従来から、自動車には、ドアの周縁と、該ドアにより開閉される車体開口部の周縁との間をシールするためにゴムや樹脂等の弾性体からなるウェザストリップが設けられている。ウェザストリップは、ドアの形状に略沿うような形状で形成されるので、直線状部分(直線部)とコーナー部分(コーナー部)を有する。通常、ウェザストリップの直線部は押出成形により形成され、コーナー部は金型成形(注入又は射出成形)により形成されて、そのコーナー部の端部が上記直線部の端部と接合されて完成される。
また、自動車の車両構造上、自動車のベルトライン(BL)(図9を参照)より上方では、ベルトライン(BL)より下方より、シール材であるウェザストリップが、断面レイアウト上、車外側に配置される事が一般的である。そのため、中空状のシール部の車外側に、リップ状のシール部を、追加で配置する事も、一般的に行われている(例えば、特許文献1、2を参照)。
更に、図10(特許文献2の図5)に示すように、リップシールラインと中空シールラインの両者間の距離が、ベルトラインの上方からベルトラインに向かうに従って大きくなる(L2>L1)事に伴い、直線部よりもコーナー部の断面形状が大きくなるという現象は、フロントドア前側コーナーでは、通常に発生する。また、コーナー部は、金型成形する関係上、中芯抜穴を設定する必要もあり、コーナー部は、直線部よりも形状の一部分に、剛性が不足する箇所が発生する場合が多い。
そのため、コーナー部には、補強のために硬質樹脂材料からなるインサート部材が埋設される事がある。インサート部材は、上記コーナー部分の形成のための金型の空洞部に予め配設され、その後にゴムや樹脂等の材料を空洞部に導入してコーナー部を成形することにより、コーナー部に埋設される。
また更に、コーナー部の、車両長手方向の設定範囲が長い場合や、直線部よりもコーナー部の断面形状が極端に大きくなる場合には、インサート部材に、係止部を突設し、該係止部をドア周縁部のコーナー部に設けられた係止穴に嵌合させて、ウェザストリップのドアへの取り付けを、より強固にする必要がある場合もある(例えば、特許文献1の図1、図2を参照)。
図9に示すような、ドアミラー40をフロントサイドドア20のベルトライン部BLより上方のコーナー部付近に設置する場合には、ガーニッシュ41を介し、ビスやボルト等の締結手段で図11(特許文献2の図5)のように、取り付けられることが多い。
上述の通り、ドア周縁部にはウェザストリップ300のコーナー部を配置するため、図10(特許文献2の図3)及び図11(特許文献2の図5)に示すように、ウェザストリップ300のコーナー部の形状の一部分で、ドアパネル21の締結部位42を覆うようにする事も、通常に行われている。ここで、自動車部品の組み付けの都合によっては、ウェザストリップ300がフロントサイドドア20の周縁部に取り付けられる際、まずウェザストリップ300の車両上側部分をドア周縁部の取付部位に嵌め込んで仮止めしておき、ドアミラー40のガーニッシュ41をドアパネル21(インナパネル21a、アウタパネル21b)にボルト43等で締結した後に、ウェザストリップ300の車両上側部分を組み付けられる場合もあり、ドアパネル21とガーニッシュ41とをボルト43で締結する際に、当該締結部位42を露出させるために上記の通り仮止めされたウェザストリップ300を捲りあげる必要性も発生する可能性がある(図11の矢印を参照)。
図10、11に示すような、ウェザストリップ300のコーナー部は、比較的、型成形範囲が短く、硬質樹脂材料からなるインサート部材が埋設されていないため、この部分は捲りあげることは可能である。
しかし、車両デザイン等の制約条件から、車両長手方向の型成形範囲が大きい場合には、ウェザストリップ300のコーナー部には、前述のように、硬質樹脂材等のインサートを埋設する必要性が高くなる。更に、締結部位42がコーナー部の略中程部分に配置される場合には、ウェザストリップ300のコーナー部の締結部位42付近の捲りあげを容易にするためには、複数の短いインサート部材を互いに間隙を設けて配設する事が考えられる。このようにすることで、インサート部材が設けられていない上記間隙部分を基点として容易に湾曲するため、ウェザストリップ300の捲りあげが容易となる。しかしながら、このような構成では、インサート部材が複数となるため、部品点数が増えてコストが増大すると共に、ウェザストリップ製造工程が煩雑となってしまう。
この問題を解決するために、例えば特許文献1に記載されているように、型成形後に、インサート部材が物理的に破断されることで分割可能となるように、破断部(薄肉部)が設けられたインサート部材を採用することが考えられる。このようなインサート部材によると、1つのインサート部材としてウェザストリップに埋設可能であると共に、破断部にてインサート部材を分割可能であるため、ウェザストリップの捲りあげを容易にすることができる。
しかしながら、特許文献1のインサート部材は、ウェザストリップ内に埋設されているため、実際に破断されて分割されているか否かを目視で確認することができない。さらに、例えばインサート部材の破断時やウェザストリップの捲りあげ時に、破断されたインサート部材の破断部の端部がウェザストリップのコーナー部の内側と接触して、ウェザストリップが破れるおそれもある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウェザストリップのコーナー部に分割可能なインサート部材を用いた場合に、インサート部材の分割を目視でき、さらに、当該インサート部材の破断に起因するウェザストリップの破れを防止できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、ウェザストリップ本体において、該ウェザストリップ本体に埋設されたインサート部材の破断部に対応する位置にインサート部材を露出する穴部を設けた。
具体的に、本発明に係るウェザストリップは、自動車のドアの周縁部と、ドアにより開閉される車体開口部周縁との間をシールする、ゴム・樹脂等の弾性材料からなるウェザストリップ本体と、ウェザストリップ本体のコーナー部の内部に埋設され、上記ゴム・樹脂等の弾性材料よりも伸び性能が低い硬質樹脂からなるインサート部材とを備え、インサート部材は、破断可能に薄肉に形成された破断部を含み、ウェザストリップ本体のコーナー部に、破断部を露出するように破断部に対応する位置に設けられた穴部を含むことを特徴とする。
本発明に係るウェザストリップによると、インサート部材がウェザストリップ本体のコーナー部に埋設されているが、インサート部材を破断部で破断することにより分割できるため、例えばドアミラーの取り付け時に車体に仮止めされたウェザストリップを捲りあげる際に、硬質樹脂からなるインサート部材がウェザストリップの湾曲を妨げない。このため、車両組付作業者は容易にウェザストリップを捲りあげることが可能となる。また、ウェザストリップ本体における破断部に対応する位置に穴部が設けられているため、破断部においてインサート部材が破断されているか否かを目視で確認することができる。さらに、インサート部材を破断部で折り曲げて破断する際に、破断部が穴部側に向かうように(穴部が凸側になるように)折り曲げて破断すると、破断後の破断部の端部が穴部内に位置するため、ウェザストリップ本体の内面に接触することを防止できる。その結果、破断部の端部がウェザストリップ本体の内面に接触してウェザストリップが破れることを防止できる。
本発明に係るウェザストリップにおいて、インサート部材は、幅方向略中央部に貫通孔を有し、破断部は、貫通孔に対してインサート部材の幅方向に隣接して設けられていることが好ましい。
このようにすると、破断部の大きさを小さくすることができて、インサート部材を容易に破断することができる。さらに、ウェザストリップ本体の穴部の大きさを小さくできるため、ウェザストリップの意匠性や強度の観点からも有利である。また、ビスやボルト等の頭部を、覆い隠す際に、ウェザストリップのコーナー部の形状と干渉して、かさ高にならないように配置する事が、容易になる。
本発明に係るウェザストリップにおいて、複数の破断部がインサート部材の長手方向に並ぶように設けられ、穴部は、複数の破断部と、該複数の破断部同士の間の部分であるつなぎ部とを露出するように設けられていることが好ましい。
このようにすると、インサート部材を複数の破断部で破断させることで、つなぎ部がインサート部材から離れるため、つなぎ部を、穴部を通ってウェザストリップ本体の内側から除去することができる。これにより、分割後のインサート部材を完全に離間させることができるため、分割後の各インサート部材の変形を防止することができる。
本発明に係るウェザストリップにおいて、インサート部材は、つなぎ部に直接又は間接的に接続されて且つ穴部を通ってウェザストリップ本体のコーナー部の外部にまで延びる取手部を含むことが好ましい。
このようにすると、インサート部材の破断後に、ウェザストリップ本体の内側からつなぎ部を除去する際に、作業者が取手部を持ってつなぎ部を、穴部を通して除去できるため、つなぎ部の除去が容易となる。
本発明に係るウェザストリップによると、破断部によりインサート部材が分割可能であり、インサート部材の分割を目視でき、さらに、当該インサート部材の破断に起因するウェザストリップの破れを防止できる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものではない。
まず、本発明の一実施形態に係るウェザストリップについて、図1〜図4及び図9を参照しながら説明する。
図9に示す自動車において、10は車体、20は(フロントサイド)ドア、30はドア20の周縁に設けられたウェザストリップ、40はドア20に取り付けられたドアミラーである。ドアミラー40は、ガーニッシュ41を介してドア20に取り付けられている。
図1は、ウェザストリップ30の背面側を示し、特にドア20の周縁におけるコーナー部に取り付けられる部分を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るウェザストリップ30は、ウェザストリップ本体50と、ウェザストリップ本体50に埋設されたインサート部材60とを含む。
ウェザストリップ本体50は、ドア20の直線部に取り付けられ、押出成形により形成される直線部51と、ドア20のコーナー部に取り付けられ、金型成形により形成されるコーナー部52とを含む。金型成形によりコーナー部52が形成された後に、車両上側の直線部51の端部と車両下側の直線部51の端部を、それぞれ、図示省略する金型にセットし、金型空洞部(キャビティ)に、ゴム・樹脂等の弾性材を注入又は射出することで、コーナー部52の形状を形成すると同時に、金型内で直線部51とコーナー部52が、接合される。
このとき、金型の空洞部には、ウェザストリップ本体50を構成するゴム・樹脂等の弾性材料よりも伸び性能が低い硬質樹脂材料からなるインサート部材60が配設される。その後、金型内にウェザストリップ本体50のコーナー部52を形成するためのゴム・樹脂等の弾性材料を導入することにより、コーナー部52が形成されてコーナー部52の中にインサート部材60が埋設される。ここで、図1の(a)はA−A線における断面図を、(b)はB−B線における断面図を、それぞれ示す。図1(a)及び(b)に示すように、コーナー部52は、ドアの周縁と、該ドアにより開閉される車体開口部の周縁との間をシールするためのリップ状シール部52a及び中空状シール部52bを含む。
図2及び図3に示すように、インサート部材60は、その幅方向中央部に、ビス・ボルト頭部との干渉防止目的の貫通孔61が設けられており、該貫通孔61に対してインサート部材60の幅方向に隣接するように破断部62が形成されている。なお、インサート部材60の幅方向とは、インサート部材60の厚さ方向、及びインサート部材60がウェザストリップ本体50に沿って延びる方向(長手方向)と直交する方向をいう。破断部62は、その周囲の部分よりも薄肉に形成されており、破断部62の部分でインサート部材60を折り曲げることにより、インサート部材60は破断部62の位置で破断されて分割されることが可能である。また、インサート部材60には、貫通孔61を挟んで長手方向両側にそれぞれ係止部63が突設されている。係止部63は、ウェザストリップ30の背面部が取り付けられるドア20の周縁に設けられている径止穴(図示せず)に嵌合される。これにより、ウェザストリップ30の背面部がドア20の周縁に取り付けられる。
図1および、図1(a)に示すように、ウェザストリップ本体50のコーナー部52には、埋設されたインサート部材60の係止部63がウェザストリップ本体50の外側に突出できるように、係止部63に対応する位置に係止部通過穴53が設けられている。また、ウェザストリップ本体50のコーナー部52には、インサート部材60の破断部62が露出するように、破断部62に対応する位置に穴部54が設けられている。また、図1および図1(b)に示すように、穴部54の間には、ウェザストリップ本体50のコーナー部52が、ドア20の周縁におけるコーナー部に取り付けられた際に、ビス・ボルト頭部が配置される位置に、該ビス・ボルト頭部を収容するための凹部55が設けられている。
本実施形態に係るウェザストリップ30によると、上記の通り、インサート部材60に破断部62が設けられているため、ウェザストリップ30の成形時にはインサート部材60が一体でありながら、ウェザストリップ30の取付時には、インサート部材60を破断部62で折り曲げて分割することができる。従って、ウェザストリップ30の成形時には、複数のインサート部材60が設けられる場合よりも製造コストを低減できて且つ工程を簡便にすることができ、また、ウェザストリップ30の取付時には、インサート部材60を分割できるため、必要に応じてウェザストリップ30を容易に捲りあげることが可能となる。また、破断部62を折り曲げて分割する作業は、ウェザストリップ30を自動車のドアに組み付ける直前でもよいし、事前に分割しておいてもよい。
さらに、本実施形態に係るウェザストリップ30によると、ウェザストリップ本体50にインサート部材60の破断部62を露出する穴部54が設けられているため、インサート部材60が破断されているか否かを目視で確認することができる。また、インサート部材60を破断部62で破断する際に、図4に示すように、破断部62が穴部54側に向かうように(穴部54が凸側になるように)折り曲げて破断することにより、破断後の破断部62の端部がウェザストリップのコーナー部52の内面に接触することを防止できる。その結果、ウェザストリップのコーナー部52の破れを防止することができる。このとき、作業者にとって穴部54は、インサート部材60をどちら側に折り曲げるべきかを確認するための目印にもなり得る。また、穴部54は、意匠性の観点からウェザストリップのコーナー部52の背面側(外側に露出する意匠面と反対側)に設けられていることが好ましい。
本実施形態において、破断部62は、破断部62において破断可能であればどのような構成及び形状であってもよく、図3及び図4に示すようなインサート部材60の厚さ方向片側で、かつ、穴部54から目視確認可能側において凹状に形成されたものに限らない。反対側において凹状に形成してもよいし、両側に形成してもよいが、目視可能が容易な点と、作業時の折り曲げ方向の目印になりやすい点から、少なくとも穴部54から目視確認可能側に形成しておくのが、好ましい。
また、本実施形態では、貫通孔61に対向してインサート部材60の幅方向の両側に隣接するように破断部62が2つ形成されているが、このような形態に限らず、例えば貫通孔61が設けられていない位置において、1つの破断部62がインサート部材60を幅方向に横切るように設けられていてもよいが、破断部62の幅方向の長さが長くなる事により、折り曲げ字に大きな力が必要となり、好ましくない。
次に、上記本発明の一実施形態の第1変形例を図5及び図6を参照しながら説明する。本変形例では、図5及び図6に示すように、インサート部材60において、中央の貫通孔61の幅方向両側に、それぞれ2つの破断部62が設けられている。2つの破断部62は、互いに離間して且つインサート部材の長手方向に沿って配列されており、2つの破断部62同士に挟まれた部分としてつなぎ部64が形成される。本変形例において、図示はしないがウェザストリップ本体50に設けられる穴部54は、破断部62及びつなぎ部64を露出するような位置及び大きさで設けられる。また、図示は省略するが、図4の説明にて、述べたように、破断部62を反対側に形成してもよいし、両側に形成してもよい。
第1変形例によると、インサート部材60を折り曲げて破断部62で破断して分割すると、つなぎ部64は分割されたインサート部材60のいずれにも接続されていない状態となる。このため、つなぎ部64を穴部54から取り出して、ウェザストリップ本体50の内側から除去することが可能となる。そうすると、分割されたインサート部材60のそれぞれの間には、つなぎ部64の大きさの間隙が生じる。このため、分割されたインサート部材60のそれぞれの変形を防止でき、それらの変形に起因するインサート部材60の係止部63と該係止部63が嵌合されるドア20の係止穴との位置ずれをより防止することができる。
上記第1変形例では、上述の通り、インサート部材60の折り曲げ後につなぎ部64を穴部54から除去できるが、この作業を容易にするために、つなぎ部64に取手部65を設けてもよい。そのような構成の第2変形例を、図7を参照しながら説明する。本発明の一実施形態の第2変形例は、図7に示すように、インサート部材60の貫通孔61の幅方向両側に設けられたつなぎ部64のそれぞれから、インサート部材60の取付平面に対して垂直方向(穴部54を通過する方向)に立ち上がる脚部65aと、両脚部65a同士の先端をつなぐ橋部65bとからなる取手部65が設けられる。取手部65は、脚部65aが穴部54を通過してウェザストリップ本体50の外部に出て橋部65bがウェザストリップ本体50の外部に露出しているため、破断部62を折り曲げて分割した後に、作業者は橋部65bを摘むことによって、穴部54から容易につなぎ部64をウェザストリップ本体50の外部に除去することが可能となる。
上記のような構成の他に、つなぎ部64同士の間を跨るように配設された接続部66の略中央部に取手部67を設けても構わない。そのような構成の第3変形例について図8を参照しながら説明する。本発明の一実施形態の第3変形例は、図8に示すように、インサート部材60の貫通孔61の幅方向両側に設けられたつなぎ部64と同一平面において各つなぎ部64の略中央部に跨るように延びて、つなぎ部64同士を接続する接続部66が配設される。接続部66の略中央部に、インサート部材60の表面に対して垂直方向に立ち上がる取手部67が設けられる。また、このような構成のインサート部材60を用いる場合、ウェザストリップ本体50の穴部54は、破断部62及びつなぎ部64のみならず接続部66を露出して取手部67が通過できる形状であり、すなわちH字状となる。このような構成により、取手部67が穴部54を通過してウェザストリップ本体50の外部に露出するため、作業者は取手部67を摘むことにより容易につなぎ部64をウェザストリップ本体50の外部に除去することが可能となる。
なお、上記各変形例では、貫通孔61の幅方向両側にそれぞれ2つの破断部62を設けたが、3つ以上の破断部62を設けても構わない。すなわち、貫通孔61の幅方向両側にそれぞれ複数のつなぎ部64を設けても構わない。
以上の実施形態及び各変形例では、ウェザストリップ製造作業者がインサート部材60を破断部62で折り曲げて、インサート部材60を分割することを説明したが、例えばインサート部材60を埋設するコーナー部52の金型成形時に分割されてもよい。こうするために、例えば金型の上型又は下型の少なくとも一方に、インサート部材60の破断部62に対応する位置に配置され、型閉じ時に破断部62を押圧する突起部を設ける事にしてもよい。このようにすると、コーナー部52の金型成形における型閉じ時に、突起部により破断部62が押圧されてインサート部材60が破断部62で破断して分割する。従って、作業者によりインサート部材60を折り曲げるといった工程を設けることなく、コーナー部52の形成と共にインサート部材60を分割することができるため、工程を簡便にすることができる。
また、本発明の実施形態例では、フロントドアの前側コーナー部の、ドア側に組み付けられるウェザストリップに限定して説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、ボデー側に組み付けられるウェザストリップにも適用が可能であり、更には、フロントドアの前側以外のコーナー部においても、適用が可能である。また、ウェザストリップ本体の押出形成部や型成形部に使用する材料は、特に限定はされないが、ゴムの場合では、EPDMスポンジゴム(比重0.4から0.6)を、樹脂の場合では、TPO等の熱可塑性エラストマー(TPE)を、使用するのが、一般的である。また、樹脂の場合は、スポンジゴムの剛性と同程度であれば、非発泡の軟質樹脂材料を使用してもよい。また、インサート部材に使用する、硬質樹脂材料も、特に限定はされないが、補強材を配合した樹脂材料、例えば、タルク入りPP(ポリプロピレン)や、ガラス繊維入りPA(ポリアミド樹脂)等が、あげられる。
以上の通り、本発明のウェザストリップによると、インサート部材に破断部が設けられ、ウェザストリップ本体における破断部に対応する位置に穴部が設けられているため、インサート部材が分割可能であり、穴部によりインサート部材の分割を目視でき、さらに、インサート部材の破断に起因するウェザストリップの破れを防止できる。