JP2003327462A - 水硬性混練成形体 - Google Patents

水硬性混練成形体

Info

Publication number
JP2003327462A
JP2003327462A JP2002135360A JP2002135360A JP2003327462A JP 2003327462 A JP2003327462 A JP 2003327462A JP 2002135360 A JP2002135360 A JP 2002135360A JP 2002135360 A JP2002135360 A JP 2002135360A JP 2003327462 A JP2003327462 A JP 2003327462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
group
organic short
concrete
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002135360A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sakata
憲次 阪田
Katsunori Ayano
克紀 綾野
Abu Elwafa Mahmud
アブ エルワファ マハムド
Tadashi Saito
忠 斉藤
Hisashi Suemori
寿志 末森
Kiyoshi Takizawa
清 滝沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2002135360A priority Critical patent/JP2003327462A/ja
Publication of JP2003327462A publication Critical patent/JP2003327462A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ひび割れ性および耐疲労性に優れた水硬性
混練成形体を提供する。 【解決手段】 繊維径と長さの異なる2種類以上の有機
短繊維A群および有機短繊維B群からなり、有機短繊維
A群の繊維長>有機短繊維B群の繊維長であり、該有機
繊維Aと該有機繊維BがA:B=70:30〜10:9
0の混合割合で含有する水硬性混練成形体であって、該
各繊維種の、水硬性混練成形体中の繊維の有効側面積が
9000mm以上である水硬性材料混練成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はひび割れ分散性及び
耐疲労性に優れた、モルタルあるいはコンクリートなど
に代表される水硬性混練成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】モルタルあるいはコンクリートなどに代
表される水硬性材料混練成形体は、土木建築分野等で広
く用いられているが、その製造工程で種々の要因により
ひび割れが生じやすい問題があった。また、それらの材
料が例えば道路橋床版のように繰り返し曲げ荷重が載荷
される部材として用いられる場合には耐曲げ疲労性は重
要な要素であるが、モルタルあるいはコンクリート自体
の耐曲げ疲労性が低いために、鉄筋などの補強によって
補っているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来からモルタルある
いはコンクリートに有機短繊維を添加することによって
プラスチック収縮ひび割れに対する抵抗性を向上させる
ことができ、この場合、同じ総繊維体積であれば、繊維
径の細い繊維の方が、繊維径の太い繊維よりも総表面積
は大きくなり、プラスチック収縮ひび割れに対して効果
があることが知られている。しかし、一般にひび割れ抑
制を主目的とする場合には数十μm以下の繊維径の繊維
が0.1vol%程度添加されているが、この程度の低
い添加量では曲げ補強性や耐曲げ疲労性を向上させるた
めには不十分である。また、曲げ補強性や耐曲げ疲労性
を向上させるために繊維の添加量を増やす方法も考えら
れるが、繊維の添加量を増やすと繊維径の細い繊維の場
合、フレッシュモルタルやフレッシュコンクリート(硬
化する前の配合直後モルタル、コンクリート)の流動性
が著しく低下する問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、繊維径
と長さの異なる2種類の有機繊維を特定の混合割合でモ
ルタルあるいはコンクリートに混入することによって、
ひび割れ分散性および耐疲労性に優れた水硬性混練成形
体を提供することにある。すなわち本発明は、繊維径と
長さの異なる2種類の有機短繊維A群および有機短繊維
B群からなり、有機短繊維A群の繊維長>有機短繊維B
群の繊維長であり、かつ該有機短繊維A群と該有機短繊
維B群がA:B=70:30〜10:90の混合割合で
含有する水硬性混練成形体であって、該各繊維種の繊維
1本当たりの表面積に水硬性混練成形体1m当たりの
繊維本数の2/3乗を乗じて得られたものの総和が90
00mm以上である水硬性材料混練成形体であり、そ
して本発明は、好ましくは有機短繊維A群および有機短
繊維B群が以下(1)〜(2)を満足する上記の水硬性
材料混練成形体である。 (1)有機短繊維A群の繊維径が200μm以上200
0μm以下、繊維長が5mm以上60mm以下であるこ
と、 (2)有機短繊維B群の繊維径が10μm以上150μ
m以下、繊維長が4mm以上20mm以下であること、
さらに本発明は、より好ましくは有機短繊維がポリビニ
ルアルコール系繊維またはポリオレフィン系繊維である
上記の水硬性材料混練成形体に関する。
【0005】本発明は、繊維径と長さの異なる2種類の
有機短繊維A群および有機短繊維B群を特定の混合割合
で併用し、水硬性材料に添加することにより、耐ひび割
れ性および耐疲労性に優れた水硬性混練成形体が得られ
ることを見出したものである。本発明においては有機短
繊維を用いる必要がある。長繊維を用いた場合には繊維
を均一に分散させるのが難しい。また無機繊維を用いた
場合には軽量性等の点で問題が生じる。
【0006】本発明者等は鋭意研究の結果、有機短繊維
の混入効果が、成形体の割裂面に存在する有機短繊維と
水硬性材料との接着によるものとすると、水硬性混練成
形体のひび割れに対する強さ、すなわち割裂強度は、割
裂面に存在する有機短繊維の側面の総表面積に比例す
る。すなわち、水硬性材料に含まれる有機短繊維の総繊
維本数をnとすれば、ある断面上に存在する有機短繊維
の本数は、n2/3に比例するため、得られる成形体の
割裂強度は、繊維1本当りの側面積にn2/3を乗じた
値に比例することを見出し、各々の繊維種類について繊
維1本当りの表面積に、複合材の1m当りの繊維本数
の2/3乗を乗じたものの総和(以下、繊維の有効側面
積と称す)が9000mm以上となる混合割合、具体
的には有機短繊維A群および有機短繊維B群の割合が7
0:30〜10:90の混合割合で水硬性材料に添加し
た場合、得られる水硬性混練成形体のひび割れ分散性が
優れるのみならず、耐曲げ疲労性にも優れることを見出
した。
【0007】水硬性材料に添加する有機短繊維の有効側
面積が9000mmよりも小さくなると、耐疲労性に
優れた水硬性混練成形体を得ることはできない。好まし
くは9100mm以上、より好ましくは9200mm
以上である。また水硬性材料に添加する有機短繊維A
群および有機短繊維B群の混合割合が70:30〜1
0:90の範囲を外れると、有効側面積が9000mm
よりも小さくなり、本発明の耐ひび割れ性および耐疲
労性に優れた水硬性混練成形体を得ることができない。
好ましくは60:40〜20:80の範囲であり、より
好ましくは50:50〜25:75の範囲である。
【0008】本発明に使用される有機短繊維A群は繊維
径が200μm以上2000μm以下、繊維長が5mm
以上60mm以下であることが好ましい。繊維径が20
0μmよりも小さいと流動性が低くなり、逆に繊維径が
2000μmよりも大きくなると水硬性材料に添加する
有機短繊維の有効側面積が9000mmよりも小さく
なり、本発明の目的とする耐ひび割れ性および耐疲労性
に優れた水硬性混練成形体を得ることができない。より
好ましくは400〜1500μmである。一方、繊維長
さについては、均一分散性の点から繊維長は60mm以
下、特に50mm以下とするのが好ましく、マトリック
スとの接着性を保持し補強効果を十分に得る点からは繊
維長5mm以上、特に7mm以上、さらに10mm以上
とするのが好ましい。
【0009】本発明に使用される有機短繊維B群は有機
短繊維A群よりも繊維径の小さいものが好適に採用され
る。具体的には繊維径が10μm以上150μm以下、
繊維長が4mm以上20mm以下であることが好まし
い。繊維径が10μmよりも小さいと、水硬性材料スラ
リー中にファイバーボールが発生しやすくなり、得られ
る硬化体の物性が低下する。逆に150μmよりも大き
くなると、本発明の目的とする耐ひび割れ性および耐疲
労性が低下するようになる。より好ましくは30μm以
上100μm以下である。
【0010】本発明に使用される有機短繊維としては、
ポリビニルアルコール(PVA)系繊維、ポリオレフィ
ン系繊維、ポリアミド系繊維(アラミド繊維を含包す
る)、アクリル系繊維、ポリベンゾオキサゾ−ル系繊
維、ポリエステル系繊維、レーヨン系繊維(ポリノジッ
ク繊維、溶剤紡糸セルロース繊維等)等が挙げられる
が、中でも機械的性能、耐アルカリ性、耐候性に優れる
PVA系繊維またはポリオレフィン系繊維を用いるのが
好ましい。
【0011】本発明に使用されるPVA系繊維とはビニ
ルアルコール系ポリマーを含む繊維であり、機械的性
能、水硬性材料との接着性及び耐アルカリ性の点から
は、該ビニルアルコール系ポリマーの含有量が30質量
%以上/繊維、特に60質量%以上/繊維、さらに80
質量%以上/繊維であるのが好ましい。もちろん他のポ
リマーとの複合繊維や海島繊維であってもかまわない。
ビニルアルコール系ポリマーの構成は特に限定されず、
本発明の効果を損なわない範囲であれば他のユニットに
より共重合されていたり、また変性されていてもかまわ
ない。繊維の機械的性能、耐アルカリ性、耐熱水性等の
点から変性ユニットは30モル%以下、特に10モル%
以下とするのが好ましい。また同理由から30℃の水溶
液で粘度法により求めた平均重合度は1000以上、特
に1500以上であるのが好ましく、コスト等の点から
10000以下、特に5000以下、さらに3000以
下であるのが好ましい。また耐熱性、耐久性、寸法安定
性の点からはケン化度は99モル%以上、さらに99.
8モル%以上であるのが好ましい。
【0012】また本発明は、あるいはポリオレフィン系
繊維を添加、またはPVA系繊維とポリオレフィン系繊
維とを併用して添加してもかまわない。ポリオレフィン
系繊維は疎水性が高いために流動性(均一分散性)に優
れている。なお、本発明に使用されるポリオレフィン系
繊維とはオレフィン系ポリマーを含む繊維であり、機械
的性能、水硬性材料との適度な接着性の点からは、該オ
レフィン系ポリマーの含有量が30質量%以上/繊維、
特に60質量%以上/繊維、さらに80質量%以上/繊
維であるのが好ましい。もちろん、他のポリマーとの複
合繊維や海島繊維であってもかまわない。好適なオレフ
ィン系ポリマーとしては、プロピレン系ポリマー、エチ
レン系ポリマー等が挙げられ、もちろん、他のユニット
との共重合体であってもかまわない。機械的性能、耐熱
性の点からは少なくともプロピレン系ポリマーを含む繊
維(特に含有量60質量%以上のポリプロピレン系繊
維)を用いるのが好ましい。もちろん、本発明の効果を
損なわない範囲であれば、PVA系繊維およびポリオレ
フィン系繊維以外の補強繊維、他の添加剤を併用しても
かまわない。
【0013】本発明に使用される水硬性物質は特に限定
されず、セッコウ、セッコウスラグ、マグネシア等が挙
げられるが、なかでもセメントが好適に使用される。ポ
ルトランドセメントがその代表的なものであるが、高炉
セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント
等を使用してもよく、これらを併用してもかまわない。
また本発明においては繊維が損傷しやすく補強効果が奏
されにくい骨材を配合したモルタルやコンクリートに対
しても優れた補強効果を奏することができる。粗骨材と
してたとえばぐり石や破石などが使用できる。細骨材と
しては川砂、山砂、海砂、砕砂、珪砂、鉱滓、炭酸カル
シウム等が挙げられる。その他発泡真珠岩、発泡パーラ
イト、発泡黒よう石、バーミキュライト、シラスバルー
ン、発泡ポリスチレン等の人工軽量骨材を用いてもよ
い。
【0014】さらに混和剤として、空気連行剤(AE
剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤、撥水剤、膨
張剤、硬化促進剤、凝結遅延剤などを併用してもかまわ
ない。なお本発明にいう細骨材とは開口径5mmのふる
いにかけたとき95質量%ふるいを通過するものをい
い、粗骨材とは開口径5mmのふるいをかけたときその
0〜10質量%がふるいを通過するものをいう。
【0015】本発明では成形体の製造方法は特に限定さ
れない。具体的な成形方法としては例えば、現場打ちの
流し込み成形方法、吹付成形法、注入成形法、加圧成形
法、振動成形法、振動及び加圧併用成形法、遠心力成形
法、巻取り成形法、真空成形法、そして押出成形法等が
利用できる。勿論、左官材料として塗り付けて得られる
物品(成形体)も本発明に包含される。
【0016】本発明の混練成形体の具体例としては、ス
レート板、パイプ類、壁パネル、床パネル、屋根板、間
仕切り、道路舗装、土間、トンネルライニング、法面保
護、コンクリート工場製品等のすべてのセメント、コン
クリート成形物や2次製品に用いることができる。また
前述したセメント製品に限らずこれら以外の構造物、建
築内外装部材、土木材料に応用使用することもできる。
また左官用モルタルとして使用してもよく、機械用基
礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器等として用い
てもよい。とりわけ本発明の効果が発揮される用途とし
ては道路床版、鉄道床版、道路橋床版および鉄道橋床版
などのような繰り返し輪荷重を受ける部材が挙げられ
る。
【0017】
【実施例】以下更に実施例でもって説明するが本発明は
実施例により何等限定されるものではない。なお本発明
において、繊維径、繊維の有効側面積、コンクリートの
割裂引張強度、コンクリートの乾燥収縮ひび割れ幅は以
下の方法により求めたものを示す。
【0018】[繊維径 μm]得られた繊維状物の一定
試長の質量を測定して見掛け繊度をn=5以上で測定
し、繊度(dtex)の平均値を求めた。なお、一定糸
長の質量測定により繊度が測定できないものはバイブロ
スコープにより測定した。そして、このように測定して
得られた繊度から繊維径を求めた。
【0019】[繊維の有効側面積 mm]下記式
(I)に示すように、各々の繊維について繊維1本当り
の表面積に、複合材の1m当りの繊維本数の2/3乗
を乗じたものの総和を算出し、その値を成形体1m
りの繊維とマトリックスの界面における繊維の有効側面
積とした。繊維本数は繊維添加量から複合材1m当り
の繊維の総体積を算出し、そして複合材1m当りの繊
維の総体積を繊維1本当りの体積で除して求めた。な
お、繊維を円筒と見立てた場合に上下面(繊維断面)の
面積は実質的に無視できるくらい小さいために、本発明
でいう繊維の表面積とは繊維側面の表面積、すなわち有
効側面積として表す。なお繊維断面が異形断面の場合は
断面を円形とみなして半径を求め、簡便的に算出した。 [2πr×(n2/3]+[2πr×(n2/3] ・・ ・ (I) (ここで、r、r; 繊維A群、繊維B群の半径
(mm) L、L; 繊維A群、繊維B群の繊維長(mm) n、n;複合材の1m当りの繊維A、繊維Bの繊
維本数)
【0020】[コンクリートの割裂引張強度 MPa]
JIS A1113に準拠して、得られたコンクリート
の割裂引張強度試験を実施し、コンクリートの割裂引張
強度を求めた。
【0021】[コンクリートの乾燥収縮ひび割れ幅 m
m]得られたコンクリートの乾燥収縮ひび割れ測定用供
試体を打設後1日間、940mm×170mm×100
mmの拘束型枠内で養生を行った後、温度20℃、湿度
60%に保たれた恒温恒湿度室内にて乾燥を開始し、乾
燥収縮試験および収縮ひび割れ試験を実施した。なお、
上記拘束型枠の拘束板にはゲージ長5mmの箔ゲージを
貼り付け、拘束板のひずみの変化によりひび割れ発生時
を確認した。また、ひび割れ幅の観測には最小目盛り
0.02mmのマイクロスコープを用いた。
【0022】コンクリートは表1に示したL配合、H配
合の2種の配合のコンクリートを用いた。表1に示した
L配合、H配合とはJIS A1108に準拠して圧縮
強度試験を実施した時の、繊維を混入していないコンク
リートの材齢28日での圧縮強度が30MPaの時の配
合をL配合とし、50MPaの時の配合をH配合とし
た。使用する繊維としては表2に示すように、繊維A1
として繊度4444dtexの(株)クラレ製ビニロン
繊維RF4000×30mm(繊維径660μm、繊維
長30mm)、繊維B1として、繊度100dtexの
(株)クラレ製ビニロン繊維REC100L(繊維径1
00μm、繊維長12mm)を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】[実施例1〜3、比較例1〜3]表1に示
したL配合、H配合のコンクリートをそれぞれ練り混ぜ
て、繊維A1と繊維B1を、その混合割合を変化させて
混入した。それらの繊維有効側面積を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表1のH配合のコンクリートに表2の繊維
を混入した場合の、各材齢における割裂引張強度を測定
した。試験結果を表3に示す。表3から繊維A1と繊維
B1とが混合され、添加された繊維有効側面積が900
0mm以上のコンクリートは繊維が添加されていない
コンクリートや、繊維A1あるいは繊維B1が単独で添
加された、繊維有効側面積が9000mmよりも小さ
いコンクリートに比べ、割裂引張強度が高かった。
【0027】
【表3】
【0028】表1のH配合のコンクリートに表2の繊維
を混入した場合の、各材齢における乾燥収縮ひび割れ幅
を測定した。試験結果を表4に示す。表4から繊維A1
と繊維B1とが混合され、添加された繊維有効側面積が
9000mm以上のコンクリートは繊維が添加されて
いないコンクリートや、繊維A1あるいは繊維B1が単
独で添加された、繊維有効側面積が9000mmより
も小さいコンクリートに比べ、乾燥によるひび割れが生
じにくく、またひび割れが生じても繊維が添加されてい
ないコンクリートや、繊維A1あるいは繊維B1が単独
で添加されたコンクリートに比べ乾燥収縮ひび割れ幅は
小さく、すなわち、繊維A1と繊維B1とが混合され、
添加された繊維有効側面積が9000mm以上のコン
クリートは繊維が添加されていないコンクリートや、繊
維A1あるいは繊維B1が単独で添加された、繊維有効
側面積が9000mmよりも小さいコンクリートに比
べ耐ひび割れ性に優れているといえる。
【0029】
【表4】
【0030】[鉄筋コンクリート供試体の繰り返し荷重
下におけるひび割れ進展試験]表1のH配合のコンクリ
ート、および表2の繊維を用い、125mm×200m
m×1700mmの矩形断面の鉄筋コンクリート供試体
を用いた。主鉄筋および上部鉄筋にはそれぞれD16お
よびD8の異形鉄筋を、スターラップにはD10の丸鋼
を用いた。スターラップは供試体端部からそれぞれ4本
ずつ等間隔に配筋した。主鉄筋及び上部鉄筋は供試体上
部より、それぞれ19mmおよび177mmの位置に配
筋し、繰り返し荷重下におけるひび割れ進展試験を行っ
た。繰り返し荷重は、終局荷重の10%および60%
(10kNおよび60kN)を最小荷重および最大荷重
とし、1分間に300回(5Hz)載荷した。支点間の
距離は1500mmとした。鉄筋コンクリート供試体に
発生したひび割れは最小目盛0.02mmのマイクロス
コープを用い、ひび割れ幅は供試体に60kNの荷重を
載荷した状態で供試体最下部の位置で測定した。
【0031】繰り返し荷重下の鉄筋コンクリート供試体
に生じた全ひび割れ幅の平均値を表5に示す。繊維が混
入していない場合では、70万回で破壊に至り、表2の
ビニロン繊維を混入した場合は80万回でも破壊に至る
ものはなかった。また繊維A1と繊維B1とを混合し、
添加された繊維有効側面積が9000mm以上のコン
クリートの80万回後のひび割れ幅は、繊維A1あるい
は繊維B1が単独で添加された、繊維有効側面積が90
00mmよりも小さいコンクリートの60万回後のひ
び割れ幅と同等かそれよりも小さく、すなわち、繊維A
1と繊維B1とを混合し、添加された繊維有効側面積が
9000mm以上のコンクリートは繊維を添加してい
ないコンクリートや繊維A1あるいは繊維B1が単独で
添加された、繊維有効側面積が9000mmよりも小
さいコンクリートに比べて耐疲労性に優れているといえ
る。
【0032】
【表5】
【0033】[実施例4〜6、比較例4〜5]繊維A2
として繊度1500dtexである(株)クラレのビニ
ロン繊維RF1500(繊維径400μm、繊維長24
mm)、繊維B2として繊度が200dtexである
(株)Fibermesh社製のポリプロピレン繊維Fibermesh M
D(繊維径131μm、繊維長19mm)を用いて上記
と同様の試験を実施した。Fibermesh MD はテープ状ヤ
ーンであるので、混練後のフィブリルの厚さと幅の実測
値から表面積を算出した。結果を表4に示す。表4から
明らかなように繊維A2と繊維B2とが混合され、添加
された繊維有効側面積が9000mm以上のコンクリ
ートは繊維A2あるいは繊維B2が単独で添加された、
繊維有効側面積が9000mmよりも小さいコンクリ
ートに比べて、乾燥収縮のひび割れの幅が小さく、また
60万回繰り返し載荷後のひび割れ幅においても、繊維
A2と繊維B2とが混合され、添加された繊維有効側面
積が9000mm以上のコンクリートは繊維A2ある
いは繊維B2が単独で添加された、繊維有効側面積が9
000mmよりも小さいコンクリートに比べて優れて
いた。
【0034】
【表6】
【0035】
【発明の効果】本発明の、繊維径と長さの異なる2種類
以上の有機繊維を、特定の混合割合でモルタルあるいは
コンクリートに混入することによって、ひび割れ分散性
および耐疲労性に優れた水硬性混練成形体を得ることが
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 忠 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 末森 寿志 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 滝沢 清 東京都中央区日本橋3丁目1番6号 株式 会社クラレ内 Fターム(参考) 4G012 PA24 PC14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径と長さの異なる2種類の有機短繊
    維A群および有機短繊維B群からなり、有機短繊維A群
    の繊維長>有機短繊維B群の繊維長であり、かつ該有機
    短繊維A群と該有機短繊維B群がA:B=70:30〜
    10:90の混合割合で含有する水硬性混練成形体であ
    って、該各繊維種の繊維1本当たりの表面積に水硬性混
    練成形体1m当たりの繊維本数の2/3乗を乗じて得
    られたものの総和が9000mm以上である水硬性材
    料混練成形体。
  2. 【請求項2】 有機短繊維A群および有機短繊維B群が
    下記の(1)〜(2)を満足する請求項1の水硬性材料
    混練成形体。 (1)有機短繊維A群の繊維径が200μm以上200
    0μm以下、繊維長が5mm以上60mm以下であるこ
    と、 (2)有機短繊維B群の繊維径が10μm以上150μ
    m以下、繊維長が4mm以上20mm以下であること、
  3. 【請求項3】 有機短繊維がポリビニルアルコール系繊
    維またはポリオレフィン系繊維である請求項1または請
    求項2の水硬性材料混練成形体。
JP2002135360A 2002-05-10 2002-05-10 水硬性混練成形体 Pending JP2003327462A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002135360A JP2003327462A (ja) 2002-05-10 2002-05-10 水硬性混練成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002135360A JP2003327462A (ja) 2002-05-10 2002-05-10 水硬性混練成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003327462A true JP2003327462A (ja) 2003-11-19

Family

ID=29697708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002135360A Pending JP2003327462A (ja) 2002-05-10 2002-05-10 水硬性混練成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003327462A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045688A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Nozawa Corp 押出成形セメント用組成物
JP2011084458A (ja) * 2009-09-15 2011-04-28 Taiheiyo Cement Corp セメント組成物
JP2016107577A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 新日鐵住金株式会社 設備基礎の補修方法
CN109023578A (zh) * 2017-06-08 2018-12-18 中国石油化工股份有限公司 建筑增强聚丙烯腈短切纤维及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045688A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Nozawa Corp 押出成形セメント用組成物
JP2011084458A (ja) * 2009-09-15 2011-04-28 Taiheiyo Cement Corp セメント組成物
JP2016107577A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 新日鐵住金株式会社 設備基礎の補修方法
CN109023578A (zh) * 2017-06-08 2018-12-18 中国石油化工股份有限公司 建筑增强聚丙烯腈短切纤维及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Mechanical, durability, and microstructural properties of macro synthetic polypropylene (PP) fiber-reinforced rubber concrete
Gao et al. Effect of shrinkage-reducing admixture and expansive agent on mechanical properties and drying shrinkage of Engineered Cementitious Composite (ECC)
Zhang et al. Investigation of mechanical properties of PVA fiber-reinforced cementitious composites under the coupling effect of wet-thermal and chloride salt environment
Çavdar Investigation of freeze–thaw effects on mechanical properties of fiber reinforced cement mortars
Ismail et al. Shear behaviour of large-scale rubberized concrete beams reinforced with steel fibres
EP0286112B1 (en) Synthetic fiber suited for use in reinforcing cement mortar or concrete and cement composition containing same
Wang et al. Ultra-lightweight engineered cementitious composite using waste recycled hollow glass microspheres
Zhang et al. Optimizing design of high strength cement matrix with supplementary cementitious materials
Beglarigale et al. Electrochemical corrosion monitoring of steel fiber embedded in cement based composites
Krishnaraja et al. Flexural performance of engineered cementitious compositelayered reinforced concrete beams
Weli et al. Effect of steel fibers on the concrete strength grade: a review
US20230391670A1 (en) Hybrid fiber reinforced cementitious material
WO2009075609A2 (en) Man-made mineral fibre for three-dimensional reinforcement of a cement product
Rustamov et al. Mechanical behavior of fiber-reinforced lightweight concrete subjected to repeated freezing and thawing
WO2006123632A1 (ja) 繊維補強された軽量セメント系硬化体
WO2006038225A2 (en) A reinforcing fiber for concrete, a flexible concrete and a method to prepare the concrete
Ibrahim et al. Influence of adding short carbon fibers on the flexural behavior of textile-reinforced concrete one-way slab
JP4817304B2 (ja) 繊維補強モルタル又は繊維補強コンクリート、及びそれを用いてなる法枠の施工方法
JP2003327462A (ja) 水硬性混練成形体
Chella Gifta et al. Study on energy absorption capacity of steel–polyester hybrid fiber reinforced concrete under uni-axial compression
Muthupriya et al. Experimental investigation on high performance reinforced concrete column with silica fume and fly ash as admixtures
JP2003128452A (ja) 短繊維補強セメント系押出成形材料
JPS598664A (ja) 繊維補強セメントモルタル及びコンクリ−ト組成物
JPH08218220A (ja) 補強用に適した太繊維
Benaissa et al. Properties of fibred sand concrete sprayed by wet-mix process

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040921

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070925