JP2018184498A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱性を小さくしながら、耐摩耗性または耐カット性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供する。【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを30〜80質量%、ブタジエンゴムを20〜70質量%含有するゴム成分100質量部に対し、シリカ15〜55質量部およびカーボンブラックからなるフィラーを30〜60質量部配合し、シランカップリング剤を前記シリカの量に対し6〜15質量%含み、前記ブタジエンゴムの全量と、該ブタジエンゴム100質量部に対し10〜30質量部のシリカと、該シリカ量に対し6〜15質量%のシランカップリング剤を混合しBRマスターバッチを調製し、このBRマスターバッチと、前記成分の残余を混合し、前記BRマスターバッチのムーニー粘度を、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度よりも高くすることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、シリカを含むゴム組成物の発熱性を小さくし、耐摩耗性または耐カット性を改良するタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、トラック、バス、大型建設用車両などに装着される重荷重用タイヤにおいて、環境規制等に適合するように転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することが求められている。転がり抵抗を小さくするため、トレッド用ゴム組成物にシリカを配合し発熱性を抑制することが行われている。しかしシリカによる補強は、カーボンブラックと比較すると、重荷重用タイヤにとって重要である耐摩耗性や耐カット性を改良する作用が小さいという課題がある。特にシリカをジエン系ゴム中に良好に分散させないと、低発熱性の改良効果が小さくなり、耐摩耗性や耐カット性がさらに低下するという問題がある。
このため、特許文献1は、特定の変性ジエン系重合体および特定のシリカを配合したゴム組成物が、低燃費性、耐摩耗性及びゴム強度を改良することを提案する。しかし、高価な変性ジエン系重合体を大量に配合することは空気入りタイヤの生産コストが高くなり、汎用の空気入りタイヤに適用できないという問題がある。また、需要者が重荷重用空気入りタイヤの低燃費性能と、耐摩耗性、耐カット性とに対する要求性能はより高くなり、さらなる改良が求められていた。
特許第5977087号公報
本発明の目的は、発熱性を小さくしながら、耐摩耗性または耐カット性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを30〜80質量%、ブタジエンゴムを20〜70質量%含有するゴム成分100質量部に対し、シリカ15〜55質量部およびカーボンブラックからなるフィラーを30〜60質量部配合し、シランカップリング剤を前記シリカの量に対し6〜15質量%含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、前記ブタジエンゴムの全量と、該ブタジエンゴム100質量部に対し10〜30質量部の前記シリカと、該シリカ量に対し6〜15質量%のシランカップリング剤を混合し、BRマスターバッチを調製する第1工程、得られたBRマスターバッチと、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、カーボンブラック、並びに前記シリカおよびシランカップリング剤の残余を混合する第2工程からなり、前記BRマスターバッチのムーニー粘度を、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度よりも高くすることを特徴とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、ブタジエンゴムからなるゴム成分、シリカ、カーボンブラック、シランカップリング剤を含むゴム組成物を、ブタジエンゴムの全量と、シリカおよびシランカップリング剤を含むBRマスターバッチを調製し、BRマスターバッチのムーニー粘度を、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度よりも高くする第1工程、得られたBRマスターバッチを、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、カーボンブラック、並びにシリカおよびシランカップリング剤の残余を混合する第2工程で製造するようにしたので、タイヤ用ゴム組成物の発熱性を小さくしながら、耐摩耗性または耐カット性を従来レベル以上に向上することができる。
前記BRマスターバッチのムーニー粘度ηBMおよび前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度ηNRの比ηBM/ηNRが1.02〜1.30であるとよく、タイヤ用ゴム組成物のゴム強度を一層改良し、耐摩耗性、耐カット性をより優れたものにすることができる。
前記シリカのCTAB比表面積が150〜300m2/gであるとよく、タイヤ用ゴム組成物の低発熱性、耐摩耗性および/または耐カット性のバランスをより良くすることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用し、該キャップトレッドの20℃のゴム硬度を62〜72の範囲にした重荷重用空気入りタイヤを製造することができる。得られた重荷重用空気入りタイヤは、低燃費性能に優れ、かつ耐摩耗性に優れるという特徴を有する。
また本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をサイドトレッドに使用し、該サイドトレッドの20℃のゴム硬度を50〜60の範囲にした重荷重用空気入りタイヤを製造することができる。得られた重荷重用空気入りタイヤは、低燃費性能に優れ、かつ耐カット性に優れるという特徴を有する。
本発明において製造するタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分として天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムと、ブタジエンゴムとを含む。天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、30〜80質量%、ブタジエンゴムの含有量は、20〜70質量%である。
ゴム成分100質量%中、天然ゴムが、30〜80質量%、好ましくは35〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%であるとよい。天然ゴムの含有量が30質量%未満であると、ゴム組成物の強度が低下し、キャップトレッドの耐摩耗性が低下する。また天然ゴムの含有量が80質量%を超えると、ゴム組成物の耐疲労性が低下し、サイドトレッドの耐久性が低下する。
またゴム成分100質量%中、ブタジエンゴムが、20〜70質量%、好ましくは25〜65質量%、より好ましくは30〜60質量%であるとよい。ブタジエンゴムの含有量が20質量%未満であると、ゴム組成物の耐疲労性が低下し、サイドトレッドの耐久性が低下する。またブタジエンゴムの含有量が70質量%を超えると、ゴム組成物の強度が低下し、キャップトレッドの耐摩耗性が低下する。
タイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分100質量部に対し、シリカ15〜55質量部配合する。このシリカおよびカーボンブラックからなるフィラーを合計で30〜60質量部配合する。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対し15〜55質量部、好ましくは20〜50質量部である。シリカの配合量が15質量部未満であると、発熱性が悪化する。またシリカの配合量が55質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する。
シリカのCTAB比表面積は特に制限されるものではないが、好ましくは150〜300m2/g、より好ましくは160〜200m2/gであるとよい。シリカのCTAB比表面積が150m2/g未満であると、耐摩耗性が悪化する虞がある。またシリカのCTAB比表面積が300m2/gを超えると、発熱性が悪化する虞がある。本明細書において、シリカのCTAB比表面積は、JIS K6217−3に基づいて測定するものとする。
本発明において、シリカおよびカーボンブラックからなるフィラーを、ゴム成分100質量部に対し、合計で30〜60質量部、好ましくは35〜55質量部配合する。フィラーの配合量が30質量部未満であると、補強性不足によりキャップトレッドの耐摩耗性が悪化する。またフィラーの配合量が60質量部を超えると、硬度過多によりサイドトレッドの耐クラック発生が悪化する。
カーボンブラックの配合量は、シリカおよびカーボンブラックからなるフィラーの配合量が上述した範囲になるように決められる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。カーボンブラックの配合量が5質量部未満であると、ゴム組成物が所望の黒系色を得ることができない虞がある。またカーボンブラックの配合量が30質量部を超えると、発熱性が悪化する虞がある。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくはが20〜160m2/g、より好ましくはが30〜150m2/gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が20m2/g未満であると、キャップトレッド耐摩耗性が悪化する虞がある。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積が160m2/gを超えると、サイドトレッドの発熱性が悪化する虞がある。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に基づいて測定するものとする。
本発明では、シランカップリング剤をシリカと共に配合する。シランカップリング剤を配合することにより、ゴム成分に対するシリカの分散性を向上しゴムとの補強性を高めることができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量に対し6〜15質量%、好ましくは8〜12質量%にする。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の6質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15質量%を超えると所望の硬度、強度や、耐摩耗性を得ることができない。
シランカップリング剤の種類は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。
タイヤ用ゴム組成物には、本発明の課題を達成するのを損なわない範囲で、カーボンブラック、シリカ以外の他のフィラーを配合することができる。他のフィラーとしては、例えばクレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、BRマスターバッチを調製する第1工程、およびBRマスターバッチと残りの成分を混合する第2工程を有する。
第1工程で製造するBRマスターバッチは、上述したブタジエンゴムの全量を含み、このブタジエンゴム100質量部に対し、シリカ10〜30質量部を配合し、このシリカ量に対しシランカップリング剤を6〜15質量%配合してなる。BRマスターバッチは、ゴム成分として、ブタジエンゴムだけを含む。BRマスターバッチが天然ゴムを含むと、シリカが天然ゴムおよびその周囲に偏在しやすくなり、ブタジエンゴムへの分散が阻害される虞がある。また、BRマスターバッチは、タイヤ用ゴム組成物に含まれるブタジエンゴムの全てを含む。BRマスターバッチを調製した後に、更にブタジエンゴムを配合すると、シリカがゴム組成物の特性を改良する効果が十分に得られない。
BRマスターバッチにおいて、ブタジエンゴム100質量部に対し、シリカを10〜30質量部、好ましくは10〜20質量部を配合する。シリカの配合量が、10質量部未満であると、発熱性を小さくする効果が十分に得られず、耐摩耗性および耐カット性を十分に改良することができない。またシリカの配合量が、30質量部を超えると、混錬り加工性が悪くなり、シリカの分散性が低下しBRマスターバッチとして利用するのが困難になる。シリカは、上述したシリカを使用することができる。
またBRマスターバッチでは、シランカップリング剤を、シリカの配合量に対し6〜15質量%、好ましくは8〜12質量%配合する。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の6質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15質量%を超えると、シランカップリング剤が縮合するなどして所期の効果が得られないことがある。
第1工程におけるBRマスターバッチの混練り条件は、シリカを良好に分散させる限り特に制限されるものではない。好ましくは、混合時の最高温度を140〜160℃に調節する混練り方法がよい。
本発明の第2工程では、第1工程で得られたBRマスターバッチの全量と、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、カーボンブラック、並びにシリカおよびシランカップリング剤の残余を混合する。最終的に得られたゴム組成物の配合が、上述の配合を満たすものとなる。また前述の通り、第2工程では、ブタジエンゴムを追加配合しないものとする。
本発明において、第1工程で得られるBRマスターバッチのムーニー粘度ηBMが、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度ηNRより高いことが必要である。BRマスターバッチのムーニー粘度ηBMを、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度ηNRより高くすることにより、タイヤ用ゴム組成物のモルホロジーとして天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムが海(連続相)、ブタジエンゴムが島(分散相)となる微細分散構造が形成され、これによりゴム強度を向上することができる。
BRマスターバッチのムーニー粘度ηBMおよび前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度ηNRの比ηBM/ηNRは、好ましくは1.02〜1.30、より好ましくは1.05〜1.20であるとよい。粘度の比ηBM/ηNRを、1.02を大きくすることにより、ゴム組成物のゴム強度を高くすることができる。また粘度の比ηBM/ηNRを、1.30以下にすることにより、発熱性を低下することができる。本明細書において、ムーニー粘度は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計(L型ロータ)を使用し、100℃で測定するものとする。
タイヤ用ゴム組成物の製造方法では、第2工程で得られた混練物に、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は、第2工程および/または後の工程において、一般的な方法で添加し混練してゴム組成物とすることができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。タイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混練、混合することによって製造することができる。調製されたゴム組成物を通常の方法により、重荷重用空気入りタイヤのトレッド部に使用して加硫成形することができる。
本発明の製造方法で得られたタイヤ用ゴム組成物を、キャップトレッドおよび/またはサイドトレッドに使用することにより、重荷重用空気入りタイヤを製造することができる。重荷重用空気入りタイヤのキャップトレッドを構成するとき、タイヤ用ゴム組成物は、ゴム硬度が、好ましくは62〜72、より好ましくは64〜70であるとよい。ゴム硬度をこのような範囲内にすることにより、重荷重用空気入りタイヤのキャップトレッドとして適切な耐摩耗性を確保することができる。なお本明細書において、ゴム硬度は、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定するものとする。
また重荷重用空気入りタイヤのサイドトレッドを構成するとき、タイヤ用ゴム組成物は、ゴム硬度が、好ましくは50〜60、より好ましくは52〜58であるとよい。ゴム硬度をこのような範囲内にすることにより、重荷重用空気入りタイヤのサイドトレッドとして適切な耐カット性を確保することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、スタッドタイヤのトレッド部を好適に形成することができる。このタイヤ用ゴム組成物の製造方法からなるスタッドタイヤは、スタッドピンの保持能力をより高くすると共に、氷雪上性能およびウェット性能を従来レベル以上に優れたものにすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
BRマスターバッチの調製(第1工程)
表1に示す配合からなる6種類のBRマスターバッチ(MB−1〜MB−6)を1.8Lの密閉型ミキサーで3分間混練し、調製した。それぞれのBRマスターバッチについて、混練り加工性を混練り物の外観の目視評価によりゴムのまとまりの観点から評価した。得られた結果を表1の「混練り加工性」の欄に記載した。なおBRマスターバッチMB−5は、混練り加工性が劣りシリカの分散性が悪いため、トレッド用ゴム組成物に供することができなかった。
得られたBRマスターバッチおよび後述する天然ゴムのムーニー粘度を以下の方法で測定し、BRマスターバッチのムーニー粘度ηBMおよび天然ゴムのムーニー粘度ηNRの比ηBM/ηNRを算出し、表1の「粘度比ηBM/ηNRを」の欄に記載した。
ムーニー粘度
JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件でムーニー粘度を測定した。
Figure 2018184498
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・BR:ブタジエンゴム、日本合成ゴム社製Nipol BR1220
・NR:天然ゴム、PT. KIRANA SAPTA社製SIR20
・シリカ:Rhodia社製1165MP、CTAB比表面積が160m2/g
・カップリング剤:シランカップリング剤、Evonik社製Si69
キャップトレッド用ゴム組成物の調製(第2工程)
表3に示す配合剤を共通配合とし、表2に示す配合からなる10種類のゴム組成物(実施例1〜3、比較例1〜7)を、硫黄、加硫促進剤除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出・冷却し、これに硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混合することによりキャップトレッド用ゴム組成物を調製した。なお表3に記載した配合剤の配合量は、表2に記載したゴム成分100質量部に対する質量部で示した。また上記で得られたBRマスターバッチを配合した種類およびその配合量を記載するとともに、その内訳を括弧内に記載した。
得られた10種類のゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫してキャップトレッド用ゴム組成物からなる試験片を作製した。得られた試験片の20℃のゴム硬度、耐摩耗性(ランボーン摩耗)および転がり抵抗(60℃のtanδ)を下記に示す方法により測定した。
20℃のゴム硬度
試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度
20℃で測定した。得られた結果は、表2の「ゴム硬度」の欄に示した。
耐摩耗(ランボーン摩耗)
得られた試験片をJIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重39N、スリップ率30%、時間4分の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は比較例1の逆数を100にする指数として表2の「耐摩耗性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
転がり抵抗(60℃のtanδ)
得られた試験片の動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度60℃におけるtanδを算出した。得られた結果は比較例1の逆数を100にする指数として表2の「転がり抵抗」の欄に示した。この指数が大きいほど、60℃のtanδが小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく、燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2018184498
なお、表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・MB−1〜MB−4およびMB−6:上記で得られた表1に記載のBRマスターバッチ
・BR:ブタジエンゴム、日本合成ゴム社製Nipol BR1220
・NR:天然ゴム、PT. KIRANA SAPTA社製SIR20
・シリカ:Rhodia社製1165MP、CTAB比表面積が160m2/g
・カップリング剤:シランカップリング剤、Evonik社製Si69
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製シースト9H、窒素吸着比表面積が142m2/g
Figure 2018184498
なお、表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤−1:フレキシス社製6PPD
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤−1:大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ−G(CZ)
表2から明らかなように実施例1〜3の空気入りタイヤは、耐摩耗性および低転がり抵抗性に優れることが確認された。
表2から明らかなように比較例2の空気入りタイヤは、BRマスターバッチMB−4におけるシリカ配合量が10質量部未満であるので、耐摩耗性および低転がり抵抗性を十分に改良することができない。
比較例3の空気入りタイヤは、第2工程でブタジエンゴムを配合したので、低転がり抵抗性が劣る。
比較例4の空気入りタイヤは、BRマスターバッチMB−6中に天然ゴムを含有し、かつ第2工程でブタジエンゴムを配合したので、低転がり抵抗性が劣る。
比較例5の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物においてシリカの配合量が15質量部未満であるので、低転がり抵抗性が劣る。
比較例6の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物においてシリカの配合量が55質量部を超えるので、耐摩耗性が劣る。
比較例7の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物のゴム成分中、天然ゴムの含有量が80質量%を超え、ブタジエンゴムの含有量が20質量%未満であるので、耐摩耗性が劣る。
サイドトレッド用ゴム組成物の調製(第2工程)
表5に示す配合剤を共通配合とし、表4に示す配合からなる10種類のゴム組成物(実施例4〜6、比較例8〜14)を、硫黄、加硫促進剤除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出・冷却し、これに硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混合することによりサイドトレッド用ゴム組成物を調製した。なお表5に記載した配合剤の配合量は、表4に記載したゴム成分100質量部に対する質量部で示した。また上記で得られたBRマスターバッチを配合した種類およびその配合量を記載するとともに、その内訳を括弧内に記載した。
得られた10種類のゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫してサイドトレッド用ゴム組成物からなる試験片を作製した。得られた試験片の20℃のゴム硬度、耐カット性(引張り試験特性)および転がり抵抗(60℃のtanδ)を下記に示す方法により測定した。
20℃のゴム硬度
試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、表4の「ゴム硬度」の欄に示した。
20℃のゴム硬度は、空気入りタイヤの耐カット性と相関関係があり、ゴム硬度が高いほど耐カット性が優れる。本明細書において、ゴム硬度が54以上であれば、耐カット性が優れることを意味する。
耐カット性(引張り試験特性)
得られた試験片を使用し、JIS K6251に準拠して、ダンベルJIS3号形試験片を作製し、室温(23℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、引張り破断強度および引張り破断伸びを測定した。得られた結果から引張り破断強度および引張り破断伸びの積を算出し、比較例8の値を100にする指数として表4の「耐カット性」の欄に記載した。耐カット性の指数が大きいほど引張り破断強度と引張り破断伸びとの積が大きく、タイヤにしたとき耐カット性が優れることを意味する。
転がり抵抗(60℃のtanδ)
得られた試験片の動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度60℃におけるtanδを算出した。得られた結果は比較例8の逆数を100にする指数として表4の「転がり抵抗」の欄に示した。この指数が大きいほど、60℃のtanδが小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく、燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2018184498
なお、表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
・MB−1〜MB−4およびMB−6:上記で得られた表1に記載のBRマスターバッチ
・BR:ブタジエンゴム、日本合成ゴム社製Nipol BR1220
・NR:天然ゴム、PT. KIRANA SAPTA社製SIR20
・シリカ:Rhodia社製1165MP、CTAB比表面積が160m2/g
・カップリング剤:シランカップリング剤、Evonik社製Si69
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製シースト9H、窒素吸着比表面積が142m2/g
Figure 2018184498
なお、表5において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤−1:フレキシス社製6PPD
・老化防止剤−2:ランクセス社製VULKANOX HS/LG
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤−1:大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ−G(CZ)
表4から明らかなように実施例4〜6の空気入りタイヤは、耐カット性および低転がり抵抗性に優れることが確認された。
表4から明らかなように比較例9の空気入りタイヤは、BRマスターバッチMB−4におけるシリカ配合量が10質量部未満であるので、耐カット性が低下し、低転がり抵抗性を十分に改良することができない。
比較例10の空気入りタイヤは、第2工程でブタジエンゴムを配合したので、耐カット性および低転がり抵抗性が劣る。
比較例11の空気入りタイヤは、BRマスターバッチMB−6中に天然ゴムを含有し、かつ第2工程でブタジエンゴムを配合したので、耐カット性および低転がり抵抗性が劣る。
比較例12の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物においてシリカの配合量が15質量部未満であるので、耐カット性が低下し、低転がり抵抗性が劣る。
比較例13の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物においてシリカの配合量が55質量部を超えるので、耐カット性が低下し、低転がり抵抗性が劣る。
比較例14の空気入りタイヤは、トレッド用ゴム組成物のゴム成分中、天然ゴムの含有量が30質量%未満、ブタジエンゴムの含有量が70質量%を超えであるので、耐カット性が劣る。

Claims (7)

  1. 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを30〜80質量%、ブタジエンゴムを20〜70質量%含有するゴム成分100質量部に対し、シリカ15〜55質量部およびカーボンブラックからなるフィラーを30〜60質量部配合し、シランカップリング剤を前記シリカの量に対し6〜15質量%含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記ブタジエンゴムの全量と、該ブタジエンゴム100質量部に対し10〜30質量部の前記シリカと、該シリカ量に対し6〜15質量%のシランカップリング剤を混合し、BRマスターバッチを調製する第1工程、得られたBRマスターバッチと、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、カーボンブラック、並びに前記シリカおよびシランカップリング剤の残余を混合する第2工程からなり、前記BRマスターバッチのムーニー粘度を、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度よりも高くすることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記BRマスターバッチのムーニー粘度ηBMおよび前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムのムーニー粘度ηNRの比ηBM/ηNRが1.02〜1.30であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記シリカのCTAB比表面積が150〜300m2/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用し、該キャップトレッドの20℃のゴム硬度を62〜72の範囲にすることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をサイドトレッドに使用し、該サイドトレッドの20℃のゴム硬度を50〜60の範囲にすることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドとして有し、該キャップトレッドの20℃のゴム硬度が62〜72であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をサイドトレッドとして有し、該サイドトレッドの20℃のゴム硬度が50〜60であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
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CN112280112A (zh) * 2020-10-21 2021-01-29 安徽佳通乘用子午线轮胎有限公司 一种降低滚动阻力的胎面橡胶组合物及其制备方法

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