JP5830785B2 - コンクリート補強用連結糸及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート補強用連結糸に関する。また、コンクリート補強用連結糸の製造方法並びにそれを用いたコンクリート表面の形成方法に関する。
硬化したコンクリートは圧縮に対して抵抗力が強く、耐火性に優れているので、道路舗装の材料、建築物の床や外壁、トンネルの内壁などの土木建築用材料として広く利用されている。しかしながら硬化したコンクリートは圧縮に強く耐火性に優れている一方で、引張力に弱く、延性に乏しく、硬化の進行や乾燥などにより体積が収縮するといった特徴がある。その結果、外からの引張力によってコンクリートに変形が生じて、ひび割れやコンクリート片の落下が発生することがある。
このような問題を解決するために、セメント、水、骨材などを含む流動状態のコンクリートにフィラメントを混合した、補強コンクリートが用いられる。フィラメントが混合されたコンクリートは、フィラメントが混合されていないコンクリートと比べて、靱性が飛躍的に改善されることが知られている。
コンクリートに混合されるフィラメントは、その材料や寸法などによって硬化したときのコンクリートの物性が変化することが知られており、様々なフィラメントをコンクリートに混合する試みがなされている。中でも、合成樹脂からなるフィラメント、特にポリプロピレンフィラメントが強度に優れており、安価で取り扱いが容易であるために広く使用されている。
実際の施工現場においてフィラメントが混合されたコンクリート成形体を得るには、セメント、水、骨材などを含む流動状態のコンクリートに、フィラメントを混合し、硬化させる。靱性の優れたコンクリートを得るためには、コンクリートに混合するフィラメントは、繊度が大きく、長いものが好ましい。そのようなフィラメントを用いることによって硬化したコンクリートから引き抜きにくくできる。しかしながら、フィラメントの繊度が大きくなると、フィラメントは硬く、剛直になる。そのため繊度の大きいフィラメントを流動状態のコンクリートに混合すると、コンクリートが硬化するまでにフィラメントがコンクリートの表面から突出する問題が発生していた。
この問題への対処方法として、コンクリートが硬化する前に、表面から突出したフィラメントをタンピング作業によりコンクリートの表面から中へ押し込んだり、コンクリートが硬化した後、表面から突出したフィラメントを焼き去ったり、表面をモルタル層で被覆したりする方法がとられる。しかしながら、これらの方法は、流動状態のコンクリートを打設する作業に加えて、タンピング作業などの作業が別途必要となり煩わしい。
一方、特許文献1には、長さが0.5〜6mmのコンクリート補強用のモノフィラメントが記載されている。このように、コンクリートに混合するモノフィラメントの長さを短く(具体的には6mm以下)にすることによって、硬化したコンクリートの表面からフィラメントが突出しないようにしている。ここで用いられるモノフィラメントとしては、ポリプロピレン繊維が例示され、その直径が100μm以下であることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているモノフィラメントをコンクリート補強用のフィラメントとして用いた場合、モノフィラメントの長さが短いために、モノフィラメントとコンクリートとが密着する面積が小さくなり、十分なコンクリート補強効果が得られない。
繊度の小さいモノフィラメントをコンクリートに混合することによって、コンクリート表面からのフィラメントの突出を抑制することができる。しかしながら、モノフィラメントの繊度が小さい場合、モノフィラメントが相互に絡みやすくなるのでコンクリート中での分散性に劣ることになり、その結果、コンクリートの強度が不十分となってしまう。
そこで、特許文献2には、ポリプロピレン一軸延伸連糸テープを解繊した仮撚糸の短繊維からなるコンクリート強化用ポリプロピレン繊維が記載されている。このとき、フィラメントの繊度は比較的小さく、単糸の繊度で5〜100drであることが記載さている。このように、複数の繊維が適度に解繊されている連糸形状であるので、コンクリートと混合すると適度の集束性と分散性とを有する。
しかしながら、特許文献2に記載されている連糸状のポリオレフィンフィラメントは、比較的低い繊度のポリオレフィンフィラメントを撚り合わせた連糸であるので、コンクリートに混合したとき、撚りが完全に解けず、コンクリート中においてポリオレフィンフィラメント間に空間を残した状態でコンクリートが硬化することがある。つまり、コンクリート中におけるフィラメントの分散性は未だ十分とは言えず、コンクリート補強効果が不十分となることがある。
特開平08−49205号公報 特開平10−265246号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、硬化コンクリートの表面からフィラメントが突出することが防止でき、コンクリート中での分散性が良好であり、かつ補強効果の優れたコンクリート補強用連結糸及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、複数のフィラメントをサイドバイサイドに連結して構成してなるコンクリート補強用連結糸であって、ポリエチレンを40〜90重量%及びポリプロピレンを10〜60重量%含む樹脂組成物からなり、その表面にエンボス模様を有し、かつ200〜2000dtexの単一のフィラメントに分離可能であることを特徴とするコンクリート補強用連結糸を提供することによって解決される。
このとき、上記コンクリート補強用連結糸は、長さ(L)が25〜75mmであることが好適である。上記コンクリート補強用連結糸は、厚さ(T)が0.2〜1.0mmであることも好適である。上記コンクリート補強用連結糸は、3〜10本の前記フィラメントをサイドバイサイドに連結して構成してなることも好適である。また、上記コンクリート補強用連結糸において、延伸倍率8〜25倍で一軸延伸してなることも好適である。
上記課題は、ポリエチレン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物をノズルから押出して、複数のフィラメントがサイドバイサイドに連結された未延伸糸を得る第1工程と、前記第1工程で得られた未延伸糸を一軸延伸して延伸糸を得る第2工程と、前記第2工程で得られた延伸糸をエンボス加工する第3工程と、前記第3工程でエンボス加工した延伸糸を所定の長さに切断する第4工程とを備えることを特徴とするコンクリート補強用連結糸の製造方法を提供することによっても解決される。
上記課題は、コンクリート補強用連結糸を流動状態のコンクリートに加えて撹拌し得られた混合物を打設してから表面をならして硬化させることを特徴とするコンクリート表面の形成方法を提供することによっても解決される。このとき、前記表面はコンクリート床の上面であることが好適な実施形態である。
上記課題は、コンクリート補強用連結糸とセメントと水と骨材とを混合させた硬化したコンクリート床を提供することによっても解決される。
本発明のコンクリート補強用連結糸は、硬化コンクリートの表面からフィラメントが突出することを防止することができる。また、本発明のコンクリート補強用連結糸は、コンクリート中での分散性が良好であり、かつ補強効果が優れている。さらに、本発明の製造方法によれば、このようなコンクリート補強用連結糸が簡便に得られる。
実施例における評価試験2を行うための装置を示した図である。 実施例における評価試験2を行っている様子を示した図である。
本発明の連結糸は、複数のフィラメントをサイドバイサイドに連結して構成してなるコンクリート補強用連結糸であって、ポリエチレン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物からなり、その表面にエンボス模様を有し、かつ単一のフィラメントに分離可能なものである。
本発明の連結糸の最大の特徴は、ポリエチレンとポリプロピレンとを含む樹脂組成物からなることである。
ポリプロピレンのみからなるフィラメントは硬く、曲げ反発応力が大きいが、本発明の連結糸はポリエチレンとポリプロピレンとが所定の比率で配合されているため、フィラメントの曲げ反発応力を低下させることができる。そのため、本発明の連結糸は、打設した硬化中のコンクリートの表面をコテやトロウェル等でならした後、フィラメントがコンクリート表面から再び起き上がりにくく、突出する状態になりにくい。
また、本発明の連結糸はポリエチレンとポリプロピレンとが所定の比率で配合されているため、フィラメント間の連結部(フィラメント間の境界、又はフィラメント間に形成された薄膜)が裂け易く、流動状態のコンクリートと混合したとき、サイドバイサイドに連結していたフィラメントが、単一のフィラメントに分離し易く、その裂けた連結部から毛羽が立ち易い。そのため、セメントや骨材とフィラメントとがよく絡まり、ならし後の突出防止や、アンカー効果(コンクリートからの抜け難さ)を補助することができる。
上記樹脂組成物に含まれるポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが挙げられる。これらの中でも、延伸性が良好で強度が高い、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンが好適であり、高密度ポリエチレンが、より好適である。ポリエチレンのメルトフローレート(以下、MFRと略すことがある)(190℃、2160g荷重)は、好適には0.05〜30g/10minであり、より好適には0.1〜5g/10minである。
上記樹脂組成物に含まれるポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体あるいはランダム共重合体などの公知のポリプロピレンが挙げられる。これらの中でも高強度が要求されるコンクリート補強用フィラメントとしては、プロピレン単独重合体、特にアイソタクチックポリプロピレンが好適である。ポリプロピレンのMFR(230℃、2160g荷重)は、好適には0.05〜30g/10minであり、より好適には0.1〜5g/10minである。
上記樹脂組成物におけるポリエチレンの含有量は40〜90重量%であり、ポリプロピレンの含有量は10〜60重量%である。ポリエチレンの含有量が40重量%未満で、ポリプロピレンの含有量が60重量%を超えると、曲げ反発応力が大きくなり、フィラメントがコンクリート表面に突出する。ポリエチレンの含有量は、好適には45重量%以上であり、より好適には50重量%以上であり、さらに好適には55重量%以上である。このとき、ポリプロピレンの含有量は、好適には55重量%以下、より好適には50重量%以下、さらに好適には45重量%以下である。
一方、ポリエチレンの含有量が90重量%を超え、ポリプロピレンの含有量が10重量%未満であると、分離性が低下する。ポリエチレンの含有量は、好適には80重量%以下であり、より好適には75重量%以下であり、さらに好適には70重量%以下である。このとき、ポリプロピレンの含有量は、好適には20重量%以上、より好適には25重量%以上、さらに好適には30重量%以上である。
また、上記樹脂組成物にはポリエチレンとポリプロピレンとに加え、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填材、有機充填材、顔料、可塑剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明の連結糸の製造方法は、ポリエチレン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物をノズルから押出して、複数のフィラメントがサイドバイサイドに連結された未延伸糸を得る第1工程と、当該第1工程で得られた未延伸糸を一軸延伸して延伸糸を得る第2工程と、当該第2工程で得られた延伸糸をエンボス加工する第3工程と、当該第3工程でエンボス加工した延伸糸を所定の長さに切断する第4工程とを備える。
第1工程では、ポリエチレンとポリプロピレンとを所定の配合比で押出機に投入して溶融混練し、ノズルからフィラメントを押し出して未延伸糸を得る。このとき得られる未延伸糸は、複数のフィラメントがサイドバイサイドに連結されたものである。そのため、第1工程における押出機のノズルは、複数の孔が相互に結合して、あるいは近接して構成されている。孔の数が多くなると延伸糸が折れ重なり易くなりエンボス加工が難しくなるだけでなく、コンクリートに混合したときに単一のフィラメントに分離し難くなる。また、孔の数が少なくなるとコンクリート中でのフィラメントの分散性が劣る。そのため、孔の数は、好適には3〜10本であり、より好適には4〜6本である。孔の形状は、円形や楕円形に限られず、三角形、四角形等の多角形、Y形、星形等の異形断面形状であってもよい。
次に、第2工程において、第1工程で得られた未延伸糸を一軸延伸して延伸糸を得る。これによって、分子鎖を長手方向に配向させて、引張強度が高く伸びの小さいフィラメントとすることができる。また、幅方向に伸び難くし、フィラメントの連結部を裂け易くすることができる。具体的には、ノズルから押し出された未延伸糸を冷却した後に、熱ロール式、熱板式、熱風オーブン式などの熱延伸機により一軸延伸を行って延伸糸を得る。延伸倍率が低いとフィラメントに強度が得られないうえに連結部が幅方向に伸びやすくなって連結部が裂け難くなる。延伸倍率が高いと延伸中にフィラメントが破断し、生産が難しくなるため、好適な延伸倍率は8〜25倍であり、より好適には10〜16倍である。
さらに、第3工程において、第2工程で得られた延伸糸にエンボス処理を施して、その表面に凹凸を形成する。具体的には、延伸糸をエンボスロールに通す方法などが挙げられる。引き続き、第4工程において、第3工程でエンボス加工された延伸糸を所定の長さに切断し、本発明の連結糸を得る。本発明の連結糸は、第3工程によってエンボス加工が施されるため、表面に形成された凹凸により、高いアンカー効果を得ることができるうえに、第3工程や第4工程で、フィラメント間の連結部が損傷し、一部が裂けた状態となり、コンクリートに加えて撹拌したときに単一のフィラメントに分離し易くなる。
こうして得られた本発明の連結糸を構成する単一のフィラメントの繊度は、200〜2000デシテックス(以下、dtexと略すことがある)である。靱性の優れたコンクリートを得る場合やコンクリート片の落下防止として使用する場合において、コンクリートに混合するフィラメントは、そのフィラメント1本あたりの引張強度や引張弾性率が高く、繊度の大きいものが良い。しかしながら、フィラメントの繊度を大きくしすぎるとコンクリートの表面からフィラメントが突出する。一方、繊度を小さくしすぎるとコンクリートとの混合時(あるいは、混合前のフィラメントの入った袋の中)にフィラメントが玉状(いわゆるファイバーボールと称される現象)になってしまい、コンクリート中でのフィラメントの分散性が低下する。連結糸を構成する単一のフィラメントの繊度は、好適には400〜1000dtexである。
本発明の連結糸の長手方向の長さ(L)は、長さが長すぎるとファイバーボールになりやすく、短すぎると十分なアンカー効果が得られないため、好適には25〜75mmであり、より好適には30〜65mmである。本発明の連結糸の厚さ(T)は、厚さが厚すぎると曲げ反発応力が上がり、薄すぎるとコンクリート中でのフィラメントの分散性が低下するため、好適には0.2〜1.0mmであり、より好適には0.4〜0.8mmである。また、本発明の連結糸の幅(W)は、幅が広すぎると分離性が低下し、狭すぎるとコンクリート中でのフィラメントの分散性が低下するため、好適には0.6〜3.5mmであり、より好適には1.0〜2.6mmである。
さらに、本発明の連結糸は、フィラメントがサイドバイサイドに好適には3〜10本、より好適には4〜6本連結した構成であるため、単一フィラメントが50〜300の高いアスペクト比(L/(断面積を円の面積とした時に算出される直径(R)))を示すものであっても、コンクリート混合中に除々に単一のフィラメントに分離することができ、コンクリート中でのフィラメントの分散性が良好であるため、フィラメントとコンクリートとの密着面積が大きい(補強効果が高い)コンクリートが得られる。また、当該連結糸の曲げ反発応力は、好適には80mN以下であり、より好適には60mN以下である。
本発明の連結糸をセメント、水、骨材などを含む流動状態のコンクリートに加えて撹拌し、得られた混合物を打設してから硬化させることにより、補強コンクリートが形成される。本発明におけるコンクリートは、セメント、骨材及び破砕物、水を含む混合物である。当該骨材としては、粗骨材と細骨材(砂)の両方を用いる場合が多いが、細骨材のみを用いる、いわゆるモルタルも本発明のコンクリートに含まれる。
本発明の連結糸は、フィラメントがサイドバイサイドに連結して構成されており、ポリエチレンとポリプロピレンとが所定の比率で配合されており、表面にエンボス模様を有する。そのため、流動状態のコンクリートと混合すると、単一のフィラメントに分離し、裂けた連結部から毛羽が発生する。そのため、セメントや骨材とフィラメントとがよく絡まり、ならし後の突出防止や、アンカー効果を補助することができる。
また、コンクリートに混合する連結糸の量が増えるとコストアップになると同時に、コンクリートの流動性が下がりコンクリート施工性が劣る。一方、コンクリートに混合する連結糸の量が減ると十分なコンクリート補強効果が得られない。そのため、コンクリートに混合する連結糸の量は、好適には2〜10kg/mである。
また、本発明の好適な実施形態は、連結糸を流動状態のコンクリートに加えて撹拌し、得られた混合物を打設してから表面をならして硬化させるコンクリート表面の形成方法である。こうすることによって、硬化したコンクリート表面からフィラメントが突出することを防止することができ、外観の良好なコンクリート表面が形成できる。
本発明の連結糸が混合されたコンクリートが用いられる場所は特に限定されず、道路舗装の材料、建築物の床や外壁、トンネルの内壁などの土木建築用材料として広く利用できる。例えば、本発明の連結糸は、コンクリート床を形成する場合に好適に用いられ、硬化コンクリートの表面からフィラメントが突出することを防止でき、表面から突出したフィラメントを除去する手間もかからず、コンクリート床の外観も損ねることもない。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
[連結糸の作製]
高密度ポリエチレン(密度0.95g/cm、MFR1.0g/10min(190℃、2160g荷重)、以下PEと略すことがある)とポリプロピレン(密度0.91g/cm、MFR0.5g/10min(230℃、2160g荷重)、以下PPと略すことがある)を60:40の重量比で混合した混合物を押出機に投入して、直径1.2mmの円形の孔が、相互に接するように直線上に4個配置されたノズルから吐出した。ノズルから吐出された糸を水槽で冷却した後、熱風式の延伸装置を用いて延伸倍率12倍で延伸し、4本のフィラメントが並列に連結した連結糸を得た。さらに、得られた延伸糸をロール間距離が0.15mmに調整されたエンボス加工機に送り込み、延伸糸表面に菱形パターンのエンボス加工を施してから切断して、連結糸を得た。このようにして得られた連結糸は、幅(W)が1.3mm、厚み(T)が0.42mmであり、繊度が3200dtex(フィラメント1本あたりの繊度は800dtex)であった。
[評価試験1(最大点強度、破断点伸度、引張弾性率)]
得られた連結糸の物性を、JIS L1013に準拠して計測したところ、最大点強度が6〜8cN/dtex、破断点伸度が9〜12%、引張弾性率が8〜11GPaであった。
[評価試験2(曲げ反発応力)]
図1に示すように、電子天秤2と把持具4を有するスタンド5とを準備した。把持具4を電子天秤2の計量皿3と平行になる状態で固定し、電子天秤2の計量皿3の上部との距離を5mmとした。続いて、連結糸を長さ50mmにカットして試験片1とし、把持具4から下方垂直方向に20mm露出するように、当該把持具4で把持した。その後、図2に示すように、試験片1の下端を電子天秤2の計量皿3の中央に、ゆっくりと当てて、1分間静置した。その状態で電子天秤2に表示される荷重を曲げ反発応力(31mN)とした。結果を表1に示す。
[評価試験3(連結糸の状態)]
(1)分離性
上記評価試験2の後、連結糸の連結部に裂けた部分があるか否かについて、以下の評価基準にしたがって評価したところ、評価はAであった。結果を表1に示す。
A:連結部に裂けた部分があり、連結糸を揉むと単一のフィラメントに分離した。
B:端部に裂けた部分があるものと、ないものがあり、連結糸を強く揉むと単一のフィラメントに分離した。
C:連結部に裂けた部分はなく、連結糸を強く揉んでもほとんど単一のフィラメントに分離しなかった。
(2)毛羽
また、上記評価試験2の後、連結糸の裂け目を観察し毛羽があるか否かについて以下の評価基準にしたがって評価したところ、評価はAであった。結果を表1に示す。
A:毛羽がある。
B:わずかに毛羽がある。
C:毛羽はない。
[評価試験4(付着試験)]
付着試験は、社団法人日本コンクリート工学協会のJCI規定集(1977−2002)繊維補強コンクリートの試験方法に関する規準「JCI−SF8 繊維の付着試験方法」に準拠して、最大引抜け荷重(N)とすべり量が3mmまでの荷重―すべり曲線下の面積((N・mm)以下、引抜エネルギーということがある)とを測定した。最大引抜け荷重は325N、引抜エネルギー642N・mmであった。結果を表1に示す。
[評価試験5(コンクリート形成試験)]
ポルトランドセメントと細骨材と粗骨材とAE(Air Entraining)減水剤とからなるコンクリート材料(水セメント比(セメントの重量に対する水の重量の割合):0.65)に、連結糸を長さ58mmにカットしたものを3kg/m添加して、コンクリートミキサーにて混合した。そして、連結糸が添加されたコンクリート材料を型枠に打設した後、トロウェルを用いてコンクリート表面を平らにならして、表面の状態を目視にて観察した。評価基準は以下の通りであり、評価はAであった。評価結果を表1に示す。
A:フィラメントの突出はなかった。
B:フィラメントの突出がわずかに見られた。
C:突出したフィラメントがほとんど分離していないため目立った。
D:多くのフィラメントが突出した。
実施例2、3、比較例1〜3
PEとPPとの配合比を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして連結糸を作製し、評価試験2、3及び5を行った。結果をまとめて表1に示す。
比較例4
エンボス加工(第3工程)を行わなかった以外は実施例1と同様に連結糸を作製し、評価試験2〜4を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005830785
表1に示されるように、ポリエチレンを40〜90重量%及びポリプロピレンを10〜60重量%含む樹脂組成物からなる実施例1〜3の連結糸は、曲げ反発応力が小さく、連結部の裂け易さ及び毛羽の発生が良好で、コンクリート形成試験においてフィラメントの突出が抑制された。これに対し、ポリエチレンのみからなる比較例1では、連結部が裂けにくく、コンクリート形成試験において、突出したフィラメントがほとんど分離していないために目立っていた。また、ポリプロピレンの含有量が60重量%を超える比較例2及び3では、曲げ反発応力が大きく、コンクリート形成試験において多くのフィラメントが突出した。また、実施例1と比較例4とを比べれば明らかなように、連結糸にエンボス処理が施されることによって、分離性が良好になるとともに、付着試験における良好なアンカー効果を得ることができた。
1 試験片
2 電子天秤
3 計量皿
4 把持具
5 スタンド

Claims (9)

  1. 複数のフィラメントをサイドバイサイドに連結して構成してなるコンクリート補強用連結糸であって、ポリエチレンを40〜90重量%及びポリプロピレンを10〜60重量%含む樹脂組成物からなり、その表面にエンボス模様を有し、かつ200〜2000dtexの単一のフィラメントに分離可能であることを特徴とするコンクリート補強用連結糸。
  2. 長さ(L)が25〜75mmである請求項1に記載のコンクリート補強用連結糸。
  3. 厚さ(T)が0.2〜1.0mmである請求項1または2に記載のコンクリート補強用連結糸。
  4. 3〜10本の前記フィラメントをサイドバイサイドに連結して構成してなる請求項1〜3のいずれか記載のコンクリート補強用連結糸。
  5. 延伸倍率8〜25倍で一軸延伸してなる請求項1〜4のいずれか記載のコンクリート補強用連結糸。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載のコンクリート補強用連結糸の製造方法であって、
    ポリエチレン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物をノズルから押出して、複数のフィラメントがサイドバイサイドに連結された未延伸糸を得る第1工程と、
    前記第1工程で得られた未延伸糸を一軸延伸して延伸糸を得る第2工程と、
    前記第2工程で得られた延伸糸をエンボス加工する第3工程と、
    前記第3工程でエンボス加工した延伸糸を所定の長さに切断する第4工程とを備えることを特徴とするコンクリート補強用連結糸の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載のコンクリート補強用連結糸を流動状態のコンクリートに加えて撹拌し、得られた混合物を打設してから表面をならして硬化させることを特徴とするコンクリート表面の形成方法。
  8. 前記表面はコンクリート床の上面である請求項7に記載のコンクリート表面の形成方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか記載のコンクリート補強用連結糸とセメントと水と骨材とを混合して硬化させたコンクリート床。
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