JP2018203557A - セメント硬化体の剥落防止用繊維、およびそれを含むセメント硬化体 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「SA01A」)を用意した。この樹脂を四葉型のノズル孔形状を有する紡糸ノズルを用いて、紡糸温度を270℃として溶融押出し、引取速度568m/分で引き取り、繊度7.6dtexの紡糸フィラメント(未延伸糸)を作製した。得られた紡糸フィラメントを使用し、145℃で、4.0倍に乾式延伸した。得られた延伸フィラメントを、コロナ放電処理機に通して、72W/m2/分の放電量(1回当たり)でコロナ放電処理して水酸基などの官能基を付与して親水化した。次いで、繊維処理剤として、オキシエチレン基を5mol含み、炭素鎖長が12であるポリオキシエチレンラウリルリン酸カリウムを繊維質量に対して繊維処理剤の付着量が3質量%になるように付与し、繊維長10mmにカットし、単繊維繊度2.2dtexのポリプロピレン繊維を得た。
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「SA01A」)を用意した。この樹脂を四葉型のノズル孔形状を有する紡糸ノズルを用いて、紡糸温度を270℃として溶融押出し、引取速度205m/分で引き取り、繊度26dtexの紡糸フィラメント(未延伸糸)を作製した。得られた紡糸フィラメントを使用し、155℃で、4.7倍に乾式延伸した。得られた延伸フィラメントを、コロナ放電処理機に通して、23.8W/m2/分の放電量(1回当たり)でコロナ放電処理して水酸基などの官能基を付与して親水化した。次いで、繊維処理剤として、オキシエチレン基を5mol含み、炭素鎖長が12であるポリオキシエチレンラウリルリン酸カリウムを繊維質量に対して繊維処理剤の付着量が2.15質量%になるように付与し、繊維長15mmにカットし、単繊維繊度5.4dtexのポリプロピレン繊維を得た。
比較例1の繊維として、市販のコンクリート剥落防止用ポリプロピレン樹脂製短繊維(宇部エクシモ株式会社 製、品名「シムロック(登録商標)SX」、繊維長20mm、単繊維繊度1000dtex、X字型断面)を用いた。この繊維は、繊維断面の凸部において、幅が最大となっているのが根元部分であり、凸部は根元で最大の幅となり、先端部分に向けて徐々に幅が狭くなっている。繊維断面で見たときの最大の差し渡し長さSは555.9μm、凸部の長さLは162.4μm、凸部の最大幅D、すなわち凸部の根元部分の幅は230.6μm、L/Sは0.29、L/Wは0.70であった。
比較例2の繊維として、市販のコンクリート剥落防止用ナイロン繊維(株式会社 エイオービー アンド ダヴィンチ インターナショナル より購入。品名「ニュークリート」、ナイロン66を主体とする丸断面の繊維、繊維長12mm、単繊維繊度3.2dtex、繊維質量に対して0.5質量%の繊維処理剤が付着されている)を用いた。
JIS L 1015に準じて、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとしたときの繊維切断時の荷重値および伸度を測定し、それぞれ単繊維強度および破断伸度とした。
(試験体の作製方法)
表2に示す種類のセメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び水を表3に記載された組成となるよう配合した。表3において、W/Cは水とセメントの質量比、s/aは細骨材と全骨材(細骨材と粗骨材の合計)の体積比を表す。セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び水を含むフレッシュコンクリートを十分に混和した後、フレッシュコンクリートの体積を100vol%としたときに外割りで所定の繊維混入量となるように表3に記載の所定の繊維を、前記フレッシュコンクリートに投入して十分に混和した。なお、比較例3では、繊維を投入していなかった。
フレッシュコンクリートの流動性の評価は、JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準じて行った。測定は、上述したように作製したフレッシュコンクリートをスランプコーンに充填し、充填後3分以内にスランプコーンを抜き取り、スランプを測定した。その結果を上記表3に示した。
上述したように作製したフレッシュコンクリートを、直径10cm、高さ20cmの円柱状型に充填した。打設後、気温20℃の室内にて14日間、気中養生を行い、セメント硬化体を得た。得られたセメント硬化体を用い、JIS A 1108 「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて、セメント硬化体の圧縮強度を測定した。その結果を上記表3に示した。
セメント硬化体の剥落に対する抵抗性能を評価するため、人工的にひび割れを生じさせたセメント硬化体を準備し、そのセメント硬化体に対し打撃を加え、剥落やセメント硬化体の崩壊が発生するまでの回数を測定する試験を行った。まず、上述したように各フレッシュコンクリートを作製した。次に、このフレッシュコンクリートを600mm、150mm、150mmの大きさのセメント硬化体になるよう型枠に打設し、打設した翌日、試験体を脱型し、膨張材を注入して人工的にひび割れを生じさせるための穴を試験体に設けた。膨張材を充填する穴は、図3に示すように、試験体aの側面に、かぶり厚20mm、隣り合う穴の中心間距離60mmとなる直径20mmの貫通する穴bを、コアドリルを用いて試験体aに5箇所設けた。膨張材を充填する穴bを設けた後、試験体aを20℃の室内で14日間、気中養生した。
b 穴
c 鉄筋
Claims (8)
- セメント硬化体の剥落を防止するセメント硬化体の剥落防止用繊維であって、
前記剥落防止用繊維は、単繊維繊度が0.3dtex以上50dtex以下であり、繊維長が2mm以上50mm以下であり、繊維長と繊維直径の比であるアスペクト比が200以上1000以下であり、
前記剥落防止用繊維の断面形状が3個以上16個以下の凸部を有する多葉状であり、
前記剥落防止用繊維の表面には繊維処理剤が付着されており、前記繊維処理剤がポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩であることを特徴とするセメント硬化体の剥落防止用繊維。 - 少なくとも一つの凸部は、先端部分が略曲線状であり、繊維の中心に向かう根元部分の幅が先端部分の最大幅に比べて小さくなっており、前記凸部における先端部分の最大幅Dと根元部分の幅Wとの比(D/W)が、1.1以上4.0以下である請求項1に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維。
- 前記凸部が、前記剥落防止用繊維の長さ方向に連続して存在している請求項1または2に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維。
- 前記剥落防止用繊維の断面において、凸部の変形により、隣り合う凸部間の距離がランダムになっている請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維。
- 前記ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が下記化学式(1)で示される化合物及び下記化学式(2)で示される化合物からなる群から選ばれる一つ以上の化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維。
- 前記剥落防止用繊維は、繊維表面が親水化されている請求項1〜5のいずれか一項に一項に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のセメント硬化体の剥落防止用繊維、セメント、粗骨材、および細骨材を含むセメント硬化体。
- 前記セメント硬化体に含まれる前記剥落防止用繊維の割合が0.05vol%以上4.8vol%以下である請求項7に記載のセメント硬化体。
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