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
  9. 前記磁石と前記駆動コイルとの位置関係を評価する位置評価工程を有し、前記位置調整工程は、前記位置評価工程での評価結果に基づいて前記位置関係を調整することを特徴とする請求項8記載の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
  10. 前記位置調整用部材として、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に、前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に突出する突起を設けておき、
    前記位置調整工程は、前記突起の先端部を潰して前記突起の高さを調整することを特徴とする請求項8又は9記載の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
  11. 前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に、前記コイル保持部に形成した穴から先端部を突出させた状態のピンを前記磁石と前記駆動コイルとの対向方向と平行に設けておき、
    前記位置調整工程は、前記ピンの先端部の前記穴からの突出高さを調整することを特徴とする請求項8又は9記載の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
  12. 前記位置調整用部材として、前記駆動コイルと該駆動コイルを保持する前記可動体又は前記固定体のコイル保持部との間に配置されるようにシート状部材を設けておき、
    前記位置調整工程は、前記シート状部材の厚さを調整することを特徴とする請求項8又は9記載の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
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