JP2000053455A - 混練成形水硬性材料補強材及び混練成形体 - Google Patents

混練成形水硬性材料補強材及び混練成形体

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JP2000053455A JP10235799A JP10235799A JP2000053455A JP 2000053455 A JP2000053455 A JP 2000053455A JP 10235799 A JP10235799 A JP 10235799A JP 10235799 A JP10235799 A JP 10235799A JP 2000053455 A JP2000053455 A JP 2000053455A
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Atsuhisa Ogawa
敦久 小川
Hisashi Suemori
寿志 末森
Junichi Hikasa
純一 日笠
Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
Akio Omori
昭夫 大森
Masahiro Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一分散性、補強効果等の諸性能に優れた混
練成形水硬性材料補強材及び混練成形体を提供する。 【解決手段】 繊度5d以上、アスペクト比10〜50
0、破断伸度5g/d以上、伸度(A)6〜13%、屈
曲時強力利用率(B)35%以上、(B)≧(A)×4
の繊維を混練成形水硬性材料の補強材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は混練成形水硬性材料補強
材及び混練成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント、石膏等の水硬性材料の
補強材として繊維を用いることが検討されている。たと
えば特開昭54―31421号公報等には15〜25
d、強度9g/d以上、伸度5〜10%のビニロン繊維
を配合した繊維補強抄造セメント板が開示されている。
繊維及び水硬性材料を水に分散させてなるスラリーを抄
き上げる抄造法を採用する場合、繊維は2次元的に成形
体の広がり方向に配向するため効率的に補強効果を発揮
することができる。しかしながら、繊維をマトリックス
中に配合して均一混合する混練成形法を採用する場合、
繊維は3次元的にランダムに配向するため実際には十分
な補強効果を発揮することが難しく、靭性の高い混練成
形体を得ることは困難となる。
【0003】また特開昭56―125269号公報等に
は、1〜4d程度、8〜9g/d、伸度5〜6%のPV
A系繊維を用いた抄造セメント板及び混練成形体が記載
されている。該方法により得られる抄造成形体は優れた
性能を有しているものの、混練成形を行うと該繊維は細
径であるためファイバーボール等の問題が発生して十分
な補強効果が奏されない。さらに特開昭59―8664
号公報には100〜1000d、アスペクト比30〜1
50のPVA系繊維、また特開昭63―303837号
公報には1000〜9000d、アスペクト比20〜1
50のPVA系繊維を混練成形して得られる水硬性硬化
体が開示され、高強力高弾性率繊維が好ましいと示され
ている。しかしながら、単に高強力高弾性率繊維を用い
たりマトリックスとの接着性を高めるだけでは、混練成
形体が曲げ応力を受けるとPVA系繊維がその本来の強
度を十分発現する前に破断する傾向があることから、混
練成形体の靭性を十分に向上させることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、均一
分散性及び補強効果が顕著に改善された混練成形水硬性
材料補強材及び水硬性材料からなる混練成形体を提供す
ることにあり、さらに第1クラックが発生しにくいのみ
でなく第1クラック発生後においても高い応力を奏する
混練成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 繊度
5d以上、アスペクト比10〜500、破断強度5g/
d以上、伸度(A)6〜20%、屈曲時強力利用率
(B)35%以上、(B)≧(A)×4の繊維からなる
混練成形水硬性材料補強材、(2) 繊維がポリビニル
アルコール系繊維である(1)に記載の補強材、(3)
繊維の繊度が300〜6000d、アスペクト比が3
5〜100である(1)又は(2)に記載の補強材、
(4) 繊維の繊度が5〜100d、アスペクト比が2
0〜500である(1)又は(2)に記載の補強材、
(5) 繊度5d以上、アスペクト比10〜500、破
断強度5g/d以上、伸度(A)6〜20%、屈曲時強
力利用率(B)35%以上、(B)/(A)≧4の繊維
からなる補強材を水硬性材料に三次元的に均一に分散混
練後、成形させてなる水硬性材料からなる混練成形体、
(6) 繊維がポリビニルアルコール系繊維である
(5)に記載の混練成形体、(7) 繊維の繊度が30
0〜6000d、アスペクト比が35〜100である
(5)又は(6)に記載の混練成形体、(8) 繊維の
繊度が5〜100d、アスペクト比が20〜500であ
る(5)又は(6)に記載の混練成形体、に関する。
【0006】水硬性材料を混練成形すると、繊維補強材
はマトリックス中で一方向ではなく3次元的にランダム
に配向する。このとき、成形体に曲げ応力が加わると引
張方向と近似の方向に配向した繊維(繊維群a)は補強
効果を発揮しやすいものの、引張方向と異なった方向に
配向した繊維や屈曲した状態で存在する繊維(繊維群
b)は繊維性能を十分発揮する前に破断しやすい問題が
あり、特に引張方向に対して大きな角度で配向している
繊維はこの傾向が一層強くなる。
【0007】すなわち繊維群bの繊維に応力が加わる
と、引張方向及び引張力は同一繊維内で均一にならず特
定の部分に応力が集中することとなるが、繊維(特にP
VA系繊維)は折り曲げ応力に対して弱い、あるいは折
り曲げた状態における引張破断強力が小さい傾向がある
ため、補強効果を十分に発揮することなく容易に破断し
てしまうのである。従って、補強材を配合した水硬性硬
化体を引張破断すると、破断面では硬化体の引張方向と
は相違する方向に配向した繊維が多数破断していること
が観察される。
【0008】従来、繊維群aの挙動のみが集中的に検討
され、高度に延伸が行われた高強力低伸度の繊維が補強
材として好ましいとされてきたが、本発明は混練成形体
において優れた補強効果を得るためには繊維群aのみで
なく繊維群bの挙動を検討する必要があることを見出
し、伸度及び屈曲時強力利用率を特定の範囲とすること
に至ったものである。具体的には、本発明は、伸度
(A)6〜20%、屈曲時強力利用率(B)35%以
上、(B)/(A)≧4の繊維を補強材とするものであ
る。かかる補強材は、繊維群aのみでなく繊維群bにお
いても優れた補強効果を奏するものであり、該繊維を用
いることにより成形体の靭性は顕著に向上する。伸度及
び屈曲時強力利用率が上記範囲をはずれると、マトリッ
クスに繊維補強材を均一分散させた系では十分な補強効
果が得られない。
【0009】これまで繊維群aの補強効果にのみ検討が
加えられ、繊維群aの補強効果を高めるために高強力低
伸度の繊維が使用されていたが、伸度を小さくすると屈
曲時の強力利用率が低下する傾向があり、繊維群aは優
れた補強効果を奏するものの繊維群bの補強効果は十分
に奏されない。本発明は繊維の屈曲時強力利用率を高め
ることにより、これまで実質的に奏されていなかった繊
維群bの補強効果が大幅に向上し、その結果、成形体の
靭性を顕著に完全するものである。
【0010】繊維群bの屈曲時強力利用率を高める具体
的手段は限定されないが、繊維の伸度を高めると屈曲時
強力利用率が向上する傾向があるために、繊維の伸度を
高める方法が好適に採用できる。伸度を大きくすること
により繊維群aはマトリックスから抜けやすくなって補
強効果は低減することとなるが、本発明で規定した伸度
及び屈曲時強力利用率を有する繊維であれば、繊維群a
の補強効果が若干低減するとしても、これまで実質的に
発揮されていなかった繊維群bの補強効果が大幅に高ま
るために、結果として優れた補強効果が奏される。
【0011】本発明においては屈曲時強力利用率(B)
を35%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましく
は45%以上、特に好ましくは50%以上とする必要が
あり、屈曲時強力利用率が小さすぎると繊維群bが容易
に破断するため補強効果が不十分となる。逆に屈曲時強
力利用率が高くなると繊維群aの補強効果が低下する傾
向があり、また屈曲時強力利用率をある範囲以上に高め
ることは実際上困難であることから、屈曲時強力利用率
は80%以下、さらに70%以下、特に65%以下であ
るのが好ましい。なお本発明にいう屈曲時の強力利用率
は実施例に示した方法により求めることができ、繊維群
bの補強性能を示す指標となる値である。
【0012】また伸度(A)は6〜20%、好ましくは
7%以上とする必要があり、また15%以下、特に14
%以下、さらに13%以下とするのが好ましい。伸度が
高すぎると繊維群aにおいては容易に「抜け」が生じて
繊維群aの補強効果が実質的に奏されなくなるので混練
成形体の靭性が低下する。逆に伸度が低すぎると繊維群
bの補強効果が実質的に奏されにくくなるため所望の結
果が得られない。繊維の屈曲時強力利用率は伸度により
必ずしも決定されるものではなく、繊維の種類、繊維の
製造方法、繊度、繊維を構成するポリマーの重合度等に
より影響され、同一伸度を有する繊維であってもその屈
曲時強力利用率は異なったものとなる。しかしながら、
伸度は屈曲時強力利用率を決定する重要なパラメータの
1つであることから、伸度が低すぎると繊維群bが十分
な補強効果を奏することが困難となり、高度に延伸が施
された低伸度繊維は剛直で柔軟性が低いため、繊維群b
のように繊維長さ方向以外の方向に応力が加わると十分
な機械的性能・補強効果が奏されにくくなる。伸度を高
めると繊維群aの補強効果が低下する傾向があるが、多
少繊維群aの補強効果を犠牲にしてでも伸度を特定の範
囲とした場合に一層顕著な補強効果が得られる。
【0013】さらに本発明においては、屈曲時強力利用
率(B)≧伸度(A)×4とする必要がある。すなわち
伸度(A)を高くすると、先に説明したように繊維群a
の補強効果が低くなるため、その繊維群aの補強効果の
低下分を繊維群bの補強効果により補う必要がある。従
って、伸度(A)が高ければ高いほど屈曲時強力利用率
(B)を高くする必要があり、具体的には屈曲時強力利
用率(B)を伸度(A)の4.5倍以上、好ましくは6
倍以上とする必要がある。事実上の繊維性能の点から
は、(B)≦(A)×15とするのが好ましい。
【0014】また本発明においては繊維の破断強度を5
g/d以上、好ましくは6g/d以上とする必要があ
る。破断強度が低すぎると繊維群a及び繊維群bにおい
て共に十分な補強効果を奏することができない。繊維製
造コスト等の点からは30g/d以下、さらに20g/
d以下とするのが好ましい。また繊維のヤング率は15
0g/d以上、さらに200g/d以上であるのが好ま
しく、製造コスト等の点から500g/d以下であるの
が好ましい。
【0015】さらに本発明の補強材は混練成形を行うも
のであることから、均一分散性に優れた繊維とする必要
がある。以上のことから、繊度5d以上、好ましくは1
0d以上、さらに好ましくは12d以上とするととも
に、アスペクト比10以上、特に20以上とするのが好
ましく、また500以下、さらに400以下とするのが
好ましい。繊度が小さすぎたりアスペクト比が大きすぎ
る場合には、均一分散性が不十分となり混練によりファ
イバーボールが発生して十分な補強効果が得られない。
また逆にアスペクト比が小さすぎる場合には比表面積が
小さくなってマトリックスとの接着性が不十分となり、
さらにブリッジング効果が得られなくなるため補強効果
が不十分となる。
【0016】繊度は紡糸ノズル径、延伸倍率等を変更す
ることによって調整できるが、マトリックスとの接着性
の点からは繊度9000d以下、特に6000d以下と
するのが好ましい。なお本発明にいうアスペクト比と
は、繊維長を繊維直径(繊維横断面と同一の面積を有す
る円の直径)で除した値である。本発明の補強材は複数
の繊維を集束した集束糸であってもかまわないが、製造
工程性及びコスト等の点から単繊維を集束することなく
補強材として用いるのが好ましい。
【0017】なかでも繊維の均一混合性を高め、第1ク
ラックの発生を抑制することを目的とする場合には、繊
度300〜6000d、特に3000〜5000dとす
るのが好ましく、アスペクト比を35以上、特に40以
上、また100以下、特に80以下とするのが好まし
い。かかる繊維を用いることにより、第1クラックの発
生が抑制され成形体の靭性が顕著に改善される。該繊維
の添加量は0.2〜2vol%とするのが好ましい。該
繊維においては優れた均一分散性が奏されるものの、比
表面積が小さくなるためマトリックスとの接着性が低下
して繊維群aに「抜け」が生じやすくなることから、本
発明の範囲で伸度を比較的低く設定するのが好ましい。
具体的には伸度7%以上とするのが好ましく、13%以
下、特に12%以下、さらに10%以下とするのが好ま
しい。
【0018】また主として第1クラック発生後の耐衝撃
性を改善を目的とする場合には、繊度5〜100d、ア
スペクト比20〜500とするのが好ましく、特に繊度
10d以上、さらに12d以上、また50d以下、特に
30d以下とするのが好ましい。アスペクト比は20〜
500とするのが好ましく、なかでも60以上、さらに
70以上、またさらに80以上とするのが好ましく、ま
た400以下、さらに300以下、またさらに200以
下とするのが好ましい。該繊維を補強材とすることによ
り、繊維群bの補強効果が顕著に高まると同時に応力の
伝達が容易になされるため、第1クラックの発生が抑制
されるのみでなく、第1クラック発生後の硬化体の曲げ
荷重の低下が抑制されて耐衝撃性に優れた混練成形体が
得られる。繊維の繊度が大きい場合には、比表面積が小
さいために繊維の応力を効率的に伝達することが困難で
あり、また配合本数が少なくなるため、第1クラックの
発生は効果的に抑制されるものの、第1クラック発生後
の耐衝撃性は該細径繊維に比してそれほど改善されな
い。よって成形体の耐衝撃性を改善したい場合には細径
の繊維を配合するのが好ましい。
【0019】ブリッジングファイバ−の局所に応力が集
中して繊維群bが破断したり、また繊維強度や摩擦抵抗
が低すぎてブリッジング効果が不十分であるとモノクラ
ックしか発生しない。よって曲げ試験後のクラックの発
生状況は、引張側になる面に多くのクラック(マルチク
ラック)が発生するものが好ましい。繊維群a及び繊維
群bがともに補強効果を奏している場合、第1クラック
発生が抑制されるのみでなく、クラックが発生してもブ
リッジングファイバ−が切断する前に応力が分散され、
他の多くの繊維もブリッジング効果を発揮することが可
能となるため耐衝撃性が向上する。1本の繊維強力には
限界があるが、細径繊維の場合には繊維の配合本数が多
くなるため変形歪量に分布をもった多数の積分的強力の
向上で第1クラックの進展が妨げられ、マトリックスの
他の部分にクラックが発生してマルチクラックが生じる
こととなる。このような破壊経過をたどるものは成形体
の耐衝撃性・耐震性が優れたものとなる。耐震性を高め
る点からは補強繊維の本数を増加させるのが好ましく、
1〜4vol%配合するのが好ましい。また細径繊維の
場合には、太径繊維に比して絶対的な強力(デニールあ
たりに換算する前の破断強力)が小さく、破断強度(g
/d)が与える影響が大きいことから、太径繊維に比し
て高い破断強度(g/d)を有しているのが好ましい。
具体的には9g/d以上、さらに10g/d以上、また
さらに11g/d以上であるのが好ましい。特に上限は
限定されないが、一般には30g/d以下である。
【0020】具体的には、たわみ曲げ荷重試験を行った
際の第1クラック発生時のたわみをAmm、このときの
曲げ荷重をBkgfとするとき、第1クラック発生時以
降に曲げ荷重Bkgfとなるたわみが11×Amm以
上、特に12×Amm以上、さらに13×Amm、また
さらに15×Amm以上となるのが好ましい。かかる硬
化体は第1クラック発生以降も曲げ荷重の低下が小さく
高い曲げ荷重が維持されることから耐衝撃性に優れたも
のとなる。曲げ荷重Bkgfとなるたわみの大きさの上
限は特に限定されないが一般には30×Amm以下とな
る。
【0021】具体的な曲げ荷重の値は硬化体の形態、大
きさ、組成等により変化するが、第1クラック発生時の
応力が100kgf以上、特に150kgf以上である
ものが好ましく、第1クラック発生後に曲げ荷重がさら
に大きくなるものが好ましい。最高曲げ荷重は第1クラ
ック発生時の応力の1.2倍以上、さらに1.5倍以
上,特に1.6倍以上とするのが好ましく、一般には5
倍以下となる。
【0022】なお本発明でいう第1クラック発生時と
は、たわみ−応力曲線を作成したとき、たわみと応力が
実質的に比例関係を有し、かつ最大のたわみを示すとき
をいう。
【0023】またさらに繊維とマトリックスの接着性
(親和性)を引抜抵抗1〜10N/mm2、さらに引抜
抵抗2〜9N/mm2とすることにより一層顕著な効果
が得られる。すなわち、繊維がマトリックスから容易に
「抜け」が生じず、かつ繊維とマトリックス間が強固に
固定されず適度に可動な状態とすることによって、繊維
が屈曲した際の自由度が大きくなって応力分散が容易に
なり、応力分散する前に繊維が破断する現象が生じにく
くなる。よって屈曲時の破断強度を高めたこととあいま
って繊維群bの補強効果が相乗的に高まる。特に100
d以下の繊維の場合にはその傾向は大きくなる。
【0024】繊維とマトリックスとの種類によってその
親和性をコントロールするのが好ましく、場合によって
は両者の親和性を低減させるのが好ましい。たとえば1
00d以下のPVA系繊維は水硬性材料との親和性が高
いために繊維群aにおいては優れた補強効果が奏される
反面、繊維群bにおいてはマトリックスに強固に接着し
て固定されるために局所に応力が集中し、応力が分散さ
れる前に破断しやすくなる問題があったが、水硬性材料
との親和性を適度に低減させることにより一層優れた効
果が得られる。
【0025】水硬性材料との親和性を低減させる具体的
手段としては、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
酸化ポリエチレン樹脂、フッ素系化合物等の疎水性物質
を付与又はコーテイングしてマトリックスに対する親和
性をコントロールする方法が挙げられる。疎水基で変性
したPVAを表面に付与しても良い。このとき繊維への
付着率が0.1〜10重量%程度とするのが好ましい。
逆に引抜抵抗の低い繊維(疎水性の高い繊維)を用いる
場合には、たとえば低温プラズマ処理による繊維表面の
活性化や、エッチングなどでマトリックスへの親和性を
高めたり、インデント加工(押し付け加工)等の処理を
施す方法を採用すれば良い。本発明で使用される補強用
繊維の種類は特に限定されないが、耐候性、機械的性
能、耐アルカリ性等の点からはポリビニルアルコール
(PVA)系繊維であるのがより好ましい。なおPVA
系繊維と水硬性材料の親和性を低減させたい場合には、
酸化ポリエチレン樹脂を付与することでコントロールす
るのが好ましい。該樹脂はPVA系繊維との親和性が高
く、しかも水硬性材料と適度な親和性を有していること
から好ましい結果が得られる。
【0026】本発明で用いるPVA系繊維は上記の値を
満たしているものであれば特に限定されない。PVA系
繊維を構成するビニルアルコール系ポリマーについて
は、耐熱性、コスト及び機械的性能等の点から30℃の
水溶液で粘度法により求めた平均重合度が500〜24
000、さらに1000以上、特に1500以上のもの
であるのが好ましい。かかるPVAを用いると高強度、
高弾性率のPVA繊維が得られやすくなる。コストの点
からは5000以下であるのが好ましい。耐熱性、耐久
性、寸法安定性等の点からはけん化度は99モル%以
上、さらに99.8モル%以上であるのが好ましい。
【0027】勿論他の変性ユニットが導入されたものを
使用してもよい。変性ユニットの導入方法は共重合でも
後反応でもかまわない。変性ユニットは30モル%以
下、特に10モル%以下とするのが好ましい。
【0028】勿論、補強用繊維はビニルアルコール系ポ
リマーのみで構成されている必要はなく、他の添加物や
他のポリマーが配合されていても、また他のポリマーと
の複合繊維や海島繊維であってもかまわない。耐候性及
び耐アルカリ性の高いPVAを繊維表面に存在させるの
がより好ましい。
【0029】本発明に好適に使用できるPVA系繊維の
製造方法は特に限定されないが、たとえば湿式紡糸法、
乾式紡糸法、乾湿式紡糸法等により製造すれば良い。な
お乾湿式方法とは紡糸ノズルと凝固浴間に空気や不活性
ガスなど満たした空間(エア−ギャップ)を形成させて
紡糸する方法をいう。使用するノズルの孔形は特に限定
されず、円形であってもそれ以外の異形であってもかま
わない。たとえば偏平状、十字型、T字型、Y字型、L
字型、三角型、四角型、星型等が挙げられる。
【0030】500d以上の繊維を製造する場合には、
太い紡糸原液流から水を除去(湿式紡糸)することが困
難であることから、ビニルアルコール系ポリマー水溶液
を紡糸原液とする場合には乾式紡糸により紡糸するのが
好ましい。具体的にはPVA濃度30〜50重量%のP
VA水溶液からなる紡糸原液を紡糸口金から気体中に吐
出する方法が挙げられる。気体としては一般に空気が用
いられ、気体の温度は60〜90℃が一般的である。次
いで得られた糸篠を好適には100〜200℃で乾燥す
ることにより紡糸原糸を製造できる。
【0031】500d未満の繊維を製造する場合には、
製造工程性、コスト等の点から湿式紡糸又は乾湿式紡糸
により繊維を製造するのが好ましい。具体的な製造方法
としては、たとえばPVAを含む水溶液からなる紡糸原
液を紡糸口金から、脱水能を有する無機塩類を含む室温
の凝固浴中に湿式紡糸する方法が挙げられる。紡糸原液
のPVA系ポリマ−の濃度は、その重合度によって異な
るが5〜30重量%、特に10〜20重量%とするのが
好ましい。勿論、必要に応じて他の添加剤を配合しても
かまわない。たとえば紡糸時の口金寿命延長や延伸工程
の安定性を高めるために、紡糸原液に1種又は2種以上
の界面活性剤や無機物を添加すればよい。また紡糸原液
へ硼酸や硼酸塩類を添加してもかまわない。
【0032】凝固液としては紡糸原液に対する凝固能を
有するものであれば特に限定されないが、工程性及びコ
スト等の点から、水を溶媒とする凝固液を用いるのが好
ましい。具体的には、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸ア
ンモニウム、炭酸ナトリウムなど脱水能を有する塩類の
水溶液が用いられる。水溶液濃度は100g/リットル
以上から飽和濃度まで選択できるが、なるべく飽和濃度
に近い方が脱水凝固能が高く好ましい。なかでも工程
性、コスト等の点から飽和水溶液凝固浴を用いるのが好
ましい。またホウ酸を0.1〜3重量%程度含む紡糸原
液を、水酸化ナトリウム等を含有するアルカリ性凝固浴
に吐出する方法も好適に採用できる。凝固浴の温度は2
0〜70℃、特に30〜50℃とするのが好ましい。凝
固浴から離浴した糸篠を所望により湿熱延伸・乾燥する
ことにより紡糸原糸を容易に製造できる。
【0033】また50d以下の繊維を製造する場合に
は、タフネスが高くしかも膠着等が生じにくいことか
ら、たとえばPVAを溶剤に溶解した液を紡糸原液とし
て凝固浴中に湿式吐出する方法により繊維を製造するの
が好ましい。好適には以下の方法が挙げられる。繊維の
製造に用いる溶媒としてはPVAを溶解する有機溶媒を
用いるのが好ましく、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジン
などの極性溶媒やグリセリン、エチレングリコールなど
の多価アルコールなどがあげられる。またこれら2種以
上の混合物やこれらと水の混合物なども使用し得る。数
多い溶媒の中でもDMSOは比較的低温でPVAを溶解
することができPVA溶液の熱劣化、着色を防ぐことが
でき好ましい溶媒である。DMSOは凍結温度が比較的
高いことから、メタノール等を低濃度添加して凝固液の
凝固点を降下させるのが好ましい。紡糸原液のPVA濃
度はPVAの重合度や溶媒の種類によって異なるが、通
常2〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0034】凝固浴としてはPVAに対して凝固能を有
する有機溶媒を用いる。例えばメタノール、エタノール
などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類などPVAに対して凝固能を有するものな
らば特に限定はない。なかでも低コストであり、しかも
凝固能が比較的緩やかで均一な微結晶構造をつくりやす
い点でメタノールが好ましい。高強力繊維を得るために
本発明においては凝固浴中に原液溶媒を含有してもよ
い。原液溶媒の含有量は凝固能を有する有機溶媒の種類
によって変化するが10〜50重量%、特に15〜45
重量%とするのが好ましく、マイルドな凝固による均一
ゲルが得られ易くなる。
【0035】凝固浴温度は20℃以下がよく、20℃を
越えると凝固糸は相分離が進行し不透明化し不均一凝固
になり高強度繊維が得られない。凝固浴温度は15℃以
下、特に10℃以下とするのが均一凝固糸を得る点でさ
らに好ましい。本発明の紡糸方式はノズルと凝固浴の間
にエアーギャップ層を介する乾湿式紡糸やゲル紡糸法で
もかまわないが、繊維性能、紡糸工程性等の点からノズ
ルが凝固浴と直接接触している湿式紡糸法を採用するの
が好ましい。次いで得られた凝固糸篠を抽出浴に浸漬し
て凝固糸篠中の原液溶媒などを洗浄除去する。抽出浴は
凝固能を有する有機溶媒などにより構成するのが好まし
く、次いで2.5〜5.5倍の湿熱延伸を施すのが好ま
しい。かかる糸篠を乾燥することにより紡糸原糸が得ら
れる。
【0036】以上のような種々の方法により紡糸原糸を
得られるが、繊維性能を高める点からは高温下で熱延伸
して配向結晶化を進行させるのが好ましい。特に有機溶
剤からなる紡糸原液を用いる上記の方法を採用した場合
には、繊維間の膠着が生じにくくより機械的性能に優れ
る繊維を得ることができる。具体的には強度9g/d以
上の繊維を得ることができる。繊維の熱延伸方法は非接
触あるいは接触式のヒーター、熱風炉、オイル浴、高温
蒸気など特に限定はない。なかでも熱風式延伸炉内で約
20秒〜3分間の時間をかけて行うのが好ましく、温度
を多段に制御することにより二段以上で熱延伸してもよ
い。延伸温度は200℃以上、さらに220〜250℃
とするのが好ましく、全延伸倍率は8〜25倍、特に9
〜18倍となるよう熱延伸を実施するのが好ましい。
【0037】通常の高強度低伸度繊維を製造する場合に
は破断延伸倍率の80〜90%程度の延伸が行われてい
るが、本発明においては比較的高伸度の繊維とずる点か
ら50〜75%程度とするのが好ましい。また繊維の伸
度は、たとえば延伸後の繊維に適度に収縮処理を施すこ
とにより調整することもできる。好適には延伸加熱炉よ
り2〜5℃高い加熱炉にて適度に繊維が緩和状態となる
ように保持し(収縮量を入れ)、その状態で熱処理する
ことにより伸度を高める方法が挙げられる。収縮量を上
げることにより伸度は向上する。一般的には収縮率3〜
20%、特に5〜15%程度とするのが好ましい。延伸
倍率を高めれば繊維強度は向上する反面伸度が低下し、
また収縮量が多くなると伸度が高める反面機械的性能が
低下することなる。従って、これら諸条件(紡糸原液吐
出量、延伸条件、収縮条件等)を適宜調整し、所望の繊
維とするのが望ましい。なお収縮率を高めることにより
伸度を高めることができるが、ポリマーの種類、重合
度、紡糸方法、紡糸条件、延伸条件(延伸倍率、延伸温
度)、収縮処理温度等の条件によっては、伸度を高くし
ても屈曲時強力強力利用率が高くならない場合がある。
したがって、所望の屈曲時強力利用率を得るために、こ
れら条件を適宜調整する必要がある。
【0038】本発明の繊維は、混練成形材料補強材とし
て優れた性能を有している。繊維の配合割合は適宜設定
すればよいが、補強性の点から、マトリックスの0.0
1vol%以上、さらに0.1vol%以上、さらに
0.5vol%以上とするのが好ましく、均一分散性の
点から10vol%以下、特に5vol%以下、さらに
4vol%以下配合するのが好ましい。本発明の繊維は
補強効果に優れていることから極微量添加することによ
り補強効果を顕著に高めることができる。
【0039】本発明の補強材を配合することにより靭性
等の諸性能に優れた混練成形体が得られる。具体的な成
形方法としては例えば、吹付成形法、注入成形法、加圧
成型法、振動成型法、振動及び加圧併用成型法、遠心力
成型法、巻取成型法、真空成型法、そして押出成型法等
が利用できる。勿論、左官材料として塗り付けて得られ
る物品(成形体)も本発明に包含される。なお本発明に
いう混練成形とは、水の存在する系において泥濘状態に
あるマトリックスと繊維を均一混練した後に、上記のよ
うな成形方法により所望の形状に成形する方法をいい、
従来広く行われている抄造法とは明確に区別されるもの
である。本発明においては、固体成分と水を100/1
5〜100/60程度の重量比、特に100/15〜1
00/40で均一混練して得られる混合物、すなわち抄
造法に比して水の割合が小さく流動性の低い混合物とし
た場合であっても優れた効果が奏される。
【0040】本発明に使用される水硬性物質は特に限定
されず、セッコウ、セッコウスラグ、マグネシア等が挙
げられるが、なかでもセメントが好適に使用される。ポ
ルトランドセメントがその代表的なものであるが、高炉
セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント
等を使用してもよく、これらを併用してもかまわない。
また本発明の補強材は、繊維が損傷しやすく補強効果が
奏されにくい骨材を配合したモルタルやコンクリ−トに
対しても優れた補強効果を奏するものである。骨材とし
ては、細骨材としてたとえば川、海、陸の各砂、破砂、
砕石等が用いられ、粗骨材としてたとえばぐり石や破石
などが使用できる。また人工の軽量骨材、充填材を配合
してもよく、具体的には鉱滓、石灰石、その他発泡パ−
ライト、発泡黒よう石、炭酸カルシウム、バ−ミュライ
ト、シラスバル−ン等が挙げられる。さらに混和剤とし
て、空気連行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘
剤、保水剤撥水剤、膨脹剤、硬化促進剤、凝結遅延剤な
どを併用してもかまわない。なお発明にいう細骨材とは
開口径5mmのふるいにかけたとき95重量%以上ふる
いを通過するものをいい、粗骨材とは開口径5mmのふ
るいにかけたときその0〜10重量%がふるいを通過す
るものをいう。
【0041】水硬性材料の組成は特に限定されないが、
粗骨材を配合した系においては、剛直で機械的性能が損
われにくく、分散性が良好であることから繊度300〜
6000d、特に3000〜5000dの繊維を配合す
るのが好ましく、該繊維のアスペクト比を35以上、特
に40以上、また100以下、特に80以下とするのが
好ましい。該繊維を用いることによって第1クラックの
発生を効果的に抑制できる。粗骨材を配合した系におい
て補強材がブリッジング効果を奏するためには、補強材
の長さをある程度長くする必要があるが、太径繊維の場
合には繊維長をある程度長くしても優れた分散性が得ら
れることから高い補強効果が得られる。また、また主と
して第1クラック発生後の耐衝撃性を改善を目的とする
場合には、応力の伝達を円滑にする点から実質的に粗骨
材を配合しない系とするのが好ましく、繊度5〜100
d、アスペクト比20〜500の繊維を配合することに
より、応力の伝達が一層効果的になされることからより
優れた効果が得られる。粗骨材が配合されている場合に
は応力伝達が阻害されたり、また混練時に細径繊維が損
傷する場合がある。繊維は繊度10d以上、さらに12
d以上、また50d以下、特に30d以下とするのが好
ましい。また繊維のアスペクト比は60以上、さらに7
0以上、またさらに80以上とするのが好ましく、40
0以下とするのがより好ましい。勿論、該繊維と太系繊
維を併用しても構わない。好適な配合例としては実施例
の靭性係数の測定に用いた供試体のような配合が挙げら
れる。具体的には粗骨材を配合しない系(モルタル)に
おいてはセメント80〜120重量部、水40〜80重
量部を配合した組成物とするのが好ましく、さらに他の
添加剤等配合してもかまわない。たとえば、さらに硅砂
80〜120重量部、シリカヒューム10〜50重量
部、メチルセルロース0.1〜5重量部、高性能減水剤
0.1〜5重量部のいずれか1種以上を配合するのが好
ましく、これらすべてを配合するのが好ましい。また粗
骨材を配合する系(コンクリート)においては、セメン
ト80〜120重量部、水120〜200重量部、粗骨
材200〜400重量部を配合した組成物とするのが好
ましく、さらに他の添加剤(減水剤等)などを配合して
もかまわない。またさらに細骨材20〜100重量部配
合するのが好ましい。
【0042】本発明の混練成形体の具体例としては、ス
レ−ト板、パイプ類、壁パネル、床パネル、屋根板、間
仕切り、道路舗装、トンネルライニング、法面保護、コ
ンクリ−ト工場製品等のすべてのセメント、コンクリ−
ト成形物や2次製品に用いることができる。また前述し
たセメント製品に限らずこれら以外の構造物、建築内外
装部材、土木材料に応用使用することもできる。また左
官用モルタルとして使用してもよく、機械用基礎、原子
炉圧力容器、液化天然ガスの容器等として用いてもよ
い。以下更に本発明を実施例でもって説明するが、本発
明は実施例により何等限定されるものではない。
【0043】
【実施例】[繊度 d]得られた繊維状物の一定試長の
重量を測定して見掛け繊度をn=5以上で測定し、平均
値を求めた。なお、一定糸長の重量測定により繊度が測
定できないもの(細デニ−ル繊維)はバイブロスコ−プ
により測定した。
【0044】[密度 g/cm3]4塩化炭素/ノルマ
ルヘキサン等を媒体とする密度勾配管法で測定した(測
定雰囲気20℃)。 [繊維強度 g/d、ヤング率 g/d、伸度 %]予
め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間繊
維を放置して調湿したのち、単繊維を試長20cm、引
張速度10cm/分としてインストロン試験機「島津製
作所製オートグラフ」にて繊維強度及びヤング率を測定
した。伸度は、単繊維破断伸度(cm)/把持長(c
m)×100により算出した。なお繊維長が20cmよ
り短い場合は、そのサンプルの可能な範囲での最大長さ
を把持長として測定することとする。
【0045】[屈曲時強力利用率 %]試料繊維を40
mm角の型枠に、試料繊維の長さ方向(配向方向)が型
枠の高さ方向になるように設置し、次いでこの型枠にセ
メント/硅砂/水=1/1/0.4(重量比)で調整し
たモルタルを流し込み(繊維の埋込長さ40mm)、振
動を十分に与えた後一昼夜気中で養生(25℃×65%
RH)し、次いで水中(20℃×28日間)にて硬化さ
せて水硬性硬化体を製造した。なおセメントとして普通
ポルトランドセメント(浅野セメント製 普通ポルトラ
ンドセメント)、硅砂としてシリカ#4000(ブレー
ン値4000cm2/g 啓和炉材株式製)を用いた。
この成形体に埋め込んだ繊維を、島津製作所製オ−トグ
ラフAG−5000Bにて0.5mm/minの速度、
繊維埋め込み方向に対して45°の方向に引張り、この
ときの破断応力(g/d)を屈曲時の強度として求めた
(図1参照)。次いで上記の方法で求めた繊維強度(g
/d)に対する屈曲時の強度(g/d)の割合(%)を
求め、これを屈曲時強力利用率とした。
【0046】[引抜抵抗 N/mm2]普通ポルトラン
ドセメント(浅野セメント製 普通ポルトランドセメン
ト)に対し、重量で同量のシリカ #4000(ブレー
ン値4000cm2/g 啓和炉材株式製)をホバート
型ミキサーで2分間ドライ混合した後、水/セメント比
が0.4になるような計算量の水道水を加えて2分間ウ
エット混合した。これを厚さ0.2mmのポリエチレン
フィルムを床に敷いたアルミ製バットに厚さ5〜10m
mに敷きならした。これに菓子折仕切枠(経木製3cm
×3cm)を埋め込み、1枠に1本の繊維を埋め込ん
だ。
【0047】繊維の埋め込みは、予め埋め込み長さ相当
の深差に印をつけた縫針をマトリックス面に垂直に差し
込んだ後に引き抜き、繊維をその深さまで(細デニール
繊維以外はマトリックス層の底まで)差込んだ。なお繊
維が細すぎて上記方法が採用できない場合には、繊維を
予め枠内に設置し、次いでマトリックスを流し込み、必
要に応じて表面を削って平滑にすることにより繊維を埋
め込むことができる。繊維の埋め込み長さは適宜変更す
れば良いが、たとえば100d以下の繊維の場合には埋
め込み長さを1〜2mm以下とするのが好ましい。繊維
を差し込んだ後、アルミバットをビニール袋に密封して
50℃で20時間1次養生後、20℃の部屋にシートで
包み込んだまま21日間放置して養生した。養生完了
後、繊維差し込み面にペンキでスプレーして空中に露出
した繊維を着色し、埋め込み長さLbを引抜き試験後に
測定可能できるようにした。次いで、経木仕切板に沿っ
て個々のセメントモルタルのブロックに分割し、オート
グラフ(島津製作所製 5000―AGB)を用いて2
mm/分で引抜試験を行って変位荷重曲線を得た。
【0048】引抜の荷重/変位の記録により最大荷重P
a(kgf)をよみとり、下記式により算出した。引抜
試験により繊維切れを起したものを除き、n=5以上と
なるように試験を行い、得られた値の平均値を記載し
た。なお埋め込み長さLb(mm)は引抜試験後1/1
0mm単位で埋め込み長さを計測した値であり、周長L
(mm)は繊維の断面形状を円と仮定し、平均繊度Dr
(デニール)、繊維密度A(g/cm3)から0.2
(Dr・π/(90・A))1/2として求めたものであ
る。 引抜抵抗力(N/mm2)=9.8・Pa/(L×L
b)
【0049】[靭性係数 N/mm2(100d以下の
繊維補強材が配合されていない系)]普通ポルトランド
セメント193kg、細骨材(木更津山砂)113k
g、粗骨材(最大径13mmの八王子産6号砕石)61
1kg、水350kg及び減水剤(ポソリス#70)
0.88kgを2軸強制連ミキサーに投入し、1分間混
練してプレーンコンクリートを製造した。このプレーン
コンクリートに繊維0.75vol%投入して1分間混
練した後、得られたスラリーを用いて土木学会基準JS
CE―F552「鋼繊維補強コンクリートの強度及びタ
フネス試験用供試体の作り方」に準じて供試体(10c
m×10cm×40cmの角柱体)を製造し、室温20
℃、湿度65%の室内にて養生後脱型し、次いで20℃
×28日間水中養生後、土木学会基準JSCE―G52
2「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度およびタフネス
試験方法」に準じ、島津万能試験機にて3等分点載荷方
式により成形体の靭性係数を測定した。成形体の靭性係
数が高いものほど靭性(耐衝撃性)に優れているといえ
る。
【0050】なお曲げ強度はP・l/(b・h2)によ
り算出し、靭性係数は、曲げ応力―たわみ曲線におい
て、たわみが0からスパンの1/150となるまでの荷
重―たわみ曲線下の面積(Tb)を求め、次いで(Tb
/Stb)・(l/bh2)により算出した。このと
き、Pは試験機の示す最大荷重(N)、lはスパン長
(cm)、bは破壊断面の幅(cm)、hは破壊断面の
高さ(cm)、Stbはスパンの1/150となるまで
のたわみ(cm)を示す。
【0051】[靭性係数(100d以下の繊維補強材が
配合されている系)、たわみ−曲げ荷重試験]試験に使
用した硬化物の配合は以下の通りである。なお、具体的
には普通ポルトランドセメント(秩父小野田製 普通ポ
ルトランドセメント)、7号硅砂(東洋マテラン製)、
シリカヒューム(EFACO社製)、メチルセルロース(信
越シリコン製ハイメトローズ90SH30000)、高
性能AE減水剤(ポゾリス物産製SP―8N)、PVA
系繊維(株式会社クラレ製)を使用した。 セメント 100重量部 7号硅砂 100重量部 シリカヒューム 0.4重量部 メチルセルロース 1.5重量部 高性能AE減水剤 0.75重量部 水 60重量部 なおPVA系繊維は、上記成分からなるプレーンセメン
トに対して3vol%となるように配合した。
【0052】これらを、オムニミキサ−(千代田技研製
OM−5)を用いて混合、混練し、これを4cm×4
cm×厚さ16cmの型枠に流し込み室温で24時間置
いた後に6日間室温で水中養生を行い供試体を製造し
た。なお硬化体が4cm×4cm×16cmよりも大き
い場合には切り出してサイズを整えて性能を評価する。
該供試体の靭性係数(I20)をASTM C1108―
94に準じて測定した。成形体の靭性係数が高いものほ
ど靭性(耐衝撃性)に優れているといえる。
【0053】また同供試体を用いて、島津製オ−トグラ
フを用いてスパン長150mm、載荷速度0.5mm/
分の3点曲げ試験を行い、たわみ−曲げ荷重曲線を作成
した。たわみと曲げ荷重が実質的に比例関係にあって、
最大のたわみを有する点を第1クラック発生時としてこ
のときのたわみAと応力Bを曲線から読み取り、また応
力Bを呈するたわみ(C)も同様に読み取った。3点以
上で応力曲線を作成してA,B,Cを測定しこれらの平
均により評価した。また該曲線から最大曲げ荷重をよみ
とり同様に平均値を求めた。なお第1クラック発生以降
に応力Bを呈するたわみが2点以上ある場合には最も値
の大きいものを採用することとする。C/Aが大きいも
のほと耐震性に優れているといえる。
【0054】[実施例1]粘度平均重合度1700、ケ
ン化度99.8モル%のPVAをDMSOに添加して紡
糸原液(PVA濃度18重量%)を調製した。次いで孔
径0.2mm、孔数100の円形ノズルより、温度5
℃、メタノール/DMSOの重量比が70/30よりな
る凝固液に吐出して湿式紡糸した。得られた固化糸篠を
メタノール/DMSOの混合重量比95/5よりなる5
0℃の湿延伸浴で3倍の延伸を施し、次いでメタノール
と向流接触させてDMSOを抽出除去した後に乾燥し
た。さらに230℃で全延伸倍率が10倍になるように
熱延伸し、次いで温度235℃で10%の収縮処理を施
して繊維を製造した。得られた繊維に酸化ポリエチレン
油剤(竹本油脂社製「VOS513」)を0.5重量%
/繊維を付与した後に表1に示した長さにカットして補
強材を得た。結果を表1に示す。
【0055】[実施例2]延伸倍率を14倍、収縮率を
7.5%にした以外は実施例1と同様に補強材を得た、
結果を表1に示す。 [実施例3]粘度平均重合度1700、ケン化度99.
9モル%のPVA及びホウ酸を水に添加して紡糸原液
(PVA濃度16.5重量%,ホウ酸濃度1.8重量%
/PVA)を調製した。次いで孔径0.2mm、孔数2
000の円形ノズルより、温度40℃、芒硝濃度380
g/リットル、かつ水酸化ナトリウム濃度12g/リッ
トルの凝固液に吐出して湿式紡糸した。得られた糸篠を
ロ−ラ−延伸(延伸倍率2倍)し、ホウ酸濃度が0.4
重量%/PVAとなるように水洗し、その後75℃の飽
和芒硝浴中で1.5倍の湿熱延伸した後に乾燥し、さら
に230℃で全延伸倍率14.5倍となるように熱延伸
した。得られた繊維に酸化ポリエチレン油剤(竹本油脂
社製「VOS513」)を0.5重量%/繊維を付与し
た後に表1に示した長さにカットして補強材を得た。結
果を表1に示す。
【0056】[実施例4、5]粘度平均重合度330
0、ケン化度99.9モル%のPVA及びホウ酸を水に
添加して紡糸原液(PVA濃度12重量%,ホウ酸濃度
1.8重量%/PVA)を調製した。次いで孔径0.2
mm、孔数2000の円形ノズルより、温度65℃、芒
硝濃度350g/リットル、かつ水酸化ナトリウム濃度
12g/リットルの凝固液に吐出して湿式紡糸した。得
られた糸篠をロ−ラ−延伸(延伸倍率2倍)し、その後
75℃の飽和芒硝浴中で1.5倍の湿熱延伸した後に乾
燥し、さらに238℃で全延伸倍率21倍となるように
熱延伸した。次いで温度242℃で4.4%の収縮処理
を施して繊維を製造した。得られた繊維に酸化ポリエチ
レン油剤(竹本油脂社製「VOS513」)を0.5重
量%/繊維を付与した後に表1に示した長さにカットし
て補強材を得た。結果を表1に示す。
【0057】[実施例6]粘度平均重合度1700、ケ
ン化度99.9モル%のPVAを水に添加して紡糸原液
(PVA濃度41重量%)を調製した。次いで孔径0.
1mm、孔数2000の円形ノズルより、95℃の空気
中へ吐出して絶乾状態まで乾燥した。引き続き243℃
の熱風式延伸炉において12倍の熱延伸を行い、次いで
温度248℃で3.0%の収縮処理を施して繊維を製造
した。得られた繊維に酸化ポリエチレン油剤(竹本油脂
社製「VOS513」)を0.5重量%/繊維を付与し
た後に表1に示した長さにカットして補強材を得た。結
果を表1に示す。
【0058】[実施例7]繊維に油剤を付与しない以外
は実施例6と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例8]粘度平均重合度1700、ケン化度99.
8モル%のPVAをDMSOに添加して紡糸原液(PV
A濃度18重量%)を調製した。次いで孔径0.4m
m、孔数100の円形ノズルより、温度5℃、メタノー
ル/DMSOの重量比が70/30よりなる凝固液に吐
出して湿式紡糸した。得られた固化糸篠をメタノール/
DMSOの混合重量比95/5よりなる50℃の湿延伸
浴で3倍の延伸を施し、次いでメタノールと向流接触さ
せてDMSOを抽出除去した後に乾燥し、さらに230
℃で全延伸倍率が14倍になるように熱延伸し、次いで
温度235℃で7.5%の収縮処理を施して繊維を製造
した。得られた繊維に酸化ポリエチレン油剤(竹本油脂
社製「VOS513」)を0.5重量%/繊維を付与し
た後に表1に示した長さにカットして補強材を得た。結
果を表1に示す。
【0059】[実施例9、10、比較例1、2]カット
長を変更する以外は実施例2と同様に補強材を得た。比
較例1では補強材のアスペクト比が小さすぎるため、ま
た比較例2では補強材のアスペクト比が大きすぎて分散
性が低下し、十分な補強効果が得られなかった。結果を
表1に示す。 [比較例3]繊維として株式会社クラレ製「RMU18
2」を用いた以外は実施例1と同様に行った。繊維径が
小さすぎるために混練時にファイバーボールが生じ、し
かも屈曲時強力利用率が低すぎるために補強効果は低い
ものとなった。なお比較例3の引抜抵抗は、補強材とマ
トリックスとの接着性が高くかつ繊維径が小さく破断し
やすいことから、引き抜く前に繊維が破断して測定でき
なかった。結果を表1に示す。
【0060】[比較例4]延伸倍率を14倍、収縮率を
0%に変更した以外は実施例1と同様に補強材を得た。
伸度及び屈曲時強力利用率が低すぎるために補強効果が
十分奏されなかった。結果を表1に示す。 [比較例5]延伸倍率を13.5倍、収縮率を0%に変
更した以外は実施例1と同様に行った。伸度及び屈曲時
強力利用率が低すぎるために補強効果が十分奏されなか
った。結果を表1に示す。
【0061】[実施例11]粘度平均重合度1700、
ケン化度99.9モル%のPVAを水分率52%となる
ように調湿した後、バレル温度を140℃とするスクリ
ュー押出機で溶解して液化した。次いでこれを直3.0
mmの丸形ノズルより95℃の空気中へ吐出して絶乾温
度まで乾燥した。引き続き温度233℃の熱風式延伸炉
において11倍の乾熱延伸を行い、次いで235℃で1
0%の収縮処理を行って繊維を製造した。得られた繊維
を表2に示した長さにカットして補強材を得た。結果を
表2に示す。 [実施例12]粘度平均重合度1700、ケン化度9
9.9モル%のPVAを水分率52%となるように調湿
した後、バレル温度を140℃とするスクリュー押出機
で溶解して液化した。次いでこれを直4.0mmの丸形
ノズルより95℃の空気中へ吐出して絶乾温度まで乾燥
した。引き続き温度235℃の熱風式延伸炉において1
2倍の乾熱延伸を行い、次いで238℃で10%の収縮
処理を行って繊維を製造した。得られた繊維を表2に示
した長さにカットして補強材を得た。結果を表2に示
す。
【0062】[実施例13]ノズル径を4mmにした以
外は実施例11と同様に補強材を得た。結果を表2に示
す。
【0063】[実施例14〜16]実施例14において
は収縮率を15%、実施例15、16においては収縮率
10%に変更した以外は実施例12と同様に繊維を製造
し、得られた繊維を表2に示した長さにカットして補強
材を得た。結果を表2に示す。
【0064】[比較例6〜8]それぞれ収縮率を0%
(比較例6)、20%(比較例7)、30%(比較例
8)に変更した以外は実施例12と同様に補強材を得
た。比較例6は伸度及び屈曲時強力利用率が低すぎるこ
とから、また比較例7及び比較例8では伸度及び屈曲時
強力利用率の関係が適切な範囲でないことから、繊維群
a及び繊維群bの両群が十分な補強効果を発揮せず、そ
の結果、成形体の靭性は低いものとなった。結果を表2
に示す。
【0065】[比較例9]延伸倍率を13倍、収縮処理
温度を245℃、収縮率を15%に変更した以外は実施
例12と同様に補強材を得た。屈曲時強力利用率が低す
ぎるために繊維群a及び繊維群bの両群が十分な補強効
果を発揮せず、その結果、成形体の靭性は低いものとな
った。結果を表2に示す。 [比較例10]延伸倍率を13倍、収縮率を15%に変
更した以外は実施例13と同様に補強材を得た。伸度及
び屈曲時強力利用率が適切な値を有していないことか
ら、繊維群a及び繊維群bの両群が十分な補強効果を発
揮せず、その結果、成形体の靭性は低いものとなった。
結果を表2に示す。
【0066】[比較例11、12]カット長を変更した
以外は実施例12と同様に補強材を得た。比較例11に
おいてはアスペクト比が低すぎるために補強効果が不十
分となり、比較例12においてはアスペクト比が大きす
ぎるために繊維の分散性が低下して成形体の性能は低い
ものとなった。結果を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】本発明の補強材は、繊維群a及び繊維群b
においてともに優れた補強効果を奏するものであり、靭
性に優れた成形体が得られた。なかでも、実施例12〜
14で得られた成形体は優れた靭性を有するものであっ
た。最大曲げ応力が高い成形体であっても靭性の低い成
形体はエネルギー吸収能が低いために衝撃的な応力に対
して弱く、また変形許容量が小さいために破壊が一気に
進みやすいという問題が生じるが、靭性の高い成形体は
応力が加わっても該応力を吸収することから耐衝撃性に
優れたものとなる。また表1に示された実施例(なかで
も実施例1〜5)により得られた成形体は、繊維強度が
極めて高く、しかも繊維群a及び繊維群bにおいてとも
に優れた補強効果を奏していることから靭性が高く、し
かも第1クラック発生後も補強効果が持続する耐震性に
優れたものであり、優れた性能を有するものであった。
特に実施例2、実施例4、実施例5においては繊維破断
強度が高いために一層優れた効果が奏されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】屈曲時強力利用率の測定に用いられる水硬性成
形体の形態及び引張方向を示した模式図。
【図2】混練成形体のたわみ−曲げ荷重曲線の1例を模
式的に示した図。
【符号の説明】
1:引張方向 2:繊維補強材 3:水硬性成形体 4:固定部 5:たわみー曲げ応力曲線 6:最大曲げ応力 7:第1クラック発生(A) 8:たわみC
フロントページの続き (72)発明者 末森 寿志 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 日笠 純一 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 生峰 寿昭 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 大森 昭夫 倉敷市酒津1621番地 株式会社クラレ内 (72)発明者 佐藤 政弘 倉敷市酒津1621番地 株式会社クラレ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度5d以上、アスペクト比10〜50
    0、破断強度5g/d以上、伸度(A)6〜20%、屈
    曲時強力利用率(B)35%以上、(B)≧(A)×4
    の繊維からなる混練成形水硬性材料補強材。
  2. 【請求項2】 繊維がポリビニルアルコール系繊維であ
    る請求項1に記載の補強材。
  3. 【請求項3】 繊維の繊度が300〜6000d、アス
    ペクト比が35〜100である請求項1又は請求項2に
    記載の補強材。
  4. 【請求項4】 繊維の繊度が5〜100d、アスペクト
    比が20〜500である請求項1又は請求項2に記載の
    補強材。
  5. 【請求項5】 繊度5d以上、アスペクト比10〜50
    0、破断強度5g/d以上、伸度(A)6〜20%、屈
    曲時強力利用率(B)35%以上、(B)/(A)≧4
    の繊維からなる補強材を水硬性材料に三次元的に均一に
    分散混練後、成形させてなる水硬性材料からなる混練成
    形体。
  6. 【請求項6】 繊維がポリビニルアルコール系繊維であ
    る請求項5に記載の混練成形体。
  7. 【請求項7】 繊維の繊度が300〜6000d、アス
    ペクト比が35〜100である請求項5又は6に記載の
    混練成形体。
  8. 【請求項8】 繊維の繊度が5〜100d、アスペクト
    比が20〜500である請求項5又は請求項6に記載の
    混練成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173674A (ja) * 2004-12-30 2013-09-05 Usg Corp 繊維強化セメント系軽量パネル及びその作製方法

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