JP2018193624A - ポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維及び該繊維を用いた成形体 - Google Patents
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Abstract
優れた強度と柔軟性とを両立するポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維及びそれを用いた成形体を提供すること。
【解決手段】
有機ポリイソシアネートとポリオールと鎖長剤を含むイソシアネート末端プレポリマーをジアミンで結合したポリウレタン樹脂組成物を含有する再生シルクフィブロイン繊維により解決する。
【選択図】なし
Description
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼンができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの一種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基から選ばれる少なくとも一種類のオキシアルキレン基を分子骨格中に有するポリエーテルポリオールを使用することができる。このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、又はエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
シリコーンポリオールとしては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサン等を挙げることができる。
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
フッ素系ポリオールとしては、例えば含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状、又は分岐上のポリオール等を挙げることができる。含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル、又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
9M LiCl水溶液に、精錬した再生シルクフィブロインを4g/100mlとなるように浸漬し、37℃で溶け残りがなくなるまで浸透した。透析膜(Seamless Cellulose Tubing、VISKASE SALES CORP社製)を30分間煮沸した後、上記のLiCl水溶液を蒸留水で2倍に薄めて透析膜に入れ、4℃で蒸留水にて透析をした。蒸留水を変えて計6回透析操作を繰り返した。透析膜中の水溶液を凍結乾燥機にて−40℃で凍結乾燥し、スポンジ状とした。
[実施例1]
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、Polyol−1を180.4gと、ネオペンチルグリコールを18.8gと、メチルエチルケトン(以下、MEKと言う。)を56.4g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと言う。)を120.3gと、ジオクチル錫ジラウリレート(以下、DOTDLと言う。)を0.05g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(P)溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は2.4質量%であった。
(1)測定器:HLC−8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H−XL
・G2500H−XL
・G2000H−XL
・G1000H−XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F−80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F−20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F−10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F−2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F−1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A−5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A−2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A−500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
[実施例2、比較例1〜3]
各原材料の仕込み組成(配合量;質量)を表1に記載の通りにして、実施例1のポリウレタン樹脂の製造と同様に、PU−2〜5のポリウレタン樹脂を合成した。
得られたポリウレタン樹脂組成物を乾燥膜厚が100μmとなるように離型紙上に塗布し、常温で20分間静置後、乾燥機中で、温度60℃で20分、続けて120℃で20分加熱処理を行い、その後、40℃で24時間養生させることによりポリウレタン樹脂フィルムを作製した。このフィルムを用いて、繊維作製を行った。
[実施例3]
スポンジ状再生シルクフィブロイン0.342gに対して、ポリウレタン樹脂組成物PU−1から作製したポリウレタン樹脂フィルム 0.018g、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール3.24gを加えた。これを40℃に温めた後、自転公転ミキサー“あわとり練太郎”ARE−310(シンキー社)を使って溶液を撹拌して試料を溶解させ、紡糸溶液とした。溶解するまで40℃加温と“あわとり練太郎”による撹拌を繰り返した。紡糸溶液をプラスチックシリンジに移し、室温で、内径0.8mmのシリンジ針を使い、針先から押出してメタノール中に投入し、凝固、糸化した。このとき、針先とメタノール液面との距離(エアギャップ)は1cmとした。メタノール中で凝固させた糸をメタノール液から取り出し、室温大気中で、2.5倍に延伸した後、そのままの長さに固定して風乾し、ポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維を得た。得られた再生シルクフィブロイン複合繊維を用いて、物性の評価を行った。
各原材料の仕込み組成(配合量;質量)を表2に記載した通りに、実施例3のポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維の製造と同様に、再生シルクフィブロイン複合繊維を得た。
[糸切れ性]
ポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維の製造工程において、製造過程で切れた繊維の本数を、製造を試みた繊維の本数で割った値を用いて評価した。
糸切れ率が0〜10%のものを「○」、10〜30%のものを「△」、30%を超えるものを「×」とした。
[引張特性]
引張試験装置を用いて作製したポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維の破断強度、破断伸度を測定した。計測した平均破断応力を、光学顕微鏡(KEYENCE社製 BIOREVO BZ−9000)で計測した平均糸直径から算出した平均糸断面積で割って単位断面積あたりの平均破断応力、すなわち平均破断強度を算出した。また、試験片破断時のクロスヘッドの移動距離を破断時の糸長として下記式に従って算出した。
・試験装置:EZ Graph(Shimadzu社製)
・試験条件:25℃×50%RH
・試験片長:20mm
・引張速度:3mm/min
(1)イソホロンジイソシアネート(エボニックインダストリーズ社製)
(2)ジフェニルメタンジイソシアネート(製品名:ミリオネートMT、東ソー社製)
(3)Polyol−1:ポリエステルポリオール(製品名:ニッポラン4009、東ソー社製)
(4)Polyol−2:ポリカーボネートジオール(製品名:ニッポラン982R、東ソー社製)
(5)Polyol−3:ポリエステルポリオール(製品名:ニッポラン3027、東ソー社製)
(6)Polyol−4:ポリエステルポリオール(製品名:ニッポラン5711、東ソー社製)
(7)ネオペンチルグリコール(三菱ガス化学社製)
(8)1,3−ブタンジオール(KHネオケム社製)
(9)イソホロンジアミン(エボニックインダストリーズ社製)
(10)ジオクチル錫ジラウレート(共同薬品社製)
(11)メチルエチルケトン(丸善石油化学社製)
(12)イソプロピルアルコール(トクヤマ社製)
(13)酢酸エチル(昭和電工社製)
(14)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(東京化成工業社製)
Claims (4)
- ポリウレタン樹脂組成物と再生シルクフィブロインとを用いて得られるポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維であって、ポリウレタン樹脂組成物がイソシアネート基末端プレポリマー(P)とジアミン(D)との反応生成物であり、イソシアネート基末端プレポリマー(P)が、有機ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)と鎖伸長剤(C)との反応生成物であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維。
- ポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維における再生シルクフィブロインの含有量とポリウレタン樹脂の含有量の重量比が99.9/0.1〜85/15であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維。
- 請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物の数平均分子量が20,000〜60,000であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物含有再生シルクフィブロイン繊維を用いた成形体。
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