JPH11293515A - 繊維及び成形体 - Google Patents
繊維及び成形体Info
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- JPH11293515A JPH11293515A JP9802898A JP9802898A JPH11293515A JP H11293515 A JPH11293515 A JP H11293515A JP 9802898 A JP9802898 A JP 9802898A JP 9802898 A JP9802898 A JP 9802898A JP H11293515 A JPH11293515 A JP H11293515A
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- fiber
- lump
- resin
- cross
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B16/00—Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
- C04B16/04—Macromolecular compounds
- C04B16/06—Macromolecular compounds fibrous
- C04B16/0616—Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- C04B16/0641—Polyvinylalcohols; Polyvinylacetates
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的性能、柔軟性及び均一分散性等の諸性
能に優れた繊維及び成形体を提供する。 【解決手段】 塊部及び連結部からなる繊維とし、塊部
と連結部は隣接しており、かつ繊維横断面において任意
の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接する連結部の最小
厚さをYとするとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結
部間が2以上形成させた繊維とする。
能に優れた繊維及び成形体を提供する。 【解決手段】 塊部及び連結部からなる繊維とし、塊部
と連結部は隣接しており、かつ繊維横断面において任意
の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接する連結部の最小
厚さをYとするとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結
部間が2以上形成させた繊維とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補強材等に好適な異形断
面繊維及び該繊維を補強材として用いてなる成形体に関
する。
面繊維及び該繊維を補強材として用いてなる成形体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械的性能及び柔軟性等の諸性能
に優れた繊維を得るために、繊維の形状を特定の横断面
形状とすることが検討されている。たとえば特開昭63
―303837号公報には偏平度2以上の矩形、楕円
形、繭型等の形状を有する偏平繊維が提案されている。
繊維の横断面形状を偏平形状にすることによって機械的
性能が向上し、さらに短径方向への柔軟性が改善され、
その上、単位体積あたりの表面積が増大することから、
補強材として用いた場合にマトリックスとの接着性が向
上して優れた補強効果が奏されるものである。
に優れた繊維を得るために、繊維の形状を特定の横断面
形状とすることが検討されている。たとえば特開昭63
―303837号公報には偏平度2以上の矩形、楕円
形、繭型等の形状を有する偏平繊維が提案されている。
繊維の横断面形状を偏平形状にすることによって機械的
性能が向上し、さらに短径方向への柔軟性が改善され、
その上、単位体積あたりの表面積が増大することから、
補強材として用いた場合にマトリックスとの接着性が向
上して優れた補強効果が奏されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的性能及び柔軟性等の諸性能に一層優れた繊維及び該繊
維を補強材として用いてなる成形体を提供することにあ
る。
的性能及び柔軟性等の諸性能に一層優れた繊維及び該繊
維を補強材として用いてなる成形体を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維横断面が
塊部及び連結部からなる繊維であって、塊部と連結部は
隣接しており、かつ繊維横断面において任意の塊部の最
大厚さをX、該塊部に隣接する連結部の最小厚さをYと
するとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結部間が2以
上存在することを特徴とする繊維に関する。さらに本発
明は、繊維横断面が塊部及び連結部からなる繊維であっ
て、塊部と連結部は隣接しており、かつ繊維横断面にお
いて任意の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接する連結
部の最小厚さをYとするとき、0.4X≧Yを満たす塊
部―連結部間が2以上存在する繊維に、樹脂を付与して
なる樹脂被覆繊維に関する。さらに本発明は、上記に記
載の補強用繊維、特に水硬性材料補強用繊維に好適な繊
維に関し、また繊維を構成するポリマーがビニルアルコ
ール系ポリマーである上記に記載の繊維に関し、さらに
該繊維を補強材として用いてなる成形体に関する。
塊部及び連結部からなる繊維であって、塊部と連結部は
隣接しており、かつ繊維横断面において任意の塊部の最
大厚さをX、該塊部に隣接する連結部の最小厚さをYと
するとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結部間が2以
上存在することを特徴とする繊維に関する。さらに本発
明は、繊維横断面が塊部及び連結部からなる繊維であっ
て、塊部と連結部は隣接しており、かつ繊維横断面にお
いて任意の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接する連結
部の最小厚さをYとするとき、0.4X≧Yを満たす塊
部―連結部間が2以上存在する繊維に、樹脂を付与して
なる樹脂被覆繊維に関する。さらに本発明は、上記に記
載の補強用繊維、特に水硬性材料補強用繊維に好適な繊
維に関し、また繊維を構成するポリマーがビニルアルコ
ール系ポリマーである上記に記載の繊維に関し、さらに
該繊維を補強材として用いてなる成形体に関する。
【0005】本発明の繊維は、塊部及び連結部からなる
繊維であって、塊部と連結部は隣接しており、かつ塊部
の最大厚さX、該塊部に隣接する連結部の最小厚さをY
とするとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結部間が2
以上存在する繊維である。本発明の繊維としてはたとえ
ば図2のようなものが挙げられ、該構成によることによ
って柔軟性が顕著に改善されて加工性等が向上し、しか
も大きな凹凸が形成されるために接着性及び耐引抜き性
が向上して優れた補強効果が奏される。
繊維であって、塊部と連結部は隣接しており、かつ塊部
の最大厚さX、該塊部に隣接する連結部の最小厚さをY
とするとき、0.4X≧Yを満たす塊部―連結部間が2
以上存在する繊維である。本発明の繊維としてはたとえ
ば図2のようなものが挙げられ、該構成によることによ
って柔軟性が顕著に改善されて加工性等が向上し、しか
も大きな凹凸が形成されるために接着性及び耐引抜き性
が向上して優れた補強効果が奏される。
【0006】本発明の繊維は塊部及び連結部から構成さ
れたものであり、繊維横断面において0.4X≧Y(好
ましくは0.3X≧Y,さらに好ましくは0.25X≧
Y、特に好ましくは0.2X≧Y)を満たす塊部―連結
部間(以下、単にZ部と称する場合がある)が2以上存
在する必要がある。Z部が少なすぎるとマトリックスと
の接着性や柔軟性が低下することとなる。本発明の効果
をより効果的に得る点からはZ部の数を4〜30とする
のが好ましい。本発明においては、繊維横断面における
両端部は、塊部により構成されているものとしてZ部の
数を計測するものとし、一見、繊維の厚さに変化が生じ
ている部分であっても、その差が上記値に満たないもの
はZ部とはみなされない(図1参照)。
れたものであり、繊維横断面において0.4X≧Y(好
ましくは0.3X≧Y,さらに好ましくは0.25X≧
Y、特に好ましくは0.2X≧Y)を満たす塊部―連結
部間(以下、単にZ部と称する場合がある)が2以上存
在する必要がある。Z部が少なすぎるとマトリックスと
の接着性や柔軟性が低下することとなる。本発明の効果
をより効果的に得る点からはZ部の数を4〜30とする
のが好ましい。本発明においては、繊維横断面における
両端部は、塊部により構成されているものとしてZ部の
数を計測するものとし、一見、繊維の厚さに変化が生じ
ている部分であっても、その差が上記値に満たないもの
はZ部とはみなされない(図1参照)。
【0007】繊維横断面において、各塊部の幅(厚さ方
向に対する垂直方向)は柔軟性、補強効果等の点から該
塊部厚さの0.5〜3倍、特に0.6〜2倍程度である
のが好ましく、各連結部の幅は該連結部厚さの1〜4
倍、特に1.5〜3倍程度であるのが好ましい。均一性
の点からは隣接するXとXの間の中間近傍に連結部が存
在しているのが好ましい。繊維横断面における塊部の形
状は特に限定されず、たとえば円状、楕円状、三角形
状、四角形状等あらゆる形状を有していても構わない。
柔軟性、耐摩耗性、性能均一性等の点からは円状、楕円
状又はそれに類する形状であるのが好ましく、具体的に
は図1のようなものが好適に挙げられる。繊維を構成す
る塊部及び連結部の形状、サイズは必ずしも同一でなく
てもかまわないが、繊維性能を均質にする点からは実質
的に同形状、同サイズであるのが好ましく、繊維横断面
が線対称になっているのが好ましい。
向に対する垂直方向)は柔軟性、補強効果等の点から該
塊部厚さの0.5〜3倍、特に0.6〜2倍程度である
のが好ましく、各連結部の幅は該連結部厚さの1〜4
倍、特に1.5〜3倍程度であるのが好ましい。均一性
の点からは隣接するXとXの間の中間近傍に連結部が存
在しているのが好ましい。繊維横断面における塊部の形
状は特に限定されず、たとえば円状、楕円状、三角形
状、四角形状等あらゆる形状を有していても構わない。
柔軟性、耐摩耗性、性能均一性等の点からは円状、楕円
状又はそれに類する形状であるのが好ましく、具体的に
は図1のようなものが好適に挙げられる。繊維を構成す
る塊部及び連結部の形状、サイズは必ずしも同一でなく
てもかまわないが、繊維性能を均質にする点からは実質
的に同形状、同サイズであるのが好ましく、繊維横断面
が線対称になっているのが好ましい。
【0008】本発明においては、繊維デニールが100
0〜9000dの太デニール繊維とした場合に顕著な効
果が得られる。すなわち一般に1000d以上の繊維は
剛直・低伸度で曲げ可能曲率半径が大きく、引張側と圧
縮側の歪みが大きいことから、加工時やマトリックス混
合時に繊維がする問題が生じるが、本発明の繊維は柔軟
性が高いために太デニールとしてもかかる問題が生じに
くく、所望の効果が得られる。特に従来、太デニール繊
維は均一分散性が良好であり補強材として好適であると
されてきたものの、剛直で繊維が損傷しやすい問題があ
ったが、本発明によれば繊維性能が十分に発揮され、優
れた補強効果が奏される。柔軟性、マトリックスとの接
着性の点からは9000d以下、特に8000d以下と
するのが好ましい。
0〜9000dの太デニール繊維とした場合に顕著な効
果が得られる。すなわち一般に1000d以上の繊維は
剛直・低伸度で曲げ可能曲率半径が大きく、引張側と圧
縮側の歪みが大きいことから、加工時やマトリックス混
合時に繊維がする問題が生じるが、本発明の繊維は柔軟
性が高いために太デニールとしてもかかる問題が生じに
くく、所望の効果が得られる。特に従来、太デニール繊
維は均一分散性が良好であり補強材として好適であると
されてきたものの、剛直で繊維が損傷しやすい問題があ
ったが、本発明によれば繊維性能が十分に発揮され、優
れた補強効果が奏される。柔軟性、マトリックスとの接
着性の点からは9000d以下、特に8000d以下と
するのが好ましい。
【0009】繊維の種類は特に限定されず、たとえばポ
リビニルアルコール(PVA)系繊維、ナイロン系繊
維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維等)、
アクリル系繊維、ポリエステル系繊維(全芳香族ポリエ
ステル繊維を含む)、フッ素系繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維等が挙げられ、なかでも機械的強
度、耐候性等に優れたポリビニルアルコール系繊維を用
いるのが好ましく、特に該繊維は耐アルカリ性に優れ、
親水性でマトリックスとの親和性が高いことから水硬性
材料用補強材として用いた場合に一層優れた効果が得ら
れる。
リビニルアルコール(PVA)系繊維、ナイロン系繊
維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維等)、
アクリル系繊維、ポリエステル系繊維(全芳香族ポリエ
ステル繊維を含む)、フッ素系繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維等が挙げられ、なかでも機械的強
度、耐候性等に優れたポリビニルアルコール系繊維を用
いるのが好ましく、特に該繊維は耐アルカリ性に優れ、
親水性でマトリックスとの親和性が高いことから水硬性
材料用補強材として用いた場合に一層優れた効果が得ら
れる。
【0010】本発明の繊維の製造方法は特に限定されな
いが、たとえば図2のような横断面形状を有するノズル
を用いて紡糸する方法が挙げられる。以下にPVA系繊
維を例に挙げて好適な製造方法を詳細に説明する。PV
A系繊維を構成するビニルアルコール系ポリマーは、耐
熱性、コスト及び機械的性能等の点から重合度500〜
24000、特に1000〜6000であるのが好まし
く、けん化度は99モル%以上、さらに99.8モル%
以上であるのが好ましい。勿論他の変性ユニットが導入
されたものを使用してもよく、たとえばエチレン、アリ
ルアルコール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン
酸とのその開環物、アリールスルホン酸、ピバリン酸ビ
ニルの脂肪族ビニルエステル、ビニルピロリドン等の変
性ユニットにより変性されたものが挙げられる。変性ユ
ニットの導入方法は共重合でも後反応でもかまわない。
変性ユニットは30モル%以下、特に1モル%以下とす
るのが好ましい。
いが、たとえば図2のような横断面形状を有するノズル
を用いて紡糸する方法が挙げられる。以下にPVA系繊
維を例に挙げて好適な製造方法を詳細に説明する。PV
A系繊維を構成するビニルアルコール系ポリマーは、耐
熱性、コスト及び機械的性能等の点から重合度500〜
24000、特に1000〜6000であるのが好まし
く、けん化度は99モル%以上、さらに99.8モル%
以上であるのが好ましい。勿論他の変性ユニットが導入
されたものを使用してもよく、たとえばエチレン、アリ
ルアルコール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン
酸とのその開環物、アリールスルホン酸、ピバリン酸ビ
ニルの脂肪族ビニルエステル、ビニルピロリドン等の変
性ユニットにより変性されたものが挙げられる。変性ユ
ニットの導入方法は共重合でも後反応でもかまわない。
変性ユニットは30モル%以下、特に1モル%以下とす
るのが好ましい。
【0011】勿論、補強用繊維はビニルアルコール系ポ
リマーのみで構成されている必要はなく、他の添加物や
他のポリマーが配合されていても、また他のポリマーと
の複合繊維や海島繊維であってもかまわない。マトリッ
クスとの親和性及び耐アルカリ性の高いPVAを繊維表
面に存在させるのがより好ましい。
リマーのみで構成されている必要はなく、他の添加物や
他のポリマーが配合されていても、また他のポリマーと
の複合繊維や海島繊維であってもかまわない。マトリッ
クスとの親和性及び耐アルカリ性の高いPVAを繊維表
面に存在させるのがより好ましい。
【0012】本発明に好適に使用できるPVA系繊維の
製造方法は特に限定されないが、たとえばPVA水溶液
を紡糸原液としてノズル孔から空気中に乾式紡糸した後
に熱延伸する方法が挙げられる。1000d以上の繊維
を製造する場合、太い紡糸原液流から水を除去(湿式紡
糸)することが困難であることから、ビニルアルコール
系ポリマー水溶液を紡糸原液とする場合には乾式紡糸に
より紡糸するのが好ましい。
製造方法は特に限定されないが、たとえばPVA水溶液
を紡糸原液としてノズル孔から空気中に乾式紡糸した後
に熱延伸する方法が挙げられる。1000d以上の繊維
を製造する場合、太い紡糸原液流から水を除去(湿式紡
糸)することが困難であることから、ビニルアルコール
系ポリマー水溶液を紡糸原液とする場合には乾式紡糸に
より紡糸するのが好ましい。
【0013】具体的な製造方法としては、たとえば重合
度1500〜8000、けん化度99.5モル%以上の
PVAを濃度40〜60重量%含水チップとし、これを
特定の形状を有するノズル孔から空気中に乾式紡糸し、
これを絶乾状態まで乾燥し、220〜260℃の熱風式
加熱炉で好ましくは10倍以上、特に好ましくは12倍
以上延伸する方法が挙げられる。
度1500〜8000、けん化度99.5モル%以上の
PVAを濃度40〜60重量%含水チップとし、これを
特定の形状を有するノズル孔から空気中に乾式紡糸し、
これを絶乾状態まで乾燥し、220〜260℃の熱風式
加熱炉で好ましくは10倍以上、特に好ましくは12倍
以上延伸する方法が挙げられる。
【0014】偏平度を大きくすると、繊維の機械的性
能、柔軟性、接着性等の諸性能が向上することが知られ
ているが、通常の繭型断面を有する偏平繊維の場合、偏
平度が大きくなると剪断力、熱等が均一に加わりにくく
なり、延伸倍率をそれほど高めることができない等から
機械的性能が不十分になる問題があった。しかしなが
ら、本発明においては接続部が存在するため紡糸時の乾
燥凝固、延伸等で熱、引張応力が各部位に均一に加わり
延伸倍率等を高めることができることから、偏平度が大
きくなっても機械的強度に優れた繊維が得られる。械的
性能、柔軟性及び補強効果等の点からは、繊維の偏平度
を2以上、特に4〜30程度にするのが好ましい。繊維
の偏平度を高めることにより一層顕著な効果を得ること
ができる。繊維強度は8g/d以上、ヤング率は230
g/d以上とするのが好ましい。
能、柔軟性、接着性等の諸性能が向上することが知られ
ているが、通常の繭型断面を有する偏平繊維の場合、偏
平度が大きくなると剪断力、熱等が均一に加わりにくく
なり、延伸倍率をそれほど高めることができない等から
機械的性能が不十分になる問題があった。しかしなが
ら、本発明においては接続部が存在するため紡糸時の乾
燥凝固、延伸等で熱、引張応力が各部位に均一に加わり
延伸倍率等を高めることができることから、偏平度が大
きくなっても機械的強度に優れた繊維が得られる。械的
性能、柔軟性及び補強効果等の点からは、繊維の偏平度
を2以上、特に4〜30程度にするのが好ましい。繊維
の偏平度を高めることにより一層顕著な効果を得ること
ができる。繊維強度は8g/d以上、ヤング率は230
g/d以上とするのが好ましい。
【0015】本発明の繊維は柔軟性、補強効果等の諸性
能に優れるものであり、そのまま用いてもかまわない
が、繊維の機械的性能、糸割れ防止性を改善するために
少なくとも繊維表面の一部、好ましくは実質的に繊維全
表面に樹脂を付与するのが好ましい。この場合、繊維の
繊度や偏平度を大きくした場合や、強度が高く糸割れが
生じ易いマトリックスの補強材として用いた場合であっ
てもかかる問題が生じず所望の効果が得られる。通常の
繭型、平板型等の繊維に樹脂を付与しても樹脂と繊維と
の接着性が不十分となり本発明のような効果が得られな
いが、本発明においては、樹脂が接続部に入り込んで十
分に固着されるため、機械的性能や糸割れ防止効果が大
幅に向上する。樹脂の付着量は、耐折損性、割れ紡糸及
び分繊防止効果の点から、繊維重量の1〜20重量%
(固形分)程度、特に2〜10重量%被覆するのが好ま
しい。樹脂を被覆して実質的に窪みが存在しない樹脂と
することにより、樹脂と繊維が強固に一体化された耐摩
耗性に優れた樹脂被覆繊維とすることができる(図
3)。
能に優れるものであり、そのまま用いてもかまわない
が、繊維の機械的性能、糸割れ防止性を改善するために
少なくとも繊維表面の一部、好ましくは実質的に繊維全
表面に樹脂を付与するのが好ましい。この場合、繊維の
繊度や偏平度を大きくした場合や、強度が高く糸割れが
生じ易いマトリックスの補強材として用いた場合であっ
てもかかる問題が生じず所望の効果が得られる。通常の
繭型、平板型等の繊維に樹脂を付与しても樹脂と繊維と
の接着性が不十分となり本発明のような効果が得られな
いが、本発明においては、樹脂が接続部に入り込んで十
分に固着されるため、機械的性能や糸割れ防止効果が大
幅に向上する。樹脂の付着量は、耐折損性、割れ紡糸及
び分繊防止効果の点から、繊維重量の1〜20重量%
(固形分)程度、特に2〜10重量%被覆するのが好ま
しい。樹脂を被覆して実質的に窪みが存在しない樹脂と
することにより、樹脂と繊維が強固に一体化された耐摩
耗性に優れた樹脂被覆繊維とすることができる(図
3)。
【0016】樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂等あらゆる樹脂を使用できるが、繊維及び場合によっ
てはマトリックスとの親和性の高いものを用いるのが好
ましい。たとえばPVA系繊維を補強材、水硬性材料を
マトリックスとして成形物を製造する場合には親水性高
分子からなる樹脂を用いるのが好ましい。好適にはビニ
ルアルコール系ポリマー、尿素―ホルマリン系化合物、
でん粉等が挙げられ、特に機械的性能及び耐アルカリ性
等に優れていることからビニルアルコール系樹脂を用い
るのが好ましい。PVAの重合度は機械的性能及び取扱
性の点から1000〜2500程度とするのが好まし
く、製膜性が高く少量付着させることで強固に接着で
き、更に短時間の加熱で容易に結晶化が進行して耐水性
が向上することから、けん化度99.5モル%以上のも
のがより好適に使用できる。
脂等あらゆる樹脂を使用できるが、繊維及び場合によっ
てはマトリックスとの親和性の高いものを用いるのが好
ましい。たとえばPVA系繊維を補強材、水硬性材料を
マトリックスとして成形物を製造する場合には親水性高
分子からなる樹脂を用いるのが好ましい。好適にはビニ
ルアルコール系ポリマー、尿素―ホルマリン系化合物、
でん粉等が挙げられ、特に機械的性能及び耐アルカリ性
等に優れていることからビニルアルコール系樹脂を用い
るのが好ましい。PVAの重合度は機械的性能及び取扱
性の点から1000〜2500程度とするのが好まし
く、製膜性が高く少量付着させることで強固に接着で
き、更に短時間の加熱で容易に結晶化が進行して耐水性
が向上することから、けん化度99.5モル%以上のも
のがより好適に使用できる。
【0017】加工性の点からは熱可塑性樹脂を用いるの
が好ましい。樹脂が熱可塑性樹脂である場合、たとえば
100〜260度程度で可塑化した樹脂に繊維を含浸す
ることにより付与すればよい。本発明の繊維は異形断面
繊維であるため、接続部に樹脂が入り込み、繊維と樹脂
が強固に接着し、繊維の割れ等を効率的に改善できる。
樹脂の付与方法は特に限定されず、工程性等の点から延
伸後の繊維を樹脂の入った槽中にローラーを浸漬回転さ
せ、そのローラーに繊維を接触させるローラータッチが
効率的である。処理液濃度は5〜10重量%程度とし、
繊維重量%に対して好ましくは2〜20重量%(固形
分)、特に好ましくは3〜10重量%付与する方法等が
挙げられる。樹脂の付与量の調整は処理液濃度とローラ
ー回転速度等の調整により簡便に行える。
が好ましい。樹脂が熱可塑性樹脂である場合、たとえば
100〜260度程度で可塑化した樹脂に繊維を含浸す
ることにより付与すればよい。本発明の繊維は異形断面
繊維であるため、接続部に樹脂が入り込み、繊維と樹脂
が強固に接着し、繊維の割れ等を効率的に改善できる。
樹脂の付与方法は特に限定されず、工程性等の点から延
伸後の繊維を樹脂の入った槽中にローラーを浸漬回転さ
せ、そのローラーに繊維を接触させるローラータッチが
効率的である。処理液濃度は5〜10重量%程度とし、
繊維重量%に対して好ましくは2〜20重量%(固形
分)、特に好ましくは3〜10重量%付与する方法等が
挙げられる。樹脂の付与量の調整は処理液濃度とローラ
ー回転速度等の調整により簡便に行える。
【0018】本発明の繊維はあらゆる形態で使用するこ
とができ、たとえばフィラメント糸、カットファイバ
ー、紡績糸、集束糸のような糸状物、ロープ、紐状物、
さらに布帛(織編物、不織布等)に加工して用いること
ができる。その用途は特に限定されず、あらゆる用途に
使用すればよいが、特に補強材として好適に使用でき
る。
とができ、たとえばフィラメント糸、カットファイバ
ー、紡績糸、集束糸のような糸状物、ロープ、紐状物、
さらに布帛(織編物、不織布等)に加工して用いること
ができる。その用途は特に限定されず、あらゆる用途に
使用すればよいが、特に補強材として好適に使用でき
る。
【0019】布帛等に加工したものを補強材としてもか
わまないが、マトリックスとの接触面積が向上すること
からカットファイバーの形態で補強材とした場合により
顕著な効果が得られる。カットファイバーを補強材とし
て用いる場合、均一分散性及び接着性等の点からアスペ
クト比(繊維長を繊維横断面積と同一の面積を有する円
の直径で除した値)を20〜300程度、特に40〜1
50程度にするのが好ましい。本発明の繊維からなるカ
ットファイバーをマトリックス中に均一分散して成形物
を製造する場合、配合割合は適宜設定すればよいが、補
強性及び均一分散性の点から、マトリックスの0.01
〜10vol%、特に0.1〜5vol%、さらに0.
5〜3vol%配合するのが好ましい。このとき、本発
明の補強用繊維以外の補強材、たとえば本発明以外の繊
維、パルプ状物等が配合されていても構わない。
わまないが、マトリックスとの接触面積が向上すること
からカットファイバーの形態で補強材とした場合により
顕著な効果が得られる。カットファイバーを補強材とし
て用いる場合、均一分散性及び接着性等の点からアスペ
クト比(繊維長を繊維横断面積と同一の面積を有する円
の直径で除した値)を20〜300程度、特に40〜1
50程度にするのが好ましい。本発明の繊維からなるカ
ットファイバーをマトリックス中に均一分散して成形物
を製造する場合、配合割合は適宜設定すればよいが、補
強性及び均一分散性の点から、マトリックスの0.01
〜10vol%、特に0.1〜5vol%、さらに0.
5〜3vol%配合するのが好ましい。このとき、本発
明の補強用繊維以外の補強材、たとえば本発明以外の繊
維、パルプ状物等が配合されていても構わない。
【0020】本発明で得られる繊維を補強材として使用
すれば優れた成型物が得られるが、その成型方法は特に
限定されない。例えば加圧成型法、振動成型法、振動及
び加圧併用成型法、遠心力成型法、抄造成型法、巻取成
型法、真空成型法、そして押出し成型法等に利用でき
る。勿論、左官材料として塗り付けて物品(成型物)を
製造してもかまわない。マトリックスとしては、ゴム、
樹脂、水硬性材料等あらゆるものが使用できるが、特に
水硬性材料を用いた場合に優れた効果が得られる。
すれば優れた成型物が得られるが、その成型方法は特に
限定されない。例えば加圧成型法、振動成型法、振動及
び加圧併用成型法、遠心力成型法、抄造成型法、巻取成
型法、真空成型法、そして押出し成型法等に利用でき
る。勿論、左官材料として塗り付けて物品(成型物)を
製造してもかまわない。マトリックスとしては、ゴム、
樹脂、水硬性材料等あらゆるものが使用できるが、特に
水硬性材料を用いた場合に優れた効果が得られる。
【0021】本発明に好適に使用される水硬性材料とし
てはセメント等が挙げられるが、好適なセメントとして
は、通常のポルトランドセメント、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント、亜硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポル
トランドセメント等が挙げられる。その他、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミ
ナセメント、膨脹セメントなどが挙げられる。石膏スラ
グ系、マグネシア系の水硬性物質を使用してもよい。
てはセメント等が挙げられるが、好適なセメントとして
は、通常のポルトランドセメント、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント、亜硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポル
トランドセメント等が挙げられる。その他、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミ
ナセメント、膨脹セメントなどが挙げられる。石膏スラ
グ系、マグネシア系の水硬性物質を使用してもよい。
【0022】骨材としては、細骨材として川、海、陸の
各砂、破砂、砕石等が用いられる。粗骨材としては、ぐ
り石や破石などが用いられる。また人工の軽量骨材ある
いは充填材としての鉱けい、石灰石、その他発泡パ−ラ
イト、発泡黒よう石、炭カルバ−ミュライト、シラスバ
ル−ン等の使用も可能である。混和剤としては、空気連
行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤撥
水剤、膨脹剤、硬化促進剤、凝固遅延剤なども混合使用
することも可能である。
各砂、破砂、砕石等が用いられる。粗骨材としては、ぐ
り石や破石などが用いられる。また人工の軽量骨材ある
いは充填材としての鉱けい、石灰石、その他発泡パ−ラ
イト、発泡黒よう石、炭カルバ−ミュライト、シラスバ
ル−ン等の使用も可能である。混和剤としては、空気連
行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤撥
水剤、膨脹剤、硬化促進剤、凝固遅延剤なども混合使用
することも可能である。
【0023】本発明の水硬性硬化物の具体例としては、
セメント瓦、厚形スレート、波形石綿スレート、石綿セ
メント板及びその二次製品、石綿パーライト板、水道用
石綿セメント管、パルプセメント板、パルプセメント
管、石綿セメント円筒、木毛及び木片セメント板、コン
クリート板、コンクリートブロック人造石、モルタル
板、テラゾブロック、テラゾタイル、鉄筋コンクリート
組立塀、コンクリートプレハブ部材、プレストレスコン
クリートダブルTスラグ、等構造材、矢板又は鉄筋コン
クリート矢板、プレストレスコンクリート矢板、遠心鉄
筋コンクリート基礎ぐい、鉄筋コンクリート管、遠心鉄
筋コンクリート管、遠心鉄筋コンクリートポール、等セ
メント・石膏等を凝固させて用いる場合の脆性マトリッ
クス補強材等が挙げられる。
セメント瓦、厚形スレート、波形石綿スレート、石綿セ
メント板及びその二次製品、石綿パーライト板、水道用
石綿セメント管、パルプセメント板、パルプセメント
管、石綿セメント円筒、木毛及び木片セメント板、コン
クリート板、コンクリートブロック人造石、モルタル
板、テラゾブロック、テラゾタイル、鉄筋コンクリート
組立塀、コンクリートプレハブ部材、プレストレスコン
クリートダブルTスラグ、等構造材、矢板又は鉄筋コン
クリート矢板、プレストレスコンクリート矢板、遠心鉄
筋コンクリート基礎ぐい、鉄筋コンクリート管、遠心鉄
筋コンクリート管、遠心鉄筋コンクリートポール、等セ
メント・石膏等を凝固させて用いる場合の脆性マトリッ
クス補強材等が挙げられる。
【0024】また前述したセメント製品に限らずこれら
以外の構造物、建築内外装部材、土木材料に応用使用す
ることもできる。たとえば土木関係に用いられるものと
しては道路舗装材料があり、例えば一般道路の舗装、高
速道路、滑走路、オーバレイ、歩道橋の舗装、橋床の舗
装、それらの補修材又は歩道用板等に利用できる。コン
クリ−ト道路舗装等として用いた場合、鉄骨の使用量及
びコンクリ−ト板の厚さを減じることができ、工期の短
縮及び原材料の節減が可能となる。又成形型枠として用
いる型枠、捨型枠にも利用できる。パイプ類としては遠
心成型による遠心力鉄筋コンクリ−トがあり、その他ソ
ケット付きスパンパイプ、ロ−ル転圧鉄筋コンクリ−ト
管、無筋コンクリ−ト管、コア−式プレストレスコンク
リ−ト管、水道用セメント管、下水管、電らん管、ケー
ブルダクト、灌漑排水用製品等に使用することもでき
る。又道路部材としては防音材、道路標識、舗装補強
材、側溝、トンネル内装材、パイル等に利用できる。
以外の構造物、建築内外装部材、土木材料に応用使用す
ることもできる。たとえば土木関係に用いられるものと
しては道路舗装材料があり、例えば一般道路の舗装、高
速道路、滑走路、オーバレイ、歩道橋の舗装、橋床の舗
装、それらの補修材又は歩道用板等に利用できる。コン
クリ−ト道路舗装等として用いた場合、鉄骨の使用量及
びコンクリ−ト板の厚さを減じることができ、工期の短
縮及び原材料の節減が可能となる。又成形型枠として用
いる型枠、捨型枠にも利用できる。パイプ類としては遠
心成型による遠心力鉄筋コンクリ−トがあり、その他ソ
ケット付きスパンパイプ、ロ−ル転圧鉄筋コンクリ−ト
管、無筋コンクリ−ト管、コア−式プレストレスコンク
リ−ト管、水道用セメント管、下水管、電らん管、ケー
ブルダクト、灌漑排水用製品等に使用することもでき
る。又道路部材としては防音材、道路標識、舗装補強
材、側溝、トンネル内装材、パイル等に利用できる。
【0025】また左官用モルタルとして使用してもよ
く、機械用基礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器
等として用いてもよい。建築関係部材としては外装材料
があり、それらはシエル構造物、カーテンウオール外壁
パネル、スレート等の屋根材、パラペット、スパンドレ
ル、外装レリーフに用いることができる。又内装材料と
しては壁材、レリーフ、床材、天井材に利用することが
できる。その他型枠、捨て型枠、床板、はり、機械台基
礎、原子炉圧力容器、液化石油ガスの容器、建築物内の
間仕切り、階段材料があげられる。
く、機械用基礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器
等として用いてもよい。建築関係部材としては外装材料
があり、それらはシエル構造物、カーテンウオール外壁
パネル、スレート等の屋根材、パラペット、スパンドレ
ル、外装レリーフに用いることができる。又内装材料と
しては壁材、レリーフ、床材、天井材に利用することが
できる。その他型枠、捨て型枠、床板、はり、機械台基
礎、原子炉圧力容器、液化石油ガスの容器、建築物内の
間仕切り、階段材料があげられる。
【0026】海洋又は漁業部材としては船舶用機材、ボ
ート等フエロセメント用セメント材料とすべく薄いシエ
ル構造物、組成物に用いるもの、浮子・浮桟橋、漁礁、
テトラポット等消波ブロック、護岸ブロックに利用でき
る。農業、畜産関係部材としてはタンク、サイロ、苗
床、フエンスポット、鉢、フラワーポット、側溝等の矢
板等に利用できる。その他放射性物質等廃棄物処理用の
容器等の材料に使用することができる。以下更に本発明
を実施例でもって説明する。
ート等フエロセメント用セメント材料とすべく薄いシエ
ル構造物、組成物に用いるもの、浮子・浮桟橋、漁礁、
テトラポット等消波ブロック、護岸ブロックに利用でき
る。農業、畜産関係部材としてはタンク、サイロ、苗
床、フエンスポット、鉢、フラワーポット、側溝等の矢
板等に利用できる。その他放射性物質等廃棄物処理用の
容器等の材料に使用することができる。以下更に本発明
を実施例でもって説明する。
【0027】
【実施例】[引張強度 g/d、ヤング率 g/d]予
め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で48時間繊
維を放置して調湿したのち、単繊維をゲ−ジ長さから2
0mmとなるように台紙に貼り付け、引張速度10mm
/分として繊維強度及びヤング率を測定した。繊維長が
20mmより短い場合は、そのサンプルの長さを把持長
として測定することとする。 [偏平度]繊維横断面における長径/短径を偏平度とし
た。
め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で48時間繊
維を放置して調湿したのち、単繊維をゲ−ジ長さから2
0mmとなるように台紙に貼り付け、引張速度10mm
/分として繊維強度及びヤング率を測定した。繊維長が
20mmより短い場合は、そのサンプルの長さを把持長
として測定することとする。 [偏平度]繊維横断面における長径/短径を偏平度とし
た。
【0028】[繊維損傷度 %]普通ポルトランドセメ
ント(秩父小野田株式会社製)383kg、粗骨材(最
大径20mmの砥石)611kg、細骨材(石見硅砂5
号)916kg、水210kgからなる混合物に、AE
減水剤(竹本油脂製「チューポールC」)0.04%を
添加したものに、長さ30mmの試料繊維を0.04体
積%添加混合し、一定攪拌混合時間毎に繊維混合モルタ
ルを100ml採取した。金網上で流水水洗し、繊維を
取出して完全に折れちぎれているものや、くの字に折れ
ている繊維の割合(%)で評価した。
ント(秩父小野田株式会社製)383kg、粗骨材(最
大径20mmの砥石)611kg、細骨材(石見硅砂5
号)916kg、水210kgからなる混合物に、AE
減水剤(竹本油脂製「チューポールC」)0.04%を
添加したものに、長さ30mmの試料繊維を0.04体
積%添加混合し、一定攪拌混合時間毎に繊維混合モルタ
ルを100ml採取した。金網上で流水水洗し、繊維を
取出して完全に折れちぎれているものや、くの字に折れ
ている繊維の割合(%)で評価した。
【0029】[比例限界強度(LOP) kg/c
m2、最高破壊強度(MOR) kg/cm2、靭性係数
(タフネス) kg/cm2]繊維損傷度の測定方法に
おける混練時間5分のコンクリートを用い、該コンクリ
ートを10×10×40cmの型枠へ流し込み、一昼夜
20℃湿空中で硬化させ、その後20℃の水中で28日
間養生して供試体を製造した。次いで島津社製の万能試
験機RH―200型を用い、スパン30cmの三等分集
中荷重をかけて応力―たわみ線図を作成し、該線図より
比例限界強度(LOP)、最高破壊強度(MOR)及び
曲げ靭性係数(タフネス)を求めた。なお本発明にいう
LOPはP1・L/(b・t2)、MORはP2・L/
(b・t2)、タフネスは(Tb/Stb)・(L/b
t2)により算出される値である。ここでP1はクラッ
ク発生時の荷重(kg)、Lは曲げスパン、bは供試体
の幅、tは供試体の厚さ、P2はクラック発生後の最大
荷重、Tbは曲げタフネス、Stbはスパンの1/15
0のたわみを示す。
m2、最高破壊強度(MOR) kg/cm2、靭性係数
(タフネス) kg/cm2]繊維損傷度の測定方法に
おける混練時間5分のコンクリートを用い、該コンクリ
ートを10×10×40cmの型枠へ流し込み、一昼夜
20℃湿空中で硬化させ、その後20℃の水中で28日
間養生して供試体を製造した。次いで島津社製の万能試
験機RH―200型を用い、スパン30cmの三等分集
中荷重をかけて応力―たわみ線図を作成し、該線図より
比例限界強度(LOP)、最高破壊強度(MOR)及び
曲げ靭性係数(タフネス)を求めた。なお本発明にいう
LOPはP1・L/(b・t2)、MORはP2・L/
(b・t2)、タフネスは(Tb/Stb)・(L/b
t2)により算出される値である。ここでP1はクラッ
ク発生時の荷重(kg)、Lは曲げスパン、bは供試体
の幅、tは供試体の厚さ、P2はクラック発生後の最大
荷重、Tbは曲げタフネス、Stbはスパンの1/15
0のたわみを示す。
【0030】[実施例1、2]重合度1700、ケン化
度99.9モル%のPVAを濃度52重量%の含水チッ
プ状とし、これを表2に示された吐出形状を有するノズ
ルから95℃の空気中へ吐出し、次いで60℃−120
℃−220℃の3段の昇温空気中で絶乾状態まで乾燥
し、引き続き内部温度220℃の長さ18mの熱風式延
伸炉で送り込み速度4m/分、引取速度48m/分(実
施例2では52m/分)で延伸し、さらに連続してPV
A(株式会社クラレ製「PVA117」)の濃度8重量
%の液をローラータッチにより繊維に付与した。これを
220℃の熱風式炉にて定長で熱処理を行い、繊維全面
に樹脂を被覆した。得られた繊維は、いずれも紡糸、乾
燥、延伸を安定に行うことができ、しかも機械的性能、
柔軟性等の諸性能に優れたものであり、特に繊維と樹脂
が強固に接着していることからカットしても糸割が全く
発生しない耐摩耗性に優れたものであった。繊維の横断
面形状は実質的にノズル形状と同一であった。結果を表
1に示す。
度99.9モル%のPVAを濃度52重量%の含水チッ
プ状とし、これを表2に示された吐出形状を有するノズ
ルから95℃の空気中へ吐出し、次いで60℃−120
℃−220℃の3段の昇温空気中で絶乾状態まで乾燥
し、引き続き内部温度220℃の長さ18mの熱風式延
伸炉で送り込み速度4m/分、引取速度48m/分(実
施例2では52m/分)で延伸し、さらに連続してPV
A(株式会社クラレ製「PVA117」)の濃度8重量
%の液をローラータッチにより繊維に付与した。これを
220℃の熱風式炉にて定長で熱処理を行い、繊維全面
に樹脂を被覆した。得られた繊維は、いずれも紡糸、乾
燥、延伸を安定に行うことができ、しかも機械的性能、
柔軟性等の諸性能に優れたものであり、特に繊維と樹脂
が強固に接着していることからカットしても糸割が全く
発生しない耐摩耗性に優れたものであった。繊維の横断
面形状は実質的にノズル形状と同一であった。結果を表
1に示す。
【0031】[実施例3]樹脂を被覆しない以外は実施
1と同様に行った。連結部が存在することから延伸倍率
を高めることができ、また熱等も均一に加わることから
強度及びヤング率の優れたものが得られた。樹脂で被覆
していないために実施例1及び実施例2に比して耐摩耗
性には劣るものの、柔軟性、マトリックス接着性等はよ
り優れたものであった。繊維の横断面形状は実質的にノ
ズル形状と同一であった。結果を表1に示す。
1と同様に行った。連結部が存在することから延伸倍率
を高めることができ、また熱等も均一に加わることから
強度及びヤング率の優れたものが得られた。樹脂で被覆
していないために実施例1及び実施例2に比して耐摩耗
性には劣るものの、柔軟性、マトリックス接着性等はよ
り優れたものであった。繊維の横断面形状は実質的にノ
ズル形状と同一であった。結果を表1に示す。
【0032】[比較例1、2]ノズルを丸型形状(比較
例1)又は縦比1:4の長方形偏平形状(比較例2)の
ノズルに変更し、また延伸性の低下に伴って延伸倍率を
低くした以外は実施例1と同様に行った。ともに本実施
例よりも機械的性能及び柔軟性の劣ったものであり、樹
脂を被覆しても樹脂と繊維の接着性が不十分であるため
に、繊維をカットすると糸割れが発生し耐摩耗性の劣っ
たものであった。結果を表1に示す。
例1)又は縦比1:4の長方形偏平形状(比較例2)の
ノズルに変更し、また延伸性の低下に伴って延伸倍率を
低くした以外は実施例1と同様に行った。ともに本実施
例よりも機械的性能及び柔軟性の劣ったものであり、樹
脂を被覆しても樹脂と繊維の接着性が不十分であるため
に、繊維をカットすると糸割れが発生し耐摩耗性の劣っ
たものであった。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】[実施例4、5 比較例3〜5]それぞれ
表2に記載の繊維を用いて繊維損傷度及び成形体性能を
評価した。結果を表2に示す。なお比較例5では、樹脂
を被覆しない以外は比較例2と同様に得られた繊維を用
いた。結果を表2及び図4に示す。実施例4及び実施例
5においては繊維の均一分散性に優れ、しかも粗骨材等
が入った糸割れが生じ易いマトリックス中で混練しても
糸割れが発生せず、しかも繊維の機械的性能及び柔軟性
等の諸性能が優れているために得られた成形体の性能も
優れたものとなった。実施例の繊維は繊維強度及びヤン
グ率が高いため、比例限界強度(LOP)に達した後に
コンクリート試供体にクラックが発生しても、更に曲げ
強度が向上し優れた補強性能を発揮している。コンクリ
ート試供体の破断面の観察においても繊維は短く切れて
おり、セメントとの十分な接着力を発揮したことが伺え
る
表2に記載の繊維を用いて繊維損傷度及び成形体性能を
評価した。結果を表2に示す。なお比較例5では、樹脂
を被覆しない以外は比較例2と同様に得られた繊維を用
いた。結果を表2及び図4に示す。実施例4及び実施例
5においては繊維の均一分散性に優れ、しかも粗骨材等
が入った糸割れが生じ易いマトリックス中で混練しても
糸割れが発生せず、しかも繊維の機械的性能及び柔軟性
等の諸性能が優れているために得られた成形体の性能も
優れたものとなった。実施例の繊維は繊維強度及びヤン
グ率が高いため、比例限界強度(LOP)に達した後に
コンクリート試供体にクラックが発生しても、更に曲げ
強度が向上し優れた補強性能を発揮している。コンクリ
ート試供体の破断面の観察においても繊維は短く切れて
おり、セメントとの十分な接着力を発揮したことが伺え
る
【0035】一方、比較例3及び比較例4においては樹
脂と繊維との接着性が不十分であるために、粗骨材の混
入したマトリックス中では糸割れが生じ、しかも糸割れ
が生じると繊維の均一分散性が損われファイバーボール
が発生し、十分な補強効果が得られなかった。すなわ
ち、LOP以降では強度がほとんどあがらずタフネスに
も劣るものとなっている。コンクリート供試体の破断面
の観察においても、ファイバーボールによる繊維の塊状
物が多数観察された。 [参考例1]繊維を配合しない以外は実施例4と同様に
水硬性成形体を製造し、その性能を評価したところ、L
OP42kg/cm2、MOR42kg/cm2、タフネ
ス7.1kg/cm2であった。結果を図4に示す。
脂と繊維との接着性が不十分であるために、粗骨材の混
入したマトリックス中では糸割れが生じ、しかも糸割れ
が生じると繊維の均一分散性が損われファイバーボール
が発生し、十分な補強効果が得られなかった。すなわ
ち、LOP以降では強度がほとんどあがらずタフネスに
も劣るものとなっている。コンクリート供試体の破断面
の観察においても、ファイバーボールによる繊維の塊状
物が多数観察された。 [参考例1]繊維を配合しない以外は実施例4と同様に
水硬性成形体を製造し、その性能を評価したところ、L
OP42kg/cm2、MOR42kg/cm2、タフネ
ス7.1kg/cm2であった。結果を図4に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【図1】本発明の繊維の横断面形状の1例を示した模式
図。
図。
【図2】本発明の繊維の横断面形状の1例を示した模式
図。なお、図中の数字の単位はすべてmmである。
図。なお、図中の数字の単位はすべてmmである。
【図3】樹脂を被覆させた本発明の繊維の横断面形状の
1例を示した模式図。
1例を示した模式図。
【図4】本発明の実施例、比較例及び参考例で得られた
成形体の応力―たわみ線図を示した模式図。
成形体の応力―たわみ線図を示した模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 15/333 D06M 15/333 // C04B 111:20 D06M 101:24
Claims (7)
- 【請求項1】 繊維横断面が塊部及び連結部からなる繊
維であって、塊部と連結部は隣接しており、かつ繊維横
断面において任意の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接
する連結部の最小厚さをYとするとき、0.4X≧Yを
満たす塊部―連結部間が2以上存在することを特徴とす
る繊維。 - 【請求項2】 繊維横断面が塊部及び連結部からなる繊
維であって、塊部と連結部は隣接しており、かつ繊維横
断面において任意の塊部の最大厚さをX、該塊部に隣接
する連結部の最小厚さをYとするとき、0.4X≧Yを
満たす塊部―連結部間が2以上存在する繊維に、樹脂を
付与してなる樹脂被覆繊維。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の補強用繊
維。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の水硬性材
料補強用繊維。 - 【請求項5】 繊維を構成するポリマーがビニルアルコ
ール系ポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の
繊維。 - 【請求項6】 繊度が1000〜9000dである請求
項1〜5のいずれかに記載の繊維。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維を
補強材として用いてなる成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9802898A JPH11293515A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 繊維及び成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9802898A JPH11293515A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 繊維及び成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11293515A true JPH11293515A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14208521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9802898A Pending JPH11293515A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 繊維及び成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11293515A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006132158A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Diatex Co Ltd | 連結糸及び耐久性人工芝生 |
WO2009005375A1 (en) * | 2007-07-03 | 2009-01-08 | Tigerturf Nz Limited | A yarn for synthetic turf and a synthetic turf |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP9802898A patent/JPH11293515A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006132158A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Diatex Co Ltd | 連結糸及び耐久性人工芝生 |
WO2009005375A1 (en) * | 2007-07-03 | 2009-01-08 | Tigerturf Nz Limited | A yarn for synthetic turf and a synthetic turf |
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