JP2018194165A - 波動歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転伝達時の回転伝達部分のバックラッシを抑えることができると共に、動力伝達効率の低下を抑えることができる波動歯車装置を提供する。【解決手段】波動歯車装置1は、回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車3と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車3の長軸上で外歯車3と噛み合う内歯車4と、を有している。そして、楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26のリブ幅が漸増する径方向外方端側に当接し、隣り合う径方向リブ26,26と共に回転伝達部分を構成する。また、楕円形状に変形させられた外歯車3の短軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26から離間する。【選択図】図1
Description
この発明は、回転を減速するために使用される波動歯車装置に関するものである。
従来から、波動歯車装置は、ヒューマノイドロボット、半導体製造装置、及び工作機械等に幅広く使用され、サーボモータ等の回転を大きく減速して伝達するようになっている。そして、この波動歯車装置は、高精度の回転伝達を実現するために回転伝達部分のバックラッシの低減化が求められている。
(第1従来例)
図20及び図21は、第1従来例に係る波動歯車装置100を示すものである。これらの図に示す波動歯車装置100は、楕円形状の波動発生器101と、この波動発生器101の外周面に嵌合される外歯車102と、この外歯車102と噛み合う内歯車103と、を有している。この波動歯車装置100において、波動発生器101は、外周面が楕円形状のカム部材104と、このカム部材104の外周面に嵌合されることによってカム部材104の外周面に倣って楕円形状に変形するボールベアリング105と、を有している。また、外歯車102は、弾性変形可能な薄肉の円筒部材106の外周面に複数の歯が形成されており、波動発生器(ボールベアリング)の楕円形状の外周面に嵌合されると、波動発生器の楕円形状の外周面に倣って楕円形状に変形させられるようになっている。また、この外歯車102は、円板状の出力部材107の係合突起108と係合する係合凹所110が円筒部材106の一端側の周方向に沿って形成されている。内歯車103は、変形し難い剛構造体であり、内歯が楕円形状に変形させられた外歯車102の長軸上に位置する外歯と噛み合うようになっている。
図20及び図21は、第1従来例に係る波動歯車装置100を示すものである。これらの図に示す波動歯車装置100は、楕円形状の波動発生器101と、この波動発生器101の外周面に嵌合される外歯車102と、この外歯車102と噛み合う内歯車103と、を有している。この波動歯車装置100において、波動発生器101は、外周面が楕円形状のカム部材104と、このカム部材104の外周面に嵌合されることによってカム部材104の外周面に倣って楕円形状に変形するボールベアリング105と、を有している。また、外歯車102は、弾性変形可能な薄肉の円筒部材106の外周面に複数の歯が形成されており、波動発生器(ボールベアリング)の楕円形状の外周面に嵌合されると、波動発生器の楕円形状の外周面に倣って楕円形状に変形させられるようになっている。また、この外歯車102は、円板状の出力部材107の係合突起108と係合する係合凹所110が円筒部材106の一端側の周方向に沿って形成されている。内歯車103は、変形し難い剛構造体であり、内歯が楕円形状に変形させられた外歯車102の長軸上に位置する外歯と噛み合うようになっている。
この第1従来例に係る波動歯車装置100は、内歯車103の歯数をZcとし、外歯車102の歯数をZfとし、内歯車103を固定した場合、波動発生器101のN回転に対し、外歯車102がN・(Zc−Zf)/Zf回転するようになっている。なお、第1従来例に係る波動歯車装置100は、内歯車103の歯数(Zc)と外歯車102の歯数(Zf)との差が2になっている。
図22に示すように、第1従来例に係る波動歯車装置100は、外歯車102が波動発生器101によって円滑に楕円変形させられるようにするため、出力部材107の係合突起108が外歯車102の係合凹所110内をスライド移動できるようになっている。しかしながら、このような波動歯車装置100は、出力部材107の係合突起108と外歯車102の係合凹所110との係合部分(回転伝達部分)に隙間が形成されると、その隙間分だけ回転伝達時に回転方向のガタツキ(バックラッシ)を生じる。
そこで、図23及び図24に示すように、第1従来例に係る波動歯車装置100は、出力部材107の係合突起108の幅方向両側にばね作用部111を設け、そのばね作用部111を弾性変形させた状態で円筒部材106の係合凹所110の両側の壁面112に当接させ、回転伝達時の回転方向へのガタツキ(バックラッシ)を抑えるようになっている。
(第2従来例)
図25乃至図27は、第2従来例に係る波動歯車装置200を示すものである。これらの図に示す第2従来例に係る波動歯車装置200は、波動発生器201、外歯車202、内歯車203、及び出力部材204からなっている。外歯車202は、弾性変形可能な薄肉状の円筒部材205の外周面に複数の歯(外歯)が形成されており、波動発生器201によって楕円形状に弾性変形させられ、長軸上の2箇所で内歯車203と噛み合っている。
図25乃至図27は、第2従来例に係る波動歯車装置200を示すものである。これらの図に示す第2従来例に係る波動歯車装置200は、波動発生器201、外歯車202、内歯車203、及び出力部材204からなっている。外歯車202は、弾性変形可能な薄肉状の円筒部材205の外周面に複数の歯(外歯)が形成されており、波動発生器201によって楕円形状に弾性変形させられ、長軸上の2箇所で内歯車203と噛み合っている。
そして、この第2従来例に係る波動歯車装置200の外歯車202は、円筒部材205の一側面側に棒状突起206を突出形成し、その棒状突起206の移動軌跡に沿う内面形状の係合穴207を出力部材204の円板状部208に形成し、棒状突起206とこの棒状突起206に係合する係合穴207とで回転伝達部分を構成して、外歯車202の楕円変形を許容しつつ、回転伝達時のバックラッシを抑え、波動発生器201の回転を減速して出力部材204の出力軸210から出力するようになっている。
しかしながら、第1従来例に係る波動歯車装置100は、外歯車102が波動発生器101によって楕円変形させられる際に、出力部材107の係合突起108のばね作用部111,111がばね作用部111,111の弾性力(ばね力)によって円筒部材106の係合凹所110の壁面112,112に押し付けられた状態で常時摺接し、係合突起108のばね作用部111,111と円筒部材106の係合凹所110の壁面112,112との摺接部に摩擦抵抗(外歯車102の楕円変形を妨げる抵抗)が生じて、動力伝達効率の低下を生じる虞がある。
また、第2従来例に係る波動歯車装置200は、回転伝達時において、棒状突起206が係合穴207の内面に継続的に接触するため、棒状突起206と係合穴207の摺接部に摩擦抵抗(外歯車202の楕円変形を妨げる抵抗)が継続的に生じて、動力伝達効率の低下を生じる虞がある。
そこで、本発明は、回転伝達時の回転伝達部分のバックラッシを抑えることができると共に、動力伝達効率の低下を抑えることができる波動歯車装置の提供を目的とする。
図1乃至図9に示すように、本発明は、回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車3と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車3の長軸上で外歯車3と噛み合う内歯車4と、を有する波動歯車装置1に関するものである。本発明において、外歯車3の歯幅方向に沿った一端面側には、固定部材5が対向するように配置されている。また、固定部材5は、外歯車3に対向する面側に、波動発生器2の回転中心23aに対して放射状に延びる複数の径方向リブ26が形成されている。また、外歯車3は、歯幅方向に沿った一端面側に、固定部材5の隣り合う径方向リブ26と径方向リブ26との間のスペース31に係合される係合片30が複数形成されている。また、径方向リブ26は、径方向外方端側がリブ幅を径方向外方へ向かうに従って漸増するように形成されて、径方向外方端側で隣り合う他の前記径方向リブ26との間隔を漸減させている。また、楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26のリブ幅が漸増する径方向外方端側に当接し、隣り合う径方向リブ26,26と共に回転伝達部分を構成する。また、楕円形状に変形させられた外歯車3の短軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26から離間する。そして、外歯車3及び固定部材5、並びに内歯車4は、波動発生器2の回転に伴って相対回動させられるようになっている。
図1乃至図9、及び図12に示すように、本発明は、回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車3と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車3の長軸上で外歯車3と噛み合う内歯車4と、を有する波動歯車装置1に関するものである。本発明において、外歯車3の歯幅方向に沿った一端面側には、固定部材5が対向するように配置されている。また、固定部材5は、外歯車3に対向する面側に、波動発生器2の回転中心23aに対して放射状に延びる複数の径方向リブ26が形成されている。また、外歯車3は、歯幅方向に沿った一端面側に、固定部材5の隣り合う径方向リブ26と径方向リブ26との間のスペース31に係合される係合片30が複数形成されている。また、径方向リブ26は、径方向内方端側がリブ幅を径方向内方へ向かうに従って漸増するように形成されて、径方向内方端側で隣り合う他の前記径方向リブ26との間隔を漸減させている。また、楕円形状に変形させられた外歯車3の短軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26のリブ幅が漸増する径方向内方端側に当接し、隣り合う径方向リブ26,26と共に回転伝達部分を構成する。また、楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸寄りの係合片30は、隣り合う径方向リブ26,26から離間する。そして、外歯車3及び固定部材5、並びに内歯車4は、波動発生器2の回転に伴って相対回動させられるようになっている。
また、図13乃至図19に示すように、本発明は、回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車61と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車61の長軸上で外歯車61と噛み合う内歯車62と、を有する波動歯車装置1に関するものである。本発明において、外歯車61の歯幅方向に沿った一端面側には、外歯車61に一体回動可能な状態で係合される円板状部材63が配置されている。また、円板状部材63は、外周面から径方向外方へ向かって突出する舌片状の係合片81が外周面の周方向に沿って複数形成されている。また、外歯車61は、歯幅方向に沿った一端面側に、係合片81に係合させられる係合凹所82が形成されている。また、係合片81は、円板状部材63の周方向に沿った幅寸法が径方向外方側へ向かうに従って漸減するように形成されている。また、楕円形状に変形させられた外歯車61の長軸寄りの係合凹所82は、外歯車61の周方向に沿って対向するように位置する一対の側面85,85が円板状部材63の係合片81と隙間をもって係合する。また、楕円形状に変形させられた外歯車61の短軸寄りの係合凹所82は、外歯車61の周方向に沿って対向するように位置する一対の側面85,85が円板状部材63の係合片81に当接し、係合片81と共に回転伝達部分を構成する。そして、外歯車61及び円板状部材63、並びに内歯車62は、波動発生器2の回転に伴って相対回動させられるようになっている。
本発明に係る波動歯車装置は、回転伝達時における回転伝達部分のバックラッシを抑えることができることはもちろんのこと、回転伝達部分の摺動抵抗に起因する動力伝達効率の低下を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置1を示す図である。なお、図1(a)は波動歯車装置1の外観斜視図であり、図1(b)は波動歯車装置1の分解斜視図(波動歯車装置1を各部品毎に分解して示す斜視図)である。また、図2(a)は波動歯車装置1の正面図であり、図2(b)は波動歯車装置1の側面図であり、図2(c)は図2(a)のA1−A1線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図である。また、図3(a)は図2(c)のA2−A2線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図3(b)は図3(a)のB1部の拡大図であり、図3(c)は図3(a)のB2部の拡大図である。また、図4(a)は図2(c)のA3−A3線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図4(b)は図4(a)のB3部の拡大図であり、図4(c)は図4(a)のB4部の拡大図である。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置1を示す図である。なお、図1(a)は波動歯車装置1の外観斜視図であり、図1(b)は波動歯車装置1の分解斜視図(波動歯車装置1を各部品毎に分解して示す斜視図)である。また、図2(a)は波動歯車装置1の正面図であり、図2(b)は波動歯車装置1の側面図であり、図2(c)は図2(a)のA1−A1線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図である。また、図3(a)は図2(c)のA2−A2線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図3(b)は図3(a)のB1部の拡大図であり、図3(c)は図3(a)のB2部の拡大図である。また、図4(a)は図2(c)のA3−A3線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図4(b)は図4(a)のB3部の拡大図であり、図4(c)は図4(a)のB4部の拡大図である。
(波動歯車装置の概略構成)
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係る波動歯車装置1は、図外のサーボモータ等の駆動手段によって回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車3と、この楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸上で外歯車3と噛み合う内歯車4と、図外のロボットアーム等の取付対象物に固定される固定部材(ハウジング)5と、固定部材5に固定されるカバー6と、を有している。そして、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2、外歯車3、内歯車4、固定部材5、及びカバー6がプラスチック(例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等)で形成されている。
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係る波動歯車装置1は、図外のサーボモータ等の駆動手段によって回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車3と、この楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸上で外歯車3と噛み合う内歯車4と、図外のロボットアーム等の取付対象物に固定される固定部材(ハウジング)5と、固定部材5に固定されるカバー6と、を有している。そして、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2、外歯車3、内歯車4、固定部材5、及びカバー6がプラスチック(例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等)で形成されている。
(波動発生器)
図1乃至図3、及び図5に示すように、波動発生器2は、入力軸7と、この入力軸7の先端側に一体に形成された楕円状カム8と、楕円状カム8の正面の回転中心部から突出する(入力軸7の突出方向とは逆の方向に突出する)支持軸10と、を有している。
図1乃至図3、及び図5に示すように、波動発生器2は、入力軸7と、この入力軸7の先端側に一体に形成された楕円状カム8と、楕円状カム8の正面の回転中心部から突出する(入力軸7の突出方向とは逆の方向に突出する)支持軸10と、を有している。
入力軸7は、固定部材5の軸穴11で回動できるように支持され、図外の駆動手段に接続される。
楕円状カム8は、長軸側カム部12と短軸側カム部13とによって構成されており、正面側から見た形状が略十字状になっている。そして、長軸側カム部12の外周面14及び短軸側カム部13の外周面15は、外歯車3に接触する楕円状周面16,18と、この楕円状周面16,18の周方向両端側に滑らかに接続された円弧状周面17,20と、を有している。円弧状周面17,20は、曲率半径が楕円状周面16,18の周方向両端の曲率半径と同一になっており、楕円状周面16,18との接続部から周方向端部に向かうに従って、楕円状周面16,18に支持された外歯車3との間の隙間が楔状に漸増するように形成されている。そして、円弧状周面17,20は、楕円状周面16,18が外歯車3の内周面3aと摺接する際に、潤滑剤を楔効果によって楕円状周面16.18と外歯車の内周面3aとの間に導き入れるように機能する。また、楕円状カム8は、長軸側カム部12と短軸側カム部13との間が略V字形状の凹所21になっており、長軸側カム部12の楕円状周面16と短軸側カム部13の楕円状周面18のみが外歯車3の内周面3aに摺接するようになっているため、全周が外歯車3の内周面3aと摺接する場合と比較して、外歯車3との摺接抵抗が小さく抑えられる。
支持軸10は、内歯車4の軸受け穴22に嵌合されている。そして、支持軸10の回転中心23cは、入力軸7(波動発生器2)の回転中心23a及び軸24の回転中心23bと同軸上に位置している。
(固定部材)
図1、図2、図4、及び図6に示すように、固定部材(ハウジング)5は、外歯車3の一側面25(歯幅方向に沿った一端面であって、図2(c)の右側端面)に対向するように配置され、中心部に形成された軸穴11で波動発生器2の入力軸7を回転できるように支持している。
図1、図2、図4、及び図6に示すように、固定部材(ハウジング)5は、外歯車3の一側面25(歯幅方向に沿った一端面であって、図2(c)の右側端面)に対向するように配置され、中心部に形成された軸穴11で波動発生器2の入力軸7を回転できるように支持している。
また、この固定部材5は、外歯車3の一側面25に対向する面側に、入力軸7(波動発生器2)の回転中心23aに対して放射状に延びる複数の径方向リブ26が形成されている。この径方向リブ26は、リブ幅が一定の部分(径方向内方側リブ部分27)とリブ幅が変化する部分(径方向外方側リブ部分28)とがある。すなわち、径方向リブ26は、径方向内方端から径方向外方端側へ向けて一定のリブ幅で形成された径方向内方側リブ部分27と、径方向内方側リブ部分27の径方向外方端から径方向外方へ向かうに従ってリブ幅を漸増するように形成された径方向外方側リブ部分28とがある。この径方向外方側リブ部分28は、径方向外方端が円筒部5aの内周面に接続されている。そして、隣り合う径方向リブ26,26間には、外歯車3の舌片状の係合片30を係合するためのスペース31が形成されている。この隣り合う径方向リブ26,26間のスペース31は、径方向内方端がボス32の近傍に位置し、その径方向内方端から径方向外方へ向かうに従って周方向のスペース幅が漸増し、径方向内方側リブ部分27と径方向外方側リブ部分28との接続部(境界部)から径方向外方へ向かうに従って周方向のスペース幅が漸減している。
ボス32は、固定部材5の中央部に位置し、軸穴11が貫通しており、先端面33が波動発生器2の楕円状カム8の位置決め面34に当接して、波動発生器2の回転中心23aに沿った方向の位置決めを行うようになっている。そして、固定部材5は、波動発生器2との接触を少なくするための環状の逃げ溝35がボス32の周囲に形成されている。なお、隣り合う径方向リブ26,26間に形成されるスペース31の底面は、逃げ溝35の底面よりも深い位置に形成されている。
また、固定部材5は、内歯車4の外周面36に嵌合して、内歯車4(軸24)の回転中心23cが波動発生器2(入力軸7)の回転中心23aと同軸上に位置するように、内歯車4を径方向に位置決めする内歯車位置決め内周面37が形成されている。また、固定部材5は、内歯車4の一端面38に当接して、内歯車4の回転中心23bに沿った方向に、内歯車4を位置決めする内歯車位置決め端面40が形成されている。
また、固定部材5は、カバー6の円筒部41の内周面42に嵌合され、且つ、カバー6の内側面43に突き当てられる円筒状のカバー係合突起39が内歯車位置決め内周面37よりも径方向外方側の位置に形成されている。なお、固定部材5とカバー6とは、ボルト等の締結手段、溶着、又はクリップ等で固定される。
(外歯車)
図1乃至図4、及び図7に示すように、外歯車3は、薄肉の円筒状部材44の外周面に複数の歯(外歯)46が形成され、内周面3aに波動発生器2の楕円状カム8が嵌合されることにより、波動発生器2の楕円状カム8によって弾性変形させられ、楕円状カム8の楕円状周面16,18に倣って楕円形状に変形させられる。
図1乃至図4、及び図7に示すように、外歯車3は、薄肉の円筒状部材44の外周面に複数の歯(外歯)46が形成され、内周面3aに波動発生器2の楕円状カム8が嵌合されることにより、波動発生器2の楕円状カム8によって弾性変形させられ、楕円状カム8の楕円状周面16,18に倣って楕円形状に変形させられる。
この外歯車3は、固定部材5の径方向リブ26に対向する側(一側面25側)に、隣り合う径方向リブ26,26間のスペース31に係合される舌片状の係合片30が固定部材5のスペース31と同数形成されている。この外歯車3の係合片30は、固定部材5の径方向リブ26を係合するための径方向リブ収容凹所47が外歯車3の一側面25側を切り欠くように径方向リブ26と同数形成されることにより、隣り合う径方向リブ収容凹所47,47間に形成されている。そして、この外歯車3の係合片30は、外歯車3の径方向(板厚方向)に撓み変形するものの、板厚(t)に対する周方向長さ(L)が数倍大きく、周方向に対する強度が大きくて、周方向に弾性変形し難くなっているため、隣り合う径方向リブ26,26の側面に当接することにより、隣り合う径方向リブ26,26と共に回転伝達部分を構成し、外歯車3を固定部材5に対して確実に回り止めすることができる。
図4に詳細を示すように、外歯車3は、波動発生器2の楕円状カム8によって楕円状に弾性変形させられると、楕円の長軸(Y方向)寄りの係合片30の両側面48,48(円筒状部材44の周方向に沿った両側面48,48)が径方向外方側リブ部分28の側面50に当接し、楕円の短軸(X方向)寄りの係合片30の両側面48,48が径方向リブ26,26との間に隙間を生じるようになっている。すなわち、外歯車3は、波動発生器2の楕円状カム8が回動すると、楕円状カム8の回動位置に応じて楕円の長軸と短軸の位置が変化し、円滑に楕円状に弾性変形して、長軸寄りの係合片30が固定部材5の隣り合う径方向リブ26,26に当接し、長軸寄りの係合片30で固定部材5との相対回動を阻止することができるため、回転伝達時における回転伝達部分のバックラッシを抑えることができる。このような、外歯車3は、係合片30が固定部材5の径方向リブ26に常時当接するようになっておらず、波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って楕円形状に変形させられたとしても、係合片30と固定部材5の径方向リブ26との当接部に楕円形状への弾性変形を妨げる方向の摺接抵抗が生じにくい。
(内歯車)
図1乃至図3、及び図8に示すように、内歯車4は、歯(内歯)51が内周面側に形成された円筒状部52と、円筒状部52の端部から径方向内方へ延びる円板状部53と、円板状部53の外側面53aの中心部分に一体に形成された軸24と、を有している。また、円板状部53の内側面53bの中心部には、波動発生器2の支持軸10を相対回動可能に収容する軸受け穴22が形成されている。また、円板状部53の外側面53aの中心部には、カバー6と当接する位置決め突起54が形成されている。また、軸24は、カバー6の軸穴55に嵌合される大径軸部24aが円板状部53の位置決め突起54に隣接して形成されている。
図1乃至図3、及び図8に示すように、内歯車4は、歯(内歯)51が内周面側に形成された円筒状部52と、円筒状部52の端部から径方向内方へ延びる円板状部53と、円板状部53の外側面53aの中心部分に一体に形成された軸24と、を有している。また、円板状部53の内側面53bの中心部には、波動発生器2の支持軸10を相対回動可能に収容する軸受け穴22が形成されている。また、円板状部53の外側面53aの中心部には、カバー6と当接する位置決め突起54が形成されている。また、軸24は、カバー6の軸穴55に嵌合される大径軸部24aが円板状部53の位置決め突起54に隣接して形成されている。
また、この内歯車4は、円筒状部52の外周側小径部59が固定部材5の内歯車位置決め内周面37に嵌合され、円筒状部52の一端面38が固定部材5の内歯車位置決め端面40に当接させられ(カバー6の径方向内方端側で押されて内歯車位置決め端面40に当接させられ)、固定部材5に対して相対回動できるようになっている。
このような内歯車4は、波動発生器2の楕円状カム8によって楕円形状に変形させられた外歯車3の長軸上の2箇所で外歯車3と噛み合い、波動発生器2の楕円状カム8によって楕円形状に変形させられた外歯車3の短軸上で外歯車3と最も大きく離間するようになっている。
(カバー)
図1、図2、及び図9に示すように、カバー6は、円板状部56の径方向外方端に円筒部41が一体に形成され、円筒部41が固定部材5のカバー係合突起39に嵌合され、円板状部56の内側面43の径方向外方端に位置する第1リング状突起57が固定部材5のカバー係合突起39の先端面39aに突き当てられ、円板状部56の内側面43の径方向内方端に位置する第2リング状突起58が内歯車4の円板状部53の位置決め突起54に当接させられるようになっている。なお、カバー6は、円板状部56の第1リング状突起57と第2リング状突起58との間の内側面が内歯車4との接触を避けるための接触回避凹所60になっており、相対回動する内歯車4との摺接抵抗を削減するようになっている。
図1、図2、及び図9に示すように、カバー6は、円板状部56の径方向外方端に円筒部41が一体に形成され、円筒部41が固定部材5のカバー係合突起39に嵌合され、円板状部56の内側面43の径方向外方端に位置する第1リング状突起57が固定部材5のカバー係合突起39の先端面39aに突き当てられ、円板状部56の内側面43の径方向内方端に位置する第2リング状突起58が内歯車4の円板状部53の位置決め突起54に当接させられるようになっている。なお、カバー6は、円板状部56の第1リング状突起57と第2リング状突起58との間の内側面が内歯車4との接触を避けるための接触回避凹所60になっており、相対回動する内歯車4との摺接抵抗を削減するようになっている。
(第1実施形態に係る波動歯車装置の作動状態)
以上のように構成された本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2が駆動手段(例えば、サーボモータ)によって回転させられると、楕円形状に弾性変形させられた外歯車3の長軸位置が波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って波動発生器2の回転中心23aの回りを移動(回動)する。そして、外歯車3と内歯車4の噛み合い位置は、外歯車3の長軸上の2箇所であるため、波動発生器2の回動位置に応じて移動する。ここで、波動歯車装置1は、外歯車3及び固定部材5が固定され、内歯車4が回転可能に構成されている場合であって、例えば、内歯車4の歯数をZcとし、外歯車3の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車4よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、内歯車4が波動発生器2の回転方向と同一方向に2歯分だけ回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、外歯車3及び固定部材5が固定された場合、駆動手段の回転を2/Zcに減速して内歯車4の軸24から被回転体に伝達することができる。
以上のように構成された本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2が駆動手段(例えば、サーボモータ)によって回転させられると、楕円形状に弾性変形させられた外歯車3の長軸位置が波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って波動発生器2の回転中心23aの回りを移動(回動)する。そして、外歯車3と内歯車4の噛み合い位置は、外歯車3の長軸上の2箇所であるため、波動発生器2の回動位置に応じて移動する。ここで、波動歯車装置1は、外歯車3及び固定部材5が固定され、内歯車4が回転可能に構成されている場合であって、例えば、内歯車4の歯数をZcとし、外歯車3の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車4よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、内歯車4が波動発生器2の回転方向と同一方向に2歯分だけ回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、外歯車3及び固定部材5が固定された場合、駆動手段の回転を2/Zcに減速して内歯車4の軸24から被回転体に伝達することができる。
また、本実施形態に係る波動歯車装置1は、内歯車4が固定され、外歯車3及び固定部材5が回転可能に構成されている場合であって、例えば、内歯車4の歯数をZcとし、外歯車3の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車4よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、外歯車3及び固定部材5が波動発生器2の回転方向と逆方向に2歯分だけ回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、内歯車4が固定された場合、駆動手段の回転を2/Zfに減速して外歯車3及び固定部材5から被回転体に伝達することができる。
(バックラッシの比較実験)
図10は、バックラッシの比較実験に使用した比較例に係る固定部材を示す図であり、図10(a)が固定部材の正面図、図10(b)が図10(a)のB5部の拡大図である。
図10は、バックラッシの比較実験に使用した比較例に係る固定部材を示す図であり、図10(a)が固定部材の正面図、図10(b)が図10(a)のB5部の拡大図である。
図10に示すように、比較例に係る固定部材5Aは、径方向リブ26の径方向外方側の形状が本実施形態に係る固定部材5と異なるものの、他の構成が本実施形態に係る固定部材5と同一(形状、寸法、寸法公差、表面粗さ等が同一)である(図6参照)。すなわち、図6に示すように、本実施形態に係る固定部材5において、径方向リブ26は、径方向内方端から径方向外方端側へ向けて一定のリブ幅で形成された径方向内方側リブ部分27と、径方向内方側リブ部分27の径方向外方端から径方向外方へ向かうに従ってリブ幅を漸増するように形成された径方向外方側リブ部分28とがある。これに対し、図10に示す比較例に係る固定部材5Aの径方向リブ26は、径方向内方端から径方向外方端へ向けて一定のリブ幅で形成され、径方向外方端と固定部材5Aの円筒部5aの内周面とが曲面状隅肉部分5bによって滑らかに接続され、径方向外方端と円筒部5aとの接続部分に応力が集中しないように形作られているが、本実施形態に係る固定部材5の径方向外方側リブ部分28に対応するものがない。なお、比較例に係る固定部材5Aは、径方向リブ26の曲面状隅肉部分5bが外歯車3の係合片30に接触しない位置に形成されている。
図11は、本実施形態に係る波動歯車装置1(本発明品と略称する)のバックラッシと、図10に示した固定部材5Aを本実施形態に係る固定部材5に代えて使用した波動歯車装置(比較例品と略称する)のバックラッシとを対比して示す図である。なお、図11において、縦軸はバックラッシを回転角度(°)で示している。
この図11に示すように、本発明品は、バックラッシが比較例品の約1/3に低減し、高精度の動力伝達が可能になる。
(第1実施形態に係る波動歯車装置の効果)
本実施形態に係る波動歯車装置1は、回転伝達時における回転伝達部分(係合片30と一対の径方向リブ26,26の当接部分)のバックラッシを抑えることができることはもちろんのこと、回転伝達部分の摺動抵抗に起因する動力伝達効率の低下を抑えることができる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、回転伝達時における回転伝達部分(係合片30と一対の径方向リブ26,26の当接部分)のバックラッシを抑えることができることはもちろんのこと、回転伝達部分の摺動抵抗に起因する動力伝達効率の低下を抑えることができる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、外歯車3の係合片30が固定部材5の径方向リブ26に常時当接するようになっておらず、外歯車3が波動発生器2の回動に伴って楕円形状に変形させられたとしても、係合片30と固定部材5の径方向リブ26との当接部分(回転伝達部分)に楕円形状への弾性変形を妨げる方向の摺接抵抗が生じにくいため、回転伝達部分の摩耗を低減できる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、全体をプラスチックで形成するようになっているため、全体を金属で形成する場合と比較し、軽量化、低コスト化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る波動歯車装置1は、全体をプラスチックで形成する場合を例示したが、これに限定されず、一部又は全体を金属で形成してもよい。また、本実施形態に係る波動歯車装置1は、固定部材5の径方向外方側リブ部分28の両側面50,50が直線状の傾斜面になっているが(図4参照)、これに限られず、径方向外方側リブ部分28が径方向外方側へ向かうにしたがってリブ幅を漸増させるものであればよく、例えば、径方向外方側リブ部分28の両側面50,50を外側(隣り合う他の径方向リブ26側)へ向かって凸の曲面に形成するか、又は、径方向外方側リブ部分28の両側面50,50を外側(隣り合う他の径方向リブ26側)へ向かって凹の曲面に形成してもよい。
(固定部材の変形例)
図12は、固定部材5の変形例を示す図であり、図4に対応する図である。なお、図12(a)は本変形例に係る固定部材5の径方向リブ26と外歯車3の係合片30との係合状態を示す図であり、図12(b)は図12(a)のB6部の拡大図であり、図12(c)は図12(a)のB7部の拡大図である。
図12は、固定部材5の変形例を示す図であり、図4に対応する図である。なお、図12(a)は本変形例に係る固定部材5の径方向リブ26と外歯車3の係合片30との係合状態を示す図であり、図12(b)は図12(a)のB6部の拡大図であり、図12(c)は図12(a)のB7部の拡大図である。
図12に示すように、本変形例に係る固定部材5は、径方向リブ26の形状及びスペース31の形状が図4に示した固定部材5の径方向リブ26の形状及びスペース31の形状と異なるものの、他の構成が図4に示した固定部材5と同様である。すなわち、本変形例に係る固定部材5の径方向リブ26は、リブ幅が一定の部分(径方向リブ26の径方向外方端側に位置する径方向外方側リブ部分28)とリブ幅が変化する部分(径方向リブ26の径方向内方端側に位置する径方向内方側リブ部分27)とがある。径方向外方側リブ部分28は、径方向外方端(円筒部5aの内周面との接続部分)から径方向内方へ向かって一定のリブ幅で形成されている。また、径方向内方側リブ部分27は、その径方向外方端(径方向外方側リブ部分28との接続部)から径方向内方へ向かうに従ってリブ幅が漸増する部分であり、径方向内方端が隣り合う他の径方向内方側リブ部分27の径方向内方端に接続されている。そして、隣り合う径方向リブ26,26間には、外歯車3の舌片状の係合片30を係合するためのスペース31が形成されている。この隣り合う径方向リブ26,26間に形成されたスペース31は、径方向外方側リブ部分28の径方向外方端から径方向内方へ向かうに従って周方向のスペース幅が漸減し、径方向内方側リブ部分27の径方向外方端(径方向外方側リブ部分28との接続部)から径方向内方へ向かうに従って周方向のスペース幅がV字状に急激に減少し、径方向内方側リブ部分27の径方向内方端で閉じている(周方向のスペース幅がゼロになっている)。なお、スペース31の径方向内方端(V字状の谷底部分)は、径方向内方側へ向かって凸の曲面で形成してもよい。
このような本変形例に係る固定部材5は、外歯車3が波動発生器2の楕円状カム8によって楕円状に弾性変形させられると、楕円の長軸(Y方向)寄りの係合片30が径方向内方側リブ部分27,27の両側面50a,50aから離れ、楕円の長軸寄りの係合片30と径方向リブ26,26との間に隙間が生じる一方(図12(b)参照)、楕円の短軸(X方向)寄りの係合片30が径方向内方側リブ部分27,27の両側面50a,50aに当接し(図12(c)参照)、外歯車3との相対回動を阻止することができるため、回転伝達時における回転伝達部分のバックラッシを抑えることができる。なお、本変形例に係る固定部材5は、楕円状に弾性変形させられた外歯車3の短軸寄りの係合片30が外歯車3の縮径方向への弾性力によって内方側リブ部分27,27の両側面50a,50aに当接する。
また、このような本変形例に係る固定部材5は、外歯車3の係合片30が径方向リブ26に常時当接するようになっておらず、外歯車3が波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って楕円形状に変形させられたとしても、外歯車3の係合片30と固定部材5の径方向リブ26との当接部に楕円形状への弾性変形を妨げる方向の摺接抵抗が生じにくい。
[第2実施形態]
図13乃至図16は、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置1を示す図である。なお、図13(a)は波動歯車装置1の外観斜視図であり、図13(b)は波動歯車装置1の分解斜視図(波動歯車装置1を各部品毎に分解して示す斜視図)である。また、図14(a)は波動歯車装置1の正面図であり、図14(b)は波動歯車装置1の側面図であり、図14(c)は図14(a)のA10−A10線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図である。また、図15(a)は図14(c)のA11−A11線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図15(b)は図15(a)のB8部の拡大図であり、図15(c)は図15(a)のB9部の拡大図である。また、図16(a)はカバー6を取り外して示す波動歯車装置1の正面図であり、図16(b)は図16(a)のB10部の拡大図であり、図16(c)は図16(a)のB11部の拡大図である。
図13乃至図16は、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置1を示す図である。なお、図13(a)は波動歯車装置1の外観斜視図であり、図13(b)は波動歯車装置1の分解斜視図(波動歯車装置1を各部品毎に分解して示す斜視図)である。また、図14(a)は波動歯車装置1の正面図であり、図14(b)は波動歯車装置1の側面図であり、図14(c)は図14(a)のA10−A10線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図である。また、図15(a)は図14(c)のA11−A11線に沿って切断して示す波動歯車装置1の断面図であり、図15(b)は図15(a)のB8部の拡大図であり、図15(c)は図15(a)のB9部の拡大図である。また、図16(a)はカバー6を取り外して示す波動歯車装置1の正面図であり、図16(b)は図16(a)のB10部の拡大図であり、図16(c)は図16(a)のB11部の拡大図である。
(波動歯車装置の概略構成)
図13乃至図16に示すように、本実施形態に係る波動歯車装置1は、図外のサーボモータ等の駆動手段によって回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車61と、この楕円形状に変形させられた外歯車61の長軸上で外歯車61と噛み合う内歯車62と、外歯車61と一体回動できるように係合される円板状部材63と、内歯車62に固定されるカバー6と、を有している。そして、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2、外歯車61、内歯車62、円板状部材63、及びカバー6がプラスチック(例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等)で形成されている。なお、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2及びカバー6が第1実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2及びカバー6と共通であるため、波動発生器2及びカバー6の説明を適宜省略する。
図13乃至図16に示すように、本実施形態に係る波動歯車装置1は、図外のサーボモータ等の駆動手段によって回転させられる波動発生器2と、この波動発生器2に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車61と、この楕円形状に変形させられた外歯車61の長軸上で外歯車61と噛み合う内歯車62と、外歯車61と一体回動できるように係合される円板状部材63と、内歯車62に固定されるカバー6と、を有している。そして、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2、外歯車61、内歯車62、円板状部材63、及びカバー6がプラスチック(例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等)で形成されている。なお、本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2及びカバー6が第1実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2及びカバー6と共通であるため、波動発生器2及びカバー6の説明を適宜省略する。
(内歯車)
図13乃至図17に示すように、内歯車62は、図外のロボットアーム等の取付対象物に固定されるようになっており、円筒状部64と円板状部65とでカップ状に形成されている。そして、内歯車62の円板状部65の中心部には、波動発生器2の入力軸7を回転できるように支持する軸穴66が形成されている。また、内歯車62の円板状部65の軸穴66の周囲には、波動発生器2の楕円状カム8の位置決め突起9を収容する凹所67が形成されている。そして、この凹所67の底面68は、楕円状カム8の位置決め突起9の位置決め面(端面)34に当接し、波動発生器2の回転中心23aに沿った方向の位置決めを行うようになっている。また、内歯車62の円板状部65は、凹所67の径方向外方側の内側面70が楕円状カム8に嵌合された外歯車61の一端面に当接し、外歯車61の回転中心23aに沿った方向の位置決めを行うようになっている。
図13乃至図17に示すように、内歯車62は、図外のロボットアーム等の取付対象物に固定されるようになっており、円筒状部64と円板状部65とでカップ状に形成されている。そして、内歯車62の円板状部65の中心部には、波動発生器2の入力軸7を回転できるように支持する軸穴66が形成されている。また、内歯車62の円板状部65の軸穴66の周囲には、波動発生器2の楕円状カム8の位置決め突起9を収容する凹所67が形成されている。そして、この凹所67の底面68は、楕円状カム8の位置決め突起9の位置決め面(端面)34に当接し、波動発生器2の回転中心23aに沿った方向の位置決めを行うようになっている。また、内歯車62の円板状部65は、凹所67の径方向外方側の内側面70が楕円状カム8に嵌合された外歯車61の一端面に当接し、外歯車61の回転中心23aに沿った方向の位置決めを行うようになっている。
また、内歯車62の円筒状部64の内周面側には、歯(内歯)71が周方向に沿って複数形成されている。そして、内歯車62の歯71は、波動発生器2の楕円状カム8によって楕円形状に弾性変形させられた外歯車61の長軸上の2箇所の歯(外歯)72と噛み合うようになっている。そして、円筒状部64の径方向内方の空間73には、波動発生器2の楕円状カム8及び楕円状カム8に嵌合された外歯車61が収容されている。
また、内歯車62は、カバー6の円筒部41の内周面42に嵌合され、且つ、カバー6の内側面側に形成された第1リング状突起57に突き当てられる円筒状のカバー係合突起39が歯(内歯)71よりも径方向外方側の位置に形成されている。この内歯車62のカバー係合突起39は、カバー6を径方向に位置決めすると共に、カバー6を回転中心23aに沿った方向に位置決めする。そして、この内歯車62は、円板状部材63の円板部74をカバー係合突起39の径方向内方の空間に十分な隙間をもって収容するようになっている。なお、内歯車62材とカバー6とは、ボルト等の締結手段、溶着、又はクリップ等で固定される。
(外歯車)
図13乃至図16、及び図18に示すように、外歯車61は、薄肉の円筒状部材75の外周面76に複数の歯(外歯)72が形成され、内周面78に波動発生器2の楕円状カム8が嵌合されることにより、波動発生器2の楕円状カム8によって弾性変形させられ、楕円状カム8の楕円状周面16,18に倣って楕円形状に変形させられる。
図13乃至図16、及び図18に示すように、外歯車61は、薄肉の円筒状部材75の外周面76に複数の歯(外歯)72が形成され、内周面78に波動発生器2の楕円状カム8が嵌合されることにより、波動発生器2の楕円状カム8によって弾性変形させられ、楕円状カム8の楕円状周面16,18に倣って楕円形状に変形させられる。
この外歯車61は、円板状部材63の円板部74に対向する側(歯幅方向に沿った一端側であって、図18(b),(c)の左側)に、円板状部材63の係合片81と係合する係合凹所82が係合片81と同数形成されている。そして、この外歯車61は、隣り合う係合凹所82,82間に、円板状部材63の隣り合う係合片81,81間のスペース83に係合される回り止め片84が形成されている。この外歯車61の回り止め片84は、板厚(t)に対する周方向長さ(L)が数倍大きく、周方向に対する強度が大きく、周方向に弾性変形し難くなっているため、円板状部材63の係合片81に当接することにより、外歯車61と円板状部材63とを一体回動させることができる。
図16に示すように、外歯車61の係合凹所82の両側面85,85(隣り合う一対の回り止め片84,84の側面85,85)は、楕円形状の長軸寄りの位置で円板状部材63の係合片81と隙間をもって係合し、楕円形状の短軸寄りの位置で円板状部材63の係合片81に当接し、外歯車61と円板状部材63との相対回動を阻止することができる。すなわち、外歯車61は、波動発生器2の楕円状カム8が回動すると、楕円状カム8の回動位置に応じて楕円の長軸と短軸の位置が変化し、円滑に楕円状に弾性変形して、短軸寄りの回り止め片84で円板状部材63との相対回動を阻止することができるため、回転伝達時における回転伝達部分のバックラッシを抑えることができる。このような外歯車61は、回り止め片84(係合凹所82の両側面85,85)が円板状部材63の係合片81の傾斜面81a,81aに常時当接するようになっておらず、波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って楕円形状に変形させられたとしても、回り止め片84と円板状部材63の係合片81との当接部に楕円形状への弾性変形を妨げる方向の摩擦抵抗が生じにくい。
(円板状部材)
図13、図14、図16、及び図19に示すように、円板状部材63は、波動発生器2の回転中心23aに直交するように配置される円板部74と、この円板部74の中心部に一体に形成された軸86と、を有している。軸86は、回転中心86aが波動発生器2の入力軸7の回転中心23aと同心になるように、カバー6の軸穴55に回動可能に嵌合される。円板部74の中心部には、波動発生器2の支持軸10を相対回動可能に収容する軸受け穴87が形成されている。円板部74の外周面88には、先細の等脚台形状の係合片81が周方向に沿って等間隔に複数(外歯車61の係合凹所82と同数)形成されている。この円板部74の係合片81は、等脚台形形状の傾斜面81a,81aが楕円形状の外歯車61の短軸上の位置で外歯車61の係合凹所82の両側面85,85(隣り合う一対の回り止め片84,84の側面85,85)に当接し、楕円形状の外歯車61の短軸上以外の部分で外歯車61の係合凹所82の両側面85,85(隣り合う一対の回り止め片84,84の側面85,85)に隙間をもって係合するようになっている。このような円板状部材63の係合片81は、外歯車61の係合凹所82と共に回転伝達部分を構成している。
図13、図14、図16、及び図19に示すように、円板状部材63は、波動発生器2の回転中心23aに直交するように配置される円板部74と、この円板部74の中心部に一体に形成された軸86と、を有している。軸86は、回転中心86aが波動発生器2の入力軸7の回転中心23aと同心になるように、カバー6の軸穴55に回動可能に嵌合される。円板部74の中心部には、波動発生器2の支持軸10を相対回動可能に収容する軸受け穴87が形成されている。円板部74の外周面88には、先細の等脚台形状の係合片81が周方向に沿って等間隔に複数(外歯車61の係合凹所82と同数)形成されている。この円板部74の係合片81は、等脚台形形状の傾斜面81a,81aが楕円形状の外歯車61の短軸上の位置で外歯車61の係合凹所82の両側面85,85(隣り合う一対の回り止め片84,84の側面85,85)に当接し、楕円形状の外歯車61の短軸上以外の部分で外歯車61の係合凹所82の両側面85,85(隣り合う一対の回り止め片84,84の側面85,85)に隙間をもって係合するようになっている。このような円板状部材63の係合片81は、外歯車61の係合凹所82と共に回転伝達部分を構成している。
(第2実施形態に係る波動歯車装置の作動状態)
以上のような構成の本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2が駆動手段(例えば、サーボモータ)によって回転させられると、楕円形状に弾性変形させられた外歯車61の長軸位置が波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って波動発生器2の回転中心23aの回りを移動(回動)する。外歯車61と内歯車62の噛み合い位置は、外歯車61の長軸上の2箇所であるため、波動発生器2の回動位置に応じて移動する。ここで、波動歯車装置1は、内歯車62を固定した場合であって、例えば、内歯車62の歯数をZcとし、外歯車61の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車62よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、外歯車61が波動発生器2の回転方向と逆方向に2歯分だけ円板状部材63と共に回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、内歯車62を固定した場合、駆動手段の回転を2/Zfに減速して円板状部材63の軸86から被回転体に伝達することができる。
以上のような構成の本実施形態に係る波動歯車装置1は、波動発生器2が駆動手段(例えば、サーボモータ)によって回転させられると、楕円形状に弾性変形させられた外歯車61の長軸位置が波動発生器2の楕円状カム8の回動に伴って波動発生器2の回転中心23aの回りを移動(回動)する。外歯車61と内歯車62の噛み合い位置は、外歯車61の長軸上の2箇所であるため、波動発生器2の回動位置に応じて移動する。ここで、波動歯車装置1は、内歯車62を固定した場合であって、例えば、内歯車62の歯数をZcとし、外歯車61の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車62よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、外歯車61が波動発生器2の回転方向と逆方向に2歯分だけ円板状部材63と共に回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、内歯車62を固定した場合、駆動手段の回転を2/Zfに減速して円板状部材63の軸86から被回転体に伝達することができる。
また、本実施形態に係る波動歯車装置1は、円板状部材63及び外歯車61を固定した場合であって、例えば、内歯車62の歯数をZcとし、外歯車61の歯数をZf(Zf=Zc−2)とすると(内歯車62よりも歯数を2だけ少なくすると)、波動発生器2の1回転に対し、内歯車62が波動発生器2の回転方向と同一方向に2歯分だけ回動する。すなわち、本実施形態に係る波動歯車装置1は、円板状部材63及び外歯車61を固定した場合、駆動手段の回転を2/Zcに減速して内歯車62から被回転体に伝達することができる。
(第2実施形態に係る波動歯車装置の効果)
本実施形態に係る波動歯車装置1は、回転伝達時における回転伝達部分(円板状部材63の係合片81と外歯車61の係合凹所82の両側面85,85との当接部分)のバックラッシを抑えることができることはもちろんのこと、回転伝達部分の摺動抵抗に起因する動力伝達効率の低下を抑えることができる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、回転伝達時における回転伝達部分(円板状部材63の係合片81と外歯車61の係合凹所82の両側面85,85との当接部分)のバックラッシを抑えることができることはもちろんのこと、回転伝達部分の摺動抵抗に起因する動力伝達効率の低下を抑えることができる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、円板状部材63の係合片81が外歯車61の係合凹所82の両側面85,85に常時当接するようになっておらず、外歯車61が波動発生器2の回動に伴って楕円形状に変形させられたとしても、円板状部材63の係合片81と外歯車61の係合凹所82の両側面85,85との当接部分(回転伝達部分)に楕円形状への弾性変形を妨げる方向の摺接抵抗が生じにくいため、回転伝達部分の摩耗を低減できる。
本実施形態に係る波動歯車装置1は、全体をプラスチックで形成するようになっているため、全体を金属で形成する場合と比較し、軽量化、低コスト化を図ることができる。
なお、本実施形態に係る波動歯車装置1は、全体をプラスチックで形成する場合を例示したが、これに限定されず、一部又は全体を金属で形成してもよい。
また、本実施形態に係る波動歯車装置1において、円板状部材63の係合片81は、等脚台形形状に形成する場合に限定されず、半楕円形状、円弧形状、又は三角形状に形成してもよい。
[その他の変形例]
本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2は、外歯車3の内周面3aに当接する部分にベアリング又はローラを配置してもよい。また、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2は、外歯車61の内周面78に当接する部分にベアリング又はローラを配置してもよい。
本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2は、外歯車3の内周面3aに当接する部分にベアリング又はローラを配置してもよい。また、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置1の波動発生器2は、外歯車61の内周面78に当接する部分にベアリング又はローラを配置してもよい。
1……波動歯車装置、2……波動発生器、3,61……外歯車、4,62……内歯車、5……固定部材、23a……回転中心、26……径方向リブ、30……係合片、31……スペース、81……係合片、82……係合凹所、85……側面
Claims (3)
- 回転させられる波動発生器と、この波動発生器に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車の長軸上で前記外歯車と噛み合う内歯車と、を有する波動歯車装置において、
前記外歯車の歯幅方向に沿った一端面側には、固定部材が対向するように配置され、
前記固定部材は、前記外歯車に対向する面側に、前記波動発生器の回転中心に対して放射状に延びる複数の径方向リブが形成され、
前記外歯車は、前記歯幅方向に沿った一端面側に、前記固定部材の隣り合う前記径方向リブと前記径方向リブとの間のスペースに係合される係合片が複数形成され、
前記径方向リブは、径方向外方端側がリブ幅を径方向外方へ向かうに従って漸増するように形成されて、径方向外方端側で隣り合う他の前記径方向リブとの間隔を漸減させ、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の長軸寄りの前記係合片は、隣り合う前記径方向リブの前記リブ幅が漸増する径方向外方端側に当接し、隣り合う前記径方向リブと共に回転伝達部分を構成し、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の短軸寄りの前記係合片は、隣り合う前記径方向リブから離間し、
前記外歯車及び前記固定部材、並びに前記内歯車は、前記波動発生器の回転に伴って相対回動させられる、
ことを特徴とする波動歯車装置。 - 回転させられる波動発生器と、この波動発生器に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車の長軸上で前記外歯車と噛み合う内歯車と、を有する波動歯車装置において、
前記外歯車の歯幅方向に沿った一端面側には、固定部材が対向するように配置され、
前記固定部材は、前記外歯車に対向する面側に、前記波動発生器の回転中心に対して放射状に延びる複数の径方向リブが形成され、
前記外歯車は、前記歯幅方向に沿った一端面側に、前記固定部材の隣り合う前記径方向リブと前記径方向リブとの間のスペースに係合される係合片が複数形成され、
前記径方向リブは、径方向内方端側がリブ幅を径方向内方へ向かうに従って漸増するように形成されて、径方向内方端側で隣り合う他の前記径方向リブとの間隔を漸減させ、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の短軸寄りの前記係合片は、隣り合う前記径方向リブの前記リブ幅が漸増する径方向内方端側に当接し、隣り合う前記径方向リブと共に回転伝達部分を構成し、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の長軸寄りの前記係合片は、隣り合う前記径方向リブから離間し、
前記外歯車及び前記固定部材、並びに前記内歯車は、前記波動発生器の回転に伴って相対回動させられる、
ことを特徴とする波動歯車装置。 - 回転させられる波動発生器と、この波動発生器に嵌合されることによって楕円形状に弾性変形させられる円筒状の外歯車と、この楕円形状に弾性変形させられた外歯車の長軸上で前記外歯車と噛み合う内歯車と、を有する波動歯車装置において、
前記外歯車の歯幅方向に沿った一端面側には、前記外歯車に一体回動可能な状態で係合される円板状部材が配置され、
前記円板状部材は、外周面から径方向外方へ向かって突出する舌片状の係合片が前記外周面の周方向に沿って複数形成され、
前記外歯車は、前記歯幅方向に沿った一端面側に、前記係合片に係合させられる係合凹所が形成され、
前記係合片は、前記円板状部材の周方向に沿った幅寸法が径方向外方側へ向かうに従って漸減するように形成され、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の長軸寄りの前記係合凹所は、前記外歯車の周方向に沿って対向するように位置する一対の側面が前記円板状部材の前記係合片と隙間をもって係合し、
楕円形状に変形させられた前記外歯車の短軸寄りの前記係合凹所は、前記外歯車の周方向に沿って対向するように位置する一対の側面が前記円板状部材の前記係合片に当接し、前記係合片と共に回転伝達部分を構成し、
前記外歯車及び前記円板状部材、並びに前記内歯車は、前記波動発生器の回転に伴って相対回動させられる、
ことを特徴とする波動歯車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2018/017520 WO2018211998A1 (ja) | 2017-05-17 | 2018-05-02 | 波動歯車装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017097995 | 2017-05-17 | ||
JP2017097995 | 2017-05-17 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018194165A true JP2018194165A (ja) | 2018-12-06 |
Family
ID=64570856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017183214A Pending JP2018194165A (ja) | 2017-05-17 | 2017-09-25 | 波動歯車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018194165A (ja) |
-
2017
- 2017-09-25 JP JP2017183214A patent/JP2018194165A/ja active Pending
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