JPH10251920A - 芯鞘型複合繊維及びそれを用いてなる成型物 - Google Patents

芯鞘型複合繊維及びそれを用いてなる成型物

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JPH10251920A
JPH10251920A JP5725497A JP5725497A JPH10251920A JP H10251920 A JPH10251920 A JP H10251920A JP 5725497 A JP5725497 A JP 5725497A JP 5725497 A JP5725497 A JP 5725497A JP H10251920 A JPH10251920 A JP H10251920A
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JP
Japan
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fiber
sheath
core
melting point
component
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JP5725497A
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Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
Hisashi Suemori
寿志 末森
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応力によりひび割れ、亀裂が生じにくい繊維
及び該繊維を補強材として用いてなる成形物を提供す
る。 【解決手段】 芯成分が融点170℃以下のポリオレフ
ィン系樹脂、鞘成分が融点220℃以上のポリビニルア
ルコ−ル系ポリマ−からなる芯鞘型複合繊維及び該繊維
を補強材として用いてなる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補強用に適した複合繊維
及びそれを補強材として用いてなる成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水硬性硬化物、樹脂、ゴム等の補
強材として繊維が使用されており、特にポリビニルアル
コ−ル系繊維(PVA系繊維)は、他の汎用繊維、たと
えばナイロンやアクリル繊維等に比して高い引張強度及
び初期弾性率を有しており、また耐アルカリ性等にも優
れていることから、補強用繊維として広く使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的には、これらの
繊維(モノフィラメント,マルチフィラメント)を収束
して架台に固定した後、切断刃(ギロチンカッタ−等)
で押し切り切断して使用される。このとき、繊維の初期
弾性率が高いほど繊維の切断面が繊維軸方向に裂けて割
れやすく、特に繊維の繊度が大きいほどこの現象が顕著
に発生する。切断面に亀裂が生じた繊維は、互いに絡み
合ってファイバ−ボ−ルが発生しやすく、被補強材中で
の分散性も低いものとなる。本発明の目的は、応力が加
わっても亀裂等が生じにくく、特に補強効果及び均一分
散性に優れた繊維及び該繊維を用いてなる成形物を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯成分が融点
170℃以下のポリオレフィン系樹脂、鞘成分が融点2
20℃以上のポリビニルアルコ−ル系ポリマ−からなる
芯鞘型複合繊維および該繊維を補強材として用いてなる
成形物に関する。本発明によれば、繊維切断時等に加わ
る応力が芯成分に吸収され、その結果繊維断面に亀裂が
生じにくくなるため高品質の繊維となり、特に均一分散
性及び補強効果に優れたものが得られる。
【0005】鞘成分を構成するPVA系ポリマ−は特に
限定されないが、製造工程上及び繊維の機械的強度の点
からは融点220℃以上、特に225℃以上のものが好
ましい。融点の上限は特に限定されないが、融点260
℃以上のPVAは一般的でない。また、耐熱性、機械的
強度等の点からPVA系ポリマ−の重合度は500〜2
4000、特に1000〜6000が好ましく、ケン化
度99モル%以上、特に99.5モル%以上のものが好
ましい。またエチレン、アリルアルコ−ル、イタコン
酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、アリ−
ルスルホン酸、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエス
テル、ピニルピロリドンなどの変性ユニットにより変性
されたものでもよい。変性ユニットの導入方法は共重合
でも後反応でもかまわない。変性ユニットは30モル%
以下、特に1モル%以下とするのが好ましい。
【0006】また芯成分を構成する樹脂は、融点が17
0℃以下のポリオレフィン系樹脂であれば特に限定され
ず、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げら
れる。鞘成分を構成するPVA系ポリマ−の融点よりも
50〜150℃低い融点を有するポリマ−を用いるのが
好ましく、紡糸性の点からは融点100〜150℃のポ
リマ−を用いるのが好ましい。かかる融点を有するポリ
マ−は、延伸時にほぼ完全に溶融して繊維の延伸性を損
なわないため機械的性能に優れた繊維が得られ、また複
合繊維とした場合における芯成分の初期弾性率が極めて
低くなるため、応力を吸収するクッション材として優れ
た効果が得られる。なかでも低圧法ポリエチレンが好ま
しく、分子量は12000〜40000、融点は110
〜140℃であるのが好ましい。
【0007】すなわち、PVA系ポリマ−を鞘成分とす
る複合繊維を製造する場合、PVA系ポリマ−が延伸可
能な温度、具体的にはPVA系ポリマ−の融点より5〜
10℃程度低い温度で延伸する必要があり、かかる延伸
により鞘成分は配向結晶化が進行して機械的性能が向上
する。一方、芯成分は延伸時にほぼ完全に溶融して結晶
配向化が進行せず機械的性能(初期弾性率等)の極めて
低いものとなる。従って、複合繊維に応力が加わると芯
成分はクッション材としての効果を発揮して応力を吸収
し、PVAに応力が集中して繊維断面に亀裂が生じるの
を効率的に抑制することができる。本発明において芯成
分として用いるポリオレフィン系樹脂の融点はPVA系
ポリマ−の紡糸温度と近似であるためPVAと同一の紡
糸条件が採用でき、またクッション効果の高いものとな
る。また本発明で使用するポリマ−に、必要に応じて酸
化防止剤、蛍光増白剤、安定剤等の添加物を配合しても
よい。
【0008】複合繊維の機械的強度、亀裂発生の抑制の
点から、芯鞘比は芯/鞘=2/1〜1/2、特に3/2
〜2/3であるのが好ましい。芯鞘比は計算器で吐出量
を調整することにより調整でき、得られた複合繊維の横
断面における各成分の面積からも算出できる。芯の数は
1〜10、特に1〜3であるのが好ましく、本発明の効
果を損なわない範囲で芯成分が繊維表面に露出していて
もかまわない。単繊維強度は6g/d以上、ヤング率は
200g/d以上であるのが好ましい。たとえば補強材
として用いる場合、複合材料の曲げ強度を向上させるた
めにはクラック発生後強度向上に役立たなければなら
ず、繊維の機械的性能が高ければ高いほどその補強性、
ひび割れ抵抗性が高くなる。繊維の強度を高くするため
には、たとえばポリマ−の重合度や延伸倍率を高める方
法が挙げられる。本発明においては、芯成分の融点が低
いために芯成分が容易に溶融し、太デニ−ル繊維であっ
ても延伸性は損なわれず、機械的性能に優れたものが得
られる。通常、機械的性能の低い成分が含まれると繊維
そのものの性能も低下するが、本発明においては繊維の
延伸性が向上するため性能の優れた繊維が得られる。
【0009】一般にPVA系繊維は熱延伸により配向結
晶化が促進されて高い繊維強度及び初期弾性率を有して
いるため補強用繊維等として好適であるものの、機械的
性能が高いために切断に大きな応力が必要であり、切断
時には繊維断面方向の配向結晶化が進行していない特定
部に応力が集中して繊維構造が破壊され、さらに繊維軸
方向に亀裂が進行する問題があり、特に太デニ−ル繊維
においては亀裂が生じやすい問題があった。以上のこと
から、本発明においては繊維の繊度が大きいほど(具体
的には50〜10000d程度)顕著な効果が得られ、
該繊維は補強繊維としても優れた性能を有している。特
に1000〜8000dの繊維は補強効果及び分散性に
優れている。
【0010】本発明の繊維を切断して補強材として用い
る場合、補強性、分散性の点からアスペクト比10〜4
00、特に30〜150とするのが好ましい。なお本発
明にいうアスペクト比とは、繊維長を該繊維の横断面積
に相当する円の直径で除したものである。
【0011】以下に本発明の繊維の好適な製造方法を説
明する。まず、PVA系ポリマ−を濃度40〜60重量
%の含水チップ状物として鞘側の押出機にて加熱溶解し
て計算器へ導液する。一方の芯成分を構成するポリマ−
(芯ポリマ−)を芯側の押出機にて加熱溶融して計算器
へ導液する。それぞれの計算器で好ましくは芯鞘比が2
/1〜1/2となるように調整して芯鞘複合ノズルより
加温された空気浴(芯成分がPEの場合は70〜100
℃とするのが好ましい)に吐出して紡糸する。PVA系
繊維の紡糸方法としては、一般的に湿式紡糸方法が採用
されているが、単繊維デニ−ル50d以上のような太デ
ニ−ル繊維を紡糸する場合には、凝固浴に吐出された太
い紡糸原液流から溶媒を除去することが難しく、湿式紡
糸方法を採用することは困難である。ノズル孔は円形で
あっても、円形以外の異形、たとえば偏平状、十字型、
T字型、Y字型、L字型、三角型、四角型、星型等いず
れの形状を有していてもよい。繊維を補強用に用いる場
合には、マトリックスとの接着性の点から異形断面繊維
とするのが好ましい。
【0012】吐出された糸篠をほぼ絶乾状態まで乾燥す
る。乾燥時に発泡することを防ぐために100℃未満の
温度条件とし、ある程度まで乾燥されてから100℃以
上の温度条件として絶乾させるのが好ましい。乾燥後に
延伸されるが、鞘成分を構成するPVA系ポリマ−の融
点の5〜10℃程度低い温度を採用するのが好ましい。
具体的には延伸炉温度は200〜250℃、特に220
〜240℃とするのが好ましい。延伸倍率は5倍以上、
特に6倍以上、特に10倍以上とするのが好ましく、熱
風式延伸炉内で約20秒〜3分間の時間をかけて行うの
が好ましい。
【0013】通常、芯鞘複合繊維を延伸する場合、繊維
が太いほど繊維の内部と外部の温度が不均一になり良好
な延伸を行いにくいが、本発明においては芯成分として
融点の低い熱可塑性樹脂を用いているため、延伸初期に
おいて芯成分が溶融状態となり、鞘成分のPVAが延伸
可能温度となれば延伸が開始されるため、延伸性を著し
く改善できる。具体的には従来の太繊度PVA繊維では
困難であった10倍以上の延伸倍率で延伸を行うことが
できる。従って、一般に機械的性能の低い成分が含まれ
ると繊維性能も低下するが、本発明においては延伸性が
より向上するため芯成分の機械的性能は低いものの繊維
自体の機械的性能は損なわれず補強材等として優れた繊
維が得られる。また延伸時に芯成分がほぼ完全に溶融す
るため、延伸工程で結晶配向化が進行せず機械的性能の
低いものとなるが、これにより優れたクッション効果を
呈するため応力による亀裂発生等を効果的に抑制でき
る。延伸された繊維は必要により定長または弛緩状態で
熱処理を行うことができ、必要に応じて油剤を付与して
もよい。
【0014】本発明の繊維は応力に対して優れたクッシ
ョン効果を有しており、また繊維切断時にも亀裂が生じ
にくいために、衣料用、産業資材用等のあらゆる用途に
使用することができ、フィラメント状、カットファイバ
−状、または織物、編物、不織布等の布帛に加工して使
用できる。なかでも樹脂補強用、ゴム補強用等の補強用
繊維として用いるのが好ましく、特にコンクリ−ト等の
水硬性物質の補強材として最適である。本発明で得られ
る繊維を補強材として使用すれば優れた成型物が得られ
るが、その成型方法は特に限定されない。例えば加圧成
型法、振動成型法、振動及び加圧併用成型法、遠心力成
型法、抄造成型法、巻取成型法、真空成型法、そして押
出し成型法等に利用できる。勿論、左官材料として塗り
付けて物品(成型物)を製造してもかまわない。
【0015】フィラメント状の使い方としては繊維軸方
向に応力のかかるものに好適に利用でき、フィラメント
ワインディング、板状成型品、厚板板状成型品、鉄筋入
成型品等に用いられる。又織布、ネット、不織布として
板状成形品、円筒状成形品等に利用することが可能であ
る。織物、編物等の布帛に加工したものを補強材として
用いてもかまわないが、本発明の繊維は均一分散性に優
れていることから、カットファイバ−状で用いた場合に
より顕著な効果が発揮される。補強性及び均一分散性の
点から、マトリックスの0.01〜10vol%、特に
0.1〜5vol%配合するのが好ましい。更に本発明
以外の繊維や分散助剤としてのパルプを併用してもよ
い。
【0016】本発明に好適に使用されるマトリックスと
しては、先に述べたようにセメント等の水硬性物質が挙
げられるが、好適なセメントとしては、通常のポルトラ
ンドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルト
ランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、亜硫酸
塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等
が挙げられる。その他、高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント、アルミナセメント、膨脹
セメントなどが挙げられる。石膏スラグ系、マグネシア
系の水硬性物質を使用してもよい。
【0017】骨材としては、細骨材として川、海、陸の
各砂、破砂、砕石等が用いられる。粗骨材としては、ぐ
り石や破石などが用いられる。また人工の軽量骨材ある
いは充填材としての鉱けい、石灰石、その他発泡パ−ラ
イト、発泡黒よう石、炭カルバ−ミュライト、シラスバ
ル−ン等の使用も可能である。混和剤としては、空気連
行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤撥
水剤、膨脹剤なども混合使用することも可能である。硬
化促進剤として従来から使用されている芒硝、石膏、炭
酸ナトリウム、炭酸カルシウム、トリエタノ−ルアミン
および塩化カルシウムなども用いることができる。急結
剤としては、珪酸ソ−ダ、重クロム酸カリウム、ケイフ
ッ化ソ−ダなどが用いられ、吹付工法、ひび割れ補修等
に炭酸ソ−ダ、アルミン酸ソ−ダのような粉末急結剤を
主成分とする混和剤を用いることも可能である。凝固遅
延剤であるリグンスルホン酸塩系、オキシカルボン酸
系、または無機系のケイフッ化マグネシウム、リタ−ル
等を用いることができる。
【0018】かかる水硬性成形物の具体例としては、セ
メント瓦、厚形スレート、波形石綿スレート、石綿セメ
ント板及びその二次製品、石綿パーライト板、水道用石
綿セメント管、パルプセメント板、パルプセメント管、
石綿セメント円筒、木毛及び木片セメント板、コンクリ
ート板、コンクリートブロック人造石、モルタル板、テ
ラゾブロック、テラゾタイル、鉄筋コンクリート組立
塀、コンクリートプレハブ部材、プレストレスコンクリ
ートダブルTスラグ、等構造材、矢板又は鉄筋コンクリ
ート矢板、プレストレスコンクリート矢板、遠心鉄筋コ
ンクリート基礎ぐい、鉄筋コンクリート管、遠心鉄筋コ
ンクリート管、遠心鉄筋コンクリートポール、等セメン
ト・石応用使用することもできる。
【0019】また土木関係に用いられるものとしては道
路舗装材料があり、例えば一般道路の舗装、高速道路、
滑走路、オーバレイ、歩道橋の舗装、橋床の舗装、それ
らの補修材又は歩道用板等に利用できる。コンクリ−ト
道路舗装等として用いた場合、鉄骨の使用量及びコンク
リ−ト板の厚さを減じることができ、工期の短縮及び原
材料の節減が可能となる。又成形型枠として用いる型
枠、捨型枠にも利用できる。パイプ類としては遠心成型
による遠心力鉄筋コンクリ−トがあり、その他ソケット
付きスパンパイプ、ロ−ル転圧鉄筋コンクリ−ト管、無
筋コンクリ−ト管、コア−式プレストレスコンクリ−ト
管、水道用セメント管、下水管、電らん管、ケーブルダ
クト、灌漑排水用製品等に使用することもできる。又道
路部材としては防音材、道路標識、舗装補強材、側溝、
トンネル内装材、パイル等に利用できる。
【0020】また吹付工法(方面保護、トンネル内壁
等)に使用した場合、薄く吹き付けるのみでその曲げ強
度を大きく高めることができ、さらにPVA系繊維等の
親水性繊維を使用した場合には吹付時のリバンウンドを
抑制できる。また左官用モルタルとして使用してもよ
く、機械用基礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器
等として用いてもよい。建築関係部材としては外装材料
があり、それらはシエル構造物、カーテンウオール外壁
パネル、スレート等の屋根材、パラペット、スパンドレ
ル、外装レリーフに用いることができる。又内装材料と
しては壁材、レリーフ、床材、天井材に利用することが
できる。その他型枠、捨て型枠、床板、はり、機械台基
礎、原子炉圧力容器、液化石油ガスの容器、建築物内の
間仕切り、階段材料があげられる。
【0021】海洋又は漁業部材としては船舶用機材、ボ
ート等フエロセメント用セメント材料とすべく薄いシエ
ル構造物、組成物に用いるもの、浮子・浮桟橋、漁礁、
テトラポット等消波ブロック、護岸ブロックに利用でき
る。農業、畜産関係部材としてはタンク、サイロ、苗
床、フエンスポット、鉢、フラワーポット、側溝等の矢
板等に利用できる。その他放射性物質等廃棄物処理用の
容器等の材料に使用することができる。以下更に本発明
を実施例により説明するが、本発明は実施例により何等
限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
[融点]パ−キンエルマ−社製DSC−2型を用い、試
料約10mgをアルミニウムパンに充填してアルミニウ
ム蓋でシ−ルし、窒素雰囲気中で昇温速度10℃/mi
nの条件で室温より加熱して270℃までのDSC曲線
をチャ−ト上に記録し、得られたDSC曲線から読み取
れる融解吸熱ピ−ク温度(Tm)を融点として求めた。 [繊維強度 g/d、初期弾性率 g/d]予め温度2
0℃、相対湿度65%の雰囲気下で5日間繊維を放置し
て調湿したのち、単繊維をゲ−ジ長さから20mmとな
るように台紙に貼り付け、引張速度10mm/分として
測定する。繊維長が20mmより短い場合は、そのサン
プルの長さを把持長として測定することとする。
【0023】[亀裂]得られたモノフィラメントを50
〜60本収束してギロチンカッタ−(余田機械製作製)
で繊維長30mmに切断し、切断した単繊維100本の
切断面を拡大顕微鏡(×10倍)で観察し、その亀裂の
生じた繊維の本数で評価した。 [ひび割れ強力(LOP) kg,破壊強力(MOR)
kg]養生後厚さ5cm、幅5cm、長さ24cmに
切り出したものをテストピ−スとし、スパン10cm、
中央載荷方式にてインストロンTTCMを用いて、荷重
〜タワミ曲線を作成し、該曲線からひび割れ強度(LO
P)、破壊強度(MOR)を求めた。なおひび割れ強度
は荷重〜タワミ局繊維において荷重とたわみが比例関係
を有する最大の荷重の値をいう。
【0024】[均一分散性]繊維の分散性を観察するた
めJIS−A1103に準じてモルタルを20メッシュ
の金網に採り、水中にてセメント、砂を洗い落とし、金
網上の繊維の分散状態を肉眼観察した。繊維同志の絡み
合いが極めて小さく良好に分散しているものを○、繊維
同志が若干絡んでいるものを△、繊維塊(ファイバ−ボ
−ル)がみられるものを×として評価した。 [モルタル組成] 配合組成:セメント(小野田社製 早強セメント) 3kg 細骨材 (石見珪石 6.5号) 3kg 高性能減水剤 (花王製 マイテイ150)30g 水 1.11kg 繊維 1vol%
【0025】[実施例1]平均重合度1700、ケン化
度99.9モル%、PVA(融点226℃)を水洗、脱
水してPVA濃度が50重量%となるように調湿してチ
ップを作成する。これを温度125℃に加熱された鞘側
の押出機に投入して加熱溶解後、計量器へ導液した。一
方平均分子量30000のPE(融点120℃)を12
5℃に加熱された芯側の押出機に投入して加熱溶融後計
量器へ導液する。それぞれの計量器で芯鞘比1/1にな
るように調整して芯鞘型複合ノズル(直径4mmの丸型
ノズル)より90℃の空気中に吐出した。そして、60
−120−220℃の3段の昇温空気中で絶乾状態まで
乾燥し、延伸炉内温度235℃の熱風式延伸炉内で延伸
倍率13倍の条件下で延伸を行った。得られた繊維は繊
度4010デニ−ル、引張強度7.5g/d、初期弾性
率238g/dであった。続いて得られたモノフィラメ
ントを50〜60本収束してギロチンカッタ−(余田機
械製作製)で繊維長30mmに切断した。切断した単繊
維100本の切断面を拡大顕微鏡(×10倍)で観察し
たが、亀裂の生じたものはなかった。次に切断した単繊
維を50g取り、30×30cmの袋に入れて上下に5
0回(往復)振った後、平板に取り出してファイバ−ボ
−ルの有無を観察したが、ファイバ−ボ−ルは認めらな
かった。
【0026】またセメント及び細骨材をオムニミキサ−
にて2分間よく混合し、さらに水と添加剤を加えて2分
間混合した所定量の得られた繊維を添加して2分間混練
した。これを厚さ5cm、幅5cm、長さ24cmの型
枠へ流しこみ成形を行った。型枠成形後25℃×65%
RHの条件下で1昼夜放置後脱型し、さらに2週間気中
養生を行った。かかる成形物の機械的性能及び均一分散
性を評価した。結果を表1に示す。
【0027】[比較例1]芯側の押出機と計量器を停止
し、PVAのみから繊度4000dの繊維を製造した以
外は、実施例1と同一条件で紡糸を行ったが、延伸倍率
13倍では延伸断糸が発生するためやむおえず延伸倍率
を10倍に変更した。得られた繊維は、繊度4130
d、引張強度7.1g/d、初期弾性率202g/dで
あった。この繊維の横断面を実施例1と同様に観察した
ところ、100本中61本に亀裂、割れが認められた。
また実施例1と同様の方法でファイバ−ボ−ルの有無を
観察したところ、直径7cm程度のファイバ−ボ−ルが
発生していた。結果を表1に示す。
【0028】[比較例2]鞘側の押出機と計量器を停止
し、PEのみから繊維を製造し、延伸炉内温度115
℃、延伸倍率10倍に変更した以外は実施例1と同様に
行った。得られた繊維(4010d)は、切断したもの
も亀裂、割れはみられず、振り試験によってもファイバ
−ボ−ルは発生しなかったものの、引張強度4.1g/
d、初期弾性率68g/dであり、機械的性能の低いも
のであった。
【0029】[比較例3]芯成分として高密度ポリプロ
ピレン(融点187℃)を195℃に加熱された芯側の
押出機に投入して加熱溶融後計量器へ導液した以外は実
施例1と同様に行った。ノズル温度が140℃では芯成
分の高密度ポリプロピレンが固化して吐出できないた
め、やむおえずノズル温度を190℃に変更して複合紡
糸を行ったが、芯成分のPVAがノズル吐出直後に発泡
して紡糸筒内で断糸が発生して繊維化不能であった。
【0030】[参考例]繊維を配合しない以外は、実施
例1と同様に成形物を製造した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分が融点170℃以下のポリオレフ
    ィン系樹脂、鞘成分が融点220℃以上のポリビニルア
    ルコ−ル系ポリマ−からなる芯鞘型複合繊維。
  2. 【請求項2】 芯成分が融点170℃以下のポリオレフ
    ィン系樹脂、鞘成分が融点220℃以上のポリビニルア
    ルコ−ル系ポリマ−からなる補強用芯鞘型複合繊維。
  3. 【請求項3】 芯成分が融点170℃以下のポリオレフ
    ィン系樹脂、鞘成分が融点220℃以上のポリビニルア
    ルコ−ル系ポリマ−からなる芯鞘型複合繊維を補強材と
    して用いてなる成形物。
JP5725497A 1997-03-12 1997-03-12 芯鞘型複合繊維及びそれを用いてなる成型物 Pending JPH10251920A (ja)

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JP (1) JPH10251920A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010018928A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Unitika Ltd 熱成型用不織布及びこれを用いた熱成型方法
JP2016077188A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 株式会社クラレ 植物栽培用培地、並びにそれを用いた植物栽培装置および植物栽培方法
JP2021127669A (ja) * 2020-02-17 2021-09-02 北陸電力株式会社 埋設物防護シート

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