JP2018199631A - ビフィズス菌含有カプセル製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビフィズス菌を含む粉末組成物中のビフィズス菌を安定に保持できるカプセル製剤の提供。【解決手段】ビフィズス菌を含む粉末組成物が、水溶性フィルム形成ポリマーとジェランガムを原材料とするハードカプセルに充填されたカプセル製剤であって、カプセルの水分値が3〜4質量%に調整されたカプセル製剤。【選択図】図1

Description

本発明は、ビフィズス菌含有カプセル製剤に関する。
ビフィズス菌とはグラム陽性の偏性嫌気性桿菌の一種で、放線菌綱Bifidobacteriales目Bifidobacterium属に属する細菌の総称であって、グラム陽性の偏性嫌気性桿菌の一種で、放線菌綱Bifidobacteriales目Bifidobacterium属に属する細菌の一群をさす。ビフィズス菌は、全ての動物の腸内に生息し、人間の腸管にはB. bifidum、B. breve、B. infantis (B. longum subsp. infantis に再分類)、B. longum、B. adolescentisの5種が生息する。
ビフィズス菌は、糖を分解して乳酸、酢酸を作るヘテロ乳酸菌の仲間でもある。ビフィズス菌は、乳糖やオリゴ糖などを分解して乳酸や酢酸を産生し、腸内のpHを顕著に低下させ、善玉菌として腸内の環境を整えるほか、花粉症などアレルギー症状の緩和にも貢献していることが分かってきた。また乳幼児に多いロタウイルスによる感染性腸炎の抑制をすることが知られている。そのほかにもビフィズス菌による様々な効果が報告されている。
このため最近、ビフィズス菌を経口摂取して健康を維持するためのさまざまな提案がなされている。一般的にはビフィズス菌の培養物を凍結乾燥し、これを賦形剤と共にカプセルに充填したものが市販されている。しかしビフィズス菌は、酸素過多の条件では極めて生存性が低いことが知られている。このため、ビフィズス菌を安定に保存し、生存性を維持したまま製剤化するために種々の提案がある。
特許文献1には、ビフィズス菌とビフィズス菌が増殖できる食品成分、例えば果汁飲料、野菜ジュース、健康ドリンク、加工乳、豆乳、ゼリー、ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵乳、炭酸飲料、ニアウォーターおよびプリンなどを充填したカプセルが記載されている。
特許文献2には、ゼラチン又はセルロース誘導体を基材とするハードカプセル内にビフィズス菌を含み、 前記カプセルの嵌合部にバンドシールを有し、前記カプセルの表面に、キトサン含有層と、腸溶性基材含有層とを、この順に有してなるカプセルが記載されている。
特許文献3には、ビフィズス菌を含み、且つ表面にキトサン膜が施されている錠剤を充填したハードカプセル製剤が記載されている。
特許文献4には、凍結乾燥したビフィズス菌を、タンパク質と炭水化物の水性懸濁液中に、 フィルム形成性のタンパク質と炭水化物と脂肪の水中油型エマルジョン中に、またはフィルム形成性タンパク質と炭水化物内に分散される油中に分散させ、これをカプセル化蛋白質と糖からなるマイクロカプセルに封入し、このマイクロカプセルをカプセルなどに充填する技術が記載されている。
特許文献5には、60〜98質量%の範囲内のマルトースを有する糖類粉末組成物とビフィズス菌とを含む固形製剤であって、糖類粉末組成物の含有量が30〜95質量%の範囲内の組成物を内包したハードカプセル剤が記載されている。
またカプセルの材質や構造についての提案もなされている。
特許文献6には、コアと、コアを被包する保護層と、保護層を被包する水溶性ゲル化剤を含む皮膜層とを備えた三層構造カプセルであって、コアは水と配合禁忌の関係にあるビフィズス菌と第一油性物質と多孔性微粒子粉末とを含有し、保護層は第二油性物質を含有することを特徴とする三層構造シームレスカプセルが記載されている。これは、コアと皮膜層が隔離され、ビフィズス菌が安定的に維持される。
特許文献7には、耐酸性を有するハードカプセルにビフィドバクテリウム属細菌と油脂とを含有する組成物を充填しカプセルを密封シールすることで、保存性と、胃酸に対する抵抗性を付与したカプセル製剤が提案されている。
本願出願人も、ビフィズス菌を安定化するために、ビフィズス菌粉末に加えてヒドロキシプロピルセルロース及び炭酸カルシウムを共存させた耐酸性カプセル製剤を提案している(特許文献8)。
しかしこれらの技術も、必ずしも有効でない場合があり、現在もビフィズス菌製剤の安定化について様々な試行錯誤が行われている。
特開2001−245660号公報 特開2012−149032号公報 特開2013−224273号公報 特開2016−052323号公報 特開2016−193893号公報 特開2016−074615号公報 特開2016−033118号公報 特開2015−193556号公報
本発明は、ビフィズス菌乾燥粉末を含む組成物中のビフィズス菌を安定に保持できるカプセル製剤を提供することを課題としている。
前記課題に鑑み、本発明者らは、ビフィズス菌の安定化に当たっては、ビフィズス菌の乾燥粉末を充填するカプセルの水分含量に問題があることを知見し鋭意検討した。その結果、ビフィズ菌の乾燥粉末を安定化することができるカプセルの条件を見出し、発明をなした。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)ビフィズス菌を含む粉末組成物が、水溶性フィルム形成ポリマーとジェランガムを原材料とするハードカプセルに充填されたカプセル製剤であって、カプセルの水分値が3〜4質量%に調整されたカプセル製剤。
(2)水溶性フィルム形成ポリマーがヒドロキプロピルメチルセルロースである(1)に記載のカプセル製剤。
(3)ビフィズス菌を含む粉末組成物の水分活性が0.2aw未満に調整された(1)又は(2)に記載のカプセル製剤。
(4)カプセルが耐酸性を有する(1)〜(3)のいずれかに記載のカプセル製剤。
(5)ビフィズス菌を含む粉末組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸カルシウム、乳たんぱく消化物、硬化油脂を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載のカプセル製剤。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のカプセル製剤が、乾燥剤と共に通気性のない容器又は袋に密封されている包装体。
本発明のカプセル製剤は、長期間保存してもビフィズス菌の生残性が低下しない。またカプセルの強度が高く、製造時、保存中または輸送時の破損が低減する。さらにまた本発明の包装体は、外気から遮断されているためカプセル皮膜を介した水分の流通がなく、ビフィズス菌の安定性とカプセルの破損防止に有効である。
実施例1、実施例2、及び比較例1、比較例2のカプセル製剤の25℃保存12ヶ月後のビフィズス菌の残存率(生存率)測定結果を示す。
本発明は、水溶性フィルム形成ポリマーとジェランガムとを含有するカプセルに充填されたビフィズス菌含有カプセル製剤であって、カプセルの水分値が3〜4質量%に調整され、ビフィズス菌を含む乾燥粉末を充填した、ビフィズス菌含有カプセル製剤に係る発明である。
本発明のカプセル製剤について具体的に説明する。
本発明において、水分活性awとは、カプセルを入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義され、以下の式によって求められる値をいう。
aw=P/PO
純水の水分活性は1.000awであり、0.000〜1.000awの範囲で表される。
本発明のビフィズス菌含有カプセル製剤中のビフィズス菌の安定性(生残性)を決定付ける因子は、第1義的には、内包するビフィズス菌含有粉末の水分活性awであり、第2義的には、カプセルの水分含量である。従来の研究からすでに、ビフィズス菌を含む組成物(粉末)の水分活性awを0.2未満に保つとビフィズス菌の生存性が高まることは当業者間では周知であった。しかし、予め水分活性を0.2aw未満に調整されたビフィズス菌含有粉末をカプセルに充填し、長期間保存すると、本願明細書の試験例で示すようにビフィズス菌の生存率は70%以下に低下する。この原因は、カプセルから移行する水分のせいであり、この水分によって内封された組成物中のビフィズス菌の生存率が低下することが判明した。
したがって、第1の要因を減じるためには、ビフィズス菌を含む組成物(粉末)を凍結乾燥や減圧乾燥など低温条件で十分乾燥しなければならない。次に第2の要因を減じるために、カプセルに充填後は、カプセルからビフィズス菌を含む組成物への水分移行を厳しく管理しなくてはならない。
本発明のカプセル製剤において、カプセルは、水溶性フィルム形成ポリマーとジェランガムとを含有する耐酸性の腸溶性カプセルを用いる。カプセルを形成する水溶性フィルム形成ポリマーとして、公知の水溶性フィルム形成ポリマーを使用することができる。そのような水溶性フィルム形成ポリマーとして、例えば、セルロース誘導体、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ゼラチン、プルラン、ポリビニルアルコール(PVA)およびデンプン誘導体から選択することができ、HPMCが特に好ましい。
ジェランガムは、微生物により産生される多糖類である。本発明において、水溶性フィルム形成ポリマーに対するジェランガムの比率は、カプセルに耐酸性を付与することができる比率であれば特に制限されず、当業者は、使用する水溶性フィルム形成ポリマーの種類に応じて、適切な比率を決定することができる。例えば、好ましい実施態様において、ジェランガムは、水溶性フィルム形成ポリマー100質量部に対して、4〜15質量部、好ましくは4.5〜8質量部、より好ましくは4.5〜6質量部の比率で使用することができる。ジェランガムは、水溶性フィルム形成ポリマー100質量部に対して、5または5.5質量部の比率で使用することが特に好ましい。
本発明のカプセルは、当業者に周知の方法で製造することができる。例えば、水溶性フィルム形成ポリマーおよびジェランガムを溶解した水性組成物中に、成型ピンを浸漬し、これを引き上げ、浸漬ピンに付着した水性組成物を乾燥させてジェルを得るという方法により、ハードカプセルを製造することができる。カプセルをより効率的に生産するための添加剤として、可塑剤、保存剤、分散剤(デキストリン、シュクロース、マンニトール、マルトースなど)、着色剤、滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、その他の添加剤が知られているが、本発明のカプセルにおいても、これらを適宜使用することができる。
本発明に使用されるカプセルとして、商業的に入手可能な市販品を用いてもよく、例えば、カプスゲルジャパン社製ハードカプセルであるDRcaps(商標)を用いることが好ましい。
上記のカプセルの水分規格値は通常、9.0質量%以下としており、実際には5〜6質量%となる。このような高水分のカプセルは、カプセルの水分が移行するため、水分活性が上昇する。したがってこれを抑制するためにはカプセル製造後の乾燥処理(通常は乾燥棚を用いて通気乾燥する)と製造後水分管理により、カプセルの乾燥減量を5質量%以下、好ましくは3〜4質量%とする。
本発明に係るカプセル製剤において、封入されるビフィドバクテリウム属細菌は、胃酸等の消化液から保護することで、失活することなく腸に送達されることが望まれるものであれば特に制限されない。例えば、本発明において、ビフィドバクテリウム属細菌は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・アングレイタム(Bifidobacterium angulatum)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)に属する細菌、ビフィドバクテリウム・カテニュレイタム(Bifidobacterium catenulatum)に属する細菌を含む群から選択することができる。
本発明において用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌としては、これに制限されるものではないが、ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700や、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC15707などを挙げることができる。
なお、ビフィドバクテリウム属細菌の供給源としては、これらの細菌を含有する物として、菌体懸濁液、菌体培養物(菌体、培養上清液、培地成分を含む)、菌体培養物から固形分を除去した菌体培養液、および菌体懸濁液、菌体培養物の凍結乾燥物、並びにビフィドバクテリウム属細菌含有飲料や発酵乳等ビフィドバクテリウム属細菌を含有する飲食品等を使用することが可能であり、これらを用いて細菌を単離してもよく、細菌を含有する組成物の状態で使用してもよい。
本発明において、ビフィドバクテリウム属細菌は、単一の菌種である必要はなく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、封入されるビフィドバクテリウム属細菌の形態は、特に制限されず、生菌体、湿潤菌、乾燥菌、およびこれらの破砕物等、任意の形態のものを用いることができる。後述する油脂との分散が良好であるという点では、乾燥菌(菌末)であることが好ましい。
本発明において、カプセルに封入される組成物に対するビフィドバクテリウム属細菌の量は、所与の条件下(カプセルのサイズ、細菌、賦形剤、安定化剤等の種類および量など)において、ビフィドバクテリウム属細菌によって期待される効果の種類、程度に応じて、適宜設定することができるが、カプセル1包当りのビフィドバクテリウム属細菌の量は、1.0×10cfu〜1.0×1012cfu(colony forming unit)となるようにカプセルに封入されていることが好ましく、1.0×10cfu〜5.0×1011cfuであることがより好ましく、1.0×10cfu〜1.0×1011cfuであることがさらに好ましい。ビフィドバクテリウム属細菌(以下「ビフィズス菌」)は公知の方法で培養し、培養液から遠心分離等の方法で回収し、凍結乾燥処理により、ビフィズス菌の乾燥粉末を調製する。なお凍結乾燥粉末の水分活性は0.05aw以下とする。またビフィズス菌粉末として市販されているものも使用可能であるが、この場合も、水分活性は0.05aw未満のものを使用しなければならない。
ビフィズス菌の凍結乾燥粉末はさらに中和剤、散逸防止剤、浸水抑制剤などの賦形剤や添加剤と粉混合して、ビフィズス菌含有粉末組成物とする。このとき使用する添加剤や賦形剤の水分活性は可能な限り乾燥させ、これを使用する。ビフィズス菌含有粉末組成物の水分活性は0.2aw未満でなければならない。カプセルに配合するその他の賦形剤としては、例えば、セルロース、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、粉末還元麦芽糖水あめ、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルトース、デンプンおよびデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビアおよびその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、デンプンおよびデンプン誘導体、グァーガム、アラビアガム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。その中でも、デンプンが特に好ましい。これらの賦形剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて、任意の配合量で用いることができる。
また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油等が挙げられ、その中でもステアリン酸カルシウムが好ましい。これらの滑沢剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて任意の配合量で用いることができる。
ビフィズス菌を含む組成物をカプセルに充填し、密封シールを行っても良いが、その場合は公知の操作方法に従って行う事ができる。得られたカプセル製剤はシリカゲル等の乾燥剤と共に通気性のないアルミ袋に密封する。封入するカプセル量は、1回の服用量、又は1日の服用量、又は1ヶ月分の服用量など自由に設定して良い。
以下に試験例、実施例、比較例を示しさらに本発明を説明する。
1.ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベを含む組成物の水分活性の測定
<試験サンプル調製方法>
下記表1の組成で本発明のカプセル製剤用のビフィズス菌含有組成物(粉末)を調製した。
Figure 2018199631
表1に示す原材料のうち、ステアリン酸カルシウム以外の原料を量り取り、V型混合器(筒井理化学器械社製:ミクロ型透視式混合器)で10分間混合した後、ステアリン酸カルシウムを加え、5分間混合し、カプセル充填用のビフィズス菌含有組成物(粉末)100gを得た。
なお表1において用いる原材料の詳細は下記の通りである。
(有効成分)
・ビフィズス菌末(1)(森永乳業社製:高濃度ビフィズス菌末BB536−EX)生菌末(BB536株培養物)
・ビフィズス菌末(2)(森永乳業社製:森永ビフィズス菌末B−3−EX)生菌末(B−3株培養物)
・N−アセチルグルコサミン(焼津水産化学工業社製:マリンスウィート(商標)YSK)
(賦形剤)
・ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製:セルニーH微粉)
・炭酸カルシウム(キユーピー社製:カルホープ)
・乳たんぱく消化物(森永乳業社製:GFR−Powdr(N))
・硬化油脂(川研ファインケミカル社製:ラブリワックス−102H)
・微粒二酸化ケイ素(富士シリシア化学製:サイロページ760)
(滑沢剤)
・ステアリン酸カルシウム(堺化学工業社製:食品添加物ステアリン酸カルシウム)
<水分活性測定方法>
上記のビフィズス菌含有粉末組成物を用いて水分活性を測定した。サンプル約1〜2g程度を用い、25℃での水分活性を測定した。測定には、水分活性計4TEV(AQUA LAB社)を用いた。組成物の水分活性は0.0937awであった。
2.水分の異なるハードカプセルの調整
耐酸性ハードカプセル(カプスゲルジャパン社製:DRcaps(商標))を購入し、乾燥減量法により水分値を、及び露点測定法により水分活性を測定した。また、ハードカプセルの水分値並びに水分活性測定に当たっては、予めハードカプセル約5gをフードプロセッサを用いて60秒間粉砕したものを用いた。
購入直後のハードカプセルは、水分値6.1質量%、水分活性0.4639awであった。これを比較例用カプセルとした。
ついで、乾燥剤として95%グリセリンを封入したガラス製デシケータ中に、1,000個のカプセルを密封保管し、5日間乾燥させた。同様に乾燥減量法により水分値を、露点測定法により水分活性を測定した。
水分値3.6質量%、水分活性0.2475awであった。これを低水分1カプセルとした。
ついで、さらに乾燥を5日間継続したカプセルを得た。これも同様に、乾燥減量法により水分値を、露点測定法により水分活性を測定した。
水分値2.7質量%、水分活性0.204awであった。これを低水分2カプセルとした。
3.カプセルの耐久性試験
カプセルの水分含量が低すぎるとカプセルの割れにつながるため、カプセル割れ試験を実施した。上記のビフィズス菌含有粉末組成物を各270mg充填したカプセル製剤を調整し、これを各100個ずつアルミパウチにシリカゲル1個と共に密封し、25℃で2週間保管した。保管終了後、アルミパウチを開封し50粒ずつを取り出し、割れ試験に供した。割れ試験は、ステンレス製の皿にカプセルを1個置き、100gの分銅を高さ8cmから1回落下させ、カプセルに割れが生じるか否かを観察した。50個中の割れの生じたカプセルの比率を割れ発生率とし、割れ発生率70%未満を適、70%以上を不適と判断した。比較例カプセルの割れ発生率は36%、低水分1カプセルの割れ発生率は36%、低水分2カプセルの割れ発生率は80%であった。したがって低水分2カプセルは、本発明には不適と判断した。
4.保存によるビフィズス菌の生存性試験
(1)試験試料の調製
比較例品、低水分1のカプセルに上記のビフィズス菌含有粉末組成物を充填し、ビフィズス菌含有カプセル製剤を調製した。このカプセル製剤を各100個とシリカゲルを下記の表2のように組み合わせて、アルミパウチ製袋に密封して試験試料とした。
Figure 2018199631
(2)保存試験
上記の試験試料を25℃、相対湿度60%のインキュベーター中に12ヶ月保管した。
12ヶ月経過後、開封し、さらにカプセルを開封してビフィズス菌含有粉末組成物を取り出してビフィズス菌の生存数及び水分活性を測定した。
ビフィズス菌の生存は、取り出したカプセル内容物を、生理食塩水を用いてサンプル調製し、TOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業社製)へ混釈培養し、アネロパウチ・ケンキ(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気状態にし、37℃、72時間の培養後、コロニー数をカウントして生存数を確認した。
(3)試験結果
<ビフィズス菌の生存数>
試験開始前のビフィズス菌数を100%としたときの相対値を図1に示す。
実施例1は、試験開始前に対して増加していた。また実施例2はわずかに減少していたが、どちらも試験開始前とほぼ変わらなかった。一方比較例品はいずれも試験開始前の80%以下であり、明らかに菌数の減少が見られた。すなわち、シリカゲルなどの乾燥剤と封入してもビフィズス菌数の低下を抑制することができないことが明らかとなった。
<水分活性に及ぼす効果>
試験開始前後のカプセル内のビフィズス菌含有組成物の水分活性測定結果を表3に示す。いずれの試験試料も1年間の保存後に水分活性が上昇した。しかし実施例1、2は水分活性0.2aw未満であり、ビフィズス菌の生存に適した環境を保っていた。一方、比較例1、2は水分活性0.2awを超えていた。前記の生存試験の結果で比較例におけるビフィズス菌の生存数が低下したことは、この水分活性の上昇が原因であるものと考えられた。
Figure 2018199631
以上の試験結果から、本発明のビフィズス菌含有カプセル製剤及び包装体はビフィズス菌の生存性を高める効果を有していることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. ビフィズス菌を含む粉末組成物が、水溶性フィルム形成ポリマーとジェランガムを原材料とするハードカプセルに充填されたカプセル製剤であって、カプセルの水分値が3〜4質量%に調整されたカプセル製剤。
  2. 水溶性フィルム形成ポリマーがヒドロキプロピルメチルセルロースである請求項1に記載のカプセル製剤。
  3. ビフィズス菌を含む粉末組成物の水分活性が0.2aw未満に調整された請求項1又は2に記載のカプセル製剤。
  4. カプセルが耐酸性を有する請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル製剤。
  5. ビフィズス菌を含む粉末組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸カルシウム、乳たんぱく消化物、硬化油脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のカプセル製剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のカプセル製剤が、乾燥剤と共に通気性のない容器又は袋に密封されている包装体。
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