JP2018192437A - 水素化反応用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニトロ基とハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できる水素化反応用触媒の提供。【解決手段】1以上のニトロ基と1以上のハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物を反応物とし、この反応物の1以上あるニトロ基のうちの少なくとも1つの水素化反応に用いられる水素化反応用触媒。更に、この水素化反応用触媒が、担体と、この担体上に担持されるPt粒子とFe酸化物粒子とを含んでおり、塩素の含有率が0.25wt%以上好ましくは、0.35wt%以上である水素化反応用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、水素化反応用触媒に関する。より詳しくは、1以上のニトロ基が環骨格に直接結合した構造を有する不飽和環式化合物(芳香族ニトロ化合物)の当該ニトロ基の水素化反応に使用される水素化反応用触媒に関する。
1以上のニトロ基と1以上のアミノ基とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ハロゲンアミンは、医薬、染料、殺虫剤、除草剤の重要な原料である。
この芳香族ハロゲンアミンは、例えば、これに相応する化学構造を有する芳香族ハロゲンニトロ化合物(1以上のニトロ基と1以上のハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物)の水素化反応(接触水素化反応)により製造することができる。
この水素化反応においては、ニトロ基がアミノ基へ還元される還元反応(望みの水素化反応)の他に、ハロゲン原子が環から脱離し水素原子に置換される反応(望まない副反応。以下、必要に応じて「脱ハロゲン反応」という)も進行する。脱ハロゲン反応により生成するハロゲン化水素は反応容器を腐食する。
このように、芳香族ハロゲンニトロ化合物の水素化反応においては、脱ハロゲン反応を十分に低減し、ニトロ基を選択的に還元することが重要となる。
芳香族ハロゲンニトロ化合物のニトロ基を選択的に還元するためにこれまで様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1には、脱ハロゲン反応を避けることを意図して、芳香族ハロゲンニトロ化合物(特許文献1では「芳香族核に結合したハロゲン原子を有する芳香族ニトロ誘導体」)の水素化反応を、炭化タングステンと、強酸(硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸)の存在下で実施することが提案されている。
また、特許文献2には、芳香族ハロゲンニトロ化合物のニトロ基の水素化を選択的に進行させることを意図して、活性炭を担体の活性炭上にPtとCuとがそれぞれ所定の担持量で微細に分配された貴金属触媒が提案されている。
更に、特許文献3には、芳香族ハロゲンニトロ化合物(例えば、1−ニトロ−3,4−ジクロロベンゼン、4−ニトロクロロベンゼン)のニトロ基の水素化を選択的に進行させることを意図して、Pt担持カーボンと、Fe酸化物担持カーボン(又はFe水酸化物担持カーボン)とを含む触媒が提案されている。
また、特許文献4には、芳香族ハロゲンニトロ化合物(4−クロロ−2,5−ジメトキシ−1−ニトロベンゼン)のニトロ基の水素化反応において、生成物の4−クロロ−2,5−ジメトキシアニリンを溶媒(キシレン)から結晶化させなくても単離できるようにすることなどを意図して、亜硫酸化したPt担持炭素触媒と、脂肪族開鎖アミン(特にモルホリン)と、アルカリ性水溶液{水溶液中でpH8〜10を与える化合物(例えば、ホウ酸二ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム)}と、所定量の水(特許文献4の実施例1では30mL、触媒に含まれる水分1.5mL)と、所定量の芳香族有機溶剤(特許文献4の実施例1では675mL)、を含む反応系が提案されている。
更に、従来より、塩素などのハロゲンは、触媒毒となる物質例として認識されている(例えば、非特許文献1 第3節)。
なお、本件特許出願人は、上記文献公知発明が記載された刊行物として、以下の刊行物を提示する。
特開平5−271105号公報 特開平6−71178号公報 米国特許第4212824号公報 特開平2−45452号公報
最新・触媒の劣化原因解明と防止対策(技術情報協会 2006年)
しかしながら、芳香族ハロゲンニトロ化合物の水素化反応において、脱ハロゲン反応を十分に低減し、ニトロ基を選択的に還元する観点からは、上述した従来技術であっても未だ改善の余地があることを本発明者らは見出した。
本発明は、かかる技術的事情に鑑みてなされたものであって、ニトロ基とハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できる水素化反応用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、Pt粒子と、Fe酸化物粒子とを担体に担持した水素化反応用触媒において、この触媒に所定量の塩素が含まれている構成が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
すなわち、本発明は、
1以上のニトロ基と1以上のハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物を反応物とし、前記1以上のニトロ基のうちの少なくとも1つの水素化反応に用いられる水素化反応用触媒であって、
担体と、前記担体上に担持されるPt粒子とFe酸化物粒子と、を含んでおり、
塩素の含有率(wt%)が0.25wt%以上である、
水素化反応用触媒水素化反応用触媒を提供する。
Pt粒子とFe酸化物粒子とが共存する水素化反応用触媒において、触媒毒としてできるだけ除去することが望ましいという一般的認識であった塩素を敢えて所定量含む水素化反応用触媒を検討した。その結果、詳細なメカニズムは解明されていないが、上記の構成を満たす水素化反応用触媒が、芳香族ハロゲンニトロ化合物のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できることを見出した。
ここで、本発明の効果をより確実に得る観点から、本発明の水素化反応用触媒は、前記塩素の含有率(wt%)が0.35wt%以下であることが好ましい。
本発明によれば、ニトロ基とハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物(芳香族ハロゲンニトロ化合物)のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できる水素化反応用触媒が提供される。
本発明の水素化反応用触媒の塩素の含有率を分析する際に使用する燃焼装置の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の水素化反応用触媒は、担体と、担体上に担持されるPt粒子とFe酸化物粒子と、を含んでいる。
担体は、Pt粒子とFe酸化物粒子を担持することができ、かつ表面積の大きいものであれば特に制限されない。活性炭、活性炭の粉砕物、グラッシーカーボン(GC)、ファインカーボン、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、等の炭素系材料や酸化物等のガラス系あるいはセラミックス系材料などから適宜採択することができる。
担体の比表面積は、500m/g以上であることが好ましく、800m/g以上であることがより好ましく、1000m/g以上であることが更に好ましい。
水素化反応用触媒に含まれる触媒のFe酸化物粒子において、Fe酸化物は特に限定されないが、Feを主成分とすることが好ましい。
また、「1以上のアミノ基を有する芳香族アミン」は、望ましくは主生成物の芳香族ハロゲンアミンであるが、本発明の効果が得られる範囲内において(使用される反応系において許容される範囲内において)脱ハロゲン体である芳香族アミンが僅かに含まれる場合があってもよい。
水素化反応用触媒が使用される反応系の溶媒としては、反応物(芳香族ハロゲンニトロ化合物)の少なくとも一部が溶解できる化学的性質を有していれば特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、炭素数が1〜3のアルコールが好ましく挙げられる。これらを任意の割合で混合した混合物を採用してもよい。
また、水素化反応用触媒が使用される反応系における反応物(芳香族ハロゲンニトロ化合物)は、特に限定されないが、下記一般式(C1)で表される構造を有していることが好ましい。
ここで、式(C1)中、
nは、1以上の整数を示し、
mは、1以上の整数を示し、
αは、0以上の整数を示し、
βは、0以上の整数を示し、
5≦(n+m+α+β)≦6であり、
Rは、水素原子、アミノ基、水酸基、又は、炭素原子を1以上有する1価以上の有機基を示し、
Xは、ハロゲン原子のうちのいずれかを示し、
Yは、α=1の場合には、C、N、O、又は、Sの原子を示し、α≧2の場合は、C、N、O、及び、Sからなる群から選択される少なくとも2種の原子を示し、
Zは、β=1の場合には、C、N、O、又は、Sの原子を示し、β≧2の場合は、C、N、O、及び、Sからなる群から選択される少なくとも2種の原子を示し、かつ、
YとZとは同一であっても異なっていてもよい。
ここで、αが2以上のとき、Rは隣り合う2つのY原子に結合する2価の有機基となってもよい。この場合、芳香族ニトロ化合物が縮合環化合物の構造を有することとなってもよい。
また、1価以上の有機基であるRは、Yαと結合する部分が「−O−」、又は「−S−」で示される構造を有していてもよい。
例えば、式(C1)において、α=2、Y=C、Y2=N、R=H、β=2、Z=C、Z=C、m=1、X=Br、n=1、(n+m+α+β)=6の場合には、(C1)は、下記式(C1−1)で示される2−ブロモ−5−ニトロピリジンとなる。
更に、水素化反応用触媒が使用される反応系における反応物(芳香族ハロゲンニトロ化合物)は、下記一般式(C2)で表される構造を有していてもよい。
ここで、式(C2)中、
nは、1以上の整数を示し、
mは、1以上の整数を示し、
αは、0以上の整数を示し、
βは、0以上の整数を示し、
5≦(n+m+α+β)≦6であり、
Rは、水素原子、アミノ基、水酸基、又は、炭素原子を1以上有する1価以上の有機基を示し、
Xは、ハロゲン原子のうちのいずれかを示し、
Yは、α=1の場合には、C、N、O、又は、Sの原子を示し、α≧2の場合には、C、N、O、及び、Sからなる群から選択される少なくとも2種の原子を示し、
Zは、β=1の場合には、C、N、O、又は、Sの原子を示し、β≧2の場合には、C、N、O、及び、Sからなる群から選択される少なくとも2種の原子を示し、
YとZとは同一であっても異なっていてもよく、
Jは炭素原子を1以上有する2価の有機基を示し、m≧2の場合には、Jは同一であっても異なっていてもよい。
また、1価以上の有機基であるRは、Yαと結合する部分が「−O−」、又は「−S−」で示される構造を有していてもよい。
例えば、式(C2)において、「X−J−」で示される部分は、以下の式(C2−1)、(C2−2)、(C2−3)、及び(C2−4)で示す構造を有していてもよい。
X−C−(C=O)−N− ・・・(C2−1)
X−C=C−C− ・・・(C2−2)
X−C−C− ・・・(C2−3)
ここで、式(C2−4)において、X及びXはそれぞれハロゲン原子のうちのいずれかを示し、X及びXは同一であってもよく異なっていてもよい。
<水素化反応用触媒の製造方法>
水素化反応用触媒の製造方法は、特に限定されず公知の手法の組合せを採用できる。
水素化反応用触媒は、例えば、担体に、Pt化合物、Fe化合物、水を含む分散液を還元処理することにより、担体にPt粒子とFe酸化物粒子が担持された触媒を得てもよい。Ptの担持と、Fe酸化物の担持は、上記のように同時におこなってもよいし、どちらか一方を先に行い他方を後に行ってもよい。水素化反応用触媒に含まれる塩素成分の添加については、製造プロセス中において、原料である上述のPt化合物及びFe化合物のうちの少なくとも一方を塩化物として添加してもよい。また、を製造プロセス中において、Pt化合物及びFe化合物以外の塩化物を添加してもよい。更に、水素化反応用触媒に過剰の塩素が含まれている場合には、必要に応じてこれに純水などによる塩素除去処理を施して塩素の含有率を先に述べた本発明の数値範囲内に調節してもよい。
<水素化反応用触媒中の塩素の含有率の決定方法>
本発明においては、水素化反応用触媒の塩素の含有率を以下の分析・手順によって決定することとする。
まず、(工程1)分析用試料(水素化反応用触媒)を酸素ガス気流中で高温に加熱し、塩素成分を酸化してガス化し、これを過酸化水素に捕集し塩化物イオンとする。次に、(工程2)イオンクロマトグラフ分析装置により塩素を求める。試薬としては、1wt%過酸化水素水溶液を使用し、塩化物イオン標準液(1g/L)を用いる。
次に、工程1で使用する燃焼装置について説明する。図1は、本発明の水素化反応用触媒の塩素の含有率を分析する際に使用する燃焼装置の概略構成を示す模式図である。図1に示す燃焼装置10は、主として、管状電気炉(燃焼炉)12と、管状電気炉12内に挿入可能な大きさと形状を有する燃焼管14と、燃焼管14の後段に配置され燃焼管14で発生するガスを吸収する2本の吸収容器(吸収容器16、吸収容器18)とから構成されている。
ここで、管状電気炉12は長さ約400mmで試料を約1350℃に加熱できるものを使用する。また、燃焼管14はJIS R1307に規定される2種または1種に相当する化学分析用磁器燃焼管を使用する。更に、分析用試料を配置する燃焼用ボ−ト(図示せず)はJIS R1306に規定される1種の燃焼用ボ−トを使用する。
また、吸収容器(吸収容器16、吸収容器18)は内径400mm×高さ200mmのろ過用ガラス板付の吸収容器を使用する。
更に、工程2で使用するイオンクロマトグラフ分析装置は、塩化物イオンを分析可能なものを使用する。
分析は以下の手順で行う。まず、燃焼管14の中央部の管内温度が約1350℃になるように管状電気炉を昇温する。次に、酸素ガスを毎分0.3〜0.35L流しながら燃焼管14の内部の温度分布を測定する。次に、燃焼管14の内部において300〜400℃となっている領域(好ましくは最高温度となっている領域)を把握しておく。
次に、1%過酸化水素0mLをメスシリンダーで測り取り、2つの吸収容器(吸収容器16、吸収容器18)に各々入れる。次に、図1に示したように燃焼装置10の各構成要素を連結する。
(工程1)分析用試料(約0.5〜2.0g)を燃焼用ボートに正確に秤取し燃焼用ボートに配置する。次に、燃焼用ボートを燃焼管14内の300〜400℃となっている領域に石英棒を用いて素早く配置する。酸素ガスを毎分0.30〜0.35Lで流し20分間保持する。次に、石英棒を使用して、燃焼管14内において燃焼用ボートを最高温部(約1350℃)の領域に移動させ、20分間放置する。燃焼終了後、吸収容器(吸収容器16、吸収容器18)をはずし酸素ガスの供給を止め、燃焼ボートを外に引き出す。
(工程2)[イオンクロマト測定操作]
2つの吸収容器(吸収容器16、吸収容器18)内の吸収液を混合して250mLのメスフラスコに移し、水で標線まで薄める。得られる液の一定量をイオンクロマト分析装置に導入し、塩化物イオンのピ−ク高さまたはピ−ク面積を測定する。
次に、塩化物イオン標準液(1g/L)を段階的に分取して測定液を複数調製する。測定液は分析用試料の濃度が標準液濃度範囲内に入るように調製する。分析用試料の濃度とピーク高さ又はピーク面積の検量線を作成する。以下の計算式で塩素の含有量を算出する。
C1=100×(A1×250×0.3337)/(M×1000×1000) ・・・(1)
ここで、CClは試料中の塩素含有率(wt%)を示し、A1は検量線より求めた塩化物イオン濃度(mg/L)を示し、Mは分析用試料の質量(g)を示す
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<水素化反応用触媒の調製>
(実施例1)
水素化反応用触媒として、カーボン担体に、Pt粒子と、Fe酸化物粒子とが担持された触媒{商品名「NE−01M02」、Ptの含有量1.0wt%、Feの含有量0.20wt%、N.E.CHEMCAT社製(以下、必要に応じて「Pt-FeOx/C」と表記)}を用意した。
このPt-FeOx/Cは、カーボン担体が活性炭(BET測定に基づく比表面積が900:m/g)であり、Fe酸化物粒子は主成分がFe(XPS分析に基づく結果ではFeが略100%)のものである。
この水素化反応用触媒(Pt-FeOx/C)ついて、先に述べた分析法により塩素含有率を求めたところ、0.33wtであった。
(実施例2)
実施例1の水素化反応用触媒を超純水で洗浄することなどにより、塩素含有率を表1に示した値に変更したこと以外は、実施例1と同様の調製条件、同一の原料を使用して、実施例2の水素化反応用触媒を調製した。
(比較例1)〜(比較例3)
実施例1の水素化反応用触媒を超純水で洗浄することなどにより、塩素含有率を表1に示した値に変更したこと以外は、実施例1と同様の調製条件、同一の原料を使用して、比較例1〜比較例3の水素化反応用触媒を調製した。
<水素化反応>
実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例3の水素化反応用触媒(各127.0mg)を使用して、下記式(C1−11)で示される水素化反応(ニトロ基の水素化反応)を実施した。
ここで、式(C1−11)で示される水素反応において、式(C1−1)で示される2−ブロモ−5−ニトロピリジンは、N原子を有するヘテロ環構造を有している。このヘテロ環の中のN原子をC原子に置き換えた構造を有する2−ブロモ−5−ニトロベンゼンに比較して、2−ブロモ−5−ニトロピリジンは、主反応のニトロ基の水素化(主生成物は式(C1−2)で示され5−アミノ−2−ブロモピリジン)の他に、副反応の脱臭素反応(副生成物は式(C1−3)で示される3−アミノピリジン)が進行しやすい反応物である。
(反応条件)
反応物:式(C1-1)で示される2−ブロモ−5−ニトロピリジン 2.5mmol
溶媒 :トルエン 10mL
水素圧 :0.6MPa
反応温度:50℃
反応時間:5時間
実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例3の水素化反応用触媒について得られた結果を表1に示す。
表1に示した結果から、本発明の構成を満たす実施例1〜実施例2の水素化反応用触媒を使用した反応は、比較例1〜比較例3の水素化反応用触媒を使用した反応と比較し、(C1−3)で示される3−アミノピリジンへの脱臭素反応の進行が低減され、望みの生成物である(C1−2)で示され5−アミノ−2−ブロモピリジンの選択率が向上していることが明らかとなった。
以上の結果から、本実施例の水素化反応用触媒は、ニトロ基とハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できることが明らかとなった。
本発明の水素化反応用触媒は、ニトロ基とハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物(芳香族ハロゲンニトロ化合物)のニトロ基の水素化反応において、ニトロ基を選択的に水素化でき、ハロゲン原子の環からの脱離を十分に低減できる触媒活性を有する。
従って、本発明は、医薬、染料、殺虫剤、除草剤の重要な原料である芳香族ハロゲンアミンの効率的な量産技術の発達に寄与し、ひいては医薬、染料、殺虫剤、除草剤の産業の発達に寄与にする。

Claims (2)

  1. 1以上のニトロ基と1以上のハロゲン原子とが置換基として同一の環の環骨格にそれぞれ分かれた状態で直接結合した構造を有する芳香族ニトロ化合物を反応物とし、前記1以上のニトロ基のうちの少なくとも1つの水素化反応に用いられる水素化反応用触媒であって、
    担体と、前記担体上に担持されるPt粒子とFe酸化物粒子と、を含んでおり、
    塩素の含有率(wt%)が0.25wt%以上である、
    水素化反応用触媒。
  2. 前記塩素の含有率(wt%)が0.35wt%以下である、請求項1に記載の水素化反応用触媒。
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