JP2018186255A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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繁樹 江頭
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一誠 嶋内
慧 平井
Satoshi Hirai
慧 平井
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Toru Maeda
前田  徹
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Abstract

【課題】磁気特性に優れる希土類磁石の製造方法を提供する。
【解決手段】SmとFeとの原子比が1:8.75〜1:12である合金溶湯を急冷してSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金を準備する準備工程と、Sm−Fe系合金を水素化処理してSmFe9+α相(α=0.1〜3.0)の一部をSmHとFeに相分解する水素化工程と、水素化処理したSm−Fe系合金を加圧成形して成形体を得る成形工程と、成形体を脱水素処理して水素化処理によって相分解したSmHとFeとを再結合する脱水素工程と、脱水素処理した成形体を窒化処理する窒化工程と、水素化工程前のSm−Fe系合金、成形工程前の水素化処理したSm−Fe系合金、脱水素工程前の成形体、窒化工程前の脱水素処理した成形体の少なくとも一つをアニール処理するアニール工程とを備える希土類磁石の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、希土類磁石の製造方法に関する。
モータや発電機などに使用される永久磁石として、希土類元素と鉄とを含有し、希土類−鉄系化合物を主相とする希土類−鉄系合金を原料に用いた希土類磁石が広く利用されている。希土類磁石としては、代表的には、Nd−Fe−B系化合物(例、NdFe14B)を主相とするNd−Fe−B系磁石(ネオジム磁石)や、Sm−Fe−N系化合物(例、SmFe17)を主相とするSm−Fe−N系磁石が知られている(特許文献1,2を参照)。
希土類磁石の形態としては、希土類−鉄系合金の磁粉を加圧成形して焼結した焼結磁石や、希土類−鉄系合金の磁粉にバインダを混合し、これを加圧成形して固化したボンド磁石が主流である。Sm−Fe−N系磁石の場合、Sm−Fe−N系化合物の分解温度が低いため、焼結すると、化合物が分解して磁石としての性能を発揮できないことから、通常はボンド磁石の形態で利用される(特許文献1を参照)。
また、希土類−鉄系合金の磁粉を加圧成形した圧粉磁石が提案されている(特許文献2を参照)。特許文献2には、原料の希土類−鉄系合金の粉末を水素化(HD:Hydrogenation−Disproportionation)処理し、これを圧縮成形して粉末成形体とする。そして、この粉末成形体を脱水素(DR:Desorption−Recombination)処理した後に窒化処理することで、希土類磁石を製造する技術が開示されている。この文献に記載の技術によれば、希土類−鉄系合金を水素化処理することで成形性を高められ、水素化処理した合金粉末を圧縮成形することで高密度の粉末成形体を得ることができ、希土類磁石の高密度化が可能である。
特開平10−312918号公報 特開2015−128118号公報
Sm−Fe−N系の希土類磁石の更なる高性能化が求められており、磁気特性に優れる希土類磁石の開発が強く望まれている。
そこで、磁気特性に優れる希土類磁石の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本開示に係る希土類磁石の製造方法は、
Sm及びFeを主成分とし、SmとFeとの原子比が1:8.75〜1:12である合金溶湯を急冷して、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金を準備する準備工程と、
前記Sm−Fe系合金を水素含有雰囲気中で熱処理して水素化処理し、不均化反応により前記SmFe9+α相(α=0.1〜3.0)の一部をSmHとFeの2相に分解する水素化工程と、
水素化処理した前記Sm−Fe系合金を加圧成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で熱処理して脱水素処理し、再結合反応により前記水素化処理によって相分解した前記SmHとFeとを再結合する脱水素工程と、
脱水素処理した前記成形体を窒素含有雰囲気中で熱処理して窒化処理する窒化工程と、
前記水素化工程前の前記Sm−Fe系合金、前記成形工程前の水素化処理した前記Sm−Fe系合金、前記脱水素工程前の前記成形体、前記窒化工程前の脱水素処理した前記成形体の少なくとも一つを、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で700℃以上900℃以下の温度で熱処理してアニール処理するアニール工程と、を備え、
前記準備工程において、前記Sm−Fe系合金は、Cu管球を線源とするX線回折において、αFeの(110)面の回折ピークの積算強度Int(Fe)が、SmとFeの化合物に由来する2θ=30〜50°の範囲での最大の回折ピークの積算強度Int(SmFe)に対して、積算強度比で1/9以下である。
上記希土類磁石の製造方法は、磁気特性に優れる希土類磁石を製造できる。
実施形態に係る希土類磁石の製造方法において、水素化処理後のSm−Fe系合金の結晶組織を示す模式図である。 実施形態に係る希土類磁石の製造方法において、脱水素処理後の成形体の結晶組織を示す模式図である。 実施形態に係る希土類磁石の製造方法において、窒化処理後の希土類磁石の結晶組織を示す模式図である。
本発明者らは、Sm−Fe−N系の希土類磁石の磁気特性を改善することについて鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
一般に従来のSm−Fe−N系ボンド磁石では、バインダを含有するため、相対密度が低くなる。そのため、Sm−Fe−N系合金の磁粉が占める割合が少なくなり、その分磁気特性が低下することになる。また、磁石の使用温度がバインダの耐熱温度に制限されてしまい、耐熱温度が低く、使用範囲が限られるという問題がある。
圧粉磁石はバインダが不要なため、上述した圧粉磁石の技術を適用することで、ボンド磁石の上記問題点を解決することが可能である。Sm−Fe−N系圧粉磁石の製造方法では、原料のSm−Fe系合金の粉末を水素化処理し、不均化反応によりSm−Fe系化合物をSmHとFeの2相に分解することで、これらの相が混在する混晶組織を得ている。これにより、Sm−Fe系化合物やSmHに比較して軟らかいFe相が存在することで、成形性の向上を図っている。
本発明者らは、従来の圧粉磁石の技術を発展させ、希土類磁石の更なる高性能化を目指して、ナノコンポジット化による磁気特性の改善を試みた。ナノコンポジット化とは、ナノサイズの微細な軟磁性相と硬磁性相とを有し、両相がナノメートルオーダーで複合化したナノコンポジット組織とすることである。軟磁性相としてはFe、硬磁性相としてはSm−Fe系化合物(例、SmFe17,SmFe1.8など)が挙げられる。ナノコンポジット化により、軟磁性相と硬磁性相との間に働く交換相互作用により軟磁性相が硬磁性相に束縛されて、軟磁性相と硬磁性相とがあたかも単相磁石のように振る舞う。その結果、軟磁性相が持つ高い磁化と硬磁性相が持つ高い保磁力とを併せ持つことができ、残留磁化や保磁力といった磁気特性が向上する。
しかし、従来の圧粉磁石の製造方法では、成形性の向上を主な目的としており、水素化処理する際の熱処理温度を基本的に高めに設定して、Sm−Fe系化合物の全部を相分解していると考えられる。具体的には、水素化処理の熱処理温度を不均化反応がピークとなる温度よりも高温側付近に設定している。この場合、水素化処理により相分解した各相が粗大化するため、水素化処理後に脱水素処理して、水素化処理によって相分解したSmHとFeとを再結合反応により再結合した際に、平均結晶粒径が300nm超の粗大なFe相が生成されることが分かった。組織中に粗大なFe相が存在すると、ナノコンポジット化による磁気特性の改善効果が小さくなる問題がある。したがって、脱水素処理により生成されるFe相を微細化できれば、磁気特性が大幅に向上し、残留磁化や保磁力が高い希土類圧粉磁石が得られると考えられる。
本発明者らは、特定のSm−Fe系合金を出発原料に用い、水素化処理の条件を最適化することで、微細なナノコンポジット組織を形成することができ、磁気特性に優れる希土類圧粉磁石が得られることを見出した。本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[本発明の実施形態の説明]
(1)本発明の一態様に係る希土類磁石の製造方法は、
Sm及びFeを主成分とし、SmとFeとの原子比が1:8.75〜1:12である合金溶湯を急冷して、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金を準備する準備工程と、
前記Sm−Fe系合金を水素含有雰囲気中で熱処理して水素化処理し、不均化反応により前記SmFe9+α相(α=0.1〜3.0)の一部をSmHとFeの2相に分解する水素化工程と、
水素化処理した前記Sm−Fe系合金を加圧成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で熱処理して脱水素処理し、再結合反応により前記水素化処理によって相分解した前記SmHとFeとを再結合する脱水素工程と、
脱水素処理した前記成形体を窒素含有雰囲気中で熱処理して窒化処理する窒化工程と、
前記水素化工程前の前記Sm−Fe系合金、前記成形工程前の水素化処理した前記Sm−Fe系合金、前記脱水素工程前の前記成形体、前記窒化工程前の脱水素処理した前記成形体の少なくとも一つを、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で700℃以上900℃以下の温度で熱処理してアニール処理するアニール工程と、を備え、
前記準備工程において、前記Sm−Fe系合金は、Cu管球を線源とするX線回折において、αFeの(110)面の回折ピークの積算強度Int(Fe)が、SmとFeの化合物に由来する2θ=30〜50°の範囲での最大の回折ピークの積算強度Int(SmFe)に対して、積算強度比で1/9以下である。
上記希土類磁石の製造方法は、Sm及びFeを主成分として含有するSm−Fe系合金を原料とし、これを水素化処理→加圧成形→脱水素処理することで、バインダを含まない高密度の希土類磁石を製造できる。例えば、相対密度が80%以上を達成できる。また、特定のSm−Fe系合金を原料に用い、水素化処理の条件をSmFe9+α相の一部が相分解し、未反応のSmFe9+α相が残存するように設定することで、相分解した各相の粗大化を抑制できる。そのため、脱水素処理した際に粗大なFe相が生成されることを抑制でき、微細なナノコンポジット組織を形成することが可能である。さらに、原料のSm−Fe系合金、水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)、水素化合金を加圧成形した成形体、成形体を脱水素処理した成形体(混晶体)の少なくとも一つをアニール処理することで、SmFe相の結晶性を高められる。SmFe相の結晶性が高いほど、保磁力が高い希土類磁石が得られる。したがって、上記希土類磁石の製造方法は、磁気特性に優れる希土類磁石を製造できる。上記希土類磁石の製造方法のメカニズムについて、説明する。
準備工程で準備する原料のSm−Fe系合金は、SmとFeとを原子比(Fe/Sm)で8.75以上12以下含有する合金溶湯を急冷したものである。急冷することにより、SmFe17相よりも不安定な準安定相であるSmFe相が生成され、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相が形成される。非晶質のFeは、X線回折において観察されず、SmFe相の結晶粒内に分散した状態で存在している。また、原料のSm−Fe系合金は、積算強度比(Int(Fe)/Int(SmFe))が1/9以下であり、合金中に析出したαFeが少ない。ここで、「SmFe9+α」とは、Smの原子数が1に対してFeの原子数が9+αであり、αが0.1≦α≦3.0である。
水素化工程では、水素化処理によってSmFe9+α相の一部をSmHとFeの2相に分解することで、Fe相及びSmH相と未反応のSmFe9+α相との混晶組織を有する水素化合金を得る。そして、水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)を成形工程で加圧成形して成形体とする。脱水素工程では、この成形体を脱水素処理することで、水素化処理によって相分解したSmHとFeが再結合して、Fe相、SmFe17相及びSmFe相のナノコンポジット混晶組織を有する混晶体を得る。このとき、水素化処理においてSmFe9+α相の一部のみを相分解することで、Fe相の粗大化が抑制され、脱水素処理による粗大なFe相の生成が抑制される。例えば、Fe相の平均結晶粒径が200nm以下、更には100nm以下を達成できる。その後、脱水素処理した成形体(混晶体)を窒化処理することで、SmFe17相及びSmFe相を窒化して、Fe相、SmFe17相及びSmFe相のナノコンポジット混晶組織を有する希土類磁石が得られる。ここで、原料のSm−Fe系合金、水素化合金、成形体、混晶体の少なくとも一つをアニール処理することで、SmFe相の結晶性を高められる。
(2)上記希土類磁石の製造方法の一形態として、前記水素化工程において、水素化処理した前記Sm−Fe系合金が前記SmFe相を35体積%以上60体積%以下含有することが挙げられる。
水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)がSmFe相を上記範囲で含有することで、成形性の確保と組織の微細化とを両立できる。SmFe相の割合が少ないほど、SmFe9+α相が相分解して生成されたFe相が増えることから、成形性が向上するが、Fe相が粗大化して磁気特性が低下する傾向がある。逆にいえば、SmFe相の割合が多いほど、未反応のSmFe9+α相が残存する割合が増えることから、塑性変形し難く、成形性が低下するが、Fe相の粗大化が抑制され、微細なナノコンポジット組織が形成される傾向がある。SmFe相の比率を35体積%以上とすることで、高密度化を図りつつ、組織の微細化により磁気特性を効果的に改善でき、60体積%以下とすることで、成形性を十分に確保できる。
(3)上記希土類磁石の製造方法の一形態として、前記成形工程の前に、前記Sm−Fe系合金を粉砕する粉砕工程を備えることが挙げられる。
Sm−Fe系合金を粉砕して粉末状にすることで、成形工程において金型に充填する際の流動性を高め、充填作業が行い易くなる。粉砕工程は、成形工程の前に実施すればよく、原料のSm−Fe系合金を粉砕してもよいし、水素化処理後のSm−Fe系合金を粉砕してもよい。つまり、粉砕工程は、水素化工程の前後のいずれかで実施することが挙げられる。
(4)上記希土類磁石の製造方法の一形態として、前記水素化工程において、500℃超650℃未満の温度で熱処理することが挙げられる。
水素化処理の熱処理温度を上記範囲とすることで、SmFe9+α相の一部を効果的に相分解し易い。Sm−Fe系合金(SmFe9+α相)の不均化反応がピークとなる温度は組成にもよるが、650℃程度であり、上記範囲はこれよりも低い温度である。水素化処理の熱処理温度は525℃以上625℃以下とすることがより好ましい。
(5)上記希土類磁石の製造方法の一形態として、前記準備工程において、前記Sm−Fe系合金はメルトスパン法により急冷して製造することが挙げられる。
Sm−Fe系合金はメルトスパン法により急冷して製造することで、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金を工業的に製造できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法の具体例を、以下に説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<希土類磁石の製造方法>
本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法は、原料のSm−Fe系合金を準備する準備工程と、Sm−Fe系合金を水素化処理する水素化工程と、水素化処理したSm−Fe系合金を加圧成形する成形工程と、加圧成形した成形体を脱水素処理する脱水素工程と、脱水素処理した成形体を窒化処理する窒化工程と、水素化工程、成形工程、脱水素工程、窒化工程において処理する処理物の少なくとも一つをアニール処理するアニール工程とを備える。以下、各工程について詳しく説明する。
(準備工程)
準備工程は、Sm及びFeを主成分とし、SmとFeとの原子比が1:8.75〜1:12である合金溶湯を急冷して、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相(α=0.1〜3.0)を主相とするSm−Fe系合金を準備する工程である。Sm−Fe系合金は、Sm及びFeを主成分として含有し、Sm原子1個に対するFeの原子数の比率が8.75≦Fe/Sm≦12である組成を有し、SmFe17の組成よりも余剰のFeを含む。ここでいう「主成分」とは、SmとFeとの合計含有量がSm−Fe系合金の構成元素の90原子%以上を占めることを意味する。原子比Fe/Smが8.75未満の場合、SmFeよりも安定なSmFe17が生成されるため、SmFeが十分に生成されず、SmFe9+α相が形成され難い。一方、原子比Fe/Smが12超の場合、SmFeよりもSmFe13が生成され易くなるため、SmFeが十分に生成されず、SmFe9+α相が形成され難い。
例えば、Sm及びFeからなり(不可避的不純物を含む)、SmとFeとの原子比が1:10であるSm−Fe系合金の場合は、Smが23質量%、残部がFeとなるように配合するとよい。
Sm−Fe系合金は、上記所定の組成となるように配合した合金溶湯を急冷したものである。急冷することにより、SmFe17相よりも不安定な準安定相であるSmFe相が生成され、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金が得られる。冷却速度が速いほど、αFeの析出が抑止され、SmFe相と非晶質のFeとの混晶状態で凝固して、SmFe9+α相が形成される。また、粒成長が抑制され、微細な組織が得られる。冷却速度が遅い場合は、SmFe17が生成されたり、αFeが析出して、単結晶のSmFe相が生成され易い。また、析出したαFeが粗大化し易い。冷却速度は1×10℃/秒以上とすることが好ましい。
また、Sm−Fe系合金は、Cu管球を線源とするX線回折において、αFeの(110)面の回折ピークの積算強度Int(Fe)が、SmとFeの化合物に由来する2θ=30〜50°の範囲での最大の回折ピークの積算強度Int(SmFe)に対して、積算強度比で1/9以下である。積算強度比Int(Fe)/Int(SmFe)が1/9以下であることで、合金中に析出したαFeが少ない。積算強度比が小さいほど、SmFe相が十分に生成され、SmFe9+α相が多く形成されていると考えられる。積算強度比Int(Fe)/Int(SmFe)は0.1以下が好ましく、更に0.05以下がより好ましい。特に、積算強度比が0.05未満であり、αFeが実質的に存在しないことが好ましい。SmとFeの化合物に由来する最大の回折ピークが得られる回折面は、等法的な結晶方位の場合、SmFe構造では(111)面、SmFe17構造では(303)面である。
上述したSm−Fe系合金は、例えば、メルトスパン法により急冷して製造することができる。メルトスパン法は、合金溶湯を冷却した金属製のロール上に噴射して急冷する方法であり、薄片状や薄帯状の合金が得られる。得られた合金を、後述するように粉砕して粉末状にしてもよい。メルトスパン法では、ロールの周速を変えることで、冷却速度を制御できる。具体的には、ロールの周速を上げるほど、合金の厚さが薄くなり、冷却速度が速くなる。ロールの周速は30m/秒以上とすることが好ましく、更に35m/秒以上、40m/秒以上がより好ましい。一般に、ロールの周速が35m/秒以上の場合、合金の厚さが10〜20μm程度となり、冷却速度を1×10℃/秒以上に制御できる。ロールの周速の上限は、製造上の観点から、例えば100m/秒以下とする。また、メルトスパン法により急冷した合金の厚さが厚くなり過ぎると均質な合金を得ることが困難になることから、合金の厚さは10μm以上20μm以下とすることが好ましい。
(水素化工程)
水素化工程は、Sm−Fe系合金を水素含有雰囲気中で熱処理して水素化処理し、水素不均化反応によりSmFe9+α相の一部をSmHとFeの2相に分解する工程である。この工程により、Fe相及びSmH相と未反応のSmFe相との混晶組織を有する水素化合金が得られる。水素化処理は、Sm−Fe系合金(SmFe9+α相)の水素不均化反応が生じる温度以上で熱処理する。水素不均化反応が開始する温度は、次のように定義できる。室温(25℃)において0.8〜1.0気圧(81.0〜101.3kPa)の内圧で水素充填した密閉容器中に、Sm−Fe系合金の試料を入れて昇温していく。400℃到達時の内圧をPH2(400℃)[気圧]、400〜900℃の温度領域での最小の内圧をPH2(MIN)[気圧]とする。そして、PH2(400℃)とPH2(MIN)との差をΔPH2[気圧]としたとき、内圧が{PH2(400℃)−ΔPH2×0.1}以下になるときの400〜900℃の範囲内の温度で定義できる。該当する温度が2点以上ある場合は、最も低い温度とする。このとき、PH2(MIN)が0.5気圧(50.6kPa)以下になるように試料の重量を設定することが好ましい。水素化処理の熱処理温度が高いほど、SmFe9+α相の相分解が進行する。水素化処理の熱処理温度は、PH2(MIN)を示す温度よりも低い温度とすることが好ましく、これによりSmFe9+α相の一部のみを相分解し易い。具体的には、水素化処理の熱処理温度(水素化温度)は、例えば500℃超650℃未満とすることが好ましく、525℃以上625℃以下がより好ましい。
水素化処理の時間は、適宜設定すればよく、例えば30分以上180分以下とすることが挙げられる。水素化処理の時間が短過ぎると、SmFe9+α相を十分に相分解できない虞がある。一方、水素化処理の時間が長過ぎると、SmFe9+α相の相分解が過度に進行する虞がある。水素化処理の時間を変えることでも、相分解の割合が変化するので、水素化合金の組織制御が可能である。
水素含有雰囲気としては、例えば、Hガス雰囲気、又はHガスとArやNなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気とすることが挙げられる。また、水素含有雰囲気の雰囲気圧力(水素分圧)は、例えば20.2kPa(0.2気圧)以上1013kPa(10気圧)以下とすることが挙げられる。
水素化処理後のSm−Fe系合金(水素化合金)の結晶組織について、図1を参照して説明する。図1の上図に示す原料のSm−Fe系合金100を水素化処理することによって、SmFe9+α相10の一部がSmHとFeとに水素化分解され、図1の下図に示すようなSmFe9+α相10と、SmH相21及びFe相22の混晶領域20とを有する組織が形成される。図1では、分かり易くするため、組織を構成する各相にハッチングを付している(後述する図2、図3も同じ)。得られた水素化合金101は、硬いSmFe9+α相10やSmH相21に隣接するように、軟らかいFe相22が存在することで、塑性変形し易く、成形性が向上する。よって、後述する成形工程において、高密度の成形体を得ることができる。また、原料のSm−Fe系合金100を構成するSmFe9+α相10の一部のみを相分解した場合、SmFe9+α相の全部を相分解した場合に比較して混晶領域20のサイズが小さくなる。そのため、後述する脱水素工程において、水素化処理によって相分解したSmH相21とFe相22とを脱水素処理により再結合した際に粗大なFe相の生成が抑制され、微細な組織が生成されることになる。
水素化処理後のSm−Fe系合金は、SmFe相を35体積%以上60体積%以下含有することが好ましく、これにより成形性の確保と組織の微細化とを両立できる。SmFe相の割合が少ないほど、SmFe9+α相が相分解して生成されたSmH相とFe相との混晶領域の割合が増えることになり、Fe相が増えることで、成形性が向上する。一方で、混晶領域のサイズが大きくなることで、その後の脱水素処理によって粗大なFe相が生成され、磁気特性が低下する傾向がある。SmFe相の割合が多いほど、未反応のSmFe9+α相が残存する割合が増えることから、塑性変形し難く、成形性が低下するが、Fe相の粗大化を抑制でき、微細な組織が形成される傾向がある。SmFe相の比率を35体積%以上60体積%以下とすることで、成形性を十分に確保できながら、組織の微細化を図ることができる。SmFe相の体積比率は40%以上がより好ましい。
水素化処理後のSm−Fe系合金におけるSmFe相の体積比率は、次のようにして求めることができる。合金断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で組織観察すると共にエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により組成分析することで、視野内におけるSmFe相、SmH相、Fe相を分離抽出する。そして、視野に占めるSmFe相の面積比率を求め、その相の面積比率を体積比率とみなして求めることができる。組成の分析は、EDX以外でも適宜な分析装置を利用できる。
(成形工程)
成形工程は、水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)を加圧成形して成形体を得る工程である。具体的には、水素化合金を金型に充填し、プレス装置を用いて加圧成形することが挙げられる。加圧成形の成形圧力は、例えば294MPa(3ton/cm)以上1960MPa(20ton/cm)以下とすることが挙げられる。より好ましい成形圧力は588MPa(6ton/cm)以上である。また、成形体の相対密度は、例えば80%以上とすることが好ましい。成形体の相対密度の上限は、製造上の観点から、例えば95%以下とする。加圧成形する際に、金型の内壁面に潤滑剤を予め塗布しておくと、成形体を金型から抜き出し易い。ここでいう「相対密度」とは、真密度に対する実際の密度([成形体の実測密度/成形体の真密度]の百分率)のことを意味する。真密度は、原料のSm−Fe系合金の密度とする。
(粉砕工程)
成形工程の前に、Sm−Fe系合金を粉砕する粉砕工程を備えてもよい。Sm−Fe系合金を粉砕して粉末状にすることで、成形工程において金型に充填する充填作業が行い易くなる。粉砕工程は、水素化工程の前後のいずれかで実施することが挙げられ、原料のSm−Fe系合金を粉砕してもよいし、水素化合金を粉砕してもよい。粉砕は、合金粉末の粒子径が例えば5mm以下、更に500μm以下、特に300μm以下となるように行うことが好ましい。粉砕には、例えばジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、ブラウンミル、ピンミル、ディスクミル、ジョークラッシャーなどの公知の粉砕装置を用いることができる。合金粉末の粒子径が10μm以下になると、金型への充填性の低下や、成形工程において合金粉末の酸化の影響が大きくなることから、合金粉末の粒子径は10μm以上が好ましい。粉砕する際の雰囲気は、合金粉末の酸化を抑制するため、不活性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気中の酸素濃度を5体積%以下、更に1体積%以下とすることが好ましい。不活性雰囲気としては、例えばArやNなどの不活性ガス雰囲気が挙げられる。
(脱水素工程)
脱水素工程は、水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)の成形体を不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で熱処理して脱水素処理し、再結合反応により水素化処理によって相分解したSmHとFeとをSmFe17相に再結合する工程である。この工程により、Fe相、SmFe17相及びSmFe相のナノコンポジット混晶組織を有する混晶体が得られる。脱水素処理は、水素化処理によって相分解したSmHとFeの再結合反応が生じる温度以上で熱処理する。脱水素処理の熱処理温度(脱水素温度)は、成形体の中心部(成形体の外表面から最も遠い部分)においてSmHが検出されない(実質的に存在しない)ような温度条件が好ましく、例えば600℃以上1000℃以下とすることが挙げられる。脱水素処理の熱処理温度が高いほど、再結合反応が進行するが、高過ぎると、結晶組織が粗大化することがある。脱水素処理の熱処理温度は650℃以上800℃以下がより好ましい。
脱水素処理の時間は、適宜設定すればよく、例えば30分以上180分以下とすることが挙げられる。脱水素処理の時間が短過ぎると、成形体の内部まで再結合反応が十分に進行しない虞がある。一方、脱水素処理の時間が長過ぎると、結晶組織が粗大化する虞がある。
不活性雰囲気としては、例えばArやNなどの不活性ガス雰囲気とすることが挙げられ、減圧雰囲気としては、例えば真空度が10Pa以下の真空雰囲気とすることが挙げられる。より好ましい真空雰囲気の真空度は1Pa以下、更に0.1Pa以下である。特に、減圧雰囲気(真空雰囲気)中で脱水素処理した場合、再結合反応が進行し易く、SmHが残存し難い。成形体の密度が高い場合や成形体のサイズが大きい場合、真空雰囲気中で脱水素処理する際に急激に10Pa以下に減圧すると、成形体の表層のみ反応が進行して収縮することで空隙が閉塞し、成形体内部からの水素放出を妨げる虞がある。そこで、真空雰囲気中で脱水素処理する際は真空度を制御することが好ましい。例えば、20〜101kPaの水素含有雰囲気中で脱水素温度まで昇温し、その後減圧して、例えば0.1〜20kPa程度の真空度の水素含有雰囲気を経て、最終的に10Pa以下とすることが好ましい。成形体を構成する合金粉末の粒子径が大きい場合も同様である。
脱水素処理後の成形体(混晶体)の結晶組織について、図2を参照して説明する。図1の下図に示した水素化合金101を脱水素処理することによって、混晶領域20のSmH相21とFe相22とが再結合し、図2に示すようなFe相22とSmFe17相12とがナノサイズで混晶した組織が形成される。また、脱水素処理によって、SmFe9+α相10においてFeが析出して、SmFe相11内にナノサイズの微細なFe相22が分散した混晶組織が形成される。したがって、得られた混晶体102では、Fe相22、SmFe17相12及びSmFe相11のナノコンポジット混晶組織が形成される。
(窒化工程)
窒化工程は、脱水素処理した成形体(混晶体)を窒素含有雰囲気中で熱処理して窒化処理する工程である。この工程により、混晶体に含まれるSmFe17相及びSmFe相を窒化して、Fe相、SmFe17相及びSmFe相のナノコンポジット混晶組織を有する希土類圧粉磁石が得られる。窒化処理の熱処理温度は、例えば200℃以上550℃以下とすることが挙げられる。窒化処理の熱処理温度が高いほど、窒化が進行するが、高過ぎると、結晶組織が粗大化したり、過剰窒化となり、磁気特性が低下する虞がある。窒化処理の熱処理温度は300℃以上500℃以下がより好ましい。窒化処理の時間は、適宜設定すればよく、例えば60分以上1200分以下とすることが挙げられる。
窒素含有雰囲気としては、例えば、NHガス雰囲気又はNHガスとHガスとの混合ガス雰囲気、若しくは、Nガス雰囲気又はNガスとHガスとの混合ガス雰囲気が挙げられる。
窒化処理後の希土類磁石の結晶組織について、図3を参照して説明する。図2に示した混晶体102を窒化処理することによって、SmFe17相12及びSmFe相11が窒化され、図3に示すようなFe相22、SmFe17相121及びSmFe相111のナノコンポジット混晶組織が形成される。得られた希土類磁石110において、SmFe17相121におけるNの原子比xは、例えば2.0≦x≦3.5であり、好ましくはx=3である。一方、SmFe相111におけるNの原子比yは、例えば0.5≦y≦2.0であり、好ましくはy=1.8である。また、Fe相22の平均結晶粒径は、200nm以下であり、100nm以下がより好ましい。Fe相の平均結晶粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で直接観察することにより求めることができる他、X線回折における回折ピークの半値幅からシェラーの式を用いて求める方法や、超低角のX線回折ピークから分散粒子径として間接的な方法で求めることも可能である。
希土類磁石の結晶組織において、Fe相は、次の2通りのものが存在する。1つは、水素化処理時に水素不均化反応で生じたSmH相とFe相とが脱水素処理時に再結合してSmFe17相になる際に余剰成分としてSmFe17結晶の粒界部分に析出したものである。もう1つは、水素化処理時に未分解で残存したSmFe9+α相からα分のFeが熱分解でSmFe結晶の内部に析出したものである。水素化処理及び脱水素処理の熱処理温度が700℃以下の場合、前者のFe相のサイズが後者のFe相のサイズよりも大きくなり、また、前者のFe相の形状は異形状であるのに対し、後者のFe相では球形状となる傾向がある。前者のFe相と後者のFe相とは、組織観察を行って、Fe相の真円度を評価することで区別できる。ここで「真円度」とは、等面積円相当径を最長径で除した値である。
(アニール工程)
アニール工程は、水素化工程前のSm−Fe系合金、成形工程前の水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)、脱水素工程前の成形体、窒化工程前の脱水素処理した成形体(混晶体)の少なくとも一つを、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で700℃以上900℃以下の温度で熱処理してアニール処理する工程である。この工程により、SmFe相の結晶性を高められる。SmFe相の結晶性が高いほど、保磁力が高い希土類磁石が得られる。アニール処理の熱処理温度は、高いほどSmFe相の結晶性を高められるが、高過ぎるとFe相が粗大化して磁気特性が低下する虞がある。アニール処理の熱処理温度は、更に750℃以上850℃以下、特に770℃以上820℃以下が好ましい。
アニール処理の時間は、適宜選択すればよく、例えば5分以上180分以下とすることが挙げられる。アニール処理の時間が短過ぎると、SmFe相の結晶性を十分に高めることができない虞がある。一方、アニール処理の時間が長過ぎると、Fe相が粗大化する虞がある。また、アニール処理の時間は、アニール処理するタイミングによっても適宜選択すればよい。例えば、成形工程前の水素化処理したSm−Fe系合金(水素化合金)をアニール処理する場合、アニール処理の熱処理温度によって、加圧成形する前に水素化処理によって相分解したSmHとFeとが再結合してしまい成形性が劣る虞がある。そのため、アニール処理の時間は、SmHとFeとが再結合しない程度の時間を選択すればよい。また、脱水素工程前の成形体をアニール処理する場合、アニール処理の熱処理温度によって、脱水素処理を同時に行うことができる。そのため、アニール処理の時間は、SmFe相の結晶性を十分に高めることができると共に、再結合反応により水素化処理によって相分解したSmHとFeとをSmFe17相に再結合できる時間を選択すればよい。
不活性雰囲気としては、例えばArなどの不活性ガス雰囲気とすることが挙げられ、減圧雰囲気としては、例えば真空度が10Pa以下の真空雰囲気とすることが挙げられる。減圧雰囲気(真空雰囲気)中でアニール処理する場合、真空度が高過ぎるとSmが揮発する虞があるため、真空雰囲気の真空度は0.1Pa以上、更に1Pa以上が好ましい。
<希土類磁石>
上述した製造方法により得られる希土類磁石は、Fe相、SmFe17相及びSmFe相のナノコンポジット混晶組織を有し、相対密度が80%以上である。この希土類磁石は、Fe/SmFe17/SmFeのナノコンポジット混晶組織を有するSm−Fe−N系合金の圧粉磁石であり、Fe相からなる軟磁性相と、SmFe17相(x=2.0〜3.5)及びSmFe相(y=0.5〜2.0)からなる硬磁性相とを含む。そして、ナノサイズの微細なFe相が存在することで、軟磁性相と硬磁性相との間に働く交換相互作用により、高磁化と高保磁力を併せ持つことができる。また、希土類磁石は、バインダを含んでおらず、相対密度が80%以上であることから、Sm−Fe−N系合金が占める割合が多く、Sm−Fe−N系合金が有する本来の磁気特性に近い性能を発揮できる。
(磁気特性)
この希土類磁石は、高い残留磁化及び保磁力を有することができ、磁気特性に優れる。例えば、残留磁化が0.58T以上であり、保磁力が480kA/m以上である。残留磁化は0.60T以上、更に0.70T以上がより好ましく、保磁力は500kA/m以上、更に600kA/m以上がより好ましい。
<用途>
上述した希土類磁石の製造方法は、希土類磁石の製造に好適に利用できる。得られた希土類磁石は、モータや発電機などの各種電気機器に使用される永久磁石として好適に利用できる。
[試験例1]
SmとFeとの原子比が異なるSm−Fe系合金を原料に用いて、表1〜3に示す希土類磁石の試料(No.1−1〜1−50)を製造し、その評価を行った。
Smを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金溶湯をメルトスパン法により急冷して、出発原料となるSm−Fe系合金を製造した。得られたSm−Fe系合金を不活性雰囲気中で粉砕した後、篩にかけて、粒子径が106μm以下のSm−Fe系合金粉末とした。試験例1では、Smの含有量を変更し、SmとFeとの原子比Fe/Smが8〜12.5である各種Sm−Fe系合金を準備した。また、各種Sm−Fe系合金は、ロールの周速を変更して急冷した。準備した各種Sm−Fe系合金の原子比Fe/Sm、及びロールの周速を表1〜3に示す。
また、原料となる各種Sm−Fe系合金について、Cu管球を線源とするX線回折装置(株式会社リガク製SmartLab)を用いてX線回折を行った。そして、X線回折において、SmとFeの化合物に由来する2θ=30〜50°の範囲での最大の回折ピークの積算強度Int(SmFe)に対するαFeの(110)面の回折ピークの積算強度Int(Fe)の積算強度比を求めた。各種Sm−Fe系合金における積算強度比Int(Fe)/Int(SmFe)を表1〜3に示す。なお、表1〜3中、積算強度比が「<0.05」とは、積算強度比が0.05未満であり、αFeが検出限界未満のため検出されなかったことを意味する。
準備した各種Sm−Fe系合金の粉末をアルゴン雰囲気中でそれぞれアニール処理した。アニール処理は、熱処理温度を650〜950℃の範囲で変更し、処理時間を150分とした。アニール処理の熱処理温度を表1〜3に示す。
アニール処理した各種Sm−Fe系合金の粉末をHガス雰囲気(大気圧)中でそれぞれ水素化処理して、水素化合金の粉末を得た。水素化処理は熱処理温度を575℃とし、処理時間を150分とした。得られた各種水素化合金粉末について、粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で組織観察すると共にエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により組成分析することで、SmFe相の体積比率を求めた。ここでは、SEM−EDX装置(日本電子株式会社製JSM−7600F)を用いて、10個以上の粒子の断面を観察し、それぞれのSmFe相の面積比率を求め、その平均値をSmFe相の体積比率とみなした。各種水素化合金粉末におけるSmFe相の体積比率を表1〜3に示す。
得られた各種水素化合金粉末をそれぞれ金型に充填し加圧成形して、直径10mm×高さ10mmの円柱状の水素化合金粉末成形体を得た。加圧成形は、成形圧力を1470MPa(15ton/cm)とし、室温で行った。また、金型の内壁面には潤滑剤(ミリスチン酸)を塗布した。得られた各種成形体について相対密度を求めた。成形体の相対密度は、成形体の体積と質量とを測定し、これらの値から実測密度を求め、原料のSm−Fe系合金の密度を真密度とみなして算出した。各種成形体の相対密度を表1〜3に示す。
得られた各種成形体をHガス雰囲気(大気圧)中で昇温し、所定の脱水素温度に到達後に真空雰囲気(真空度が10Pa以下)に切り替えて脱水素処理し、混晶体を得た。脱水素処理は熱処理温度を650℃とし、処理時間を150分とした。その後、得られた各種成形体をNHガスとHガスとの混合ガス雰囲気(NHガスとHガスの混合比が体積比で1:2)中で窒化処理して、表1〜3に示す希土類圧粉磁石の試料(No.1−1〜1−50)を得た。窒化処理は熱処理温度を350℃とし、処理時間を720分とした。得られた圧粉磁石の相対密度を求めたところ、いずれの試料も脱水素・窒化処理前の水素化合金粉末成形体の相対密度と実質的に同じであった。
比較として、ボンド磁石の試料(No.101)を作製した。この試料では、出発原料として、原子比Fe/Smが13.6であるSm−Fe系合金をメルトスパン法により急冷して製造し、これを粉砕した後、篩にかけて、粒子径が70μm以上150μm以下のSm−Fe系合金粉末を準備した。ロールの周速は50m/秒とした。その後、Sm−Fe系合金粉末をArガス雰囲気中(1気圧)で720℃、1時間の熱処理を行った。このSm−Fe系合金についてX線回折を行い、上述した圧粉磁石の試料と同様に、積算強度比Int(Fe)/Int(SmFe)を求めた。その結果を表3に示す。
得られたSm−Fe系合金粉末について、上述した圧粉磁石の試料と同様に、SmFe相の体積比率を求めた。その結果を表3に示す。
続いて、得られたSm−Fe系合金粉末をNガス雰囲気中(1気圧)で450℃、10時間の窒化処理を行い、Fe相とSm−Fe−N相との混晶合金の磁粉を得た。得られた磁粉にバインダとしてエポキシ樹脂の粉末を4質量%の割合で配合し、混合した。この混合粉末を金型に充填し、温度:150℃、成形圧力:50MPaで加圧成形することで、希土類ボンド磁石の試料(No.101)を得た。ボンド磁石の形状は、直径10mm×高さ10mmの円柱状とした。得られたボンド磁石の相対密度を表3に示す。ボンド磁石の相対密度は、ボンド磁石の実測密度を求め、原料のSm−Fe系合金の密度を真密度とみなして算出した。
得られた各試料の希土類磁石について、磁気特性を評価した。具体的には、着磁装置(日本電磁測器株式会社製高圧コンデンサ式SR型)を用いて4777kA/m(5T)のパルス磁場を印加して着磁処理を行ってから、BHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いてB−H曲線を測定し、飽和磁化、残留磁化及び保磁力を求めた。但し、飽和磁化は、2388kA/mの磁界を印加したときの値である。各試料の飽和磁化、残留磁化及び保磁力を表1〜3に示す。
Figure 2018186255
Figure 2018186255
Figure 2018186255
表1〜3の結果から、原子比Fe/Smが8.75〜12で、積算強度比が1/9(約0.11)以下を満たすSm−Fe系合金を原料に用いた圧粉磁石の試料No.1−4〜1−37及び試料No.1−39〜1−47は、成形体の相対密度が80%以上であり、ボンド磁石に比較して高い飽和磁化を有することが分かる。また、これらの試料は、残留磁化が0.58T以上で、かつ、保磁力が480kA/m以上であり、高い残留磁化及び保磁力を有している。これらの試料について、断面をSEM−EDX装置を用いて組織観察すると共に組成分析したところ、Fe/SmFe17(x=2.0〜3.5)/SmFe(y=0.5〜2.0)のナノコンポジット混晶組織が形成されていた。
これらの試料のうち、700℃以上900℃以下の温度でアニール処理を施した試料No.1−7〜1−11,1−15〜1−19,1−24〜1−28,1−32〜1−36,1−42〜1−46は、残留磁化が0.62T以上で、かつ、保磁力が590kA/m以上であり、磁気特性が向上していることが分かる。700℃以上900℃以下の温度でアニール処理を施した試料のうち、積算強度比が0.05未満であり、水素化合金におけるSmFe相の比率が35〜60体積%を満たす試料は、残留磁化が0.70T以上で、かつ、保磁力が600kA/m以上であり、磁気特性が更に向上していることが分かる。試料No.1−15〜1−20,1−24〜1−29,1−32〜1−37,1−42〜1−47についてX線回折を行い、回折ピークの半値幅からシェラーの式を用いてFe相の平均結晶粒径を求めたところ、いずれの試料もFe相の平均結晶粒径が80nm以上120nmの範囲であった。
試料No.1−1〜1−3,1−48〜1−50の磁気特性が低下した理由は次のように考えられる。試料No.1−1〜1−3では、原料合金の原子比Fe/Smが8であり、SmFeよりも安定なSmFe17が生成されるため、SmFe9+α相が形成され難い。そのため、最終的に微細なナノコンポジット組織が形成されず、磁気特性が低下したと考えられる。一方、試料No.1−48〜1−50では、原子比Fe/Smが12.5であり、SmFeよりもSmFe13構造付近で安定し、SmFe9+α相が形成され難い。このSmFe13は水素化分解され難く、また硬いため、微細な組織が形成されず、成形体の相対密度も低くなり、磁気特性が低下したと考えられる。
試料No.1−38の磁気特性が低下した理由は次のように考えられる。この試料は、余剰のFeを比較的多く含むことから、ロールの周速が遅い場合にαFeが析出し易い。そのため、原料合金中に粗大なαFeを多く含み、積算強度比が1/9超になったものと推定される。また、ロールの周速が遅いため、単結晶のSmFe相が生成され易く、SmFe9+α相が形成され難い。したがって、微細な組織が形成されず、磁気特性が低下したと考えられる。
[試験例2]
Sm−Fe系合金の水素化処理の熱処理温度を変更して、表2に示す希土類磁石の試料(No.2−1〜2−18)を製造し、その評価を行った。
試験例2では、出発原料として、試験例1の試料No.1−22と同じSm−Fe系合金粉末を準備した。そして、水素化処理の熱処理温度を500〜650℃の範囲で変更した以外は、試験例1と同じ製造条件で希土類圧粉磁石の試料(No.2−1〜2−18)を製造した。その評価結果を表4に示す。
Figure 2018186255
表4の結果から、水素化処理の熱処理温度を500℃超650℃未満とした試料No.2−2〜2−17では、水素化合金におけるSmFe相の比率が35〜60体積%を満たし、成形体の相対密度が80%以上である。また、これらの試料は、残留磁化が0.63T以上で、かつ、保磁力が500kA/m以上であり、高い残留磁化及び保磁力を有していることが分かる。これらの試料のうち、700℃以上900℃以下の温度でアニール処理を施した試料No.2−4〜2−8,2−12〜2−16は、残留磁化が0.70T以上で、かつ、保磁力が620kA/m以上であり、磁気特性が向上していることが分かる。これは、SmFe相の比率が35〜60体積%であることで、成形性を十分に確保できつつ、組織の微細化及び結晶性の向上により磁気特性が大幅に向上したと考えられる。
これに対し、水素化処理の熱処理温度を500℃とした試料No.2−1では、水素化合金におけるSmFe相の比率が60体積%超であり、成形体の相対密度が低い。これは、熱処理温度が低いため、SmFe9+α相を十分に水素化分解できず、未反応のSmFe9+α相が残存する割合が増えたことから、成形性が低下したことが原因と考えられる。一方、水素化処理の熱処理温度を650℃とした試料No.2−18では、水素化合金におけるSmFe相の比率が35体積%未満であり、成形体の相対密度は高いが、残留磁化や保磁力といった磁気特性が低い。これは、熱処理温度が高いため、SmFe9+α相の水素化分解によって生成されたFe相の割合が増え、その後の脱水素処理により粗大なFe相が生成されたことで、微細な組織が形成されず、磁気特性が低下したと考えられる。
100 Sm−Fe系合金
10 SmFe9+α
101 水素化合金
20 混晶領域
21 SmH相 22 Fe相
102 混晶体
11 SmFe相 12 SmFe17
110 希土類磁石
111 SmFe相 121 SmFe17

Claims (5)

  1. Sm及びFeを主成分とし、SmとFeとの原子比が1:8.75〜1:12である合金溶湯を急冷して、SmFe相と非晶質のFeとの混晶構造を有するSmFe9+α相を主相とするSm−Fe系合金を準備する準備工程と、
    前記Sm−Fe系合金を水素含有雰囲気中で熱処理して水素化処理し、不均化反応により前記SmFe9+α相(α=0.1〜3.0)の一部をSmHとFeの2相に分解する水素化工程と、
    水素化処理した前記Sm−Fe系合金を加圧成形して成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で熱処理して脱水素処理し、再結合反応により前記水素化処理によって相分解した前記SmHとFeとを再結合する脱水素工程と、
    脱水素処理した前記成形体を窒素含有雰囲気中で熱処理して窒化処理する窒化工程と、
    前記水素化工程前の前記Sm−Fe系合金、前記成形工程前の水素化処理した前記Sm−Fe系合金、前記脱水素工程前の前記成形体、前記窒化工程前の脱水素処理した前記成形体の少なくとも一つを、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で700℃以上900℃以下の温度で熱処理してアニール処理するアニール工程と、を備え、
    前記準備工程において、前記Sm−Fe系合金は、Cu管球を線源とするX線回折において、αFeの(110)面の回折ピークの積算強度Int(Fe)が、SmとFeの化合物に由来する2θ=30〜50°の範囲での最大の回折ピークの積算強度Int(SmFe)に対して、積算強度比で1/9以下である希土類磁石の製造方法。
  2. 前記水素化工程において、水素化処理した前記Sm−Fe系合金が前記SmFe相を35体積%以上60体積%以下含有する請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 前記成形工程の前に、前記Sm−Fe系合金を粉砕する粉砕工程を備える請求項1又は請求項2に記載の希土類磁石の製造方法。
  4. 前記水素化工程において、500℃超650℃未満の温度で熱処理する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の希土類磁石の製造方法。
  5. 前記準備工程において、前記Sm−Fe系合金はメルトスパン法により急冷して製造する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の希土類磁石の製造方法。
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