JP4884498B2 - 角度検出装置 - Google Patents
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Description
図11は一般的なレゾルバ29の基本構成を示す回路図であり、図12は図11内の各回路要素Li、Los、Locにおける動作信号を示す波形図である。
ロータ28の外周部には、ステータが近接設置されており、ステータには、ロータ28の回転方向に対して90°の位相差を有するように励磁巻線Liが設けられている。
図11、図12において、ロータ28が回転すると、回転角θに応じて、ロータ28側に設置された磁性体28aと、ステータ側に設置された出力用巻線Los、Locとの間の空隙が相補的に変化する。
図13において、レゾルバ29に接続された信号処理部は、励磁信号発生器30と、乗算器31、32と、減算器33と、同期検波器34と、補償器35と、カウンタ36とを備えている。
乗算器31、32は、レゾルバ29の出力信号(Los信号、Loc信号)の包絡線信号sinθ、cosθと、カウンタ36からの角度信号φに基づく信号sinφ、cosφと、を個別に乗算する。
最後に、カウンタ36は、式(2)の値が「0」(θ−φ=0)となる角度φ(=θ)を算出し、これを最終的な角度検出値Φとして出力する。
また、他の例として、パルス信号で励磁された出力用巻線Los、Locの各出力電流をA/D変換した信号値に基づいて、sin波形およびcos波形を取得している(たとえば、特許文献2参照)。
特に、特許文献2の場合には、デジタル処理するためのA/D変換器が必要となり、回路規模がさらに拡大するという課題があった。
以下、図1および図2を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る角度検出装置を示すブロック図であり、主に信号処理回路の構成を示している。
また、図2は図1内の各部における動作信号をブロック図内に示す波形図である。
発振回路1は、巻線L1を含み、発振回路2は、巻線L1に対して180°の位相差(図2の波形図参照)を有するように巻回された巻線L3を含む。
また、巻線L4は、巻線L1に対して90°の位相差を有し、巻線L2は、巻線L3に対して90°の位相差を有する。
発振回路1内の巻線L1により検出されてLPF5を介した第1信号V1は、差動増幅器9の一方の入力端子に入力され、発振回路2内の巻線L3により検出されてLPF6を介した第3信号V3は、差動増幅器9の他方の入力端子に入力される。
同様に、第2信号V2と第4信号V4とを差動増幅したsin信号V6(=V4−V2)は、正負判定器11およびゲイン変更器14に入力される。
正負判定器10の正負検出信号はゲイン変更器14に入力され、正負判定器11の正負検出信号はゲイン変更器13に入力される。
同様に、ゲイン変更器14は、正負判定器10からの正負検出信号に基づき、sin信号V6を+1倍または−1倍にした信号V8を生成して差動増幅器15の他方の入力端子に入力する。
これにより、角度検出信号V9の出力電圧とロータ角度との関係は、ほぼ線形性を示すことになる。
図3は初段信号を検出するための発振回路を概念的に示す回路図であり、巻線L、抵抗R、比較器M、スイッチSW、インバータN、パルス信号(出力信号)Pを、それぞれ総称的に示している。
巻線Lは、インダクタンスzおよび内部抵抗rを有する等価回路で表すことができ、抵抗RおよびスイッチSWとともに、電源Eとグランドとの間に直列接続されている。
なお、比較器Mの出力信号は、発振回路の出力信号(パルス信号)Pとなる。
スイッチSWがオンしてからt秒経過後の分圧電圧Vi(t)は、抵抗Rの抵抗値をRとすると、以下の式(3)のように表される。
ここで、Vi(0)=0[V]、Vi(∞)=E×R/(R+r)とすると、式(3)は、電源電圧E、巻線Lの内部抵抗rを用いて、以下の式(4)のように変形することができる。
なお、スイッチSWがオフされたときの巻線電流は、スイッチSWのオン時間よりも十分に早く収束するものとする。
図5において、発振回路1〜4は、それぞれ図3に示した回路と同一の構成を有し、発振回路1、2は同一回路内に構成され、発振回路3、4は同一回路内に構成されている。
発振回路1、2の上記構成および関係は、発振回路3、4についても同様である。
いま、発振回路1、2において、巻線L1と巻線L3との信号位相差を180°とし、以下の関係が成立しているものとする。
z3=L+△Lc、
r=r1=r3、
R=R1=R3、
z4=L+△Ls、
r=r2=r4、
R=R2=R4、
差動増幅器15は、変形cos信号V7と変形sin信号V8とを減算または加算することによりロータの回転角θに応じた角度検出信号V9を得る。
また、マイコンなどによる演算処理が不要であることから、高回転における角度検出の場合でも、演算時間を必要とせず、クロックの高周期化にともなう回路の発熱も低減することができる。
なお、デジタル構成を併用する場合には、A/D変換器が不要なので、比較的簡単にデジタル信号の取得が可能であり、デジタル処理での補正も簡単に実現することができる。
また、必要に応じて、出力信号をA/D変換して、マップ設定にて角度変換することにより、従来の信号出力との互換性を持たせることができる。
なお、上記実施の形態1(図5)では、巻線L1、L3(抵抗R1、R3)を含む発振回路1、2を一方の同一回路内に構成し、巻線L2、L4(抵抗R2、R4)を含む発振回路3、4を他方の同一回路内に構成したが、図7のように、すべての発振回路1〜4を同一回路内に構成し、4箇所の巻線L1、L3、L2、L4を同一発振手段で駆動してもよい。
また、図8は図7内の各パルス信号P1、P3、P2、P4の動作タイミングを示す波形図である。
まず、発振回路1のスイッチSW1がオンされると、分圧電圧Vi1が閾値Vthに達した時点で、比較器M1の出力信号をトリガとして、インバータN1を介してスイッチSW1がオフされる。また、比較器M1の出力信号をトリガとして、発振回路1に隣接した発振回路2のスイッチSW3がオンされる。
これにより、図8に示すタイミング波形のパルス信号P1、P3、P2、P4が、各発振回路1〜4から得られる。
このとき、発振停止を防止するために、仮に発振停止した場合には、図7のように、電源電圧Eにリセット信号Resetを与えてリセット機能を施すようにしてもよい。
また、発振回路1〜4内の各巻線L1、L3、L2、L4は、隣接した辺回路からのトリガ(比較器Mの出力信号)に応じて順次に励磁され、同時に他の巻線が励磁されることがないので、他の巻線駆動によるノイズの影響を排除することができる。
なお、上記実施の形態1、2(図1)では、パルス信号P1、P3、P2、P4を処理する信号処理回路を、LPF5〜8を含むアナログ回路で構成したが、図9のように、タイマ(カウンタ)18〜21および加算器26を含むデジタル回路で構成してもよい。
図9内の信号処理回路は、前述(図1)のLPF5〜8に代えて、タイマ18〜21および加算器26を備えている。
また、差動増幅器9、12の出力信号F5、F6は、前述のcos信号V5、sin信号V6に対応し、ゲイン変更器13、14の出力信号F7、F8は、前述の変形cos信号V7、変形sin信号V8に対応する。
さらに、差動増幅器15の出力信号F9は、前述の角度検出信号V9に対応する。
加算器26は、カウンタ値C1、C3、C2、C4を加算して、周期C(=C1+C2+C3+C4)を生成する。
以下、前述と同様に、差動増幅器9〜12、正負判定器10、11、ゲイン変更器13、14および補償器16を介して、最終的に、差動増幅器15から回転角を示す角度検出信号F9が得られる。
また、信号処理回路は、タイマ18〜21に対応した割算器22〜25を備え、タイマ18〜21および割算器22〜25を介して複数の周期比(デジタル情報)F1、F3、F2、F4を取得する。
また、タイマ18〜21を用いることにより、A/D変換器を不要としてデジタル信号を得ることができ、デジタル補正処理を容易にすることができるので。
なお、上記実施の形態3(図9)では、信号処理回路内に割算器22〜25を設け、加算器26からの周期Cを用いて、各パルス信号P1〜P4のH(L)レベル期間を正規化演算したが、図10のように、割算器22〜25を除去して、加算器26からの周期Cに基づいて発振回路1〜4内の閾値Vthを制御してもよい。
図10において、信号処理回路は、割算器22〜25に代えて、D/A変換器27を備えている。
このように、周期Cに応じて閾値Vthを制御することにより、各パルス信号P1〜P4の周波数を固定することができる。
以下、パルス信号P1〜P4の周波数を固定した後、前述の実施の形態3と同様に、デジタルデータを取得し、差動増幅器15から回転角を示す角度検出信号F9を生成する。
さらに、発振回路1〜4が、前述の実施の形態2(図8)のように、複数の巻線が同時に励磁されない構成であれば、複数のタイマ18〜21を用いずに、1つのタイマで複数の信号をデジタル情報として取得することができる。
Claims (8)
- ロータの回転に応じて、互いに所定位相差を有してインダクタンスが周期的に変化するように配置された複数の巻線を有する角度検出装置において、
前記複数の巻線の各々と個別の抵抗とが直列接続されて発振信号を生成する複数の辺回路と、
前記複数の辺回路を個別に発振駆動する駆動回路と、
前記複数の辺回路からの各発振信号に基づいて前記複数の巻線のインダクタンス比を検出するための信号処理回路とを備え、
前記駆動回路は、前記複数の辺回路のうちの1つの辺回路の巻線および抵抗の分圧電圧が所定値に達した時点で、隣接する他の辺回路を発振駆動することを特徴とする角度検出装置。 - 前記信号処理回路は、
前記複数の辺回路からの各発振信号を平滑化処理する複数のLPFと、
前記複数のLPFからの各平滑信号に基づく2つの信号を差動増幅して前記複数の巻線のインダクタンス比を検出する差動増幅器と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の角度検出装置。 - 前記信号処理回路は、
前記複数のLPFの一方と協働してcos信号を生成するcos信号生成回路と、
前記複数のLPFの他方と協働してsin信号を生成するsin信号生成回路と、
前記cos信号および前記sin信号の正負を検出する正負判定器と、
前記sin信号の正負に応じて前記cos信号のゲインを+1倍または−1倍して変形cos信号を生成するゲイン変更器とを含み、
前記cos信号の正負に応じて前記sin信号のゲインを+1倍または−1倍して変形sin信号を生成するゲイン変更器と、
前記差動増幅器は、前記変形cos信号と前記変形sin信号とを減算または加算することにより前記ロータの回転角に応じた角度検出信号を得ることを特徴とする請求項2に記載の角度検出装置。 - 前記信号処理回路は、アナログ回路により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の角度検出装置。
- 前記信号処理回路は、デジタル回路により構成され、前記複数の辺回路からの各発振信号のHレベル期間またはLレベル期間を検出するタイマを含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の角度検出装置。
- 前記信号処理回路は、前記タイマに対応した割算器を含み、前記タイマおよび前記割算器を介して複数のデジタル情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の角度検出装置。
- 前記複数の辺回路からの各発振信号の周波数を固定する周波数固定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の角度検出装置。
- 前記信号処理回路は、単一のタイマにより複数のデジタル情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の角度検出装置。
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