JP2012180387A - ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な耐オゾン性を確保しながら、キャップトレッド表面の変色(茶色化、白色化)を抑制できるベーストレッド用ゴム組成物、及びこれを用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対して、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミンを0.2〜7質量部含有するベーストレッド用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分100質量部に対して、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミンを0.2〜7質量部含有するベーストレッド用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ベーストレッド用ゴム組成物、及びこれを用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤに関する。
タイヤのトレッドゴムには、酸化耐性、オゾン耐性、屈曲亀裂成長耐性、紫外線耐性の性能を維持しつつ、配合される薬品由来の茶変色を最小限に抑えることを目的として、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6C)や、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(RD)などの老化防止剤が配合され、さらには静的な亀裂の発生を抑えることを目的としてワックスが配合される。
老化防止剤6Cはアミン系老化防止剤の一種であり、他の老化防止剤と比較して、優れた耐オゾン性を有している。タイヤのトレッドゴムに老化防止剤6Cを多量に配合することで、オゾン劣化に由来する亀裂の発生や成長をより抑制することができる。しかし、老化防止剤6Cは、ゴム表面にブルーム(析出)して揮発し易い傾向があり、また、ゴム表面が老化防止剤6Cに由来する茶色に変色するなどの問題がある。トレッドをキャップトレッド及びベーストレッドからなる2層構造とし、ベーストレッドに老化防止剤6Cを配合した場合であっても、ベーストレッドからキャップトレッドに老化防止剤6Cが移行して、キャップトレッド表面の変色が発生する場合がある。
走行頻度の高い車両に装着されたタイヤにおいては、トレッド表面は摩耗により新しいゴム表面が現れるため、ゴム表面の変色の問題は大きくないが、走行頻度の少ない車両に装着されたタイヤや、摩耗しないトレッド溝底部においては、ゴム表面の変色によって外観が損なわれるという問題がある。
ゴム表面での変色を防止するため、老化防止剤6Cの配合量を少なくしたり、老化防止剤6Cをアミン系以外の老化防止剤に置き換えると、充分な耐オゾン性が確保できなくなり、亀裂やゴム欠けなどのゴムの破壊が発生し易くなるおそれがある。このように、良好な耐オゾン性を確保しながら、ゴム表面の変色を抑制することは困難であった。
特許文献1には、老化防止剤の効果を損なうことなくゴム表面の変色を防止できる方法として、老化防止剤と特定の樹脂とを混合してゴム組成物に配合する方法が開示されている。しかし、その他の手法も求められている。
本発明は、前記課題を解決し、良好な耐オゾン性を確保しながら、キャップトレッド表面の変色(茶色化、白色化)を抑制できるベーストレッド用ゴム組成物、及びこれを用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミンを0.2〜7質量部含有するベーストレッド用ゴム組成物に関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、上記ベーストレッドと、キャップトレッドとを有するトレッド部を備え、上記ベーストレッドの老化防止剤の含有量X及び上記キャップトレッドの老化防止剤の含有量Yは、X≧Yで表される関係を満たすことが好ましい。
本発明は、所定量のN,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミンを配合したベーストレッド用ゴム組成物であるので、良好な耐オゾン性を確保しながら、キャップトレッド表面の変色を抑制できる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)を0.2〜7質量部含有する。老化防止剤77PDは、ゴム組成物中に侵入してきた酸素に対するラジカルキャッチャーとして機能するアミン系老化防止剤の一種であり、アミン系以外の老化防止剤と比較して、優れた耐オゾン性を有する。また、老化防止剤77PDは、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6C)やN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)などの他のアミン系老化防止剤と比較して、変色の問題が起こりにくいという特徴がある。従って、該老化防止剤77PDを所定量配合することで、良好な耐オゾン性を確保しながら、キャップトレッド表面の変色を抑制できる。
老化防止剤77PDとしては、LANXESS社製のVulkanox4030などを使用することができる。
老化防止剤77PDの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.2質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。0.2質量部未満では、老化防止剤77PDを配合した効果が充分に得られない傾向がある。老化防止剤77PDの含有量は、7質量部以下、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。7質量部を超えると、耐オゾン性の更なる向上は期待できず、また、ゴム表面の変色の問題が発生するため、望ましくない。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、老化防止剤77PDとともに、老化防止剤6Cや老化防止剤DPPDなどの他の老化防止剤を併用してもよいが、キャップトレッド表面の変色による外観不良を抑制するという点から、他の老化防止剤の含有量をできるだけ少量にとどめることが好ましい。他の老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは4質量部以下、より好ましくは1質量部以下、特に好ましくは0質量部(実質的に含有しない)である。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、通常、ゴム成分として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムを含有する。なかでも、クラックの発生及び成長を抑制できるという理由から、NR、BRが好ましく、NR及びBRの併用がより好ましい。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは55質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。55質量%未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。95質量%を超えると、耐オゾン性が悪化する傾向がある。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)製のBR150Bなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、耐オゾン性が悪化する傾向がある。該含有量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。45質量%を超えると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のNR及びBRの合計含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。70質量%未満であると、クラックの発生及び成長を抑制する効果が充分に得られないおそれがある。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、通常、充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを含む。これにより、ゴム強度を向上させることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは40m2/g以上、より好ましくは60m2/g以上である。40m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、好ましくは100m2/g以下、より好ましくは80m2/g以下である。100m2/gを超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。10質量部未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。60質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは120m2/g以上、より好ましくは150m2/g以上である。120m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、シリカのN2SAは、好ましくは220m2/g以下、より好ましくは180m2/g以下である。220m2/gを超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法によって求められる。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法によって求められる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。10質量部未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。60質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、ワックスを含んでもよい。老化防止剤77PD及びワックスを併用することで、良好な耐オゾン性が得られる。
ワックス中の炭素数45以上の成分の含有量は、好ましくは8質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。なお、下限については特に限定されず、0質量%であってもよい。上記範囲内であれば、良好な耐オゾン性が得られるとともに、ワックスによるキャップトレッド表面の変色(白色化)を防止できる。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは1.8質量部以上である。0.5質量部未満であると、ワックスを配合した効果が充分に得られない傾向がある。ワックスの含有量は、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。3.5質量部を超えると、ワックスの析出によってキャップトレッド表面が変色するおそれがある。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、オイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの混練機で前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でベーストレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、キャップトレッドなどの他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、老化防止剤77PDを所定量含有するベーストレッドと、キャップトレッドとを有するトレッド部を備える。ベーストレッドの老化防止剤の含有量(老化防止剤77PD及び他の老化防止剤の合計量)X及びキャップトレッドの老化防止剤の含有量Yは、X≧Yで表される関係を満たすことが好ましく、X>Yで表される関係を満たすことがより好ましい。ゴム組成物に配合された老化防止剤は、酸素やオゾンとの反応による分解、ゴム表面でのブルーム(析出)、他の隣接部材への移行、などにより、経時的に消費されるが、ベーストレッドの老化防止剤の含有量X及びキャップトレッドの老化防止剤の含有量Yが上記関係を満たすことで、キャップトレッドで老化防止剤が消費された場合に、ベーストレッドからキャップトレッドに老化防止剤を供給することができる。また、老化防止剤の濃度勾配によるキャップトレッドからベーストレッドへの老化防止剤の移行を防止することができる。
ベーストレッドの老化防止剤の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上であり、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは3.8質量%以下である。また、キャップトレッドの老化防止剤の含有量は、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1.3質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、好ましくは3.8質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。上記範囲内であれば、長期間に渡って良好な耐オゾン性を確保することができる。
キャップトレッド用ゴム組成物としては特に限定されないが、以下に説明するものを好適に使用できる。
キャップトレッド用ゴム組成物のゴム成分としては、上述のベーストレッド用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用することができる。なかでも、クラックの発生及び成長を抑制できるという理由から、SBR、NRが好ましく、SBR及びNRの併用がより好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、SBRとして、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗特性に優れるという理由から、溶液重合SBRが好ましく、変性剤で末端を変性した溶液重合SBR(変性S−SBR)がより好ましい。
SBRの変性に使用する変性剤としては、例えば、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリマーとの結合性がよく、かつフィラーとの親和性が高いという点から、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好適である。
変性剤によるSBRの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、SBRと変性剤とを接触させればよく、アニオン重合によりSBRを重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加し、SBRの重合停止末端(活性末端)と変性剤とを反応させる方法、SBR溶液中に変性剤を添加して反応させる方法などが挙げられる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。40質量%未満であると、充分なグリップ性が得られないおそれがある。該含有量は、100質量%であってもよいが、他のゴム成分との併用によって各性能をバランス良く改善する点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、充分な耐オゾン性が得られないおそれがある。
キャップトレッド用ゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを含むことが好ましく、カーボンブラック及びシリカの両成分を併用することがより好ましい。これにより、ゴム強度を向上させることができる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは70m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上である。70m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、好ましくは160m2/g以下、より好ましくは130m2/g以下である。160m2/gを超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。5質量部未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。40質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
キャップトレッド用ゴム組成物において、シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは70m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上である。70m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、シリカのN2SAは、好ましくは160m2/g以下、より好ましくは130m2/g以下である。160m2/gを超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法によって求められる。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法によって求められる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。10質量部未満であると、充分なゴム強度が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。60質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ワックス中の炭素数45以上の成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。上記範囲内であれば、良好な耐オゾン性が得られるとともに、ワックスによるゴム表面の変色(白色化)を防止できる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは1.8質量部以上である。0.5質量部未満であると、ワックスを配合した効果が充分に得られない傾向がある。ワックスの含有量は、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。3.5質量部を超えると、ワックスの析出によってゴム表面が変色するおそれがある。
キャップトレッド及びベーストレッドを含むトレッド部は公知の方法で作製でき、例えば、シート状にしたゴム組成物を所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機にゴム組成物を装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法などが挙げられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について説明する。
NR1:RSS#3
NR2:TSR−20
BR:宇部興産(株)製のBR150B
SBR:HPR355(3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いて変性)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351(N2SA:69m2/g)
カーボンブラック2:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:111m2/g)
シリカ1:デグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シリカ2:ローディア社製のZEOSIL115GR(N2SA:115m2/g)
シランカップリング剤1:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
シランカップリング剤2:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
老化防止剤6C:住友化学(株)製のアンチゲン6C
[老化防止剤6C]
老化防止剤77PD:LANXESS社製のVulkanox4030(N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン)
[老化防止剤77PD]
ワックス1:大内新興化学工業(株)製のサンノックN(炭素数45以上の成分:0質量%)
ワックス2:日本精鑞(株)製のオゾエース(炭素数45以上の成分:9質量%)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
NR1:RSS#3
NR2:TSR−20
BR:宇部興産(株)製のBR150B
SBR:HPR355(3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いて変性)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN351(N2SA:69m2/g)
カーボンブラック2:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:111m2/g)
シリカ1:デグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シリカ2:ローディア社製のZEOSIL115GR(N2SA:115m2/g)
シランカップリング剤1:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
シランカップリング剤2:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
老化防止剤6C:住友化学(株)製のアンチゲン6C
老化防止剤77PD:LANXESS社製のVulkanox4030(N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン)
ワックス1:大内新興化学工業(株)製のサンノックN(炭素数45以上の成分:0質量%)
ワックス2:日本精鑞(株)製のオゾエース(炭素数45以上の成分:9質量%)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
以下に実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例
表1に示す配合処方に従い、充填率が58%になるように各薬品を(株)神戸製鋼製の1.7Lバンバリーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練した。得られた混練物に対して、オープンロールを用いて硫黄及び加硫促進剤を練り込み、ベーストレッド用未加硫ゴム組成物を得た。
また、表2に示す配合処方に従い、同様の方法で各成分を混練りし、キャップトレッド用未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をベーストレッド形状、キャップトレッド形状に加工し、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃の条件下で15分間加硫することで試験用タイヤを得た。なお、該試験用タイヤにおいて、ベーストレッドは表1に示す各種ゴムを使用し、キャップトレッドは表2に示す1種のゴムを使用した。
得られた試験用タイヤを用いて以下の試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示す配合処方に従い、充填率が58%になるように各薬品を(株)神戸製鋼製の1.7Lバンバリーに充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練した。得られた混練物に対して、オープンロールを用いて硫黄及び加硫促進剤を練り込み、ベーストレッド用未加硫ゴム組成物を得た。
また、表2に示す配合処方に従い、同様の方法で各成分を混練りし、キャップトレッド用未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をベーストレッド形状、キャップトレッド形状に加工し、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃の条件下で15分間加硫することで試験用タイヤを得た。なお、該試験用タイヤにおいて、ベーストレッドは表1に示す各種ゴムを使用し、キャップトレッドは表2に示す1種のゴムを使用した。
得られた試験用タイヤを用いて以下の試験を行った。その結果を表1に示す。
(耐オゾン性能)
上記試験用タイヤのトレッド部から切り出した試験用サンプル(キャップトレッド及びベーストレッドが貼り合わされたもの)について、JIS K6259:2004「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に基づき、動的オゾン劣化試験を行い、往復運動の周波数0.5±0.025Hz、オゾン濃度50±5pphm、試験温度40℃、引張歪20±2%の条件下で、48時間試験した後のキャップトレッド表面の亀裂の状態を目視で観察することで、耐オゾン性を評価した。評価結果は下記の基準で示した。
○:クラックの発生なし
△:微細なクラックあり
×:大きなクラックあり
上記試験用タイヤのトレッド部から切り出した試験用サンプル(キャップトレッド及びベーストレッドが貼り合わされたもの)について、JIS K6259:2004「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に基づき、動的オゾン劣化試験を行い、往復運動の周波数0.5±0.025Hz、オゾン濃度50±5pphm、試験温度40℃、引張歪20±2%の条件下で、48時間試験した後のキャップトレッド表面の亀裂の状態を目視で観察することで、耐オゾン性を評価した。評価結果は下記の基準で示した。
○:クラックの発生なし
△:微細なクラックあり
×:大きなクラックあり
(変色)
上記試験用タイヤをオゾン50pphm、40℃で1週間放置し、その後の試験用タイヤのキャップトレッド表面の黒色度を色差計を用いて測定することにより、変色(白変及び茶変)を評価した。評価結果は下記基準で示した。
○:表面が黒く、変色が認められない
△:表面がわずかに白色又は茶褐色に変色
×:表面が明らかに白色又は茶褐色に変色
上記試験用タイヤをオゾン50pphm、40℃で1週間放置し、その後の試験用タイヤのキャップトレッド表面の黒色度を色差計を用いて測定することにより、変色(白変及び茶変)を評価した。評価結果は下記基準で示した。
○:表面が黒く、変色が認められない
△:表面がわずかに白色又は茶褐色に変色
×:表面が明らかに白色又は茶褐色に変色
表1より、老化防止剤77PDを所定量配合した実施例1〜6は、比較例1、3と比較して、良好な耐オゾン性が得られるとともに、キャップトレッド表面の変色も抑制された。充填剤の種類が異なる場合も傾向は同様であった。
老化防止剤6C及び老化防止剤77PDを併用した実施例1、5は、老化防止剤として老化防止剤6Cのみを配合した比較例1、3と比較して、良好な耐オゾン性が得られた。また、実施例1、5は、老化防止剤の合計量が比較例1、3よりも大きいにも関わらず、キャップトレッド表面の変色の度合いは比較例1、3と同定度であった。
老化防止剤77PDの量が多い比較例2、4は、良好な耐オゾン性が得られたが、キャップトレッド表面での変色を充分に抑制できなかった。
Claims (3)
- ゴム成分100質量部に対して、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミンを0.2〜7質量部含有するベーストレッド用ゴム組成物。
- 請求項1記載のゴム組成物を用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤ。
- 前記ベーストレッドと、キャップトレッドとを有するトレッド部を備え、
前記ベーストレッドの老化防止剤の含有量X及び前記キャップトレッドの老化防止剤の含有量Yは、X≧Yで表される関係を満たす請求項2記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011042104A JP2012180387A (ja) | 2011-02-28 | 2011-02-28 | ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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JP2011042104A JP2012180387A (ja) | 2011-02-28 | 2011-02-28 | ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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JP2011042104A Withdrawn JP2012180387A (ja) | 2011-02-28 | 2011-02-28 | ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3012118A4 (en) * | 2013-07-05 | 2017-01-25 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
WO2023112393A1 (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-22 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ |
-
2011
- 2011-02-28 JP JP2011042104A patent/JP2012180387A/ja not_active Withdrawn
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EP3012118A4 (en) * | 2013-07-05 | 2017-01-25 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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