JP2018193511A - ポリアミド樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い白色度を有し、熱に対して耐変色性(耐熱変色性)が優れた樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた反射板、発光装置及び繊維を提供すること。
【解決手段】ポリアミド樹脂及びジフェニルアミン化合物を含有する樹脂組成物であって、前記ジフェニルアミン化合物が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。

(式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは1価の炭化水素基を示す。)

(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは2価の炭化水素基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物及びその用途に関する。
ポリアミド樹脂は、優れた機械的強度、耐熱性、耐薬品性、加工性等を有することから、衣料、産業資材等の繊維材料、各種電気電子部品、自動車部品等の射出成形材料、包装材等のフィルム材料として広く用いられている。しかし、ポリアミド樹脂は、熱により黄変しやすく、各種の繊維、成形品、フィルム等の製品の熱加工、使用、保存等において変色するという問題があり、この問題が、ポリアミド樹脂の用途が制約される一因となっている。
この問題を解決するために、ポリアミド樹脂に銅化合物を主体とする熱老化防止剤を添加する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、銅化合物、無機又は有機ハロゲン化合物、ヒンダードフェノール及び/又はヒンダードアミン、並びに有機リン系化合物を配合したポリアミド樹脂組成物を提案している。しかしながら、特許文献1に記載のポリアミド樹脂組成物は、銅化合物によりポリアミド樹脂が着色するという問題があり、優れた白度が求められる部材、様々な色に染色して使用される衣料用繊維等の用途には適さない。
優れた白度が求められる樹脂組成物の用途としては、LED(Light Emitting Diode)発光装置の反射板(リフレクタ)が挙げられる。特に、携帯電話等の液晶表示画面のバックライト、照明器具等の光源として、近年大きな注目を集めている白色LED発光装置では、効率よく光を反射するために、白色度が高い反射板が求められている。
その反射板には、量産性の観点から熱可塑性樹脂が用いられている。熱可塑性樹脂の中でも、耐熱性樹脂として汎用されているポリアミド樹脂は、熱及び光により変色しやすい。そのため、LED発光装置の反射板には、耐変色性を有するポリアミド樹脂を使用することが求められている。また、近年の高輝度及びハイパワーを特長とする用途では、反射板における更なる耐変色性の改善が求められている。
この問題を解決するために、LED等の発光装置用反射板材料として、半芳香族ポリアミド樹脂とチタン酸カリウム繊維及び/又はワラストナイトとを含有するポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載のポリアミド樹脂組成物を用いれば、遮光性に優れ、高温に晒されても変色を起こすことなく白色度を維持できる反射板が得られるが、近年のLEDに要求される高輝度化及び高寿命化の性能を十分に満足させることができなかった。
特開平10−130497号公報 特開2002−294070号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い白色度を有し、熱に対して耐変色性(耐熱変色性)が優れた樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた反射板、発光装置及び繊維を提供することである。
本発明は、以下の樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた反射板、LED発光装置及び繊維に係る。
項1 ポリアミド樹脂及びジフェニルアミン化合物を含有する樹脂組成物であって、前記ジフェニルアミン化合物が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
(式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは1価の炭化水素基を示す。)
(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは2価の炭化水素基を示す。)
項2 前記ジフェニルアミン化合物の含有率が、樹脂組成物全体100質量%において0.1〜5質量%である、項1に記載の樹脂組成物。
項3 前記樹脂組成物が、さらに無機繊維を含有する、項1又は2に記載の樹脂組成物。
項4 前記樹脂組成物が、さらに酸化チタンを含有する、項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項5 前記ポリアミド樹脂の融点が150℃以上である、項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項6 前記ポリアミド樹脂が、樹脂を構成する全構成単位中の芳香族モノマーに由来する構成単位の割合が20モル%以上である半芳香族ポリアミド樹脂である、項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項7 前記ポリアミド樹脂が、構成単位として芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位及び脂肪族ジアミンに由来する構成単位を含む半芳香族ポリアミド樹脂である、項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項8 前記1価の炭化水素基が、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基である、項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項9 前記2価の炭化水素基が、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基である、項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項10 反射板用である、項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
項11 項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる、反射板。
項12 前記反射板がLED発光装置用である、項11に記載の反射板。
項13 LED素子と、項11に記載の反射板と、封止部材と、リードフレームとを備える、LED発光装置。
項14 項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を溶融紡糸してなる、繊維。
本発明によれば、高い白色度を有し、熱に対して耐変色性(耐熱変色性)が優れた樹脂組成物を提供することができる。本発明の樹脂組成物を用いることで、高い白色度及び優れた耐熱変色性を有する反射板、発光装置及び繊維が得られる。
本発明のLED発光装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂及びジフェニルアミン化合物を含有し、必要に応じて無機繊維、酸化チタン、及びその他の添加剤をさらに含有することができる。
(ポリアミド樹脂)
本発明で使用するポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−NH−C(=O)−)を有する重合体であり、後述の脂肪族モノマー、芳香族モノマー等のモノマー成分に由来する構成単位を含む重合体である。ポリアミド樹脂は、1種類の構成単位からなるもの(アミノカルボン酸の重合体)でも、複数種の構成単位からなるもの(ジアミンとジカルボン酸との共重合体、ジアミンとジカルボン酸とアミノカルボン酸との共重合体等)であってもよい。複数種の構成単位からなる共重合体の場合には、共重合比率、共重合形態(ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等)等は、任意に選択することができる。ポリアミド樹脂の具体例として、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド6とポリアミド66との共重合体(ポリアミド6/66共重合体)、ポリアミド6とポリアミド12との共重合体(ポリアミド6/12共重合体)等の脂肪族ポリアミド樹脂;ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T等の半芳香族ポリアミド樹脂;等が挙げられる。本発明において、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ポリアミド樹脂の構成単位として、脂肪族モノマーに由来する構成単位と芳香族モノマーに由来する構成単位とを含むポリアミド樹脂を意味する。
脂肪族モノマーとしては、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、脂肪族アミノカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもアジピン酸が好ましい。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族ジアミンは、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、3−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−エチルテトラメチレンジアミン等が挙げられる。これらの中でもヘキサメチレンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、及び2−メチルペンタメチレンジアミンが好ましい。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
脂環族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等を挙げることができる。また、これらに対応する環状のラクタムを用いてもよい。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
脂環族ジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
芳香族モノマーとしては、芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン等が挙げられる。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましい。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
芳香族アミノカルボン酸としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノメチル安息香酸等が挙げられる。
本発明で使用するポリアミド樹脂は、変形、変色等を抑制するため、融点が150℃以上であることが好ましい。また、押出、成形、紡糸等の溶融加工でのポリアミド樹脂の熱分解を抑制するため、融点が350℃以下、さらには330℃以下であることが好ましい。融点は、JIS−K7121に準じて測定することができる。
本発明で使用するポリアミド樹脂は、吸湿による変形及び物性低下を抑制するため、半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましい。本発明で使用する半芳香族ポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂を構成する全構成単位中の芳香族モノマーに由来する構成単位が、通常20モル%以上、好ましくは25モル%以上、より好ましくは25〜60モル%である。ここで、半芳香族ポリアミド樹脂における芳香族モノマーに由来する構成単位のモル分率は、重合原料に用いる全モノマー中における芳香族モノマーのモル分率を意味する。
上記半芳香族ポリアミド樹脂は、構成単位として芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位及び脂肪族ジアミンに由来する構成単位を含む半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましく、さらには構成単位として芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位及び脂肪族ジアミンに由来する構成単位を含有する半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂の中で、特に好ましいものの一例として、テレフタル酸45〜55モル%(特に、約50モル%)、ヘキサメチレンジアミン20〜30モル%(特に、約25モル%)及び2−メチルペンタメチレンジアミン20〜30モル%(特に、約25モル%)を共重合したもの、テレフタル酸30〜35モル%(特に、約32モル%)、アジピン酸15〜20モル%(特に、約18モル%)及びヘキサメチレンジアミン45〜55モル%(特に、約50モル%)を共重合したもの、テレフタル酸25〜30モル%(特に、約27.5モル%)、アジピン酸20〜25モル%(特に、約22.5モル%)及びヘキサメチレンジアミン45〜55モル%(特に、約50モル%)を共重合したもの等を挙げることができる。半芳香族ポリアミド樹脂を構成する芳香族モノマー及び他のモノマー成分の構成比並びに種類を適宜選択することにより、融点等の物性を適宜調整することができる。
(ジフェニルアミン化合物)
本発明で使用するジフェニルアミン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ということもある。)及び下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ということもある。)から選ばれる少なくとも1種である。
(式中、R及びRは、前記に同じ。)
(式中、R、R、及びRは、前記に同じ。)
本明細書において、「1価の炭化水素基」としては、例えば、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、及び1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。また、1価の脂肪族炭化水素基及び1価の脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。なお、不飽和炭化水素基の不飽和結合の位置は、分子鎖内及び分子鎖末端のいずれでもよく、不飽和炭化水素基を任意の位置に有することができる。不飽和結合の数は、1又は2以上の整数であり、1が好ましい。
ここで、本明細書において「脂環式炭化水素基」とは、環状構造を有さない脂肪族炭化水素基を除く概念である。また、本明細書において「脂環式炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」とは、環構造のみからなる基だけでなく、当該環構造に更に2価の脂肪族炭化水素基が結合した基をも包含する概念であり、その構造中に少なくとも脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素を含んでいればよい。
1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20である。アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜30であり、より好ましくは2〜20である。
アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−オクテニル基等が挙げられる。
アルキニル基の具体例としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−エチル−2−ブチニル基、2−オクチニル基等が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等を挙げることができる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜20であり、より好ましくは3〜12、更に好ましくは3〜6である。
シクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルケニル基の具体例としては、例えば、1−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。アリール基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10である。アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜14、更に好ましくは7〜10である。
アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニレン基等が挙げられ、アラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基等が挙げられる。
本明細書において、「2価の炭化水素基」としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、及び2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれの形態でもよい。また、2価の脂肪族炭化水素基及び2価の脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。不飽和結合の数は、1又は2以上の整数であり、1が好ましい。
2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルカンジイル基、アルケンジイル基等を挙げることができる。アルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜10である。アルケンジイル基の炭素数は、好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜10である。
アルカンジイル基の具体例としては、例えば、メチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基等が挙げられる。
アルケンジイル基の具体例としては、例えば、エテン−1,1−ジイル基、エテン−1,2−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、プロペン−1,3−ジイル基、プロペン−2,3−ジイル基、1−ブテン−1,2−ジイル基、1−ブテン−1,3−ジイル基、1−ブテン−1,4−ジイル基、2−ペンテン−1,5−ジイル基、3−ヘキセン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12、更に好ましくは3〜6である。
シクロアルキレン基の具体例としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。シクロアルケニレン基の具体例としては、例えば、シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基等が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、アリーレン基等を挙げることができる。2価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、更により好ましくは6〜10である。
アリーレン基の具体例としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、フェナントレン基、アンスリレン基等が挙げられる。
としては、水素原子、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基及び1価の芳香族炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基及び1価の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、及び炭素数7〜10のアラルキル基が更に好ましく、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、及び炭素数7〜10のアラルキル基が特に好ましい。
及びRとしては、同一又は異なって、水素原子、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基及び1価の芳香族炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
としては、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、及び2価の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜30のアルカンジイル基、炭素数の2〜30アルケンジイル基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルケニレン基、及び炭素数6〜20のアリーレン基がより好ましく、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数の2〜20アルケンジイル基、炭素数3〜12のシクロアルキレン基、炭素数3〜12のシクロアルケニレン基、及び炭素数6〜14のアリーレン基が更に好ましい。
具体的に、化合物(1)としては、下記の式(1−1)〜(1−7)で表される化合物等が挙げられる。
具体的に、化合物(2)としては、下記の式(2−1)〜(2−3)で表される化合物等が挙げられる。
本発明で用いるジフェニルアミン化合物は、公知の方法により容易に製造することができる。例えば、4−アミノジフェニルアミンに、それぞれ相当する炭化水素基を有するカルボン酸エステル、カルボン酸ハライド等とを反応させて製造することができる。
本発明で用いるジフェニルアミン化合物は、製造条件によっては異性体又は同族体を含むが、これらを含んだ混合物のまま使用してもよく、あるいは、異性体又は同族体を分離精製した単体であってもよい。また2種以上を混合して用いてもよい。
(酸化チタン)
本発明において、必要に応じて使用される酸化チタンとしては、白色度を向上できる酸化チタンであれば特に制限なく使用することができる。必要に応じて、アルミナ、シリカ、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の公知の表面処理剤で酸化チタンを処理したものを使用することもできる。
本発明で使用する酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、単斜晶型等の各種結晶形態のものを使用できる。屈折率が高く光安定性の良いルチル型が好ましい。
本発明で使用する酸化チタンの形状は、粒子状、繊維状、板状(薄片状、鱗片状、雲母状等を含む)等の各種形状が挙げられる。好ましくは粒子状のものを使用するのがよい。
本発明で使用する酸化チタンの寸法は特に制限されない。白色度を高くする観点から、その寸法は以下の通りであることが好ましい。
粒子状である酸化チタンの平均粒子径は、好ましくは0.05〜0.5μmの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜0.3μmである。
繊維状である酸化チタンの平均繊維径は、好ましくは0.05〜5μmであり、さらに好ましくは0.1〜3μmである。平均繊維長は、好ましくは0.1〜20μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。平均アスペクト比は、好ましくは3〜150であり、さらに好ましくは5〜50である。
板状である酸化チタンの最短径は、好ましくは0.1〜5μmであり、さらに好ましくは0.1〜3μmである。最長径は好ましくは1〜50μmであり、さらに好ましくは1〜30μmである。
酸化チタンの平均粒子径はレーザー回折法により測定することができる。平均繊維長、平均繊維径、最短径及び最長径は、走査型電子顕微鏡の観察により測定することができる。
本発明で使用する酸化チタンとしては、上述の酸化チタンを単独で使用することができ、又は2種以上を併用することができる。
(無機繊維)
本発明において、必要に応じて使用される無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルド繊維、酸化亜鉛繊維、チタン酸ナトリウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維、珪酸アルミニウム繊維、窒化珪素繊維、ワラストナイト等が挙げられる。上述の無機繊維からなる群より選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。このような無機繊維を配合することにより、得られる樹脂組成物の機械強度、寸法安定性、及び耐熱性を向上させることができる。
本発明で使用する無機繊維は、隠蔽力を高くする観点、平面平滑性を付与する観点、ミクロ補強性を高める観点等から、ワラストナイト及びチタン酸カリウム繊維からなる群より選ばれる1種又は2種以上を使用するのが好ましい。
ワラストナイトは、メタケイ酸カルシウムからなる無機繊維である。ワラストナイトの寸法は特に制限はない。ワラストナイトの平均繊維径は、通常、0.1〜15μm、好ましくは2.0〜7.0μmであり、平均繊維長は、通常3〜180μm、好ましくは20〜100μmであり、平均アスペクト比は、通常3以上、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。本発明では、ワラストナイトの市販品も使用することができる。例えば、バイスタルW(商品名:大塚化学株式会社製、平均繊維長:25μm、平均繊維径:3μm)等を使用することができる。
チタン酸カリウム繊維としては、特に制限はなく従来公知のものを広く使用できる。例えば、4チタン酸カリウム繊維、6チタン酸カリウム繊維、8チタン酸カリウム繊維等を使用することができる。チタン酸カリウム繊維の寸法は特に制限はない。チタン酸カリウム繊維の平均繊維径は、通常0.01〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmであり、平均繊維長は、通常1〜50μm、好ましくは3〜30μmであり、平均アスペクト比は、通常10以上、好ましくは15〜35である。本発明では、チタン酸カリウム繊維の市販品も使用することができる。例えば、TISMO D102(商品名:大塚化学株式会社製、平均繊維長:15μm、平均繊維径:0.5μm)等を使用することができる。
該ワラストナイト及びチタン酸カリウム繊維の平均繊維長及び平均繊維径は、走査型電子顕微鏡の観察により測定することができる。
本発明においては、得られる樹脂組成物の機械強度等の物性をより一層向上させるために、必要に応じて使用される無機繊維に表面処理を施してもよい。表面処理は公知の方法に従い、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて行えばよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好ましく、アミノシランが特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の樹脂組成物には、その好ましい物性を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、無機充填材、難燃剤、可塑剤、核剤、染料、顔料、離型剤、紫外線吸収剤等の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール・ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール・ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)が好ましい。
リン系酸化防止剤の具体例としては、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェビン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェビン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。これらの中でも、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェビン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェビン−6−イル]オキシ]エチル]エタナミンが好ましい。
イオウ系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂及びジフェニルアミン化合物、必要に応じて、無機繊維、酸化チタン、及びその他の添加剤を、混合及び加熱(特に、溶融混練)することによって製造することができる。
溶融混練には、例えば、二軸押出機等の公知の溶融混練装置を使用することができる。具体的には、(1)混合機(タンブラ、ヘンシェルミキサー等)で各成分を予備混合して、溶融混練装置で溶融混練し、ペレット化手段(ペレタイザー等)でペレット化する方法;(2)所望する成分のマスターバッチを調整し、必要により他の成分を混合して溶融混練装置で溶融混練してペレット化する方法;(3)各成分を溶融混練装置に供給してペレット化する方法等により製造することができる。
溶融混練における加熱温度は、ポリアミド樹脂が溶融し得る温度であれば特に限定はなく、通常、ポリアミド樹脂の融点以上で分解開始温度未満である。通常、溶融混練に用いる溶融混練装置のシリンダー内温度をこの温度範囲に調整する。
本発明の樹脂組成物におけるポリアミド樹脂の含有率は、樹脂組成物全体100質量%に対して30〜74質量%であることが好ましい。ポリアミド樹脂の上限値は74質量%が好ましく、60質量%がさらに好ましい。ポリアミド樹脂の下限値は30質量%が好ましく、40質量%がさらに好ましい。ポリアミド樹脂の含有率が前記範囲であると、成形性を損なうことなく、耐熱性が優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物におけるジフェニルアミン化合物の含有率は、樹脂組成物全体100質量%に対して0.1〜5質量%であることが好ましい。ジフェニルアミン化合物の上限値5質量%が好ましく、1質量%がさらに好ましい。ジフェニルアミン化合物の下限値は0.1質量%が好ましく、0.2質量%がさらに好ましい。ジフェニルアミン化合物の含有率が前記範囲であると、成形性を損なうことなく、耐変色性が優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物が無機繊維を含有する場合、無機繊維の含有率は、樹脂組成物全体100質量%に対して5〜60質量%であることが好ましい。無機繊維の上限値60質量%が好ましく、40質量%がさらに好ましい。無機繊維の下限値は5質量%が好ましく、10質量%がさらに好ましい。無機繊維の含有率が前記範囲であると、成形性及び外観が良好で、機械強度、寸法安定性、及び耐熱性が優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物が酸化チタンを含有する場合、酸化チタンの含有率は、樹脂組成物全体100質量%に対して1〜40質量%であることが好ましい。酸化チタンの上限値は40質量%が好ましく、30質量%がさらに好ましい。酸化チタンの下限値は1質量%が好ましく、10質量%がさらに好ましい。酸化チタンの含有率が前記範囲であると、成形性及び外観が良好で、機械強度、寸法安定性、及び耐熱性が優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物がその他の添加剤を含有する場合、その他の添加剤の含有率は、本発明の樹脂組成物の好ましい物性を損なわない範囲であれば特に制限はない。通常は、樹脂組成物全体100質量%に対して20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
かくして、所望の効果を発揮する本発明の樹脂組成物が製造される。
<反射板及び発光装置>
本発明の樹脂組成物は、目的とする成形品の種類、用途、形状等に応じて、射出成形、インサート成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形等の公知の成形方法より、またこれらの成形方法を組み合わせることにより、各種成形品とすることができる。
本発明の樹脂組成物の成形品は、高い白色度を有し、熱及び光に対し優れた耐変色性を有する。よって、本発明の樹脂組成物を成形することで得られる反射板は、LED発光装置の反射板として好適に使用することができる。さらに、本発明の反射板は、LED発光装置のみならず、光を反射する他の用途にも適用することができる。例えば、各種の電気電子部品、自動車のキーレスエントリーシステム、冷蔵庫庫内照明、液晶表示装置のバックライト、自動車フロントパネル照明装置、照明スタンド、ベッドライド、家電製品インジゲーター類、赤外線通信等の光通信機器類、天井照明装置等の反射板が挙げられる。
本発明の反射板は、上述したように発光装置用反射板(リフレクタ)を意味する。なお、反射「板」と表記しているが、光を反射する性能を有するものであれば、その形状は特に限定されず、「板」状の平面形状に限定されるものではない。例えば、箱状、円錐状、パラボナ状等の立体形状も包含するものである。
本発明のLED発光装置は、LED素子と、本発明の樹脂組成物を成形して得られる反射板と、封止部材と、リードフレームとを備える。
図1に本発明のLED発光装置の一例を示す。LED発光装置1は、LED素子2と、底面3aと側壁3bとで構成される凹部を有するパッケージ3と、パッケージ3と一体成形されるリードフレーム4と、LED素子2を被覆する封止部材5と、を備えている。LED素子2は、パッケージ3の凹部の底面3aに露出したリードフレーム4の上に載置されている。LED素子2が持つ電極と、底面3aに露出したリードフレーム4とは、導電性ワイヤによって電気的に接続されている。さらにLED発光装置1からの色調を変えるため、封止部材5は蛍光物質を含有することもできる。
LED素子2は、基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが用いられる。
パッケージ3は、LED素子2から発せられる光を反射する反射板としても利用され、配向特性を制御して光の利用率を高めることができる。また、パッケージ3は本発明の樹脂組成物から形成され、高い白色度を有し、熱及び光に対し優れた耐変色性を有することから、光反射面にメッキ処理を施すことなく用いることができる。パッケージ3の形状は、実装されるLED素子2の光量、色、指向性等を考慮して、適宜、設計される。
封止部材5は、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂である。
蛍光物質は、LED素子2からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、サイアロン系蛍光体等;Eu等のランタノイド系元素、若しくはMn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩等;Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩等;Eu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
<繊維>
本発明の樹脂組成物は、溶融紡糸法を用いて繊維とすることができる。本発明の繊維は、高い白色度を有し、熱及び光に対し優れた耐変色性を有することから、様々な色に染色して使用することができる。よって、本発明の繊維は、意匠性が重要視される衣料用繊維に好適に使用することができる。例えば、本発明の繊維からなる布帛はアイロン等の温度でも変色しにくい。
本発明の繊維は、本発明の樹脂組成物を用いて公知の溶融紡糸方法で得ることができる。
例えば、押出機にて溶融し、紡糸口金を有する紡糸装置より溶融紡糸を行う。紡出糸条を冷却し、固化させた後、油剤を付与し、引取ローラで引き取り、次いで用途に応じた強度とするために、延伸ローラで延伸し、その後、捲取機にて捲き取ることで製造することができる。
本発明の繊維は、長繊維、短繊維、モノフィラメント、捲縮加工糸等のいずれでもよい。本発明の繊維は、衣料用、及び産業資材用のいずれの用途にも用いることができる。また、本発明の繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、円形断面をはじめ、扁平、多角、多葉等のいずれでもよく、また、中空部のある中空繊維でもよい。
以下に実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例で使用したポリアミド樹脂、酸化チタン、無機繊維、及びジフェニルアミン化合物は具体的には次の通りである。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド6(商品名:アミランCM1001、東レ株式会社製)
ポリアミド66(商品名:アミランCM3001、東レ株式会社製)
ポリアミド6T(ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、アジピン酸をそれぞれ50モル%、27.5モル%、22.5モル%の割合で重合させてなる半芳香族ポリアミド樹脂、商品名:ザイテルHTN502HF、デュポン社製)
PBT(商品名:トレコン1200S、東レ株式会社製)
PPE(商品名:ザイロン300H 旭化成ケミカルズ株式会社製)
<酸化チタン>
粉末状酸化チタン(商品名:JR−405、テイカ株式会社製、平均粒子径0.21μm)
<無機繊維>
ワラストナイト(商品名:バイスタルW、大塚化学株式会社製、平均繊維長25μm、平均繊維径3μm)
チタン酸カリウム繊維(商品名:TISMO D102、大塚化学株式会社製、平均繊維長15μm、平均繊維径0.5μm)
<その他の添加剤>
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1098、BASFジャパン株式会社製)
<ジフェニルアミン化合物>
ジフェニルアミン化合物として、以下の化合物(1−1)〜(1−7)、(2−1)〜(2−3)、(3)及び(4)を使用した。
実施例1〜12、及び比較例1〜12
表1及び2に示す配合割合で、各種樹脂、ジフェニルアミン化合物、無機繊維、酸化チタン及び各種添加剤を二軸押出機にて溶融混練し、それぞれペレットを製造した。
得られたペレットを射出成形機にて縦90mm×横50mm×厚さ3mmの平板を成形し、評価サンプルとした。
評価方法
(1)ハンター白色度
色差計(商品名:CR−300、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、成形直後の平板のハンター白色度(W1)を測定し、結果を表1及び2に示した。
(2)耐熱変色試験によるハンター白色度保持率
得られた平板を180℃で、2時間、4時間、又は6時間空気中オーブンで加熱した。加熱後の平板のハンター白色度(W2)を(1)と同様に測定し、成形直後のハンター白色度に対する加熱後のハンター白色度の比率を、以下の式に基づいて算出し、結果を表1及び2に示した。
ハンター白色度保持率(%)=(W2/W1)×100
W1:成形直後(空気中オーブンによる加熱前)のハンター白色度
W2:空気中オーブンによる加熱後のハンター白色度
1 LED発光装置
2 LED素子
3 パッケージ
3a 底面
3b 側壁
4 リードフレーム
5 封止部材

Claims (14)

  1. ポリアミド樹脂及びジフェニルアミン化合物を含有する樹脂組成物であって、前記ジフェニルアミン化合物が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
    (式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは1価の炭化水素基を示す。)
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rは2価の炭化水素基を示す。)
  2. 前記ジフェニルアミン化合物の含有率が、樹脂組成物全体100質量%において0.1〜5質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物が、さらに無機繊維を含有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物が、さらに酸化チタンを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド樹脂の融点が150℃以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド樹脂が、樹脂を構成する全構成単位中の芳香族モノマーに由来する構成単位の割合が20モル%以上である半芳香族ポリアミド樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ポリアミド樹脂が、構成単位として芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位及び脂肪族ジアミンに由来する構成単位を含む半芳香族ポリアミド樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記1価の炭化水素基が、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記2価の炭化水素基が、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 反射板用である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる、反射板。
  12. 前記反射板がLED発光装置用である、請求項11に記載の反射板。
  13. LED素子と、請求項11に記載の反射板と、封止部材と、リードフレームとを備える、LED発光装置。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を溶融紡糸してなる、繊維。
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