JP2018196333A - ゲル状食品の製造方法 - Google Patents
ゲル状食品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018196333A JP2018196333A JP2017101739A JP2017101739A JP2018196333A JP 2018196333 A JP2018196333 A JP 2018196333A JP 2017101739 A JP2017101739 A JP 2017101739A JP 2017101739 A JP2017101739 A JP 2017101739A JP 2018196333 A JP2018196333 A JP 2018196333A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gum
- gel
- container
- gelling agent
- aqueous liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Abstract
【課題】ゲル化剤を含有するゲル状食品の製造における、ゲル原料液の容器充填前の加熱工程を不要とする、生産性に優れたゲル状食品の製造方法の提供。【解決手段】ゲル化剤及びウェランガムを含有する0〜60℃の水性液状物を、容器に充填後、70℃以上に加熱し、70℃未満に冷却する工程を含むゲル状食品の製造方法。前記水性液状物のウェランガムの含有量が0.03〜1質量%であり、前記ゲル化剤が、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム及びキサンタンガムから選択される1種以上である、ゲル状食品の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、ゲル状食品の製造方法に関する。
一般的なゲル状食品の製造方法においては、ゲル化剤を水中に溶解し、そのゲル化剤溶液に、他の原料を混合して、容器への充填、殺菌の各工程を経てゲル状食品が調製される。
ゲル状食品に用いられるゲル化剤には、加熱により水に均一に溶解することで機能するものが多く、ゲル化剤を高温域にまで加熱し溶解した後に、容器に充填する工程を経るのが一般的である。ここで、ゲル化剤の加熱溶解が十分でないと、得られるゲルが柔らかくなり、離水や形状崩れが発生したり、ゲル化剤の偏在により、硬さの不均一なゲル状食品となったりする問題が生じる。
また、ゲル化剤として澱粉を用いる場合においては、加熱により糊化(α化)させる必要があるが、この糊化により原料液の粘度が高くなる傾向があるため、製造工程における取扱いや容器への充填に支障をきたすことがある。一方で糊化が不十分であると、澱粉の偏在により、硬さの不均一なゲル状食品となる問題が生じる。
したがって、所期のゲル状食品を得るためには、容器へ充填する前にゲル化剤を高温で溶解する工程や、厳密な調製条件管理の下に糊化する工程が必要となる。
ゲル状食品に用いられるゲル化剤には、加熱により水に均一に溶解することで機能するものが多く、ゲル化剤を高温域にまで加熱し溶解した後に、容器に充填する工程を経るのが一般的である。ここで、ゲル化剤の加熱溶解が十分でないと、得られるゲルが柔らかくなり、離水や形状崩れが発生したり、ゲル化剤の偏在により、硬さの不均一なゲル状食品となったりする問題が生じる。
また、ゲル化剤として澱粉を用いる場合においては、加熱により糊化(α化)させる必要があるが、この糊化により原料液の粘度が高くなる傾向があるため、製造工程における取扱いや容器への充填に支障をきたすことがある。一方で糊化が不十分であると、澱粉の偏在により、硬さの不均一なゲル状食品となる問題が生じる。
したがって、所期のゲル状食品を得るためには、容器へ充填する前にゲル化剤を高温で溶解する工程や、厳密な調製条件管理の下に糊化する工程が必要となる。
しかしながら、ゲル化剤の加熱溶解温度は、通常80℃程度とされ、ゲル状食品の調製においては、原料液の加熱及び冷却に際してエネルギーと時間を必要とする。そのため、生産効率に優れた、より簡便な工程が望まれていた。また、ゲル化剤の高温域への加熱における加熱設備能力の不足による長時間の昇温工程や、工程トラブルによる高温状態の保持などにより、その熱履歴が過度となる場合においては、ゲル化剤が分解され、ゲル化能等の特性が損なわれてしまうという問題があった。
そのため、ゲル化剤の加熱工程を効率化する方法として、特許文献1には、ゲル化剤を含有する液体を60〜80℃に加熱しながら超音波振動を与えることによりゲル化剤の溶解効率を向上させる方法が記載されている。また、特許文献2には、ゲル化剤としてのκカラギナンにナトリウム塩を併用することにより、15〜50℃の温度において溶解分散させる方法が記載されている。
更に、特許文献3においては、加熱工程及び冷却工程を要しないゲル化剤として、キサンタンガムと、グァーガム及び/又はタラガムとを含有する組成物が開示されている。
更に、特許文献3においては、加熱工程及び冷却工程を要しないゲル化剤として、キサンタンガムと、グァーガム及び/又はタラガムとを含有する組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された方法においては、ゲル化剤の加熱溶解条件の効率化をもたらすものの、依然として60〜80℃の加熱温度を要し、且つ、新たに超音波振動処理を必要とする技術である。
特許文献2および3に記載された発明は、常温を含む温度域における混合によりゲル化剤としての所期の機能を発揮するものであるが、特定のゲル化剤、或は、特定のゲル化剤組成物に係る技術であり、ゲル化剤全般に応用できる技術ではない。
特許文献2および3に記載された発明は、常温を含む温度域における混合によりゲル化剤としての所期の機能を発揮するものであるが、特定のゲル化剤、或は、特定のゲル化剤組成物に係る技術であり、ゲル化剤全般に応用できる技術ではない。
本発明は、ゲル状食品の調製において、容器への充填前におけるゲル化剤の高温加熱処理を必要としない、簡便で生産効率に優れたゲル状食品の製造方法を提供することを目的とする。更に詳細に言えば、ゲル化剤を含有する水性液状物を常温で調製し、容器に充填した後に、ゲル化剤が機能する加熱処理を行い、冷却することにより、ゲル状食品を簡便に効率良く製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、加熱処理を行っていないゲル化剤を含有する水性液状物にウェランガムを配合することにより、容器への充填前におけるゲル化剤の高温加熱処理を要せずとも、その後の加熱処理および冷却により、均一なゲル物性を有するゲル状食品を調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有するゲル状食品の製造方法に関する;
(項1)ゲル化剤及びウェランガムを含有する0℃以上60℃以下の水性液状物を、容器に充填後、70℃以上に加熱し、70℃未満に冷却する工程を含むゲル状食品の製造方法。
(項2)前記水性液状物のウェランガムの含有量が0.03〜1質量%である、項1に記載の製造方法。
(項3)前記ゲル化剤が、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム及びキサンタンガムからなる群より選択される1種以上である、項1又は2に記載の製造方法。
(項1)ゲル化剤及びウェランガムを含有する0℃以上60℃以下の水性液状物を、容器に充填後、70℃以上に加熱し、70℃未満に冷却する工程を含むゲル状食品の製造方法。
(項2)前記水性液状物のウェランガムの含有量が0.03〜1質量%である、項1に記載の製造方法。
(項3)前記ゲル化剤が、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム及びキサンタンガムからなる群より選択される1種以上である、項1又は2に記載の製造方法。
本発明により、ゲル状食品の調製における、ゲル化剤を含有するゲル状食品用原料液の容器充填前の加熱処理工程を含まない場合であっても、当該原料液を容器に充填することができるため、調製時のエネルギー削減、時間短縮、加熱温度管理不要などの生産性の向上が可能となる。また、所期の物性を有するゲル状食品を得るための加熱処理は、容器充填後の殺菌工程やボイル工程などの後加熱を利用することにより、ゲル状食品の製造工程全体を通しての熱履歴を少なくすることができ、生産性の向上だけでなく、過剰加熱による品質劣化の抑制が可能となる。
以下、本発明のゲル状食品の製造方法について詳細に説明する。
ウェランガム
本発明において使用するウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。ウェランガムとしては、市販製品を利用することが可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の「ビストップW」等を例示することができる。
本発明において使用するウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。ウェランガムとしては、市販製品を利用することが可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の「ビストップW」等を例示することができる。
ゲル化剤
本発明において使用するゲル化剤は、食品に使用できるものであって、水性液状物に添加し、加熱後、冷却することで水性液状物をゲル化する特性を有するものであれば制限なく用いることができる。ここで、加熱温度は一般に60℃以上、好ましくは70℃以上の温度である。
このようなゲル化剤としては、例えば、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉(加工澱粉を含む)、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム(脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム)、キサンタンガム等を挙げることができ、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、ジェランガムを好ましく用いることができる。また、これらは単独または2種以上を併用して用いることができる。
本発明において使用するゲル化剤は、食品に使用できるものであって、水性液状物に添加し、加熱後、冷却することで水性液状物をゲル化する特性を有するものであれば制限なく用いることができる。ここで、加熱温度は一般に60℃以上、好ましくは70℃以上の温度である。
このようなゲル化剤としては、例えば、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉(加工澱粉を含む)、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム(脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム)、キサンタンガム等を挙げることができ、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、ジェランガムを好ましく用いることができる。また、これらは単独または2種以上を併用して用いることができる。
水性液状物
本発明における水性液状物は、ゲル化剤、ウェランガム及び水を含有する液状物である。この水性液状物は、加熱後冷却することによりゲル状食品を与える、ゲル状食品調製用の原料組成物であることができる。
本発明における水性液状物は、ゲル化剤、ウェランガム及び水を含有する液状物である。この水性液状物は、加熱後冷却することによりゲル状食品を与える、ゲル状食品調製用の原料組成物であることができる。
水性液状物中のゲル化剤の含有量は、水性液状物が所期のゲル物性を有するゲル状物となる量であればよく、一般的には0.05〜20質量%の範囲となる量である。好ましいゲル化剤の含有量は、ゲル化剤の種類や所期のゲル物性、他の併用原料などの状況に応じて適宜選択される量であってよい。何ら限定するものではないが、ゲル化剤として、例えば、ジェランガムを用いる場合の水性液状物中の含有量は、通常0.05〜1質量%、寒天の場合のそれは、通常0.2〜1質量%、ゼラチンの場合のそれは、通常1〜5質量%、また、澱粉の場合のそれは、通常10〜20質量%の範囲となる量を例示することができる。
水性液状物中のウェランガムの含有量は、ゲル化剤を水性液状物中に均一に、安定に分散することができる範囲であればよく、通常0.03〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.3質量%の範囲となる量である。ウェランガムの含有量が0.03質量%未満となると、水性液状物中のゲル化剤の分散安定性が不十分となって偏在し、ゲル状物が得られなかったり、硬さの不均一なゲル状物となったりする。一方、ウェランガムの含有量が1質量%を超えると、水性液状物の粘度が不必要に高くなり、生産性が低下したり、ゲル物性に影響を与えたりする。
水性液状物中の水の含有量は、所期のゲル状食品が得られる範囲の量であればよく、ゲル状食品の設計組成により適宜選択される量である。通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上の量である。
本発明の水性液状物は、ゲル化剤及びウェランガムの他に、本発明の効果を妨げない範囲において、任意の可食成分を含有することができる。このような任意の可食成分としては、例えば、増粘多糖類、糖類、高甘味度甘味料、ビタミン類、アミノ酸類、脂質類、タンパク質類、ミネラル類、乳、卵、果汁、果肉、植物抽出物、食物繊維、香料、着色料、調味料、酸味料、抗酸化剤、保存料、抗菌剤等を挙げることができる。これら任意成分の配合手順や配合方法には特に制限はない。
増粘多糖類としては、本発明のゲル化剤以外の増粘多糖類を挙げることができ、例えば、タマリンドシードガム、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチン等)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム等)、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラヤガム、キチン、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、発酵セルロース、結晶セルロース等)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等)及び大豆多糖類等を例示することができる。
糖類としては、ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルトデキストリン等を挙げることができる。また、高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、ネオテーム、ステビア抽出物、ラカンカ抽出物、アドバンテーム等を挙げることができる。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンP、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パラアミノ安息香酸等を挙げることができる。
アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等を挙げることができる。
脂質類としては、パーム油、ナタネ油、コーン油、大豆油、牛脂、豚脂、ラード、乳脂等を挙げることができる。
タンパク質類としては、乳由来のタンパク質であるホエイタンパク質分離物、ホエイタンパク質濃縮物、大豆由来のタンパク質である、分離大豆タンパク質等を挙げることができる。
ミネラル類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ピロリン酸第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅等を挙げることができる。
本発明における水性液状物の液温は、0℃以上60℃以下である。ゲル状食品の生産性を向上し、また、ゲル化剤や他原料への過剰な熱履歴を抑制する観点から、水性液状物の温度は50℃以下であることが好ましい。実質的には、加熱・冷却の温度制御工程を含まない温度域である、0℃以上45℃以下の範囲であることができる。
本発明の水性組成物は、ゲル化剤、ウェランガム及び水を混合し、ウェランガムを水に溶解することにより調製することができる。混合方法は、ウェランガムを水に溶解することができる条件であれば特に制限はなく、例えば、プロペラ羽根による攪拌混合を例示することができる。
容器充填
本発明の水性液状物の容器への充填において、充填の方法は特に限定されない。ゲル状食品の調製に際して通常用いられる公知の充填方法を適用することができる。
本発明の水性液状物の容器への充填に際して用いる包装容器については、本発明のゲル状食品の包装に適した容器であれば特に限定されない。好ましい容器素材としては、例えば、金属、ガラス、プラスチック、紙等を挙げることができる。
本発明の水性液状物の容器への充填において、充填の方法は特に限定されない。ゲル状食品の調製に際して通常用いられる公知の充填方法を適用することができる。
本発明の水性液状物の容器への充填に際して用いる包装容器については、本発明のゲル状食品の包装に適した容器であれば特に限定されない。好ましい容器素材としては、例えば、金属、ガラス、プラスチック、紙等を挙げることができる。
加熱・冷却工程
本発明のゲル状食品の製造方法においては、容器に充填した水性液状物を70℃以上に
加熱した後、70℃未満に冷却することにより、ゲル状食品を得る。水性液状物を70℃以上に加熱することにより、ゲル化剤がゲル状物を与え得るようになり、その後、70℃未満に冷却することによりゲル化させて、ゲル状食品を得ることができる。
本発明のゲル状食品の製造方法においては、容器に充填した水性液状物を70℃以上に
加熱した後、70℃未満に冷却することにより、ゲル状食品を得る。水性液状物を70℃以上に加熱することにより、ゲル化剤がゲル状物を与え得るようになり、その後、70℃未満に冷却することによりゲル化させて、ゲル状食品を得ることができる。
前記水性液状物を70℃以上に加熱する手段としては、公知の手段を用いればよく、例えば、水性液状物が充填された容器を、加温オーブンやオートクレーブ中にて加熱する方法、熱水浴中に浸漬し加熱する方法等を挙げることができる。なお、本発明の加熱工程は、ゲル状食品の殺菌工程を兼ねることができることから、生産性を向上することが可能となる。
前記加熱温度は、70℃以上の温度であれば特に限定されるものではないが、生産性や殺菌効率などの観点から、例えば、80℃以上の温度であることができる。また、加熱温度の上限も本発明のゲル状食品を得ることができる温度であれば特に限定されない。
前記加熱温度は、70℃以上の温度であれば特に限定されるものではないが、生産性や殺菌効率などの観点から、例えば、80℃以上の温度であることができる。また、加熱温度の上限も本発明のゲル状食品を得ることができる温度であれば特に限定されない。
また、水性液状物を70℃未満に冷却する手段は、公知の手段を用いればよく、例えば、加熱処理後の容器を、常温下に静置したり、冷蔵室に入れたり、或は、冷水中に浸漬したりすることで、冷却することができる。冷却温度は、水性液状物がゲル化する温度以下であれば特に限定されないが、例えば、40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、20℃以下であることが更により好ましい。
ゲル状食品
本発明により得られるゲル状食品の可溶性固形分(ブリックス)は、0.1〜50%であることが好ましく、0.5〜40%であることがより好ましい。本発明の製造方法により得られるゲル状食品の具体例としては、例えば、ゼリー、ムース、ババロア、プリン、寒天、くずきり、水ようかん、求肥、餅様デザート等を挙げることができる。
本発明により得られるゲル状食品の可溶性固形分(ブリックス)は、0.1〜50%であることが好ましく、0.5〜40%であることがより好ましい。本発明の製造方法により得られるゲル状食品の具体例としては、例えば、ゼリー、ムース、ババロア、プリン、寒天、くずきり、水ようかん、求肥、餅様デザート等を挙げることができる。
以下、本発明を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例中の原料処方における「%」は「質量%」を意味する。
ゲル状食品の調製例1
表1の処方および調製法に従い、カップ入りゲル状食品を調製した。調製したゲル状食品について、ゲルの破断強度の測定、並びにゲルの状態を評価した。
表1の処方および調製法に従い、カップ入りゲル状食品を調製した。調製したゲル状食品について、ゲルの破断強度の測定、並びにゲルの状態を評価した。
<調製法A>
(1) 水に表1記載の原料を添加し、撹拌しながら加熱し、90℃到達後10分間撹拌して原料を溶解した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填し、10℃以下に冷却した。
(1) 水に表1記載の原料を添加し、撹拌しながら加熱し、90℃到達後10分間撹拌して原料を溶解した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填し、10℃以下に冷却した。
<調製法B>
(1) 水に表1記載の原料を添加し、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填した。
(3) (2)の容器を、90℃の温浴に入れ、30分間ボイル処理した後、10℃以下に冷却した。
(1) 水に表1記載の原料を添加し、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填した。
(3) (2)の容器を、90℃の温浴に入れ、30分間ボイル処理した後、10℃以下に冷却した。
<調製法C>
(1) 水に表1記載の原料を添加し、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填した。
(3) (2)の容器を、121℃/20分間レトルト殺菌を行った後、10℃以下に冷却した。
(1) 水に表1記載の原料を添加し、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) (1)で調製した液を、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)に充填した。
(3) (2)の容器を、121℃/20分間レトルト殺菌を行った後、10℃以下に冷却した。
<破断強度の測定>
調製したプラスチック容器入りゲル状食品の破断強度を、テクスチャーアナライザーTA.XT2(Stable Micro Systems社製)を用いて、以下の条件により測定した。
ゲル試料温度:5℃
プランジャー直径:11.3mm
プランジャー侵入速度:1mm/秒
調製したプラスチック容器入りゲル状食品の破断強度を、テクスチャーアナライザーTA.XT2(Stable Micro Systems社製)を用いて、以下の条件により測定した。
ゲル試料温度:5℃
プランジャー直径:11.3mm
プランジャー侵入速度:1mm/秒
<ゲル状態の評価>
調製したゲル状食品を口に含み、ゲル物性の均一性を食感により評価した。
調製したゲル状食品を口に含み、ゲル物性の均一性を食感により評価した。
<結果>
表1に記載のとおり、ゲル化剤を加熱溶解しない状態で容器に充填後、加熱処理することにより調製した、ウェランガムを含有する実施例1〜10のゲル状食品は、ゲル化剤を加熱することにより水中に溶解した後、容器に充填して冷却する従来技術により調製された比較例1のゲル状食品と比較して、同等の破断強度並びにゲル状態、すなわち、十分なゲル強度を示し、且つ、硬さの均一なゲルを形成していることが確認できた。
一方、ウェランガムを用いず、ゲル化剤を加熱溶解しない状態で容器に充填後、加熱処理することにより調製した比較例2〜3のゲル状食品は、破断強度が不十分であり、また、硬さが不均一なゲル状物であった。
表1に記載のとおり、ゲル化剤を加熱溶解しない状態で容器に充填後、加熱処理することにより調製した、ウェランガムを含有する実施例1〜10のゲル状食品は、ゲル化剤を加熱することにより水中に溶解した後、容器に充填して冷却する従来技術により調製された比較例1のゲル状食品と比較して、同等の破断強度並びにゲル状態、すなわち、十分なゲル強度を示し、且つ、硬さの均一なゲルを形成していることが確認できた。
一方、ウェランガムを用いず、ゲル化剤を加熱溶解しない状態で容器に充填後、加熱処理することにより調製した比較例2〜3のゲル状食品は、破断強度が不十分であり、また、硬さが不均一なゲル状物であった。
ゲル状食品の調製例2
表2の処方に従い、カップ入りゲル状食品を調製した。具体的には、調製例1における寒天を、表2に記載のゲル化剤に置換えた組成を用いて、調製法Dによりゲル状食品を調製した。調製したゲル状食品について、前記の方法によりゲルの状態を評価した。
表2の処方に従い、カップ入りゲル状食品を調製した。具体的には、調製例1における寒天を、表2に記載のゲル化剤に置換えた組成を用いて、調製法Dによりゲル状食品を調製した。調製したゲル状食品について、前記の方法によりゲルの状態を評価した。
<調整法D>
(1) 全量が350gとなるように、水、砂糖、ゲル化剤(及び乳酸カルシウム)、及びウェランガムを500ml容量ビーカーに入れ、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) 攪拌を停止し、(1)で調製した液を室温にて30分間静置した後、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)5個に充填した。
(3) (2)で調製した5個の容器を、90℃の温浴に入れ、30分間ボイル処理した後、10℃以下に冷却した。
(1) 全量が350gとなるように、水、砂糖、ゲル化剤(及び乳酸カルシウム)、及びウェランガムを500ml容量ビーカーに入れ、液温25℃にて10分間撹拌した。
(2) 攪拌を停止し、(1)で調製した液を室温にて30分間静置した後、60ml容量のプラスチック製容器(内径約62mm)5個に充填した。
(3) (2)で調製した5個の容器を、90℃の温浴に入れ、30分間ボイル処理した後、10℃以下に冷却した。
また、調製方法Dの加熱処理(90℃/30分間ボイル処理)を、121℃/20分間レトルト殺菌に変更した、ゲル状食品を調製(実施例15〜18)したところ、各々、実施例11〜14と同様のゲル状態を有するゲル状食品を得た。
<結果>
調製例1における寒天を、他のゲル化剤に置換えて調製した実施例11〜18のゲル状食品においても、ウェランガムを用いることにより、容器充填前の原料液の加熱工程を含まない場合であっても、容器毎のゲル物性に個体間差のない、均一なゲル物性を有するゲル状食品が得られることを確認した。
一方、ウェランガムを用いない比較例4〜7においては、容器毎のゲル物性に明らかな個体間差が認められ、ゲル物性が不均一であるため、ゲル状食品として必要な品質を充たさないものであった。
調製例1における寒天を、他のゲル化剤に置換えて調製した実施例11〜18のゲル状食品においても、ウェランガムを用いることにより、容器充填前の原料液の加熱工程を含まない場合であっても、容器毎のゲル物性に個体間差のない、均一なゲル物性を有するゲル状食品が得られることを確認した。
一方、ウェランガムを用いない比較例4〜7においては、容器毎のゲル物性に明らかな個体間差が認められ、ゲル物性が不均一であるため、ゲル状食品として必要な品質を充たさないものであった。
Claims (3)
- ゲル化剤及びウェランガムを含有する0℃以上60℃以下の水性液状物を、容器に充填後、70℃以上に加熱し、70℃未満に冷却する工程を含むゲル状食品の製造方法。
- 前記水性液状物のウェランガムの含有量が0.03〜1質量%である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ゲル化剤が、カラギナン、ローカストビーンガム、寒天、ゼラチン、澱粉、サイリウムシードガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、ジェランガム及びキサンタンガムからなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017101739A JP2018196333A (ja) | 2017-05-23 | 2017-05-23 | ゲル状食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017101739A JP2018196333A (ja) | 2017-05-23 | 2017-05-23 | ゲル状食品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018196333A true JP2018196333A (ja) | 2018-12-13 |
Family
ID=64662801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017101739A Pending JP2018196333A (ja) | 2017-05-23 | 2017-05-23 | ゲル状食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018196333A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019178078A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 株式会社デリカシェフ | ゲル状組成物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04252156A (ja) * | 1991-01-24 | 1992-09-08 | Meiji Seika Kaisha Ltd | 炭酸ガス含有ゼリー飲料の製造方法 |
JP2012000096A (ja) * | 2010-06-21 | 2012-01-05 | Suntory Holdings Ltd | ゼリー飲料の製造方法 |
JP2015156852A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-09-03 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 多層ゼリーの製造方法 |
WO2017030206A1 (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | ウェランガム含有組成物 |
WO2018116993A1 (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 大和製罐株式会社 | 容器詰めとろみ付き炭酸飲料の製造方法および容器詰めとろみ付き炭酸飲料 |
-
2017
- 2017-05-23 JP JP2017101739A patent/JP2018196333A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04252156A (ja) * | 1991-01-24 | 1992-09-08 | Meiji Seika Kaisha Ltd | 炭酸ガス含有ゼリー飲料の製造方法 |
JP2012000096A (ja) * | 2010-06-21 | 2012-01-05 | Suntory Holdings Ltd | ゼリー飲料の製造方法 |
JP2015156852A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-09-03 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 多層ゼリーの製造方法 |
WO2017030206A1 (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | ウェランガム含有組成物 |
WO2018116993A1 (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 大和製罐株式会社 | 容器詰めとろみ付き炭酸飲料の製造方法および容器詰めとろみ付き炭酸飲料 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019178078A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 株式会社デリカシェフ | ゲル状組成物 |
JP7068889B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-05-17 | 株式会社デリカシェフ | ゲル状組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3236762B1 (en) | Compositions comprising whey protein, native starch and sugar | |
JP2014236700A (ja) | 食品、その製造方法、及び摂食・嚥下補助剤 | |
JP2022132531A (ja) | ゲル状食品およびその製造方法 | |
JP6713728B2 (ja) | 液状増粘剤 | |
JP6198505B2 (ja) | 殺菌加工液全卵、並びにそれを用いた卵スープ及び焼成卵加工品。 | |
JP2018196333A (ja) | ゲル状食品の製造方法 | |
JP2005176749A (ja) | ドリンクゼリー用ゲル化剤及びドリンクゼリー | |
JP6925875B2 (ja) | 多層食品 | |
JP2007020477A (ja) | 植物性キャンディ及び植物性ソフトキャンディの製法 | |
CN107495124A (zh) | 一种利用禽蛋加工副产品制备布丁的方法 | |
JP4249143B2 (ja) | フルーツプレパレーション | |
JP5955615B2 (ja) | 弱酸性のタンパク質含有ゲル状飲食品 | |
JP2017051133A (ja) | タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法 | |
JP4510706B2 (ja) | 固形物分散調味液組成物及びその製造方法 | |
JP4000173B1 (ja) | フルーツプレパレーション用シロップ | |
JP7254435B2 (ja) | フルーツプレパレーション | |
JP2002218917A (ja) | 不溶性固形物が分散されたゲル組成物及びその応用 | |
JP6215608B2 (ja) | 卵スープの濁りを防止する方法、卵スープ用殺菌加工液全卵、当該殺菌加工液全卵を用いた卵スープ、及びその卵スープの製造方法。 | |
JP4813412B2 (ja) | ゲル組成物及びその応用 | |
JP7292902B2 (ja) | 容器詰粉末茶含有ゼリー飲料の製造方法及び容器詰粉末茶含有ゼリー飲料の食感向上方法 | |
JP5847039B2 (ja) | ゲル状食品の製造方法 | |
WO2016158596A1 (ja) | ゲル状食品のペースト状プレミックス及びその製造方法 | |
JP2018078876A (ja) | 密封加熱殺菌後も物性の殆ど変わらない粒を内蔵したゼリー状食品の製造方法。 | |
JP2015083003A (ja) | 焦げ付き抑制剤 | |
JP5079634B2 (ja) | ゲルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200420 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210302 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210928 |