JP6709667B2 - セメント組成物 - Google Patents

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本発明は、セメント組成物に関する。
コンクリートやモルタル等、セメントを含む材料の硬化体は、様々な建築物に使用されるため、耐火性が要求される。これら硬化体の耐火性を向上させるため、セメントにポリプロピレン繊維等の有機繊維が混入された組成物が利用されている(特許文献1参照)。ポリプロピレン繊維は、たとえば火災により外部から熱が加わった場合に硬化体内で溶融し、硬化体内部に空洞を形成する。その空洞が火災によって生じる水蒸気を散逸させることにより、硬化体自体の耐火性を高め、硬化物の爆裂を防止する。硬化体の耐火性は、有機繊維の混入量が多いほど高くなる。
また、特許文献2には、繊維断面を四葉型に形成した有機繊維が開示されている。このような有機繊維は、円形断面の有機繊維に比べ、繊維断面の中心まで熱が伝わり易く、有機繊維が溶融し易くなる。従って、セメントを含む材料にこのような有機繊維を添加することにより、耐火性を更に向上させることができる。
特開2015−227287号公報 特開2014−001129号公報
しかし、セメントに有機繊維を混入した場合、セメントの流動性が低下し、使用時の作業性に影響を与えるという問題があった。また、耐火性を高めるために有機繊維の混入量を多くすればするほど、流動性は低下する。或いは、繊維断面を四葉型とすることにより、有機繊維の表面積が増加する。従って、四葉型の繊維断面を有する有機繊維を用いる場合、セメントの流動性は更に低下する。
本発明は、流動性に優れ、且つ硬化させた際に耐火性を有するセメント組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のセメント組成物は、セメント及び有機繊維を含む。前記有機繊維は、その断面が2以上の突起を有する非円形であり、繊維表面の少なくとも一部に表面処理剤が付着されており、前記表面処理剤は、アルキルホスフェートアルカリ金属塩と、ポリオルガノシロキサンと、乳化剤とを有する。
また、本発明において、前記非円形の断面は、四葉型であってもよい。
また、本発明において、セメント組成物は、増粘性一液型高性能AE減水剤を更に含む。
また、本発明において、前記ポリオルガノシロキサンは、前記表面処理剤の全量に対して3〜30重量%含まれる。
本発明に係るセメント組成物は、流動性に優れ、且つ硬化させた際に耐火性を有する。
本実施形態に係る有機繊維の断面を示す図である。 実施例2の耐火性試験結果を示す写真である。 比較例2の耐火性試験結果を示す写真である。 比較例3の耐火性試験結果を示す写真である。 実施例3の耐火性試験結果を示す写真である。 実施例4の耐火性試験結果を示す写真である。
(実施形態)
==セメント組成物==
セメント組成物は、モルタルやコンクリートのような建築資材に使用される。セメント組成物は、セメント及び有機繊維を含む。
<セメント>
セメントは、ポルトランドセメントや混合セメントを用いることができる。或いは、ポルトランドセメントをベースとして他の材料を混合したセメントや、ポルトランドセメントとは成分の異なるセメント等を用いることも可能である。
<有機繊維>
有機繊維は、セメント組成物の硬化体に耐火性を付与する材料である。有機繊維は、たとえば、ポリオレフィン系樹脂またはポリアセタール樹脂からなる群から選ばれる単一繊維、またはそれらを組み合わせた複合繊維である。複合繊維は、たとえば、同心または偏心の芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、サイドバイサイド複合繊維、及び分割型複合繊維が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びエチレン−アクリル酸メチル共重合体が挙げられる。
ポリアセタール樹脂(ポリオキシメチレン)は、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とするポリマーである。ポリアセタール樹脂は、ホモポリマーやコポリマーであってもよい。ホモポリマーは、通常、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを主原料として、重合反応によって得られる。コポリマーは、通常、主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有し、置換基を有してよいオキシアルキレン単位、好ましくはCH2CH2Oをエチレンオキサイド換算値として10質量%以下、より好ましくは0.5〜8質量%含有する。コポリマーにおいて、オキシアルキレン基に結合し得る置換基は、たとえば、アルキル基、フェニル基、又は他の有機基である。また、ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン単位以外の他の構成単位を含有するコポリマー、即ち、ブロックコポリマー、ターポリマー、及び架橋ポリマーのいずれであってもよい。
有機繊維は、所定の長さを有し、セメント組成物中に複数含まれている。たとえば、一本の繊維長(長手方向の長さ)は5〜30mmであることが好ましい。また、有機繊維の断面(短手方向の断面)は2以上の突起を有する非円形である。断面が非円形であることにより、円形断面に比べ、外周から断面中心までの距離が短い箇所が存在する。よって有機繊維が熱によって溶融し易く、セメント組成物の硬化体に耐火性を付与することができる。同じ断面積の円とした場合の直径は、5〜100μmとなることが好ましい。同じ断面積の円とした場合の直径は、18〜48μmであることがより好ましい。
非円形の断面は、たとえば図1に示すような四葉型である。なお、図1において円形断面の場合を破線で示している。図1に示すように、四葉型のような突起部分が4つある非円形断面の場合には、円形断面における外周から円の中心Oまでの距離Rよりも短くなる部分(距離r)が存在する。よって、断面の中心まで熱が伝わり易く、有機繊維が溶融し易くなる。なお、図1に示す四葉型の断面において、突起の長さを1とした場合に繊維断面における最大の差し渡し長さは2〜4であることが好ましい。
有機繊維は、混入量が多すぎるとセメント組成物の流動性に影響を与える。一方、混入量が少なすぎると硬化させた際の耐火性が低下する。たとえば、有機繊維の混入量を体積混入率(Vol.%)で示す場合、コンクリート(またはモルタル)1m3辺りの外割で0.01〜0.3Vol.%であることが好ましい。
<表面処理剤>
表面処理剤は、有機繊維の表面の少なくとも一部に付着される。本実施形態に係る表面処理剤は、疎水性のみを有する成分を含んでおり、セメントに対して有機繊維を分散し易くすることができる。従って、有機繊維を添加した場合、セメント組成物の流動性が向上する。
表面処理剤は、アルキルホスフェートアルカリ金属塩と、ポリオルガノシロキサンと、乳化剤とを有する。
アルキルホスフェートアルカリ金属塩は、疎水性のアルキル基が有機繊維の表面側に位置し、親水性のホスフェート塩が有機繊維と反対側(セメント側)に位置することで有機繊維とセメントとの付着性を向上させる。
アルキルホスフェートアルカリ金属塩は、たとえば、オクチルアルキルホスフェート、デシルアルキルホスフェート、ラウリルアルキルホスフェート、トリデシルアルキルホスフェート、ミリスチルアルキルホスフェート、セチルアルキルホスフェート、ステアリルアルキルホスフェートなどのアルキルホスフェートのナトリウム塩或いはカリウム塩である。
ポリオルガノシロキサンは、撥水性を有し、アルキルホスフェートアルカリ金属塩とセメントとの間に位置することでそれらの付着性を低下させ、セメント組成物の流動性を向上させる。
ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサンまたは、メチル基の一部がアルキル基またはフェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等で置換されたもの(アミノ変性ポリシロキサン、ポリプロピレングリコール変性ポリシロキサン等)がある。撥水性、及び安全性の観点からは、ポリジメチルシロキサンが好ましい。ポリジメチルシロキサンの市販品としては、たとえば、「DOW CORNING TORAY SH 200 CFULUID」(東レ・ダウコーニング株式会社製)、「KF−96」(信越化学工業株式会社製)がある。
ポリオルガノシロキサンの分子量は、10〜200000が好ましく、200〜100000がより好ましい。また、ポリオルガノシロキサンは、表面処理剤の全量に対して、3〜30重量%の割合で含まれることが好ましく、5〜20重量%の割合で含まれることがより好ましい。30重量%以上になると、撥水性が強くなりすぎるため、表面処理剤を塗布された有機繊維がセメント組成物中で浮く(浮き種)の原因となりうる。一方、3重量%未満だとセメント組成物に流動性を持たせることができない。
乳化剤は、アルキルホスフェートアルカリ金属塩とポリオルガノシロキサンとを乳化させるために用いる材料である。具体例として、乳化剤はポリエチレングリコール脂肪酸エステルを用いる。乳化剤の添加量は特に限定されるものではない。
<表面処理剤を付着した有機繊維の製造方法>
表面処理剤を付着した有機繊維は、たとえば以下の手順で製造することができる。
まず、有機繊維を構成する樹脂を、所定の非円形断面になるような単一型或いは複合型ノズルを用いて、樹脂が溶融する温度(ポリプロピレンであれば紡糸温度200〜350℃)で溶融紡糸し、引取速度100〜1500m/minで引き取り、紡糸フィラメント(未延伸糸)を得る。
次いで、紡糸フィラメントは、必要に応じて延伸される。延伸温度は樹脂の種類によって適宜設定される。たとえば、樹脂がポリプロピレンである場合、延伸温度は80〜160℃、延伸倍率1.5〜8倍の条件で延伸することが好ましい。より好ましい延伸温度は、110〜155℃である。より好ましい延伸倍率は、3〜6倍である。延伸方法は、特に限定されず、たとえば、高温の熱水などの高温の液体で加熱しながら延伸を行う湿式延伸、高温の気体中又は高温の金属ロールなどで加熱しながら延伸を行う乾式延伸、100℃以上の水蒸気を常圧若しくは加圧状態にして繊維を加熱しながら延伸を行う水蒸気延伸などの公知の方法で延伸処理を行うことができる。延伸工程は、1段階延伸、または2以上の複数の段階に分けて行う多段延伸処理のいずれで行ってもよい。得られた延伸フィラメントを所定の濃度に調整した表面処理剤を満たした槽に浸漬した後、所定の圧力をかけたニップロールで絞り、水分率5%〜60%に調整して採取することにより、有機繊維の表面に表面処理剤を付着させる。そして、捲縮付与処理が施され、所定の繊維長に切断することで、表面処理剤が付着された有機繊維が得られる。
<減水剤>
セメント組成物は、減水剤を含んでいてもよい。減水剤は、増粘性一液型高性能AE減水剤を用いることができる。増粘性一液型高性能AE減水剤は、たとえば、主成分として、ポリカルボン酸系の減水成分及び界面活性剤系増粘剤で構成された公知の減水剤を用いることができる。市販品としては、たとえば、マスターグレニウム(登録商標)6500/6550(BASFジャパン株式会社製)がある。セメント組成物に増粘性一液型高性能AE減水剤を加えることにより、流動性を更に向上させることができる。減水剤は、単位セメント質量×0.5〜3.0%の割合で添加することが好ましい。
<コンクリート、モルタル>
上述のセメント、及び表面処理剤が付着された有機繊維を、水、混和材、骨材(細骨材、粗骨材)等と混和することにより、コンクリートまたはモルタルといった建築材料が得られる。この場合、水及びセメントの混合比(水/セメント)は、30〜40%が望ましい。
(実施例)
==流動性==
ポリプロピレン繊維に対して実施形態で示した表面処理剤を付着した場合(実施例1)と、既往の表面処理剤を付着した場合(比較例1)とで、当該ポリプロピレン繊維及びセメントを含む試験体(モルタル)の流動性に関する試験を行った。なお、本実施例で使用した実施形態で示した表面処理剤は、C12〜16ホスフェートカリウム塩:ポリジメチルシロキサン:ポリエチレングリコール脂肪酸エステルが80:10:10の割合で混合されたものである。また、既往の表面処理剤は、C12〜16ホスフェートカリウム塩からなるもの(ポリオルガノシロキサン及び乳化剤を含まない)である。ポリプロピレン繊維に対するそれぞれの表面処理剤の付着は、上記実施形態に記載の方法で行った。
[試験体の作成]
細骨材(陸砂。茨城県神栖産)及び表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維を混合し、20℃、5sec練混ぜた(モルタルミキサにて、1回の練混ぜ量1L)。そこに、セメント(普通ポルトランドセメント。太平洋セメント株式会社製)及び混和材(高炉スラグ微粉末。エスメント関東株式会社製)を加え、20℃、15sec練混ぜた(モルタルミキサにて、1回の練混ぜ量1L)。その後、さらに水(水道水)と、減水剤(高性能減水剤「8000s」。BASFジャパン株式会社製)を加え、20℃、120sec練混ぜることで試験体を得た。各材料の割合は表1に示す。表1における有機繊維の添加量は、試験体1m3辺りの外割の体積混入率である。また、表1における表面処理剤の種類として、実施形態で示した表面処理剤を「新規」、既往の表面処理剤を「既往」としている。なお、最初に細骨材(陸砂)とポリプロピレン繊維を混合するのは、モルタルにおける繊維の分散性を高めるためである。
[流動性試験]
流動性は、0打フロー試験(日本工業規格(JIS)R5201)により測定した。
表2に示した通り、実施例1における試験体は、比較例1における試験体よりも流動性に優れることが明らかとなった。これは、実施形態で述べた通り、ポリプロピレン繊維に疎水性の表面処理剤を塗布することにより、ポリプロピレン繊維がセメントに対して分散し易くなっている結果と考えられる。
==耐火性及び流動性==
次に、実施例2、比較例2及び比較例3の試験体(コンクリート)に対して、耐火性及び流動性の試験を行った。実施例2の試験体では、実施形態で示した表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維を用いた。比較例2の試験体では、既往の表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維を用いた。比較例3の試験体は、ポリプロピレン繊維を含まない。なお、実施形態で示した表面処理剤は実施例1と、既往の表面処理剤は比較例1と同様である。また、ポリプロピレン繊維に対するそれぞれの表面処理剤の付着についても上記と同様である。
[実施例2及び比較例2における試験体の作成]
細骨材(陸砂。茨城県神栖産)、表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維、及び剥落防止用繊維(「ポリストロン(登録商標)HS4870」、大日製罐株式会社製)を混合し、20℃、5sec練混ぜた(水平二軸強制練りミキサにて、1回の練混ぜ量70L)。そこに、セメント(普通ポルトランドセメント。太平洋セメント株式会社製)及び混和材(高炉スラグ微粉末。エスメント関東株式会社製)を加え、20℃、15sec練混ぜた(水平二軸強制練りミキサにて、1回の練混ぜ量70L)。その後、さらに水(水道水)と、減水剤(実施例2:増粘一液型高性能AE減水剤(TSP)「マスターグレニウム6500」。BASFジャパン株式会社製、比較例2:高性能減水剤(SP)「8000s」。BASFジャパン株式会社製)を加え、20℃、120sec練混ぜた。さらに、粗骨材(砕石2005(大泉砕石)。茨城県桜川産)を加え、20℃、60sec練混ぜることで試験体を得た。各材料の割合は表3に示す。表3における有機繊維の添加量は、試験体1m3辺りの外割の体積混入率である。また、表3における表面処理剤の種類として、実施形態で示した表面処理剤を「新規」、既往の表面処理剤を「既往」としている。
[比較例3における試験体の作成]
細骨材(陸砂。茨城県神栖産)、セメント(普通ポルトランドセメント。太平洋セメント株式会社製)及び混和材(高炉スラグ微粉末。エスメント関東株式会社製)を加え、20℃、15sec練混ぜた(水平二軸強制練りミキサにて、1回の練混ぜ量70L)。その後、さらに水(水道水)と、減水剤(高性能減水剤(SP)「8000s」。BASFジャパン株式会社製)を加え、20℃、120sec練混ぜた。さらに、粗骨材(砕石2005(大泉砕石)。茨城県桜川産)を加え、20℃、60sec練混ぜることで試験体を得た。各材料の割合を表3に示す。
[流動性試験]
流動性は、スランプ試験・スランプフロー試験(日本工業規格(JIS)A1101、A1150)により測定した。表4は流動性試験の結果を示している。
[耐火性試験]
耐火性試験は、上記の試験体を気中養生で硬化させた硬化体に対し、RABT加熱曲線を用いて5分間で1200℃上昇させたのち、表面の変化を目視により確認した。図2〜図4は、耐火性試験の結果を示している。図2は実施例2の結果、図3は比較例2の結果、図4は比較例3の結果を示す。
表4に示した通り、比較例2の試験体は流動性が低いという結果となった。また、比較例3は比較例2と比べて流動性が高いが、図4に示した通り、耐火性が無い(コンクリート表面が爆裂をおこしている)という結果となった。一方、実施例2は、比較例2とほぼ同様の耐火性を有し、且つ比較例3よりも高い流動性をもつことが明らかとなった。
==有機繊維の混入量==
次に、実施例3及び実施例4の試験体(コンクリート)に対して、耐火性及び流動性の試験を行った。実施例3及び実施例4の試験体は、いずれも実施形態で示した表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維を用いたが、それぞれ繊維径及び繊維長が異なっている。なお、実施形態で示した表面処理剤は実施例1と同様である。また、ポリプロピレン繊維に対するそれぞれの表面処理剤の付着についても上記と同様である。
[実施例3及び実施例4における試験体の作成]
細骨材(陸砂。茨城県神栖産)、及び表面処理剤を付着したポリプロピレン繊維を混合し、20℃、5sec練混ぜた(水平二軸強制練りミキサにて、1回の練混ぜ量70L)。そこに、セメント(普通ポルトランドセメント。太平洋セメント株式会社製)及び混和材(高炉スラグ微粉末。エスメント関東株式会社製)を加え、20℃、15sec練混ぜた(水平二軸強制練りミキサにて、1回の練混ぜ量70L)。その後、さらに水(水道水)と、減水剤(高性能減水剤(SP)「8000s」。BASFジャパン株式会社製)を加え、20℃、120sec練混ぜた。さらに、粗骨材(砕石2005(大泉砕石)。茨城県桜川産)を加え、20℃、60sec練混ぜることで試験体を得た。各材料の割合は表5に示す。表5における有機繊維の添加量は、試験体1m3辺りの外割の体積混入率である。また、表5における表面処理剤の種類として、実施形態で示した表面処理剤を「新規」としている。
[流動性試験]
流動性は、実施例2等と同様の方法により測定した。表6は流動性試験の結果を示している。
[耐火性試験]
耐火性試験は、実施例2等と同様の方法で行った。図5及び図6は、耐火性試験の結果を示している。図5は実施例3の結果、図6は実施例4の結果を示す。
図5及び図6に示した通り、ポリプロピレン繊維の混入率を0.05%としても耐火性が得られることが明らかとなった。このような耐火性に優れるポリプロピレン繊維を用いることにより、混入率を削減することができる。また、表6に示した通り、実施例3及び実施例4の試験体は、高性能減水剤を用いた場合であっても高い流動性を確保することができた。

Claims (4)

  1. セメント及び有機繊維を含むセメント組成物であって、
    前記有機繊維は、その断面が2以上の突起を有する非円形であり、繊維表面の少なくとも一部に表面処理剤が付着されており、
    前記表面処理剤は、C12〜16ホスフェートカリウム塩と、ポリオルガノシロキサンと、乳化剤とを有し、
    前記ポリオルガノシロキサンは、前記表面処理剤の全量に対して5〜20重量%含まれており、
    前記有機繊維の添加量は、前記セメント組成物1m 3 辺りの外割の体積混入率で0.01〜0.3Vol.%であるセメント組成物。
  2. 前記非円形の断面は、四葉型であることを特徴とする請求項1記載のセメント組成物。
  3. 増粘性一液型高性能AE減水剤を更に含むことを特徴とする請求項1または2記載のセメント組成物。
  4. 前記ポリオルガノシロキサンが、分子量が200〜100000であるポリジメチルシロキサンであり、前記乳化剤がポリエチレングリコール脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれか一つに記載のセメント組成物。
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