JP2018197229A - 体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物 - Google Patents

体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 アガロオリゴ糖を有効成分とする、体調維持用、体調増進用、又は体調調節用組成物を提供すること。【解決手段】 本発明により、体調維持作用、体調増進作用、又は体調調節作用に対して有用な、ヒト又は非ヒト動物の体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物が提供される。当該体調維持、体調増進、又は体調調節としては、例えば、便状態改善、整腸、皮膚状態の改善、皮膚状態の維持、又は疲労感の改善などが挙げられる。【選択図】なし

Description

本発明は、アガロオリゴ糖を有効成分とする、体調維持作用、体調増進作用、又は体調調節作用を有する組成物に関する。
下痢や便秘に代表される消化器官の障害は身近な疾病であるが、体質、食生活、生活習慣、環境や精神的要因が影響することが知られており、症状の慢性化が起こりやすい。身体的に重篤な状態に至る例は少ないが、生活上の不便は多い。また、例えば便秘は、食欲不振や皮膚疾患(肌荒れ、ニキビ、吹き出物等)、痔、大腸癌の原因となるなど、種々の疾患との関連が指摘されている。例えば重度又は慢性的な下痢は、大腸において水分を十分に吸収できないことによって喉の渇きや吐き気などの自覚症状が出て脱水症状を引き起こす、胃腸の消化機能が低下する、摂取したエネルギーの大半が胃腸の機能回復へ使われるため疲労感を生じる、身体が衰弱する、肛門への過負荷によって痔または脱肛の発症などを引き起こす可能性があるなど、種々の疾患又は体調不良との関連が指摘されている。
近年、前記の消化器官障害、特に腸関連疾患の患者数は増加しつつあると言われている。下痢、便秘は非常に身近な疾患であるため、非医薬品(食品やサプリメント等)により症状の改善を図ろうとする研究開発も盛んである。例えば、便秘に関しては油脂類(蓖麻子油等)や食物繊維(水溶性食物繊維、非水溶性食物繊維)が、下痢に関してはロートエキスやベルベリンのような医薬成分や収斂成分(タンニン酸アルブミン等)が有効であることが知られている。しかしながら便秘改善剤により下痢が、止瀉薬により便秘が、それぞれ引き起こされることもあり、適切な用法、用量を選択する必要がある。また、下痢と便秘を交互に繰り返す混合型の人も多く、既存の止瀉薬または便秘薬(下剤)では十分に対応できない症状の人が増加してきている。
アガロオリゴ糖は寒天を分解して得られる素材であり、機能性食品やサプリメント等の用途に利用されている。また、アガロオリゴ糖が有する効果の一つとして、アガロオリゴ糖が骨の減少を抑制することが知られている(特許文献1)。また、高脂肪食によってマウスで引き起こされる腸内細菌叢悪化や大腸発がんの発生をアガロオリゴ糖が抑制することが知られている(非特許文献1)。
便秘気味の成人被験者がアロエ葉肉および低強度寒天を含有する飲料を摂取することにより、1日あたりの排便回数および1回あたりの排便量が増加したことが知られている(特許文献2)。ここで、該特許文献2記載の低強度寒天は、1.5%寒天濃度でゼリー強度が10〜250g/cm2となるように酸処理された寒天分解物である。
しかしながら、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する組成物が便秘、下痢及び軟便をいずれも改善する便状態改善または整腸作用を有することは知られていなかった。
皮膚の最外層に位置する角質層は、皮膚の保湿能や生体の物理的保護をはじめとする生理的役割を担っている。一方で、角質層の厚さは20μmにも満たず、角質層に存在する水分量は皮膚全体の1%にも満たない。このため、僅かな外的刺激(紫外線、乾燥、大気汚染、微生物等)や、内的刺激(皮脂分泌、汗腺機能、表皮代謝等の異常や、加齢、疲労等)によって角質層の状態が悪化し、その機能が低下して皮膚の水分の蒸散や外界からの異物の侵入等を招くこととなる。
成人女性がアガロオリゴ糖を含む組成物を一定期間摂取することにより、摂取前と比較してシワ体積率、シワ最大深度、及びシワ最大幅が低下し、並びにシワ個数が減少したことが知られている(特許文献3)。
しかしながら、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する組成物が肌荒れ改善効果を有することは知られていなかった。
現代社会において、社会人や学生、大人や子供など所属や年齢に関わらず、日々疲労が蓄積しやすい環境にあり、多くの人が慢性的な疲労に悩まされている状態にある。それによって、近年、原因不明の疲労感を感じるいわゆる疲労人口が爆発的に増加している。
Stedman医学事典によれば、疲労とは「精神的または肉体的に活動した結果として生じる、仕事量の減少、遂行の非効率化などを特徴とする状態」であると定義されている。疲労は身体的疲労と精神的疲労に分けられて考えられることもあるが、これらは常に相伴うものであり、完全に分離して考えるのは不可能である。
健常成人がアガロオリゴ糖を含む組成物を摂取することにより、対照群と比較して運動後の筋肉疲労回復が早まることが知られている(特許文献4)。
しかしながら、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する組成物が慢性的な疲労感に対して改善効果を有することは知られていない。
ヒト腸内微生物生態系シミュレータにおいてフラクトオリゴ糖を含む組成物を投与することにより、プロピオン酸塩および酪酸塩が相対的に増加することが知られている(特許文献5)。また、同文献には組成物中のフラクトオリゴ糖の含有率を減らし、アカシアゴムの含有率を増やすことにより、擬似腸内環境の酸性化ができたことが開示されている。
しかしながら、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する組成物が便中の短鎖脂肪酸の量を増加させる効果を有すること、便のpHを低下させる効果を有すること、は知られていない。
特開2011−213707号公報 国際公開第2008/053984号パンフレット 特開2010−95511号公報 特開2014−234382号公報 特許第6205003号公報
Higashimura Y., et al.、American Journal of Physiology − Gastrointestinal and Liver Physiology、2016年1月14日電子公開、DOI: 10.1152/ajpgi.00324.2015
本発明の目的は、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する体調維持用、体調増進用、又は体調調節用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の事情を鑑みて鋭意研究した結果、アガロオリゴ糖が体調維持作用、体調増進作用、又は体調調節作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]アガロオリゴ糖を有効成分として含有する、体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物、
[2]便状態改善又は整腸の作用を有する、[1]記載の組成物、
[3]便の水分量の適正化、腹部の不快感抑制、腹部の膨満感抑制、及び腹部の過活動抑制からなる群より選択される作用を有する、[2]記載の組成物、
[4]結腸内または便に含まれる短鎖脂肪酸の量を増加させるおよび/または便のpHを低下させる作用を有する、[1]記載の組成物、
[5]短鎖脂肪酸が、プロピオン酸、n−酪酸、およびn−吉草酸からなる群より選択される少なくとも1種の短鎖脂肪酸である、[4]記載の組成物、
[6]皮膚状態の改善又は維持の作用を有する、[1]記載の組成物、
[7]荒れた肌を正常状態の肌へ近づける作用を有する、[6]記載の組成物、
[8]疲労感の改善の作用を有する、[1]記載の組成物、
[9]慢性的な疲労感を軽減および/または解消する作用を有する、[8]記載の組成物、
[10]アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオースからなる群より選択される少なくとも1種のアガロオリゴ糖を含有する[1]〜[9]いずれか1つに記載の組成物、
[11]アガロビオース、アガロテトラオース、及びアガロヘキサオースを含有する[10]記載の組成物、
[12]さらにアガロオクタオースを含有する[11]記載の組成物、
[13]0.004mg〜4000mg/kg/dayのアガロオリゴ糖を含有する[1]〜[12]いずれか1つに記載の組成物、及び
[14]食品、飲料、サプリメント、及び医薬から選択される[1]〜[13]いずれか1つに記載の組成物、
に関する。
本発明により、アガロオリゴ糖を有効成分として含有する体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物が提供される。
ブリストル便形状スケールの各タイプにおける便形状の模式図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(便秘)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(下痢)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(肌荒れ)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(疲労感)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(おなかの動き)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(おなかの張り)の図である。 摂取期間の前後アンケートの結果(便スコア)の図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
1.本発明の組成物
本発明の組成物は、アガロオリゴ糖を含有する。
アガロオリゴ糖は、3,6−アンハイドロガラクトピラノースを還元末端に有する、構成単位であるD−ガラクトシル−(β1→4)−3,6−アンヒドロ−α−ガラクトース(この二糖類はアガロビオースと呼ばれる)がα−1,3結合で結合したオリゴ糖である。アガロオリゴ糖としては、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、アガロオクタオース、及びアガロデカオースが例示される。アガロオリゴ糖の製造方法は公知であり、本発明に使用されるアガロオリゴ糖の製造方法には特に限定はない。例えば、国際公開第00/69285号パンフレットには原料寒天を固体酸により酸分解することでアガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオース等を含有するアガロオリゴ糖の混合物を製造できることが知られている。なお、このように原料として寒天を用いて調製されたアガロオリゴ糖は、寒天オリゴ糖と呼ばれることもある。
本発明においては、1種のアガロオリゴ糖を単独で用いても良いし、2種以上のアガロオリゴ糖の混合物を用いても良い。例えば、アガロオリゴ糖として、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオースからなる群より選択される少なくとも1種を含有する本発明の組成物が例示できる。さらに、アガロビオース、アガロテトラオース及びアガロヘキサオースを含有する本発明の組成物が例示できる。当該組成物はさらにアガロオクタオースを含有してもよく、さらにアガロオクタオース及びアガロデカオースを含有してもよい。使用目的に支障のない限りにおいて、本発明の組成物はアガロドテカオース以上のアガロオリゴ糖を含んでいてもよい。
アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオースを含有するアガロオリゴ糖の混合物は、上記したアガロオリゴ糖の製造方法を利用して、任意の形態で製造することができる。また、本発明の組成物には市販されているアガロオリゴ糖を使用してもよい。市販の健康食品であるアガフィット〔製品名(登録商標)、1粒あたり250mg、タカラバイオ社製〕は、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオースを構成成分として含むアガロオリゴ糖混合物を1粒あたり100mg含有している。この他に、該アガロオリゴ糖混合物を含有する市販の健康食品として、飲む寒天(登録商標)やグルコサミン+アガロオリゴ糖〔いずれも製品名、タカラバイオ社製〕がある。
上記国際公開第00/69285号パンフレット記載の方法では、たとえば、アガロビオースが0.5〜90%、アガロビオース以外のアガロオリゴ糖(アガロテトラオース、アガロヘキサオース、アガロオクタオース等;以下同様)が10〜99.5%であるアガロオリゴ糖組成物、アガロビオースが1〜70%、アガロビオース以外のアガロオリゴ糖が30〜99%であるアガロオリゴ糖組成物、アガロビオースが5〜60%、アガロビオース以外のアガロオリゴ糖が40〜95%であるアガロオリゴ糖組成物等を得ることができる。
組成物としてのアガロビオースとアガロビオース以外のアガロオリゴ糖との成分バランスからは、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、アガロオクタオースをそれぞれ20〜25%含有するアガロオリゴ糖組成物が食品、飲料及び飼料の素材として好適である。なお、各アガロオリゴ糖は目的に応じ、酸分解物より、ゲルろ過法、分子量分画法等公知の方法により精製し、使用することができるのは当然である。
本発明の組成物に使用されるアガロオリゴ糖組成物の水溶液は、寒天やアガロースの溶液とは異なり、ゲル化しない。たとえば、本発明に使用されるアガロオリゴ糖組成物を15%の濃度となるように90℃の湯に溶解すると、粘性の無い溶液となる。当該溶液を20℃にて15時間放置しても当該溶液はゲル化せず、粘性の無い溶液のままである。当該溶液をさらに冷却するとオリゴ糖を析出し、−3℃でゲル化することなく凍結する。
ここで、アガロオリゴ糖の原料である寒天は、アガロースとアガロペクチンからなる多糖であり、広く食品素材として使用されている。寒天の原料としては、藻類が好適であり、例えば、テングサ科のマクサ、オニグサ、オオブサ、ヒラクサ、オバクサ、ユイキリ等、オゴノリ科のオゴノリ、オオオゴノリ等、イギス科のイギス、エゴノリ等、その他の紅藻類が例示される。寒天の原料となる藻類は、通常、天日に干して乾燥させたものを用いるが、生の藻類から寒天を調製しても良い。また、藻類を乾燥時に散水しながら漂白した、いわゆるさらし原藻も寒天の原料として使用できる。原料となる藻類を熱水抽出し、得られた抽出物を冷却することによって寒天のゲル、いわゆる「ところてん」が得られる。この「ところてん」から凍結脱水又は圧搾脱水によって水分を除き、乾燥させることによって市販されている形状の寒天が得られる。本発明において、寒天はその起源となる藻類を問わず、また、棒状、帯状、板状、糸状、粉末状等の種々の形態の乾燥物やゲル状の寒天を使用できる。また、寒天はいろいろな強度のゲルを形成できるものが市販されている。
アガロースは、[D−ガラクトシル−(β1→4)−3,6−アンヒドロ−α−ガラクトシル−(β1→3)]nで表わされる構造を有する多糖類である。寒天は通常、約70%のアガロースと約30%のアガロペクチンを含んでおり、寒天から公知の方法で精製を行うことによりアガロースを調製することができる。
寒天又はアガロースは、化学的、物理的又は酵素的方法で部分分解することにより低分子化することができる。本発明においては、寒天、アガロース、低分子化された寒天、低分子化されたアガロースから製造されたアガロオリゴ糖のいずれもが使用できる。寒天又はアガロースの化学的分解方法の例としては酸性条件下での加水分解、物理的分解方法の例としては電磁波や超音波の照射による細断・分解、酵素的分解方法の例としてはアガラーゼ等の加水分解酵素による加水分解が挙げられる。
本発明に使用するアガロオリゴ糖は、精製品、粗抽出物のいずれでもよい。所望により、さらに他の成分を混合してもよい。当該他の成分は、アガロオリゴ糖の効果を阻害しない成分であればよく、同様の効果を有するあるいは異なる効果を有する成分であってもよい。当該他の成分としては、特に限定するものではないが、例えば、腸内細菌叢に対して良好な効果を示す公知の物質、例えばオリゴ糖類(例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ミルクオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、難消化性オリゴ糖等)や乳酸菌類(例えば、Enterrococcus faecalis FK−23、Lactobacillus pentosus S−PT84、Bifidobacterium longum、Bacillus coagulans、Lactococcus lactis、Lactobacillus casei、Lactococcus plantarum等)をアガロオリゴ糖と組み合わせることができる。また、腸内細菌によりエクオールに変換されることが知られているイソフラボン類(例えば、ダイズ由来ダイゼイン)を組み合わせることができる。これらの他、抗肥満や抗ロコモティブシンドローム効果を有するカルコン類(例えば、アシタバ由来カルコン:タカラバイオ社製)やジオスゲニン配糖体(例えば、トゲドコロ由来ヤムスゲニン(登録商標):タカラバイオ社製)と組み合わせ、前記効果が増強された組成物とすることができる。さらに、前記以外の化合物、例えば、発がん抑制作用やがんの増殖又は転移抑制作用を有するフコイダン(例えば、ガゴメコンブ由来フコイダン:タカラバイオ社製)やキノコテルペン(例えば、ブナシメジ由来テルペン:タカラバイオ社製);ボタンボウフウ由来イソサミジン(タカラバイオ社製)等を組み合わせてもよい。
本発明の組成物は、有効成分であるアガロオリゴ糖自体、もしくはこれと前記の他の成分を組み合わせてなる組成物であってもよく、さらに賦形剤あるいは担体と混合して製造される組成物であってもよい。賦形剤及び担体としては、薬学的に許容されるものであれば特に限定はない。例えば、液状賦形剤及び担体としては水、塩溶液、エタノールやポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)等のアルコール類もしくは大豆油、ピーナッツ油、ゴマ油、ミネラル油などの動植物油又は合成油が用いられる。固体賦形剤及び担体としては、乳糖、マルトース、スクロース、デンプン(例えば、コーンスターチ、小麦デンプン、豆類デンプン、イモ類デンプン、ワラビ粉、葛粉)などの糖類、アミノ酸類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウムなどの有機酸塩、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ゼラチンなどが使用される。これらの固体担体又は液状担体を用いて、任意の形状として常法に従って製造することができる。
また、摂取しやすいように香り、味、食感、摂取しやすさ、見た目などを改善するため、添加剤をさらに含有する組成物であってもよい。添加剤としては、薬学的に許容されるものであれば特に限定はない。例えば、添加剤としては、香料、調味料・矯味料(例えば、甘味料、酸味料、苦味料)、ビタミン類、着色料、糊料、粘稠剤、結合剤、崩壊剤、固結防止剤、粘着防止剤、被膜剤、光沢剤、潤沢剤、流動性促進剤等を含有してもよい。
さらに、保存時の安定化のための種々の成分(緩衝剤、界面活性剤、乳化剤、等張剤、防腐剤、抗菌剤、抗真菌剤、保存料、酸化防止剤、キレート化剤、pH調整剤、品質保持剤等)等を含有してもよい。
アガロオリゴ糖の含有量は、後述の本発明の組成物による作用を生じる量であればよく、任意の量を使用することができる。
また、前記の賦形剤、担体、添加剤、保存時の安定化のための種々の成分等その他成分の量は、その作用を生じる量であればよく、任意の量を使用することができる。さらに、それらを複数種組み合わせてもよく、それらの種類及び配合比率は適宜設定することができる。
本発明の組成物は、医薬品に適した原材料ならびに製造工程で製造することにより、医薬品とすることができる。さらに、任意の形状の食品、飲料にアガロオリゴ糖を添加することにより、食品または飲料の形態の組成物としてもよい。また、本発明の組成物は、サプリメント、栄養補助食品、健康補助食品、または栄養調整食品等と称される、一般的な食品とは異なる形状(錠剤、カプセル等)の食品であってもよい。前記の食品、飲料、サプリメント等を包含する本発明の組成物は、栄養機能食品、特定保健用食品、特別用途食品及び機能性表示食品等に関する行政上の制度に従い、機能等の表示を付したものであってもよい。
2.本発明の組成物による作用
本発明の組成物の投与対象としては、ヒト又は非ヒト動物が例示される。非ヒト動物としては、例えば、ペット(愛玩動物)、実験動物、動物園や水族館で飼育されている動物や魚類等が挙げられる。
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、当該ヒト又は非ヒト動物に対して体調維持、体調増進、又は体調調節といった効果が得られる。当該体調維持、体調増進、又は体調調節としては、例えば、便状態改善、整腸、肌荒れ改善、又は疲労感の改善が挙げられる。さらには、過敏性腸症候群の改善、クローン病の改善、潰瘍性大腸炎の改善、より良好な栄養分の再吸収、水分の再吸収、電解質の再吸収、健康促進、医薬品等による副作用への耐性向上、医薬品等による副作用による摂取障害の改善、又は良好な成長への寄与、が挙げられる。本発明を特に限定するものではないが、例えば、本発明の組成物を摂取することにより、以下に示す変化が誘導される。また、本発明の組成物を摂取する前から状態がよいヒト又は非ヒト動物において、それらが本発明の組成物を摂取したとしても該よい状態が維持される。
(a)便状態改善
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、排便の状態を整えることができる。以降、排便の状態を整えることを便状態改善又は整腸と称することがある。ここで、排便とは大便の排泄を指す。
本明細書における便状態改善又は整腸とは、特に限定するものではないが、便の硬度を適正化する(便の水分含量の調整を含む)こと、便状態の異常を正常状態へ近づけること、又は腹部の不快感、腹部の膨満感、もしくは腹部の過活動を抑制することを言う。便秘の解消や下痢状態の改善も本明細書に言う便状態改善に含まれる。すなわち、極端な硬便、軟便が減少し、便の形状が正常化することによって排便に関する身体的な負担が減少する。
本発明による便状態改善の副次的効果としては、排便回数の適正化、便の色、便臭(便のにおい、臭さ)、日常的な腹部の痛み(食中毒やがんなどの疾患に起因する場合を除く)、排便時の腹痛、排便後の残便感、週あたりの排便日数、定期的に便意を生じない状態、通常と比較して高頻度に発生する便意、1回の排便あたりの便量、腹鳴、ガス腹、又は頻繁な放屁などの改善・解消等が挙げられる。
さらには、本発明の組成物を摂取することにより、便秘に起因する皮膚症状、例えば肌荒れや吹き出物が改善する。後述の実施例にも示されるとおり、本発明の組成物を摂取することにより、肌荒れ傾向の被験者において肌荒れの改善が認められている。またさらには、本発明の組成物を摂取することにより、下痢に起因する疲労感や身体の衰弱の改善が期待できる。
便の形状は、たとえばブリストル便形状スケール(Longstreth G.F, et. al.、 Gastroenterology、第130巻、第5号、1480〜91頁(2006年))に沿って分類することができる。該スケールは、1〜7の7つにタイプ分けされている。図1に、ブリストル便形状スケールの各タイプにおける便形状を示す((一財)日本消化器学会編 機能性消化器官疾患診療ガイドライン2014−過敏性腸症候群(IBS))。4が正常とされる便形状(表面が滑らかで柔らかいソーセージ状)、数字が小さくなるほど水分量が少なく硬い便形状、数字が大きくなるほど水分量が多く液状の便形状である。該スケールは、病院での問診に多く利用されており、第三者へ便形状を正しく伝えるために有用な基準である。4に近づくほど便の形状は良いと判断される。
本発明の組成物を摂取することにより、硬い便形状のヒトも液状の便形状のヒトもいずれもが、正常とされる便形状への改善が促進される。これにより、便秘又は下痢に起因又は関連すると考えられている様々な疾患又は体調不良を改善又は予防することができる。
便通への有効性は、たとえば身体的変調の自覚を含む便秘の評価尺度である日本語版便秘評価尺度(CAS−MT)によって評価することができる。評価項目は、(1)お腹が膨れた感じ、張った感じ、(2)排ガス量、(3)排便の回数、(4)直腸に便が充満している感じ、(5)排便時の肛門の痛み、(6)便の量、(7)便の排泄状態、(8)にじみ出る水便様、の8項目である。各評価項目の自覚症状の有無を点数化する(0〜2点)。便秘傾向が強いほど合計点数が高くなる(最高16点)。
本発明の組成物を摂取することにより、身体的変調の自覚を含む便秘の評価値が低下し、改善が促進される。これにより、便秘又は下痢に起因又は関連すると考えられている様々な疾患又は体調不良を改善又は予防することができる。
便の色は、たとえば基準とする色見本をあらかじめ用意し、便の色が色見本のどの色に近いか被験者から申告してもらうことによって便の色を特定することができる。該色見本はさまざまな種類が市販またはWEB上で無料公開されており、その中から想定される便の色を複数種選定すればよい。一般的な便の色は黄色〜褐色であるが、必要に応じてそれより淡い色または濃い色を組み合わせてもよい。
本発明の組成物を摂取することにより、一般的な便の色へ改善できる。あるいは、長期間摂取しても便の色が黄土色又は茶褐色に改善されないときは、何らかの内臓疾患の可能性を検討すべき等の指標にもなり得る。
便臭(便のにおい、臭さ)は、弱い(薄い)〜強い(くさい・きつい)を自己基準で判断してもらう。においの基準を設けることもできるが、基準と対象(便)のにおいを何度も嗅ぐことは被験者に精神的負荷がかかり、また嗅覚が麻痺して判断できなくなることもあるので避けた方が好ましい。
本発明の組成物を摂取することにより、便臭を改善できる。あるいは、長期間摂取しても便臭が改善されないときは、何らかの内臓疾患の可能性を検討すべき等の指標にもなり得る。
痛みは自己の感覚であり、それを言葉や文字で表現して第三者に錯誤なく認識してもらうことは難しいが、腹部の痛みとしては、ちくちく、しくしく、ズキズキ、キリキリ、むかむか、ゴロゴロ、キューなどと表現されることがある。
本発明の組成物を摂取することにより、上記自覚症状を改善することができる。
残便感は、自己の感覚であり、それを言葉や文字で表現して錯誤なく第三者に認識してもらうことは難しいが、まだ残っている感じがする、便が出きらない感じがする、すっきりしない、重い感じ、腹の不快感、ゴロゴロする、肛門付近で便が詰まっている感じがする、肛門あたりの不快感などと表現されることがある。
残便感の改善は、すっきり、スムーズ、するっと出たなどと表現されることがある。
本発明の組成物を摂取することにより、上記自覚症状を改善することができ、改善効果が実感できる。
定期的に便意を生じない状態としては、たとえば毎日の排便がない、便意を生じない日がある、排泄したくてもできない等の状態を指す。
本発明の組成物を摂取することにより、上記自覚症状を改善することができ、改善効果が実感できる。
通常と比較して高頻度に発生する便意としては、たとえば1日あたり3回を超える排便が必要な状態を指す。
本発明の組成物を摂取することにより、上記自覚症状を改善することができ、改善効果が実感できる。
1回の排便あたりの便量の改善は、どっさり、大きい、もりもりなどと表現されることがある。
本発明の組成物を摂取することにより、上記改善効果が実感できる。
本明細書において、本発明の組成物には、便の形状が気になる方、おなかの調子が気になる方、便通が気になる方、お通じが気になる方、便秘が気になる方、下痢が気になる方、軟便が気になる方、便の量が気になる方、排便量が気になる方、排便回数が気になる方、便の色が気になる方、便の臭いが気になる方、残便感が気になる方、腸内環境が気になる方、腸内フローラが気になる方、おなかの不快感が気になる方、おなかの違和感が気になる方、おなかの張りが気になる方、おなかの膨満感が気になる方、おなかのガスが気になる方、おなかのゴロゴロ感が気になる方、当該自覚症状を改善したい方、当該自覚症状を整えたい方、当該自覚症状を良好にしたい方、当該自覚症状をやわらげたい方、当該自覚症状を軽減したい方、当該自覚症状を緩和したい方、当該自覚症状に悩んでいる方、当該自覚症状がある方、便秘気味な方、下痢気味な方、軟便気味な方、おなかをすっきりさせたい方、サポートを求めている方、助けを求めている方、などに向けられる食品、飲料、サプリメント、及び医薬等を含む。
(b)短鎖脂肪酸量の増加
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、結腸内または便に含まれる短鎖脂肪酸の量を増加させることができる。
一般的に、短鎖脂肪酸は、アルキル基にカルボキシル基が一つ結合した脂肪酸のうち、炭素数が2〜6のものをいう。本明細書における短鎖脂肪酸としては、特に限定するものではないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸、およびカプロン酸などの直鎖脂肪酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、およびイソカプロン酸などの分岐脂肪酸が挙げられる。
結腸内または便に含まれる短鎖脂肪酸の量が増加することによって、特に限定するものではないが、例えば、下記のような効果が期待できる。便の状態に関連する効果として、腸管の蠕動運動の活性化・亢進(収縮および弛緩の促進による便通改善)、ミネラル(ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなど)の吸収を促進、結腸内水分量の調節(水分吸収の促進、または腸管内へ電解質と水分を放出)、便の臭さの原因であるアンモニアや腐敗産物(インドール、スカトール、硫化水素、フェノールなど)の産生抑制、便の色を一般的な色へ改善するなどがある。結腸の細胞・臓器への効果として、大腸上皮細胞の増殖促進、腸陰窩(リーベルキューン腺小窩、腸腺ともいう)の細胞増殖、腸管上皮細胞(大腸粘膜)の再生活性化、大腸粘膜の血流改善・血流量の増加、大腸粘液の分泌増加(バリア機能の強化)などがある。他の臓器への効果として、消化管上皮細胞の増殖促進、白色脂肪細胞へのグルコースや脂肪酸の取り込みを阻害(肥満抑制、インスリン抵抗性2型糖尿病の発症予防)、交感神経の活性化(ノルアドレナリンの分泌促進、エネルギー消費の増加、肥満抑制)、全身の細胞へのエネルギー供給などがある。疾患または感染症の予防および/または改善に関連する効果として、サイトカインバランスの改善・調整(過敏性腸炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎などの腸障害の発症に関連する炎症性サイトカイン発現の抑制など)、結腸上皮腫瘍細胞などガン細胞の増殖抑制やアポトーシス誘発、血糖値上昇抑制(糖尿病予防)、病原性細菌(病原性大腸菌、サルモネラ、赤痢菌など)の増殖を抑制、過剰な食欲の抑制、腸管における免疫バランスの改善・調整などがある。
(c)結腸内および便のpH低下
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、結腸内および便のpHを低下させることができる。結腸内において短鎖脂肪酸の量が増加することにより、腸内環境のpHが酸性側に傾く。
一般的に、大腸管腔内のpHは5.5〜7.5であるといわれている。また、健康な大人の便のpHは5.5〜6.0であるといわれている。
いわゆる悪玉菌はアルカリ性の腸内環境を好んで増殖し、pH6.0以下になると増殖しにくくなる傾向がある。結腸内のpHを下げることにより、悪玉菌(病原性細菌)の増殖を抑制し、いわゆる善玉菌の増殖を相対的に促進する効果が期待できる。
結腸内のpHが低いほど便の色は黄色みを帯び(pH5前後で黄色、pH6程度で黄土色)、pH7.0(中性)を越えると茶色みを帯び、pH8.0になると黒みを帯びる。結腸内のpHを下げることにより、便の色を一般的な色へ改善する効果が期待できる。
(d)肌荒れ改善
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、皮膚状態の改善又は維持することができる。ここで、皮膚状態の改善又は維持とは、荒れた肌を正常状態の肌へ近づける、または張りのある肌へ戻すことである。
荒れた肌とは、特に限定するものではないが、肌のきめが荒い、肌の皮膚がむける、肌に赤み、かゆみ、カサつき、てかり、くすみがある、ニキビ・吹き出物がある、毛穴が目立つ、粉を吹く、等の皮膚状態である。
自覚症状としては、肌がひりひりする、ピリピリする、ごわごわする、ちくちくする、カサカサする、ムズムズするなどと表現されることがある。
本発明の組成物を摂取することにより、上記肌の状態及び自覚症状を改善することができ、上記改善効果が実感できる。
さらには、本発明の組成物を摂取することにより、便秘に起因する皮膚症状、例えば肌荒れや吹き出物が改善する。
張りのある肌とは、みずみずしくピンと張っている、弾むような弾力がある、適度に空気が入った風船のような弾力がある、潤いがある、手のひらと肌がピタッとくっつく感じがある、若々しい、皮膚の垂れ下がりやたるみが無い、(顔に関して)ほうれい線が無い、等の皮膚状態である。
本発明の組成物を摂取することにより、張りを失った肌を上記の状態へ改善することができ、上記改善効果が実感できる。
本明細書において、本発明の組成物には、肌の調子が気になる方、肌の乾燥が気になる方、肌の潤いが気になる方、肌の保湿力が気になる方、肌の水分量が気になる方、肌から水分が逃げることが気になる方、肌のバリア機能が気になる方、当該自覚症状を改善したい方、当該自覚症状を整えたい方、当該自覚症状を良好にしたい方、当該自覚症状をやわらげたい方、当該自覚症状を軽減したい方、当該自覚症状を緩和したい方、当該自覚症状に悩んでいる方、当該自覚症状がある方、肌を乾燥しにくくしたい方、肌の乾燥を和らげたい方、肌の乾燥を緩和したい方、肌の水分を保持したい方、肌の水分保持をアシストしたい方、肌の水分を逃げにくくしたい方、肌の水分量を増加させたい方、肌の潤いをサポートしたい方、肌の潤いを守りたい方、肌の潤いを保ちたい方、肌の潤いを維持したい方、肌の潤いを逃しにくくしたい方、肌の潤いを正常に保ちたい方、サポートを求めている方、助けを求めている方、などに向けられる食品、飲料、サプリメント、及び医薬等を含む。
(e)疲労感の改善
本発明の組成物をヒトが摂取又は非ヒト動物へ投与することにより、疲労感又は疲労状態を改善することができる。ここで、疲労感又は疲労状態を改善するとは、慢性的な疲労感などの慢性疲労に起因する諸症状を軽減又は解消することを言う。
身体または頭脳を使うことにより生じる疲労は、一晩寝るなど十分な休憩・休息を適切に取ることによって回復する。一方、慢性疲労は、十分な休憩を取ったにも関わらず一向に回復しない疲労であり、日常生活に支障をきたすこともある。該慢性疲労は疾患や感染症に起因するものではないため、病院で検査をしても異常なしと診断され適切な治療を受けられないことが多い。慢性疲労の状態が半年以上続くと、「慢性疲労症候群」という病気になる可能性もある。
慢性疲労の自覚症状としては、疲労感が続く、どれだけ寝ても朝起きることができない、休暇を取ったにも関わらずやる気が出ない、なんとなく怠い(だるい)、しんどい、疲れが取れない、疲れがたまっている感じがする、休んだ気がしない、体が重い、頭が重い、慢性的な腰痛、首や肩のコリ、手足がむくみやすいなどが挙げられる。
本発明の組成物を摂取することにより、上記自覚症状を改善することができ、上記改善効果が実感できる。
さらには、本発明の組成物を摂取することにより、下痢に起因する疲労感や身体の衰弱が改善することが期待できる。
本明細書において、本発明の組成物には、慢性的な疲れが気になる方、長引く疲れが気になる方、取れない疲れが気になる方、疲れが抜けない方、朝目覚めた時の疲労感が気になる方、朝目覚めた時の眠気が気になる方、日常感じる疲労感が気になる方、日常の生活で生じる身体的な疲労感が気になる方、疲労感の回復が気になる方、頭が冴えない・注意力低下といった疲労に伴う感覚が気になる方、仕事の疲れが気になる方、仕事のストレスが気になる方、肩や腰の負担が気になる方、当該自覚症状を改善したい方、当該自覚症状を整えたい方、当該自覚症状を良好にしたい方、当該自覚症状をやわらげたい方、当該自覚症状を軽減したい方、当該自覚症状を緩和したい方、当該自覚症状に悩んでいる方、当該自覚症状がある方、サポートを求めている方、助けを求めている方、などに向けられる食品、飲料、サプリメント、及び医薬等を含む。
3.本発明の組成物の摂取又は投与方法
本発明の組成物の摂取又は投与方法は、当該組成物の形態に応じた方法であればよく、経口、経鼻、経皮、経粘膜、直腸内投与、腹腔内投与、注射(皮内、皮下、筋肉内又は静脈)などが例示される。
経口用の組成物の形状としては、公知の経口用加工食品又は医薬の剤型、例えば錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、ドライシロップ剤、マイクロスフェア製剤等の形状が挙げられる。これら経口用の形状では糖衣又や胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムでの被覆を施してもよい。
非経口投与用の水溶液組成物は、例えば、適切に緩衝化されており、かつ食塩又はグルコース等で等張化された無菌の溶液である。当該水溶液は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与において使用することができる。経鼻または経皮用の組成物の形状としては、軟膏、クリーム、ローション等の塗布剤が、直腸内投与用の組成物の形状としては、坐剤等が使用できる。
本発明を特に限定するものではないが、摂取者又は被投与者の負担を考慮すると、本発明の組成物は経口摂取又は経口投与されることが好ましい。
本発明の組成物の摂取又は投与量は、投与対象の状態に応じて適切な量を適宜投与すればよい。本発明を限定するものではないが、例えばヒトにおける摂取量は、アガロオリゴ糖として0.2〜200000mg/day、好ましくは2〜20000mg/day、さらに好ましくは20〜2000mg/day、特に好ましくは40〜1000mg/dayである。摂取量は、毎日同じでもよいし、変更してもよい。
言い換えれば、本発明を限定するものではないが、例えばヒトにおける摂取量は、アガロオリゴ糖として0.004〜4000mg/kg/day、好ましくは0.04〜400mg/kg/day、さらに好ましくは0.4〜40mg/kg/day、特に好ましくは0.8〜20mg/kg/dayである。摂取量は、毎日同じでもよいし、変更してもよい。
本発明の組成物の摂取又は投与回数は、投与対象の状態に応じて適切な回数、摂取又は投与すればよい。本発明を限定するものではないが、前記の1日摂取量を目安に、1〜3回/日摂取又は投与すればよい。1日あたりの摂取又は投与の回数は、毎日同じでもよいし、変更してもよい。摂取又は投与の方法は、毎回同じでもよいし、変更してもよい。
本発明の組成物を摂取又は投与する期間は、投与対象の状態に応じて適切な期間摂取又は投与すればよい。例えば、1日間〜1年間程度で摂取又は投与を中止してもよいが、効果の維持を望む場合にはさらに長期間摂取又は投与してもよい。
また、本発明の組成物の効果を、上記(2)の作用に基づいて評価しながら摂取又は投与することもできる。なお、本発明の組成物を摂取又は投与することに起因する重大な不具合は確認されていない。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
インフォームドコンセントの得られた健常成人被験者62名(男性36名、女性26名)にタカラバイオ社製のアガフィット(登録商標、担体として結晶セルロース、微粒酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムを含む)を1日2粒(アガロオリゴ糖として1日200mg)、毎日1か月間摂取させた。摂取期間中、被験者の食事は普段どおりとし、特段の制限は課さなかったが、被験者の過半数において共通の健康食品等(アガフィットを除く)を摂取した事実はない。また、すべての被験者は摂取期間中に医薬品を服用していない。今回の試験において、アガロオリゴ糖の摂取に起因するとみられる被験者の不調等は認められなかった。
摂取期間の前後に、体調評価(下記表1)および便の状態(下記表2)についてアンケートを行った。摂取前は直近1週間の状態について、摂取後は摂取期間終了後の状態について記入させた。
体調評価は、自覚症状に基づき、1点〜5点のうち1つのスコアを選択させた。排便回数は、1日あたりの平均数を記入させた。
便の状態は、ブリストル便形状スケールを基準としてタイプを記入させた。
Figure 2018197229
Figure 2018197229
アンケートを集計し、摂取期間の前後それぞれについて統計解析を行った。その結果を図2〜8に示す。
図2〜7に示すように、摂取前に体調不良であった群(体調スコア4、5;ハイスコア)においては、摂取後に体調スコアが低減した。すなわち、便秘、下痢、肌荒れ、疲労感、おなかの動き、おなかの張りについて改善が認められた。摂取前に体調良好であった群(体調スコア1、2;ロースコア)においては、摂取後も体調良好であった。
また、図8に示すように、便の状態においては、摂取前に緩めであった群(タイプ6、7;ハイスコア)および硬めであった群(タイプ1、2;ロースコア)ともに正常範囲(タイプ3、4、5;ミドルスコア)へ近づいた。摂取前に正常範囲だった群は、摂取後も正常範囲であった。
以上の通り、アガロオリゴ糖摂取前と比べて摂取1か月後には整腸作用、肌荒れ改善作用、及び疲労感の改善作用について有意な効果が認められた。また、それらの変化はヒトの健康維持に関して有益なものであった。
この結果から、アガロオリゴ糖の摂取が、便状態改善作用、整腸作用、肌荒れ改善作用、及び疲労感の改善作用について効果を発揮することが明らかになった。すなわち、アガロオリゴ糖の摂取が、体調維持作用、体調増進作用、及び体調調節作用について効果を発揮することが明らかになった。




実施例2
インフォームドコンセントの得られた健常成人被験者11名(40歳以上60歳以下の女性、平均年齢48.0±5.4歳)を対象に、被験食品(実施例1と同じアガフィット)またはプラセボ食品(アガロオリゴ糖を含まない食品)の何れか1種類を各観察期で4週間摂取させた。便通及び腸内環境へ及ぼす影響を無作為化二重盲検法プラセボ対照クロスオーバー比較試験にて検証した。便通への有効性評価項目は日本語版便秘評価尺度(CAS−MT)を、腸内環境への有効性評価は糞便中の短鎖脂肪酸および糞便のpHを測定した。
(1)日本語版便秘評価尺度
被験食では摂取2週目、4週目にそれぞれ、日本語版便秘評価尺度の総スコアの合計値の有意な低下、すなわち便秘状態の改善が認められた。一方、プラセボ食では統計学的に有意な変動は見られなかった。
Figure 2018197229
(2)糞便中短鎖脂肪酸
被験食では摂取4週目に、プロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸含量の有意な増加が認められた。一方、プラセボ食では、統計学的に有意な変動は見られなかった。
Figure 2018197229
(3)糞便pH
被験食では摂取4週目に、平均値でpHの低下が見られた。一方、プラセボ食では、糞便pHの有意な増加が認められた。
Figure 2018197229
以上の通り、プラセボ食摂取群と比べて被験食摂取群は、整腸作用、糞便中短鎖脂肪酸含量の増加、及び糞便pHの低下について有意な効果が認められた。また、それらの変化はヒトの健康維持に関して有益なものであった。
この結果から、アガロオリゴ糖の摂取が、整腸作用、糞便中短鎖脂肪酸含量の増加、及び糞便pHの低下について効果を発揮することが明らかになった。すなわち、アガロオリゴ糖の摂取が、体調維持作用、体調増進作用、及び体調調節作用について効果を発揮することが明らかになった。
本発明は、食品、飲料、機能性食品、サプリメント及び医療分野において有用である。

Claims (14)

  1. アガロオリゴ糖を有効成分として含有する、体調維持用、体調増進用、又は体調調節用の組成物。
  2. 便状態改善又は整腸の作用を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 便の水分量の適正化、腹部の不快感抑制、腹部の膨満感抑制、及び腹部の過活動抑制からなる群より選択される作用を有する、請求項2記載の組成物。
  4. 結腸内または便に含まれる短鎖脂肪酸の量を増加させるおよび/または便のpHを低下させる作用を有する、請求項1記載の組成物。
  5. 短鎖脂肪酸が、プロピオン酸、n−酪酸、およびn−吉草酸からなる群より選択される少なくとも1種の短鎖脂肪酸である、請求項4記載の組成物。
  6. 皮膚状態の改善又は維持の作用を有する、請求項1記載の組成物。
  7. 荒れた肌を正常状態の肌へ近づける作用を有する、請求項6記載の組成物。
  8. 疲労感の改善の作用を有する、請求項1記載の組成物。
  9. 慢性的な疲労感を軽減および/または解消する作用を有する、請求項8記載の組成物。
  10. アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、及びアガロオクタオースからなる群より選択される少なくとも1種のアガロオリゴ糖を含有する請求項1〜9いずれか1項記載の組成物。
  11. アガロビオース、アガロテトラオース、及びアガロヘキサオースを含有する請求項10記載の組成物。
  12. さらにアガロオクタオースを含有する請求項11記載の組成物。
  13. 0.004mg〜4000mg/kg/dayのアガロオリゴ糖を含有する請求項1〜12いずれか1項記載の組成物。
  14. 食品、飲料、サプリメント、及び医薬から選択される請求項1〜13いずれか1項記載の組成物。
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