JP7178278B2 - 蓄電デバイス用負極材料 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の、充電時及び放電時にリチウムイオンの移動を伴う蓄電デバイスの、負極に適した材料に関する。
近年、携帯電話機、携帯音楽プレーヤー、携帯端末等が急速に普及している。これらの携帯機器は、リチウムイオン二次電池を有している。電気自動車及びハイブリッド自動車も、リチウムイオン二次電池を有している。さらに、家庭用の定置蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池及びハイブリットキャパシタが用いられている。
リチウムイオン二次電池では、放電時に負極がリチウムイオンを吸蔵する。リチウムイオン二次電池の充電時には、負極からリチウムイオンが放出される。負極は、集電体と、この集電体の表面に固着された活物質とを有している。
負極における活物質として、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素系材料が用いられている。この炭素系材料の、リチウムイオンに対する理論上の容量は、372mAh/gにすぎない。容量の大きな活物質が望まれている。
負極における活物質として、Siが注目されている。Siは、リチウムイオンと反応する。この反応により、化合物が形成される。典型的な化合物は、Li22Siである。この反応により、大量のリチウムイオンが負極に吸蔵される。Siは、負極の蓄電容量を高めうる。
Siを含む活物質層がリチウムイオンを吸蔵すると、前述の化合物の生成により、この活物質層が膨張する。活物質の膨張率は、約400%である。活物質層からリチウムイオンが放出されると、この活物質層が収縮する。膨張と収縮との繰り返しにより、活物質が集電体から脱落する。この脱落は、蓄電容量を低下させる。膨張と収縮との繰り返しにより、活物質間の導電性が阻害されることもある。更に、膨張と収縮との繰り返しによる活物質の新生界面形成により、活物質表層でのSEI形成由来の電解液の分解反応が、過分に生じる。この反応によって生じた過剰な抵抗被膜は、電池抵抗を増大させる。さらにこの反応は、電解液の枯渇を引き起こす。Siを含む従来のリチウムイオン二次電池負極の寿命は、長くない。
Si酸化物の蓄電容量は、Siの蓄電容量に比べると小さいが、炭素系材料の蓄電容量に比べると十分大きい。さらに、Si酸化物がリチウムイオンを吸蔵するときの体積変化は、Siのそれと比べて小さい。サイクル寿命の観点から、リチウムイオン二次電池へのSi酸化物の適用が、検討されている。
Si酸化物がリチウムイオンを吸蔵すると、反応によってケイ酸リチウムが生成される。この反応は、不可逆的である。このケイ酸リチウムは、初期容量可逆率の低下を招く。さらに、ケイ酸リチウムが多量に生成されて被膜が形成されると、この被膜が抵抗となり、サイクル中の容量低下を引き起こす。
特開2018-41702公報には、その組成がSi、Si酸化物及び炭素系材料からなる負極材料が開示されている。この負極材料では、炭素系材料が、初期容量可逆率を改善する。特開2015-053152公報にも、同様の組成の負極材料が開示されている。
特開2018-41702公報 特開2015-053152公報
従来のリチウムイオン二次電池では、大きな蓄電容量、長いサイクル寿命、及び十分な初期容量可逆率の全てを満たすことはできない。同様の問題は、リチウムイオン二次電池以外の、様々な蓄電デバイスにおいても、生じている。
本発明の目的は、蓄電容量、サイクル寿命及び初期容量可逆率に優れた蓄電デバイスが得られる、負極材料の提供にある。
本発明に係る蓄電デバイス用負極材料は、多数の粒子からなる。これらの粒子の材質は、Si相とSiO相とを含有する合金である。この合金は、SiO相のマトリクス中にSi相が分散する金属組織を有する。X線回折における、Si相のメインピークである(111)面の回折ピーク強度IIに対する、SiO相のメインピークである(101)面の回折ピーク強度Iの比(I/II)は、1.09以下である。この回折ピーク強度IIの半値幅Aは、0.5°以上2.0°以下である。
好ましくは、合金における、Si相の含有率は12.2質量%以上60.0質量%以下であり、SiO相の含有率は40.0質量%以上87.8質量%以下である。
この負極材料の平均粒子径は、1.0μm以上12.0μm以下である。
本発明に係る負極材料が用いられた蓄電デバイスは、Si相が蓄電容量及び初期容量可逆率に寄与し、SiO相がサイクル寿命に寄与する。
図1は、本発明の一実施形態に係る負極材料の金属組織が示されたTEM写真である。 図2は、図1の負極材料のX線回折の結果が示されたグラフである。 図3は、ミリングによる粉砕時間とピーク値との関係が説明されるためのグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本実施形態は、リチウムイオン二次電池の負極材料である。このリチウムイオン二次電池は、充放電時にリチウムイオンの移動を伴う蓄電デバイスの一例である。リチウムイオン二次電池の負極は、集電体、活物質、導電材及び結着材を有している。活物質、導電材及び結着材が混ざり合った状態で、これらが集電体に付着している。導電材は、活物質の導電性を補助する。結着材は、活物質粒子を他の活物質粒子に固着させる。結着材はさらに、活物質粒子を集電体に固着させる。この活物質として、本発明に係る負極材料が用いられうる。
負極材料は、多数の粒子からなる。多数の粒子の集合は、粉末である。これらの粒子の材質は、合金である。
図1に、負極材料の金属組織のTEM写真が示されている。この写真において、黒色部分はSi相であり、白色部分はSiO相である。Si相は、SiO相のマトリクス中に分散している。SiO相の結晶性は、低い。Si相は、微結晶である。負極では、Si相及びSiO相が、リチウムイオンと反応する。Si相は、SiO相を介して、電解液と通電している。Si相は、電気的に孤立していない。負極材料の合金が、Si相及びSiO相以外の相を含んでもよい。好ましくは、合金は、Si相及びSiO相のみからなる。好ましい合金はSi及びOを含み、残部は不可避的不純物である。
この合金は、適量のSi相を含む。Si相は、リチウムイオンと反応する。この反応により、化合物が形成される。典型的な化合物は、Li22Siである。この反応により、大量のリチウムイオンが負極に吸蔵される。Si相は、負極の蓄電容量を高めうる。
SiO相がリチウムイオンと反応すると、化合物が生成する。この反応により、SiO相が膨張する。SiO相からリチウムイオンが離脱するとき、SiO相が収縮する。膨張時及び収縮時の、SiO相の体積変化率は、Si相のそれと比べて小さい。SiO相の体積変化率は、他のSi酸化物のそれと比べても小さい。SiO相が膨張及び収縮を繰り返しても、SiO相は崩壊しない。従ってこの負極材料は、集電体から脱落しにくい。この負極材料では、活物質間の導電性が阻害されにくい。さらにこの負極材料では、抵抗被膜の形成が抑制される。このリチウムイオン二次電池負極は、サイクル寿命に優れる。
Si相がSiO相のマトリクス中に分散しているので、SiO相はSi相と接触している。SiO相は、Si相の膨張及び収縮に追従し、Si相の膨張及び収縮によって生じる応力を緩和する。従ってこの負極材料は、集電体から脱落しにくい。この負極材料では、活物質間の導電性が阻害されにくい。さらにこの負極材料では、抵抗被膜の形成が抑制される。この負極は、サイクル寿命に優れる。
Si相からなる従来の負極では、Si相の海面が電解液と接触し、電解液分解反応が起こる。この反応により、SEIが形成される。その後のSi相の膨張及び収縮により、SEIが剥離する。さらに、SEIが再度形成され、しかも、膨張時及び収縮時の割れで新たに現れた界面でも新たなSEIが形成される。従来の負極では、過剰かつ不均一なSEIが発生する。このSEIの生成は、電池の内部抵抗増加、及び電解液の枯渇を引き起こす。本発明に係る負極材料では、Si相は、SiO相のマトリクス中に分散しているので、電解液と直接には接触しない。この負極では、SEIの形成が抑制されうる。この負極は、サイクル寿命に優れる。
SiO相がリチウムイオンと反応すると、ケイ酸リチウムが生成される。この反応は、不可逆的である。このケイ酸リチウムは、初期容量可逆率の低下を招く。本発明に係る負極材料は、SiO相と共に、適量のSi相を含む。この負極材料を含むリチウムイオン二次電池では、ケイ酸リチウムの生成が抑制される。このリチウムイオン二次電池は、初期容量可逆率に優れる。
この負極では、SiO相が長いサイクル寿命に寄与する。この負極では、Si相が大きな蓄電容量及び十分な初期容量可逆率に寄与する。この負極は、蓄電容量、初期容量可逆率及びサイクル寿命に優れる。
この合金におけるSi相の含有率は、12.2質量%以上60.0質量%以下が好ましい。この含有率が12.2質量%以上である合金は、蓄電容量及び初期容量可逆率に寄与する。この観点から、この含有率は15.0質量%以上がより好ましく、17.0質量%以下が特に好ましい。この含有率が60質量%以下である合金は、サイクル寿命に寄与する。この観点から、この含有率は58.0質量%以下がより好ましく、56.0質量%以下が特に好ましい。
この合金におけるSiO相の含有率は、40.0質量%以上87.8質量%以下が好ましい。この含有率が40.0質量%以上である合金は、サイクル寿命に寄与する。この観点から、この含有率は42.0質量%以上がより好ましく、44.0質量%以下が特に好ましい。この含有率が87.8質量%以下である合金は、蓄電容量及び初期容量可逆率に寄与する。この観点から、この含有率は85.0質量%以下がより好ましく、83.0質量%以下が特に好ましい。
図2は、図1の負極材料のX線回折の結果が示されたグラフである。図2には、SiO相のメインピークである(101)面の回折ピーク強度I、及びSi相のメインピークである(111)面の回折ピーク強度IIが示されている。
X線回折では、X線源として波長が1.54059オングストロームのCuKα線が用いられる。測定は、2θが20度以上80度以下の範囲でなされる。これにより、回折スペクトルが得られる。2θが20度以上80度以下の範囲で得られた回折スペクトルから、回折ピーク強度Iと回折ピーク強度IIとが選定される。
回折ピーク強度IIの半値幅Aは、好ましくは、下記数式を満たす。
0.5≦A≦2.0
換言すれば、この半値幅Aは、0.5°以上2.0°以下が好ましい。半値幅Aが0.5°以上である負極材料では、Si相の結晶性が低い。この負極材料では、リチウムイオンの吸蔵時及び放出時の体積変化によっても、Si相が割れにくい。この負極材料は、サイクル寿命に優れる。この観点から、半値幅Aは0.6°以上がより好ましく、0.7°以上が特に好ましい。半値幅Aが2.0°以下である負極材料では、Si相の結晶性が低すぎない。この負極材料では、リチウムイオンのSi相までのパスの数が過大でない。従って、このパスのわずかな遮断では、性能が大幅には低下しない。さらにこの負極材料では、Si結晶サイズが多少ばらついても、局所的な電極膨張が生じにくく、サイクル寿命が維持されうる。これらの観点から、半値幅Aは1.5°以下がより好ましく、1.3°以上が特に好ましい。半値幅Aは、X線回折のチャートにおいて、強度がピークの最大値の半分であるときの、そのピークの幅である。
回折ピーク強度IIに対する回折ピーク強度Iの比(I/II)は、1.09以下が好ましい。比(I/II)が1.09を超える合金では、SiO相の結晶性が高過ぎるか、又はSi相が微細すぎる。SiO相の結晶性が高過ぎるとき、リチウムイオンの吸蔵時及び放出時のSi相の体積変化による応力が、SiOにて十分に緩和されない。Si相が微細すぎるとき、リチウムイオンのSi相までのパスの数が過大であり、従って、このパスのわずかな遮断で負極の性能が大幅に低下する。
比(I/II)が1.09以下である負極材料では、Si相が割れにくく、Si相とSiO相との接触が維持され、リチウムイオンの移動パスが維持される。この負極材料は、蓄電容量、サイクル寿命及び初期容量可逆率に優れる。これらの観点から、比(I/II)は1.00以下がより好ましく、0.90以下が特に好ましい。比(I/II)がゼロであってもよい。比(I/II)がゼロであるとき、SiO相の状態はアモルファスである。
負極材料の粉末の平均粒子径D50は、1.0μm以上12.0μm以下が好ましい。平均粒子径D50が1.0μm以上である負極材料では、粒子の表層でのSEI形成量が抑制される。従って、抵抗が増加しにくく、電解液が不足しにくい。この負極材料は、サイクル寿命に優れる。この観点から、平均粒子径D50は1.2μm以上がより好ましく、1.5μm以上が特に好ましい。平均粒子径D50が12.0μm以下である負極材料では、リチウムイオンの吸蔵時及び放出時の体積変化によるクラックが抑制される。この負極材料は、サイクル寿命に優れる。この観点から、平均粒子径D50は10μm以下がより好ましく、8μm以下が特に好ましい。
平均粒子径D50は、粉末の体積の累積カーブにおいて、累積体積が50%であるときの粒子直径である。平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置により測定される。
以下、本発明に係る負極材料の製造方法の一例が説明される。この製造方法は、
(1)その材質がSiである原料と、その材質がSiOである原料とが、ミリングに供されて、混合物が得られる工程、
及び
(2)この混合物が熱処理に供される工程
を含む。
ミリングに供されるSi原料は、アトマイズ法、溶融法、還元法等によって製作されうる。Si原料の性状は、粉末状、フレーク状、塊状等である。ミリングに供されるSiO原料は、液相合成法、気相合成法、溶融法等によって製作されうる。SiO原料の性状は、粉末状、フレーク状、塊状等である。これらの原料が、メディアと共にポットに投入される。メディアの材質として、ジルコニア、SUS304及びSUJ2が例示される。ポットの材質として、ジルコニア、SUS304及びSUJ2が例示される。このポットの内部が不活性ガスで満たされて、このポットが密閉される。このポットがミリング装置に載せられて、攪拌がなされる。ミリング法として、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、アトライタ及び振動ボールミルが例示される。ミリングにより、SiとSiOとが均一に混合する。ミリングにより、SiO相のマトリックス中にSi相が分散する。ミリングは、Si相及びSiO相の結晶性を低下させる。
図3に、ミリングによって得られた混合物のX線回折の結果が示されたグラフである。図3(a)はミリングによる粉砕時間が2時間である混合物のグラフであり、図3(
b)はミリングによる粉砕時間が4時間である混合物のグラフであり、図3(c)はミリングによる粉砕時間が10時間である混合物のグラフである。図3から明らかなように、ミリング時間が長いほど、半値幅Aが大きくなる傾向が見られる。一方、ミリングのみでは、1.09以下である比(I/II)は、達成できない。混合物に、熱処理(上記工程(2))が施されることで、図2に示されたピークを示す負極材料が得られうる。
熱処理では、混合物が高温雰囲気に保持され、その後に徐冷(炉冷)される。熱処理温度は、700℃以上1050℃以下が好ましい。熱処理温度が700℃以上であるとき、Si相及びSiO相の結晶性が高められる。従って、1.09以下である比(I/II)が達成されうる。この観点から、熱処理温度は750℃以上がより好ましく、800℃以上が特に好ましい。熱処理温度が1050℃以下であるとき、Si相及びSiO相の結晶性が過大ではない。従って、1.09以下である比(I/II)と、0.5°以上2.0°以下である半値幅Aとが達成されうる。この観点から、熱処理温度は1000℃以下がより好ましく、950℃以上が特に好ましい。
熱処理温度での保持時間は、0.5h以上1.5h以下が好ましい。保持時間が0.5h以上であるとき、Si相及びSiO相の結晶性が高められる。従って、1.09以下である比(I/II)が達成されうる。この観点から、保持時間は0.7h以上が特に好ましい。保持時間が1.5h以下であるとき、Si相及びSiO相の結晶性が過大ではない。従って、1.09以下である比(I/II)と、0.5°以上2.0°以下である半値幅Aとが達成されうる。この観点から、保持時間は1.3h以下が特に好ましい。
アルゴンガス雰囲気において、混合物が保持されることが好ましい。窒素ガス雰囲気又は真空雰囲気において、混合物が保持されもよい。
熱処理後に、粉末の粒度分布が調整されてもよい。ミリング、ジェットミル、分級等により、粒度分布が調整されうる。ミリングとして、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、アトライタ及び振動ボールミルが例示される。
本発明に係る負極材料が用いられた負極は、蓄電容量、サイクル寿命及び初期容量可逆率に優れる。この負極は、
(1)集電体
及び
(2)この集電体の表面に固着された多数の粒子
を備える。これらの粒子の材質は、Si相とSiO相とを含有する合金である。この合金は、SiO相のマトリクス中にSi相が分散する金属組織を有する。この合金における、X線回折における、Si相のメインピークである(111)面の回折ピーク強度IIに対する、SiO相のメインピークである(101)面の回折ピーク強度Iの比(I/II)は、1.09以下である。この回折ピーク強度IIの半値幅Aは、0.5°以上2.0°以下である。
本発明に係る負極材料が用いられた蓄電デバイスは、蓄電容量、サイクル寿命及び初期容量可逆率に優れる。この蓄電デバイスは、
(1)正極
及び
(2)負極
を備える。この負極は、
(2-1)集電体
及び
(2-2)この集電体の表面に固着された多数の粒子
を有する。これらの粒子の材質は、Si相とSiO相とを含有する合金である。この合金は、SiO相のマトリクス中にSi相が分散する金属組織を有する。この合金における、X線回折における、Si相のメインピークである(111)面の回折ピーク強度IIに対する、SiO相のメインピークである(101)面の回折ピーク強度Iの比(I/II)は、1.09以下である。この回折ピーク強度IIの半値幅Aは、0.5°以上2.0°以下である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
本発明に係る負極材料の効果を、二極式コイン型セルを用いて確認した。まず、前述の方法で、表1及び2に示された金属組織を有する粉末状の負極材料を準備した。この負極材料、導電材(アセチレンブラック又はケッチェンブラック)、結着材(ポリイミド又はポリフッ化ビニリデン)及び分散液(N-メチルピロリドン)を混合し、スラリーを得た。このスラリーを、集電体である銅箔の上に塗布した。このスラリーを、真空乾燥機で減圧乾燥した。乾燥温度は、ポリイミドが結着材である場合は200℃以上であり、ポリフッ化ビニリデンが結着材である場合は160℃以上であった。この乾燥によって溶媒を蒸発させ、活物質層を得た。この活物質層及び銅箔を、ロールにて押圧した。この活物質層及び銅箔をコイン型セルに適した形状に打ち抜き、負極を得た。
電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を準備した。両者の質量比は、3:7であった。さらに、支持電解質として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を準備した。この支持電解質の量は、電解液1リットルに対して1モルである。この支持電解質を、電解液に溶解させた。
コイン型セルに適した形状のセパレータ及び正極を、準備した。この正極は、リチウム箔から打ち抜いた。減圧下で電解液にセパレータを浸漬し、5時間放置して、セパレータに電解液を充分に浸透させた。
コイン型セルに負極、セパレータ及び正極を組み込んだ。コイン型セルに電解液を充填した。なお、電解液は、露点管理された不活性雰囲気中で取り扱われる必要がある。従って、セルの組み立ては、不活性雰囲気のグローブボックスの中で行った。
上記コイン型セルにて、25℃の温度と0.3Cの定電流定電圧の条件下で、正極と負極との電位差が0.010Vとなるまで充電を行った。その後、電位差が1.5Vとなるまで、0.3Cの定電流条件下で放電を行った。この充電及び放電の初期効率X(初期放電容量/初期充電容量×100)を測定した。この充電及び放電を、50サイクル繰り返した。初期の放電容量Y及び50サイクルの充電及び放電を繰り返した後の放電容量Zを測定した。さらに、放電容量Yに対する放電容量Zの比率(維持率)を算出した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 0007178278000001
Figure 0007178278000002
表1及び2に示されるように、各実施例の負極材料では、75.0%以上の初期効率、400mAh/g以上の初期放電容量、及び45%以上の維持率が達成されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された負極は、リチウムイオン二次電池のみならず、全固体リチウムイオン二次電池、ハイブリットキャパシタ等の、種々の蓄電デバイスにも適用されうる。

Claims (3)

  1. 多数の粒子からなる蓄電デバイス用負極材料であって、
    これらの粒子の材質が、Si相とSiO相とを含有する合金であり、
    上記合金が、SiO相のマトリクス中にSi相が分散する金属組織を有しており、
    X線源として波長が1.54059オングストロームのCuKα線が用いられたX線回折における、Si相のメインピークである(111)面の回折ピーク強度IIに対する、SiO相のメインピークである(101)面の回折ピーク強度Iの比(I/II)が、1.09以下であり、
    上記回折ピーク強度IIの半値幅Aが、0.5°以上2.0°以下である負極材料。
  2. 上記合金における、Si相の含有率が12.2質量%以上60.0質量%以下であり、SiO相の含有率が40.0質量%以上87.8質量%以下である請求項1に記載の負極材料。
  3. その平均粒子径が1.0μm以上12.0μm以下である請求項1又は2に記載の負極材料。

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