JP2018197041A - 装飾物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、着脱可能な装飾物品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の装飾物品は、支持材4の一方の面に表皮材2で覆われたクッション材3を備え、支持材の他方の面に面ファスナー5を備えてなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、着脱可能な装飾物品であって、特に自動車等に適した装飾物品に関する。
自動車等のドアインナーパネルに内装されるドアトリムの表面側には、表面外観を向上させるために、装飾モール等の装飾物品が装着されているが、一般には、取り替えが難しい固定タイプが主流である。一方、特許文献では、自動車用ドアトリム等の内装部品の表面に装飾モール等の装飾体を簡単に取付けることができ、装飾体の設定箇所を自由に選択でき、造形自由度に優れた装飾体の取付構造を提供しているが、しっかりした構造であるため、取替の点では、容易ではなく、洗浄については、考慮されていない。一方、最近は、さらに、自動車内装材に対して、使用者の変更や、使用形態や季節の違い、好みのデザインに対し、異なる要求が存在する。このような要求に対応して、より取り外しが容易で、汚れが付着した場合は、洗浄が容易な装飾物品が必要とされている。
特開平7−323790号公報
本発明は、着脱可能な装飾物品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、支持材の一方の面に表皮材で覆われたクッション材を備え、支持材の他方の面に面ファスナーを備えてなる装飾物品が、自動車の車内や室内の壁、パーティションボードなどを着脱自在に装飾できることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]支持材の一方の面に表皮材で覆われたクッション材を備え、支持材の他方の面に面ファスナーを備えてなる装飾物品。
[2]クッション材が、繊維の縦方向/横方向比(T/W比)が1.5以上である繊維構造体からなる、[1]に記載の装飾物品。
[3]繊維構造体が、主体繊維と熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記主体繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなるものである、[2]に記載の装飾物品。
[4]面ファスナーが、雌材としてナノファイバーから構成される繊維組織からなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の装飾物品。
[5]面ファスナーが、雄材としてマイクロファイバーから構成される立毛部を有する繊維組織からなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の装飾物品。
[6]面ファスナーの雄材としてマイクロファイバーから構成される立毛部を有する繊維組織からなる被装飾面に対して使用される、[4]に記載の装飾物品。
[7]面ファスナーの雌材としてナノファイバーから構成される繊維組織からなる被装飾面に対して使用される、[5]に記載の装飾物品。
[8]車両内装のために用いられる、[1]〜[7]のいずれかに記載の装飾物品。
本発明の装飾物品は、対象物に対して着脱自在に装飾物品を取り付けることができることで、使用者の好みに応じた空間を実現でき、また、汚れが付着した場合は、洗浄が容易となる効果を有する。特に、本発明の装飾物品において、クッション材を繊維の縦方向/横方向比(T/W比)が1.5以上である縦型繊維構造体を用い、面ファスナーの雌材にナノファイバーから構成される繊維組織を用い、面ファスナーの雄材にマイクロファイバーからなる立毛部を有する繊維組織を用いた場合、該クッション材の有する吸音効果により自動車の走行中に問題となる騒音を低減することができ、さらに、該面ファスナーは雌材と雄材とを分離する際にあまり剥離音が発生しないことから快適に交換することができるようになる。また、該クッション材は、その繊維構造から、樹脂板やウレタンよりも軽量であり、該面ファスナーは、優れた係合性を有することから、自動車の走行中に発生する振動に対しても外れることなく設けることができ、かつ任意に交換することができるので、使用者の好みに応じて快適に車内内装を変えられる利点がある。
本発明の装飾物品の構成に関する模式図である。 本発明の装飾物品を壁に取り付ける際の実施態様を示した模式図である。 本発明の装飾物品を自動車ドアの内側に着脱自在に用いる場合の模式図である。 本発明の装飾物品を自動車ドアの内側に取り付けた際の写真である。 本発明の装飾物品を例示した写真である。 本発明において、立毛糸の立毛長を説明するための模式図である。
[装飾物品]
本発明の装飾物品は、支持材の一方の面に表皮材で覆われたクッション材を備え、支持材の他方の面に面ファスナーを備える。本発明の装飾物品は、面ファスナーを用いており、使用者の好みの外観を有する表皮材を備えていることから、装飾を施したい被装飾面となる所定の場所に着脱自在に配置することで、自由に空間を装飾することができる。装飾物品に取り付ける面ファスナーは雌材でも雄材でもよい。
[支持材]
本発明において支持材は、クッション材と面ファスナーを取り付けることができればいずれの材料でもよい。柔軟性の観点からは、織編物を用いることができ、面ファスナーの取り付けは縫合により行うこともできる。一方、装飾物品の作製の容易性や成型性の観点からは、プラスチック製の板を用いることができる。クッション材と面ファスナーを支持材に取り付ける際は、汎用の接着剤を用いてもよいし、汎用の熱接着シートを用いることもできる。本発明における支持材では、成型性の観点から、本発明で用いられるクッション材と同様の構成をもつ縦型不織布を平板のプレス機を用いて熱加圧して任意の厚さにしたボードを用いることができる。
[クッション材]
本発明においてクッション材は、従来のウレタン等の発砲体を用いてもよいが、クッション性や吸音性の観点から、繊維構造体が熱接着性繊維を含むとともに、構造体を構成する繊維の縦方向/横方向の比(T/W比)が1.5以上であることが好ましい。
また、本発明で用いられる繊維構造体が、主体繊維と熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記主体繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなり、かつ前記主体繊維と熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列されたものである場合、クッション性や吸音性がウレタン等の成形発砲体に比べて高いことからより好ましい。
本発明の繊維構造体に用いられる主体繊維としては、綿、ウール等の天然繊維やカーボン繊維等の無機繊維、セルロース系繊維、アラミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維等、さらには雑綿又は反毛とよばれるリサイクル繊維等も使用できる。なかでも、取り扱い性及びリサイクル性、洗濯性の点より合成繊維が好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる繊維ないしそれら混合体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合繊維等を好ましく挙げることができる。かかるポリマー中には、着色剤、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。これら繊維のうち、リサイクル性や繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる繊維であることが、特に好ましい。
繊維構造体の嵩高さや反発弾性を得るためには、繊維が捲縮していることが好ましい。この場合の、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与したり、通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与したりするなど、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。さらにその捲縮数としては、3〜40個/2.54cm、より好ましくは7〜15個/2.54cm、であることが好ましい。
ここで、主体繊維の単繊維径としては、9〜50μmの範囲内であることが好ましい。単繊維径が小さすぎると充分な剛性が得られず取り扱いが難しくなる傾向にある。逆に単繊維径が大きすぎても、繊維構造体が硬くなり、クッション感が低下する傾向にある。
このような主体繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記の単繊維の直径としては、その外接円の直径を使用するものとする。また、丸中空断面の場合は外径寸法を測定してその直径とする。
本発明で用いる繊維構造体としては、不織布構造体であることが好ましいが、さらには短繊維からなる不織布構造体であることがより好ましい。特には、繊維構造体がアコーディオン状に折りたたまれた不織布から構成されたものであることが好ましい。通常不織布は横方向(面方向)に繊維が配向しやすいが、不織布等の薄い繊維シートをアコーディオン状に折りたたむことにより、縦方向に配向する繊維の割合を高めることが可能となり、より本発明の効果を発揮しやすくなる。また、本発明におけるクッション材では、前記不織布繊維構造体をアコーディオン状に折り畳んだ後、厚さ方向と垂直方向に所定の厚さでスライスして、折り畳まれて曲折している端部が無くなるように加工した縦型方向の繊維構造体を用いることもできる。
繊維構造体に短繊維として用いる場合の繊維長としては、30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が小さすぎると充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が大きすぎても、工程安定性が損なわれる傾向にある。
本発明の装飾物品に用いられる繊維構造体としては、熱接着性繊維を用いることで、繰り返しの圧縮に対しても、その変形、いわゆる「へたり」を有効に防止することが可能となる。
熱接着性繊維としては、熱融着性成分を一部に含む複合繊維であることが好ましい。そのような熱接着性複合繊維の熱融着成分としては、上記の繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが好ましい。この温度差が小さい場合には、繊維間の接着性が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となる傾向にある。また、繊維構造体を製造する際の熱処理温度の細かな制御が必要となるため、生産性に劣るものとなる。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができる。
たとえばポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらの熱融着性のポリウレタン系エラストマーとして特に好ましいのは、ポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
また、ポリエステル系エラストマーを用いる場合は、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
中でも、特に接着性や温度特性、強度の面からすれば、ポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等を挙げることができる。
本発明で用いられる繊維構造体に特に適した熱接着性繊維としては、上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーを用いることが特に好ましい。さらに上述のポリマー中に、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色材その他各種の改良剤等を必要に応じて配合することも好ましい態様である。
熱接着性繊維としては、熱接着性の複合繊維であることも好ましく、熱融着成分の相手側成分としては前記のようなポリエステルが好ましく例示される。さらにはその際、熱融着成分が、複合繊維の少なくとも1/2の表面積を占めるものであることが好ましい。重量割合は、熱融着成分とその他の相手側成分が、複合比率で10/90〜70/30の範囲にあることが好ましい。このような熱接着性複合繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、あるいは芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合繊維において、単繊維径としては15〜30μmの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合繊維も短繊維であって、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本発明において用いられる繊維構造体は、例えば上記のような短繊維からなる主体繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、加熱処理することにより得られる物であることが好ましい。この繊維構造体には、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と該短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在している。
繊維構造体中の短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜10/90であることが好ましい。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が少なくなり、繊維構造体の腰がなく、均一性に劣り、表面の割れが発生する傾向にあり、外観が低下する。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、固着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性が低下する。
さらに、本発明において用いられる繊維構造体は、前記熱接着性複合短繊維と前記短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に縦に配列していることが好ましい。ここで、「厚さ方向に縦に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に縦に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に横に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、Tの本数が多いことであって、本発明では縦方向/横方向比(T/W比)が1.5以上であることが必要である。さらには縦方向/横方向比(T/W比)が2.0〜8.0の範囲内にあることが好ましい。また、本発明の繊維構造体を使用する際に、繊維の方向はクッション材の厚さ方向できる縦方向に主であることが必要である。構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されていることで、前記構造体は、繊維が厚み方向に配向しているため、蒸気の通気に優れ、蒸れ感を防止する。さらには、洗濯時液通り性がよく、短時間で洗濯が可能であり、乾きも早い。
このような繊維構造体を得る方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、公知の熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。本発明では、平面方向に、特に工程中のシートが流れる方向に広がり配向した繊維からなる繊維ウェブを、アコーディオン状に折りたたみ、最終的な繊維の方向が繊維構造体の厚さ方向、すなわち縦方向を主となることが好ましい。
かかる繊維構造体には、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工、金属蒸着など、公知の機能加工が付加することも好ましい。
[表皮材]
表皮材は、クッション材を覆うことができればいずれの材料でも用いることができるが、触った際に柔らかな感触を実現したい場合は、織編物で作られた表皮材を用いることができる。また、高級感のある外観を実現したい場合は、ポリウレタン等でコーティングされた人工皮革や合成皮革、天然皮革を用いることができる。クッション材に対する表皮材は、洗濯できるように着脱可能とすることもできる。織編物で作られた表皮材は、キルティング加工をして意匠性を付与することもできる。人工皮革を用いる場合は、天然皮革では実現することができない色彩を付与できることから、使用者の好みに応じた装飾物品を提供することができ好ましい。
[面ファスナー]
面ファスナーは、従来品のような、ループ状又はアーチ状の係合素子を有する雌材と、カギ状またはキノコ状のフックを有する雄材とから構成されたものを使用することもできるが、雌材と雄材とを分離する際にあまり剥離音がせずに快適に着脱することができ、柔軟性を有し、布帛等への縫合性に優れることのみならず、優れた係合性を有する点に鑑みて、雌材としてナノファイバーから構成される繊維組織を用い、雄材としてマイクロファイバーからなる立毛組織を用いることが好ましい。
前記好適な実施形態としての面ファスナーにおいて、雌材となる地繊維組織を構成するナノファイバーの単繊維径としては、1000nm以下のフィラメント糸が含まれるものであることが好ましい。そして斯かる地繊維組織部側表面には、このフィラメント糸が露出していることが好ましい。一方、立毛部のマイクロファイバーとしては、単繊維繊度が1μm以上、特には7μm以上の立毛糸が含まれることが好ましい。
ここで、本発明における面ファスナーの主要部材である雌材となる地組織部に用いられるナノファイバー(以下、「フィラメント糸A」と称する。)について、以下に詳述する。
フィラメント糸A(ナノファイバー)の単繊維径(単繊維の直径)としては1000nm以下であるが、好ましくは100〜900nm、特に好ましくは550〜900nm、の範囲内であることが好ましい。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算するとたとえばポリエステル繊維では0.01dtex以下に相当する。該単繊維径が大きすぎる場合は、十分な係合性が得られないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。また、単繊維繊度のばらつきが−20%〜+20%の範囲内であることが好ましい。
前記フィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、優れた係合性を得る上で500本以上、より好ましくは2000〜10000本であることが好ましい。また、フィラメント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、5〜150dtexの範囲内であることが好ましい。
前記フィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記フィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としては特に限定されないが、ポリエステル系ポリマーが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、リン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明に用いられる面ファスナーにおいて、雌材となる布帛は上記のフィラメント糸Aのみで構成されることが好ましいが、布帛重量に対して70重量%以下であれば、他の糸条が1種類または複数種類含まれていてもよい。その際、かかる他の糸条としては、単繊維径が1000nmより大の、前記のようなポリエステルからなるポリエスエテル糸条や弾性繊維糸が好ましい。
ここで、かかる弾性繊維糸としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる吸水性ポリエーテルエステル弾性繊維糸、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる非吸水性ポリエーテルエステル弾性繊維糸、ポリウレタン弾性繊維糸、ポリトリメチレンテレフタレート糸、合成ゴム系弾性繊維糸、天然ゴム系弾性繊維糸などが好適に例示される。
この弾性繊維糸の総繊度としては、5〜100dtex、より好ましくは10〜40dtexの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる面ファスナーにおいて、上記のような雌材となる布帛は例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、海成分と、その径が1000nm以下である島成分とで形成される海島型複合繊維(フィラメント糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、海島型複合繊維マルチフィラメント、さらに好ましくは島数100〜1500の海島型複合繊維が好ましく用いられる。
ここで、海成分ポリマーとしては、各種の易溶解性ポリマーであることが好ましい溶解性を確保できるのであれば、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどを主とするものであることも好ましい。また、例えばアルカリ水溶液易溶解性ポリマーを用いるのであれば、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1000nmの範囲とする必要がある。その際、該径が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維マルチフィラメント糸は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維マルチフィラメント糸は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取る方法のいずれでも構わない。さらに、仮撚捲縮加工を施してもよい。かかる海島型複合繊維マルチフ
ィラメント糸において、単糸繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単糸繊維繊度7μm〜32μm、フィラメント数5〜75本、総繊度30〜170dtex(好ましくは30〜100dtex)の範囲内であることが好ましい。
次いで、かかる海島型複合繊維マルチフィラメント糸を単独で用いるか、必要に応じて単繊維径が1000nmより大の弾性繊維糸など他の糸とともに用いて、布帛を製編または製織する。その際、布帛の組織は特に限定されず、通常の方法で得られた、織物、編物または不織布でよい。なかでも織物または編物が好ましく、編物が特に好ましい。編物の場合、編物のループにより雄材の立毛糸を強固に係合でき好ましい。特に編物のニードル面を、雄材と係合する面として用いると優れた係合性が得られ好ましい。
ここで、織物の織組織は、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロード、タオル、ベロア等のたてパイル織、別珍、よこビロード、ベルベット、コール天等のよこパイル織などが例示される。なお、これらの織組織を有する織物は、レピア織機やエアージェット織機など通常の織機を用いて通常の方法により製織することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する織物でもよい。
編物の種類は、よこ編物であってもよいし、たて編物であってもよい。よこ編組織としては、天竺、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示される。天竺の編組織で2種の糸条で複合ループを形成したプレーテイング天竺、その際、一方の糸条を弾性繊維糸条としたベア天竺などが好適に例示される。たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、裏毛編、ジャガード編等が好ましく例示される。なお、製編は、丸編機、横編機、トリコット編機、ラッシェル編機等など通常の編機を用いて通常の方法により製編することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する編物でもよい。
次いで、該布帛にアルカリ水溶液処理を施し、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することにより、海島型複合繊維フィラメント糸を単繊維径が10〜1000nmのマルチフィラメント糸Aとする。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度1〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜70℃の温度で処理するとよい。
また、常法の染色加工、起毛加工、撥水加工、吸水加工、バッフィング加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた布帛には、超極細繊維である前記フィラメント糸Aが含まれているので、面ファスナーの雌材として好適に使用することができる。ここで、前記布帛において、表面および裏面のうち少なくともどちらか一方の面に前記フィラメント糸Aが露出していることが好ましい。表面および裏面のどちらにも前記フィラメント糸Aが露出していない場合には、雄材の立毛糸を係合できないおそれがある。
また、前記布帛において、布帛の厚さが1mm以下、好ましくは0.1〜0.8mm、であることが好ましい。布帛の厚さが大きすぎると、面ファスナーとしての柔軟性が損われるおそれがある。また、かかる布帛において、布帛の目付けとしては30〜500g/mの範囲内であることが好ましい。
本発明において、雌材は前記布帛のみで構成してもよいし、布帛の周囲がほつれないよう飾り縫いしてもよいし、適宜装飾品等を付加してもさしつかえない。
本発明の装飾物品は、上記のようなナノファイバーから構成される繊維地組織を雌材として有する面ファスナーを備えることができ、その場合、面ファスナーの雄材としてはマイクロファイバーからなる立毛を有する繊維組織(以下、「立毛布帛」という)を有することが必要である。
かかる立毛布帛の好ましい態様としては、有機繊維糸条からなる編織組織を有する組織部と、前記地組織部に編みこまれ、または織りこまれ、前記地組織部から、その少なくとも1面側に伸び出ている複数の立毛糸からなる立毛部とを有するものであることが好ましい。かかる立毛糸としては、ループパイルでもよいが、強固な係合性を得る上で、カットパイルであることが好ましい。
前記立毛糸は、その単糸繊度が5μm以上、好ましくは7〜23μm、であることが好ましい。該単糸繊度が小さすぎると、立毛状態を保持することが困難となり、立毛布帛を雄材として用いて雌材と係合させる際に強固な係合性が得られないおそれがある。
また、前記立毛糸の立毛長としては、0.1〜10mmの範囲内であることが好ましい。該立毛長が小さすぎると、立毛布帛を雄材として用いて雌材と係合させる際に強固な係合性が得られないおそれがある。逆に、該立毛長が大きすいと、立毛状態を保持することが困難となり、立毛布帛を雄材として用いて雌材と係合させる際に強固な係合性が得られないおそれがある。なお、本明細書において、立毛長は図6に示すLの高さとする。
かかる立毛糸で形成される立毛部の立毛糸密度としては、3000dtex/cm以上、好ましくは5000〜100000dtex/cm、であることが好ましい。該立毛糸密度が小さすぎると立毛糸が毛倒れしやすくなるため、立毛状態を保持することが困難となり、立毛布帛を雄材として用いて雌材と係合させる際に強固な係合性が得られないおそれがある。なお、かかる立毛糸密度は以下の方法により測定することができる。すなわち、キーエンス(株)製マイクロスコープ(型式:VHX−900)を用いて、立毛布帛の表面を撮影(倍率200倍)し、1cm(1cm×1cm)あたりの立毛糸本数を測定し次式により算出する。
立毛糸密度(dtex/cm)=単糸繊度(dtex)×立毛糸本数(本/cm)。
前記立毛糸を形成する繊維の種類としては特に限定されず、綿、羊毛、麻、ビスコースレーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリエーテルエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン繊維、セルロースアセテート繊維、アラミド繊維などの通常の繊維でもよい。なかでも、リサイクル性や剛直性の点で前述のようなポリエステルからなるポリエステル系繊維が特に好ましい。
繊維を形成する樹脂中には、必要に応じて、艶消し剤(二酸化チタン)、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上が含まれていてもよい。
立毛糸の形状としては、非捲縮立毛糸でもよいし、仮撚捲縮加工法や機械捲縮加工法、さらにはサイバイサイド型潜在捲縮性複合繊維を熱処理して得られた捲縮立毛糸でもよく特には限定されないが、強固な係合性を得る上で非捲縮立毛糸であることが好ましい。
立毛糸の単繊維横断面形状としては特に制限はなく、通常の円形断面のほか、三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形の断面形状でもよい。
前記立毛布帛において、地組織部は有機繊維糸条からなり編織組織を有する。かかる有機繊維糸条を構成する繊維としては、前記の立毛糸用として例示した繊維と同様のものでよい。特に、リサイクル性の点でポリエステル系繊維が好ましい。
地組織部を構成する有機繊維糸条の形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント糸条)であることが好ましい。該有機繊維糸条の単糸繊維繊度および総繊度は、布帛の風合いを損なわない上で、単糸繊維繊度7〜23μm、総繊度30〜300dtexであることが好ましい。また、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形の断面形状であってもよい。さらに、かかる有機繊維糸条は、仮撚捲縮加工糸や2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸、さらには芯部に弾性糸、鞘部に非弾性糸が位置するカバリング糸であってもよい。
前記立毛布帛は、例えば、下記の製造方法により容易に得ることができる。
まず、立毛糸用糸条として単糸繊度が5μm以上、好ましくは7〜23μm、の前述の繊維からなる糸条と、地組織部用有機繊維糸条として前述の繊維からなる糸条とを用いて通常の立毛布帛(ループパイル布帛)を製編織した後、必要に応じてループパイルの先端部をカットしてカットパイルにするとよい。
ここで、地組織部が編組織を有する立毛布帛を得る場合には、地組織を製編し、その上に伸び出るシンカーパイル、ポールトリコットパイル、ダブルラッセルパイルなどのループパイル組織を形成し、このループパイルをシャーリングする方法などが用いられる。ポールトリコットパイルは、トリコット編組織のパイル編み部分を、起毛機を用いてループパイルに形成することによって得られる。
一方、地組織部が織物組織を有する立毛布帛を得る場合には、経パイル織物又は緯パイル織物を製織し、そのループパイルをカットするか、あるいはモケット織物を製織し、そのパイル糸をセンターカットする方法が用いられる。
かくして得られた立毛布帛には、常法の染色加工、撥水加工、吸水加工、バッフィング加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明に用いる面ファスナーにおいて、雄材は前記立毛布帛のみで構成してもよいし、立毛布帛の周囲がほつれないよう飾り縫いしてもよいし、適宜装飾品等を付加してもさしつかえない。また、立毛布帛の立毛部とは反対側表面にバックコーティング等を施してもさしつかえない。
本発明の装飾物品は、装飾物品側に雌材としてナノファイバーから構成される繊維地組織(布帛)を用い、該装飾物品を取り付ける被装飾部位に、雄材として上記のようなマイクロファイバーからなる立毛を有する繊維組織(立毛布帛)からなる面ファスナーを用いることにより、雌材となる繊維地組織(布帛)が、洗濯時等において綿が付着しにくく、傷みにくいことから、装飾物品をより容易に洗濯することができる。面ファスナーの配置は、支持材の全面に配置しても端面に使用してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
〈クッション材等に関する測定方法〉
(1)融点
熱示差分析計を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)繊維の繊度
JIS L 1015 7.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(3)繊維の捲縮数、捲縮率
JIS L 1015 7.12に記載の方法により測定した。
(4)縦型繊維層における繊維の縦方向/横方向比(T/W比)
縦型繊維層を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、短繊維と熱接着性複合短繊維(図2において0°≦θ≦45°)の総本数を縦方向の数(T)とし、縦型繊維層の厚さ方向に対して垂直に配列されている短繊維と熱接着性複合短繊維(図2において45°<θ≦90°)の総本数を横方向の数(W)として、繊維の縦方向/横方向比(T/W比)を算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(5)厚さ、目付、密度
JIS K6400に準じて測定した。
〈面ファスナーに関する測定方法〉
(1)単繊維径
透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維の横断面を撮影することにより測定した。
(2)繊維の伸度
JIS L 1096 8.12に従って測定した。
(3)布帛の厚み
JIS L 1096 8.5に従って測定した。
(4)布帛の目付
JIS L 1096 8.4.2に従って測定した。
(5)立毛糸の立毛長(パイル高さ)
キーエンス(株)製マイクロスコープ(型式:VH−6300)を用いて、立毛布帛の断面を撮影(倍率50倍)し、全体厚みおよび地組織部の厚みを測定して、下記式により立毛糸の立毛長を算出した。なお、全体厚みは地組織部の最底部から立毛糸の最高部までの距離を測定した。n数は5でその平均値を求めた。パイル高さについても同様に測定した。
L=全体厚み(mm)−地組織部厚み(mm)
(6)立毛糸密度
キーエンス(株)製マイクロスコープ(型式:VHX−900)を用いて、立毛布帛の表面を撮影(倍率200倍)し、1cm(1cm×1cm)あたりの立毛糸本数を測定し次式により算出した。なお、n数は5でその平均値を求めた。
立毛糸密度(dtex/cm)=単糸繊度(dtex)×立毛糸本数(本/cm
[実施例1]
表皮材として、ポリエステル加工糸167dtex/144filを使用し、目付224g/m、厚み0.8mmの丸編みを作成した。
次に、融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)70重量%とを用いてブレンド、カーデイングし、次いで温度が170℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーディオン状に折り畳み、繊維を厚さ方向に配列させた目付け600g/m、厚さ13mm、平均密度31kg/mの縦型繊維不織布(繊維構造体)を得た。この縦型繊維不織布において、T/Wは4.7であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は26μmであった。
次いで、この縦型繊維不織布の表面および裏面を、アコーディオン状に折り畳まれて曲折している端部が無くなるように、厚さ方向に表面層と裏面層を各3mmスライスして、中間層の目付けが270g/m、厚さが6mmの縦型繊維不織布を得た。
次に、この縦型繊維不織布、熱接着シート(日東紡績株式会社社製「スパンファブ」、目付け30g/m、厚み0.8mm)、表皮材をこの順に重ね、平板にて190℃で5分間加圧して、厚み5mmになる積層体を得た。
次に、この積層体の支持材として、上記と同様の600g/m、厚さ13mm、平均密度31kg/mの縦型繊維不織布(繊維構造体)を平板のプレス機を用いて、温度190℃で3分間加圧して、厚さ2mmのボードを作成した。
さらに、ドアインナーパネル側および装飾物品の裏面に配置する面ファスナーを用意した。まずナノファイバーを形成する海島型複合延伸糸(フィラメント糸A用繊維)を作成した。すなわち島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合延伸糸は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
次いで、この海島型複合延伸糸(フィラメント糸A用繊維)だけを用いて、28G90インチの経編機(カールマイヤー(株)製KS4SU)を用いてハーフ組織(バック:10/12、ミドル:23/10、フロント:10/23による編方)の経編生機(布帛a用生機)を製編した。その後、得られた編地の海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、2.5%NaOH水溶液で、70℃にて30%アルカリ減量した。その後、130℃にて高圧染色を行い、最終セットとして170℃の乾熱セットを行った。
得られた編地を走査型電子顕微鏡SEMで生地表面および断面を観察したところ、該編地は、平均単繊維径が700nmのフィラメント糸Aのみで構成され、均一に開繊されていることを確認した。また、該編地(布帛)の厚みは0.4mm、目付は150g/mであった。これを面ファスナーの雌材となるナノファイバーから構成される繊維地組織とした。
一方、面ファスナーの雄材となるマイクロファイバーからなる立毛を有する繊維組織として、地組織用の糸条となる通常のポリエステルフィラメント糸(167dtex/48fil)と、立毛糸用糸条となるマイクロファイバー糸(ポリエステルフィラメント糸、84dtex/36fil)とを用いて28G、130インチの経編機(カールマイヤー株式会社製「KS4」)を使用してパイル組織(フロント:10/45、バック:10/12)の経編生機(立毛布帛用生機)を製編した。その後シャーリング加工を施したのち、プレセットとして160℃にて乾熱セットを行い、130℃にて高圧染色を行い、最終セットとして170℃の乾熱セットを行った。
得られた立毛編地(立毛布帛、立毛糸の単糸繊維繊度21μm)は、マイクロファイバーのカットパイルからなる立毛部と地組織部とで構成され、立毛長が1.2mmであった。
面ファスナーの雄材をドアインナーパネル側にゴム系の接着剤で接着した、一方、装飾物品側は、前記積層体、ボード、面ファスナーの順に配置し、各層をゴム系の接着剤で接着した。
このものは、外観がすぐれ、容易に取り外しが可能であり、装飾物品は取り外して洗うこともできた。また、乾燥後も、ドアインナーパネル側に容易に装着できた。さらに、設置することにより吸音効果および触れたときクッション感が得られ、自動車に取り付けて運転をしても外れることはなかった。
[実施例2]
実施例1と同じ面ファスナーの雄材をドアインナーパネル側にゴム系の接着剤で接着した。一方、装飾物品側は、実施例1と同様に積層体、ボード、面ファスナーの順に配置し、各層の間に、熱接着シート(日東紡績株式会社社製「スパンファブ」、目付け30g/m、厚み0.8mm)の順に重ねあわせ、その装飾部品を、熱風加熱炉で、190℃で8分間熱処理し、すぐに室温の金型に移動し5分間加圧加工を実施した。なお、金型には、格子状の柄、裏面は平板の形状を有し、布帛側に格子状の柄が入るように配置した。出来上がった装飾部品は厚みが8mmであり、外観は格子柄の入ったものとなった。装飾物品は、容易に取り外しが可能であり、取り外して洗うこともできた。また、乾燥後、ドアインナーパネル側に容易に装着できた。また設置することにより吸音効果および触れたときクッション感が得られ、自動車に取り付けて運転をしても外れることはなかった。
本発明の装飾物品は、室内や車内の内装材として利用できる他、パーティションボード等のパネルを装飾するものとしても利用できる。
1 装飾物品
2 表皮材
3 クッション材
4 支持材
5 面ファスナー
6 立毛部を有する被装飾面
7 被装飾面を有する対象物
8 車両ドア
9 本発明の装飾物品の一実施形態
10 本発明の装飾物品の一実施形態
11 立毛部
12 立毛糸
13 地組織部

Claims (8)

  1. 支持材の一方の面に表皮材で覆われたクッション材を備え、支持材の他方の面に面ファスナーを備えてなる装飾物品。
  2. クッション材が、繊維の縦方向/横方向比(T/W比)が1.5以上である繊維構造体からなる、請求項1に記載の装飾物品。
  3. 繊維構造体が、主体繊維と熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記主体繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなるものである、請求項2に記載の装飾物品。
  4. 面ファスナーが、雌材としてナノファイバーから構成される繊維組織からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾物品。
  5. 面ファスナーが、雄材としてマイクロファイバーから構成される立毛部を有する繊維組織からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾物品。
  6. 面ファスナーの雄材としてマイクロファイバーから構成される立毛部を有する繊維組織からなる被装飾面に対して使用される、請求項4に記載の装飾物品。
  7. 面ファスナーの雌材としてナノファイバーから構成される繊維組織からなる被装飾面に対して使用される、請求項5に記載の装飾物品。
  8. 車両内装のために用いられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾物品。
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