JP2018181660A - 蓄電デバイス用負極材料 - Google Patents

蓄電デバイス用負極材料

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友紀 廣野
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Abstract

【課題】蓄電容量が大きく、かつ充放電の繰り返しによる蓄電容量低下が抑制された蓄電デバイス用負極の提供。【解決手段】負極12は、集電体18と、この集電体18の表面に固着された多数の粒子22とを備えている。この粒子22の材質は、Si系合金である。このSi系合金は、(1)0.01at.%以上20at.%以下のGeが固溶したSi主要相及び(2)シリサイドを含む化合物相を有する。このシリサイドは、Crを含み、かつ、Ti、Ni及びCoからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含む。Si主要相(1)におけるSi結晶子サイズは、20nm以下である。化合物相(2)の結晶子サイズは、30nm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の、充放電時にリチウムイオンの移動を伴う蓄電デバイスの負極に適した材料に関する。
近年、携帯電話機、携帯音楽プレーヤー、携帯端末等が急速に普及している。これらの携帯機器は、リチウムイオン二次電池を有している。電気自動車及びハイブリッド自動車も、リチウムイオン二次電池を有している。さらに、家庭用の定置蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池及びハイブリットキャパシタが用いられている。
リチウムイオン二次電池では、放電時に負極がリチウムイオンを吸蔵する。リチウムイオン二次電池の充電時には、負極からリチウムイオンが放出される。負極は、集電体と、この集電体の表面に固着された活物質とを有している。
負極における活物質として、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素系材料が用いられている。炭素系材料では、充放電の繰り返しによってもデンドライトが生じにくい。従って、デンドライトに起因する短絡が生じにくい。しかし、炭素系材料の、リチウムイオンに対する理論上の容量は、372mAh/gにすぎない。容量の大きな活物質が望まれている。
負極における活物質として、Sn及びSiが注目されている。Snの理論上の容量は、炭素系材料のそれの2倍以上である。さらに、Siの理論上の容量は、炭素系材料のそれの10倍以上である。
Siは、リチウムイオンと反応する。この反応により、化合物が形成される。典型的な化合物は、Li22Siである。この反応により、大量のリチウムイオンが負極に吸蔵される。Siは、負極の蓄電容量を高めうる。
Siを含む活物質層がリチウムイオンを吸蔵すると、前述の化合物の生成により、この活物質層が膨張する。活物質の膨張率は、約400%である。活物質層からリチウムイオンが放出されると、この活物質層が収縮する。膨張と収縮との繰り返しにより、活物質が集電体から脱落することがあり、孤立することもある。この脱落及び孤立は、蓄電容量を低下させる。膨張と収縮との繰り返しにより、活物質間の導電性が阻害されることもある。負極がSiを含む従来のリチウムイオン二次電池の寿命は、長くない。
しかも、Siの単体での電気伝導性は、炭素質材料及び金属系材料のそれに比べて低い。従って、Siを含む負極材料では、充放電時の効率が不十分である。
特開2013−191529公報には、Si相と、このSi相を包囲する炭素質材料又は金属酸化物とを有する負極材料が開示されている。この負極材料では、炭素質材料又は金属酸化物が、Siの体積変化を抑制しうる。
特開2013−191529公報
Si相が炭素質材料又は金属酸化物で包囲されている負極材料では、Si相自体の強度が優れているわけではない。従って、Si相の膨張及び収縮の繰り返しにより、負極の特性が徐々に劣化する。
同様の問題は、リチウムイオン二次電池以外の、様々な蓄電デバイスにおいても、生じている。
本発明の目的は、蓄電容量が大きく、かつ充放電の繰り返しによる蓄電容量低下が抑制された負極が得られる材料の提供にある。
本発明に係る蓄電デバイス用負極材料の材質は、Si系合金である。このSi系合金は、
(1)0.01at.%以上20at.%以下のGeが固溶したSi主要相
及び
(2)シリサイドを含む化合物相
を有する。このシリサイドは、Crを含み、かつ、Ti、Ni及びCoからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含む。Si主要相(1)におけるSi結晶子サイズは、20nm以下である。化合物相(2)の結晶子サイズは、30nm以下である。
好ましくは、化合物相(2)におけるCr、Ti、Ni及びCoの合計含有率は、0.01at.%以上35at.%以下である。
好ましくは、Si主要相(1)のビッカース硬さは、700Hv以上1100Hv以下である。
好ましくは、Si系合金は、
(a)5at.%以上15at.%以下のGe、
(b)5at.%以上14at.%以下のCr、
及び
(c)9at.%以上25at.%以下のTi、Ni又はCo
を含む。残部は、Si及び不可避的不純物である。
本発明に係る材料を含む負極の材質は、Si系合金なので、蓄電容量が大きい。この合金のSi主要相は強度に優れるので、充放電の繰り返しによる蓄電容量低下が抑制される。この負極では、化合物相が導電性に寄与する。
図1は、本発明の一実施形態に係る、蓄電デバイスとしてのリチウムイオン二次電池が示された概念図である。 図2は、図1の電池の負極の一部が示された断面図である。 図3は、X線回折の結果が示されたチャートである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に概念的に示されたリチウムイオン二次電池2は、槽4、電解液6、セパレータ8、正極10及び負極12を備えている。電解液6は、槽4に蓄えられている。この電解液6は、リチウムイオンを含んでいる。セパレータ8は、槽4を、正極室14及び負極室16に区画している。セパレータ8により、正極10と負極12との当接が防止される。このセパレータ8は、多数の孔(図示されず)を備えている。リチウムイオンは、この孔を通過しうる。正極10は、正極室14において、電解液6に浸漬されている。負極12は、負極室16において、電解液6に浸漬されている。
図2には、負極12の一部が示されている。この負極12は、集電体18と、活物質層20とを備えている。活物質層20は、多数の粒子22を含んでいる。粒子22は、この粒子22に当接する他の粒子22と固着されている。集電体18に当接する粒子22は、この集電体18に固着されている。活物質層20は、多孔質である。
活物質層20の粒子22の材料は、本発明では、「負極材料」と称される。この負極材料は、Si系合金である。このSi系合金は、Si主要相(1)及び化合物相(2)を有している。このSi系合金は、
(a)5at.%以上15at.%以下のGe、
(b)5at.%以上14at.%以下のCr、
及び
(c)9at.%以上25at.%以下のTi、Ni又はCo
を含む。残部は、Si及び不可避的不純物である。
Si主要相(1)の主成分は、Siである。Siは、リチウムイオンと反応する。従ってこのSi主要相(1)を含む負極12は、大量のリチウムイオンを吸蔵しうる。Si主要相(1)は、負極12の蓄電容量を高めうる。しかもSiは、リチウムイオンと反応しても、デンドライト生成等の問題が生じにくい。蓄電容量の観点から、Si主要相(1)におけるSiの含有率は30at.%以上が好ましく、50at.%以上がより好ましく、70at.%以上が特に好ましい。
Si主要相(1)は、Geを含む。Geは、Siに固溶しうる。Geの固溶により、Si主要相(1)の高硬度が達成されうる。Siは、リチウムの吸蔵時に約400%もの体積膨張を引き起こす。Geを含むSi主要相(1)は、Siの膨張収縮による応力が抑制される。この負極材料は、Siの体積変化によっても集電体18から離脱しにくい。さらに、Geを含むSi主要相(1)は、Siの微粉化及び孤立化を抑制する。この負極12は、サイクル寿命に優れる。
Geは、Siに対して全率固溶型元素である。従ってGeは、Siへの固溶率の制御が容易である。しかもGeは、それ自体がリチウムイオンと反応するので、蓄電容量にも寄与しうる。
図3は、Si−Cr−Ti合金及びSi−Cr−Ti−Ge合金のX線回折パターンが示されたチャートである。このチャートでは、Siピーク及び化合物ピークが確認されるが、Geのピークは確認されない。一方、EDS分析では、化合物相(2)ではなくSi主要相(1)からGeが検出される。これらの結果から、GeがSiに固溶していることが解る。
GeがSiに固溶したSi主要相(1)の構造は、Si単相のそれに比して異なる。GeがSiに固溶したSi主要相(1)の電子密度状態も、Si単相のそれに比して異なる。構造、電子密度状態等の相違により、Si主要相(1)と電解液6との界面での、抵抗被膜の形成が抑制されうる。抵抗被膜が少ない負極12は、サイクル寿命に優れる。
Si主要相(1)におけるGeの含有率は、0.01at.%以上20at.%以下が好ましい。この含有率が0.01at.%以上である負極12は、サイクル寿命に優れる。この観点から、この含有率は1.0at.%以上がより好ましく、3.0at.%以上が特に好ましい。この含有率が20at.%以下である負極12は、初期蓄電容量に優れ、かつGeに起因するクラック及び割れが抑制される。これらの観点から、この含有率は15at.%以下がより好ましく、10at.%以上が特に好ましい。
本発明者の得た知見によれば、10at.%のGeがSiに固溶したSi−Cr−Ti−Ge合金のビッカース硬度は約800Hvであり、Geを含まない合金に比べ高い硬度を示す。このSi−Cr−Ti−Ge合金からなる負極12では、リチウム挿入及び脱離に起因する体積変化によっても、Siに発生するクラック及び割れが抑制される。
Si主要相(1)のビッカース硬さは、700Hv以上1100Hv以下が好ましい。この硬さが700Hv以上であるSi主要相(1)では、充電時及び放電時のクラックが生じにくい。この観点から、この硬さは750Hv以上がより好ましく、800Hv以上が特に好ましい。この硬さが1100Hv以上であるSi主要相(1)では、充電時及び放電時のクラックが生じにくい。この観点から、この硬さは1000Hv以上がより好ましく、950Hv以上が特に好ましい。
Si主要相(1)が、Si及びGeと共に、他の元素を含んでもよい。他の元素として、B及びAlが例示される。B及びAlは、導電性に優れる。導電性に優れた元素を含むSi主要相(1)では、優れた電気伝導性が達成される。好ましくは、導電性に優れた元素は、Siに固溶する。
Si主要相(1)におけるSi結晶子サイズは、20nm以下が好ましい。この結晶子サイズが20nm以下である負極材料では、充放電時の応力に起因する、ひび割れ、電気的孤立及び集電体18からの脱落が抑制される。この観点から、この結晶子サイズは15nm以下がより好ましく、10nm以下が特に好ましい。Si主要相(1)が非結晶質であってもよい。
Si結晶子サイズは、原料粉末を溶解した後の凝固時の冷却速度の調整によって制御されうる。
蓄電容量及びサイクル寿命の観点から、負極材料に占めるSi主要相(1)の比率は、20%以上70%以下が好ましい。この比率は、合金の断面の拡大写真における、負極材料の面積に対するSi主要相(1)の面積の比率である。
化合物相(2)は、シリサイドを有する。シリサイドは、Siと他の金属元素との金属間化合物である。概してシリサイドの電気抵抗値は、Si相の電気抵抗値よりも小さい。シリサイドを含む合金は、導電性に優れる。シリサイドはさらに、充放電時の体積変化によって生じる応力を緩和する。これらの観点から、負極材料に占めるシリサイドの比率は、30%以上80%以下が好ましい。この比率は、合金の断面の拡大写真における、負極材料の面積に対するシリサイドの面積の比率である。
シリサイドは、Si主要相(1)へのリチウムイオンの挿入及び脱離による体積変化の応力を緩和する。従ってこのシリサイドは、Siの微粉化の抑制、粒子22の孤立の抑制、及び粒子22の脱落の抑制に寄与しうる。
シリサイドを形成する好ましい元素は、Cr、Ti、Ni及びCoである。この負極材料はCrを含み、さらにTi、Ni及びCoから選択された1種又は2種以上を含む。シリサイドとして、CrSi、TiSi、NiSi、CoSi2、Si−(Cr,Ti)化合物、Si−(Cr,Ti,Ni)化合物及びSi−(Cr,Ti,Co)化合物が例示される。これらのシリサイドでは、格子間隔が制御されうるので、化合物相(2)内を通るリチウムイオンの移動性が向上しうる。これらのシリサイドは微細とされやすい。微細なシリサイド及び微細なSi主要相(1)を有する負極材料では、Siの微粉化が抑制されうる。
化合物相(2)におけるCr、Ti、Ni及びCoの合計含有率は、0.01at.%以上35at.%以下が好ましい。この含有率が0.01at.%以上である負極12は、サイクル特性に優れる。この観点から、この含有率は3at.%以上がより好ましく、5at.%以上が特に好ましい。この含有率が35at.%以上である負極12は、蓄電容量に優れる。この観点から、この含有率は30t.%以下がより好ましく、25at.%以下が特に好ましい。
化合物相(2)におけるCrの合計含有率は、0.01at.%以上が好ましく、1at.%以上がより好ましく、3at.%以上が特に好ましい。
化合物相(2)の結晶子サイズは、30nm以下が好ましい。この結晶子サイズが30nm以下である負極材料では、充放電時の応力に起因する、ひび割れ、電気的孤立及び集電体18からの脱落が抑制される。この観点から、この結晶子サイズは25nm以下がより好ましく、20nm以下が特に好ましい。
Si結晶子サイズ及び化合物相(2)の結晶子サイズは、X線回折によって測定される。X線源として、波長が1.54059ÅのCuKα線が用いられる。2θが20度から80度までの範囲で、測定が行われる。得られる回折スペクトルでは、結晶子サイズが小さいほど、比較的ブロードな回折ピークが観測される。X線回折で得られるピークの半値幅から、下記のScherrerの式が用いられて、結晶子サイズが算出される。
D(Å)=(K×λ)/(β×cosθ)
D:結晶子の大きさ
K:Scherrerの定数
λ:使用X線管球の波長
β:結晶子の大きさによる回折線の拡がり
θ:回折角
Siのピーク及び化合物のピークはブロード化し、Si結晶子サイズが20nm以下であること、そして、化合物相(2)の結晶子サイズ30nm以下であることが確認されうる。
化合物相(2)が、シリサイド以外の化合物を多少含んでもよい。化合物相(2)におけるシリサイドの含有率は90at.%以上が好ましく、95at.%以上がより好ましく、98at.%以上が特に好ましい。理想的には、この比率は100at.%である。
導電性の観点から、負極材料に占める化合物相(2)の比率は、30%以上80%以下が好ましい。この比率は、合金の断面の拡大写真における、負極材料の面積に対する化合物相(2)の面積の比率である。
負極材料である粒子22(又は粉末)の製造方法として、水アトマイズ法、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及び遠心アトマイズ法が例示される。これらの方法によって得られた粉末に、メカニカルミリング等が施されてもよい。メカニカルミリングとして、ボールミル法、ビーズミル法、遊星ボールミル法、アトライタ法及び振動ボールミル法が例示される。
好ましい製造方法は、単ロール冷却法、ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法である。以下、これらの製造方法の一例が、詳説される。製造の条件は、下記に記載されたものに限定されない。
単ロール冷却法では、底部に細孔を有する石英管の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。細孔から流出する原料が、銅ロールの表面に落とされて冷却され、リボンが得られる。このリボンが、ボールと共にポットに投入される。ボールの材質として、ジルコニア、SUS304及びSUJ2が例示される。ポットの材質として、ジルコニア、SUS304及びSUJ2が例示される。ポットの中にアルゴンガスが充満され、このポットが密閉される。このリボンがミリングにより粉砕され、粉末が得られる。ミリングとして、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、アトライタ及び振動ボールミルが例示される。
ガスアトマイズ法では、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。アルゴンガス雰囲気において、細孔から流出する原料に、アルゴンガス、窒素ガス等が噴射される。原料は急冷されて凝固し、粉末が得られる。
ディスクアトマイズ法では、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。アルゴンガス雰囲気において、細孔から流出する原料が、高速で回転するディスクの上に落とされる。回転速度は、40000rpmから60000rpmである。ディスクによって原料は急冷され、凝固して、粉末が得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
本発明に係る負極材料の効果を、二極式コイン型セルを用いて確認した。まず、表1−4に示された組成の原料を準備した。各原料から、ガスアトマイズ法及びメカニカルミリングにより、粒子を製作した。それぞれの粒子、導電材(アセチレンブラック)、結着材(ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等)及び分散液(N−メチルピロリドン)を混合し、スラリーを得た。このスラリーを、集電体である銅箔の上に塗布した。このスラリーを、真空乾燥機で減圧乾燥した。乾燥温度は、ポリイミドが結着材である場合は200℃以上であり、ポリフッ化ビニリデンが結着材である場合は160℃以上であった。この乾燥によって溶媒を蒸発させ、活物質層を得た。この活物質層及び銅箔を、ロールにて押圧した。この活物質層及び銅箔をコイン型セルに適した形状に打ち抜き、負極を得た。
電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を準備した。両者の質量比は、3:7であった。さらに、支持電解質として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を準備した。この支持電解質の量は、電解液1Lに対して1モルである。この支持電解質を、電解液に溶解させた。
コイン型セルに適した形状のセパレータ及び正極を、準備した。この正極は、リチウム箔から打ち抜いた。減圧下で電解液にセパレータを浸漬し、5時間放置して、セパレータに電解液を充分に浸透させた。
コイン型セルに、負極、セパレータ及び正極を組み込んだ。コイン型セルに電解液を充填し、評価用コイン型セルを得た。なお、電解液は、露点管理された不活性雰囲気中で取り扱われる必要がある。従って、セルの組み立ては、不活性雰囲気のグローブボックスの中で行った。
上記コイン型セルにて、温度が25℃であり、定電流・定電圧にて、正極と負極との電位差が0Vとなるまで充電を行った。その後、定電流にて電位差が1.5Vとなるまで放電を行った。この充電及び放電を、50サイクル繰り返した。初期の蓄電容量X及び50サイクルの充電及び放電を繰り返した後の蓄電容量Yを測定した。さらに、蓄電容量Xに対する蓄電容量Yの比率(維持率)を算出した。この結果が、下記の表1−4に示されている。
下記の表1−4において、記載された成分の残部は、Si及び不可避的不純物である。
Figure 2018181660
Figure 2018181660
Figure 2018181660
Figure 2018181660
表1及び2に示されたNo.1−44の負極材料は、0.01at.%以上20at.%以下のGeが固溶したSi主要相と、シリサイドを含む化合物相とを有している。このシリサイドは、Crを含み、かつ、Ti、Ni及びCoからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含む。Si主要相におけるSi結晶子サイズは20nm以下であり、化合物相(2)の結晶子サイズは30nm以下である。これらの負極材料では、初期蓄電容量は大きく、かつ維持率も大きい。
例えば、No.16の負極材料では、10at.%のGeが固溶したSi主要相と化合物相とを有している。この負極材料は、Cr及びTiを含むシリサイドを有している。Si結晶子サイズは4nmであり、化合物相の結晶子サイズは8nmである。この負極材料では、初期放電容量が1365mAh/gと大きく、50サイクル後の放電容量維持率が90%と大きい。
一方、比較例No.57の負極材料は、Geを含んでおらず、Cr、Ti、Ni又はCoを含有する化合物相も有していない。この負極材料では、Si結晶子サイズは29nmであり、化合物相の結晶子サイズは31nmである。この負極材料では、初期放電容量は3096mAh/gと大きいが、50サイクル後の放電容量維持率が5%と小さい。この負極材料は、サイクル寿命に劣る。
以上の評価結果から、本発明の優位性は明かである。
以上説明された負極は、リチウムイオン二次電池のみならず、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の、種々の蓄電デバイスにも適用されうる。
2・・・リチウムイオン二次電池
6・・・電解液
8・・・セパレータ
10・・・正極
12・・・負極
18・・・集電体
20・・・活物質層
22・・・粒子

Claims (4)

  1. その材質がSi系合金であり、
    このSi系合金が、
    (1)0.01at.%以上20at.%以下のGeが固溶したSi主要相
    及び
    (2)シリサイドを含む化合物相
    を有しており、
    上記シリサイドが、Crを含み、かつ、Ti、Ni及びCoからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含んでおり、
    上記Si主要相(1)におけるSi結晶子サイズが20nm以下であり、
    上記化合物相(2)の結晶子サイズが30nm以下である蓄電デバイス用負極材料。
  2. 上記化合物相(2)におけるCr、Ti、Ni及びCoの合計含有率が0.01at.%以上35at.%以下である請求項1に記載の蓄電デバイス用負極材料。
  3. 上記Si主要相(1)のビッカース硬さが700Hv以上1100Hv以下である請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用負極材料。
  4. 上記Si系合金が、
    (a)5at.%以上15at.%以下のGe、
    (b)5at.%以上14at.%以下のCr、
    及び
    (c)9at.%以上25at.%以下のTi、Ni又はCo
    を含んでおり、残部がSi及び不可避的不純物である請求項1から3のいずれかに記載の蓄電デバイス用負極材料。
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