JP2012197273A - 芳香族アミン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高選択率で芳香族アミン化合物を工業的に有利に製造する方法を提供。
【解決手段】炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒を用いて水素化反応することにより、芳香族アミン化合物を製造する方法の提供。(i)芳香族ニトロ化合物、(ii)芳香族ニトロ化合物及びカルボニル化合物、(iii)芳香族一級アミン化合物及びカルボニル化合物、又は(iv)芳香族イミン化合物を、炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の存在下で水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、イリジウム触媒を用いて水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する方法に関するものである。
近年、医農薬品向けにアニリン誘導体が広く用いられている。その中でも、ハロゲン化アニリンは、パラジウムカーボンや白金カーボンなどの不均一系触媒を用いて、ハロゲン化ニトロベンゼンを水素化することにより合成されるが、ハロゲン化アニリンと脱ハロゲン化により副生されるアニリンの混合物が一般的に得られる。従って、副反応である脱ハロゲン化を抑える触媒が強く望まれている。脱ハロゲン化を抑制する方法として、硫黄やリン化合物を反応系に添加して触媒活性を低下させるという触媒活性を調節する方法が知られている。しかしながら、これら添加物は触媒毒となるため、ニトロ基の還元速度や触媒効率を低下させる傾向がある。また、触媒活性の低下を補うために高温高圧条件が必要となる(非特許文献1)。
炭素ナノ繊維に担持されたパラジウムや白金触媒を用いて、p−クロロニトロベンゼンの水素化によるp−クロロアニリンの合成が報告されている。市販品のパラジウムカーボンや白金カーボンに比べて脱クロロ化によるアニリンの副生を抑制できるが必ずしも十分とはいえない。また、副反応を完全に抑えるためにはアミンなどの触媒毒を添加しなければならず、反応終了後、それら添加物を蒸留やカラム精製などの手段で除去・分離する工程が必須である、という問題がある(非特許文献2)。
室井高城,「工業貴金属触媒」,JETI, 2003年, P389 Organic letters,2008年, Vol.10, No.8 1601-1604 Chem. Eur. J., 2000年, No.6 2200-2204
本発明は、上記事情を鑑み、触媒毒となる無機化合物や有機化合物を使用することなく、高選択率で芳香族アミン化合物を工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、イリジウム金属が炭素ナノ繊維に担持した触媒を用いて水素化反応を行うことにより、高い選択率で芳香族アミン化合物を製造できることがわかった。その高い選択率の実現は、イリジウム金属を炭素ナノ繊維に担持することにより、特異的な性質が発揮されたものと考える。
そして本発明は、下記の(i)〜(iv)の知見に基づいて完成するに至った。
(i) ハロゲン化芳香族ニトロ化合物を水素化反応(ニトロ還元反応)により、脱ハロゲン化による副生物を実質的に含有しないハロゲン化芳香族アミン化合物が高い選択率で得られること。
(ii)ハロゲン化芳香族ニトロ化合物とカルボニル化合物又はハロゲン化芳香族一級アミン化合物とカルボニル化合物を出発物質として、水素化反応(ニトロ還元反応,還元的アルキル化反応)により、脱ハロゲン化による副生物を実質的に含有しないハロゲン化芳香族二級アミン化合物が高い選択率で得られること。
(iii)芳香族イミン化合物を水素化反応(水素化還元反応)により、芳香族二級アミン化合物が高い選択率で得られること。
(iv)さらにハロゲン化芳香族ニトロ化合物のハロゲン基を他の置換基に変えたとき、或いはハロゲン基と共に他の置換が存在したときであっても、高い選択率となることが判った。他の置換基として、シアノ基、カルボニル基、ベンジルオキシ基、エステル基、エポキシ基、アクリルエステル基などが例示される。例えば、エポキシ基含有芳香族ニトロ化合物を活性炭に担持したパラジウムにエチレンジアミンで修飾した触媒存在下で還元する方法ではエポキシ基の開環体が5%程度副生することが報告されている(非特許文献3)が、本発明ではエポキシ基の開環反応は全く起こっておらず、選択率ほぼ100%という結果であった(実施例13)。
即ち本発明は、以下の項目の発明を提供するものである。
(項1)イリジウム触媒の存在下で水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する方法であって、(i)芳香族ニトロ化合物、(ii)芳香族ニトロ化合物及びカルボニル化合物、(iii)芳香族一級アミン化合物及びカルボニル化合物、又は(iv)芳香族イミン化合物を、炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の存在下で水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する方法。
本発明によれば、炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒を用いることにより、高い選択率で芳香族アミン化合物を製造することができる。また、触媒毒となる化合物等を添加して触媒活性を調節する必要がないことから、それらを除去する工程を必要とせず、簡便に且つ効率的に芳香族アミン化合物を製造することが可能となる。そして、上記(i)の出発物質(反応基質)から芳香族一級アミン化合物が得られ、上記(ii)〜(iv)の出発物質(反応基質)から芳香族二級アミン化合物が得られる。
[イリジウム触媒]
本発明に係るイリジウム触媒は、イリジウム金属が炭素ナノ繊維に担持した触媒である。炭素ナノ繊維とは、サブミクロンオーダーの繊維径をもつ炭素繊維であり、炭素ヘキサゴナル網面の板状体の積層構造が繊維軸に垂直なもの、約20〜80度の傾斜角度をもつもの、あるいは平行なものの3種類に分類され、それぞれ、プレートレット(平板積層)、ヘリングボーン(魚骨状積層)、チューブラー(筒状)と名付けられている。当該炭素ナノ繊維は、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。
炭素ナノ繊維の製造方法としては、特に限定はなく、公知の方法が使用できる。例えば、次のような方法が例示される。
(i)プレートレット型炭素ナノ繊維の製造方法としては、例えば鉄触媒で一酸化炭素から600℃で製造する方法などが挙げられる。前記鉄触媒の調製方法としては、硝酸鉄の水溶液に重炭酸アンモニウムを加えて形成した沈殿物を濾過・洗浄し、400℃、空気で焼成した後、500℃、水素で還元して調製する方法などが例示される。
(ii)へリングボーン型炭素ナノ繊維の製造方法としては、例えばニッケル−銅(8/2重量比)合金触媒でエチレンから580℃で製造する方法などが挙げられる。前記ニッケル−銅合金触媒は、その硝酸塩を前駆体として鉄触媒の調製方法と同一の方法で調製することができる。
(iii)チューブラー型炭素ナノ繊維の製造方法としては、例えば鉄−ニッケル(6/4重量比)合金触媒で一酸化炭素から640℃で製造する方法などが挙げられる。前記鉄−ニッケル合金触媒は、その硝酸塩を前駆体として鉄触媒の調製方法と同一の方法で調製することができる。
炭素ナノ繊維の合成装置としては、シリカチューブを備えた水平型電気炉を使用した、ガス流量をマスフロー制御器で精密に調整できる装置などが例示される。
前記合成装置を用いる場合の合成手順としては、例えば、当該装置に所定量の触媒を設置し、ヘリウム/水素(4/1体積比)の雰囲気で所定の合成温度に昇温して2時間処理し、反応ガスとして一酸化炭素/水素混合ガスあるいはエチレン/水素混合ガスに切り替えて炭素ナノ繊維の製造を行う方法が例示される。
炭素ナノ繊維にイリジウム金属を担持させる方法としては、例えば、イリジウムのカルボニル錯体が溶解した有機溶媒中に上述の炭素ナノ繊維を懸濁させて、次いで有機溶媒の沸点以下でカルボニル錯体の分解が起こる温度範囲で加熱還流して、イリジウムカルボニル錯体を粒子化させることにより、炭素ナノ繊維にイリジウム金属を担持させる方法などが例示される。
より具体的には、金属カルボニル錯体がIr(CO)12の場合、有機溶媒にメシチレンを用いて当該錯体を溶解させ、次いで炭素ナノ繊維を懸濁させ、その懸濁液を165℃程度の温度で加熱することにより、炭素ナノ繊維にイリジウム金属を担持させることができる。
炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の触媒活性は、その炭素ナノ繊維の構造にも影響される。選択性の観点から、好ましくはチューブラー型炭素ナノ繊維及びヘリングボーン型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒が推奨され、さらに反応性の観点も加味するとチューブラー型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒が特に推奨される(例えば、後述の実施例1と実施例2との比較)。
炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒のイリジウム金属の担持量は、当該触媒の全重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜8重量%が推奨される。担持量が0.01重量%未満の場合、触媒活性や選択性が低くなる傾向が認められ、一方10重量%を超えて使用しても触媒コストの上昇に見合うだけの活性向上は認め難く、不経済となる場合がある。
[水素化反応]
本発明に係る水素化反応の操作方法は、特に限定はなく、従来から水素化反応に用いられる操作方法を採用することができる。例えば、反応基質(出発物質)、炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒、及び必要に応じて反応溶媒としての有機溶媒を一括して反応缶(反応管,反応器)に仕込み、水素雰囲気下、所定の反応温度と水素分圧にて攪拌して水素化を行う方法、などが例示される。
なお、前記攪拌の方法は、攪拌律速とならないように水素と反応液が十分に混合できれば、特にその方法に制限はなく、従来から水素化反応に使用されている攪拌方法(反応装置)が使用できる。
本発明に係る炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の使用量は、イリジウム金属の重量を基準として、反応基質100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部が推奨される。
水素化反応の反応温度としては、本発明に係るイリジウム触媒の特異性から、室温付近の温度からでも十分に進行させることができる。このことは、加熱に必要とするエネルギーを低減でき、製造装置に係る経済的負担も軽減できる点で工業的に有利である。
反応温度の範囲を提示するならば、反応基質の種類、反応圧力、触媒量等にもよるが、好ましくは5〜75℃、より好ましくは15〜60℃が推奨される。反応温度が75℃よりも高い場合であっても反応は進行するものの、選択性がやや低下する傾向が認められる。反応温度が5℃よりも低い場合であっても進行するものの、触媒活性が十分に得られない場合がある。
水素化反応の反応圧力(水素分圧)は、反応基質の種類、反応温度、触媒量等にもよるが、好ましくは0.1〜20MPa、より好ましくは0.3〜10MPaが推奨される。
水素化反応の反応時間は、反応基質の種類、反応温度、反応圧力、触媒量等にもよるが、通常0.1〜72時間程度である。
反応の操作性(反応系の粘度調整)や触媒の分別操作の観点から、反応溶媒を使用することが推奨される。反応溶媒は、反応基質を溶解することができ、水素化反応の影響を受けない或いは受け難いものが好ましい。反応溶媒としてはエステル系有機溶媒が推奨され、具体的には酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチルなどが挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが推奨される。これらの有機溶媒は、1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
反応溶媒の使用量は、反応基質1重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜50重量部が推奨される。
水素化反応後の後処理工程としては、特に限定はなく、従来から水素化反応後に用いられる後処理工程(後処理方法)を適宜選択ないし組み合わせて採用することができる。
後処理工程としては、当該触媒の残渣を分別する工程、反応溶媒を使用したときの溶媒回収若しくは分離工程、さらに目的物の純度をより向上させるための精製工程(常圧・減圧蒸留、化学処理、吸着処理等)などが挙げられる。
[反応基質(出発物質)]
本発明に係る(i)の反応基質である芳香族ニトロ化合物は、芳香環に置換基として少なくとも1個のニトロ基を有する芳香族化合物であり、例えば下記一般式(1)で表される芳香族化合物などが例示される。
一般式(1)
Figure 2012197273
[式中、n個のRは、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のハロゲン化アリール基、炭素数7〜16のアルキルアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のハロゲン化アルコキシカルボニル基、シアノ基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数4〜12のアクリル酸エステル基、グリシジルエーテル基、炭素数3〜10のアルケニル基、又はエポキシ基を表す。p個のXは、同一又は異なって、それぞれ、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。またp、m及びnは、それぞれ、0≦p≦4、1≦m≦3、0≦n≦4の範囲にある互いに独立した自然数を表し、1≦p+m+n≦6の関係にある。]
で表れる芳香族化合物。
上記一般式(1)におけるアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるハロゲン化アルキル基は、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基であり、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メチル基、塩化エチル基、塩化プロピル基、塩化ブチル基、臭化メチル基、臭化エチル基、臭化プロピル基、臭化ブチル基、フッ化メチル基、フッ化エチル基、フッ化プロピル基、フッ化ブチル基、クロロシクロペンチル基、クロロシクロヘキシル基、クロロシクロヘプチル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアリール基は、炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるハロゲン化アリール基は、炭素数6〜14のハロゲン化アリール基であり、例えば塩化フェニル基、臭化フェニル基、ヨウ化フェニル基、フッ化フェニル基、ジ塩化フェニル基、塩化ナフチル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアルキルアリール基は、炭素数7〜16のアルキルアリール基であり、例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、メチルナフチル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアルコキシ基は、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブチトキシ基、tert-ブチトキシ基、n−ペントキシ基など例示される。
上記一般式(1)におけるハロゲン化アルコキシ基は、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基であり、前記アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メトキシ基、塩化エトキシ基、塩化プロポキシ基、塩化ブトキシ基、臭化メトキシ基、臭化エトキシ基、臭化プロポキシ基、臭化ブトキシ基、フッ化メトキシ基、フッ化エトキシ基、フッ化プロポキシ基、フッ化ブトキシ基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるハロゲン化アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜10のハロゲン化アルコキシカルボニル基であり、例えば、前記アルコキシカルボニル基のアルコキシ部位の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メトキシカルボニル基、塩化エトキシカルボニル基、塩化プロポキシカルボニル基、塩化ブトキシカルボニル基、臭化メトキシカルボニル基、臭化エトキシカルボニル基、臭化プロポキシカルボニル基、臭化ブトキシカルボニル基、フッ化メトキシカルボニル基、フッ化エトキシカルボニル基、フッ化プロポキシカルボニル基、フッ化ブトキシカルボニル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアルキルカルボニル基は、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基であり、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−ヘプチルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、n−ノニルカルボニル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアクリル酸エステル基は、炭素数4〜12のアクリル酸エステル基(一般式として「−C=C−COOR」、前記Rは炭化水素基である。)であり、例えば、アクリル酸メチルエステル基、アクリル酸エチルエステル基、アクリル酸n−プロピルエステル基、アクリル酸n−ブチルエステル基、アクリル酸n−ペンチルエステル基、アクリル酸n−ヘキシルエステル基、アクリル酸n−ヘプチルエステル基、アクリル酸n−オクチルエステル基、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル基、アクリル酸n−ノニルエステル基などが例示される。
上記一般式(1)におけるアルケニル基は、炭素数3〜10のアルケニル基であり、例えば、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが例示される。
一般式(1)におけるp、m及びnは、それぞれ、0≦p≦4(好ましくは0≦p≦2)、1≦m≦3(好ましくは1≦m≦2、特に1)、0≦n≦4(好ましくは0≦n≦2)の範囲にある互いに独立した自然数を表し、1≦p+m+n≦6(好ましくは1≦p+m+n≦3)の関係にある。
本明細書及び特許請求の範囲において、一般式で使用される「炭素数」とは、それぞれの基の全ての炭素の総和を意味する。
芳香族ニトロ化合物として、より具体的には下記の化合物などが例示される。
Figure 2012197273
芳香族ニトロ化合物や一般式(1)で表される芳香族化合物は、特に限定はなく、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。
本発明に係る(ii)の反応基質である芳香族ニトロ化合物及びカルボニル化合物、並びに本発明に係る(iii)の反応基質である芳香族一級アミン化合物及びカルボニル化合物において、前記カルボニル化合物は、カルボニル基を1個有する化合物であり、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2−オクタノン、アセトフェノン、ベンジルフェニルケトン等のケトン化合物、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物が例示される。モノニトロ化合物又はモノ第一級アミノ化合物のときは、該カルボニル化合物の使用量は、芳香族ニトロ化合物又は芳香族一級アミン化合物1モルに対して、好ましくは1〜30モルの範囲、より好ましくは1〜20モルの範囲が推奨される。当該使用量の決定には、反応性や後処理工程の容易性等を加味することが好ましい。
また、芳香族ニトロ化合物は、上記(i)の反応基質である芳香族ニトロ化合物の説明と同義である。そして、芳香族一級アミン化合物は、該芳香族ニトロ化合物をニトロ還元反応した化合物に対応する。芳香族一級アミン化合物は、具体的には、例えば上記一般式(1)で表される芳香族化合物をニトロ還元反応した下記一般式(15)で表されるアミン化合物などが例示される。
一般式(15)
Figure 2012197273
[式中、X、R、p、m及びnは、一般式(1)におけると同義である。]
で表れるアミン化合物。
(ii)の反応基質である芳香族ニトロ化合物及びカルボニル化合物の場合、ニトロ還元反応と還元的アルキル化反応が起きることにより、芳香族二級アミン化合物が得られると考える。
即ち、芳香族ニトロ化合物がニトロ還元反応されて、中間体として芳香族アミン化合物(第一級アミン)が生成される。そして、その中間体である芳香族アミン化合物(即ち芳香族一級アミン化合物)とカルボニル化合物とが反応してイミン構造を形成し、そのイミンが水素化還元されて、或いはその芳香族アミン化合物とカルボニル化合物とが反応して反応中間体であるヘミアミナールを形成し、そのヘミアミナールが直接水素化還元されて、芳香族二級アミン化合物が生成するという経路と考える。
また、(iii)の反応基質である芳香族一級アミン化合物及びカルボニル化合物の場合には、還元的アルキル化反応が起きることにより、芳香族二級アミン化合物が得られると考える。反応経路は前記(ii)の反応基質にある説明と同様である。
本発明に係る(iv)の反応基質である芳香族イミン化合物は、イミン構造を1個有する芳香族化合物であり、例えば下記一般式(16)で表される芳香族化合物などが例示される。より具体的には、N-(p-メトキシフェニル)-p-メチルベンズアルジミンなどが例示される。
(iv)の反応基質である芳香族イミン化合物の場合、芳香族イミン化合物が水素化反応されて、芳香族二級アミン化合物が得られる。
一般式(16)
Figure 2012197273
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のハロゲン化アリール基、炭素数7〜16のアルキルアリール基を表す。ただし、RとRが同時に水素原子を表さない。t個のRは、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のハロゲン化アリール基、炭素数7〜16のアルキルアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロゲン化アルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のハロゲン化アルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、グリシジルエーテル基、又は炭素数3〜10のアルケニル基を表す。r個のXは、同一又は異なって、それぞれ、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。またt及びrは、それぞれ、0≦t≦5、0≦r≦5の範囲にある互いに独立した自然数を表し、0≦t+r≦5の関係にある。]
で表される芳香族化合物。
上記一般式(16)におけるアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるハロゲン化アルキル基は、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基であり、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メチル基、塩化エチル基、塩化プロピル基、塩化ブチル基、臭化メチル基、臭化エチル基、臭化プロピル基、臭化ブチル基、フッ化メチル基、フッ化エチル基、フッ化プロピル基、フッ化ブチル基、クロロシクロペンチル基、クロロシクロヘキシル基、クロロシクロヘプチル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアリール基は、炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるハロゲン化アリール基は、炭素数6〜14のハロゲン化アリール基であり、例えば塩化フェニル基、臭化フェニル基、ヨウ化フェニル基、フッ化フェニル基、ジ塩化フェニル基、塩化ナフチル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアルキルアリール基は、炭素数7〜16のアルキルアリール基であり、例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、メチルナフチル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアルコキシ基は、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブチトキシ基、tert-ブチトキシ基、n−ペントキシ基など例示される。
上記一般式(16)におけるハロゲン化アルコキシ基は、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基であり、前記アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メトキシ基、塩化エトキシ基、塩化プロポキシ基、塩化ブトキシ基、臭化メトキシ基、臭化エトキシ基、臭化プロポキシ基、臭化ブトキシ基、フッ化メトキシ基、フッ化エトキシ基、フッ化プロポキシ基、フッ化ブトキシ基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるハロゲン化アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜10のハロゲン化アルコキシカルボニル基であり、例えば、前記アルコキシカルボニル基のアルコキシ部位の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メトキシカルボニル基、塩化エトキシカルボニル基、塩化プロポキシカルボニル基、塩化ブトキシカルボニル基、臭化メトキシカルボニル基、臭化エトキシカルボニル基、臭化プロポキシカルボニル基、臭化ブトキシカルボニル基、フッ化メトキシカルボニル基、フッ化エトキシカルボニル基、フッ化プロポキシカルボニル基、フッ化ブトキシカルボニル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアルキルカルボニル基は、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基であり、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−ヘプチルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、n−ノニルカルボニル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるアルケニル基は、炭素数3〜10のアルケニル基であり、例えば、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが例示される。
上記一般式(16)におけるt及びrは、それぞれ、0≦t≦5(好ましくは0≦p≦2)、0≦r≦5(好ましくは0≦r≦2)の範囲にある互いに独立した自然数を表し、0≦t+r≦5(好ましくは0≦t+r≦2)の関係にある。
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に説明するため、実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例における分析・評価は以下の方法で行った。
[転化率,選択率,組成分析]
下記の分析装置及び測定条件にて、H−NMRスペクトル法(核磁気共鳴スペクトル法)、GLC(ガスクロマトグラフィー)を用いて分析した。得られた分析結果から、転化率(モル%)及び選択率(モル%)、並びに組成比(モル%)を求めた。
i)H−NMRスペクトル法
測定装置;JEOL ECA270(270MHz),JEOL ECA400(395MHz)
測定溶媒;重クロロホルム(CDCl
ii)GLC
分析装置;Shimadzu GC-17A
検出器;FID
カラム/温度;GL-Science TC-17(長さ30m)/170℃
(ただし、実施例5、実施例9及び実施例14は250℃を採用)
iii)転化率及び選択率の算出方法
転化率=(1−(水素化反応後の反応基質の量/水素化反応前の反応基質の量))X100
選択率=(芳香族アミン化合物の組成比/転化率)×100
前記選択率は、水素化反応した反応基質(モル)に対する目的物である芳香族アミン化合物(モル)の割合を意味する。
[製造例1]
チューブラー型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の合成
30mlの2口フラスコの片方の上部に三方コックをつけた冷却管、もう一方に活栓を付け、フラスコに磁気撹拌子を入れ、1.2KPaで減圧乾燥した後、フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した。チューブラー型炭素ナノ繊維(100mg,以下「CNF−T」と略記する。)とIr(CO)12錯体(7.5mg)をフラスコに入れ、5.3Paで10分間減圧乾燥した後、再びアルゴン雰囲気に置換した。メシチレン(17ml)をシリンジで加えて前記錯体を懸濁させた。この炭素ナノ繊維と錯体の懸濁液を165℃で24時間加熱撹拌した。反応物を室温まで冷却した後、メンブランろ紙を用いて濾取し、そのままトルエン(50ml)と引き続きジエチルエーテル(50ml)で洗浄した。洗浄した炭素ナノ繊維を30mlナスフラスコに移し、その上部に三方コックをつけた後、5.3Paの減圧下、室温で乾燥することにより、チューブラー型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒(101mg,以下「Ir/CNF−T」と略記する。)を得た。
得られたIr/CNF−Tのイリジウム金属の担持量をICP−MS(ICP質量分析)により測定したところ、1.8重量%であった。またイリジウム金属の粒子径をTEM(透過型電子顕微鏡)により測定したところ、平均粒子径1.1nmであった。なお、鉄の含有量はIPC−MSで検出限界以下であった(検出限界;0.3ppm)。
また、同様の調製方法にて繰り返し、チューブラー型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒(95mg,以下「Ir/CNF−T−2」と略記する。)を調製した。Ir/CNF−T−2は、下記実施例7〜13に使用した。得られたIr/CNF−T−2のイリジウム金属の担持量をICP−MS(ICP質量分析)により測定したところ2.3重量%、イリジウム金属の粒子径をTEM(透過型電子顕微鏡)により測定したところ平均粒子径1.2nmであった。Ir/CNF−T−2の鉄の含有量はIPC−MSで検出限界以下であった。
[製造例2]
へリングボーン型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の合成
炭素ナノ繊維としてヘリングボーン型炭素ナノ繊維(以下「CNF−H」と略記する。)を使用した他は製造例1と同様に行い、ヘリングボーン型炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒(99mg,以下「Ir/CNF−H)と略記する。)を得た。
得られたIr/CNF−Hのイリジウム金属の担持量をICP−MSにより測定したところ、2.3重量%であった。またイリジウム金属の粒子径をTEMにより測定したところ、平均粒子径1.5nmであった。なお、ニッケル及び銅の含有量はIPC−MSで検出限界以下であった。
[製造例3]
活性炭に担持したイリジウム触媒の合成
炭素ナノ繊維の代わりに活性炭(キシダ化学社製:クロマトグラフ用活性炭素;粉末)を使用した他は製造例1と同様に行い、活性炭に担持したイリジウム触媒(103mg,以下「Ir/AC1」と略記する。)を得た。
得られたIr/AC1のイリジウム金属の担持量をICP−MSにより測定したところ、1.6 重量%であった。またTEMによりイリジウム金属が活性炭に担持していることを確認した。
[実施例1]
p-クロロニトロベンゼンの還元(1)
100mlオートクレーブ用ガラス内管に、製造例1で得られたIr/CNF−T(5mg)、出発原料(反応基質)としてp-クロロニトロベンゼン(157mg,1.0mmol)、及び反応溶媒として酢酸エチル(3.0ml)を入れ、オートクレーブに設置した後、ゲージ圧力で1MPaの水素を充填した。このオートクレーブを25℃で4時間反応した。反応終了後、濾過により触媒を除き、p-クロロアニリンを得た(127mg)。得られたp-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。脱クロロ化により副生されるアニリン(不純物A)の含有量はH−NMR及びGLCで検出限界以下であった。
[実施例2]
p-クロロニトロベンゼンの還元(2)
Ir/CNF−Tの代わりに製造例2で得られたIr/CNF−Hを5mg使用し、水素化反応時間を10時間とした他は実施例1と同様に行い、p-クロロアニリンを得た。得られたp-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。脱クロロ化により副生されるアニリン(不純物A)の含有量はH−NMRで検出限界以下であった。
[実施例3]
m-クロロニトロベンゼンの還元
p-クロロニトロベンゼンの代わりにm-クロロニトロベンゼン(157mg,1.0mmol)を使用し、水素化反応時間を10時間とした他は実施例1と同様に行い、m-クロロアニリン(127mg)を得た。得られたm-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。
[実施例4]
o-クロロニトロベンゼンの還元
p-クロロニトロベンゼンの代わりにo-クロロニトロベンゼン(157mg,1.0mmol)を使用し、水素化反応時間を8時間とした他は実施例1と同様に行い、o-クロロアニリン(125mg)を得た。得られたo-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。
[実施例5]
3-メトキシカルボニル-4-クロロニトロベンゼンの還元
p-クロロニトロベンゼンの代わりに3-メトキシカルボニル-4-クロロニトロベンゼン(216mg,1.0mmol)を使用し、水素化反応時間を10時間とした他は実施例1と同様に行い、3-メトキシカルボニル-4-クロロアニリン(184mg)を得た。得られた3-メトキシカルボニル-4-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。
[実施例6]
p-クロロニトロベンゼンとアセトンからの水素化反応
100mlオートクレーブ用ガラス内管に、製造例1で得られたIr/CNF−T(5mg)、出発物質(反応基質)としてp-クロロニトロベンゼン(157mg,1.0mmol)とアセトン(0.5ml)、及び反応溶媒として酢酸エチル(3.0ml)とを入れ、オートクレーブに設置した後、ゲージ圧力で1MPaの水素を充填した。このオートクレーブを25℃で12時間反応した。反応終了後、濾過により触媒を除き、N-イソプロピル-p-クロロアニリンを得た(165mg)。得られたN-イソプロピル-p-クロロアニリンの転化率、選択率及び組成比を表1に示した。なお、算出基準の反応基質は、p-クロロニトロベンゼンである。
Figure 2012197273
[実施例7]
p-ブロモニトロベンゼンの還元
100mlオートクレーブ用ガラス内管に、製造例1で得られたIr/CNF−T−2(5mg)、反応基質(出発原料)としてp-ブロモニトロベンゼン(202mg,1.0mmol)、及び反応溶媒として酢酸エチル(3.0ml)を入れ、オートクレーブに設置した後、ゲージ圧力で1MPaの水素を充填した。このオートクレーブを25℃で11時間反応し、出発原料は全て消費された。反応終了後、濾過により触媒を除き、p-ブロモアニリン(170mg)を得た。単離されたp-ブロモアニリンの収率は99%であった。
[実施例8]
p-ヨードニトロベンゼンの還元
反応基質にp-ヨードニトロベンゼン(75mg,0.3mmol)を使用し、水素化反応温度50℃、反応時間を17時間とした他は実施例7と同様に行い、p-ヨードアニリン(65mg)を得た。なお、出発原料は全て消費された。単離されたp-ヨードアニリンの収率は99%であった。
[実施例9]
3-クロロ-4-ベンジルオキシニトロベンゼンの還元
反応基質に3-クロロ-4-ベンジルオキシニトロベンゼン(264mg,1.0mmol)を使用し、水素化反応温度50℃とした他は実施例7と同様に行い、3-クロロ-4-ベンジルオキシアニリンを得た(229mg)。なお、出発原料は全て消費された。単離された3-クロロ-4-ベンジルオキシアニリンの収率は98%であった。また、ベンジル位の水素化分解は進行していなかった。
[実施例10]
4-メチルカルボニルニトロベンゼンの還元
反応基質に4-メチルカルボニルニトロベンゼン(165mg,1.0mmol)を使用しとした他は実施例7と同様に行い、4-メチルカルボニルアニリンを得た(131mg)。なお、出発原料は全て消費された。単離された4-メチルカルボニルアニリンの収率は97%であった。また、ケトンの分解反応は進行していなかった。
[実施例11]
4-シアノニトロベンゼンの還元
反応基質に4-シアノニトロベンゼン(44mg,0.3mmol)を使用し、水素化反応温度50℃、反応時間を30時間とした他は実施例7と同様に行い、4-シアノアニリンを得た(33mg)。なお、出発原料は全て消費された。単離された4-シアノアニリンの収率は92%であった。シアノ基の還元による二量化体が3%副生した。
[実施例12]
3-(4-ニトロフェニル)アクリル酸エチルの還元
反応基質に3-(4-ニトロフェニル)アクリル酸エチル(221mg,1.0mmol)を使用し、水素化反応時間を53時間とした他は実施例7と同様に行い、3-(4-アミノフェニル)アクリル酸エチルを得た(159mg)。なお、出発原料は全て消費された。単離された3-(4-アミノフェニル)アクリル酸エチルの収率は83%であった。アルケンの水素化によるアルキル化体が16%副生した。
[実施例13]
1,2-エポキシ-3-(4-ニトロフェノキシ)プロパンの還元
反応基質に1,2-エポキシ-3-(4-ニトロフェノキシ)プロパン(59mg,0.3mmol)を使用し、水素化反応時間を36時間とした他は実施例7と同様に行い、1,2-エポキシ-3-(4-アミノフェノキシ)プロパンを得た(49mg)。なお、出発原料は全て消費された。単離された1,2-エポキシ-3-(4-アミノフェノキシ)プロパンの収率は99%であった。エポキシ基の開環反応は進行していなかった。
[実施例14]
N-(p-メトキシフェニル)-p-メチルベンズアルジミンの還元
100mlオートクレーブ用ガラス内管に、製造例1で得られたIr/CNF−T(5mg)、反応基質(出発物質)としてN-(p-メトキシフェニル)-p-メチルベンズアルジミン(225mg,1.0mmol)、及び反応溶媒として酢酸エチル(3.0ml)を入れ、オートクレーブに設置した後、ゲージ圧力で1MPaの水素を充填した。このオートクレーブを25℃で12時間反応した。反応終了後、濾過により触媒を除き、N-(p-メトキシフェニル)-1-(p-メチルフェニル)メタンアミンを得た(227mg)。得られたN-(p-メトキシフェニル)-1-(p-メチルフェニル)メタンアミンの転化率は>99%、選択率は>99%であった。
Figure 2012197273
[実施例15]
p-クロロアニリンとアセトンからの水素化反応
p-クロロニトロベンゼンの代わりにp-クロロアニリン(128mg,1.0mmol)を使用した他は実施例6と同様に行い、N-イソプロピル-p-クロロアニリンを得た(164mg)。得られたN-イソプロピル-p-クロロアニリンの転化率は>99%、選択率は>99%であった。脱クロロ化により副生物(不純物A)及び不純物Bの量はH−NMR及びGLCで検出限界以下であった。なお、算出基準は、p-クロロアニリンである。
[比較例1]
Ir/CNF−Tの代わりに製造例3で得られたIr/AC1を5mg使用した他は実施例1と同様に行った。しかしながら、水素化反応は殆ど進行しなかった。その為、転化率及び選択率並びに組成率を十分には評価できなかた。
Figure 2012197273
本発明によれば、工業的に有利な製造条件下で、高純度の芳香族アミン化合物を高選択的に製造できる。その芳香族アミン化合物は医農薬品および色素原料として有用である。

Claims (1)

  1. イリジウム触媒の存在下で水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する方法であって、
    (i)芳香族ニトロ化合物、(ii)芳香族ニトロ化合物及びカルボニル化合物、(iii)芳香族一級アミン化合物及びカルボニル化合物、又は(iv)芳香族イミン化合物を、炭素ナノ繊維に担持したイリジウム触媒の存在下で水素化反応して芳香族アミン化合物を製造する方法。
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