JPH08218220A - 補強用に適した太繊維 - Google Patents

補強用に適した太繊維

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JPH08218220A
JPH08218220A JP2633695A JP2633695A JPH08218220A JP H08218220 A JPH08218220 A JP H08218220A JP 2633695 A JP2633695 A JP 2633695A JP 2633695 A JP2633695 A JP 2633695A JP H08218220 A JPH08218220 A JP H08218220A
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JP
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fiber
fibers
cement
concrete
denier
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JP2633695A
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Junichi Yoshinaka
準一 吉中
Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメントとの接着性に優れ、コンクリートや
モルタルの補強効果に極めて優れた太デニールの有機合
成繊維、特にポリビニルアルコール系繊維を提供する。 【構成】 ポリビニルアルコールの紡糸原液に架橋剤を
添加して乾式紡糸して極太の紡糸原糸を得て、そしてこ
れを熱延伸工程において表層部のみ架橋結合を生じさせ
ると共に延伸を行うことにより、繊維表層部に生じた架
橋層を繊維の円周方向に裂くことにより、繊維表面に繊
維円周方向に伸びる帯状の凸部を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメントモルタルやコ
ンクリート等の補強繊維として優れた繊維、特にポリビ
ニルアルコール系(以下PVAと略す)の太デニール繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントモルタル及びコンクリートは耐
久性及び耐火性に優れていること、その成型性や成型物
の圧縮強度に優れている等の種々の特長点を有してい
る。しかしながら構造物として用いる場合、脆性物であ
ること、耐折性や耐引張性が悪いこと等の欠点を有して
いる。さらにその歪みが小さく、すぐに割れが入り、そ
の後破壊に至ること、耐衝撃性に欠けること、更にマト
リックスの膨張・収縮の繰り返しによりひび割れが生じ
て構造物が破壊状態に陥ったり、水漏れ、剥離欠落によ
る外観損傷等の安全上の欠点を有している。
【0003】このような欠点を補うために、モルタルや
コンクリートを種々の繊維で補強する方法が知られてい
る。このような補強繊維として、なかでもPVA系の繊
維は、他の汎用繊維、たとえばナイロンやポリオレフィ
ンやアクリル繊維等と比べて、高い引張強度及び初期弾
性率を有していること、セメントのアルカリに犯されな
いこと、さらにセメントとの接着性に優れていること等
の優れた性能を有していることより、広く一般に用いら
れている。そしてPVA系の繊維のなかでも、モノフィ
ラメント繊度が50〜10000デニールのいわゆる太
繊維は、特にセメント成型物を製造する際のセメント中
への分散性に優れていることやセメントの流動性をほと
んど低下させることがなく施工上の問題点が少ないこと
等の点で広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような太デニール
のPVA系繊維は、一般にPVA水溶液を乾式紡糸して
製造する方法が用いられているが、乾式紡糸により得ら
れるPVA系繊維は表面が平坦であるという特徴を有し
ている。表面が平坦な繊維の場合には、PVAがセメン
トとの接着性に優れているとは言え、セメントとの接着
力が十分ではなく、硬化したモルタルやコンクリートか
ら繊維が引抜かれるという現象が生じ、補強効果が小さ
いという欠点を有している。
【0005】繊維表面が平坦であることから生じる欠点
を防ぐ方法として、一般に繊維を得た後に繊維表面にイ
ンデント加工を施して繊維表面に凸状部を付与する方法
が知られているが、この方法は金属繊維の場合は十分採
用できる方法ではあるが、有機合成繊維の場合には、繊
維の溶融温度まで処理温度を高めなければならないため
圧着面の繊維構造が破壊されて繊維強度が大きく低下す
るという欠点を有している。したがって、このような繊
維強度が大きく低下する方法は、繊維強度が要求される
モルタルやコンクリートの補強繊維の分野には用いるこ
とができない。
【0006】また紡糸原液に無機微粒子を添加して紡糸
し、繊維表面に該無機微粒子による凸部あるいは該無機
微粒子が繊維表面から脱落することによる凹部を形成さ
せる方法も知られているが、このような方法では一般に
大きな凹凸を形成させることは難しく、さらにこのよう
な方法で形成される凹凸は一般に繊維長さ方向に伸びて
いるため、硬化したモルタルやコンクリートから繊維の
引抜けを防ぐという効果が低い。本発明は上記したよう
な欠点のない、すなわち強度及び初期弾性率が高く、か
つモルタルやコンクリートからの引抜けの生じることが
少ない、繊維表面に凸状物を有する有機合成繊維、特に
PVA系繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、単繊
維強度が6g/デニール以上、初期弾性率が200g/
デニール以上、モノフィラメントの繊度が50〜100
00デニールであり、かつ繊維表面に、繊維円周方向に
伸びる帯状凸部を有している繊維、特にPVA系繊維で
ある。このような繊維は、繊維の円周方向に伸びる帯状
凸部を有しているため、従来の繊維の長さ方向に伸びる
凹凸と比べて、モルタルやコンクリートからの繊維の引
き抜けを防ぐ効果が極めて高い。
【0008】本発明でいう繊維とは有機合成繊維のこと
であり、なかでもセメント接着性や耐アルカリ性等の点
で、PVA系繊維やアクリル系の繊維、ポリオレフィン
系の繊維やアラミド系の繊維が挙げられる。なかでも、
顕著なセメント接着性、耐アルカリ性、高強度、高弾性
率、低コスト等の点でPVA系の繊維が最も好ましい。
【0009】以下本発明の繊維をPVA系繊維の場合を
例に挙げて説明する。本発明の繊維は、PVAの紡糸原
液に、熱延伸条件等においてPVAの水酸基と反応して
PVA分子間に架橋結合を生じる、いわゆる架橋剤を添
加しておき、この紡糸原液をノズルより吐出して乾式紡
糸し、得られた紡糸原糸を熱延伸して、この延伸時に架
橋剤とPVAを反応させてPVA分子間に架橋結合を生
じさせると共に繊維をさらに延伸して架橋結合部を繊維
表面に分散させることにより得られる。このような方法
を用いると、熱延伸に供給される紡糸原糸は延伸細化さ
れながら架橋結合が進行し、延伸後の繊維デニールが1
000デニール以上となるような太デニール繊維の場合
には、架橋反応が繊維中央部まで一気に進行することが
なく、まず繊維の表層部のみが架橋される。そののちも
延伸されると架橋された表層部は殆ど引き伸ばされない
ため繊維円周方向に表層部に裂け目が入り、そしてその
裂け目が広がり表層部が帯状の凸部として繊維表面に形
成されることとなる。そして表層部の間から露出した下
層が次に架橋されることとなる。つまり2段階以上の逐
次架橋が生じることとなり、繊維全体が架橋され、かつ
繊維表面には帯状の凸部が繊維円周方向に伸びた状態で
存在することとなる。
【0010】繊維デニールが1000デニール未満の場
合には、上記したような逐次架橋がほとんど生じること
なく、一気に繊維中心部まで架橋反応が進行するため、
上記したような方法では本発明の帯状の凸部を有する繊
維を製造することは殆ど不可能であるが、そのような場
合には、芯鞘の複合紡糸繊維とし、鞘成分となる紡糸原
液に架橋剤を添加し、一方芯成分となる紡糸原液には、
架橋剤を添加しないか、あるいはごく僅かの架橋剤を添
加するか、あるいは鞘成分に添加した架橋剤よりも高い
温度で架橋結合を生じる架橋剤を添加する方法等により
得ることができる。しかし、このような方法であって
も、繊維デニールが50デニール以上のものしか、繊維
円周方向に伸びる帯状の凸状物を得ることができない。
【0011】本発明の繊維を構成するPVAとしては、
重合度1000〜6000、ケン化度99.5モル%以
上のものが用いられる。このようなPVAを濃度40〜
60重量%の含水チップ状とし、押出し機にて加熱溶解
し、脱泡する。そしてこのPVA水溶液に架橋剤を添加
する。架橋剤としては、硫酸アンモニウム、硫酸、リン
酸アンモニウム、リン酸、塩酸、硝酸、酢酸、しゅう酸
などが挙げられるが、配管を腐食しないこと、悪臭がし
ないことおよび繊維を発泡させないことより硫酸アンモ
ニウムがもっとも好ましい。添加量としては、PVAの
重量に対して0.5〜10重量%が好ましい。紡糸原液
の温度としては90〜140℃の範囲が好ましい。この
ような架橋剤を添加したPVA紡糸原液を加圧してノズ
ル孔から空気中に吐出して乾式紡糸する。ノズル孔は円
形のものであっても、円形以外の異形、例えば偏平状、
十字型、T字型、Y字型、L字型、三角型、四角型、星
型等いずれでもよい。特に繊維が偏平や三角等の異形断
面の場合には、モルタルやコンクリートと繊維との接着
面積が増加することとなるため、補強繊維として好まし
い。ただし上記T字型やY字型やL字型等の異形断面繊
維は製造の途中で繊維が割れ易いが、割れても本発明の
目的や効果が大きく損なわれることはない。
【0012】PVA系繊維の紡糸方法としては、乾式紡
糸方法よりも湿式紡糸方法が一般的に用いられている
が、湿式紡糸方法の場合には、凝固浴中に架橋剤が抽出
されるため、凝固後の紡糸原糸には殆ど架橋剤が残ら
ず、したがってその後の熱延伸処理で十分な架橋を生じ
させることができず、よって本発明繊維のように、表面
に繊維円周方向に伸びる帯状の凸状部を形成することが
難しく、さらに湿式紡糸方法の場合には、凝固浴で吐出
された太い紡糸原液流から溶媒を除去することが極めて
難しく、したがって本発明繊維のように太繊維を製造す
る上で適した方法とは言えない。
【0013】しかる後、ほぼ絶乾状態まで乾燥する。乾
燥時に発泡が生じることを防ぐために、乾燥温度として
100℃以下の温度を用い、ある程度まで乾燥が行われ
た時点で100℃以上の温度条件で乾燥を完全に行うの
が好ましい。乾燥後は延伸が行われ、延伸温度としては
200〜250℃、好ましくは220〜240℃の温度
条件が用いられる。延伸倍率としては5倍以上、好まし
くは6倍以上が用いられる。延伸時に、紡糸原糸中に添
加されている架橋剤がPVAの水酸基と反応して架橋結
合が生じることとなる。延伸は、熱風式延伸炉内で約2
0秒〜3分の時間をかけて行われる。このように延伸さ
れた繊維は、必要により定長又は収縮をいれて熱処理を
行う。このようにして得られた繊維に必要により捲縮を
付与したり、油剤を付与する。
【0014】本発明の繊維をモルタル又はコンクリート
の補強繊維として用いる場合、繊維は適当な長さに切断
される。好適な繊維長としては、繊維の断面積に相当す
る円の直径に対する繊維の長さの比(以下アスペクト比
と称す)が10〜400となる範囲であり、繊維断面積
は、断面の写真を30個撮り、その平均値を求める。ア
スペクト比が10未満の場合には、モルタルやコンクリ
ートと混練する際の分散性に関しては問題がないもの
の、繊維長が短すぎてモルタルやコンクリートからの繊
維の引抜けが起こりやすく、補強性の点で劣ることとな
る。逆に400を越える場合にはモルタルやコンクリー
トとの混練性に劣ることとなる。より好ましくは、30
〜150の範囲である。本発明の繊維は上記したよう
に、繊維をカットしてモルタルやコンクリートに混練す
る方法の外に、短繊維或いは長繊維の状態で繊維密度の
低い嵩高い不織布とし、この不織布にコンクリートやモ
ルタルを流し込み成型する方法を用いてもよい。
【0015】得られる繊維の単繊維の強度としては6g
/d以上で初期弾性率として200g/d以上が必要で
ある。このような繊維性能を必要とする理由は、複合材
料の複合則の点で説明することができる。すなわち複合
則から、複合材料の曲げ強度を向上させるためには、ク
ラック発生後強度向上に役立たなければならず、その効
果を発揮するのが繊維の強度であるから繊維強度は高け
れば高いほどその補強性の向上につながる。また繊維の
初期弾性率に関しても、高い方が複合材料のひび割れ抵
抗性が大きくなる。そのため、繊維の強度は6g/d以
上が必要で、6g/d未満ではひび割れ後の補強性が劣
ることとなり、また初期弾性率が200g/d未満では
ひび割れ抵抗性が低下し好ましくない。繊維の強度や初
期弾性率は、繊維を構成するPVAの分子量や延伸倍率
を高めることにより高めることができる。本発明でいう
繊維強度および初期弾性率は、予め温度20℃、相対湿
度65%の雰囲気下で48時間繊維を放置して調湿した
のち、単繊維をゲージ長さが20mmとなるように台紙
に貼りつけ、引張速度10mm/分とし、サンプル数3
0で行い、その平均値を求めたものである。
【0016】また繊維の太さとしては50〜10000
デニールの範囲である。50デニール未満では、モルタ
ルまたはコンクリート中での分散性が悪く、モルタルな
どの流動性を低下させたり、また不織布として用いる場
合には、十分に嵩高い不織布を製造することができず、
セメント成型物中に均一に補強層をいれることが不可能
となる。逆に10000デニールを越える場合には、成
型物に十分な補強効果を与えるためには添加する繊維の
量が多くなり、コストの点で問題となる。より好ましく
は、前記した製造方法の点で、1000デニール以上で
ある。繊維のデニールは、50〜10000デニールの
繊維が得られやすい断面積の紡糸ノズルを選び、デニー
ルおよび延伸倍率に応じてPVA原液の吐出量を調節す
ればよい。
【0017】本発明の繊維は、前記したように、繊維円
周方向に伸びる帯状凸部(畝状の凸部)を繊維表面に有
している。帯状凸部の高さとしては5μm以上が好まし
く、5μm未満では十分な補強効果、すなわち繊維がモ
ルタルまたはコンクリートから引き抜かれるのを防ぐ効
果が低い。帯状凸部の高さは、繊維側面の電子顕微鏡写
真を撮り、それから平均的な高さを求めることにより得
られる。もちろん本発明の繊維において高さが5μm未
満の帯状凸部が存在していてもよい。好ましくは、高さ
20μ以上、より好ましくは40μm以上である。そし
て本発明の繊維において、このような高さ5μm以上の
高さの帯状凸部が繊維長さ3mmの間に少なくとも1本
存在していることが好ましく、より好ましくは1mmの
間に少なくとも1本存在している場合である。
【0018】図1は本発明の繊維の側面を模式的に表し
た図であり、図中、1が帯状凸部を示し、そしてhが帯
状凸部の高さ、pが帯状凸部の間隔である。帯状凸部の
高さや間隔は延伸する際の温度や延伸倍率、さらには添
加する架橋剤の量や種類等を変更することにより容易に
変えることができる。なお本発明の帯状凸部は繊維の円
周方向に伸びていなければならないが、ここで言う繊維
の円周方向とは、繊維長さ方向に対して90度ちょうど
の方向に一直線で伸びていることを意味するものではな
く、すなわち繊維の長さ方向よりもどちらかと言うと繊
維の円周方向に近い方向に伸びていることを意味し、そ
してジグザグ状態であってもよい。また帯状凸部の長さ
としては、繊維の周囲長さのほぼ1/3以上であるのが
好ましい。帯状凸部の長さが極めて短い場合には、帯状
凸部の内の比較的弱いところに集中的に力がかかり、そ
の部分が破壊されると次に弱い部分に力がかかりその部
分が破壊されるというように、弱い部分から順次破壊さ
れて行き、その結果補強効果が十分に得られないことと
なる。一方、帯状凸部が円周方向のほぼ1/3以上の長
さを有している場合には、帯状凸部が個々の独立した凸
部として働くことなく、集合体として働くため、順次破
壊されるということが起こりにくい。また帯状凸部の幅
としては、その根元部分で50〜400μmが好まし
い。
【0019】本発明の繊維はセメントで代表される水硬
性物質に添加される。添加される量としては、セメント
組成物に対して0.1〜5vol%の範囲が好ましい。
本発明の繊維は単独で、あるいは他の補強用繊維と併用
して用いられる。併用される繊維としては、本発明以外
の有機合成繊維、たとえば通常の、PVA系繊維、アク
リル繊維、ポリエチレン繊維やアラミド繊維、その他の
パルプ、木綿、さらには無機繊維、例えば鋼繊維、耐ア
ルカリガラス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維など
が挙げられる。用いられるセメントとしては、通常のポ
ルトランドセメントで、普通ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランド
セメントなどが挙げられる。その他、高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメントやアルミナセメ
ント、膨張セメントなども用いることができる。その他
セッコウスラグ系やマグネシア系の水硬性無機物なども
利用できる。
【0020】骨材としては、細骨材として川、海、陸の
各砂、砕砂、砕石等が用いられる。粗骨材としては、ぐ
り石や砕石などが用いられる。また人工の軽量骨材ある
いは充填材としての鉱滓、石灰石、その他発泡パーライ
ト、発泡黒よう石、炭カルバーミキュライト、シラスバ
ルーン等の使用も可能である。混和剤として、空気連行
剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤、撥
水剤、膨張剤なども混合使用することも可能である。硬
化促進剤として従来から使われている芒硝、石膏、炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム、トリエタノールアミンお
よび塩化カルシウムなども用いることができる。急結剤
としては、ケイ酸ソーダ、重クロム酸カリウム、ケイフ
ッ化ソーダなどが用いられ、吹付工法、ひび割れ補修等
に炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダのような粉末急結剤を
主成分とする混和剤を用いることも可能である。凝固遅
延剤であるリグニンスルホン酸塩系、オキシカルボン酸
系、または無機系のケイフッ化マグネシウム、リタール
等を用いることができる。
【0021】本発明の繊維の土木分野への応用面では、
まず一般道路及び飛行機滑走路を含めコンクリート道路
舗装である。この分野は繊維補強による曲げ強度向上を
目的として鉄筋量の減少が可能となり、かつコンクリー
ト板の厚さの減少させることができ、工期の短縮、原材
料の節減等に有効である。さらに吹付工法としては法面
保護が有効であり、薄く吹き付けるだけでその曲げ強度
を大きく高めることができ、繊維が親水性であることよ
り、吹き付け時のリバウンドも少ない。同様にトンネル
の内壁の吹き付け工法にも本発明の繊維を用いることは
可能であり、繊維が柔軟であること、弾性があること、
親水性が高くかつ軽いことより、吹き付け時の骨剤や繊
維のハネ返りも少なく、コンクリートの落下も少なく、
収率安全面で有効である。また橋梁へ施工する時のコン
クリート部材としても耐震部材として利用することがで
きる。
【0022】コンクリート製品としては、型枠成型によ
る矢板、中空円筒形製品のパルプ、パイル、ポール等に
も用いることができる。道路用コンクリートとしては、
歩道用コンクリート平板、鉄筋コンクリートU形、コン
クリートガードレール等に用いることができる。管類に
は、遠心成型による遠心力鉄筋コンクリート管があり、
その他ソケット付スパンパイプ、鉄筋コンクリート管、
ロール転圧鉄筋コンクリート管、無筋コンクリート管、
コアー式プレストレストコンクリート管、水道用石綿セ
メント管があり、その他下水道および潅漑排水路用製品
にも用いることができる。土止め製品としては鉄筋コン
クリート矢板、プレストレストコンクリート矢板に用い
ることもできる。ポール及び杭では、遠心力プレストレ
ストコンクリートポール、遠心力鉄筋コンクリートポー
ル及び遠心力鉄筋コンクリート杭に用いることもでき
る。スラブ及び桁用製品にも用いることができ、スラブ
橋用プレストレストコンクリート橋桁、プレストレスト
コンクリート橋桁、軽荷重スラブ橋用プレストレストコ
ンクリート橋桁、プレストレストコンクリートダブルT
スラブと広範囲に応用が可能である。
【0023】また左官用モルタルとして利用することも
できる。その他、建築関係部材として外装材料や屋根
材、内装材として壁材、レリーフ、床材、天井材等に利
用することもできる。その他、機械用基礎、原子炉圧力
容器、液化天然ガスの容器、建築物の間仕切り、階段材
料などが挙げられる。海洋又は漁業用部材としては、船
舶用機材、ボート等のフェロセメント用セメントとすべ
く薄いシェル構造組成物に用いるもの、浮子、浮桟橋、
魚礁、テトラポット等の消波ブロック、護岸ブロック等
に利用できる。農業畜産関係としては、タンク、サイ
ロ、苗床、フェンスポット、鉢、フラワーポット等に利
用できる。その他放射性廃棄物処理用容器等の材料にも
使用できる。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 平均重合度1700、ケン化度99.9モル%のPVA
に、硫酸アンモニウムを2.0重量%混合して調整した
PVA濃度50重量%で温度120℃のPVA水溶液を
直径4.0mmの丸型ノズルより 95℃の空気中に吐
出した。そして60℃−120℃−220℃の3段の昇
温空気中で絶乾状態まで乾燥し、その後、235℃の長
さ18mの熱風式延伸炉に送り込み速度10m/分で繊
維を送り込み、引き取り速度80m/分で延伸を行い、
巻き取った。延伸倍率は8.0倍である。繊維は繊度4
000デニール、引張強度が7.7g/d、初期弾性率
220g/dであり、繊維表面を電子顕微鏡で観察した
ところ、該表面には、高さ70μmで繊維の円周方向に
伸びる帯状の凸部を有しており、そして大部分の帯状の
凸部は繊維の円周の1/2以上の長さを巻き付くように
畝状で存在しており、隣り合う帯状凸部との距離は平均
で約500μmであった。また帯状凸部の底部の幅は約
200μmであった。またこの繊維を125℃の加熱水
に浸けて溶けるか否かを調べたところ、繊維は溶けず、
明らかに架橋結合が生じていることが確認できた。この
実施例で得られた繊維を繊維Aと称す。図1は、この繊
維Aの表面の電子顕微鏡写真を図示したものである。
【0025】比較例として、上記の実施例において硫酸
アンモニウムを添加しない以外は上記実施例と同一の方
法により紡糸・乾燥・延伸を行い、繊度4010デニー
ル、引張強度7.9g/d、初期弾性率210g/dの
PVA繊維を得た。この繊維の表面を顕微鏡で観察した
ところ、繊維表面には上記実施例のような帯状凸部は、
全く存在せず平滑な面であった。また繊維を125℃の
加熱水中に浸けて溶けるか否かを調べたところ、繊維は
完全に溶けた。この比較例で得られた繊維を繊維Bと称
す。
【0026】上記の繊維Aと繊維Bの両端を別々のセメ
ントブロックに埋め込み、左右のブロックを引き離すこ
とにより繊維を引き抜き、セメントマトリックスとの接
着性を測定した。セメントとしては普通ポルトランドセ
メントを用い、砂は豊浦標準砂を用いた。水/セメント
の重量比率は0.4とし、砂/セメントの重量比率は1
とした。撹拌はホバートミキサーを用いた。接着性を測
定する供試体はたて×よこ×高さ=40mm×40mm
×91mmの型枠に厚さ1mmで40mm角のプレート
の中央に3mm直径の穴をあけ、テストする繊維を挿入
し、先のモルタルを型枠に打ち込み、一昼夜気中で養生
(25℃×65%RH)したのち、脱型して28日間水
中で養生(25℃)することによって得た。このように
して得られた供試体を島津製作所製オートグラフAG−
5000Bで繊維の引き抜き応力を測定することによ
り、接着力とした。その結果を以下に示す。
【0027】 繊維 A 繊維 B 繊維埋め込み長さ 5mm 8.9kg 6.2kg 繊維埋め込み長さ 10mm 12.3kg 10.2kg 繊維埋め込み長さ 15mm 15.1kg 10.9kg
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の繊維は、表
面に繊維円周方向に伸びる帯状の凸部を有しており、こ
の帯状の凸部が、繊維をセメント製品の補強に用いた場
合、セメントから引き抜かれるのを防ぐ働きを有する。
特にPVA系の繊維は、親水性であることよりそれ自体
セメントとの親和性に優れており、本発明の帯状凸部と
の相乗効果により、従来の繊維からは予想できない優れ
た補強効果を発揮する。本発明の繊維は、セメント製品
の補強の他に、プラスチックスやゴム製品などの補強に
も適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維の側面の模式図である。
【符号の説明】
1 帯状凸部 h 帯状凸部の高さ p 帯状凸部の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 5/07 E04C 5/07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維強度が6g/デニール以上、初期
    弾性率が200g/デニール以上、モノフィラメントの
    繊度が50〜10000デニールであり、かつ繊維表面
    に、繊維円周方向に伸びる帯状凸部を有している繊維。
  2. 【請求項2】 繊維がポリビニルアルコール系のポリマ
    ーからなる、モルタル又はコンクリート補強用の請求項
    1に記載の繊維。
JP2633695A 1995-02-15 1995-02-15 補強用に適した太繊維 Pending JPH08218220A (ja)

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