以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係わる定期券発行システム11の概略構成を示す図である。
定期券発行システム11は、電鉄会社などの交通機関で運用されるシステムである。定期券発行システム11は、定期券、普通乗車券または特急券などの乗車券として用いられる記憶媒体を処理するシステムである。乗車券として用いられる記憶媒体は、ICチップにデータが記録される非接触式ICカード、あるいは、磁気情報が記録される磁気券あるいは磁気カードなどの磁気式記録媒体などがある。以下に説明する実施形態においては、主に、定期券として非接触式ICカード(以下、IC定期券と称する)が用いられる場合について説明するものとする。
図1に示す構成例において、定期券発行システム11は、定期券サーバ12、および、定期券発行装置13を有する。定期券発行装置13は、係員が操作する係員定期券発行機13aおよび購入者自身が操作する自動定期券発行機13bがある。定期券発行システム11は、例えば、電鉄会社ごとに設けられるものとする。定期券サーバ12は、LANなどのセキュアなネットワーク(専用回線)を介して各所(駅など)に設置された定期券発行装置13としての係員定期券発行機13a、および、自動定期券発行機13bに接続されている。定期券サーバ12は、定期券に関する情報を管理する。例えば、定期券サーバ12は、当該システム11内の係員定期券発行機13aおよび自動定期券発行機14bで発行した定期券に関する情報を管理する。
係員定期券発行機13aは、係員窓口内に設置され、係員の操作に応じて定期券を発行する定期券発行装置である。係員定期券発行機13aは、非接触式ICカード(以下、ICカード)または磁気券を記録媒体とする新規の定期券を発行する機能を有する。また、係員定期券発行機13aは、発行済みの定期券に対する継続の定期券を発行する機能、および、発行済みの定期券に対する払戻処理を行う機能なども有する。
自動定期券発行機13bは、利用者(購入者)自身の操作に応じて定期券を発行する機能を有する。自動定期券発行機13bは、ICカードまたは磁気券を記録媒体とする新規の定期券を発行する機能を有する。また、自動定期券発行機13bは、発行済みの定期券に対する継続定期券を発行する機能なども有する。
次に、定期券発行装置13の構成について説明する。
図2は、定期券発行装置13の基本的な構成例を示すブロック図である。
図2に示す構成例において、定期券発行装置13は、制御部31、記憶部32、ICカード処理部33、磁気券処理部34、金額処理部35、操作表示部36および通信インターフェース37などを有する。
制御部31は、定期券発行装置13全体の制御を司る。制御部31は、プロセッサ、各種メモリ及び各種インターフェースなどにより構成される。制御部31では、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現している。
記憶部32は、制御プログラムおよび制御データなどを記憶する。また、記憶部32は、定期券の区間及び経路を検索するための経路データ、定期券に関する運賃データなどを記憶するようにしても良い。
ICカード処理部33は、定期券として発行するICカードを処理するユニットである。ICカード処理部33は、カードリーダライタおよび券面印刷部などにより構成する。カードリーダライタは、ICカードと通信するインターフェースである。カードリーダライタは、制御部31からの指示に応じてICカードにコマンドに供給することにより、ICカードの記憶部が記憶するデータを読み取ったり、ICカードの記憶部にデータを書き込んだりする。カードリーダライタは、IC定期券を配置する配置部を設け、配置部にセットしたIC定期券に対して記憶内容を読み取ったり、記憶内容を書き換えたりするように構成しても良い。なお、カードリーダライタは、利用者が提示するクレジットカードなどのICカードを処理する機能も有するものとしても良い。
券面印刷部は、IC定期券の表面に情報を印刷する。券面印刷部は、ICカードの表面に書換え(リライト)可能な情報を印字する機能を有する。例えば、券面印刷部は、熱を加えてICカード表面の印字内容を消去(消色)した後、ICカード表面に情報を印刷する。券面印刷部は、継続定期券を発行する場合、利用者が提示するIC定期券に印刷されている情報を消去した後、継続定期券としての券面情報(有効区間、有効期間、利用者情報など)を印刷する。
また、ICカード処理部33において、カードリーダライタと券面印刷部とは、図示しない搬送機構により接続される。例えば、ICカード処理部33は、カードリーダライタと券面印刷部とが搬送機構により搬送されるICカードに対して順に処理を施し、処理後のICカードを図示しないカード放出口から放出するように構成する。また、カードリーダライタと券面印刷部とは、カード投入口に投入されたICカードを取込んで処理するようにしても良い。
磁気券処理部34は、定期券として発行する磁気券を処理するユニットである。磁気券処理部34は、磁気情報を書込む書込ヘッド、磁気情報を読み取る読取ヘッド、券面に情報を印字する印字部および搬送機構などにより構成する。磁気券処理部34は、書込ヘッド、読取ヘッドおよび印字部が搬送機構により搬送される磁気券(磁気記録媒体)に対して順に処理を施し、定期券情報を記録した磁気券(磁気定期券)を放出口から放出するように構成する。
金額処理部35は、紙幣や硬貨などの現金を処理する。金額処理部35は、紙幣処理部及び硬貨処理部により構成される。金額処理部35は、投入口から投入された紙幣や硬貨に対して鑑査及び計数を行い、返却すべきつり銭などの現金を図示しない放出口から放出する。例えば、定期券の発行処理において、係員は、利用者(購入者)から定期券の代金として受取った受け取った現金を投入口へ投入し、放出口から放出されたつり銭を利用者へ手渡す。
操作表示部36は、操作部および表示部として機能する。例えば、操作表示部36は、タッチパネル付きの液晶表示装置により構成する。係員定期券発行機13aでは、操作表示部36は、操作する係員に対して案内などを表示し、係員からの操作指示を受付ける。また、自動定期券発行機13bでは、操作表示部36は、操作する購入者に対して操作画面や操作案内などを表示し、購入者からの操作指示を受付ける。なお、操作部および表示部はそれぞれ設けても良いし、操作部としては、テンキー、キーボードあるいはポインティングデバイスなどを設けても良い。
通信インターフェース37は、定期券サーバ12とのデータ通信を行うインターフェースである。例えば、定期券を発行する場合、通信インターフェース37は、制御部31の制御に従って定期券サーバ12への発行の可否の問合せを送信し、定期券サーバ12からの問合せに対する応答を受信する。また、定期券を発行した場合、通信インターフェース37は、制御部31の制御に従って定期券サーバ12へ発行した定期券の内容を示す情報を定期券サーバ12へ送信する。
なお、係員定期券発行機13aおよび自動定期券発行機13bは、それぞれ図2に示す構成以外にも種々の構成を具備しても良い。たとえば、係員定期券発行機13aは、係員用の表示部および操作部として機能する操作表示部の他に、利用者(購入者)に対して案内を表示する顧客表示部を設けても良い。例えば、顧客表示部は、発行する定期券の内容などを利用者に確認させるための案内を表示する。また、顧客表示部は、利用者が操作可能なタッチパネルなどの操作部を有するものであっても良い。例えば、利用者に表示内容を確認したことをタッチパネルにより入力させるようにしても良い。
また、係員定期券発行機13は、データ入力部として、利用者が記入した定期券購入の申請書や証明書を光学的に読み取るスキャナを設けても良いし、スキャナで読み取った申請書等の画像から文字を認識するOCRなどを設けても良い。例えば、利用者が手書きした氏名を定期券の券面に印刷する運用である場合、データ入力部により申請書の氏名記入欄の画像を読み取るようにすれば良い。
次に、実施形態に係る定期券発行装置13による定期券の発行処理について説明する。
定期券発行所においては、係員が、購入者(利用者)の申し出に応じて定期券を発行するための操作を行う。係員定期券発行機13aは、係員の操作に応じて定期券を発行する。また、自動定期券発行機13bは、購入者自身の操作に応じて定期券を発行する。ここでは、主として、定期券発行装置13としての係員定期券発行機13aが新規にIC定期券を発行する場合の発行処理を想定して説明するものとする。
図3は、定期券発行装置13における新規定期券の発行処理を説明するためのフローチャートである。
新規に定期券の発行を希望する購入者は、定期券発行装置13を操作する係員に定期券の発行内容などを記載した購入申込書(申請書)を提示する。また、購入者は、発行を希望する券種に応じて学生証又は通学証明書等の必要な証明書類を提示する。係員は、提示された書類を確認した後、操作表示部36により定期券の発行処理の開始を指示する。ここでは、IC定期券の新規発行が指示されるものとする。
IC定期券の新規発行が指示されると(S11、YES)、定期券発行装置13の制御部31は、発行する定期券の区間(発駅および着駅)および経由を設定する発着経由の設定処理(発着経由選択)を行う(S12)。発着経由の設定処理は、発駅、着駅、および、経由を操作者(係員)が設定(選択)する処理である。制御部31は、発着経由の設定処理を実行することにより、発駅設定部および着駅設定部として機能する。発着経由の設定処理において、制御部31は、発駅選択画面を表示して係員による発駅の選択を受付け、着駅選択画面を表示して係員による発駅の選択を受け付け、経由選択画面を表示して係員による経由の選択を受付ける。なお、発着経由の設定処理については、後で詳細に説明するものとする。
区間(発駅と着駅)および経由が設定されると、制御部31は、定期券の発行条件を設定する処理を行う(S13)。発行条件としては、定期券種別(例えば、通勤、通学、障害、介護など)、有効期間(例えば、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)、および、支払種別などがある。制御部31は、各種の発行条件を設定(選択)するための設定(選択)画面を操作表示部36に表示して係員による発行条件の入力を受付ける。なお、発行条件の一部または全部は、購入者が提示する発行済みの磁気定期券などの記憶媒体から読み取るようにしても良い。
発行条件が設定されると、制御部31は、個人情報を設定する処理(個人情報入力)を行う(S14)。個人情報は、定期券が発行される個人を特定する情報である。個人情報としては、氏名(例えば、カナ、英字)、生年月日、年齢、大小(大人/小児)、性別、電話番号などがある。制御部31は、個人情報として入力すべき各種の情報の入力画面を操作表示部36に表示し、各種の情報の入力を受付ける。なお、個人情報の一部または全部は、購入者が提示する発行済みの磁気定期券などの記録媒体から読み取るようにしても良い。
また、図3に示すS12、S13およびS14の処理は、どの順序で実施しても良い。また、制御部31は、S12、S13またはS14の処理中に他の処理に戻って再入力(設定内容の変更)を行うようにしても良い。
発着経由、発行条件および個人情報の設定が終了すると、制御部31は、設定された発着経由、発行条件および個人情報を含む発行内容を確認するための処理(入力確認処理)として、発行内容の確認画面を表示する(S15)。すなわち、入力確認処理において、制御部31は、設定された定期券の発行内容を示す確認画面を操作表示部36に表示し、発行内容の確認の指示入力を受付ける。発行内容の確認画面は定期券の区間に対する経由として設定された経路を示す情報を含むものである。経路を含む発行内容の確認画面を表示する制御部31は、経路を表示する経路表示部として機能する。
例えば、制御部31は、発行内容の確認画面において、区間に対する経由としての経路における乗降駅および乗換駅などの各駅を並べて表示する。経由として表示される経路における各駅は、会社線ごとに表示形態を変えて表示される。例えば、経路における各駅は、会社線ごとに色分けして表示される。また、経路における各駅は、会社線ごとに下線等の文字飾りを付与して表示されたり、反転表示させて表示されたりしても良い。このような表示によれば、設定した経路における会社線ごとの区分けを直観的かつ確実に認識できるように明示できる。
また、経由として表示される経路における各駅のうち連絡駅は、連絡駅であることを示す表示状態で表示される。例えば、制御部31は、連絡駅を括弧で囲んで表示する。また、連絡駅は、他の駅とは異なる特定の色で表示されても良いし、反転表示させても良いし、矩形或いは楕円などで囲んで表示させても良い。このように、経由としての経路の表示において連絡駅を括弧などで明示することによって連絡駅を確実に認識させることができる。なお、発行内容の確認画面の表示例および経由の表示例については、後で詳細に説明するものとする。
表示した発行内容に変更があれば(S16、NO)、制御部31は、係員による操作に応じてS12、S13またはS14の処理へ戻り、発行内容の変更を受付ける。また、発行内容に変更がなければ(S16、YES)、制御部31は、定期券の代金を決済するための決済処理を実行する(S17)。例えば、購入者が現金での決済を選択した場合、係員は、購入者から現金を受け取って金額処理部35に投入する。現金が投入されると、制御部31は、金額処理部35に投入された現金で定期券の代金を決済する(S17)。
定期券の代金の決済が完了すると(S18、YES)、制御部31は、定期券発行部として機能し、ICカード処理機によりIC定期券の発行処理を実行する(S19)。例えば、制御部31は、ICカード内のメモリに対して発行内容に応じた定期券情報を書込むとともに、券面印刷部により定期券情報を書込んだICカードの券面に定期券の券面情報を印刷することにより定期券を発行する。IC定期券を発行すると、制御部31は、発行したIC定期券のID情報を含む定期券情報を定期券サーバ12へアップロードし、定期券の発行処理を終了する。
上記のような発行処理によれば、定期券発行装置は、発駅および着駅を含む発行内容を設定した後、発行内容の確認画面において、発駅と着駅とからなる区間に対する経路を会社線ごとに色分けや文字飾りなどで表示状態を変更して表示する。これにより、発行する定期券の区間に対する経路における会社線ごとの区分けを明確に認識することができ、経路設定のミスなどを防止できる。
また、定期券発行装置は、発行内容の確認画面において区間に対する経路における連絡駅を括弧で囲むなどの他の駅とは異なる表示状態とする。これにより、発行する定期券の区間に対する経路における連絡駅を明確に認識することができ、経路設定のミスなどを防止できる。
次に、経路の表示を含む発行内容の確認画面の表示例について説明する。
図4は、経路の表示を含む発行内容の確認画面の表示例を示す図である。
図4に示す確認画面は、情報表示領域40Aおよびキー表示領域40Bを有し、入力確認ボタン41およびリセットボタン42が表示される。情報表示領域40Aは、設定された情報(発行内容)を表示する領域である。キー表示領域40Bは、後述する各種の情報の設定(選択)画面において各種の選択キーが表示される領域である。入力確認ボタン41は、情報表示領域40Aに表示された発行内容を確認したことを指示するボタンである。リセットボタン42は、設定した定期券の発行内容をリセットすることを指示するボタンである。また、図4に示す確認画面には、操作案内なども表示される。
図4に示す確認画面の情報表示領域40Aには、個人情報、発行条件および発着経由の各種情報が表示される。個人情報としては、氏名、生年月日、年齢、大人/小児、性別および電話番号などの情報がそれぞれの表示欄に表示される。発行条件としては、新規/継続、定期券種別、開始日、終了日、有効期間、支払種別などがそれぞれの表示欄に表示される。発着経由としては、発駅、着駅、経由がそれぞれの表示欄43、44、45に表示される。
図4に示す確認画面において、表示欄43は、発駅を表示する表示エリアであり、定期券の区間の発駅として設定された駅名が表示される。表示欄44は、着駅を表示する表示エリアであり、定期券の区間の着駅として設定された駅名が表示される。表示欄45は、発駅から着駅までの区間に対する経路(経由)を表示する表示エリアである。表示欄45には、経路における各駅が並べられ、会社線ごとに表示状態を変えて表示される。さらに、表示欄45では、経路における連絡駅が他の駅とは異なる表示状態で表示される。
図5乃至図8は、表示欄45における経路の表示例を示す図である。図5は、1つの会社線からなる経路(自線単独の経路)の表示例を示す図である。図6は、2つの会社線からなる経路(2線連絡の経路)の表示例を示す図である。図7は、3つの会社線からなる経路(3線連絡の経路)の表示例を示す図である。図8は、4つの会社線からなる経路(4線連絡の経路)の表示例を示す図である。
自線(1社線)単独の経路である場合、図5に示すように、表示欄45には、発駅の情報(発駅の駅名と路線名)と着駅の情報(発駅の駅名と路線名)とが同じ色で並べて表示される。図5の例では、「a駅」、「A線」、「b駅」、「B線」が同じ色で並べて表示欄45に表示される。
2線連絡の経路である場合、図6に示すように、表示欄45には、自線区間の駅を示す情報に加えて、連絡駅と2社線目の着駅の情報とが表示される。図6に示す例では、表示欄45に、自線区間の駅を示す情報である「a駅」、「A線」、「b駅」、「B線」が第1の色で並べて表示され、連絡駅を示す「c駅」および2社線目における着駅を示す「d駅」、「D線」が第1の色とは異なる第2の色で表示される。また、「c駅」、「d駅」および「D線」は、下線が付された状態で表示される。さらに、連絡駅である「c駅」は、括弧で囲んで表示される。
すなわち、2線連絡の経路の表示例としての図6に示す例では、2社線目の駅が、自線区間の駅とは異なる色で下線を付して表示され、連絡駅が、括弧で囲んで表示される。このような経路の表示によれば、2社線目の駅が自線区間の駅とは異なる表示状態で表示されるとともに、連絡駅が他の駅とは異なる表示状態で表示される。このため、自線と2社線との区分けが分かり易く、連絡駅を明確になる。
3線連絡の経路である場合、図7に示すように、表示欄45には、自線区間の駅を示す情報と2社線目の駅を示す情報と3社線目の駅を示す情報とが並べて表示される。図7の例では、自線区間の駅を示す「a駅」、「A線」、「b駅」、「B線」が第1の色で並べて表示され、2社線目の駅を示す「d駅(連絡駅)」、「d駅」、「D線」が第1の色とは異なる第2の色で表示され、3社線目の駅を示す「e駅(連絡駅)」、「f駅」、「F線」が第2の色とは異なる第3の色(第1の色であっても良い)で表示される。また、2社線目の駅を示す「d駅(連絡駅)」、「d駅」および「D線」は、下線が付された状態で表示される。また、経路上の連絡駅である「d駅」および「e駅」は、括弧で囲んで表示される。
すなわち、3線連絡の経路の表示例としての図7に示す例では、2社線目の駅が、自線区間の駅および3社線目の駅とは異なる色で下線を付して表示され、連絡駅が、括弧で囲んで表示される。このような経路の表示によれば、3線連絡の経路において、隣り合って表示される他の会社線の駅を示す情報が互いに異なる表示状態で表示されるため、会社線ごとの区分けが分かり易い。また、各連絡駅が他の駅とは異なる表示状態で表示されるため、連絡駅を直観的に視認することも可能となる。
4線連絡の経路である場合、図8に示すように、表示欄45には、自線区間の駅を示す情報と2社線目の駅を示す情報と3社線目の駅を示す情報と4社線目の駅を示す情報とが並べて表示される。図8の例では、自線区間の駅を示す「a駅」、「A線」、「b駅」、「B線」が第1の色で並べて表示され、2社線目の駅を示す「d駅(連絡駅)」、「d駅」、「D線」が第1の色とは異なる第2の色で表示され、3社線目の駅を示す「e駅(連絡駅)」、「f駅」、「F線」が第2の色とは異なる第3の色(第1の色であっても良い)で表示され、4社線目の駅を示す「g駅(連絡駅)」、「h駅」、「H線」が第3の色とは異なる第4の色(第2の色であっても良い)で表示される。また、2社線目の駅を示す「d駅(連絡駅)」、「d駅」および「D線」と、4社線目の駅を示す「g駅(連絡駅)」、「h駅」および「H線」とは、下線が付された状態で表示される。また、経路上の連絡駅である「d駅」、「e駅」および「g駅」は、括弧で囲んで表示される。
すなわち、4線連絡の経路の表示例としての図8に示す例では、2社線目の駅が自線区間の駅および3社線目の駅とは異なる色で下線を付して表示され、4社線目の駅が3社線目の駅とは異なる色で下線を付して表示される。このような経路の表示によれば、4線連絡の経路においても、隣り合って表示される他の会社線の駅を示す情報が互いに異なる表示状態で表示されるため、会社線ごとの区分けが分かり易い。また、各連絡駅が他の駅とは異なる表示状態で表示されるため、連絡駅を直観的に視認することも可能となる。
図6乃至図8に示すように、本実施形態に係る定期券発行装置は、経由として複数の会社線を含む経路を表示する場合、経路における各駅の情報を会社線ごとに異なる表示状態で表示し、連絡駅を他の駅とは異なる表示状態で表示する。これにより、定期券発行装置を操作する係員又は購入者は、表示部に表示された経路において、会社線の区切りおよび連絡駅を直観的に分かり易く視認でき、設定する区間に対する経路(経由)の確認を確実に行うことができる。この結果として、本実施形態に係る定期券発行装置は、定期券の区間に対する経路(経由)の設定ミスなどを防止する効果が期待できる。
次に、発着経由の設定処理について説明する。
図9は、定期券発行装置13における発着経由の設定処理の例を説明するためのフローチャートである。
発着経由の設定処理を開始すると、定期券発行装置13の制御部31は、まず、発駅設定部として機能し、発駅の設定処理を行う(S31)。発駅の設定処理として、制御部31は、発駅選択画面を操作表示部36に表示し、係員による発駅の選択を受付ける。制御部31は、発駅選択画面において、操作表示部36にて選択可能な発駅の候補を表示する。
図10は、発駅選択画面の表示例である。図10に示す発駅選択画面は、会社選択領域100A、路線選択領域100Bおよび駅選択領域100Cを有する。会社選択領域100A、路線選択領域100Bおよび駅選択領域100Cは、図4に示すキー表示領域40Bに対応する位置に設けられる。
会社選択領域100Aには、会社を選択するための少なくとも1つの会社キー101と当駅を選択する当駅キー102とが表示される。会社キー101は、発駅が存在する路線を運用する会社を選択するボタンである。当駅キー102は、当該定期券発行装置が設置されている駅(当駅)を発駅に設定することを指示するボタンである。
路線選択領域100Bには、路線を選択するための少なくとも1つの路線キー103が表示される。例えば、路線選択領域100Bには、会社選択領域100Aにおいて選択状態となっている会社キー101が対応する会社に属する各路線に対応する複数の路線キー103が表示される。
駅選択領域100Cには、発駅として選択可能な少なくとも1つの駅キー104が表示される。例えば、駅選択領域100Cには、路線選択領域100Bにおいて選択状態となっている路線キー103が対応する路線上の各駅に対応する複数の駅キー104が表示される。
すなわち、図10に示す発駅選択画面は、操作者(係員)が、会社選択領域100Aにおける会社キー101、路線選択領域100Bにおける路線キー103、および、駅選択領域100Cにおける駅キー104の順番に選択することにより所望の発駅が選択できるように構成されている。
発駅が設定されると、制御部31は、着駅設定部として機能し、着駅の設定処理を行う(S32)。着駅の設定処理として、制御部31は、着駅選択画面を操作表示部36に表示し、係員による着駅の選択を受付ける。制御部31は、着駅選択画面において、操作表示部36にて選択可能な着駅の候補を表示する。
図11は、着駅選択画面の表示例である。図11に示す着駅選択画面は、会社選択領域110A、路線選択領域110Bおよび駅選択領域110Cを有する。会社選択領域110A、路線選択領域110Bおよび駅選択領域110Cは、図4に示すキー表示領域40Bに対応する位置に設けられる。
会社選択領域110Aには、会社を選択するための少なくとも1つの会社キー111が表示される。会社キー111は、着駅が存在する路線を運用する会社を選択するボタンである。路線選択領域110Bには、路線を選択するための少なくとも1つの路線キー112が表示される。例えば、路線選択領域110Bには、会社選択領域110Aにおいて選択状態となっている会社キー111が対応する会社に属する各路線に対応する複数の路線キー112が表示される。駅選択領域110Cには、着駅として選択可能な各駅に対応する少なくとも1つの駅キー113が表示される。例えば、駅選択領域110Cには、路線選択領域110Bにおいて選択状態となっている路線キー112が対応する路線上の各駅に対応する少なくとも1つの駅キー113が表示される。
すなわち、図11に示す着駅選択画面では、操作者(係員)が、会社選択領域110Aにおける会社キー111、路線選択領域110Bにおける路線キー112、駅選択領域110Cにおける駅キー113の順番に選択することにより所望の着駅が選択できるように構成されている。また、図11に示す着駅選択画面は、駅の名称から着駅を検索するための駅名検索キー114も具備する。駅名検索キー114が選択されると、操作表示部36は、文字入力画面を表示し、文字入力画面において入力された文字に応じて駅名を検索した結果から着駅として選択可能な駅キーを表示するようになっている。
発駅および着駅からなる区間が設定されると、制御部31は、経由の設定処理を行う(S33−S40)。経由の設定処理において、制御部31は、設定された区間が1社線(自線)単独の経路か否かを判断する(S33)。自線単独であると判断した場合(S33、NO)、制御部31は、S38へ進む。
自線単独ではないと判断した場合(S33、YES)、制御部31は、設定された区間において自線の出口となる駅(自線から他の会社線への乗換駅)の候補が複数存在するか否かを判断する(S34)。自線出口の候補となる駅が1つである(自線出口が一意に決まる)と判断した場合(S34、NO)、制御部31は、当該駅を自線出口として設定し、S36へ進む。
また、自線出口の候補が複数存在すると判断した場合(S34、YES)、制御部31は、自線出口となる駅を設定するための自線出口の選択処理を行う(S35)。自線出口の選択処理として、制御部31は、自線出口の選択画面を操作表示部36に表示し、係員による自線出口となる駅の選択を受付ける。制御部31は、自線出口の選択画面において、選択可能な自線出口となりうる複数の駅の候補を表示する。
図12は、自線出口の選択画面の表示例である。図12に示す自線出口の選択画面は、設定された区間において、自線から他の会社線への乗換えが可能な駅の候補を駅キー121として表示する。ここでは、自線出口が複数ある場合に自線出口の選択画面を表示する。このため、制御部31は、自線出口の駅(乗換駅)として選択可能な複数の駅に対応する複数の駅キー121を表示した自線出口の選択画面を操作表示部36に表示する。操作者(係員又は購入者)は、自線出口の選択画面において自線出口とする駅の駅キーを選択して指示する。制御部31は、自線出口の選択画面において選択された駅を自線出口として設定する。
自線出口を設定すると、制御部31は、設定した区間および自線出口に対して、2線単独または3線入口(3つ目の会社線への入口となる駅)の候補が複数存在するかを判断する(S36)。2線単独または3線入口の候補がないと判断した場合(S36、NO)、制御部31は、S38へ進む。
また、2線単独または3線入口の候補が複数存在すると判断した場合(S36、YES)、制御部31は、2線単独または3線入口を設定するための処理として、2線単独または3線入口を複数の候補から選択する選択処理(3線入口の選択処理)を行う(S37)。3線入口の選択処理として、制御部31は、2線単独または3線入口を選択するための3線入口の選択画面を操作表示部36に表示し、操作者による2線単独または3線入口の選択を受付ける。
図13は、3線入口の選択画面の表示例である。図13に示す表示例では、3線入口となりうる少なくとも1つの各駅に対応する駅キー131と2線単独を指示する2線単独キー132とを選択可能な候補として操作表示部36に表示する。操作者(係員又は購入者)は、3線入口の選択画面において、3線入口とする駅の駅キー131または2線単独キー132の何れか1つを選択する。制御部31は、駅キー131の何れかが選択された場合には選択された駅キーに対応する駅を3線入口の駅として設定し、2線単独キー132が選択された場合には2線単独を設定する。
上記S37までの処理によって経路を検索するための条件(区間および連絡駅)が設定される。経路を検索するための条件が設定すると、制御部31は、設定された条件(区間および連絡駅)に基づいて経路候補を検索し、検索結果として得られた経路候補を経路選択画面に表示する(S38)。操作者は、経路選択画面に表示される経路候補から1つの経路を選択する。制御部31は、操作者が選択する経路候補から選択する経路を発行する定期券の経由として設定する。
図14は、経路選択画面の表示例を示す図である。
図14に示す表示例では、設定された条件に基づいて検索された経路候補を示す情報が表示される。図14に示す例では、経路選択画面に複数の経路候補141〜147が表示される。経路選択画面における各経路候補141〜147としては、経路を示す情報と各期間の定期券代金とがそれぞれ表示される。操作者は、経路選択画面に表示された各経路候補141〜147から所望の経路を選択する。
また、図14に示す経路選択画面における各経路候補141〜147では、それぞれに設定された経路表示欄141a〜147aに経路を示す情報が表示される。各経路表示欄141a〜147aには、図5乃至図8に示すような表示形式で経路を示す情報が表示される。すなわち、各経路表示欄141a〜147aには、経路における各駅の情報を会社線ごとに異なる表示状態(異なる色および/または下線等の文字飾り)で表示し、連絡駅を他の駅とは異なる表示状態で表示する。これにより、操作者は、経路候補として表示された経路における会社線ごとの区切りおよび連絡駅を直観的に分かり易く視認でき、経路(経由)の選択を確実に行うことができる。
経路候補から1つの経路が選択されると(S39、YES)、制御部31は、選択された経路を設定された区間に対する経由して設定する(S40)。経由が設定されると、制御部31は、発駅、着駅および経由などの発着経由の設定内容を示す発着経由の確認画面を表示する(S41)。
発着経由の確認画面は、図4に示す確認画面と同様な構成の画面であっても良い。例えば、制御部31は、個人情報および発行条件が設定されていなければ、発駅、着駅および経由を図4に示す表示欄43、44および45に表示した発着経由の確認画面を表示するようにして良い。上述したように、表示欄45には、経由として設定された経路における乗降駅および連絡駅などの各駅が並べて会社線ごとに表示形態を変えて表示され、連絡駅が他の駅とは区別されて表示される。
発着経由の確認画面を表示した場合、制御部31は、設定内容の確認指示、または、変更する項目の指示を受付ける。発着経由の設定内容に対して変更の指示を受けた場合(S42、NO)、制御部31は、操作者による操作に応じてS31、S32、S35またはS37などの処理へ戻り、発着経由の設定内容の変更を受付ける。また、設定内容の確認指示を受けた場合、つまり、表示した発着経由の設定内容に変更がない場合(S42、YES)、制御部31は、発着経由の設定処理を終了する。
なお、上述した例では、定期券発行装置13として係員定期券発行機13aを想定して定期券の発行処理について説明したが、自動定期券発行機13bにおいても同様な定期券の発行処理を実現できる。ただし、自動定期券発行機13bは、定期券の発行処理に対する操作に不慣れな購入者自身が操作者となるため、係員定期券発行機13aよりも直観的に認識しやすい表示内容や操作工程が少ない操作手順が要望される。
例えば、図15は、自動定期券発行機13bにおける経路選択画面の表示例である。図9に示す発着経由の設定処理の例では、自線出口(乗換駅)、および、3線入口または2線単独などを操作者が選択した後に経路候補を検索したが、自動定期券発行機13bでは、乗換駅等を操作者が指定すること無く、操作者が指定した発駅および着駅に基づいて経路候補を検索するようにしても良い。
図15に示す経路選択画面では、設定した発駅および着駅を条件として経路候補を検索した結果として、2線連絡の経路、3線連絡の経路および4線連絡の経路が経路候補として表示されている。また、各経路候補は、図5乃至図8に示すように、会社線の区分け、および、連絡駅を明確にした表示状態で表示される。これにより、購入者自身が操作者であっても、会社線の区分け、および、連絡駅が分かり易い経路の表示が実現できる自動定期券発行機を提供できる。
上記のような実施形態によれば、定期券発行装置は、発駅および着駅を含む発行内容を設定した後、発行内容の確認画面あるいは経路選択画面において、発駅と着駅とからなる区間に対する経路を会社線ごとに色分けや文字飾りなどで表示状態を変更して表示する。これにより、操作者は、発行する定期券の区間に対する経路における会社線ごとの区分けを明確に認識することができ、経路設定のミスなどを防止できる。
また、定期券発行装置は、発行内容の確認画面あるいは経路選択画面において、区間に対する経路における連絡駅を括弧で囲むなどの他の駅とは異なる表示状態とする。これにより、発行する定期券の区間に対する経路における連絡駅を明確に認識することができ、経路設定のミスなどを防止できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。