JPH11131371A - 集束糸 - Google Patents

集束糸

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JPH11131371A
JPH11131371A JP29808097A JP29808097A JPH11131371A JP H11131371 A JPH11131371 A JP H11131371A JP 29808097 A JP29808097 A JP 29808097A JP 29808097 A JP29808097 A JP 29808097A JP H11131371 A JPH11131371 A JP H11131371A
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JP
Japan
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denier
fiber
fibers
single fiber
bundling
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JP29808097A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
Hisashi Suemori
寿志 末森
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強性及び耐折損性に優れた集束糸を提供す
る、 【解決手段】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
以上の繊維を、高分子集束剤により集束してなる総デニ
−ル2000デニ−ル以上の集束糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補強材として好適な集
束糸、さらに該集束糸を用いてなる補強材及び水硬性硬
化体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維を補強材等として用いること
が検討されており、たとえばマトリックス中における均
一分散性を高めるために太デニ−ル繊維を用いることが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな太デニ−ル繊維は、繊維直径が大きいために繊維あ
たりの見掛けの弾性率が大きいことから、繊維に曲げ応
力が加わると容易に折損しやすく、特に粗骨材(砂利石
等)との混練中に折損しやすい問題がある。さらに補強
材として用いた場合、マトリックス中で湾曲して存在す
る繊維は応力が加わると容易に折損しやすく繊維本来の
性能が十分発揮されにくい。繊維の折損を防ぐために、
繊維デニ−ルを小さくすることは有効な手段であるが、
アスペクト比(繊維長を繊維直径で除した値)が大きく
なって、マトリックス中での均一分散性が大きく低下す
るために結局補強効果は不十分となりやすい。特に水硬
性硬化体においては、細デニ−ル繊維を配合するとモル
タル・コンクリ−ト等の流動性が損なわれ、混練が困難
になったり繊維塊(ファイバ−ボ−ル)が発生しやす
い。また繊維伸度を増大させたり、初期弾性率を低下さ
せることにより繊維の折損を抑制できるが、この場合、
繊維強度もともに低下するために補強効果も低下するこ
ととなる。本発明の目的は、以上の問題を鑑み、補強効
果に優れ、しかも折損しにくい補強材として好適な太デ
ニ−ル糸及び該糸を用いてなる水硬性硬化体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 単繊
維デニ−ル100〜1500デニ−ル、単繊維強度6g
/d以上、初期弾性率200g/d以上の繊維を、高分
子集束剤により集束してなる総デニ−ル2000デニ−
ル以上の集束糸、(2) 単繊維デニ−ル100〜15
00デニ−ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率2
00g/d以上の繊維を、高分子集束剤により集束して
なる総デニ−ル2000デニ−ル以上の補強用集束糸、
(3) 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−ル、単
繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d以上の
繊維を、高分子集束剤により集束してなる総デニ−ル2
000デニ−ル以上の集束糸からなる水硬性硬化体用補
強材、(4) 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
以上の繊維を、温水溶出率10重量%以下の親水性分子
集束剤により集束してなる総デニ−ル2000デニ−ル
以上の集束糸からなる水硬性硬化体用補強材、(5)
単繊維デニ−ル100〜1500デニ−ル、単繊維強度
6g/d以上、初期弾性率200g/d以上の繊維を、
高分子集束剤を用いて集束してなる総デニ−ル2000
デニ−ル以上の集束糸を補強材とする繊維補強水硬性硬
化体、に関する。本発明においては、折損の生じにくい
比較的細デニ−ルの単繊維を用いて太デニ−ル糸として
いるため、施工性、補強効果等を損なうことなく優れた
耐折損性が得られる。
【0005】本発明においては、引張強度6g/d以
上、初期弾性率200g/d以上の単繊維を用いる必要
があり、好適には引張強度7g/d以上、初期弾性率2
50g/d以上である。引張弾性率、初期弾性率等の低
い繊維は補強効果等が不十分となる。また単繊維デニ−
ルは100〜1500デニ−ル、好ましくは200〜1
000デニ−ル、特に好ましくは250〜500デニ−
ルとする。単繊維デニ−ルが小さすぎると単繊維を引き
揃えることが困難となり、引き揃えが不十分であると各
繊維の有する機械的性能が十分に活用できない。また各
単繊維間で集束剤の付着斑が生じやすいため、混練時等
に解繊が発生して施工性等が低下しやすい。特に集束糸
の総デニ−ルを所望の値にするために集束本数を多くす
ると、この傾向は顕著になる。逆に単繊維デニ−ルが大
きくなりすぎると、集束糸を曲げた際に圧縮側と引張側
の歪みが大きくなって繊維が折損しやすくなるため、本
発明の目的が達成されない。本発明の集束糸には本発明
で規定した繊維以外の単繊維が含まれていてもかまわな
いが、用いる繊維の20重量%以下、さらに10重量%
以下であるのが好ましい。
【0006】本発明に使用できる繊維の種類は特に限定
されず、たとえばポリエステル系繊維(ポリアリレ−ト
系繊維を含む)、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコ−
ル系繊維、パラアラミド系繊維、メタアラミド系繊維等
の有機合成繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維
等の無機繊維が使用できる。なかでも機械的物性、耐ア
ルカリ性等の諸性能に優れていることからポリビニルア
ルコ−ル(PVA)系繊維を用いるのが好ましく、水硬
性硬化体との親和性に優れていることから水硬性硬化体
の補強材として特に好適に使用できる。PVA系繊維の
製造方法は特に限定されず、たとえばこれまで知られて
いるような湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾湿式紡糸法によ
り製造されたPVA系繊維を用いれば良い。耐熱性、機
械的強度等の点からPVA系ポリマ−の重合度は500
〜24000、特に1000〜6000が好ましく、ケ
ン化度99モル%以上、特に99.5モル%以上のもの
が好ましい。またエチレン、アリルアルコ−ル、イタコ
ン酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、アリ
−ルスルホン酸、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエ
ステル、ビニルピロリドンなどの変性ユニットにより変
性されたものでもよい。変性ユニットの導入方法は共重
合でも後反応でもかまわない。変性ユニットは30モル
%以下、特に1モル%以下とするのが好ましい。
【0007】集束糸の総デニ−ルは2000デニ−ル以
上、好ましくは2500デニ−ル以上、特に好ましくは
3000デニ−ル以上である必要がある。総デニ−ルが
小さすぎるとマトリックス中での均一分散性等が不十分
となり、また機械的強度の不十分になりやすい。引揃
性、取扱性、耐折損性等の点からは8000デニ−ル以
下、特に6000デニ−ル以下とするのが好ましい。集
束本数は適宜設定すればよいが、5〜50本、特に8〜
20本程度にするのが、引揃性、耐折損性等の点で好ま
しい。
【0008】集束剤としては、メラミン樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂のような疎水性のエマルジョンやラテックス等
を用いてもかまわないが、集束糸を水硬性硬化体の補強
材として用いる場合等には、接着性等の点から集束剤と
して親水性集束剤を用いるのが好ましく、またこのとき
親水性高分子からなる繊維を用いるのがより好ましい。
この場合、繊維と集束剤、集束剤と水硬性材料との接着
性が高いために機械的性能に優れた硬化体が得られ、水
硬性硬化体にクラックが生じた後も「ぬけ」が生じず、
繊維がブリッジング効果を奏するためにより好ましい。
また本発明においては、集束糸が混練時等において集束
剤が溶解もしくは膨潤して解繊しないことが好ましいこ
とから、温水溶出率10重量%以下とするのが好まし
い。集束糸の温水溶出率は、集束糸2gを70℃の温水
200g(浴比100倍)に2時間浸漬した後、浴液を
採取して蒸発乾固を行い、蒸発残査からPVA溶出量を
求めることにより判断できる。
【0009】親水性集束剤としては、ビニルアルコ−ル
系ポリマ−、尿素−ホルマリン系化合物、デンプン等が
挙げられるが、なかでも機械的性能、耐アルカリ性等の
諸性能に優れていることから、親水性高分子集束剤とし
てビニルアルコ−ル系ポリマ−を用いるのが好ましい。
【0010】用いるビニルアルコール系ポリマーは特に
限定されないが、機械的性能、取扱性等の点から重合度
1000〜2500程度のものが好ましく、製膜性が高
く少量付着させることで強固に集束でき、さらに短時間
の加熱で容易に結晶化が進行して耐水性が向上すること
から、ケン化度99.5モル%以上のものが好適に使用
できる。勿論、他のモノマ−を共重合したものを用いて
もかまわない。集束剤の付着量は、耐折損性、集束効果
等の点から繊維重量の1〜20重量%程度(固体分)で
あるのが好ましい。
【0011】本発明では単繊維を用いて集束糸とする
が、集束方法は特に限定されない。工程性の点からは紡
糸時に集束を行うのが好ましいが、巻き取られた繊維を
撚掛け又は無撚集束する方法を採用してもかまわない。
集束剤の付与方法も特に限定されないが、工程性等の点
からは、集束した繊維を集束剤の入った槽中(集束剤含
有水溶液、エマルジョン、ラテックス等)に浸漬付着さ
せ、絞りロ−ルで含浸搾液し余分な集束剤を脱液するの
が効率的である。集束剤付与後に乾燥処理を施すことに
より、所望の集束糸を得ることができる。
【0012】以下、補強繊維としてPVA系繊維、集束
剤としてPVAを用いた場合を例に挙げてより詳細に説
明する。かかる集束糸は水硬性硬化体の補強材として優
れた性能を有している。集束剤を繊維に付与するときに
は、工程性、均一付着性等の点からPVAを水に溶解し
たものを用いるのが好ましく、処理液濃度は5〜10重
量%程度とするのが好ましい。繊維を集束して処理液を
付与した後に処理液(集束剤)を乾燥するが、乾燥温度
は90〜220℃、特に100〜200℃程度とするの
が好ましい。特に乾燥処理後に耐水性を高めるために連
続して200〜250℃程度で熱処理を行うのが工程性
の点で好ましく、さらに熱処理と同時にヤ−ンを5〜2
0%程度延伸し、ヤ−ンを引き揃えるのとともにPVA
の配向度を高めて機械的性能を高めるのが好ましい。こ
のとき、集束剤を付与していると延伸性が低下する問題
が生じやすいが、単繊維としてPVA系繊維、集束剤と
してPVAを用いている場合には、ともに同程度の延伸
性を有しているために良好に延伸を施すことができ、し
かも延伸により集束剤の膜強度が向上するとともに結晶
化度が高まるために相乗的に耐水性が改善される。乾燥
処理・熱処理は、熱風式炉内でそれぞれ20〜60秒間
程度行うのが好ましい。
【0013】本発明の集束糸は機械的性能、耐折損性等
の諸性能に優れていることから、衣料用、産業資材用等
のあらゆる用途に使用することができ、フィラメント
状、カットファイバ−状、または織物、編物、不織布等
の布帛に加工して使用できる。なかでも樹脂補強用、ゴ
ム補強用等の補強用繊維として用いるのが好ましく、特
にコンクリ−ト等の水硬性物質の補強材として最適であ
る。なかでも機械的性能、耐折損性及び均一分散性に優
れていることから、集束糸を適宜カットして補強材(水
硬性材料、ゴム、樹脂等)として用いるのが好ましい。
カット長はアスペクト比20〜300程度、特に40〜
150程度とするのが補強効果、均一分散性等の点で好
ましい。なお、本発明でいうアスペクト比とは、繊維長
を繊維横断面と同一の面積を有する円の直径で除した値
である。
【0014】本発明で得られる繊維を補強材として使用
すれば優れた成型物が得られるが、その成型方法は特に
限定されない。例えば加圧成型法、振動成型法、振動及
び加圧併用成型法、遠心力成型法、抄造成型法、巻取成
型法、真空成型法、そして押出し成型法等に利用でき
る。勿論、左官材料として塗り付けて物品(成型物)を
製造してもかまわない。
【0015】織物、編物等の布帛に加工したものを補強
材として用いてもかまわないが、本発明の繊維は均一分
散性に優れていることから、カットファイバ−状で用い
た場合により顕著な効果が発揮される。補強性及び均一
分散性の点から、マトリックスの0.01〜10vol
%、特に0.15〜5vol%配合するのが好ましい。
勿論、更に本発明の集束糸以外の繊維等と併用してもか
まわず、たとえば、汎用のPVA系繊維、アクリル系繊
維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、パルプ、木
綿、無機繊維(鋼繊維、耐アルカリガラス繊維、カ−ボ
ン繊維、アスベスト繊維)等を用いることができる。
【0016】また使用できる水硬性材料としては、たと
えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトラ
ンドセメント、白色ポルトランドセメント等が挙げら
れ、その他、高炉セメント、シリカセメント、フライア
ッシュセメントやアルミナセメント、膨脹セメントや、
石膏スラグ系やマグネシア系の水硬性無機物なども利用
できる。
【0017】さらに骨材等を併用することができ、細骨
材として川、海、陸の各砂、砕砂、砕石等、粗骨材とし
てぐり石や砕石などが用いられる。また人工の軽量骨材
あるいは充填材として石灰石、発泡パ−ライト、発泡黒
曜石、灰カルバ−ミキュライト、シラスバル−ン等の使
用も可能である。骨材を混合すると繊維に折損が生じや
すくなるが、本発明においては骨材が配合されている場
合であっても繊維の折損が効率的に抑制できるために好
適に適用できる。また、混和剤として空気連行剤(AE
剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤、撥水剤、膨
脹剤、硬化促進剤(芒硝、石膏、炭酸ナトリウム、炭酸
カルシウム、トリエタノ−ルアミン、塩化カルシウム
等)、急結剤(ケイ酸ソ−ダ、重クロム酸カリウム、ケ
イフッ化ソ−ダ等)などを混合使用することができる。
【0018】かかる水硬性成形物の具体例としては、セ
メント瓦、厚形スレート、波形石綿スレート、石綿セメ
ント板及びその二次製品、石綿パーライト板、水道用石
綿セメント管、パルプセメント板、パルプセメント管、
石綿セメント円筒、木毛及び木片セメント板、コンクリ
ート板、コンクリートブロック人造石、モルタル板、テ
ラゾブロック、テラゾタイル、鉄筋コンクリート組立
塀、コンクリートプレハブ部材、プレストレスコンクリ
ートダブルTスラグ、等構造材、矢板又は鉄筋コンクリ
ート矢板、プレストレスコンクリート矢板、遠心鉄筋コ
ンクリート基礎ぐい、鉄筋コンクリート管、遠心鉄筋コ
ンクリート管、遠心鉄筋コンクリートポール、セメント
等に適用できる。
【0019】また成形型枠として用いる型枠、捨型枠に
も利用できる。パイプ類としては遠心成型による遠心力
鉄筋コンクリ−トがあり、その他ソケット付きスパンパ
イプ、ロ−ル転圧鉄筋コンクリ−ト管、無筋コンクリ−
ト管、コア−式プレストレスコンクリ−ト管、水道用セ
メント管、下水管、電らん管、ケーブルダクト、灌漑排
水用製品等に使用することもできる。又道路部材として
は防音材、道路標識、舗装補強材、側溝、トンネル内装
材、パイル等に利用できる。
【0020】さらに一般道路及び飛行機滑走路を含める
コンクリ−ト道路舗装に特に好適に使用できる。すなわ
ち、補強効果、耐折損性、均一分散性に優れる本発明の
集束糸を用いることにより、鉄筋使用量やコンクリ−ト
板の厚さを減ずることができ、工期の短縮、原材料の削
減等に有効である。また吹き付け工法(法面保護工法、
トンネル内壁吹付)に用いた場合には、薄く吹き付ける
だけで優れた補強効果が得られ、特にPVA系繊維等の
親水性繊維を用いた場合には吹付時のリバウンドが小さ
くなる。また橋梁へ施工する場合にはコンクリ−ト部材
等の耐震部材として利用できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。 [繊維強度 g/d、初期弾性率 g/d]予め温度2
0℃、相対湿度65%の雰囲気下で5日間繊維を放置し
て調湿したのち、単繊維をゲ−ジ長さから20mmとな
るように台紙に貼り付け、引張速度10mm/分として
測定する。繊維長が20mmより短い場合は、そのサン
プルの長さを把持長として測定することとする。
【0022】[損傷度 %]各撹拌混合時間毎に、繊維
混合モルタルを100ml採取して、金網上で流水水洗
し、次いで繊維を取り出して、繊維が完全に折れちぎれ
ているものや、くの字に折れまがっている繊維の重量割
合を測定した。 モルタル組成: セメント(小野田社製 早強セメント) 383kg 粗骨材(寸法最大20mmの破石) 611kg 細骨材 (石見珪石5号) 916kg AE減水剤(竹中油脂製チュ−ポ−ルC) 0.04%/セメント 水 210kg 繊維 1vol%
【0023】[曲げ強度 kg/cm2 ]繊維損傷度試
験における混練時間5分のコンクリ−トを10cm×1
0cm×40cmの型枠へ流し込み、一昼夜20℃湿気
中で硬化させ、その後20℃の水中に28日間養生後、
島津製作所製の万能試験機RH−200型を用い、2等
分中央集中荷重(スパン30cm)によって応力−たわ
み曲線(図1参照)より、比例限界強度(LOP)、最
高破壊強度(MOR)及び曲げ靭性係数(タフネス)を
求めた。
【0024】[実施例1]PVA系単繊維(株式会社ク
ラレ製「1119」 350d、引張強度8.5g/
d、初期弾性率260g/d)12本を引き揃え、PV
A(重合度1700、ケン化度99.9モル%)10重
量%水溶液に浸漬脱液し、ヤ−ンに対してPVA付着量
8重量%(固形分)とした。これを160℃で30秒間
乾燥し、次いで230℃で30秒キュアリング(処理張
力2800g/ヤ−ン)して、ヤ−ンデニ−ル4310
デニ−ル、引張強度7.8g/d、初期弾性率268g
/dの集束糸を得た。これを長さ30mmに切断し、性
能を評価した。結果を表1に示す。
【0025】[実施例2]実施例1で用いたPVA系単
繊維を12本引き揃え、メラミン樹脂(大日本インキ社
製)25重量%水溶液に浸漬脱液し、ヤ−ンに対してP
VA付着量8重量%(固形分)とした。これを160℃
で30秒間乾燥し、次いで230℃で30秒キュアリン
グ(処理張力2800g/ヤ−ン)して、ヤ−ンデニ−
ル4300デニ−ル、引張強度7.5g/d、初期弾性
率266g/dの集束糸を得た。結果を表1に示す。
【0026】[比較例1]繊維を配合しない以外は実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。 [比較例2]重合度1700、ケン化度99.9モル%
のPVAを含む水溶液(PVA濃度50重量%、120
℃)を直径4mmの丸形ノズルより95℃の空気浴中に
吐出して乾式紡糸した。これを60℃−120℃−22
0℃の3段昇温空気浴中で絶乾状態まで乾燥し、その
後、235℃の長さ18mの熱風式延伸炉で8倍の延伸
を行い、単繊度4010デニ−ル、引張強度7.9g/
d、初期弾性率210g/dのモノフィラメント繊維を
製造した。結果を表1に示す。
【0027】[比較例3]PVA系繊維(株式会社クラ
レ製「5501」、単繊維デニ−ル1.8dr、引張強
度13.0g/d、初期弾性率280g/d)を200
0本引き揃え、実施例1と同様の処理を行って3890
デニ−ルの集束糸を得たが、引き揃えが不十分であるた
め、集束糸の引張強度は5.1g/d、初期弾性率は1
75g/dであった。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】比較例2においては集束糸ではなく極太フ
ィラメントを用いているため、均一分散性に優れている
ものの、混合により容易に折損が生じる。従って、比較
例1においては配合する繊維がもともと損傷し、しかも
繊維性能が低下しており、さらにLOP(コンクリ−ト
におけるクラック発生時点)において繊維が多数折損す
るため、LOP以降の強度が著しく低下し十分な補強効
果が得られていない。比較例3においては、単繊維デニ
−ルが小さく集束本数が多いため、引き揃えが不十分と
なり、その結果、繊維性能を効率的に活用できずに集束
糸の性能が低下くなっている。さらに単繊維間の接着斑
も発生しているため混練時に解繊が生じ、施工性が低下
すると同時にマトリックス中に繊維が均一分散していな
いために十分な補強効果は得られなかった。
【0030】一方、実施例1及び実施例2においてはL
OP以降も繊維が折損しにくいために強度が急激に低下
せず、特に実施例1においては補強繊維とマトリックス
の接着性が高いために「抜け」が生じずLOP以降にも
強度が向上しており、コンクリ−トにクラックが発生し
た後も優れた補強効果が奏されている。MOR以降のコ
ンクリ−ト供試体を観察すると、実施例1においては繊
維とマトリックスの接着性が高いために十分なブリッジ
ング効果が得られているため、コンクリ−ト破断時に繊
維も破断していたが、実施例2においては繊維とマトリ
ックスの親和性が低いために、繊維が破断する前に「抜
け」が生じるために多くの繊維は破断していなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例における応力−たわ
み曲線を示した図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
    ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
    以上の繊維を、高分子集束剤により集束してなる総デニ
    −ル2000デニ−ル以上の集束糸。
  2. 【請求項2】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
    ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
    以上の繊維を、高分子集束剤により集束してなる総デニ
    −ル2000デニ−ル以上の補強用集束糸。
  3. 【請求項3】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
    ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
    以上の繊維を、高分子集束剤により集束してなる総デニ
    −ル2000デニ−ル以上の集束糸からなる水硬性硬化
    体用補強材。
  4. 【請求項4】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
    ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
    以上の繊維を、温水溶出率10重量%以下の親水性分子
    集束剤により集束してなる総デニ−ル2000デニ−ル
    以上の集束糸からなる水硬性硬化体用補強材。
  5. 【請求項5】 単繊維デニ−ル100〜1500デニ−
    ル、単繊維強度6g/d以上、初期弾性率200g/d
    以上の繊維を、高分子集束剤を用いて集束してなる総デ
    ニ−ル2000デニ−ル以上の集束糸を補強材とする繊
    維補強水硬性硬化体。
JP29808097A 1997-10-30 1997-10-30 集束糸 Pending JPH11131371A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101230776B1 (ko) 2009-04-08 2013-02-06 코오롱인더스트리 주식회사 아라미드 펄프의 제조방법

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