JP2018205166A - アナログ信号のディジタル変換方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、図9において、符号1で示されるものは図11〜図14で示すステータ100に設けられた2相の励磁巻線であり、互いに電気的に90°位相が異なる第1、第2励磁コイル1a,1bから構成されている。この各励磁コイル1a,1bには励磁信号sinωt及びcosωtが入力され、このステータ100には出力巻線2が設けられている。
V2C=K2 SIN{ωt+N(θ+π/2)+εC(θ)}
となる。ここでCOS相の角度誤差εC(θ)はSIN相の角度誤差εC(θ)に対して電気的にπ/2角度がずれているため
εC(θ)=εS・SIN{2Nθ+Nπ/2}
=εS・SIN{2N(θ+π)}
と表される。
すなわち、前述の特許文献1の構成は、2相励磁/2相出力の位相変調方式回転検出器より出力されるアナログ信号に対して、信号処理回路にて各励磁信号に対する各相アナログ信号の位相差を検出し、これを平均化して高精度の角度検出及び速度検出を得る方法を提案している。ここで、各位相差検出部より出力される各検出信号は誤差を含んでいるものの、最終的に得られる出力と同様の回転情報を有する角度出力であり、冗長構成の信号処理回路となっている。しかし、冗長系としては2重系構成であり、これらを比較して、回転検出器より出力されるアナログ信号の故障を検出することができるが、故障が発生した時の角度出力の継続は困難である。
すなわち、位相変調方式回転検出器の2相の励磁信号の何れか1つ、又は、位相変調方式回転検出器から出力される2相の回転検出信号の何れか1つが喪失しても、継続してディジタル角度出力が得られるため、レゾルバの信頼性及びレゾルバを用いた各種機器の信頼性の向上を得ることができる。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1において、符号30で示される2相励磁2相出力型の回転検出器であり、前記回転検出器30には、電流アンプ31からなる励磁回路32から出力される2相励磁信号(
E・sinωRt 、E・cosωRt )が入力されている。
ER1−R3=K・EsinωRt・cosθ−K・EcosωRt・sinθ=K・E・sin(ωRt-θ)… (式1)
ER2−R4=K・EsinωRt・sinθ+K・EcosωRt・cosθ=K・E・cos(ωRt-θ)… (式2)
ε=K・E・cos(ωRt-θ)・sinωLt- K・E・sin(ωRt-θ)・cosωLt
=K・E・sin(ωLt-ωRt+θ)=K・E・sin(θ−φ)… (式3)
よってεが零となるように機能すれば、sin(θ−φ)=0よりφ=θとなり回転検出器30の角度θに一致したディジタル角度φが得られる。
また、前記励磁回路33が電流アンプ32で構成され、入力信号に応じた励磁電流を出力することも本発明の特徴である。前記回転検出器30は位相変調方式回転検出器であり、入出力間の位相ずれはそのまま回転検出信号ER1-R3・ER2-R4の角度ずれになる。一方、回転検出器30は巻線型の検出器であり、励磁電流により発生した磁束を検出コイル1で検出することで回転検出信号ER1-R3・ER2-R4を得るが故に、励磁回路33が電圧アンプだと励磁電圧位相は入力インピーダンスの温度特性により励磁電流位相に対して変化してしまい、結果として励磁電圧と回転検出信号間の位相ずれが変化してしまうが、励磁回路33を電流アンプにすることで、励磁回路33に入力するフィードバック信号に対して、温度変化の影響のない回転検出位相を保つことが可能となる。
ER1-R3 =−K・EcosωRt・sinθ …(式4)
ER2-R4 =K・EcosωRt・cosθ …(式5)
(式4)、(式5)の回転検出信号に周波数ωL(=ωRt−φ)を有する2相の基準信号sinωLt 、cosωLt をそれぞれ乗算し、差分を取ることで得られる制御偏差は下式の通りとなる。
ε=K・E・cosωRt・cosθ・sinωLt+K・E・cosωRt・sinθ・cosωLt
=K・E・1/2・{sin(θ−φ)+sin(2ωRt+θ−φ)} …(式6)
(式6)にてε=0とすると、φ≒θ+sin2ωRt と近似できるが、負帰還制御系は一般的に周波数特性を持っており、励磁周波数に対して適切な帯域幅をとれば、sin2ωRtは通常は励磁周波数の2倍の周波数成分であり、高周波数の成分故に減衰されて出力されるため、φはθを中心として微小振動する出力となる。つまり、励磁信号の一方が喪失した場合、誤差は持ちながらもディジタル変換は継続するということを示している。
ER1-R3=K・E・sinωRt・cosθ …(式7)
ER2-R4=K・E・sinωRt・sinθ …(式8)
(式7)、(式8)の回転検出信号に、周波数ωL(=ωRt−φ)を有する2相の基準信号sinωLt、cosωLtをそれぞれ乗算し、差分を取ることで得られる制御偏差は下式の通りとなる。
ε=K・E・sinωRt・sinθ・sinωLt-K・E・sinωRt・cosθ・cosωLt
=K・E・1/2・{sin(θ−φ)-sin(2ωRt+θ−φ)} …(式9)
(式9)にてε=0とすると、φ≒θ−sin2ωRt と近似でき、負帰還制御系の周波数特性として、励磁周波数に対して適切な帯域幅をとれば、sin2ωRt は高周波数の成分故に減衰されて出力されるため、φはθを中心として微小振動する出力となる。つまり、励磁信号の他方が喪失した場合でも、誤差は持ちながらもディジタル変換は継続する。
ε=K・E・cos(ωRt-θ)・sinωLt-0・cosωRt=K・E・1/2{sin(ωLt-ωRt+θ)+sin
(ωLt+ωRt-θ)} =K・E・1/2{sin(θ-φ)+ sin(2ωRt-θ-φ)} …(式10)
(式10)にてε=0とすると、φ≒θ+sin2(ωRt-θ)と近似でき、負帰還制御系の周波数特性として、励磁周波数に対して適切な帯域幅をとれば、sin2(ωRt-θ)は高周波数の成分故に減衰されて出力されるため、φはθを中心として微小振動する出力となる。つまり、回転検出信号の一方が喪失した場合、誤差は持ちながらもディジタル変換は継続する。
また、他の1つのみの回転検出信号ER2-R4 が喪失した場合も類似の状況となる。この場合の制御偏差は(式3)においてER2-R4 の成分を0とすることで導出できる。
ε=0・sinωLt- K・E・sin(ωRt-θ)・cosωLt=K・E・1/2{sin(ωLt-ωRt+θ)-sin
(ωLt+ωRt-θ)} =K・E・1/2{sin(θ-φ)- sin(2ωRt-θ-φ)} …(式11)
(式11)にてε=0とすると、φ≒θ−sin2(ωRt-θ)と近似でき、負帰還制御系の周波数特性として、励磁周波数に対して適切な帯域幅をとれば、sin2(ωRt-θ)は高周波数の成分故に減衰されて出力されるため、φはθを中心として微小振動する出力となる。つまり、回転検出信号の他方が喪失した場合も、誤差は持ちながらもディジタル変換は継続する。
以上の通り、本発明においては回転検出器の励磁信号、回転検出信号における何れか1つが喪失した場合にも、ディジタル変換が可能であり、正しい角度出力φを継続させることができることから、信頼性を高めたアナログ/ディジタル変換が可能である。
図1においてはアナログ信号をディジタル信号化する手段は制御則45の手前のA/D変換部44であり、制御偏差εをA/D変換部44によりディジタル化しているが、アキュムレータ46よりも入力側であれば、ディジタル化の手段および、ディジタル化する場所の限定はない。ディジタル化する手段の例としてはA/D変換部44の他に、コンパレータ、VCOが挙げられる。図3〜図8に各種ディジタル化手段での本発明の実現手段を示す。尚、図7の構成ではアキュムレータの代りにカウンタを用いる構成となる。
前述のように、図2の構成においては、図1の第2減算器50が除去され、前記アキュムレータ46からの出力ωRt-φが前記三角関数信号変換部43に入力され、前記アキュムレータ46の後段には、前記ディジタル角度出力φを出力するための前記第2減算器50が設けられている。
尚、図2の各部の構成は、図1と同等であるため、同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は、ここでは省略している。
尚、図3の各部の構成は、図1と同等であるため、同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明はここでは省略している。
尚、図4の構成は、図1と同等であるため、図1と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明はここでは省略している。
尚、図5の構成は、図1と同等であるため、図1と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明はここでは省略している。
尚、図6の構成は、図1と同等であるため、図1と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明はここでは省略している。
尚、図8の構成においては、図1の構成と同一又は同等部分には同一符号を付し、その説明は省略している。
すなわち、2相励磁/2相出力の位相変調方式回転検出器より出力される回転検出信号によりディジタル角度出力を得るようにしたアナログ信号のディジタル変換方法において、前記位相変調方式回転検出器の回転検出信号は、2相の励磁信号に対して振幅変調された回転検出信号の重ね合わせにより得られ、前記回転検出信号のディジタル変換を行う信号処理部は負帰還制御系にて構成され、2相の位相変調信号にフィードバック信号に応じた周波数を有する2相の周波数信号をそれぞれ乗算し、差分を取ることで得られる制御偏差を零にすることにより、前記位相変調方式回転検出器の2相の励磁信号の何れか1つ、又は、前記位相変調方式回転検出器から出力される2相の回転検出信号の何れか1つが喪失しても、継続して前記ディジタル角度出力が得られる方法であり、また、前記ディジタル角度出力が前記周波数信号としてフィードバックされる際に基準周波数分だけフィードバック信号をオフセットさせる方法であり、また、前記制御偏差は前記制御則を経て角速度信号としてアキュムレータに入力されて累算され、前記アキュムレータよりディジタル角度出力を得る方法であり、また、2相の前記周波数信号の間の位相は90°ずれている方法であり、また、ディジタル変換の対象となる2相の前記位相変調信号の間の位相は90°ずれている方法であり、また、2相の前記励磁信号の間の位相は90°ずれている方法であり、また、前記励磁信号の周波数は前記基準周波数と同じ方法であり、また、
前記制御偏差をディジタル信号化した後に前記制御則に入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いた方法であり、また、前記制御偏差をディジタル信号化した後に制御則に入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてコンパレータを用いた方法であり、また、前記制御偏差をディジタル信号化した後に制御則に入力する構成であって、前記ディジタル信号化の手段として電圧制御発振器を用いた方法であり、また、前記制御則からの出力をディジタル信号化した後に前記アキュムレータに入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いた方法であり、また、前記制御則からの出力をディジタル信号化した後に前記アキュムレータに入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてコンパレータを用いた方法であり、また、前記制御則からの出力をディジタル信号化する構成であって、前記ディジタル信号化の手段として電圧制御発振器を用い、前記アキュムレータの代りにカウンタを用いた方法であり、また、前記回転検出信号をディジタル信号化した後に前記制御偏差を導出する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いた方法であり、また、前記励磁信号を発生する励磁回路は入力信号に応じた励磁電流を出力する方法であり、また、前記制御則は積分特性を有し、フィードバックループが2型の制御系で構成される方法である。
3 ロータ
30 回転検出器
31 信号処理部(負帰還制御系)
32 電流アンプ
33 励磁回路
34 基準信号発生部
40 第1乗算器
41 第2乗算器
42 第1減算器
43 三角関数信号変換部
44 A/D変換部
44a 電圧制御発振器
45 制御則
45a 信号(角速度信号)
46 アキュムレータ
50 第2減算器
70 コンパレータ
100 ステータ
ε 制御偏差
φ 角度データ(ディジタル角度出力)
[K・E・sin(ωRt-θ)][ER1-ER3] 回転検出信号(位相変調信号)
[K・E・cos(ωRt-θ)][ER2-ER4] 回転検出信号(位相変調信号)
ωRt 基準周波数信号
E・sinωRt 励磁信号
E・cosωRt 励磁信号
ωLt フィードバック信号
cosωLt 、sinωLt 2相の基準信号
Claims (16)
- 2相励磁/2相出力の位相変調方式回転検出器より出力される回転検出信号によりディジタル角度出力を得るようにしたアナログ信号のディジタル変換方法において、前記位相変調方式回転検出器の回転検出信号は、2相の励磁信号に対して振幅変調された回転検出信号の重ね合わせにより得られ、前記回転検出信号のディジタル変換を行う信号処理部は負帰還制御系にて構成され、2相の位相変調信号にフィードバック信号に応じた周波数を有する2相の周波数信号をそれぞれ乗算し、差分を取ることで得られる制御偏差を零にすることにより、前記位相変調方式回転検出器の2相の励磁信号の何れか1つ、又は、前記位相変調方式回転検出器から出力される2相の回転検出信号の何れか1つが喪失しても、継続して前記ディジタル角度出力が得られることを特徴とするアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記ディジタル角度出力が前記周波数信号としてフィードバックされる際に基準周波数分だけフィードバック信号をオフセットさせることを特徴とする請求項1記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御偏差は前記制御則を経て角速度信号としてアキュムレータに入力されて累算され、前記アキュムレータよりディジタル角度出力を得ることを特徴とする請求項1又は2記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 2相の前記周波数信号の間の位相は90°ずれていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- ディジタル変換の対象となる2相の前記位相変調信号の間の位相は90°ずれていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 2相の前記励磁信号の間の位相は90°ずれていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記励磁信号の周波数は前記基準周波数と同じであることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御偏差をディジタル信号化した後に前記制御則に入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いたことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御偏差をディジタル信号化した後に制御則に入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてコンパレータを用いることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御偏差をディジタル信号化した後に制御則に入力する構成であって、前記ディジタル信号化の手段として電圧制御発振器を用いることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御則からの出力をディジタル信号化した後に前記アキュムレータに入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いることを特徴とする請求項3ないし7の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御則からの出力をディジタル信号化した後に前記アキュムレータに入力する構成であって、ディジタル信号化の手段としてコンパレータを用いることを特徴とする請求項3ないし7の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御則からの出力をディジタル信号化する構成であって、前記ディジタル信号化の手段として電圧制御発振器を用い、前記アキュムレータの代りにカウンタを用いることを特徴とする請求項3ないし7の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記回転検出信号をディジタル信号化した後に前記制御偏差を導出する構成であって、ディジタル信号化の手段としてA/D変換部を用いることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記励磁信号を発生する励磁回路は入力信号に応じた励磁電流を出力することを特徴とする請求項1ないし14の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
- 前記制御則は積分特性を有し、フィードバックループが2型の制御系で構成されることを特徴とする請求項1ないし14の何れか1項に記載のアナログ信号のディジタル変換方法。
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