JP2018197294A - 陰イオン交換樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】炭酸ディップの妨害を回避して陰イオンの分析が可能な陰イオン交換樹脂および製造方法を提供する。【解決手段】アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性共重合体の加水分解物を基材とし、式(1)で示されるイオン交換基が結合した陰イオン交換樹脂を用いる。(R1及びR2は各々独立にC1〜4のアルキル基;R3はC1〜4のアルキル基又はアルカノール基;X—は陰イオン。)【選択図】図1

Description

本発明は、特定の構造を有する陰イオン交換樹脂およびその製造方法に関するものである。
イオンクロマトグラフィーはイオン成分を分析する方法として各種公定分析法に採用されている。サプレッション工程を有するサプレッサー方式の陰イオン分析では、分離カラムには第4級アンモニウム基などが導入された陰イオン交換樹脂が充填されたものが使用され、溶離液には、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合水溶液や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液が使用される。通常、測定時に分析装置に注入される試料は、イオン成分を含む水溶液の状態であるが、大気中の炭酸ガスが溶解するため、試料には炭酸(もしくは炭酸水素)イオンが必ず含まれている。炭酸(もしくは炭酸水素)イオンは、陰イオン成分として分離カラム内に保持されて溶出するため、しばしば、測定対象の陰イオン成分(主には一般的な測定対象である、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンを示す)と重なり、その分析を妨害する。この炭酸由来の妨害ピークは、その濃度によりベースラインに対し、正方向もしくは負方向に発生し、炭酸ディップと呼ばれている。
この炭酸ディップを回避するため、特許文献1では、陰イオン交換基と合わせて、陽イオン交換基を適量共存させる方法、特許文献2では、ポリグリシジルエーテルを導入後、陰イオン交換基を導入する方法、特許文献3では、ポリビニルアルコール系共重合体にグリシジル基を導入後、陰イオン交換基を導入する方法などが提案されている。しかし、特許文献1〜3の方法では、炭酸濃度が高い試料の場合には、隣接した陰イオンのピーク形状に影響を及ぼし、その定量の妨害となる。
また、特許文献4では、陰イオン交換基の第4級アンモニウム基に対してベータ位にある水酸基をグリシドールを用いて処理する方法が提案されているが、その効果は充填剤の種類により異なり、陰イオン類の溶出が終了した後に溶出させるには至っていない。
特開2003−126707号公報 特開2003−311160号公報 特開2001−040032号公報 特表2015−527596号公報
本発明の目的は、測定対象である陰イオン類を溶出させた後に炭酸ディップを溶出させることで、炭酸ディップの妨害を回避して陰イオン類の分析が可能な陰イオン交換樹脂およびその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の基材に、特定の第4級アンモニウム基が結合した陰イオン交換樹脂を用いてイオンクロマトグラフィーを行うことにより、炭酸ディップの妨害を回避して陰イオン類の分析が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の詳細は以下の通りである。
(1)アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性重合体の加水分解物を基材とし、下記一般式(1)
Figure 2018197294
(式中、R,Rは同一または異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表す。Xは陰イオンを表す。)
で示されるイオン交換基が直接またはスペーサーを介して前記基材に結合した陰イオン交換樹脂。
(2)アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性共重合体の加水分解物に、下記一般式(2)
Figure 2018197294
(式中、Yはハロゲン元素または1以上のエポキシ基を含む多官能性化合物を表す。)で示される化合物を添加し、
下記一般式(3)
Figure 2018197294
(式中、R,Rは同一または異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表す。)
で示される第3級アミンを更に添加することを特徴とする、(1)に記載の陰イオン交換樹脂の製造方法。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
一般式(1)で示されるイオン交換基について、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルカノール基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等を挙げることができる。
陰イオンは限定されるものではないが、ハロゲン陰イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオンなどが挙げられる。
また、一般式(1)で示されるイオン交換基は、直接またはスペーサーを介して基材に結合しており、スペーサーは基材とイオン交換基をエーテル結合を介して結合した構造であることが好ましく、具体的にはブタンジオールジグリシジルエーテル,ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル,グリセロールトリグリシジルエーテル,ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル等の導入により形成された構造が挙げられる。
基材の架橋性共重合体に使用されるアシルオキシスチレン系単量体は、R−CO−O−(式中、Rはアルキル基)の一般式で表されるアシルオキシ基でスチレンのフェニル基の一部が置換されたアシルオキシスチレン及びその置換体を指す。Rで示されるアルキル基部分の炭素数が1〜5のアシルオキシ基が好ましく、アセトキシ基(炭素数1のアシルオキシ基)がより好ましい。アシルオキシ基は、スチレンのビニル基に対してパラ位に配置することが好ましいが、オルト位またはメタ位にあってもよい。また、アシルオキシスチレンの置換体には、アシルオキシ基以外の1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられるが、無置換のp−アセトキシスチレンの方が好ましい。
一方、ジビニルベンゼン系単量体はジビニルベンゼン又はその置換体を指す。2つのビニル基は、パラ位、メタ位、オルト位のいずれの配置であってもよい。ジビニルベンゼンの置換体には、ジビニルベンゼンの1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられるが、無置換のジビニルベンゼンの方が好ましい。
架橋性共重合体におけるアシルオキシスチレン系単量体の量は、好ましくは0.1重量%以上80重量%以下、より好ましくは20重量%以上60重量%以下である。
本発明において、架橋性共重合体に使用する単量体には、アシルオキシスチレン系単量体あるいはジビニルベンゼン系単量体のいずれにも該当しない単量体成分が含まれていてもよい。また、ジビニルベンゼン系単量体として無置換のジビニルベンゼンを使用する場合、エチルスチレン等の混合物を用いてもよい。混合物を使用する場合、ジビニルベンゼンの含有量が50重量%以上であることが好ましい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
まず、アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性共重合体を作製する。前記架橋性重合体の重合方法は特に限定されるものではないが、公知のラジカル重合法(溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合,シード重合)により行うことができる。
ラジカル重合は、例えば、シード重合の場合、重合性単量体、ラジカル重合開始剤、界面活性剤、有機溶媒の混合液より調整した乳化液をシード粒子分散液に投入してシード粒子に吸収、膨潤させることにより、均一な大きさの油滴を形成させ、その後、油滴の分散液を加熱することにより、架橋性重合体へ変換される。
重合時の重合温度や重合時間は適宜設定すればよいが、例えば、窒素雰囲気下、60〜90℃、0.5〜24時間の撹拌が重合条件の例として挙げられる。
シード重合に使用するシード粒子は、非架橋性単量体をソープフリーの乳化重合により調製することができる。非架橋性単量体には、例えば、スチレン系単量体、(メタ)アクリレート系単量体を用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物又は過酸化水素等が挙げられる。
また、ラジカル重合の際には、樹脂内部の細孔特性の制御を目的に、単量体以外の非重合性成分として、有機溶媒を添加することができる。適当な有機溶媒としては、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、ペンタノール等のアルコール類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類、酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。添加する有機溶媒の量は、アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性単量体の合計量に対し、50〜200重量%が好ましく、80〜110%がより好ましい。
次に、架橋性重合体のアシルオキシ基を水酸基に変換する加水分解を行う。加水分解の方法は、エステル基加水分解に関する公知の手段、条件を用いることができ、酸触媒を用いてもよいし、アルカリ触媒を用いてもよい。酸性触媒として、塩酸等の鉱酸類、アルカリ触媒として水酸化ナトリウム等の水酸化物を使用することができる。
次に、架橋性共重合体の加水分解物に下記一般式(2)で示される化合物を添加する。
Figure 2018197294
(式中、Yはハロゲン元素または1以上のエポキシ基を含む多官能性化合物を表す。)
本化合物は、基材と第4級アンモニウム基との距離を調整するためのスペーサーとなる物質であり、2つ以上のエーテル結合の形成が可能な多価の有機残基を有する化合物が好ましい。具体的には、エピクロルヒドリン、ブタンジオールジグリシジルエーテル,ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル,グリセロールトリグリシジルエーテル,ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル等が挙げられる。スペーサーの導入量は、スペーサー導入後の架橋性共重合体の1〜40重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。
基材へのスペーサーの導入には、水中もしくは水溶性有機溶媒を含む水中でアルカリ触媒による反応を用いることができる。適当な水溶性有機溶媒としては、メタノール等のアルコール類、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。また、アルカリ触媒には、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩を使用することができ、その濃度は0.1〜10mol/Lが好ましい。
反応温度は20〜80℃が好ましく、反応時間は0.5〜20時間が好ましい。
次に、下記一般式(3)
Figure 2018197294
(式中、R,Rは同一または異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表す。)
で示される第3級アミンを更に添加する。具体的には、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、ジメチルアミノブタノール、ジエチルアミノエタノール、ジエチルアミノプロパノール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等を挙げることができる。添加量はスペーサーを有する基材に対し、0.1〜30重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
スペーサーを有する基材と第3級アミンとの反応条件は、スペーサーの導入に用いたものと同様の反応条件を用いることができる。
本発明の陰イオン交換樹脂を用いたクロマトグラフィーにおいて、測定対象である陰イオン類を溶出させた後に炭酸ディップを溶出させることで、炭酸ディップの妨害を回避して陰イオン類の分析が可能となり、イオン成分の濃度管理が必要とされる環境試料分析、食品、化学品、医薬などの品質管理や工程管理、半導体産業や発電所の工程管理における水質分析に好適である。
実施例1で得られたクロマトグラムを示す図である。 実施例2で得られたクロマトグラムを示す図である。 比較例で得られたクロマトグラムを示す図である。
以下、本発明を実施例によって具体的に示すが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
a.シード粒子の合成
撹拌器、コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応器中に水220.0gを入れ、メタクリル酸ベンジル30.0g、チオグリコール酸2−エチルヘキシル1.50gを入れて混和させ、重合容器内を窒素雰囲気へ置換した。この溶液に過硫酸カリウム1.20gを水25.0gに溶解させた水溶液を添加し、70℃へ加熱して6時間の重合反応を行った。放冷後、固形分濃度4.9重量%の球状重合体粒子(シード粒子)を得た。得られたシード粒子の粒度分布を湿式フロー式粒子径・形状分析装置(マルバーン社製)で測定したところ、平均粒子径が0.77μmであり、変動係数は5.2%(体積基準)であった。
b.基材の合成
重合性単量体として96重量%ジビニルベンゼン114.5g、p−アセトキシスチレン95.0gを用い、これにトルエン192.0g、2,2‘−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.80g、ドデシル硫酸ナトリウム1.60g及びイオン交換水424.3gとを混合し、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製)にて処理し、乳化液を得た。
次いで2重量%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製 ポバール224)水溶液1200gにa.で得たシード粒子の分散液72.8gを加えて分散させた後、上記で調製した乳化液を加え、室温にて16時間撹拌を行い、乳化液中の油相をシード粒子に吸収させた。
その後、撹拌しながら70℃に加熱して8時間重合反応を行い、樹脂粒子を生成させた。重合反応液をガラスフィルターに投入して、固液分離後、樹脂粒子を温水、アセトン、メタノールで洗浄し、樹脂粒子を回収した。
得られた樹脂粒子の平均粒子径は4.1μmであり、変動係数は15.7%(体積基準)であった。
c.基材粒子の加水分解処理
b.で得たメタノールを含む樹脂粒子600gをセパラブルフラスコに投入し、メタノール600gを添加して分散し、さらに4%水酸化ナトリウム水溶液600gを添加して、70℃で16時間撹拌した。反応スラリーをガラスフィルターへ投入し、固液分離後、温水(60℃)、メタノールで樹脂粒子を洗浄後、真空乾燥し、樹脂粒子表面のアセトキシ基が加水分解処理された樹脂粒子を回収した。
d.基材粒子へのエポキシ基の導入
c.で得た樹脂粒子10gをセパラブルフラスコに投入し、1,4−ジオキサン60gを添加して分散し、さらに12%水酸化ナトリウム水溶液60gを添加して、フラスコ内の温度が45℃に達した時点で、エピクロルヒドリン7.0gを添加し、45℃にて3時間撹拌した。反応スラリーをガラスフィルターへ投入し、固液分離後、水、メタノール、水の順で樹脂粒子を洗浄した。洗浄後、水を含む樹脂粒子を回収した。
含水率を測定することにより、乾燥重量を算出したところ、樹脂の重量はエポキシ基導入前に比べ、約7%増加した。
e.イオン交換基の導入
d.で得た水を含む樹脂粒子28.7g(含水率65.2%)をセパラブルフラスコに投入し、10%水酸化ナトリウム20gを添加して分散させた。さらに、2−ジメチルアミノエタノール0.50gを添加して、60℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応スラリーをガラスフィルターに投入し、固液分離した。ガラスフィルター上の樹脂を水、1mol/L塩酸、水の順で洗浄し、水を含む陰イオン交換樹脂粒子を得た。イオン交換容量は、約120μeq/gであった。
f.分離性能の評価
上記方法に得られた陰イオン交換樹脂粒子を内径4.6mm,長さ10cmのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)製のカラムに充填し、陰イオン交換カラムを調製した。
分離性能を評価するためのイオンクロマトグラフとして、サプレッサー方式のIC−2010(東ソー(株)製)を使用した。4.0mmol/L炭酸水素ナトリウムと2.8mmol/Lの炭酸ナトリウムを含む水溶液である溶離液を1.5mL/minの流速で送液し、イオン成分として、フッ化物イオン1mg/L,塩化物イオン1mg/L,亜硝酸イオン5mg/L,臭化物イオン5mg/L,硝酸イオン10mg/L,リン酸イオン20mg/L,硫酸イオン10mg/Lを含む標準試料30μLをカラムへ注入し、各陰イオンの溶出位置を確認した。炭酸ディップの溶出位置は、300mg/Lの炭酸水素イオンを含む炭酸水素ナトリウム水溶液を30μL注入することにより確認した。300mg/Lの炭酸水素イオンを試料として使用することで、炭酸ディップは正方向のピークとして検出される。
得られたクロマトグラムを図1に示す。図1(a)のクロマトグラムに示した7種の標準陰イオンの溶出位置に対し、図1(b)のクロマトグラムでは炭酸ディップはそれらよりも遅れて溶出し、7種類の陰イオンは炭酸ディップの妨害を受けることなく、分析可能であることを確認した。
(実施例2)
実施例1の「d.基材粒子へのエポキシ基の導入」において、エピクロルヒドリン7.0gの代わりに1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル15.0gを使用した以外は、実施例1と同様の方法を行い、陰イオン交換樹脂粒子を得た。
イオン交換容量は、約120μeq/gであった。
得られた陰イオン交換樹脂粒子について実施例1の「f.分離性能の評価」と同様に評価を実施し、得られたクロマトグラムを図2に示す。図2(a)のクロマトグラムに示した7種の標準陰イオンの溶出位置に対し、図2(b)のクロマトグラムでは炭酸ディップはそれらよりも遅れて溶出し、7種類の陰イオンは炭酸ディップの妨害を受けることなく、分析可能であることを確認した。
(比較例1)
a.シード粒子の合成
実施例1と同様の方法にて実施し、シード粒子を得た。
b.基材の合成
重合性単量体としてエチレングリコールメタクリレート163.2g、グリシジルメタクリレート117.0gを用い、これにクロロベンゼン279.0g、2,2‘−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.80g、ドデシル硫酸ナトリウム1.50g及びイオン交換水582.5gとを混合し、超音波ホモジナイザーにて処理し、乳化液を得た。
次いで2重量%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製 ポバール224)水溶液1200gに上記で得たシード粒子の分散液72.8gを加えて分散させた後、上記で調製した乳化液を加え、室温にて16時間撹拌を行い、乳化液中の油相をシード粒子に吸収させた。
その後、撹拌しながら70℃に加熱して8時間重合反応を行い、樹脂粒子を生成させた。重合反応液をガラスフィルターに投入して、固液分離後、樹脂粒子を温水、アセトン、メタノールで洗浄後、真空乾燥し、樹脂粒子を回収した。
得られた樹脂粒子の平均粒子径は3.7μmであり、変動係数は16.1%(体積基準)であった。
c.基材粒子の親水化処理
真空乾燥した樹脂粒子250gを1,4−ジオキサン1000g中に分散し、ジエチレングリコール600g、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体15.0gを添加して、70℃で16時間撹拌後、反応スラリーをガラスフィルターへ投入し、固液分離した。樹脂粒子を温水(60℃)、メタノールで洗浄後、真空乾燥し、樹脂粒子表面のグリシジル基にジエチレングリコール由来の水酸基が導入された親水性樹脂粒子を回収した。
d.基材粒子へのエポキシ基の導入
実施例2と同様に実施した。
e.イオン交換基の導入
実施例1と同様に実施し、陰イオン交換樹脂粒子を得た。イオン交換容量は、約120μeq/Lであった。
f.分離性能の評価
得られた陰イオン交換樹脂粒子について実施例1と同様に評価を実施し、得られたクロマトグラムを図3に示す。図3(a)のクロマトグラムに示した7種の標準陰イオンの溶出位置に対し、図3(b)のクロマトグラムでは炭酸ディップは臭化物イオンと重なる位置に溶出した。
1.フッ化物イオン由来のピーク
2.塩化物イオン由来のピーク
3.亜硝酸イオン由来のピーク
4.臭化物イオン由来のピーク
5.硝酸イオン由来のピーク
6.リン酸イオン由来のピーク
7.硫酸イオン由来のピーク
8.炭酸イオン由来のピーク

Claims (2)

  1. アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性共重合体の加水分解物を基材とし、下記一般式(1)
    Figure 2018197294
    (式中、R,Rは同一または異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表す。Xは陰イオンを表す。)
    で示されるイオン交換基が直接またはスペーサーを介して前記基材に結合した陰イオン交換樹脂。
  2. アシルオキシスチレン系単量体とジビニルベンゼン系単量体を含む架橋性共重合体の加水分解物に、下記一般式(2)
    Figure 2018197294
    (式中、Yはハロゲン元素または1以上のエポキシ基を含む多官能性化合物を表す。)
    で示される化合物を添加し、下記一般式(3)
    Figure 2018197294
    (式中、R,Rは同一または異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表す。)
    で示される第3級アミンを更に添加することを特徴とする、請求項1に記載の陰イオン交換樹脂の製造方法。
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