JP6470806B2 - 蓄電デバイスの負極用粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の蓄電デバイスの負極に適した粉末に関する。
近年、携帯電話機、携帯音楽プレーヤー、携帯端末等が急速に普及している。これらの機器は、リチウムイオン二次電池を備えている。さらに、電気自動車及びハイブリッド自動車も、リチウムイオン二次電池を備えている。リチウムイオン二次電池では、充電時に負極がリチウムイオンを吸蔵する。リチウムイオン二次電池の使用時には、負極からリチウムイオンが放出される。負極は、集電体と、この集電体の表面に固着された活物質とを有している。
負極における活物質として、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素系材料が用いられている。しかし、炭素系材料の、リチウムイオンに対する理論上の容量は、372mAh/gにすぎない。容量の大きな活物質が望まれている。
負極における活物質として、Siが注目されている。Siは、リチウムイオンと反応する。この反応により、化合物が形成される。典型的な化合物は、Li22Siである。この反応により、大量のリチウムイオンが負極に吸蔵される。Siは、負極の蓄電容量を高めうる。
Siを含む活物質層がリチウムイオンを吸蔵すると、前述の化合物の生成により、この活物質層が膨張する。活物質の膨張率は、約400%である。活物質層からリチウムイオンが放出されると、この活物質層が収縮する。膨張と収縮との繰り返しにより、活物質が集電体から脱落する。この脱落は、蓄電容量を低下させる。負極がSiを含む従来のリチウムイオン二次電池の寿命は、長くない。
Siからなる活物質では、充電時にその表面のみがリチウムイオンと反応する。この活物質では、内部はリチウムイオンと反応しない。換言すれば、リチウムイオンの吸蔵により、活物質の表面のみが膨張する。この表面では、クラックが発生する。次の充電時には、クラックを通じて内部にまでリチウムイオンが進入し、さらにクラックを発生させる。このクラックの発生が繰り返されることにより、活物質が微粉化する。微粉化により、活物質とこれに隣接する活物質との導電が阻害される。微粉化は、蓄電容量を低下させる。負極がSiを含む従来のリチウムイオン二次電池の寿命は、長くない。
Siは、炭素系材料及び金属材料に比べ、イオン伝導性に劣る。Siが用いられた負極において、Siと共に炭素系材料が用いられることがある。炭素系材料により、効率的なリチウムイオンの移動が達成される。しかし、この負極においても、導電性のさらなる改善が望まれている。
Siの相が金属間化合物でカバーされた活物質が、特開2001−297757号公報に開示されている。この金属間化合物は、典型的には、Siと遷移金属との反応によって生成される。この金属間化合物は、Siの欠点を補いうる。同様の活物質が、特開平10−312804号公報にも開示されている。
Siを含む活物質層の表面に導電層が積層された電極が、特開2004−228059号公報に開示されている。典型的には、導電層は、Cuを含む。この導電層は、Siの欠点を補いうる。同様の電極が、特開2005−44672号公報にも開示されている。
特開2001−297757号公報 特開平10−312804号公報 特開2004−228059号公報 特開2005−44672号公報
Siの相が金属間化合物でカバーされた活物質を含む従来の電極では、活物質の脱落及び微粉化は、十分には抑制されない。
活物質層と導電層とが積層された従来の電極では、導電層の形成にメッキ等の手段が用いられる。この導電層の形成には、手間がかかる。さらに、導電層の厚みの制御には、困難が伴う。
同様の問題は、リチウムイオン二次電池以外の蓄電デバイスにおいても生じている。
本発明の目的は、容量が大きく、イオン伝導性及び耐久性に優れた負極が得られうる粉末の提供にある。
本発明に係る蓄電デバイスの負極用粉末は、急冷凝固によって得られる。この粉末は、コアとこのコアの表面の全部又は一部を覆うカバーとを備える。このコアは、Siからなる主要相と、化合物相とを有する。この化合物相は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素と、Siとの化合物から形成された第一相を含む。カバーの主成分は、Biである。
好ましくは、化合物相は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素から形成された第二相をさらに含む。
好ましくは、粉末におけるBiの含有率は、0.1at.%以上10at.%以下である。好ましい急冷凝固として、水アトマイズ、ガスアトマイズ及びディスクアトマイズが例示される。
好ましい第一相は、CuSiである。この化学式において、xは自然数であり、yはxよりも小さい自然数である。
第一相が、CrSi、TiSi又は(Cr,Ti)Siであってもよい。
本発明に係る粉末を含む負極は、容量が大きく、イオン伝導性、電子伝導性、耐久性及び結合性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池が示された概念図である。 図2は、図1の電池の負極一部が示された断面図である。 図3は、図2の負極の粉末が示された拡大断面図である。 図4は、図2の粉末の主要相が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたリチウムイオン二次電池2は、槽4、電解液6、セパレータ8、正極10及び負極12を備えている。電解液6は、槽4に蓄えられている。この電解液6は、リチウムイオンを含んでいる。セパレータ8は、槽4を、正極室14及び負極室16に区画している。セパレータ8により、正極10と負極12との当接が防止される。このセパレータ8は、多数の孔(図示されず)を備えている。リチウムイオンは、この孔を通過しうる。正極10は、正極室14において、電解液6に浸漬されている。負極12は、負極室16において、電解液6に浸漬されている。
図2には、負極12の一部が示されている。この負極12は、集電体18と、活物質層20とを備えている。活物質層20は、多数の粉末22を含んでいる。粉末22は、この粉末22に当接する他の粉末22と固着されている。集電体18に当接する粉末22は、この集電体18に固着されている。活物質層20は、多孔質である。
図3には、粉末22が示されている。この粉末22は、コア24とカバー26とを備えている。カバー26は、コア24の表面の一部を覆っている。カバー26が、コア24の表面の全部を覆ってもよい。
図示されていないが、コア24は、主要相と化合物相とを有している。複数の主要相が、化合物相のマトリクス中に分散している。換言すれば、主要相は、化合物相に囲まれている。主要相のマトリクス中に複数の化合物相が分散してもよい。
主要相の元素は、Siである。充電時、正極室14に存在するリチウムイオンがセパレータ8を通過し、負極室16に移動する。この負極室16において、主要相のSiは、リチウムイオンと反応する。この反応により、化合物が形成される。典型的な化合物は、Li22Siである。この反応により、大量のリチウムイオンが負極12に吸蔵される。この負極12の蓄電容量は、大きい。電池2が使用されるとき、負極12からリチウムイオンが放出される。このリチウムイオンは、セパレータ8を通過して正極室14へと移動する。この移動により、電流が流れる。
粉末22におけるSiの比率は、20at.%以上90at.%以下が好ましい。この比率が20at.%以上である粉末22を備えた電池2の蓄電容量は、大きい。この観点から、この比率は25at.%以上がより好ましく、30at.%以上が特に好ましい。この比率が90at.%以下である粉末22では、化合物相が後述される効果を十分に発揮する。この観点から、この比率は70at.%以下が特に好ましい。
粉末22の断面における主要相の面積比率は、50%以上80%以下が好ましい。この比率が50%以上である粉末22を備えた電池2の蓄電容量は、大きい。この観点から、この比率は60%以上が特に好ましい。この比率が80%以下である粉末22では、化合物相が後述される効果を十分に発揮する。この観点から、この比率は70%以下が特に好ましい。
特には制限されないが、好ましい主要相は、アモルファスである。この主要相は、強度に優れる。この主要相では、リチウムイオンとの反応による膨張が抑制される。この主要相では、微粉化も抑制される。さらに、この主要相では、リチウムイオンの吸蔵及び放出の効率が高い。メカニカルミリングのような追加加工で、主要相の微結晶化が図られてもよい。追加加工により、主要相のアモルファス化が図られてもよい。
化合物相は、第一相を含んでいる。この第一相は、主要相を取り囲んでいる。この第一相は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素を含んでいる。第一相は、この元素とSiとの金属間化合物から形成されている。この元素とSiとを含む合金が凝固するとき、共晶反応が起こる。この反応により、微細な主要相と、この主要相を取り囲む第一相とが形成される。
前述の通り、共晶反応によって得られる主要相は微細であるから、この主要相の膨張及び収縮が繰り返されても、粉末22が集電体18から脱落しにくい。しかもこの主要相は、膨張及び収縮が繰り返されても、微粉化しにくい。従って、活物質の電気的孤立が防止される。換言すれば、活物質とこれに隣接する活物質との導電の阻害が抑制される。この電池2では、繰り返しの充電による蓄電容量の低下が生じにくい。この電池2の寿命は、長い。
蓄電容量の低下の抑制の観点から、主要相の平均短軸幅AWは4μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましく、500nm以下が特に好ましい。平均短軸幅AWは、10nm以上が好ましい。
平均短軸幅AWは、粉末22の断面において無作為に抽出された10個の主要相28(図4参照)の短軸幅Wが平均されることで算出される。短軸幅Wは、主要相28の断面の輪郭内に画かれかつ長軸L1と直交する線分のうち、最長の線分L2の長さである。長軸L1は、主要相28の断面の輪郭内に画かれうる最長の線分である。
前述の通り、共晶反応により、主要相28とこの主要相28を取り囲む第一相とを含む組織が得られる。第一相の金属間化合物は、Siよりも柔軟である。この粉末22では、主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力を、第一相が緩和する。第一相は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。第一相はさらに、主要相28の微粉化を抑制する。この電池2では、繰り返しの充電による蓄電容量の低下が生じにくい。この電池2の寿命は、長い。
第一相の金属間化合物は、電気伝導性に優れる。第一相は、粉末22の電気伝導性を高め得る。
第一相の金属間化合物として、TiSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi、CoSi、NiSi、CuSi、ZrSi、NbSi、GeSi、AlSi、MgSi及び(Cr,Ti)Siが例示される。(Cr,Ti)Siは、CrSiのCrの一部がTiに置換されることで得られる。この置換は、CrSiの格子定数を増加させる。格子定数の大きなケイ化物中では、リチウムイオンがスムースに移動する。このケイ化物では、リチウムイオンの移動に起因する体積変化が小さい。
電気伝導性の観点から、第一相に特に適した元素は、Cuである。電気伝導性の観点から、第一相に特に適した金属間化合物は、CuSiである。この化学式において、xは自然数であり、yはxよりも小さい自然数である。yがxよりも小さい金属間化合物により、優れた電気伝導性が達成される。好ましくは、差(x−y)は2以上である。金属間化合物の具体例として、CuSiが挙げられる。
微細な主要相が形成されるとの観点から、第一相に特に適した元素は、Cr及びTiである。微細な主要相が形成されるとの観点から、第一相に特に適した金属間化合物は、CrSi、TiSi及び(Cr,Ti)Siである。
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素の、粉末22における比率は、10at.%以上80at.%以下が好ましい。この比率が10at.%以上である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量の低下が生じにくい。この観点から、この比率は20at.%以上がより好ましく、30at.%以上が特に好ましい。この比率が80at.%以下である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が大きい。この観点から、この比率は75at.%以下がより好ましく、70at.%以下が特に好ましい。
粉末22の断面における第一相の面積比率は、20%以上50%以下が好ましい。この比率が20%以上である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が低下しにくい。この観点から、この比率は30%以上が特に好ましい。この比率が50%以下である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が大きい。この観点から、この比率は40%以下が特に好ましい。
化合物相は、さらに、第二相を含んでいる。第二相は、主要相28の周囲に点在している。第二相が、主要相28を取り囲んでもよい。この第二相は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素を含んでいる。第二相が2以上の元素の金属間化合物から形成されてもよい。第二相が、1つの元素の単相であってもよい。
第二相は、軟質である。この粉末22では、主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力を、第二相が緩和する。第二相は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。第二相はさらに、主要相28の微粉化を抑制する。この電池2では、繰り返しの充電による蓄電容量の低下が生じにくい。この電池2の寿命は、長い。
第二相の金属間化合物として、BiIn、BiMn、BiMg、MgZn及びBiSnが例示される。
主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力の緩和の観点から、第二相に特に適した元素は、Sn、Bi、Zn及びInである。主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力の緩和の観点から、第二相に特に適した金属間化合物は、BiInである。
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgは、電気伝導性に優れる。この元素を含む第二相は、粉末22の電気伝導性を高め得る。粉末22が、第二相を有さなくてもよい。
粉末22の断面における第二相の面積比率は、10%以上30%以下が好ましい。この比率が10%以上である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が低下しにくい。この観点から、この比率は15%以上が特に好ましい。この比率が30%以下である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が大きい。この観点から、この比率は25%以下が特に好ましい。
粉末22の断面における化合物相の面積比率は、第一相の面積比率及び第二相の面積比率の合計である。化合物相の面積比率は、20%以上50%以下が好ましい。この比率が20%以上である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が低下しにくい。この観点から、この比率は30%以上が特に好ましい。この比率が50%以下である粉末22を備えた電池2では、蓄電容量が大きい。この観点から、この比率は40%以下が特に好ましい。粉末22が、さらに他の相を含んでもよい。
カバー26は、Biの単相である。このカバー26では、Biは、Siとの合金を形成していない。このカバー26は、軟質であり、化学的に安定しており、密着性に優れ、しかも電気伝導性にも優れる。このカバー26は、リチウムイオンの伝導性に優れるので、負極12のリチウムイオンの吸蔵及び放出を阻害しない。
カバー26は、軟質である。この粉末22では、主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力を、カバー26が緩和する。カバー26は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。カバー26はさらに、主要相28の微粉化を抑制する。この電池2では、繰り返しの充電による蓄電容量の低下が生じにくい。この電池2の寿命は、長い。
負極12の作製時に、プレス機により、活物質層20が集電体18に押圧される。押圧時のカバー26の塑性変形及び拡散により、粉末22とこの粉末22に当接する他の粉末22とが、堅固に固着される。この固着は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。
Biの融点は、低い。活物質層20のための組成物が加熱されて乾燥させられるとき、カバー26は溶融し、その後に凝固する。この溶融及び凝固により、粉末22とこの粉末22に当接する他の粉末22との金属接合が達成される。この溶融及び凝固により、集電体18とこの集電体18に当接する粉末22との金属接合が達成される。カバー26は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。熱処理により、カバー26が溶融されてもよい。
この負極12では、カバー26がネットワークを形成している。このネットワークは、イオン伝導性及び電子伝導性に寄与しうる。このネットワークは、主要相28の膨張時及び収縮時に生じる応力を緩和する。このネットワークは、一般的な負極の製造工程と同等の工程におて、形成されうる。換言すれば、ネットワークの形成のための特別な工程は、不要である。この負極12の製造は、容易である。
カバー26が、Bi以外の元素を少量ふくんでもよい。この場合、カバー26の主成分はBiである。カバー26におけるBiの比率は70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が特に好ましい。理想的には、この比率は100質量%である。
カバー26の厚みは、100nm以上10μm以下が好ましい。厚みが100nm以上であるカバー26は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。この観点から、厚みは300nm以上が特に好ましい。厚みが10μm以下であるカバー26は、負極12のリチウムイオンの吸蔵及び放出を阻害しない。この観点から、厚みは5μm以下がより好ましく、1μm以下が特に好ましい。
コア24の表面の面積に対する、この表面のうちカバー26で覆われた部分の面積の比率P1は、15%以上95%以下が好ましい。この比率P1が15%以上であるカバー26は、粉末22の集電体18からの脱落を抑制する。この観点から、この比率P1は25%以上が特に好ましい。厚みが95%以下であるカバー26は、負極12のリチウムイオンの吸蔵及び放出を阻害しない。この観点から、この比率P1は85%以下が特に好ましい。
粉末22におけるBiの含有率は、0.1at.%以上10at.%以下が好ましい。この含有率が0.1at.%以上である粉末22は、集電体18から離脱しにくい。この観点から、この含有率は0.5at.%以上が特に好ましい。この含有率が10at.%以下である粉末22では、カバー26がリチウムイオンの吸蔵及び放出を阻害しない。この観点から、この含有率は8at.%以下が特に好ましい。
粉末22は、アトマイズ法によって得られうる。典型的なアトマイズ法として、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、水アトマイズ法及び単ロール法が例示される。ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及び水アトマイズ法が好ましい。
ガスアトマイズ法では、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス又は窒素ガスの雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。細孔から流出する原料に、アルゴンガス又は窒素ガスが噴射される。原料は急冷されて凝固し、粉末22が得られる。
ディスクアトマイズ法では、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス又は窒素ガスの雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。細孔から流出する原料が、高速で回転するディスクの上に落とされる。原料は急冷されて凝固し、粉末22が得られる。
水アトマイズ法では、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス又は窒素ガスの雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。細孔から流出する原料に、水が噴射される原料は急冷されて凝固し、粉末22が得られる。
単ロール法では、底部に細孔を有する石英管の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。細孔から流出する原料が、銅ロールの表面に落とされて、リボンが得られる。このリボンが、ジルコニア製又はステンレス製のボールと共に、ジルコニア製又はステンレス製のポットに投入される。ポットの中にアルゴンガス又は窒素ガスが充満され、このポットが密閉される。リボンがメカニカルミリングにより粉砕され、粉末22が得られる。
サイズの小さな主要相28が得られるには、アトマイズ法において、溶融した原料が急冷されることが必要である。冷却速度は、100℃/s以上が好ましい。急冷により、まずコア24が凝固する。このコア24の周りには、溶融したBiが付着している。このBiが凝固し、カバー26が形成される。このカバー26は、コア24と堅固に密着している。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
表1−3に示された組成の原料を準備した。それぞれの原料において、表1−3に記載された元素の残部は、Si及び不可避的不純物である。この原料から、前述の水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法又は単ロール法により、粉末を作製した。この粉末が用いられた負極の単極での電極性能を評価するために、対極にリチウム金属を用いた、いわゆる二極式コイン型セルを用いた。まず、負極活物質、導電材料(アセチレンブラック)、結着材料(ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等)を電子天秤で秤量し、分散液(N−メチルピロリドン)と共に混合スラリー状態とした後、集電体(Cu等)上に均一に塗布した。塗布後、真空乾燥機で減圧乾燥し溶媒を蒸発させた後、必要に応じてロールプレスした後、コインセルにあった形状に打ち抜いた。対極のリチウムも同様に金属リチウム箔をコインセルにあった形状に打ち抜いた。前記スラリー塗布電極の真空乾燥において、ポリイミド結着材料使用時は性能を十分に発揮するため200℃以上の温度で乾燥した。ポリフッ化ビニリデン等使用時は約160℃の温度で乾燥した。
一方、リチウムイオン電池に使用する電解液はエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの3:7混合溶媒を用い、支持電解質にはLiPF(六フッ化リン酸リチウム)を用い、電解液に対して1モル溶解した。その電解液は露点管理された不活性雰囲気中で取り扱う必要があるため、セルの組立ては、全て不活性雰囲気のグローブボックス内で行った。セパレータはコインセルにあった形状に切り抜いた後セパレータ内に電解液を十分浸透させるために、減圧下で数時間電解液中に保持した。その後、前工程で打ち抜いた負極、セパレータ、対極リチウムの順に組合せ、電池内部を電解液で十分満たした形で構築した。
Figure 0006470806
Figure 0006470806
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温度が25℃であり、電流密度が0.50×10−3A/cmである条件で、正極と負極との電位差が0Vとなるまで充電を行った。その後、電位差が1.5Vとなるまで放電を行った。この充電及び放電を、50サイクル繰り返した。初期の放電容量X及び50サイクルの充電及び放電を繰り返した後の放電容量Yを測定した。さらに、放電容量Xに対する放電容量Yの比率(維持率P2)を算出した。この結果が、下記の表4−6に示されている。
Figure 0006470806
Figure 0006470806
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実施例1〜46は、化合物相が微細Si相の周囲を取り囲み、Siの微粉化、Siへのリチウムの吸蔵・放出時の体積膨張により生じる応力を緩和し、電極の崩壊、Siの電気的孤立を防ぐ役割を果たす。加えて、Biが粉末コアをカバーすることで、充放電時のSi相の膨張時及び収縮時に生じる応力を緩和し、かつ粉末同士間の導電性を改善するため、維持率P2は50%以上の優れた値を示した。
比較例23ではCr、Ti元素を含み、Biによりコア粉末がカバーされているため、本発明条件を満たす。放電容量は1380mAh/g、維持率P2は53%と優れた充放電結果を示した。
一方、比較例47〜54では、Biにより粉末コアをカバーしていないため、本発明条件を満たさない。Biが粉末コアをカバーしていないため、充放電時のSi相の膨張時及び収縮時に生じる応力を緩和しきれず、電極の崩壊、Siの電気的孤立が発生し、かつ粉末同士間の導電性が乏しいため、比較例54では維持率P2が35%と低い値を示した。
このように、各実施例に係る電池は、初期の放電容量が大きく、かつ放電容量の維持率が大きい。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された負極は、リチウムイオン二次電池のみならず、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の蓄電デバイスにも適用されうる。
2・・・リチウムイオン二次電池
6・・・電解液
8・・・セパレータ
10・・・正極
12・・・負極
18・・・集電体
20・・・活物質層
22・・・粉末
24・・・コア
26・・・カバー
28・・・主要相

Claims (5)

  1. 急冷凝固によって得られた粉末であり、
    上記粉末が、コアとこのコアの表面の全部又は一部を覆うカバーとを備えており、
    上記コアが、Siからなる主要相と、化合物相とを有しており、
    上記化合物相が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素と、Siとの化合物から形成された第一相を含んでおり、
    上記カバーの主成分がBiであり、
    上記カバーの厚みが100nm以上10μm以下であり、
    上記コアの表面の面積に対する、この表面のうち上記カバーで覆われた部分の面積の比率P1が、15%以上95%以下である蓄電デバイスの負極用粉末。
  2. 上記化合物相が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ge、Al、Sn、Zn、Pb、In、P、Bi及びMgからなる群より選択された1又は2以上の元素から形成された第二相をさらに含む請求項1に記載の粉末。
  3. 上記Biの含有率が0.1at.%以上10at.%以下である請求項1又は2に記載の粉末。
  4. 上記第一相がCuSiである請求項1から3のいずれかに記載の粉末。
    (上記化学式において、xは自然数であり、yはxよりも小さい自然数である。)
  5. 上記第一相がCrSi、TiSi又は(Cr,Ti)Siである請求項1から3のいずれかに記載の粉末。
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