JP2018185108A - 温冷感推定装置 - Google Patents

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亜旗 米田
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Abstract

【課題】人体の表層の状況を考慮して、温冷感の推定が可能な温冷感推定装置を提供する。
【解決手段】人体の温冷感を推定する温冷感推定装置1であって、人体が発する赤外線を測定する第一カメラ101と、人体の表層の状況を検出する表層状況検出部107と、第一カメラ101の測定結果と表層状況検出部107の検出結果とに基づいて、人体の温冷感を推定する温冷感推定部110とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、温冷感推定装置に関する。
人間の温冷感(暑い/寒いの感覚)が人間の申告なしに推定できれば、エアコンの効率的運転に大きく寄与できる。
人間の平均皮膚温と温冷感が高い相関を持つことはよく知られているが、平均皮膚温を計測して温冷感を推定するには、温度センサを皮膚に直接設置する必要があり、実生活で利用することは困難であった。
一方、皮膚から衣類を通して外界へ放出される人間の放熱量に着目し、サーモカメラで計測した人体表面温度と外界温度との差によって計算した人間の放熱量を元に温冷感を推定する方法の開示がされている(特許文献1参照)。
国際公開第2015/122201号
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、着衣及び/または体毛を含む人体の表層の影響を考慮しておらず、推定された温冷感と、実際に人間が感じた温冷感とに乖離が生じているのが実状である。
そこで、本発明は、人体の表層の状況を考慮して、温冷感の推定が可能な温冷感推定装置を提供することである。
本発明の一態様に係る温冷感推定装置は、人体の温冷感を推定する温冷感推定装置であって、人体が発する赤外線を測定する第一カメラと、人体の表層の状況を検出する表層状況検出部と、第一カメラの測定結果と表層状況検出部の検出結果とに基づいて、人体の温冷感を推定する温冷感推定部とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、人体の表層の状況を考慮して、温冷感の推定が可能な温冷感推定装置を提供することができる。
図1は、本実施の形態における温冷感推定装置の構成ブロックを示すブロック図である。 図2は、図1の温冷感推定装置を車に実装する場合の一例を示す模式図である。 図3は、実施の形態1に係る第一カメラで取得された熱画像の一例を示す説明図である。 図4は、図3の熱画像から抽出された人体領域を示す説明図である。 図5は、図3の熱画像から抽出された背景領域を示す説明図である。 図6は、図1の第二カメラが取得した画像から抽出された着衣領域を示す説明図である。 実施の形態1における温冷感推定装置で実行される温冷感推定方法の流れを示すフロー図である。 図8は、実施の形態2における温冷感推定装置の構成ブロックを示すブロック図である。 図9は、図8の第二カメラが取得した画像から抽出された着衣領域を示す説明図である。 図10は、実施の形態3における温冷感推定装置の構成ブロックを示すブロック図である。 図11は、人体と着衣のシワと第一カメラとの位置関係を示す模式的に示す拡大図である。 図12は、補正前の表面温度分布と、補正後の表面温度分布とを示す説明図である。 図13は、実施の形態4における温冷感推定装置の構成ブロックを示すブロック図である。
本発明の一態様に係る温冷感推定装置は、人体の温冷感を推定する温冷感推定装置であって、人体が発する赤外線を測定する第一カメラと、人体の表層の状況を検出する表層状況検出部と、第一カメラの測定結果と表層状況検出部の検出結果とに基づいて、人体の温冷感を推定する温冷感推定部とを備えている。
これによれば、第一カメラが測定した人体からの赤外線を用いることで、人体からの放熱量を求めることができ、当該放熱量に基づいて温冷感を推定することができる。また、表層状況検出部では、人体の表層の状況を検出しているので、第一カメラだけでは検出できない人体の表層の状況を検出することができる。そして、この表層状況検出部の検出結果と第一カメラの測定結果とに基づいて温冷感推定部が人体の温冷感を推定しているので、人体の表層の状況を考慮して温冷感を推定することができる。
例えば、温冷感推定装置は、第一カメラが測定する赤外線よりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定する第二カメラを備え、表層状況検出部は、第二カメラの測定結果に基づいて、人体の表層の状況を検出してもよい。
ここで、前述したように第一カメラは人体が発する赤外線を測定する。具体的には、第一カメラは人体が発する中赤外線及び遠赤外線を測定する。中赤外線及び遠赤外線を測定するカメラだけでは、人体の表層の状況を撮像できないが、第二カメラであれば、第一カメラよりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定するので、人体の表層の状況を撮像することで確実に検出できる。
例えば、温冷感推定装置は、さらに、日射量を測定する日射量計を備え、表層状況検出部は、人体が装着している衣類の明度を、表層の状況として検出し、温冷感推定部は、日射量計の測定結果及び表層状況検出部の検出結果により算出された日射受熱量と、第一カメラの測定結果とに基づいて、人体の温冷感を推定してもよい。
これによれば、表層状況検出部は、人体の表層の状況の一つである着衣の明度を検出する。この明度と日射量とによって日射受熱量が算出される。温冷感推定部は、日射受熱量と第一カメラの測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定することができる。
例えば、表層状況検出部は、人体が装着している衣類のシワを検出し、温冷感推定部は、表層状況検出部が検出したシワに基づく対流熱伝達率と、第一カメラの測定結果とに基づいて前記人体の温冷感を推定してもよい。
これによれば、表層状況検出部は、人体の表層の状況の一つである着衣のシワを検出する。温冷感推定部は、表層状況検出部が検出したシワと、第一カメラの測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定することができる。
例えば、表層状況検出部は、人体が装着している衣類のシワを検出し、温冷感推定装置は、表層状況検出部が検出したシワに基づいて、第一カメラの測定結果を補正する補正部を有してもよい。
これによれば、表層状況検出部が検出したシワに基づいて、補正部が第一カメラの測定結果を補正するので、補正後の測定結果に基づいて、温冷感推定部が人体の温冷感を推定することができる。
例えば、表層状況検出部は、人体の体毛を検出し、温冷感推定部は、表層状況検出部が検出した体毛に基づく対流熱伝達率と、第一カメラの測定結果とに基づいて、人体の温冷感を推定してもよい。
これによれば、表層状況検出部は、人体の表層の状況の一つである人体の体毛を検出する。温冷感推定部は、表層状況検出部が検出した体毛と、第一カメラの測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1では、例えば車内のような不均一な温熱環境下において、人体の温冷感を推定する温冷感推定装置について説明する。そして、実施の形態1では、人体の表層の状況として、人体が装着している衣類の明度を検出し、当該検出結果を温冷感推定に用いる場合について説明する。
図1は、本実施の形態における温冷感推定装置1の構成ブロックを示すブロック図である。また、図2は、図1の温冷感推定装置1を車に実装する場合の一例を示す模式図である。
温冷感推定装置1では、運転者の温冷感を推定することを目的とし、推定された温冷感は、カーエアコンの制御に使用され、冷やしすぎ、暖めすぎを防ぎ、空調に消費される余分なエネルギーを車の移動にまわすことで、車の航続距離を伸ばす効果が得られる。
図1に示すように、温冷感推定装置1は、第一カメラ101と、第二カメラ102と、日射量計103と、人体領域抽出部104と、背景領域抽出部105と、暫定放熱量計算部106と、表層状況検出部107と、日射受熱量計算部108と、人体放熱量計算部109と、温冷感推定部110とを備えている。
第一カメラ101は、赤外線による撮像により熱画像を取得することにより、人体が発する赤外線を測定するサーモカメラである。具体的には、第一カメラ101は、赤外線のうち、中赤外線及び遠赤外線による撮像を行うことで熱画像を取得している。つまり、第一カメラ101は、人体が発した中赤外線及び遠赤外線を測定する。また、図2で示したとおり、実施の形態1では、運転席に着座した運転者の全身が映る位置に第一カメラ101が設置されている。これにより、第一カメラ101によって人体の全身の熱画像が取得される。なお、複数の第一カメラ101を車内の異なる位置に設置し、各第一カメラ101によって運転者を分割して撮影することで複数の熱画像を取得し、これらの熱画像を合成することで、全身の熱画像を取得することも可能である。
図3は、実施の形態1に係る第一カメラ101で取得された熱画像の一例を示す説明図である。図3の熱画像G1においては、温度の高い部分が濃い色で、温度が低い部分が薄い色で示されている。
第二カメラ102は、人体の表層の状況を測定する表層状況検出部の一例である。具体的には、第二カメラ102は、第一カメラ101が測定する赤外線よりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定するカメラである。ここでは、第一カメラ101は、可視カメラとする。また、図2で示したとおり、実施の形態1では、運転席に着座した運転者の全身が映る位置に第二カメラ102が設置されている。具体的には、第二カメラ102は、第一カメラ101と同じ位置に配置されており、その撮影範囲も第一カメラ101と概ね同様に調整されている。これにより、第二カメラ102によって人体の全身の画像が取得される。なお、複数の第二カメラ102を車内の異なる位置に設置し、各第二カメラ102によって運転者を分割して撮影することで複数の画像を取得し、これらの画像を合成することで、全身の画像を取得することも可能である。
日射量計103は、日射量を測定する計測器である。なお、日射量計103は、温冷感推定の精度を上げるべく、運転者に対する日射量と同等の日射量が測定できる位置に配置されていることが望まれる。具体的には、図2で示したとおり、日射量計103は、ダッシュボード上に設置されていてもよいし、シートの近傍に設置されていれていてもよい。
人体領域抽出部104は、第一カメラ101で取得された熱画像G1から、人体に相当する人体領域G2を抽出する。人体領域抽出部104は、例えば、熱画像G1に対してエッジ処理を施すことで、人体の輪郭を特定し、この輪郭の内部を人体領域G2として抽出する。なお、この画像抽出処理は、周知のその他の手法を用いることが可能である。
図4は、図3の熱画像G1から抽出された人体領域G2を示す説明図である。図4において、斜線のハッチングが施された箇所は無視される領域である。
人体領域抽出部104は、図4に示す人体領域G2に基づいて、当該人体領域G2の平均温度を算出することにより、人体の表面平均温度Tclを求める。
背景領域抽出部105は、第一カメラ101で取得された熱画像G1から、背景に相当する背景領域G3を抽出する。背景領域抽出部105は、例えば、熱画像G1に対してエッジ処理を施すことで、人体の輪郭を特定し、この輪郭の外部を背景領域G3として抽出する。
図5は、図3の熱画像G1から抽出された背景領域G3を示す説明図である。図5において、斜線のハッチングが施された箇所は無視される領域である。
背景領域抽出部105は、図5に示す背景領域G3に基づいて、当該背景領域G3の平均温度を算出することにより、背景平均温度Tbを求める。
暫定放熱量計算部106は、人間が外界に対して放熱する放熱量を算出する。人間が外界に放熱する経路は、対流(伝導含む)、放射、呼気や汗の蒸発の3種類がある。平静状態では、呼気や汗の蒸発は一定であると考え、暫定放熱量計算部106は、温冷感に支配的な項目である対流と放射による放熱を計算する。暫定放熱量計算部106は、空気と人体の対流による放熱量と、全身における放射による放熱量を計算する。
対流による放熱量は、人体の表面温度と気温との差に、対流熱伝達率hcを乗算することで計算される。人体の表面温度は表面平均温度Tclとする。気温は背景平均温度Tbとする。また、人体における対流熱伝達率hcは、基本的には固定値であるので、あらかじめ設定された値を用いる。
放射による放熱量は、人体を取り囲む平均放射温度と人体の表面温度との差に、放射熱伝達率hrを乗算することで計算される。実施の形態1では、背景平均温度Tbを平均放射温度とみなして計算する。放射熱伝達率hrは固定値であり、あらかじめ設定された値を用いる。
そして、暫定放熱量計算部106は、暫定放熱量Htを以下の式(1)により求める。
Ht=(hc+hr)×(Tcl+Tb)・・・(1)
表層状況検出部107は、第二カメラ102の測定結果に基づいて人体の表層の状況を検出する。具体的には、表層状況検出部107は、第二カメラ102で取得された画像から、着衣に相当する着衣領域G4を抽出する。表層状況検出部107は、例えば、第二カメラ102が取得した画像に対してエッジ処理を施すことで、着衣の輪郭を特定し、この輪郭の内部を着衣領域G4として抽出する。
図6は、図1の第二カメラ102が取得した画像から抽出された着衣領域G4を示す説明図である。図6においては、着衣領域G4を白抜きで表現しているが、この着衣領域G4内では、実際の着衣がカラー画像若しくは明度画像として表現されている。なお、図5において、斜線のハッチングが施された箇所は、背景を示しており無視される領域である。また、図5において、点のハッチングが施された箇所は、人体における着衣から露出した部分を示しており無視される領域である。
表層状況検出部107は、図6に示す着衣領域G4に基づいて、当該着衣領域G4の平均明度を算出することにより着衣平均明度Iclを求める。そして、表層状況検出部107は、着衣平均明度Iclに基づいて、着衣領域G4における日射吸収率を算出する。ここで、着衣の明度によって日射吸収率は0.05〜0.5まで変化することが知られている。このため、着衣の明度がわかれば日射吸収率を算出することが可能である。着衣の日射吸収率Aclは、以下の式(2)により求められる。
Acl=Fia(Icl)・・・(2)
ここで、Fiaは明度を日射吸収率に変換するための関数である。Fiaは、種々の実験、シミュレーション、経験則、自然法則等により、求めることができる。
日射受熱量計算部108は、日射によって着衣が受ける日射受熱量Hsを計算する。具体的には、日射受熱量計算部108は、以下の式(3)により日射受熱量Hsを計算する。
Hs=Acl×Fhs(Hsall)・・・(3)
ここで、Hsallは、日射量計103が計測した日射量である。また、Fhsは、日射量を受熱量に変換するための関数である。Fhsは、種々の実験、シミュレーション、経験則、自然法則等により、求めることができる。
人体放熱量計算部109は、着衣の影響を考慮した人体放熱量Hを計算する。具体的には、人体放熱量計算部109は、以下の式(4)により人体放熱量Hを計算する。
H=Ht−Hs・・・(4)
このように、人体放熱量Hは、第一カメラ101の測定結果から算出された暫定放熱量Htと、表層状況検出部107の検出結果から算出された日射受熱量Hsとに基づいて求められている。
温冷感推定部110は、人体放熱量Hに基づいて人体の温冷感を推定する。具体的には、温冷感推定部110は、以下の式(5)により温冷感Tsを計算する。
Ts=Fht(H)・・・(5)
ここで、Fhtは、放熱量を温冷感に変換するための関数である。Fhtは、種々の実験、シミュレーション、経験則、自然法則等により、求めることができる。
なお、人体領域抽出部104、背景領域抽出部105、暫定放熱量計算部106、表層状況検出部107、日射受熱量計算部108、人体放熱量計算部109及び温冷感推定部110の一部または全部は、温冷感推定装置1に備わるプロセッサ(不図示)がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現されてもよいし、専用回路によりハードウェア的に実現されてもよい。また、上記構成要素が処理に用いる情報は、温冷感推定装置1が備えるメモリ(不図示)又はストレージ(不図示)に格納されているとする。
図7は、本実施の形態における温冷感推定装置1で実行される温冷感推定方法の流れを示すフロー図である。
ステップS1において、第一カメラ101は運転者の全身の熱画像を取得する。
ステップS2において、第二カメラ102は運転者の全身の画像を取得する。
ステップS3において、人体領域抽出部104は、熱画像G1から人体領域G2を抽出して、表面平均温度Tclを求める。
ステップS4において、背景領域抽出部105は、熱画像G1から背景領域G3を抽出して、背景平均温度Tbを求める。
ステップS5において、暫定放熱量計算部106は、式(1)に基づいて、暫定放熱量Htを算出する。
ステップS6において、表層状況検出部107は、第二カメラ102で取得された画像から、着衣に相当する着衣領域G4を抽出する。
ステップS7においては、表層状況検出部107は、式(2)に基づいて、着衣の日射吸収率Aclを算出する。
ステップS8において、日射受熱量計算部108は、式(3)に基づいて、日射受熱量Hsを計算する。
ステップS9において、人体放熱量計算部109は、式(4)に基づいて、人体放熱量Hを計算する。
ステップS10において、温冷感推定部110は、式(5)に基づいて、温冷感Tsを計算する。
以上のように、本実施の形態に係る温冷感推定装置1は、人体の温冷感を推定する温冷感推定装置1であって、人体が発する赤外線を測定する第一カメラ101と、人体の表層の状況を検出する表層状況検出部107と、第一カメラ101の測定結果と表層状況検出部107の検出結果とに基づいて、人体の温冷感を推定する温冷感推定部110とを備えている。
これによれば、第一カメラ101が測定した人体からの赤外線を用いることで、人体からの放熱量を求めることができ、当該放熱量に基づいて温冷感を推定することができる。また、表層状況検出部107では、人体の表層の状況を検出しているので、第一カメラ101だけでは検出できない人体の表層の状況を検出することができる。そして、この表層状況検出部107の検出結果と第一カメラ101の測定結果とに基づいて温冷感推定部110が人体の温冷感を推定しているので、人体の表層の状況を考慮して温冷感を推定することができる。
また、温冷感推定装置1は、第一カメラ101が測定する赤外線よりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定する第二カメラ102を備え、表層状況検出部107は、第二カメラ102の測定結果に基づいて、人体の表層の状況を検出している。
ここで、前述したように第一カメラ101は人体が発する赤外線を測定する。具体的には、第一カメラ101は人体が発する中赤外線及び遠赤外線を測定する。中赤外線及び遠赤外線を測定するカメラだけでは、人体の表層の状況を撮像できないが、第二カメラ102であれば、第一カメラよりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定するので、人体の表層の状況を撮像することで確実に検出できる。
また、温冷感推定装置1は、さらに、日射量を測定する日射量計103を備え、表層状況検出部107は、人体が装着している衣類の明度を、表層の状況として検出し、温冷感推定部110は、日射量計103の測定結果及び表層状況検出部107の検出結果により算出された日射受熱量Hsと、第一カメラ101の測定結果とに基づいて、人体の温冷感を推定している。
これによれば、表層状況検出部107は、人体の表層の状況の一つである着衣の明度を検出する。この明度と日射量とに基づいて、日射受熱量計算部108が衣類の日射受熱量Hsを算出する。温冷感推定部110は、算出された日射受熱量Hsと第一カメラ101の測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定することができる。
そして、温冷感推定装置1で求められる温冷感が、暑くも寒くもない、という値になるように、カーエアコンを制御することができる。これにより、運転者に対して、空調のやり過ぎで不快を感じさせることなく、余分な空調のためのエネルギーを節約できる。特に、本実施の形態の温冷感推定装置1を自動車に適用した場合は、空調のための無駄なエネルギーを省くことができ、自動車の航続距離が伸びるという格別の効果が得られる。
なお、本実施の形態では、第二カメラ102が可視カメラである場合を例示した。第二カメラ102は、第一カメラ101が測定する赤外線よりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定するカメラであればよい。可視カメラ以外のカメラとしては、ステレオカメラ、近赤外線カメラ、TOF(Time of Flight)カメラなどが挙げられる。ステレオカメラの場合には、可視カメラと同様に着衣の色を撮像することができるので、表層状況検出部107で着衣の明度を検出することができる。また、近赤外線カメラ若しくはTOFカメラの場合には、着衣における近赤外線画像を撮像することができるので、表層状況検出部107は、近赤外線画像に基づいて着衣の近赤外線吸収率を取得し、当該近赤外線吸収率によって衣類の明度を検出することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、人体の表層の状況として、人体が装着している衣類のシワを検出し、当該検出結果を温冷感推定に用いる場合について説明する。なお、以降の説明において、実施の形態1と同等の部位においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図8は、本実施の形態における温冷感推定装置1Aの構成ブロックを示すブロック図である。
図8に示すように、温冷感推定装置1Aは、第一カメラ101と、第二カメラ102と、人体領域抽出部104と、背景領域抽出部105と、表層状況検出部107aと、対流熱伝達率計算部111と、人体放熱量計算部109と、温冷感推定部110とを備えている。
表層状況検出部107aは、第二カメラ102の測定結果に基づいて人体の表層の状況を検出する。具体的には、表層状況検出部107aは、第二カメラ102で取得された画像から、着衣に相当する着衣領域G5を抽出する。表層状況検出部107aは、例えば、第二カメラ102が取得した画像に対してエッジ処理を施すことで、着衣の輪郭を特定し、この輪郭の内部を着衣領域G5として抽出する。さらに、表層状況検出部107aは、着衣領域G5に対してエッジ処理を施すことで、シワwの外形を検出する。
図9は、第二カメラ102が取得した画像から抽出された着衣領域G5を示す説明図である。図9においては、着衣領域G5を白抜きで表現しているが、この着衣領域G5内においては、実際の着衣がカラー画像若しくは明度画像として表現されている。また、図9では、着衣領域G5内にシワwが一つしか示されていないが、これは説明の便宜上、簡略化して図示したためであり、実際には複数のシワが着衣領域G5内に存在している。なお、図9において、斜線のハッチングが施された箇所は、背景を示しており無視される領域である。また、図9において、点のハッチングが施された箇所は、人体における着衣から露出した部分を示しており無視される領域である。
表層状況検出部107aは、シワwの外形を検出すると、第二カメラ102が撮像する動画上でそのシワwの動きを追跡することで、シワwの動きの幅を検出する。このシワwの動きの幅に基づいて、表層状況検出部107aは、シワwにおける着衣と肌との間隔gを検出する。なお、表層状況検出部107aは、着衣領域G5に対して周知の画像処理を施すことで、着衣の種類(Yシャツ、Tシャツ、浴衣等)を特定し、その特定結果を間隔gの検出に用いてもよい。これは、シワwにおける着衣と肌との間隔gは、着衣の種類に依存して決まっているためである。
対流熱伝達率計算部111は、シワwにおける着衣と肌との間隔gに基づいて、対流熱伝達率hcを求める。ここで、対流熱伝達率hcは、シワw近傍の風速v及び間隔gの少なくとも一方が大きくなると、増加することが知られている。これは、シワwの近傍で乱流が発生することに起因している。
このため、対流熱伝達率計算部111は、カーエアコンによる送風の風速に基づいて、着衣周辺の風速vを求めている。具体的には、例えば車両の工場出荷時に、あらかじめ、カーエアコンの設定パラメータ(送風の強度や、足元送風か上半身への送風か、冷風か温風かなどのパラメータ)毎に、シートに座った人体と送風との接触点付近の風速を風速計(図示省略)によって測定し、対流熱伝達率計算部111に記録しておくものであってもよい。この場合、運転者が着座し、カーエアコンが運転された際に、対流熱伝達率計算部111は、カーエアコンの設定パラメータを読み出し、設定パラメータごとに保存された風速vを読み出す。
そして、対流熱伝達率計算部111は、以下の式(6)により対流熱伝達率hcを計算する。
hc=Fgh(g,v)・・・(6)
ここで、Fghは、シワw近傍の風速及び間隔を対流熱伝達率に変換するための関数である。Fghは、種々の実験、シミュレーション、経験則、自然法則等により、求めることができる。
人体放熱量計算部109は、式(4)に基づいて着衣の影響を考慮した人体放熱量Hを計算する。温冷感推定部110は、式(5)に基づいて人体の温冷感を推定する。
なお、人体領域抽出部104、背景領域抽出部105、表層状況検出部107a、対流熱伝達率計算部111、人体放熱量計算部109及び温冷感推定部110の一部または全部は、温冷感推定装置1Aに備わるプロセッサ(不図示)がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現されてもよいし、専用回路によりハードウェア的に実現されてもよい。また、上記構成要素が処理に用いる情報は、温冷感推定装置1Aが備えるメモリ(不図示)又はストレージ(不図示)に格納されているとする。
以上のように、本実施の形態の温冷感推定装置1Aは、表層状況検出部107aは、人体が装着している衣類のシワwを検出し、温冷感推定部110は、表層状況検出部107aが検出したシワwに基づく対流熱伝達率hcと、第一カメラ101の測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定している。
これによれば、表層状況検出部107aが検出したシワwと、第一カメラ101の測定結果とに基づいて人体の温冷感を推定することができる。
なお、本実施の形態では、第二カメラ102が可視カメラである場合を例示したが、これ以外にもステレオカメラ、近赤外線カメラ、TOFカメラなどを第二カメラとして用いることができる。近赤外線カメラの場合には、可視カメラと同様にシワwのエッジが撮像されているので、表層状況検出部107aでシワwの外形を検出することができる。また、ステレオカメラ若しくはTOFカメラの場合には、着衣表面の立体形状が撮像されているので、表層状況検出部107aは、取得した着衣表面の立体形状に基づいてシワwの外形を検出することができる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、人体の表層の状況として、人体が装着している衣類のシワを検出し、当該シワから対流熱伝達率を算出して温冷感推定に用いる場合について説明した。この実施の形態3では、検出したシワに基づいて人体領域G2の測定温度を補正し、その補正結果に基づいて温冷感推定を行う。なお、以降の説明において、実施の形態1と同等の部位においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図10は、本実施の形態における温冷感推定装置1Bの構成ブロックを示すブロック図である。
図10に示すように、温冷感推定装置1Aは、第一カメラ101と、第二カメラ102と、人体領域抽出部104bと、背景領域抽出部105と、表層状況検出部107bと、補正部112と、人体放熱量計算部109と、温冷感推定部110とを備えている。
人体領域抽出部104bは、人体領域G2(図4参照)に基づいて、当該人体領域G2の表面温度分布を求める。
表層状況検出部107bは、第二カメラ102の測定結果に基づいて人体の表層の状況を検出する。具体的には、表層状況検出部107bは、第二カメラ102で取得された画像から、着衣に相当する着衣領域G5(図9参照)を抽出する。表層状況検出部107bは、例えば、第二カメラ102が取得した画像に対してエッジ処理を施すことで、着衣の輪郭を特定し、この輪郭の内部を着衣領域G5として抽出する。さらに、表層状況検出部107bは、着衣領域G5に対してエッジ処理を施すことで、シワwの外形を検出する。
表層状況検出部107bは、シワwの外形を検出すると、着衣領域G5におけるシワwの面積比率を算出する。
補正部112は、人体領域抽出部104bが求めた人体領域G2の表面温度分布を、シワwの面積比率に基づいて補正する。
図11は、人体Pと着衣Bのシワwと第一カメラ101との位置関係を示す模式的に示す拡大図である。なお、図11においては、着衣Bと人体Pとの断面を拡大して示している。図11に示すように、着衣Bにあるシワwは、人体Pから浮いている。このシワwは、第一カメラ101に対して影Sを作る。この影Sの部分は、第一カメラ101では撮影されないために、人体領域G2の表面温度分布に反映されていない。補正部112では、このシワwを起因とした影Sの部分を、表面温度分布に盛り込む補正を行う。
図12は、補正前の表面温度分布と、補正後の表面温度分布とを示す説明図である。補正部112は、補正前の表面温度分布の各ヒストグラムのうち、肌に着衣が密着した部分の温度に相当するヒストグラムを推定する。そして、補正部112は、推定したヒストグラムを増加することで補正する。このときの増加量Uは、着衣領域G5におけるシワwの面積比率に基づいて決定する。具体的には、面積比率が大きければ増加量Uを多くし、面積比率が小さければ増加量Uを小さくする。なお、この図12では、一つのヒストグラムのみを増加させた場合を例示しているが、複数のヒストグラムを増加させてもよい。そして、補正部112は、補正後の表面温度分布から人体の表面平均温度Tclを求める。
人体放熱量計算部109は、式(4)に基づいて着衣の影響を考慮した人体放熱量Hを計算する。温冷感推定部110は、式(5)に基づいて人体の温冷感を推定する。
なお、人体領域抽出部104b、背景領域抽出部105、表層状況検出部107b、補正部112、人体放熱量計算部109及び温冷感推定部110の一部または全部は、温冷感推定装置1Bに備わるプロセッサ(不図示)がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現されてもよいし、専用回路によりハードウェア的に実現されてもよい。また、上記構成要素が処理に用いる情報は、温冷感推定装置1Bが備えるメモリ(不図示)又はストレージ(不図示)に格納されているとする。
以上のように、本実施の形態によれば、表層状況検出部107bは、人体Pが装着している着衣Bのシワwを検出し、温冷感推定装置1Bは、表層状況検出部107bが検出したシワwに基づいて、第一カメラ101の測定結果を補正する補正部112を有している。
これによれば、表層状況検出部107bが検出したシワwに基づいて、補正部112が第一カメラ101の測定結果を補正するので、補正後の測定結果に基づいて、温冷感推定部110が人体の温冷感を推定することができる。
なお、本実施の形態では、第二カメラ102が可視カメラである場合を例示したが、これ以外にもステレオカメラ、近赤外線カメラ、TOFカメラなどを第二カメラとして用いることができる。近赤外線カメラの場合には、可視カメラと同様にシワwのエッジが撮像されているので、表層状況検出部107bがシワwを起因とした影Sの部分を検出することができる。また、ステレオカメラ若しくはTOFカメラの場合には、着衣表面の立体形状が撮像されているので、表層状況検出部107bは、取得した着衣表面の立体形状に基づいてシワwの外形を検出して、当該シワwを起因とした影Sの部分を検出することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、第二カメラ102で取得された画像を、例えばカーエアコンの送風口から人体までの距離の測定に用いる場合について説明する。なお、以降の説明において、実施の形態1と同等の部位においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図13は、本実施の形態における温冷感推定装置1Cの構成ブロックを示すブロック図である。
図13に示すように、温冷感推定装置1Cは、第一カメラ101と、第二カメラ102cと、人体領域抽出部104と、背景領域抽出部105と、暫定放熱量計算部106cと、風温計113と、風温補正部114と、風速計115と、風速補正部116と、対流熱伝達率計算部111cと、第二暫定放熱量計算部117と、面積比計算部118と、人体放熱量計算部109cと、温冷感推定部110とを備えている。
第二カメラ102cは、例えばステレオカメラ、TOFカメラなどの、対象物までの距離を測定可能なカメラである。
表層状況検出部107cは、第二カメラ102の測定結果に基づいて人体の表層の状況を検出する。具体的には、表層状況検出部107cは、第二カメラ102で取得された画像に基づいて、送風口から人体までの距離を算出する。
風温計113は、例えばカーエアコンの風温計であり、カーエアコンの送風口での風温を検出している。
風温補正部114は、風温計113が検出した風温を補正して、補正風音を算出する。具体的には、風温補正部114は、表層状況検出部107cが求めた距離に基づいて、風温を補正する。送風口から人体までの距離が大きくなるほど、人体での風温は低下するので、風温補正部114はこの関係性を基に風温を距離に基づいて補正している。
風速計115は、例えばカーエアコンの風速計であり、カーエアコンの送風口での風速を検出している。
風速補正部116は、風速計115が検出した風速を補正して、補正風速を算出する。具体的には、風速補正部116は、表層状況検出部107cが求めた距離に基づいて、風速を補正する。送風口から人体までの距離が大きくなるほど、人体での風速は低下するので、風速補正部116はこの関係性を基に風温を距離に基づいて補正している。
対流熱伝達率計算部111cは、補正された風速に基づいて、対流熱伝達率hcを求める。
第二暫定放熱量計算部117は、送風状態の空気と人体の対流による放熱量を計算する。具体的には、第二暫定放熱量計算部117は、表面平均温度Tclと、背景平均温度Tbと、補正風温と、対流熱伝達率hcとによって、第二暫定放熱量Ht2を算出する。
暫定放熱量計算部106cは、対流熱伝達率hcを用いずに、表面平均温度Tclと、背景平均温度Tbとによって第一暫定放熱量Ht1を算出する。このように、第一暫定放熱量Ht1は、対流による放熱が考慮されていない。
面積比計算部118は、第一カメラ101で取得した熱画像G1から、人体における風に晒された部分の面積と、全身の表面積との面積比を計算する。人体における風に晒された部分は、他の部分よりも温度が低いために、その温度差によって特定することが可能である。
人体放熱量計算部109は、第一暫定放熱量Ht1と、第二暫定放熱量Ht2とを、面積比で重み付け平均を取ることにより、人体放熱量Hを計算する。
温冷感推定部110は、式(5)に基づいて人体の温冷感を推定する。
なお、人体領域抽出部104、背景領域抽出部105、暫定放熱量計算部106c、風温補正部114、風速補正部116、対流熱伝達率計算部111c、第二暫定放熱量計算部117、面積比計算部118、人体放熱量計算部109c及び温冷感推定部110の一部または全部は、温冷感推定装置1Cに備わるプロセッサ(不図示)がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現されてもよいし、専用回路によりハードウェア的に実現されてもよい。また、上記構成要素が処理に用いる情報は、温冷感推定装置1Cが備えるメモリ(不図示)又はストレージ(不図示)に格納されているとする。
また、本実施の形態では、第二カメラ102がステレオカメラまたはTOFカメラである場合を例示したが、これ以外にも可視カメラ、近赤外線カメラなどを第二カメラとして用いることができる。可視カメラまたは近赤外線カメラの場合には、これらから得られた2D画像を、表層状況検出部107cが画像解析することで、シートの位置変化を判定することにより、送風口から人体までの距離を検出することが可能である。
(その他)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記各実施の形態を説明した。しかしながら、各実施の形態における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
例えば、実施の形態1などでは、表層状況検出部107が人体の表層の状況として着衣の状況(色、シワ等)を検出している場合を例示した。しかしながら、表層状況検出部は、人体の体毛を検出することで、人体の表層の状況を検出することも可能である。この場合、温冷感推定部は、表層状況検出部が検出した体毛に基づく対流熱伝達率と、第一カメラの測定結果とに基づいて、人体の温冷感を推定する。なお、着衣の状況と体毛の状況との両者を検出して、これらの検出結果を複合的に温冷感推定に用いることも可能である。
また、上記実施の形態1などにおいては、第二カメラ102が撮像した画像に基づいて、表層状況検出部107が人体の表層の状況を検出している場合を例示した。しかし、その他の装置によって得られた人体の表層の状況に基づいて、表層状況検出部が人体の表層の状況を検出してもよい。その他の装置としては、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などが挙げられる。
また、上記実施の形態1などでは、着衣の状況として、表層状況検出部107が着衣の色やシワ等を検出する場合を例示した。しかし、表層状況検出部107は、着衣の状況として、着衣表面の襟、襞、毛羽立ち、凹凸等を検出してもよい。
また、表層状況検出部107は、背広や、Tシャツ、ドレス、ダウンジャケットなどの、着衣の種類そのものを着衣の状況として検出してもよい。この検出結果に応じて、各着衣の種類毎に適切な対流熱伝達率を設定することが可能である。また、着衣の凹凸の影になって見えない部分の表面温度の補正は、実施の形態2または実施の形態3で説明した内容と同様である。 また、上記実施の形態1などにおいては、人体領域抽出部104が熱画像G1から人体領域G2を抽出する場合を例示した。しかしながら、人体領域抽出部104は、第二カメラ102が取得した画像から人体領域の輪郭を特定し、その輪郭に基づいて熱画像から人体領域G2を抽出することも可能である。例えば、人体と周辺環境との温度差があまりない場合を想定する。この場合であると、熱画像に人体と周辺環境との境界に大きな温度差が生じないために、エッジ処理などによる人体領域の抽出が困難となる。一方、上記したように、第二カメラ102が取得した画像から人体領域の輪郭を特定し、その輪郭に基づいて熱画像から人体領域G2を抽出する手法であれば、人体と周辺領域とに温度差がそれほどなくとも人体領域G2を確実に抽出することが可能となる。
また、上記実施の形態1などにおいては、温冷感推定装置1がカーエアコンに適用された場合を例示して説明した。しかし、温冷感推定装置1は、例えば建物内の空調を行う、その他の空調装置に対しても適用可能である。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の情報提示装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
以上、一つまたは複数の態様に係る温冷感推定装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本発明は、推定した温冷感に基づいて、快適で省エネルギーな冷房、暖房設備の制御に利用可能である。また、冷房や暖房以外にも、温冷感に応じた情報の提示を行う装置などに利用可能である。
1、1A、1B、1C 温冷感推定装置
101 第一カメラ
102、102c 第二カメラ
103 日射量計
104、104b 人体領域抽出部
105 背景領域抽出部
106、106c 暫定放熱量計算部
107、107a、107b、107c 表層状況検出部
108 日射受熱量計算部
109、109c 人体放熱量計算部
110 温冷感推定部
111、111c 対流熱伝達率計算部
112 補正部
113 風温計
114 風温補正部
115 風速計
116 風速補正部
117 第二暫定放熱量計算部
118 面積比計算部
B 着衣
G1 熱画像
G2 人体領域
G3 背景領域
G4、G5 着衣領域
P 人体
S 影
U 補正量
w シワ

Claims (6)

  1. 人体の温冷感を推定する温冷感推定装置であって、
    前記人体が発する赤外線を測定する第一カメラと、
    前記人体の表層の状況を検出する表層状況検出部と、
    前記第一カメラの測定結果と前記表層状況検出部の検出結果とに基づいて、前記人体の温冷感を推定する温冷感推定部とを備える
    温冷感推定装置。
  2. さらに、前記第一カメラが測定する赤外線よりも短い波長であり、可視光以上の波長の電磁波を測定する第二カメラを備え、
    前記表層状況検出部は、前記第二カメラの測定結果に基づいて、前記人体の表層の状況を検出する
    請求項1に記載の温冷感推定装置。
  3. さらに、日射量を測定する日射量計を備え、
    前記表層状況検出部は、前記人体が装着している衣類の明度を、前記表層の状況として検出し、
    前記温冷感推定部は、前記日射量計の測定結果及び前記表層状況検出部の検出結果により算出された日射受熱量と、前記第一カメラの測定結果とに基づいて、前記人体の温冷感を推定する
    請求項1または2に記載の温冷感推定装置。
  4. 前記表層状況検出部は、前記人体が装着している衣類のシワを検出し、
    前記温冷感推定部は、前記表層状況検出部が検出した前記シワに基づく対流熱伝達率と、前記第一カメラの測定結果とに基づいて、前記人体の温冷感を推定する
    請求項1または2に記載の温冷感推定装置。
  5. 前記表層状況検出部は、前記人体が装着している衣類のシワを検出し、
    前記温冷感推定装置は、前記表層状況検出部が検出した前記シワに基づいて、前記第一カメラの測定結果を補正する補正部を有する
    請求項1または2に記載の温冷感推定装置。
  6. 前記表層状況検出部は、前記人体の体毛を検出し、
    前記温冷感推定部は、前記表層状況検出部が検出した前記体毛に基づく対流熱伝達率と、前記第一カメラの測定結果とに基づいて、前記人体の温冷感を推定する
    請求項1または2に記載の温冷感推定装置。
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