JP2017222555A - セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、その製造方法及びそれを含むセメント硬化体、並びにセメント硬化体のひび割れ補修方法 - Google Patents

セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、その製造方法及びそれを含むセメント硬化体、並びにセメント硬化体のひび割れ補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セメント硬化体のひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、その製造方法及びそれを含むセメント硬化体、並びにセメント硬化体のひび割れ補修方法を提供する。【解決手段】本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用ナイロン繊維は、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上である。本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法は、270℃におけるメルトフローレートが5〜100g/10分のナイロン66を該ナイロン66が繊維の少なくとも一部の表面を占めるように溶融紡糸し、10〜80℃の温度の水存在下で湿式延伸し、その後、上記延伸温度より高い乾熱温度で熱セットする工程を含む。本発明のセメント硬化体は、上記のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリートやモルタルなどのセメント硬化体に発生したひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、その製造方法及びそれを含むセメント硬化体、並びにセメント硬化体のひび割れ補修方法に関する。
セメント系材料は、圧縮強度、耐火性及び耐久性に優れるとともに、型枠によって自由な寸法、形状に加工できるため、建築構造物や土木構造物に好適に用いられている。一方、コンクリートなどのセメント系材料は、応力が作用することや、温度変化及び乾燥などによる体積変化が生じること、また十数年〜数十年という長期にわたり直射日光による加熱や風雨にさらされることで生じる劣化などの原因によってひび割れが発生する。このようなひび割れは、美観を損なうだけではなく、ひび割れ部分からの漏水、内部鉄筋の腐食による断面減少、構造物の耐久性の低下などの様々な問題を引き起こす。対策として、ひび割れの発生後に充填剤を注入すること、構造物の製造時に防水工や止水工を施すことなどが行われていた。しかし、このような対策は、コスト増加や工期の長期化などの問題があった。
そこで、コンクリートが水分供給を受ける環境下において、ひび割れ部分が自然に閉塞する自己治癒性能を利用した対策が行われていた。例えば、特許文献1には、セメントなどの粉体に、自己治癒性材料として、膨張材と微細シリカ、水ガラスなどの無機質セメント結晶増殖材とを添加することが提案されている。特許文献2には、自己治癒性材料として、膨張材と膨潤性を有するアルミナシリケートとを含有するセメント混和剤を用いることが提案されている。また、特許文献3には、繊維断面が非円形であり、ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂からなる群から選ばれる一つ以上の樹脂が繊維表面の少なくとも一部を占めるセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維が開示されている。しかし、特許文献1及び2に記載されている自己治癒性材料を含むことでコンクリートは自己治癒するものの、自己治癒効果をさらに高める必要があった。また、特許文献3に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、繊維断面を一定の形状にしなければならず、大量生産する上での制約を抱えている。
特開2005−239482号公報 特開2009−190937号公報 特開2014−1129号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するため、セメント硬化体に発生したひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、その製造方法及びそれを含むセメント硬化体、並びにセメント硬化体のひび割れ補修方法を提供する。
本発明は、セメント硬化体に発生したひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維であって、上記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占める繊維であり、単繊維強度が3cN/dtex以上であることを特徴とするセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維に関する。
本発明は、上記のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法であって、270℃におけるメルトフローレート(MFR)が5〜100g/10分のナイロン66を該ナイロン66が繊維の少なくとも一部の表面を占めるように溶融紡糸し、10〜80℃の温度の水存在下で湿式延伸し、その後、上記延伸温度より高い乾熱温度で熱セットすることで、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上である繊維を得ることを特徴とするセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法に関する。
本発明は、また、上記のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントとを含むことを特徴とするセメント硬化体に関する。
本発明は、また、上記のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントとを含むセメント硬化体のひび割れ補修方法であって、ひび割れが発生した上記セメント硬化体のひび割れ部分に水分を間欠的又は連続的に付与してひび割れを自己治癒することを特徴とするセメント硬化体のひび割れ補修方法に関する。
本発明は、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66で構成し、単繊維強度を3cN/dtex以上にすることで、セメント硬化体に発生したひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維を提供することができる。また、本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法は、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占め、単繊維強度が3cN/dtex以上の繊維を低コストで生産効率よく製造する製造方法を提供する。
また、本発明は、上記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維を含ませることにより、ひび割れに対する自己治癒性が高いセメント硬化体を提供することができる。また、本発明によれば、セメント硬化体に上記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維を含ませ、ひび割れ部分に水分を間欠的又は連続的に付与することでひび割れを自己治癒するセメント硬化体のひび割れ補修方法を提供することができる。
図1は、セメント硬化体のひび割れの自己治癒効果の確認に用いる試験体形状を示す模式図である。 図2は、透水試験に用いる小型透水試験機の模式図である。 図3は、実施例B1〜B4及び比較例B1のセメント硬化体における繊維周囲に付着した炭酸カルシウム付着厚さを示したグラフである。 図4A〜Cは、実施例B1、B2、参考例B1のセメント硬化体の引張載荷試験の結果を示すグラフである。 図5は、実施例B1、B2、比較例B1及び参考例B1のセメント硬化体の透水係数の推移を示すグラフである。 図6は、実施例B1、B2、比較例B1及び参考例B1のセメント硬化体の透水係数比の推移を示すグラフである。 図7Aは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に水中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の相対動弾性係数の推移を示すグラフであり、図7Bは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に気中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の相対動弾性係数の推移を示すグラフである。 図8Aは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に水中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の質量変化率の推移を示すグラフであり、図8Bは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に気中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の質量変化率の推移を示すグラフである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、セメント硬化体に、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占めており、且つ単繊維強度が3cN/dtex以上の繊維を含有させると、繊維のセメントへの親和性が高められるだけでなく、セメント硬化体に発生したひび割れを自己治癒する際に重要な炭酸カルシウムの析出が促進され、それゆえ、丸断面といった、通常知られている繊維断面であってもセメント硬化体のひび割れの自己治癒が促進されることを見いだし、本発明に至った。
また、ナイロン66繊維は、通常溶融紡糸された後、200℃を越える温度で延伸されることで、高単繊維強度かつ低伸度のナイロン66繊維として製造されている。このような高強度、低伸度の繊維は、製造コストが高くなりやすい。そこで、本発明者らは、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占める繊維の製造方法について、より少ない製造コストで製造でき、3cN/dtex以上の単繊維強度を有する繊維を製造する方法について検討した。その結果、270℃におけるメルトフローレートが5〜100g/10分のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めるように溶融紡糸を行い、得られた未延伸繊維を10〜80℃の温度の水存在下で湿式延伸し、その後、上記延伸温度より高い乾熱温度で熱セットすることで、3cN/dtex以上の単繊維強度を有する繊維を低製造コストで製造できることを見いだし、本発明に至った。
本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維について説明する。本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維(以下において、単に自己治癒用繊維とも記す。)は、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占めている繊維である。ナイロン66は主にポリヘキサメチレンアジパミドからなる。ポリヘキサメチレンアジパミドとはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから構成される融点が250℃以上のポリマーである。上記自己治癒用繊維は、ナイロン66と、ナイロン6、ナイロン6I、ナイロン610、ナイロン6Tなどを共重合した共重合体で構成されてもよく、ナイロン66を50質量%以上含む混合樹脂、即ち、混合樹脂全体を100質量%としたときにナイロン66を50質量%以上含む混合樹脂であり、ナイロン66に対し、ナイロン6、ナイロン6I、ナイロン610、ナイロン6Tなどをブレンドした混合樹脂で構成されてもよい。
上記自己治癒用繊維において、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めている。本発明において、繊維表面とは、繊維の全表面から、当該繊維の長さ方向両端部に現れる繊維断面を除いた部分の表面、すなわち、繊維の側面(側周表面)を意味する。このように繊維の側面の一部をナイロン66が占めている繊維としては、例えば、ナイロン66を主成分とする熱可塑性樹脂からなる単一繊維、鞘成分がナイロン66である同心円構造の芯鞘型複合繊維及び偏心構造の芯鞘型複合繊維、一成分をナイロン66が主成分である熱可塑性樹脂で構成した並列型複合繊維及び分割型複合繊維、海成分がナイロン66である海島構造の複合繊維等が挙げられる。上記自己治癒用繊維において、ナイロン66は繊維表面の50%以上を占めていることが好ましく、80%以上を占めていることがより好ましく、繊維の側面の全部が実質的にナイロン66からなることが特に好ましい。
上記自己治癒用繊維において、繊維表面の少なくとも一分を占めるナイロン66は、270℃におけるメルトフローレートが5〜100g/10分である。上記ナイロン66の270℃におけるメルトフローレートは、15〜100g/10分であると好ましく、25〜80g/10分であるとより好ましく、50〜75g/10分であると特に好ましく、55〜67g/10分であると最も好ましい。メルトフローレートが上記の範囲を満たすナイロン66であると、溶融紡糸において糸切れや繊維間の融着が発生しにくく、延伸工程において高倍率での延伸処理時の糸切れの発生頻度が低減する上、熱セットの工程も効率よく行えることから製造コストを抑えて製造できる。また、セメント硬化体に含ませた場合、セメントとの親和性が高く、十分な耐アルカリ性を有するだけでなく、セメント添加用繊維として広く使用されているポリオレフィン系繊維と比較して、セメント硬化体に発生したひび割れに対し自己治癒を促進する効果が高くなる。
本発明において、ナイロン66のメルトフローレートは、JIS K 7210に準じて、270℃、荷重21.2Nで測定する。具体的には、以下のように測定する。まず、メルトフローレートを測定するナイロン66の試料(樹脂ペレットもしくは製造した繊維)を100℃に設定した恒温乾燥機の中で5時間保持し、十分に乾燥させる。次に、JIS K 7210に準じた押出し式プラストメーターを270℃まで昇温し、270℃になってから20分保持して温度を安定させた後、乾燥させた試料を3〜8g充填する。そして、試料の充填から360秒後にメルトフローレートの測定を開始する。同じ測定を2回繰り返し、その平均値をナイロン66のメルトフローレートとする。
上記自己治癒用繊維は、単繊維強度が3cN/dtex以上であり、好ましくは4.4cN/dtex以上であり、より好ましくは4.9cN/dtex以上であり、特に好ましくは5.4cN/dtex以上である。単繊維強度が上述した範囲内であると、セメントに添加する際の混和性に優れる上、セメント硬化体の強度を低下せず、セメント硬化体に発生したひび割れを自己治癒することができる。上記自己治癒用繊維は、特に限定されないが、製造コストを低減する観点から、単繊維強度が14cN/dtex以下であることが好ましく、好ましくは11cN/dtex以下であり、より好ましくは8.5cN/dtex以下であり、特に好ましくは7.5cN/dtex以下である。
上記自己治癒用繊維は、破断伸度は15〜120%であることが好ましく、より好ましくは20〜100%であり、さらに好ましくは22〜90%であり、特に好ましくは24〜75%である。破断伸度が上記の範囲であれば、セメントに添加する際の混和性に優れるだけでなく、セメント硬化体の強度を低下しない。また、製造コストも低減することができる。
上記自己治癒用繊維は、特に限定されないが、繊度が0.3〜30dtexであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜25dtexであり、特に好ましくは0.7〜20dtexである。また、上記自己治癒用繊維は、特に限定されないが、繊維長が1〜50mmであることが好ましく、より好ましくは2〜30mmであり、さらに好ましくは3〜20mmである。繊度と繊維長が前記の範囲であれば、セメントに混和し撹拌する時の混和性が良い。
上記自己治癒用繊維は、その断面形状は特に限定されず、丸断面であってもよく、非円形の断面であってもよい。非円形の断面は、例えば三角形、四角形を始めとする多角形の断面、3葉断面、4葉断面を始めとする多葉断面、Y形、W形、井形等のいずれの非円形の異形断面であってもよい。また、これらの断面形状であって、中空部分を含まない中実繊維であってもよく、繊維中において、その繊維長さ方向に対し連続した中空部分または非連続の中空部分を1箇所以上有する中空繊維であってもよい。上記自己治癒用繊維において、その繊維断面は、中実でかつ丸断面であれば、製造コストを抑えて繊維を製造することができるだけでなく、同じ断面形状のポリオレフィン系繊維と比較して、セメント硬化体に発生したひび割れに対する自己治癒を促進する効果が高い繊維となる。なお、自己治癒を促進する効果が優先される用途、言い換えるならば、製造コストよりも自己治癒効果が高いことが重視される用途であれば、繊維の表面積が大きい繊維断面とすることで、自己治癒を促進する効果をより高めることができる観点から、上記自己治癒用繊維は、異形断面繊維、例えば3葉断面、4葉断面を始めとする多葉断面、Y形、W形、井形といった断面形状を有する異形断面繊維であることが好ましい。
上記自己治癒用繊維は、ナイロン66が元々有する極性基とは別に、繊維表面に他の極性基を有していてもよい。極性基を有することにより、セメント硬化体内のカルシウムイオンを積極的に析出させることが可能となり、セメント硬化体のひび割れの自己治癒を促進する効果が高くなると考えられるためである。上記極性基は特に限定されないが、比較的極性や耐熱性が高く、容易に導入できる観点から、カルボキシル基であることが好ましい。上記自己治癒用繊維は、カルボキシル基を含有するモノマーを共重合したナイロン66や、カルボキシル基を含有するモノマーを共重合した脂肪族ポリアミド樹脂をブレンドしたナイロン66で構成されていてもよい。カルボキシル基を含有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。カルボキシル基を含有するモノマーと共重合する脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン6I、ナイロン610、ナイロン6Tなどが挙げられる。共重合の方法は特に限定されず、ポリマー重合段階で、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などの方法で共重合することが挙げられる。共重合の方法は、好ましくは、グラフト共重合である。カルボキシル基を含有する脂肪族ポリアミド樹脂が繊維表面に含まれていることで、繊維周囲への炭酸カルシウムなどの自己治癒物質が析出し易い傾向にあり、自己治癒が促進されると推測される。
上記自己治癒用繊維は、繊維表面を親水化処理してもよい。親水化処理により繊維表面に対し、元々ナイロン66が有している極性基以外に、更に極性基を付与することができ、セメント硬化体に発生したひび割れに対し自己治癒を促進する効果が高められる可能性がある。上記親水化処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。コロナ放電処理を実施する場合、特に限定されないが、コロナ放電処理における1回当たりの放電量は、50W/m2/分以上であればよく、総放電量は100〜5000W/m2/分であればよい。総放電量は、250〜5000W/m2/分であってもよい。また、プラズマ処理は、特に限定されないが、常圧プラズマ処理であってもよく、その処理条件は、電圧50〜250kV、周波数500〜3000ppsで処理すればよい。常圧プラズマ処理であると、低電圧で処理できるので、繊維の劣化が少なく都合がよい。
上記自己治癒用繊維は、繊維表面に界面活性剤を付着させることが好ましい。界面活性剤を付着することにより、繊維表面に極性基を付与することができ、セメント硬化体に発生したひび割れに対し自己治癒を促進する効果が高くなる。上記界面活性剤としては、極性基を有するものであればよく、特に限定されない。例えば、アルキルリン酸エステル系界面活性剤を用いることができる。アルキルリン酸エステル系界面活性剤としては、例えば、オクチルホスフェート、デシルホスフェート、ラウリルホスフェート、トリデシルホスフェート、ミリスチルホスフェート、セチルホスフェート、ステアリルホスフェートなどのアルキルホスフェート、並びにこれらのナトリウム及びカリウムなどの金属塩などを用いることができる。
本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法について説明する。本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、特に限定されないが、製造コストを低減する観点から、270℃におけるメルトフローレートが5〜100g/10分のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めるように溶融紡糸し、10〜80℃の温度の水存在下で湿式延伸し、その後、該延伸温度より高い乾熱温度で熱セットすることで作製することが好ましい。
まず、上記自己治癒用繊維の製造方法における溶融紡糸の工程を説明する。溶融紡糸の工程では、270℃におけるメルトフローレートが5〜100g/10分のナイロン66を押出機に投入し、紡糸温度260〜300℃の範囲で溶融し、紡糸ノズルから押し出して、引き取り速度200〜2000m/分で引き取り、繊度が1.5〜100dtexの未延伸繊維の束(未延伸トウともいう。)を得ることが好ましい。
紡糸ノズルを用いて溶融防止する際、使用するノズルは特に限定されず、上記ナイロン66が少なくとも繊維表面の一部を占めるように溶融紡糸すればよい。すなわち、単一繊維を紡糸する際に使用するノズルであれば、特に調整することなく繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維を紡糸することが可能である。同心円構造の芯鞘型複合ノズル又は偏心構造の芯鞘型複合ノズルを使用する場合、繊維の外側に配置される鞘成分としてナイロン66が押し出されるように調整する。並列型(サイドバイサイド型)複合ノズルや分割型複合ノズルを使用する場合は、2つの樹脂成分のうち、一成分がナイロン66となるように調整する。海島型複合ノズルを使用する際は海成分としてナイロン66が押し出されるよう調整する。
溶融紡糸の工程における、ナイロン66の紡糸温度は260〜300℃であることが好ましい。紡糸温度が260℃未満であるとナイロン66を溶融させた際、その溶融粘度が高く、糸切れが多発する等可紡性が極端に悪くなる可能性がある。紡糸温度が300℃を越えると、ナイロン66の溶融粘度が低下しすぎるため、未延伸繊維に融着が発生するおそれや、溶融紡糸時にナイロン66の熱分解が始まるおそれがある。紡糸温度は、270℃〜295℃であることが好ましく、270〜290℃であることがさらに好ましい。
上述した紡糸温度の条件にて紡糸ノズルから押し出した溶融樹脂を、好ましくは引き取り速度200〜2000m/分で引き取る。引き取り速度が200m/分未満となると、未延伸繊維の束を構成する繊維の太すぎるおそれや、製造時に引き取りローラーに絡まりやすく、生産性が低下するおそれがある。引き取り速度が2000m/分よりも速くなると、未延伸繊維が引き取り時に切れやすくなることで、生産性が低下するおそれがある。引き取り速度は300〜1800m/分であることがより好ましく、350〜1500m/分であることがさらに好ましく、400〜1200m/分であることが特に好ましい。
上述した紡糸温度及び引き取り速度にて少なくとも繊維表面の一部をナイロン66が占める繊維を溶融紡糸し、未延伸繊維の束である未延伸トウを得る。未延伸トウを構成する繊維の繊度、即ち延伸工程を行う前の繊維(繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維)の繊度は1.5〜100dtexであることが好ましい。未延伸繊維の繊度が100dtexを越えると、延伸工程を経てもセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維に適した繊維が得られにくい。未延伸繊維の繊度が1.5dtex未満となると、溶融紡糸の際に糸切れが発生しやすく、生産性に劣るだけでなく、延伸工程において、延伸倍率が低くなり、得られるセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の繊維強度が低くなりやすい。溶融紡糸後の繊維(未延伸繊維)の繊度は2〜60dtexであることがより好ましく、3〜50dtexであることがさらに好ましく、3.5〜45dtexであることが特に好ましい。
次に、得られた未延伸トウに対し、湿式延伸と熱セットを行った後、所望の繊維長に切断し、本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維が得られる。延伸工程として、10〜80℃の水中で湿式延伸した後、湿式延伸の延伸温度より高い温度、好ましくは100〜200℃の乾燥状態で熱セット(以下において、乾式熱セットとも記す。)する。10〜80℃の温水中で未延伸トウを湿式延伸することで、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維を効率よく延伸できる。繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維を効率よく延伸できた理由は定かではないが、ナイロンの二次転位点(ガラス転位点)は乾燥状態では40〜50℃であるが、吸湿状態においては−20〜0℃であることが知られており(「繊維の百科事典」、793頁左欄2〜14行、平成14年3月25日、丸善)、上述した温度範囲に調整した温水中にて湿式延伸することで、未延伸状態の繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維を効率よく延伸できるようになっていると推測される。湿式延伸に用いる水の温度は15〜70℃であることが好ましく、20〜70℃であることがより好ましい。
上記湿式延伸において、延伸倍率は2〜6倍であることが好ましく、2.5〜5.5倍であることがより好ましく、2.8〜5.2倍であることが特に好ましい。上記延伸倍率にて湿式延伸を行うことで、上記湿式延伸の温度範囲であれば、未延伸状態の繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維を十分に延伸することができ、延伸後の繊維がセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維として十分な単繊維強度を有するようになるだけでなく、延伸工程において、糸切れの発生頻度も抑えられる。前記湿式延伸の延伸倍率が2倍未満であると延伸が十分に行われないため、得られる繊維の単繊維強度が低く、セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維として使用した際、硬化したセメント硬化体の強度が低下するおそれがある。上記湿式延伸において、延伸倍率が6倍を超えると、糸切れが多発するようになり、生産性が低下するおそれがある。
次に、湿式延伸の後に行う、乾式熱セットについて説明する。本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法において、乾式熱セットは結晶化の促進を目的として行っている。湿式延伸された、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占める繊維には非晶状態のナイロン66が残っている。ナイロン66の非晶部に熱を加えることで、結晶化がさらに促進され、より強固な寸法安定性を付与できる。乾式熱セットは、公知の乾式延伸装置を用いて行うことができる。乾式熱セットは、例えば、100〜200℃になるよう雰囲気の温度を調整した空気中にて、後述する延伸倍率で延伸処理を行う乾式延伸や、100〜200℃になるよう温度を調整した金属ロールを用いて延伸処理を行う乾式延伸が挙げられる。本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法において、乾式熱セットを行う際の熱処理温度は、100〜200℃であることが好ましく、より好ましくは120℃〜160℃であり、さらに好ましくは130〜150℃である。これにより、強固な熱固定ができ、寸法安定性を出せる。
上記乾式熱セットは、上述した温度条件下、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66樹脂が占める繊維(湿式延伸後のフィラメント)が、熱セット処理を行う際にたるまない程度の延伸倍率で行う定長熱セットが好ましく、より好ましくは0.85〜1.5倍の延伸倍率、特に好ましくは0.9〜1.4倍の延伸倍率、最も好ましくは0.95〜1.2倍の延伸倍率にて前記温度範囲満たしながら定長熱セットを行うことが好ましい。これにより湿熱延伸処理によって繊維内部の結晶化が進んだナイロン66に対し、その結晶構造を強固に熱固定することができ、寸法安定性や単繊維強度を向上させることができる。
上記製造方法において、全体延伸倍率は、1.0〜7.0倍であることが好ましく、より好ましくは1.5〜6.0倍であり、さらに好ましくは2.0〜5.0倍である。本発明の製造方法において、全体延伸倍率は、湿式延伸を行う前の未延伸繊維に対する湿式延伸及び乾式熱セットを行った後の繊維の延伸倍率を意味する。
本発明のセメント硬化体は、本発明の自己治癒用繊維を一定の割合で含むようにセメント組成物に添加し、適量の水を加えて十分に混練した後硬化させたり、既にセメント組成物と水とを混ぜ合わせたセメントスラリー中に本発明の自己治癒用繊維を添加し、十分に混練した後硬化させたりすることで得ることができる。上記セメント組成物には、各種セメント、細骨材、必要に応じて粗骨材、混和材や混和剤などが含まれる。上記セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなど、各種セメントを使用することができる。上記細骨材や粗骨材としては珪砂、川砂、海砂、浜砂、砕石などが挙げられるほか、高炉スラグ、フェロニッケルスラグ、銅スラグ及び電気炉酸化スラグといった各種スラグなどを使用することができ、この中からセメント硬化体の用途に応じて骨材の粒子径を選択して細骨材、粗骨材として使用することができる。上記混和材としては、フライアッシュ、珪石粉、シリカフューム、高炉スラグ微粉末、エトリンガイト等を使用することができる。上記混和剤としては、AE剤、AE減水剤、高機能AE減水剤、流動化剤、硬化促進剤、防錆剤、凝結遅延剤、急結剤、収縮低減剤を始めとする各種混和剤を目的や用途よって適宜選択して使用することができる。
本発明のセメント硬化体は、本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維、すなわち、繊維表面の少なくとも一部をナイロン66が占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上の繊維を0.01〜5Vol%含む。すなわち、セメント硬化体において、本発明の自己治癒用繊維を除いた各種セメント、細骨材、粗骨材、混和材、混和剤、水などの成分の総和を100Vol%とし、これに対し本発明の自己治癒用繊維を0.01〜5Vol%含む。本発明のセメント硬化体は、本発明の自己治癒用繊維を好ましくは0.03〜3Vol%含み、さらに好ましくは0.05〜2.5Vol%含む。
本発明の自己治癒用繊維とセメントを含むセメント硬化体は、ひび割れが発生した場合、ひび割れ部分に水分を間欠的又は連続的に付与すると、高い効率でひび割れが自己治癒され、セメント硬化体のひび割れが補修される。例えば、前記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントを含むセメント硬化体において、降雨などによりひび割れ部分に水分が付与されると、高い効率でひび割れが自己治癒され、セメント硬化体のひび割れが補修される。
本発明の自己治癒用繊維を用いると、セメント硬化体のひび割れの自己治癒を促進することで、自己治癒物質(炭酸カルシウム)の析出量が多くなる傾向にある。自己治癒物質の析出量は、自己治癒物質(炭酸カルシウム)平均付着幅によって特定することができる。自己治癒物質平均付着幅は、40μm以上であることが好ましく、より好ましくは45μm以上であり、さらに好ましくは50μm以上である。自己治癒物質平均付着幅は、後述する方法で測定することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
(1)ナイロン66のメルトフローレート(MFR)
ナイロン66のメルトフローレートは、JIS K 7210に準じて、270℃、荷重21.2Nで測定した。具体的には、メルトフローレートを測定するナイロン66の試料(樹脂ペレットもしくは製造した繊維)を100℃に設定した恒温乾燥機の中で5時間保持し、十分に乾燥させる。次に、JIS K 7210に準じた押出し式プラストメーターを270℃まで昇温し、270℃になってから20分保持して温度を安定させた後、乾燥させた試料を3〜8g充填する。そして、試料の充填から360秒後にメルトフローレートの測定を開始する。同じ測定を2回繰り返し、その平均値を270℃におけるナイロン66のメルトフローレートとした。
(2)単繊維強度および破断伸度
JIS L 1015に準じて、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとしたときの繊維切断時の荷重値及び伸度を測定し、それぞれ単繊維強度及び繊維伸度とした。
(実施例1)
本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維として、ナイロン66からなる繊維を以下の手順で製造した。原料ポリマーとしてナイロン66(Ny66、旭化成株式会社製、商品名「レオナ(登録商標)1400」、JIS K 7210に準じて、270℃、21.2Nで測定したメルトフローレートは63.63g/10分)を用い、円形のノズル孔形状を有し、単一繊維を製造する単一紡糸ノズルを用いて、紡糸温度285℃にて溶融押出し、ナイロン66からなり、繊度が5.5dtexである紡糸フィラメント(未延伸糸)を作製した。得られた紡糸フィラメントを使用し、60℃に水温を調整した浴中で3.4倍の延伸倍率で湿式延伸した後、140℃に調整した金属ロール間で、紡糸フィラメントが弛まない状態を維持する、実質的に等倍の延伸倍率にて緊張熱セットを行った。全体延伸倍率は3.6倍であった。得られた延伸後のフィラメントに対し、炭素数12のアルキルリン酸エステルカリウム塩を主成分として含む繊維処理剤を、ナイロン66繊維の質量を100質量%としたときに炭素数12のアルキルリン酸エステルカリウム塩が0.3質量%となるように付着させた後、繊維長6mmに切断し、ナイロン66繊維(以下において、「Ny66−1」とも記す。)を得た。この繊維(Ny66−1)は、繊度が2.2dtex、単繊維強度が5.45ccN/dtex、破断伸度が47.4%であった。
(実施例2)
市販されているナイロン66繊維(東レ株式会社製)を用い、製造時に付着させた繊維処理剤を水で洗い落とした。繊維処理剤を落としたナイロン66繊維に対し、実施例1で使用したものと同じ繊維処理剤を、繊維の質量を100質量%としたときに繊維表面に付着した繊維処理剤の割合が0.3質量%となるように付着させた後、繊維長12mmに切断し、ナイロン66の短繊維を得た。この繊維は、繊度が6.6dtex、単繊維強度が10.8cN/dtex、破断伸度が33.6%であった。また、このナイロン66繊維について、270℃、21.2Nで測定したMFRは27.10g/10分であった。すなわち、実施例2のナイロン66繊維を構成するナイロン66(樹脂)は、270℃、21.2Nで測定したMFRが27.10g/10分である。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(PP、日本ポリプロ株式会社製、商品名「ノバテック(登録商標)SA01A」)を用い、円形のノズル孔形状を有し、単一繊維を製造する単一紡糸ノズルを用いて、紡糸温度270℃にて溶融押出し、ポリプロピレン樹脂のみからなり、繊度が7.8dtexである紡糸フィラメント(未延伸糸)を作製した。得られた紡糸フィラメントを155℃で、4.4倍に乾式延伸した。得られた延伸フィラメントを、コロナ放電処理機に通して、0.5kW/m2/分の放電量でコロナ放電処理して親水化し、次いで、界面活性剤として炭素数12のアルキルリン酸エステルカリウム塩を1.0質量%付着させ、繊維長6mmに切断し、繊度2.2dtexの繊維(以下において、「PP繊維」とも記す。)を得た。
(参考例1)
参考例1としてビニロン繊維(株式会社クラレ製 商品名「パワロン(登録商標)」REC15、繊維径34μm、繊維長8mm)を用いた。以下において、PVA繊維とも記す。
実施例1〜2、比較例1及び参考例1の繊維を用い、セメント硬化体を作製してセメント硬化体のひび割れに対する自己治癒効果を確認した。
(モルタルの作製)
表1に示す種類のセメント、混和材、細骨材及び減水剤と、水を用いて作製したモルタルを使用した。具体的には、セメント、混和材、水、細骨材、減水剤を、W/Bが45%、S/Bが35%、SF/Bが15%、SP/Bが0.9%になるように配合し、十分に混和してセメントスラリーとした。ここで、Wは水の質量、Bは結合材、すなわちセメントと混和材の合計質量、Sは細骨材の質量、SFは混和材の質量、SPは減水剤の質量を意味する。セメント、混和材、水、細骨材、減水剤を含むセメントスラリーを十分に混和した後、セメントスラリーを100Vol%としたときに外割りで2Vol%となるように繊維を秤量し前記セメントスラリーに投入し十分に混和した。
セメント、混和材、細骨材、減水剤は以下のものを使用した。
セメント1:普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16g/cm3)、
セメント2:早強ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.15g/cm3
細骨材1:珪砂5号(ショーボンド建設株式会社製、比重2.61g/cm3、平均粒径180μm)
混和材1:シリカフューム(エルケムジャパン株式会社製、比重2.2g/cm3、平均粒径0.15μm
混和材2:フライアッシュ(II種、密度2.33g/cm3
減水剤1:高性能AE減水剤(BASFジャパン株式会社製、比重1.05g/cm3、主成分がポリカルボン酸エーテル系化合物の減水剤)
Figure 2017222555
(炭酸カルシウム付着厚さ)
繊維周囲への炭酸カルシウム付着性能を評価するため、水中浸漬試験を行った。上記表1に示すモルタル1〜5をそれぞれ用い、実施例B1〜B4及び比較例B1の40mm×40mm×160mmの角柱試験体(セメント硬化体)を作製した。前記角柱試験体は角柱として打設し、20±1℃の条件で28日間水中養生して得られた試験体である。この試験体に対し、3点曲げ試験にてひび割れを発生させた。ここから、破断面を含む先端部分を3cmの厚さに切断し、切断した試料を150ccの精製水中に7日間浸漬した。7日間経過した後、破断面に現れている繊維の繊維径を、マイクロスコープを用いて拡大して観察し、繊維周りへの炭酸カルシウム付着厚さ(CaCO3付着厚さとも称す。)を測定し、以下の式にて算出した。その結果を下記表2及び図3に示した。
炭酸カルシウム付着厚さ=(治癒後平均繊維直径−公称直径)/2
Figure 2017222555
表2及び図3の結果から、実施例1及び2のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上の自己治癒用繊維を含む実施例B1〜B4のセメント硬化体における炭酸カルシウムの付着厚さが、比較例1のPP繊維を含む比較例Bのセメント硬化体における炭酸カルシウムの付着厚さほぼ2倍になることが分かった。本発明の自己治癒用繊維は、セメント硬化体のひび割れに対する自己治癒効果が高いことを確認した。
(引張載荷試験)
上記表1に示すモルタル1、2、5、6をそれぞれ用い、実施例B1、B2、比較例B1、参考例B1の85mm×85mm×25mmの試験体(セメント硬化体)を作製した。図1に示すように、試験体1には4本のネジ鉄筋2(M6)を埋設した。平行するネジ鉄筋2の間の距離Dは40mmとした。試験体は、打ち込みから24時間後に脱型し、20±1℃の養生槽内で28日間の水中養生を行ったのちに,万能試験機により試験体の1のねじ鉄筋2を介して引張載荷試験を行い、ひび割れを発生させた。図1の矢印で示す方向に引張り、試験体は350μm程度の伸びが生じた時点で除荷し、試験体にひび割れを導入した。この際、載荷荷重と変形量を計測した。実施例B1、B2及び参考例B1について、引張載荷試験における載荷荷重(応力)と変形量(伸び)の結果を図4A〜Cに示した。ひび割れ導入後、試験体に導入したひび割れの幅を保持するため、試験体1の両側に金属プレート3を固定用ナット4で固定し、図2で示す、ひび割れ幅を保持した試験体10を得た。
(透水試験)
図2に示すようにひび割れ導入した試験体10を配置した小型透水試験機20を用いて透水試験を行い、上部ピペット11の単位時間に失われる水分量に基づいて、透水係数を算出した。図2において、矢印は純水の流れ方向を示している。透水係数の測定は、試験体に対しひび割れを導入したときの値を測定したほか、ひび割れ導入時より再度水中養生を行い、その養生開始から7日目、14日目及び28日目に行い、透水係数を調べた。ただし、早強セメントを使用した比較例B1の試験体はひび割れを導入した後の養生開始から3日目、14日目及び28日目に行い、透水係数を調べた。透水試験は、n=3で行った。透水係数の結果を図5に示した。また、ひび割れ導入直後の試験体の透水係数を1としてそれぞれの試験日における透水係数の比を算出した。透水係数の結果を図5に示し、透水係数比の結果を下記表3及び図6に示した。
Figure 2017222555
表3、図5及び図6の結果から、実施例1及び2のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上の自己治癒用繊維を含む実施例B1、及びB2のセメント硬化体は、透水係数の低下が大きく、疎水性の傾向が強いPP繊維を添加した硬化体の場合と比較して、セメント硬化体に発生したひび割れに対する自己治癒を促進する効果が高いことが確認された。特に、実施例B1のセメント硬化体は、ひび割れ導入後、28日養生した場合、PVA繊維を含むセメント硬化体と同程度の透水係数比となった。
(凍結融解試験)
凍結融解抵抗性能及び凍害劣化後の自己治癒性能を評価するために凍結融解試験を行った。試験方法は、後述の試験体寸法や溶液を除き、JIS A 1148 A法(2012)の規定を準拠した。上記表1に示すモルタル7及び8をそれぞれ用い、実施例B5及び参考例B2の40mm×40mm×160mmの角柱試験体を打設した。打設後は材齢7日まで水中養生を行った。下記表4に試験条件を示した。試験期間は合計で、凍結融解150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日間(3日間×5)とし、凍結融解30サイクル(約120時間)ごとに凍結融解試験機から取り出し、水中と気中の2種類の暴露期間を3日間設けた。また、ゴムチューブ中の試験溶液には3%NaCl水溶液を用いた。測定項目は相対動弾性係数及び質量とし、凍結融解30サイクル及び暴露終了ごとに測定を行った。なお、測定の都度、試験体配置の上下を入れ替え、試験溶液の交換を行った。水中暴露は20±1℃の養生槽で行い、気中暴露は20±1℃、60%RHのデシケータ内で行った。凍結融解試験の結果を図7及び図8に示した。
Figure 2017222555
図7Aは実施例2のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上の自己治癒用繊維を含む実施例B5及びPVA繊維を含む参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に水中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の相対動弾性係数の推移を示すグラフであり、図7Bは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に気中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の相対動弾性係数の推移を示すグラフである。図7A及び図7Bから分かるように、本発明の自己治癒用繊維を含む実施例B5のセメント硬化体は、PVA繊維を含む参考例B2のセメント硬化体と同様、凍結融解試験において、水中暴露環境及び気中暴露環境のいずれの場合においても、相対動弾性係数の回復が見られ、凍害劣化後も自己治癒効果を発揮することが確認された。
図8Aは実施例2のナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上の自己治癒用繊維を含む実施例B5及びPVA繊維を含む参考例B2のセメント硬化体30サイクル毎に水中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の質量変化率の推移を示すグラフであり、図8Bは実施例B5及び参考例B2のセメント硬化体に対し、30サイクル毎に気中暴露(3日間)を行った凍結融解試験(150サイクル(30サイクル×5)、暴露期間15日(3日間×5))を行った場合の質量変化率の推移を示すグラフである。図8A及び図8Bから分かるように、本発明の自己治癒用繊維を含む実施例B5のセメント硬化体は、PVA繊維を含む参考例B2のセメント硬化体と同等の質量変化率の推移を示しており、凍結融解作用による外部劣化に対して同程度の抵抗性を有することが確認された。
本発明のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、ひび割れが発生しうる屋外でのセメント硬化体、例えば大型建造物や橋梁の構造体、高速道路の壁面やトンネル内部の構造体に使用するセメントに対して使用できるほか、景観を損なうためにひび割れが敬遠される崖面や斜面(法面)に吹きつけるセメントなどに好ましく使用できる。
1 試験体(セメント硬化体)
2 ネジ鉄筋
3 金属プレート
4 固定用ナット
10 ひび割れ幅を保持した試験体(ひび割れ幅を保持したセメント硬化体)
11 上部ピペット
20 小型透水試験機

Claims (10)

  1. セメント硬化体のひび割れの自己治癒を促進するセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維であって、
    前記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占める繊維であり、単繊維強度が3cN/dtex以上であることを特徴とするセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維。
  2. 前記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、破断伸度が15〜120%である請求項1に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維。
  3. 前記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維は、繊度が0.3〜30cN/dtexであり、繊維長が1〜50mmである請求項1又は2に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維。
  4. 前記セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維はナイロン66からなる単一繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維。
  5. セメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法であって、
    270℃におけるメルトフローレート(MFR)が5〜100g/10分のナイロン66を該ナイロン66が繊維の少なくとも一部の表面を占めるように溶融紡糸し、10〜80℃の温度の水存在下で湿式延伸し、その後、前記延伸温度より高い乾熱温度で熱セットすることで、ナイロン66が繊維表面の少なくとも一部を占めており、単繊維強度が3cN/dtex以上である繊維を得ることを特徴とするセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法。
  6. 前記湿式延伸における延伸倍率が2〜6倍である請求項5に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法。
  7. 前記熱セットは定長熱セットである請求項5又は6に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法。
  8. 前記熱セットの乾熱温度は100〜200℃である請求項5〜7のいずれかに記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントとを含むことを特徴とするセメント硬化体。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント硬化体のひび割れ自己治癒用繊維とセメントとを含むセメント硬化体のひび割れ補修方法であって、
    ひび割れが発生した前記セメント硬化体のひび割れ部分に水分を間欠的又は連続的に付与してひび割れを自己治癒することを特徴とするセメント硬化体のひび割れ補修方法。
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