JP2018186646A - ワイヤレス電力伝送システム、およびワイヤレス電力伝送システムの保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤレス電力伝送システムにおいて、予期された整流電圧の変動に対しては保護動作を行わず、処理を継続する。【解決手段】ワイヤレス電力伝送システムSは、給電装置1および受電装置2を備える。給電装置1は、受電装置2と無線通信する無線ユニット16と、インバータを制御するプロセッサ17とを備える。受電装置2は、負荷29およびDC/DCコンバータ23と、無線ユニット26と、負荷29およびDC/DCコンバータ23を制御するプロセッサ27とを備える。プロセッサ27は、整流電圧値の情報を生成すると共に、整流電圧値の変動が予期されたものであるか否かを示す変動情報をセットまたはクリアして、給電装置1に、整流電圧値と変動情報とを含む情報を送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤレス電力伝送システム、およびワイヤレス電力伝送システムの保護方法に関する。
近年、金属接点やコネクタなどを介さずに電力を伝送するワイヤレス電力伝送技術を採用した機器が増えている。ワイヤレス電力伝送は、ワイヤレス給電や非接触電力伝達とも呼ばれる。
このワイヤレス電力伝送を大別すると、電力を電磁波(マイクロ波)に変換して給電する方式と、電界結合の共振現象を利用した方式と、磁界結合による方式とがある。この磁界結合による磁場の共振現象を利用するタイプには、例えば、特許文献1に記載の発明がある。
特許文献1の要約書の解決手段には、「給電コイルL2から受電コイルL3には磁気共振により電力が伝送される。VCO202は、スイッチングトランジスタQ1とスイッチングトランジスタQ2を駆動周波数foにて交互にオン・オフさせ、給電コイルL2に交流電力を供給し、給電コイルL2から受電コイルL3に交流電力を供給する。位相検出回路114は電流位相と電圧位相の位相差を検出し、VCO202はこの位相差がゼロとなるように駆動周波数foを調整する。負荷電圧が変化したときには電流位相の検出値が調整され、結果として駆動周波数foが調整される。」と記載されている。
特開2011−139621号公報
ワイヤレス電力伝送システムの整流電圧値を安定化するため、この整流電圧値情報を給電装置に無線でフィードバックすることが考えられる。このような無線通信データによるワイヤレス電力伝送システムは、例えば、受電装置から給電装置に周期的に無線モジュール(Bluetooth(登録商標))を介して電圧値を送信する。給電装置は、受信した電圧値に基づくフィードバック制御を行う。
このようなワイヤレス電力伝送システムでは、定常的にデータ作成処理や通信処理による制御の遅延が発生する。更に、他の無線通信機器からの干渉や電磁ノイズ等により、通信データが遅延または欠落し、通信周期が変動する。この制御の遅延を考慮して、インバータ回路を制御するエラーアンプの時定数は、通信周期より長く設定されるとよい。しかし、予期された整流電圧の変動(上位システムからの指示に伴う電圧変動)だとしても整流電圧が所定電圧の範囲を超えた場合には保護動作するという問題がある。
受電装置の上位システムである負荷が整流電圧を降圧して利用する場合、整流電圧が一時的に所定電圧の範囲外となることがある。これにより給電装置が保護動作として例えばワイヤレス給電を停止すると、受電装置およびその負荷が動作できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、ワイヤレス電力伝送システムにおいて、予期された整流電圧の変動に対しては保護動作を行わないことを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明のワイヤレス電力伝送システムは、給電装置および受電装置を備える。
前記給電装置は、ワイヤレスで電力を送信する給電コイルと、前記給電コイルを駆動するインバータと、前記受電装置と無線通信する第1の無線ユニットと、前記第1の無線ユニットと前記インバータとを制御する第1のプロセッサとを備える。
前記受電装置は、前記給電装置の前記給電コイルからワイヤレスで電力を受信する受電コイルおよびコンデンサを含み、共鳴電圧を発生する共鳴回路と、前記共鳴電圧を整流して整流電圧を出力する整流回路と、前記整流電圧によって駆動される負荷と、前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットと無線通信する第2の無線ユニットと、前記負荷と前記第2の無線ユニットを制御する第2のプロセッサとを備える。
前記第2のプロセッサは、前記整流電圧を元に整流電圧値の情報を生成すると共に、前記整流電圧値の変動が予期されたものであるか否かを示す変動情報をセットまたはクリアして、前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットに、前記整流電圧値と前記変動情報を含む情報を送信する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、ワイヤレス電力伝送システムにおいて、予期された整流電圧の変動が発生した場合に上位システムの動作を継続可能である。
本実施形態におけるワイヤレス電力伝送システムを示す概略の構成図である。 制御回路の構成図である。 ワイヤレス電力伝送システムを示すブロック図である。 受電装置の処理を示すフローチャート(その1)である。 受電装置の処理を示すフローチャート(その2)である。 操作または負荷変動と、変動カウンタの閾値の対応を格納した閾値テーブルを示す図である。 給電装置の処理を示すフローチャート(その1)である。 給電装置の処理を示すフローチャート(その2)である。 正常動作時を示すタイミングチャートである。 受電側の電圧が所定期間以上に亘って所定電圧の範囲外である場合を示すタイミングチャートである。 変動フラグがセットされ、変動カウンタがカウントされており、受電側の電圧が所定期間以上に亘って所定電圧の範囲外であり、かつ目標値との差が拡大する方向に変化した場合を示すタイミングチャートである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるワイヤレス電力伝送システムSを示す構成図である。
ワイヤレス電力伝送システムSは、給電装置1が受電装置2に対して磁界結合により電力を伝送するシステムである。以下、給電側と受電側それぞれの構成について説明する。
給電側である給電装置1は、直流電源18、制御回路11、インバータ回路12、給電コイルL1、初期電圧制御回路13、無線モジュールM1、降圧回路Re1、操作部19、報知部10を含んで構成される。
制御回路11は、初期電圧制御回路13や無線モジュールM1が出力する信号に基づき、ゲート信号G1〜G4を生成してインバータ回路12を制御する。このゲート信号G1〜G4は、インバータ回路12を制御する駆動制御信号である。この制御回路11の電源端子VDCは、直流電源18に接続されており、直流電圧Vdcが印加されることにより制御回路11が動作する。更に制御回路11は、定電圧端子VREGから所定の定電圧Vregを初期電圧制御回路13に印加する。この制御回路11は、無線モジュールM1が受信した整流電圧情報に基づき、パルス電力のオンデューティを可変制御するようにゲート信号G1〜G4を生成し、インバータ回路12を制御する。
インバータ回路12は、例えばPMOS(Q1,Q2)とNMOS(Q3,Q4)で構成されたフルブリッジ回路であり、受電装置2側の共鳴周波数で駆動するためのパルス電力を給電コイルL1に出力する。このインバータ回路12は、直流電源18に接続されており、直流電圧Vdcが印加されて動作する。インバータ回路12は、給電コイルL1に矩形波電圧を印加する。給電コイルL1には三角波(鋸歯状)の電流が流れ、受電装置2にワイヤレスで電力を送信する。なお、インバータ回路12は、全てNMOSで構成してもよい。
初期電圧制御回路13は、初期電圧を設定する初期電圧設定回路14と、初期電圧の設定を解除する初期電圧設定解除回路15とを備える。具体的にいうと、初期電圧設定回路14は、分圧抵抗R1,R2を含んで構成される。初期電圧設定解除回路15は、トランジスタQ5を含んで構成され、分圧抵抗R1,R2の接続点である初期電圧のノードを、グランドの電位に落とす機能を有する。この初期電圧制御回路13は、制御回路11の定電圧端子VREGから所定の定電圧Vregが印加されて動作し、初期駆動制御信号Ssを端子FB1に出力する。制御回路11は、初期駆動制御信号Ssに基づき、ゲート信号G1〜G4のオンデューティの初期値を設定する。このとき、ワイヤレス給電はアイドル状態となり、後記する受電装置2の2次側電源部28は、無線モジュールM2が動作可能な第1の所定電圧Va1(例えば5V)を供給する。
無線モジュールM1は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energyに準拠した無線ユニット16と、プロセッサ17を含んで構成される。無線ユニット16(第1の無線ユニット)は、受電装置2の無線ユニット26との間で無線通信路を介して信号を送受信する機能を有する。なお、無線ユニット16の電界強度と、後記する無線ユニット26の電界強度は、いずれも35μV/m以下である。
なお、無線ユニット16と無線ユニット26との間の通信は、電波通信に限られず、可視光通信や赤外線通信や超音波通信などの無線通信であってもよく、限定されない。
プロセッサ17(第1のプロセッサ)は、例えば記憶部と処理装置とを備えたマイクロコンピュータであり、不図示の給電制御プログラムを実行して制御回路11や初期電圧設定解除回路15を制御する。具体的にいうと、プロセッサ17は、制御信号(第1の制御信号)S1を制御回路11の端子FB2に出力して受電側に供給する電力をフィードバック制御する。更にプロセッサ17は、制御信号(第2の制御信号)S2を初期電圧設定解除回路15のトランジスタQ5のベースに出力してトランジスタQ5をオンさせて初期駆動制御信号Ssを0Vに設定する。更にプロセッサ17は、制御信号(第3の制御信号)S3を端子SDに出力して、制御回路11をシャットダウンさせる。
プロセッサ17は、給電装置1の上位システムである操作スイッチやタッチパネル等で構成される操作部19から操作情報を取得する。プロセッサ17は、操作部19から取得した操作情報を、無線ユニット16を介して受電装置2に送信する。これによりユーザは、負荷29を操作することができる。この負荷29とは、例えばLED(light emitting diode)照明である。
更にプロセッサ17は、給電装置1の上位システムである液晶ディスプレイやスピーカ等で構成される報知部10にアラームを出力する。これにより、ワイヤレス給電に係るエラーをユーザに報知することができる。
この無線モジュールM1は、降圧回路Re1から駆動電圧V1(例えば、3.3V)の電力が供給されて動作する。降圧回路Re1は、直流電圧Vdcが印加されて駆動電圧V1の電力を供給する素子である。
受電側である受電装置2は、共鳴回路21、整流回路22、DC/DCコンバータ(直流変換回路;負荷の一例)23、分圧回路24、無線モジュールM2、降圧回路Re2を含んで構成される。
共鳴回路21は、受電コイルL2と共鳴コンデンサC1とが並列接続されたLC共鳴回路である。この共鳴回路21は、給電装置1の給電コイルL1からワイヤレスで電力を受信し、共鳴電圧を発生する。
整流回路22は、入力された交流を直流に整流するダイオードブリッジDBと、整流した電圧を平滑化する平滑コンデンサC2とを含んで構成される。これにより整流電圧Vaの電力が出力され、DC/DCコンバータ23、分圧回路24、降圧回路Re2に供給される。2次側電源部28は、共鳴回路21と整流回路22を含んで構成される。
無線モジュールM2は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energyに準拠した無線ユニット26と、プロセッサ27とを含んで構成される。無線モジュールM2は、降圧回路Re2から駆動電圧V2(例えば、3.3V)の電力が供給されて動作する。
無線ユニット26(第2の無線ユニット)は、給電装置1との間で無線通信路を介して信号を送受信する機能を有する。プロセッサ27(第2のプロセッサ)は、例えば記憶部と処理装置とを備えたマイクロコンピュータであり、不図示の受電制御プログラムを実行してDC/DCコンバータ23を制御する。更にプロセッサ27は、検出電圧V3を計測して整流電圧情報を生成し、この整流電圧情報を無線ユニット26によって給電装置1に送信する。更にプロセッサ27は、制御信号S4をDC/DCコンバータ23に出力して、このDC/DCコンバータ23を起動または停止させる。
プロセッサ27は更に、給電装置1の操作部19から入力された操作情報を、無線ユニット26を介して受信し、この操作情報に基づきDC/DCコンバータ23や負荷29を制御する。
DC/DCコンバータ23は、2次側電源部28から第2の所定電圧Va2(例えば、12V)の電力が供給されると、これを別の出力電圧Voutの電力に変換する回路である。DC/DCコンバータ23の出力電圧Voutにより負荷29が駆動される。DC/DCコンバータ23は、第2の所定電圧Va2が変動しても出力電圧Voutが一定となるように動作する。よって負荷29を安定に動作させることができる。DC/DCコンバータ23と負荷29とは、この受電装置2における負荷部25に相当する。このDC/DCコンバータ23は、無線モジュールM2から出力される制御信号(第4の制御信号)S4により起動または停止する。
分圧回路24は、分圧抵抗R3,R4を含んで構成され、整流電圧Vaを分圧した検出電圧V3を、無線モジュールM2のプロセッサ27に印加する。
この無線モジュールM2は、降圧回路Re2から駆動電圧V2(例えば、3.3V)の電力が供給されて動作する。降圧回路Re2は、整流電圧Vaが印加されて駆動電圧V2の電力を供給する素子であり、ここでは無線モジュールM2に供給している。
図2は、制御回路11の構成図である。
制御回路11は、降圧回路111、オペアンプ112,113、比較器114、ロジック回路115、発振回路116を含んで構成される。この制御回路11は、電源端子VDC、グランド端子GND、定電圧Vregを出力する定電圧端子VREGと、入力側の端子FB1,FB2および端子SDと、出力側の端子G1,G2,G3,G4と、を含んでいる。
電源端子VDCには直流電圧Vdcが印加され、グランド端子GNDはグランドに接続される。
降圧回路111は、定電圧Vregを生成する回路であり、例えばレギュレータが電源端子VDCとグランド端子GNDに接続されて、直流電圧Vdcから生成した定電圧Vregを定電圧端子VREGに出力する。
オペアンプ112と抵抗R7とコンデンサC5とは、積分回路を構成する。抵抗R7の一端は、端子FB1を介してオペアンプ112の反転入力端子に接続される。コンデンサC5の一端は端子FB1を介してオペアンプ112の反転入力端子に接続され、他端はオペアンプ112の出力端子に接続される。オペアンプ112の非反転入力端子には、基準電圧Vref1が印加される。
この積分回路は、抵抗R7の他端に初期駆動制御信号Ssが入力されたとき、基準電圧Vref1と初期駆動制御信号Ssとの電位差を積分した出力信号SsCを出力する。この積分回路は、初期駆動制御信号Ssが基準電圧Vref1と等しくなるように積分時定数τsをもって制御する。初期駆動制御信号Ssは、初期電圧制御回路13の初期電圧設定回路14から入力される。
オペアンプ113と抵抗R6とコンデンサC4とは、積分回路を構成する。抵抗R6の一端は、端子FB2を介してオペアンプ113の反転入力端子に接続される。コンデンサC4の一端は端子FB2を介してオペアンプ113の反転入力端子に接続され、他端はオペアンプ113の出力端子に接続される。オペアンプ113の非反転入力端子には、基準電圧Vref2が印加される。
この積分回路は、抵抗R6の他端に制御信号S1が入力されたとき、基準電圧Vref2と制御信号S1の電位差を積分した出力信号S1Cを出力する。この積分回路は、制御信号S1が基準電圧Vref2と等しくなるように積分時定数τ1をもって制御する。制御信号S1は、無線モジュールM1のプロセッサ17から入力される。なお、これらオペアンプ112,113はコレクタ出力であり、それぞれの出力端子が接続されている。
比較器114の反転入力端子には、これらオペアンプ112,113の出力端子が接続されて出力信号SsCまたは出力信号S1Cのうち電圧の低い方が入力される。比較器114の非反転入力端子には、発振回路116の三角波信号Stが入力される。これにより、反転入力端子に印加された電圧に応じたオンデューティのパルス信号を生成することができる。
ロジック回路115は、入力側に比較器114の出力端子と、三角波信号Stと、端子SDとが接続され、出力側にゲート信号の出力端子が接続される。このロジック回路115は、三角波信号Stの上限ピーク、下限ピークと比較器114から入力されたパルス信号の立ち下がりからゲート信号G1,G2とゲート信号G3,G4とをそれぞれ生成する。ロジック回路115は、端子SDに無線モジュールM1のプロセッサ17から制御信号S3が入力されると、ゲート信号G1〜G4の出力動作を停止する。
発振回路116は、抵抗R5とコンデンサC3とに接続されて発振し、三角波を出力する。
図3は、ワイヤレス電力伝送システムSを示すブロック図である。
図3に示すワイヤレス電力伝送システムSは、図1に示した各部を模式化して示したものである。ワイヤレス電力伝送システムSは、給電装置1と受電装置2を含んで構成される。
給電装置1は、直流電源18、オペアンプ113、ロジック回路115、インバータ回路12、給電コイルL1、無線モジュールM1、降圧回路Re1、操作部19、報知部10を含んで構成される。なお、無線モジュールM1は、“BLEモジュール”と記載されている。なおプロセッサ17は、入出力回路171やD/Aコンバータ172を含んでいてもよい。
直流電源18は、降圧回路Re1、インバータ回路12、操作部19、報知部10に直流電圧Vdcを印加する。降圧回路Re1は、無線モジュールM1に駆動電圧V1を印加する。
無線モジュールM1は、プロセッサ17、無線ユニット16、入出力回路171、D/Aコンバータ172を備える。プロセッサ17は、この無線モジュールM1を統括制御する。入出力回路171は、操作部19から操作情報を取得し、報知部10にアラームを出力する。D/Aコンバータ172は、オペアンプ113にアナログの制御信号S1を出力する。
受電装置2は、受電コイルL2、整流回路22、分圧回路24、無線モジュールM2、降圧回路Re2、負荷部25を含んで構成される。なお、無線モジュールM2は、“BLEモジュール”と記載されている。整流回路22は、分圧回路24、降圧回路Re2、負荷部25に整流電圧Vaを供給する。降圧回路Re2は、無線モジュールM2に駆動電圧V2を供給する。
無線モジュールM2は、プロセッサ27、無線ユニット26、入出力回路271、A/Dコンバータ272、閾値テーブル273を備える。閾値テーブル273は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などに格納されたテーブルである。この閾値テーブル273には、操作情報や受電側の変化と、負荷変動が発生するか否かと、負荷変動時における変動カウンタの閾値との対応が格納されている。ここで負荷変動とは、負荷29の駆動に伴い整流電圧が変動することをいう。分圧回路24は、整流電圧Vaを分圧する分圧抵抗である。分圧回路24は、整流電圧Vaを分圧した検出電圧V3を、無線モジュールM2のA/Dコンバータ272に出力する。なおプロセッサ27は、入出力回路271やA/Dコンバータ272を含んでいてもよい。
《ワイヤレス電力伝送システムSの動作》
給電装置1のインバータ回路12は、給電コイルL1を駆動する。受電装置2は、電磁誘導により受電コイルL2で電力が発生する。この電力は整流回路22で整流された整流電圧Vaとなったのち、分圧回路24で分圧されて検出電圧V3となり、定期的にA/Dコンバータ272で測定される。受電装置2のプロセッサ27は、無線ユニット26により、A/Dコンバータ272で測定した検出電圧V3を給電装置1に送信する。
給電装置1のプロセッサ17は、無線ユニット16を介して受信した通信データに含まれる整流電圧値をD/Aコンバータ172でアナログ電圧である制御信号S1に変換する。D/Aコンバータ172は、新しい整流電圧値を含む通信データを受信するまでは、直前の整流電圧値に基づくアナログ電圧を継続してオペアンプ113に出力する。オペアンプ113は、入力されるアナログ電圧を積分した出力信号S1Cを、不図示の三角波との比較部を介してロジック回路115に出力する。ロジック回路115は、出力信号S1Cに応じたデューティでインバータ回路12を駆動する。ワイヤレス電力伝送システムSは、このように制御することで、受電装置2の整流電圧Vaが12V(目標値)の電圧で安定するように制御するフィードバックシステムである。
給電装置1のプロセッサ17は、操作部19から入力された操作情報を、入出力回路171を介して取得し、無線ユニット16を介して送信する。受電装置2のプロセッサ27は、無線ユニット26により、操作情報を受信して負荷部25を制御する。
給電装置1のプロセッサ17は、整流電圧値が所定期間に亘って所定電圧の範囲(例えば、12V±10%)を外れると保護動作のためにインバータ回路12を停止させて、かつ報知部10にアラームを出力する。
図4と図5は、受電装置2の処理を示すフローチャートである。
受電装置2のプロセッサ27が起動すると、図4と図5に示す処理が開始する。
プロセッサ27は、周期タイマが完了したならば(ステップS10→Yes)、A/Dコンバータ272から検出電圧V3をデジタル変換したA/D変換データを取得し、更に変動フラグを取得する(ステップS11)。本実施形態の周期タイマは、7.5ミリ秒毎に完了する。なお、図4ではA/Dコンバータ272のことを“ADC”、A/D変換データのことを“ADCデータ”と省略記載している。変動フラグ(変動情報の一例)とは、整流電圧値の変動が予期されたものであるか否かを示す1ビットのフラグである。
プロセッサ27は、このA/D変換データから整流電圧値の情報を生成し、整流電圧値と変動フラグから送信データを作成し(ステップS12)、無線ユニット26を介して送信する(ステップS13)。その後プロセッサ27は、ステップS14の処理に進む。この周期タイマは、受電装置2が給電装置1に整流電圧値と変動フラグを含む送信データを送信する周期を決定するものである。
ステップS10においてプロセッサ27は、周期タイマが完了していないならば(ステップS10→No)、ステップS14の処理に進む。
ステップS14においてプロセッサ27は、給電装置1から負荷部25の操作情報を含む通信データを受信したならば(Yes)、この操作情報に応じて負荷部25を制御する(ステップS15)。そしてプロセッサ27は、図6に示す閾値テーブル273を参照して、この操作情報による操作が負荷変動を発生させるか否かを判断する(ステップS16)。プロセッサ27は、この操作情報による操作が負荷変動を発生させるならば(ステップS16→Yes)、変動フラグに1をセットし(ステップS17)、変動カウンタの閾値H1をセットする(ステップS18)。その後、プロセッサ27は、ステップS19の処理に進む。なお、この変動カウンタは、変動フラグをクリアするまでの期間を設定するものである。
プロセッサ27は、この操作情報による操作が負荷変動を発生させないならば(ステップS16→No)、ステップS19の処理に進む。なお、負荷変動を発生させる操作情報とは、例えば負荷29がLED(Light Emitting Diode)の場合におけるオン時の電圧降下や、オフ時の電圧キックバックのことなどをいう。操作による負荷変動の期間は、受電装置2の構成によってそれぞれ異なる。よって、本実施形態の受電装置2のプロセッサ27は、負荷変動の予測に応じて変動カウンタの閾値H1を設定している。
ステップS14においてプロセッサ27は、負荷部25の操作情報を含む通信データを受信していないならば(No)、ステップS19の処理に進む。
ステップS19においてプロセッサ27は、図6に示す閾値テーブル273を参照して、受電側の理由によって負荷変動が発生するか否かを判断する。プロセッサ27は、受電側の理由によって負荷変動が発生するならば(ステップS19→Yes)、変動フラグに1をセットし(ステップS20)、変動カウンタの閾値H1をセットする(ステップS21)。その後、プロセッサ27は、ステップS22の処理に進む。ステップS19においてプロセッサ27は、受電側の理由によって負荷変動が発生しないならば(No)、ステップS22の処理に進む。なお、受電側の理由による負荷変動は、例えば負荷29をオン/オフするスイッチが受電側に設けられている場合や、負荷29をタイマでオン/オフする場合などに発生する。
なお、受電装置2が予期する負荷変動であっても、例えばLED負荷をスロースタートさせる際には、1秒程度に亘って電圧降下が発生する。よって、長期間に亘って電圧を監視できなくなることを防ぐため、プロセッサ27は、変動フラグに1をセットしない。
ステップS22においてプロセッサ27は、変動フラグに1がセットされていれば(Yes)、変動カウンタを1加算する(ステップS23)。プロセッサ27は、変動フラグがクリアされていれば(ステップS22→No)、ステップS10の処理に戻る。
更にプロセッサ27は、変動カウンタが閾値H1に達してカウント完了したならば(ステップS24→Yes)、この変動カウンタを0でクリア(初期化)する(ステップS25)。その後、プロセッサ27は、変動フラグをクリアして(ステップS26)、ステップS10の処理に戻る。ステップS24においてプロセッサ27は、変動カウンタが閾値H1に達しておらず、カウント完了していなければ(No)、ステップS10の処理に戻る。
本実施形態では、受電装置2から給電装置1に無線で送信される整流電圧値の通信データに、変動フラグ(変動情報の一例)が追加されている。この変動フラグは、給電装置1から受電装置2に無線送信された操作データや、受電装置2側の変化などによる予期された負荷変動によって受電側の電圧が変動する際にセットされる。操作データとは、例えば負荷のオン/オフや負荷の駆動状態の変化などをいう。受電装置2側の変化とは、例えば受電装置2の上位システムによる自律的な負荷のオン/オフや、自律的な負荷の駆動状態の変化などをいう。この変動フラグは、予め定められた時間が経過するとクリアされる。受電装置2は、変動フラグをセットする期間を、操作データまたは受電装置2側の変化に応じて定めている。
受電装置2が予期しない負荷変動の場合には、変動フラグはクリアされている。受電装置2が予期しない負荷変動とは、例えば給電装置1側の電源電圧変動、受電コイルL2と給電コイルL1との間隔の変動などである。そのため、受電装置2は、変動フラグによって、負荷変動とその変動期間が予期されたものであるか否かを給電装置1に示すことができる。
図6は、給電側の操作または受電側の変化と、変動カウンタの閾値の対応を格納した閾値テーブル273を示す図である。
閾値テーブル273は、給電側操作/受電側変化欄、負荷変動発生欄、閾値欄を含んで構成される。給電側操作/受電側変化欄は、給電側の操作または受電側の変化を示す。負荷変動発生欄は、負荷変動が発生するか否かを示す。閾値欄は、負荷変動時における変動カウンタの閾値を示す。
給電側の操作または受電側の変化が、LED電源(負荷29)のオンであった場合には、負荷変動が発生し、その際の変動カウンタの閾値は12である。つまり、給電側の操作がLED電源のオンであった場合、90ミリ秒に亘って変動フラグがセットされる。
給電側の操作または受電側の変化が、LED電源のオフであった場合には、負荷変動が発生し、その際の変動カウンタの閾値は10である。つまり、給電側の操作がLED電源のオフであった場合、75ミリ秒に亘って変動フラグがセットされる。
給電側の操作または受電側の変化が、調光であり、かつ光量が+10%であった場合には、負荷変動が発生し、その際の変動カウンタの閾値は7である。つまり、給電側の操作が光量+10%の調光であった場合、52.5ミリ秒に亘って変動フラグがセットされる。
給電側の操作または受電側の変化が、調光であり、かつ光量が−10%であった場合には、負荷変動が発生し、その際の変動カウンタの閾値は5である。つまり、給電側の操作が光量−10%の調光であった場合、37.5ミリ秒に亘って変動フラグがセットされる。
給電側の操作または受電側の変化が、調色であった場合には、負荷変動が発生しない。つまり、給電側の操作が調色であった場合、変動フラグはクリアされたままである。
給電側の操作または受電側の変化が、LEDスロースタートであった場合には、比較的長い期間に亘って負荷変動が発生する。このように長期間に亘って電圧を監視できなくなることを防ぐため、負荷変動発生欄は“No”である。つまり、給電側の操作がLEDスロースタートであった場合、変動フラグはクリアされたままである。この場合、給電側のプロセッサ17は、後述する範囲外カウンタや範囲外拡大カウンタにより、異常を検知する。
受電側のプロセッサ27は、給電装置1側の操作情報に応じて負荷29を制御する。プロセッサ27は、この閾値テーブル273に基づき、負荷29の制御による負荷変動が予測される場合には、予め定められた期間に亘って前記変動情報をセットすることができる。
図7と図8は、給電装置1の処理を示すフローチャートである。
給電装置1のプロセッサ17が起動すると、図7と図8に示す処理が開始する。
プロセッサ17は、無線ユニット16を介して通信データを受信したならば(ステップS30→Yes)、この通信データから整流電圧値と変動フラグとを取得する(ステップS31)。更にプロセッサ17は、整流電圧値をD/Aコンバータ172に設定し(ステップS32)、ステップS33の処理に進む。なお、この通信データは、所定周期で受電装置2から送信される。
ステップS30においてプロセッサ17は、無線ユニット16を介して通信データを受信しなかったならば(No)、ステップS33の処理に進む。
ステップS33においてプロセッサ27は、操作部19が操作指示を検知したならば(Yes)、この操作データを取得し(ステップS34)、この操作データから送信データを作成する(ステップS35)。更にプロセッサ27は、この送信データを無線送信し(ステップS36)、ステップS37の処理に進む。
ステップS33においてプロセッサ27は、操作部19が操作指示を検知しなかったならば(No)、ステップS37の処理に進む。
ステップS37においてプロセッサ17は、整流電圧値が所定電圧の範囲(12V±10%)を外れてかつ整流電圧値と目標値(12V)との差が拡大し続けているならば(Yes)、範囲外拡大カウンタを1加算する(ステップS38)。更にプロセッサ17は、範囲外拡大カウンタが閾値H3に達して完了したならば(ステップS39→Yes)、プロセッサ17は、アラームフラグに1をセットして(ステップS40)、ステップS42の処理に進む。これにより、プロセッサ17は、整流電圧値とフィードバックの目標値(12V)との差が所定期間に亘って拡大し続けた場合に、保護動作としてインバータ回路12を停止させることができる。このように、範囲外拡大カウンタが閾値H3に達した例を、後記する図11に示す。
ステップS39においてプロセッサ17は、範囲外拡大カウンタが閾値H3に達していないならば(No)、ステップS42の処理に進む。
ステップS37においてプロセッサ17は、整流電圧値が所定電圧の範囲外かつ整流電圧値と目標値との差が拡大し続けていないならば(No)、範囲外拡大カウンタをクリアし(ステップS41)、ステップS42の処理に進む。
ステップS42においてプロセッサ17は、アラームフラグに1がセットされていれば(Yes)、ステップS49の処理に進む。次いで、ステップS43においてプロセッサ17は、変動フラグに1がセットされていれば(Yes)、ステップS49の処理に進む。
ステップS43においてプロセッサ17は、変動フラグに1がセットされていなければ(No)、ステップS44の処理に進み、整流電圧値が所定電圧の範囲外であるか否かを判断する。
ステップS44においてプロセッサ17は、整流電圧値が所定電圧の範囲外ならば(Yes)、範囲外カウンタを1加算する(ステップS45)。更にプロセッサ17は、範囲外カウンタが閾値H2に達して完了したならば(ステップS47→Yes)、アラームフラグに1をセットして(ステップS48)、ステップS49の処理に進む。これにより、プロセッサ17は、保護動作としてインバータ回路12を停止させることができる。
このように、範囲外カウンタが閾値H2に達した例を、後記する図10に示す。
ステップS47においてプロセッサ17は、範囲外カウンタが閾値H2に達していないならば(No)、ステップS49の処理に進む。
ステップS44においてプロセッサ17は、整流電圧値が所定電圧の範囲外でないならば(No)、範囲外カウンタをクリアし(ステップS46)、ステップS49の処理に進む。
ステップS49においてプロセッサ17は、アラームフラグに1がセットされていれば(Yes)、保護動作としてインバータ回路12を停止させてワイヤレス給電を停止する(ステップS50)。更にプロセッサ17は、範囲外カウンタと範囲外拡大カウンタをクリアし(ステップS51)、アラームを出力すると(ステップS52)、ステップS30の処理に戻る。これによりプロセッサ17は、変動フラグがクリアされており、かつ整流電圧値が所定期間に亘って所定電圧範囲を外れる場合に、保護動作としてインバータ回路12を停止させることができる。
ステップS49においてプロセッサ17は、アラームフラグに1がセットされていなければ(No)、ステップS30の処理に戻り、インバータ回路12の駆動を継続する。
給電装置1の無線ユニット26は、通信周期毎に整流電圧値と変動フラグとを受信する。給電装置1は、変動フラグがセットされている場合に整流電圧値が所定電圧の範囲を外れても保護動作を行わず、インバータ回路12の駆動を継続する。しかし、変動フラグがクリアされている場合で、かつ所定期間に亘って整流電圧値が所定電圧の範囲を外れたならば、給電装置1は保護動作のためインバータ回路12を停止し、上位システムである報知部10にアラームを出力する。これにより、給電装置1は、受電装置2で予期しなかった電圧変動の際に保護動作としてワイヤレス給電を停止し、受電装置2で予期していた電圧変動の際にワイヤレス給電を停止しない動作を実現できる。
給電装置1は、整流電圧が所定電圧の範囲を外れ、かつ目標値との差が拡大し続けている場合は、周期タイマ毎に範囲外拡大カウンタを加算する。事前にユーザ設定する範囲外拡大カウンタの完了で、給電装置1は保護動作のためインバータ回路12を停止してワイヤレス給電を停止し、上位システムである報知部10にアラームを出力する。これにより、フィードバック制御の目標値との差が拡大する方向に電圧が変化し続けている異常時に、ワイヤレス給電を停止できる。
以下の図9から図11に示すタイミングチャートは、上から順に、アラームフラグ、範囲外拡大カウンタ、範囲外カウンタ、変動カウンタ、変動フラグ、整流電圧値が示されている。これらのうち、変動フラグと整流電圧値は、受電装置2から給電装置1に送信される送信データに含まれる。変動カウンタは、受電装置2のプロセッサ27が管理する内部情報である。アラームフラグ、範囲外拡大カウンタ、範囲外カウンタは、給電装置1のプロセッサ17が管理する内部情報である。
図9は、正常動作時を示すタイミングチャートである。
時刻t1において、給電装置1の操作部19が操作される。この操作とは、例えば負荷部25をオンする操作である。これにより、受電装置2のプロセッサ27は、変動フラグを1にセットし、変動カウンタのカウントを開始する。
時刻t2において、一つ前の周期に引き続き整流電圧Vaが12V±10%と所定された範囲を外れ、かつ一つ前の周期よりも12Vの目標値との差が拡大しているので、プロセッサ17は、範囲外拡大カウンタのカウントを開始する。
時刻t3において、整流電圧Vaが所定電圧の範囲を外れているが、一つ前の周期よりも目標値との差が縮小しつつあるので、プロセッサ17は、範囲外拡大カウンタをクリアする。
時刻t4において、整流電圧Vaが所定電圧の範囲を外れ、かつ一つ前の周期よりも目標値との差が拡大しているので、プロセッサ17は、範囲外拡大カウンタのカウントを開始する。
時刻t5において、整流電圧Vaが所定電圧の範囲を外れているが、一つ前の周期よりも目標値との差が縮小しつつあるので、範囲外拡大カウンタがクリアされる。
時刻t6において、受電装置2のプロセッサ27は、変動カウンタのカウントを完了して変動フラグをクリアする。図に示した期間P1は、受電装置2のプロセッサ27が変動カウンタのカウントを開始したのち、このカウントを完了するまでを示している。この期間P1は、時刻t1に負荷部25へ操作した内容による負荷変動が収束して、整流電圧Vaが再び所定電圧の範囲内に戻るまでの最大時間が設定されている。期間P1は、変動カウンタと閾値H1の組合せによって決定される。
時刻t7において、変動フラグがクリアされた状態で、整流電圧Vaが所定電圧の範囲を外れるので、プロセッサ17は、範囲外カウンタのカウントを開始する。時刻t8において、整流電圧Vaが所定電圧の範囲内に戻るので、プロセッサ17は、範囲外カウンタをクリアする。このように、整流電圧Vaが12V±10%と所定された範囲を外れても、負荷29の駆動に問題がない短期間の場合、プロセッサ17は、保護動作を行わないようにしている。これにより、負荷29(上位システム)は、動作を継続可能である。
図10は、受電側の電圧が所定電圧の範囲外であることによりアラームフラグに1がセットされる場合を示すタイミングチャートである。
時刻t10において、給電装置1の操作部19が操作される。この操作とは、例えば負荷部25をオンする操作である。これにより、受電装置2のプロセッサ27は、変動フラグを1にセットし、変動カウンタのカウントを開始する。
時刻t11において、受電装置2のプロセッサ27は、変動カウンタのカウントを完了して変動フラグをクリアする。このとき、整流電圧Vaは、12V±10%と所定された範囲を外れているので、プロセッサ17は、範囲外カウンタのカウントを開始する。以降、整流電圧Vaは、期間P2に亘って所定電圧の範囲を外れたままである。
時刻t12において、整流電圧Vaが所定電圧の範囲を外れたままであり、範囲外カウンタが閾値H2に達してカウント完了するので、プロセッサ17は、アラームフラグに1をセットして、保護動作のためワイヤレス給電を停止する。これにより、報知部10はユーザにアラームを報知する。期間P2は、範囲外カウンタと閾値H2の組合せによって決定される。
図11は、変動フラグがセットされ、変動カウンタがカウントされており、受電側の電圧が所定期間以上に亘って所定電圧の範囲を外れており、かつ目標値との差が拡大する方向に変化した場合を示すタイミングチャートである。本実施形態の目標値は12Vであり、所定電圧の範囲は、12V±10%である。
時刻t20において、給電装置1の操作部19が操作される。この操作とは、例えば負荷部25をオンする操作である。これにより、受電装置2のプロセッサ27は、変動フラグを1にセットし、変動カウンタのカウントを開始する。
時刻t21において、一つ前の周期に引き続き整流電圧Vaが12V±10%と所定された範囲を外れ、かつ一つ前の周期よりも12Vの目標値との差が拡大しつつあるので、プロセッサ17は、範囲外拡大カウンタのカウントを開始する。以降、整流電圧Vaは、期間P3に亘って所定電圧の範囲を外れたままであり、かつ一つ前の周期よりも目標値との差が拡大し続けている。
時刻t22において、プロセッサ17は、範囲外拡大カウンタが閾値H3に達してカウント完了する。範囲外拡大カウンタのカウント完了により、プロセッサ17は、アラームフラグに1をセットして、保護動作のためワイヤレス給電を停止する。これにより、報知部10はユーザにアラームを報知する。期間P3は、範囲外拡大カウンタと閾値H3の組合せによって決定される。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(k)のようなものがある。
(a) 受電装置2にDC/DCコンバータ23は必須ではなく、負荷29が直接に接続されていてもよい。
(b) 給電装置1の上位システムから制御する対象は、DC/DCコンバータ23に限られず、例えば負荷29を直接に制御してもよい。
(c) 給電装置1と受電装置2との間の無線通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標) Low Energyに限定されず、Wi-Fi(登録商標)やZIGBEE(登録商標)などであってもよい。
(d) 給電装置1と受電装置2との間の無線通信は、電波通信に限定されず、適切な無線通信路を確立できれば、例えば赤外線通信、可視光通信、超音波通信などの無線方式であってもよく、限定されない。
(e) フィードバック制御は、上記実施形態に示した比例制御(古典制御)に限定されず、PI制御やPID制御などの古典制御、または現代制御であってもよく、限定されない。
(f) 負荷変動を受電装置2から給電装置1に通知する方法は、1ビットの変動フラグに限定されない。受電装置2は、任意のビット幅の変動情報によって、負荷変動を給電装置1に通知してもよい。
(g) 制御回路11が備える積分回路の代わりに、デジタルシグナルプロセッサを用いて積分処理を行ってもよい。
(h) 閾値テーブル273は、EEPROMなどに格納されていなくてもよく、給電装置1の上位システムからのデータ送信により、閾値の値を変更してもよい。
(i) 目標値は12Vに限られず、所定電圧の範囲は、12V±10%に限られない。例えば、所定電圧の範囲は、目標値を含んでいればよく、限定されない。
(j) 保護動作は、給電装置1のインバータの回路12の停止に限定されず、初期電圧設定解除回路15のトランジスタQ5をオフさせて、ワイヤレス給電をアイドル状態に移行してもよい。
(k) 図8のステップS50において給電装置1がワイヤレス給電を停止する前に、受電装置2にアラーム情報を無線送信し、受電装置2がDC/DCコンバータ23をオフするとともに入出力回路271から受電装置2の上位システムにアラームを出力してもよい。
S ワイヤレス電力伝送システム
1 給電装置
10 報知部
11 制御回路
111 降圧回路
112,113 オペアンプ
114 比較器
115 ロジック回路
116 発振回路
R5〜R7 抵抗
C3〜C5 コンデンサ
12 インバータ回路
13 初期電圧制御回路
14 初期電圧設定回路
15 初期電圧設定解除回路
M1 無線モジュール
16 無線ユニット (第1の無線ユニットの一例)
17 プロセッサ (第1のプロセッサの一例)
171 入出力回路
172 D/Aコンバータ
18 直流電源
19 操作部
L1 給電コイル
Re1,Re2 降圧回路
2 受電装置
21 共鳴回路
L2 受電コイル
C1 共鳴コンデンサ
22 整流回路
DB ダイオードブリッジ
C2 平滑コンデンサ
23 DC/DCコンバータ(直流変換回路)
24 分圧回路
25 負荷部
M2 無線モジュール
26 無線ユニット (第2の無線ユニットの一例)
27 プロセッサ (第2のプロセッサの一例)
271 入出力回路
272 A/Dコンバータ
28 2次側電源部
29 負荷

Claims (7)

  1. 給電装置および受電装置を備えるワイヤレス電力伝送システムであって、
    前記給電装置は、
    ワイヤレスで電力を送信する給電コイルと、
    前記給電コイルを駆動するインバータと、
    前記受電装置と無線通信する第1の無線ユニットと、
    前記第1の無線ユニットと前記インバータとを制御する第1のプロセッサと、
    を備え、
    前記受電装置は、
    前記給電装置の前記給電コイルからワイヤレスで電力を受信する受電コイルおよびコンデンサを含み、共鳴電圧を発生する共鳴回路と、
    前記共鳴電圧を整流して整流電圧を出力する整流回路と、
    前記整流電圧によって駆動される負荷と、
    前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットと無線通信する第2の無線ユニットと、
    前記負荷と前記第2の無線ユニットを制御する第2のプロセッサと、
    を備え、
    前記第2のプロセッサは、前記整流電圧を元に整流電圧値の情報を生成すると共に、前記整流電圧値の変動が予期されたものであるか否かを示す変動情報をセットまたはクリアして、前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットに、前記整流電圧値と前記変動情報を含む情報を送信する、
    ことを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  2. 前記給電装置が備える前記第1のプロセッサは、前記受電装置から受信した変動情報がセットされている場合には前記インバータの制御を継続し、前記受電装置から受信した変動情報がクリアされている場合には、前記整流電圧に係る整流電圧値が所定期間に亘って所定電圧範囲を外れると保護動作させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  3. 前記給電装置は更に、前記負荷の操作情報を入力する操作部を備え、
    前記給電装置が備える前記第1のプロセッサは、前記第1の無線ユニットにより、前記操作部から入力された操作情報を前記第2の無線ユニットに送信し、
    前記受電装置が備える前記第2のプロセッサは、前記第2の無線ユニットが受信した操作情報に応じて前記負荷を制御すると共に、当該負荷の変動が予測される制御である場合には、予め定められた期間に亘って前記変動情報をセットする、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  4. 前記受電装置が備える前記第2のプロセッサは、前記負荷の変動が予測される場合には、予め定められた期間に亘って前記変動情報をセットする、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  5. 前記給電装置が備える前記第1のプロセッサは、前記第2の無線ユニットから受信した整流電圧値とフィードバックの目標値との差が所定期間に亘って拡大し続けた場合には保護動作させる、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項にワイヤレス電力伝送システム。
  6. 前記変動情報は、1ビットのフラグである、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  7. 給電装置および受電装置を備えるワイヤレス電力伝送システムの保護方法であって、
    前記給電装置は、
    ワイヤレスで電力を送信する給電コイルと、
    前記給電コイルを駆動するインバータと、
    前記受電装置と無線通信する第1の無線ユニットと、
    前記第1の無線ユニットと前記インバータとを制御する第1のプロセッサと、
    を備え、
    前記受電装置は、
    前記給電装置の前記給電コイルからワイヤレスで電力を受信する受電コイルおよびコンデンサを含み、共鳴電圧を生成する共鳴回路と、
    前記共鳴電圧を整流して整流電圧を出力する整流回路と、
    前記整流電圧によって駆動される負荷と、
    前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットと無線通信する第2の無線ユニットと、
    前記負荷と前記第2の無線ユニットを制御する第2のプロセッサと、
    を備え、
    前記第2のプロセッサが前記整流電圧を元に整流電圧値の情報を生成するステップと、
    前記整流電圧値の変動が予期されたものであるか否かを示す変動情報をセットまたはクリアするステップと、
    前記給電装置が備える前記第1の無線ユニットに、前記整流電圧値と前記変動情報を含む情報を送信するステップと、
    を実行し、
    前記第1のプロセッサが前記第2の無線ユニットから受信した変動情報がセットされている場合には前記インバータの制御を継続し、前記第2の無線ユニットから受信した変動情報がセットされておらず、かつ前記整流電圧に係る整流電圧値が所定期間に亘って所定電圧範囲を外れていた場合には保護動作させるステップを実行する、
    ことを特徴とするワイヤレス電力伝送システムの保護方法。
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