JP2018183193A - 泡立ちの低減された脱酸トマト汁の製造方法、及び脱酸トマト汁製造時の泡立ち低減方法 - Google Patents

泡立ちの低減された脱酸トマト汁の製造方法、及び脱酸トマト汁製造時の泡立ち低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱酸トマト汁製造時における泡立ちを低減すること。【解決手段】本願発明者が試行錯誤して見出したのは、トマト搾汁への消泡剤の配合である。すなわち、本発明に係る脱酸トマト汁の製造方法の構成は、トマト搾汁に炭酸カルシウムを配合し、配合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去することにより得られる脱酸トマト汁の製造時において、トマト搾汁へ消泡剤を配合することである。【選択図】図3

Description

本発明が関係するのは、泡立ちの低減された脱酸トマト汁の製造方法、及び脱酸トマト
汁製造時の泡立ち低減方法である。
我が国において、野菜飲料は、広く受け入れられており、その市場規模は、1000億
円を超えている。野菜飲料においても、トマトジュースは、従来から知られており、多く
の人に親しまれてきた。一方で、トマトは独特の香りや酸味を有するために、トマトジュ
ースは敬遠されることもあった。
近年、トマトの酸味を抑え、甘味を強調したトマト含有飲料が上市され、そのようなト
マト含有飲料に対しての一定の需要がある。酸味を抑え、甘味を強調したトマト含有飲料
を製造するには、そのような特徴を有したトマト品種を選定するという方法もあるが、よ
り安定的に作るために、トマトの加工工程において脱酸処理を行ったトマト加工品を用い
ることもできる。
脱酸されたトマト加工品はこれまで各種検討されており、具体的には次のとおりである
特許文献1が開示するのは、脱酸されたトマト汁、及びトマト含有飲料の製造方法であ
り、その目的は、濃厚な味わいでトマトの酸味が抑制されたトマト含有飲料の製造である
。当該製法の構成は、トマト汁へのカルシウム又はカルシウム塩の配合、及びその後のカ
ルシウム生成物の除去である。さらには、当該製法によって製造された脱酸トマト汁を使
用し、特定の糖度、糖酸比、及びアミノ酸含有量としたトマト含有飲料の製造方法である
特許文献2が開示するのは、脱酸されたトマト汁、及びトマト含有飲料の製造方法であ
り、その目的は、濃厚な味わいでトマトの酸味が抑制されたトマト含有飲料の製造である
。当該製法の構成は、トマト汁の、重炭酸置換又は炭酸置換された陰イオン交換樹脂処理
である。さらには、当該製法によって製造された脱酸トマト汁を使用し、特定の糖度、糖
酸比、及びアミノ酸含有量としたトマト含有飲料の製造方法である。
特許第5534235号公報 特許第5639950号公報
本発明が解決しようとする課題は、脱酸トマト汁の効率的な製造であり、具体的には、
脱酸トマト汁製造時における泡立ちの低減である。
トマト搾汁は、炭酸カルシウムを配合し、配合後に生成するカルシウム生成物の少なく
とも一部を除去することで、脱酸トマト汁が得られる。本願発明者は、そのような脱酸ト
マト汁の製造方法において、炭酸カルシウムを配合した時に泡立ちが発生することに気付
いた。炭酸カルシウム配合時における泡立ちは、歩留り、製造効率の低下や液送不良等の
問題を引き起こす。そこで、本願発明者は、脱酸トマト汁製造時の泡立ちを低減するとい
う着想を得た。
本願課題を解決するために、本願発明者が着目したのは、消泡剤の使用である。消泡の
メカニズムには、泡を壊す破泡と、泡の発生を抑える抑泡とがある。これら2つの作用の
うち、1つ又は両方の作用を有する消泡剤を用いることで、トマト搾汁に炭酸カルシウム
を配合した時の泡立ちを低減することができる。
本発明に係る脱酸トマト汁の製造方法を構成するのは、炭酸カルシウムの配合、カルシ
ウム生成物の除去、及び消泡剤の配合である。トマト搾汁に炭酸カルシウムを配合し、配
合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去することにより得られる脱酸ト
マト汁の製造時において、トマト搾汁へ消泡剤を配合することである。
当該製造方法において、好ましくは、前記消泡剤の配合の時期が、炭酸カルシウムをト
マト搾汁に配合する前である。
当該製造方法において、好ましくは、前記トマト搾汁の漿液相対粘度が、1.36以上
7.08以下である。
本発明に係る脱酸トマト汁の製造方法時の泡立ち低減方法の構成は、トマト搾汁に炭酸
カルシウムを配合し、配合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去するこ
とにより得られる脱酸トマト汁の製造時において、トマト搾汁へ消泡剤を配合することで
ある。
当該方法において、好ましくは、前記消泡剤の配合の時期が、炭酸カルシウムをトマト
搾汁に配合する前である。
当該方法において、好ましくは、前記トマト搾汁の漿液相対粘度が、1.36以上7.
08以下である。
本発明が可能にするのは、脱酸トマト汁製造時における泡立ちの低減である。これによ
って、脱酸トマト汁製造の歩留り、製造効率の向上が図れる。
本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造法の概要例図 本実施の形態に係る脱酸トマト汁製造時の泡立ちの写真(比較例2) 本実施の形態に係る脱酸トマト汁製造時の泡立ち低減の写真 (左:比較例7、右:実施例10)
<本実施の形態に係る脱酸トマト汁製造方法の概要>
図1が示すのは、本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造の流れである。本実施の形態
に係る脱酸トマト汁の製造方法を主に構成するのは、消泡剤配合(S10)、炭酸カルシ
ウムの配合(S20)、カルシウム生成物の除去(S30)、殺菌、冷却(S40)及び
充填(S50)である。消泡剤の配合(S10)は、炭酸カルシウムの配合(S20)後
でも良いが、好ましくは、炭酸カルシウムの配合の前である。
<トマト搾汁>
本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造において、トマト搾汁とは、トマトを破砕して
搾汁し或いは裏ごしし、皮や種子等を除去して得られるトマト搾汁、及び、これらを濃縮
したもの(濃縮トマト)を意味し(これらを希釈還元したものも含まれる)、JAS規格
で指定されたトマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト及び濃縮トマト等を含む
。これらは、さらに他の成分(例えば、少量の食塩や香辛料、食品添加物等)を含有して
いてもよい。また、本明細書において、トマト搾汁とは、除パルプトマト汁を含む概念で
ある。
なお、トマトの搾汁方法としては、公知の方法であれば特に限定されず、クラッシャー
等を用いて破砕後、パルパー・フィニッシャー等を用いて搾汁する方法、クラッシャー等
を用いて破砕後、チューブヒーター等で加熱して殺菌及び酵素失活を行った後、エクスト
ラクター等を用いて搾汁する方法等が知られている。さらに、これらの方法に従って搾汁
されたものを、必要に応じて、適宜殺菌を行ってもよい。さらに、これらの方法により搾
汁されたものを、必要に応じて、ペクチナーゼやセルラーゼ等の酵素処理を行ってもよい
。また、上記における濃縮方法としては、例えば、通常の加熱による濃縮、減圧濃縮、低
温濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、及び逆浸透濃縮等が知られている。
<除パルプトマト汁>
除パルプトマト汁とは、トマト搾汁に含まれる水不溶性固形分(パルプ)の一部又は全
部を除去したもの、及びこれを濃縮したもの(その様な濃縮物を、以下、「濃縮除パルプトマト汁」ともいう。)、並びに、濃縮トマトに含まれる水不溶性固
形分(パルプ)の一部又は全部を除去したもの、及びこれらを濃縮又は希釈還元したもの
である。
上記除パルプトマト汁の調製は、当業界で公知の手法により適宜行うことができ、特に
限定されない。例えば、上述したトマト搾汁或いは濃縮トマトを遠心分離する等して得た
上清を濃縮することにより得ることができ、また、市販のトマト搾汁或いは濃縮トマトを
濃縮することにより得ることもでき、さらには、市販の除パルプトマト汁を用いることも
できる。市販品の除パルプトマト汁としては、特に限定されないが、例えば、Lycor
ed社のClear Tomato Concentration、三栄源エフ・エフ・ア
イ社の透明トマト濃縮汁等が挙げられる。なお、除パルプトマト汁は、1種のみを単独で
、又は2種以上を組み合わせて、用いることができる。
<消泡剤>
本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造において用いられる消泡剤は、食品衛生法に基
づく食品添加物の内、消泡効果を有することが知られているものであれば特に限定されず
、乳化剤、シリコーン等が挙げられる。消泡剤による消泡のメカニズムは、前述したとお
り、泡を壊す破泡と、泡の発生を抑える抑泡とがある。破泡のメカニズムは、全体的に泡
の表面張力を低下させる、もしくは局部的に泡膜の表面張力を低下させることで泡の安定
を崩すことによるものであり、破泡には両方もしくは片方の条件を満たすことが条件とな
る。破泡のメカニズムは表面張力の小さい破泡剤が泡膜に侵入してその部分の表面張力が
局部的に低下し、この部分が表面張力の高い周囲の泡膜から引かれ泡が破壊することによ
るものである。抑泡のメカニズムは、表面張力が小さく発泡液に不溶な抑泡剤が、泡を形
成しようとする発泡液表面に点在することで表面張力が均一な泡を形成できず、発泡を抑
えることによるものである。これら2つの作用のうち、1つ又は両方の作用を有する消泡
剤を用いることができる。当該消泡効果によって、製造時の泡立ち(複数の泡が重なり、
泡の体積が増加すること)を低減することができる。消泡剤に含まれる成分としては、特
に限定されないが、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、及びシリコーン
より選ばれる1又は2以上の物質を少なくとも含むものであることが好ましい。市販品の
消泡剤としては、特に限定されないが、三菱化学株式会社製の「リョートーエステル(登
録商標)」、太陽化学株式会社製の「アワブレーク(登録商標)」、信越化学工業株式会
社製の「信越シリコーン(登録商標)」等が挙げられる。消泡剤の性状は、特に限定され
るものではなく、紛体状、液状、固形状、半固形状、又はペースト状であっても良い。消
泡剤は、1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて、用いることができる。
<炭酸カルシウムの配合>
脱酸処理を行う際に用いられる物質として、カルシウム又はその塩がある。具体的には
、カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ム、コハク酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、脱酸処理後
のトマト汁の香味へ与える影響を極力抑える観点から、炭酸カルシウムがより好まれる。
しかし、トマト搾汁中のクエン酸と炭酸カルシウムの反応によってCO2が発生し、これ
が泡立ちを発生させ、特に粘性の高い原料において泡が消失しにくく、問題となる。脱酸
トマト汁の酸味を低減させるために配合される炭酸カルシウムは、食品添加物として使用
できる物であれば特に限定されない。カルシウム又はその塩の配合の具体的な説明のため
に本願明細書が取り込むのは、特許第5534235号公報の内容である。
<カルシウム生成物の除去>
本発明において、カルシウム生成物を除去する目的は、香味又は外観の調整である。前
記カルシウム生成物除去の具体的な説明のために本願明細書が取り込むのは、特許第55
34235号公報の内容である。
<殺菌、冷却、及び充填>
以上に加えて、本製法が適宜採用するのは、殺菌、冷却及び充填である。殺菌方法は、
公知の方法で良く、例えば、プレート式殺菌、チューブラー式殺菌方法等がある。冷却方
法は、公知の方法で良い。充填方法は、公知の方法でよい。
<漿液相対粘度>
本発明における「漿液相対粘度」とは、試料の漿液の粘度をオストワルド粘度計で測定
し、水の粘度との相対比で示したものである。数値が大きい程、試料のパルプ成分や不溶
成分を除いた漿液の粘度が大きいことを示す。本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造に
おいて、炭酸カルシウムの配合時の、原料であるトマト搾汁の漿液相対粘度は、好ましく
は、1.36以上7.08以下であり、より好ましくは、1.67以上7.08以下であ
る。漿液相対粘度が低すぎると、泡立ちは少なく、漿液相対粘度が高すぎると、脱酸効率
が低くなり、高い糖酸比の脱酸汁が製造できない。トマ搾汁は比較的多くのペクチン類を
含んでいるため、漿液相対粘度は高くなる傾向がある。このため、トマト搾汁では一度発
生した泡立ちが消えにくくなる。漿液相対粘度の測定は、オストワルド粘度計によって行
われる。測定手段を例示すると、オストワルド粘度計(No.3:柴田科学株式会社製)
を用いて、20℃における試料、及び蒸留水の流下時間を測定し、水に対する試料の流下
時間の比を算出することで、試料の漿液相対粘度を測定する。試料は予めNo.5Aのろ
紙でろ過したものを用いる。
<糖度(Brix)>
本実施の形態に係る脱酸トマト汁の製造において、炭酸カルシウムの配合時の、トマト
搾汁のBrixは、特に限定されないが、好ましくは、10.1以上40.4以下であり
、より好ましくは15.4以上40.4以下である。Brixの測定方法は、公知の方法
でよい。測定手段を例示すると、光学屈折率計(NAR−3T ATAGO社製)である
<温度>
本実施の形態に係るトマト汁の製造において、炭酸カルシウムの配合時の、トマト搾汁
の温度は、20℃から80℃が好ましい。温度が高すぎると、脱酸処理時の泡立ちの程度
が低くなり、消泡剤を使用しなくとも製造時に問題とならないことがある。
<泡立ちの低減>
本発明における泡立ちの低減の判断は、同量のトマト搾汁を基に、炭酸カルシウムを当
該トマト搾汁に配合することによって発生した泡の体積の最大量により判断する。消泡剤
を配合した時としなかった時とで、発生した泡の体積の最大量が減少した場合に、泡立ち
が低減されたと判断する。
<糖度(Brix)の測定>
本測定で採用した糖度(Brix)の測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社
製)である。測定時の品温は、20℃であった。
<酸度の測定>
本測定で採用した酸度の測定法は、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を用いた
電位差滴定法である。酸度は、クエン酸換算での濃度(%)を意味する。
<泡立ちの測定>
本発明で採用した泡立ちの測定方法は、対象となる試料100gに、炭酸カルシウムを
配合した時に発生する泡の容量の最大値である。試料を入れるビーカーとして、直径5.
5cmの200ml容ビーカーを用い、マグネティックスターラーにて試料を攪拌した状
態で炭酸カルシウムを所定量配合し、発生した泡の高さを測定することにより、泡の容量
を算出した。泡が発生しても、液面上に残る前に泡が解消した区分は泡容量無しとした。
<漿液相対粘度の測定>
漿液相対粘度の測定は、オストワルド粘度計(No.3:柴田科学株式会社製)を用い
て行った。対象となる試料を予めNo.5Aのろ紙でろ過し、ろ過後の試料を20℃に維
持した。対象となる試料、又は蒸留水10mlをオストワルド粘度計に供し、それぞれの
流下時間(秒)を測定した。水に対する試料の流下時間の比を算出することで、試料の漿
液相対粘度を測定した。測定は、各試料について3回の測定値の平均値により算出した。
<各種消泡剤による泡立ち低減:試験1>
Lycored社製Clear Tomato Concentrate(Brix61
.4、酸度4.24)を各区分25g採取し、水で4倍希釈した。実施例1から実施例5
の区分に、それぞれ以下の消泡剤を0.05%(w/w)となるように配合した。
実施例1:アワブレークG−109
(太陽化学株式会社製:「アワブレーク」は登録商標)
主成分;グリセリン脂肪酸エステル、食品素材
実施例2:アワブレークSO−101
(太陽化学株式会社製:「アワブレーク」は登録商標)
主成分;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル
実施例3:リョートーエステルCA−H1
(三菱化学株式会社製:「リョートーエステル」は登録商標)
主成分;ショ糖脂肪酸エステル、エタノール、水
実施例4:リョートーエステルCA−H2
(三菱化学株式会社製:「リョートーエステル」は登録商標)
主成分;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、エタノール
実施例5:信越シリコーンKM72F
(信越化学工業株式会社製:「信越シリコーン」は登録商標)
主成分;シリコーン
比較例1及び2には消泡剤を配合しなかった。比較例2、並びに実施例1から実施例5
を20℃に調整後、炭酸カルシウムを各1.7g配合し、マグネティックスターラーで撹
拌し、発生した泡の容量が最大となったときの容量を測定した。比較例1には炭酸カルシ
ウムは配合しなかった。表1が示すのは、試験1の各区分における泡の発生量、脱酸処理
後のトマト搾汁のBrix、酸度、糖酸比及び漿液相対粘度である。比較例1と実施例1
から実施例5との比較により、消泡剤を使用することで、脱酸処理時の泡立ちを低減する
効果が見られた。
<温度の違いによる泡立ち低減:試験2>
Lycored社製Clear Tomato Concentrate(Brix61
.4、酸度4.24)を各区分25g採取し、水で4倍希釈した。実施例6及び7の区分
に、それぞれアワブレークG−109(太陽化学株式会社製:「アワブレーク」は登録商
標)を0.05%(w/w)となるように配合した。比較例3及び4には消泡剤は配合し
なかった。比較例3及び実施例6の試料温度を50℃に、並びに比較例4及び実施例7の
試料温度を80℃に調整後、炭酸カルシウムを各1.7g配合し、マグネティックスター
ラーで撹拌し、発生した泡の容量が最大となったときの容量を測定した。表2が示すのは
、試験2の各区分における泡の発生量、脱酸処理後のトマト搾汁のBrix、酸度、糖酸
比である。比較例3、及び4と、実施例6、及び7との比較により、温度が高い(80℃
)状態でも、脱酸処理時に泡立ちが起こり、消泡剤を使用することで、その泡立ちを低減
する効果が見られた。
<漿液相対粘度の違いによる泡立ち低減:試験3>
Lycored社製Clear Tomato Concentrate(Brix61
.4、酸度4.24)を水でそれぞれ12倍、6倍、2/3倍希釈し、100gに調整し
た試料を準備し、比較例5及び実施例8(12倍希釈)、比較例6及び実施例9(6倍希
釈)、並びに比較例7及び実施例10(2/3倍希釈)とした。実施例8から実施例10
の区分に、それぞれアワブレークG−109(太陽化学株式会社製:「アワブレーク」は
登録商標)を0.05%(w/w)となるように配合した。比較例5から比較例7には消
泡剤は配合しなかった。各区分の試料温度を20℃に調製後、炭酸カルシウムを配合し、
マグネティックスターラーで撹拌し、発生した泡の容量が最大となったときの容量を測定
した。炭酸カルシウムの配合量は、比較例3及び実施例6には、0.57g、比較例4及
び実施例7には、1.13g、並びに比較例5及び実施例8には、4.53gとした。表
3が示すのは、試験3の各区分における脱酸処理前のトマト搾汁のBrix,漿液相対粘
度、泡の発生量、並びに、脱酸処理後のトマト搾汁のBrix、酸度、及び糖酸比である
。比較例5から比較例7と実施例8から実施例10との比較により、漿液相対粘度が増加
する程、脱酸処理時の泡立ちは増加し、消泡剤を使用することで、その泡立ちを低減する
効果が見られた。
<まとめ>
以上の測定結果を考慮した結果、炭酸カルシウムによる脱酸処理時に生じる泡立ちは、
消泡剤の種類に関係なく、消泡剤を使用により、泡立ちを低減することができた。また、
脱酸処理時の泡立ちは20℃から80℃の温度帯でも発生し、温度帯に関係なく、消泡剤
の使用によりその泡立ちを低減することができた。さらに、処理サンプルの漿液相対粘度
が高くなるほど、脱酸処理時の泡立ちは増加し、漿液相対粘度1.36以上7.08以下
において、消泡剤の使用により泡立ちを低減することができた。
纏めると、トマト搾汁の炭酸カルシウムを用いた脱酸処理時に、消泡剤を使用すること
で、製造時の泡立ちを低減することができ、製造効率の向上、歩留りの向上等の効果を得
ることができる。
本発明が有用な分野は、脱酸処理トマト汁の製造である。

Claims (4)

  1. 脱酸トマト汁の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程であり、
    濃縮:ここで濃縮されるのは除パルプトマト汁であり、これによって得られる濃縮除パルプトマト汁の漿液相対粘度は、1.36以上7.08以下であり、かつ、当該濃縮除パルプトマト汁のBrixは、10.1以上40.4以下であり、かつ、
    配合:ここで配合されるのは、消泡剤、及び炭酸カルシウムであり、その配合先は、前記濃縮除パルプトマト汁であり、前記消泡剤の配合の時期は、前記炭酸カルシウムの配合前である。
  2. 請求項1の製造方法であって、
    前記炭酸カルシウムを配合する時の前記濃縮除パルプトマト汁の温度は、20℃以上80℃以下である。
  3. 炭酸カルシウムを配合し、配合後に生成するカルシウム生成物の少なくとも一部を除去することによる脱酸トマト汁製造における泡立ち低減方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程であり、
    濃縮:ここで濃縮されるのは除パルプトマト汁であり、これによって得られる濃縮除パルプトマト汁の漿液相対粘度は、1.36以上7.08以下であり、かつ、当該濃縮除パルプトマト汁のBrixは、10.1以上40.4以下であり、かつ、
    配合:ここで配合されるのは、消泡剤、及び炭酸カルシウムであり、その配合先は、前記濃縮除パルプトマト汁であり、前記消泡剤の配合の時期は、前記炭酸カルシウムの配合前である。
  4. 請求項3の方法であって、
    前記炭酸カルシウムを配合する時の前記濃縮除パルプトマト汁の温度は、20℃以上80℃以下である。
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