JP2018181448A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に積層された絶縁膜によって電解質膜が支持された固体酸化物型の燃料電池において、燃料電池がオン/オフを繰り返した時の電解質膜の破損を抑制することが可能な技術を提供する。【解決手段】本明細書は、固体酸化物型の燃料電池を開示する。その燃料電池は、上面に向けて開口するキャビティを備える基板と、基板の上面に積層された絶縁膜と、絶縁膜に支持された電解質膜を備えている。その燃料電池では、燃料電池を上方から平面視したときに、キャビティの輪郭が電解質膜の輪郭の周囲を囲んでいる。【選択図】図5

Description

本明細書は、燃料電池に関する。
特許文献1に、固体酸化物型の燃料電池が開示されている。その燃料電池は、上面に向けて開口するキャビティを備える基板と、基板の上面に積層された絶縁膜と、絶縁膜の上面に積層された電解質膜を備えている。その燃料電池では、燃料電池を上方から平面視したときに、電解質膜の輪郭がキャビティの輪郭の周囲を囲んでいる。
特開2004−288382号公報
固体酸化物型の燃料電池は、発電時に500−700℃の高温に曝され、発電停止時は室温に曝されることになる。通常、基板と、絶縁膜と、電解質膜では、それぞれの線膨張係数に相違があるので、発電時の温度上昇および発電停止時の温度降下によって、基板に反りが生じる。
特許文献1の燃料電池では、燃料電池を平面視したときに、電解質膜の輪郭がキャビティの輪郭の周囲を囲んでおり、電解質膜と基板が部分的に重なり合っている。このような構成では、基板の反りによって基板の上面が変形したときに、電解質膜も基板の上面に追従して変形してしまい、電解質膜に大きな歪が作用する。このため、燃料電池のオン/オフを繰り返した時に、電解質膜に繰り返し大きな歪が作用し、電解質膜に亀裂が生じて電解質膜が破損してしまうおそれがある。
本明細書では、上記の課題を解決する。本明細書では、基板に積層された絶縁膜によって電解質膜が支持された固体酸化物型の燃料電池において、燃料電池がオン/オフを繰り返した時の電解質膜の破損を抑制することが可能な技術を提供する。
本明細書は、固体酸化物型の燃料電池を開示する。その燃料電池は、上面に向けて開口するキャビティを備える基板と、基板の上面に積層された絶縁膜と、絶縁膜に支持された電解質膜を備えている。その燃料電池では、燃料電池を上方から平面視したときに、キャビティの輪郭が電解質膜の輪郭の周囲を囲んでいる。
上記の構成によれば、燃料電池を上方から平面視したときに、キャビティの輪郭が電解質膜の輪郭の周囲を囲んでおり、電解質膜と基板が重なり合う箇所がない。このため、基板の反りによって基板の上面が変形した場合でも、電解質膜が基板の上面に追従して大きく変形することがなく、電解質膜に大きな歪が作用することを抑制することができる。上記の構成によれば、燃料電池がオン/オフを繰り返して、それに伴う温度上昇および温度降下に起因して基板に反りが生じても、電解質膜への応力の作用が緩和されるので、電解質膜の破損を抑制することができる。
上記の燃料電池では、基板がシリコン基板であってもよい。
一般的に、シリコン基板を用いる場合、絶縁膜としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、またはこれらの積層膜などが用いられる。また、固体酸化物型の燃料電池においては、電解質膜として、LSO(ランタンシリケート)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、LaGaO3(ランタンガレート)等の薄膜が用いられる。シリコンと、これらの絶縁膜の材料と、これらの電解質膜の材料では、それぞれの線膨張係数に相違があるので、発電時の温度上昇および発電停止時の温度降下によって、シリコン基板に反りが生じる。しかしながら、上記の構成によれば、シリコン基板の反りによってシリコン基板の上面が変形した場合でも、電解質膜がシリコン基板の上面に追従して大きく変形することがなく、電解質膜に大きな歪が作用することを抑制することができる。上記の構成によれば、燃料電池がオン/オフを繰り返して、それに伴う温度上昇および温度降下に起因してシリコン基板に反りが生じても、電解質膜への応力の作用が緩和されるので、電解質膜の破損を抑制することができる。
上記の燃料電池では、絶縁膜が引張応力を有していてもよい。
基板に引張応力を有する絶縁膜を積層した場合、絶縁膜に支持された電解質膜にも引張応力が作用する。このため、基板が上に凸な形状に反った場合や、燃料ガスの圧力変動により電解質膜に大きな面外方向の力が作用する場合でも、電解質膜に圧縮応力が作用することを防ぐことができ、電解質膜が座屈により破損してしまうことを防止することができる。
上記の燃料電池は、電解質膜の上面に積層された第1電極膜と、電解質膜の下面に積層された第2電極膜と、絶縁膜を上面から下面まで貫通しており、第2電極膜に接続された貫通電極を備えていてもよい。
上記の構成によれば、絶縁膜の上面側で、第1電極膜への配線と、第2電極膜への配線の両方を行なうことができる。燃料電池の製造プロセスを容易なものとすることができる。
上記の燃料電池は、基板の下面に接合されており、キャビティに連通する燃料ガス流路が形成された別の基板をさらに備えていてもよい。
上記の構成では、キャビティが燃料ガス流路に連通しているので、燃料ガスの充填時や発電反応時に、キャビティの内部に圧力変動が生じやすくなる。この圧力変動に起因して、キャビティの上方角部の近傍に応力が集中することが懸念される。しかしながら、上記の構成では、キャビティの上方角部には絶縁膜が配置されており、電解質膜は配置されていないので、電解質膜に応力が集中することを防止することができ、電解質膜の破損を抑制することができる。
実施例の燃料電池システム2の概略の構成を示す模式図である。 実施例の燃料電池4の概略の構成を示す斜視図である。 実施例の燃料電池4のIII-III断面でみた断面図である。 実施例の燃料電池4のIV-IV断面でみた断面図である。 実施例の燃料電池4の発電要素54の詳細を示す断面図である。 実施例の燃料電池4の発電要素54の詳細を示す上面図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 実施例の燃料電池4の製造方法を説明する図である。 変形例の燃料電池4の発電要素54の詳細を示す上面図である。 変形例の燃料電池4の発電要素54の詳細を示す断面図である。 実施例の燃料電池システム2の用途の例を示す図である。 実施例の燃料電池システム2の用途の別の例を示す図である。 実施例の燃料電池システム2の用途のさらに別の例を示す図である。
(実施例)
図1は、燃料電池システム2の構成を模式的に示している。燃料電池システム2は、空気中の酸素と、燃料ガス中の水素を反応させて、電気と熱を生成する。燃料電池システム2は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)である燃料電池4と、燃料電池4を加熱するヒータ6と、ヒータ6に電力を供給するバッテリ8と、燃料電池4から放熱するヒートシンク10と、燃料電池システム2の外部から燃料電池4に空気を供給する空気供給経路12と、空気供給経路12に設けられた開閉弁14と、燃料電池4から燃料電池システム2の外部に反応後の空気を排出する空気排出経路16と、空気排出経路16に設けられた封止弁18と、燃料ガスが充填されたカートリッジ20と、カートリッジ20から燃料電池4に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路22と、燃料ガス供給経路22に設けられた減圧弁24と、燃料電池4から燃料電池システム2の外部に反応後の燃料ガスを排出する燃料ガス排出経路26と、燃料ガス排出経路26に設けられた封止弁28を備えている。燃料電池システム2は、燃料電池4が発電した電力を、電力線Wを介して対象負荷Lに供給する。
燃料電池システム2で発電を行う際には、減圧弁24を開いて、カートリッジ20に充填された燃料ガスを、燃料ガス供給経路22を介して、燃料電池4に供給する。燃料電池4内に燃料ガスが充満したら、封止弁28と減圧弁24を閉じる。また、開閉弁14を開いて、燃料電池システム2の外部の空気を、空気供給経路12を介して、燃料電池4に供給する。燃料電池4内に空気が充満したら、封止弁18と開閉弁14を閉じる。その後、バッテリ8からの電力によってヒータ6を駆動し、燃料電池4を所定の反応温度、例えば600℃まで加熱する。これによって、燃料電池4において、酸素と水素の化学反応によって、発電が開始される。酸素と水素の化学反応は発熱反応でもあるので、発電が開始された後は、ヒータ6による加熱をオフにしても、燃料電池4は高温に維持されて、発電は継続される。その後、封止弁28や封止弁18を開いて、反応に寄与しなかったガスや反応で発生した水蒸気を燃料電池システム2の外部に排出するとともに、減圧弁24や開閉弁14を開いて、燃料電池4内に燃料ガスと空気を再び供給する。これを繰り返すことで、燃料電池4による発電が継続される。燃料電池4が発電した電力は、電力線Wを介して、対象負荷Lに供給される。なお、対象負荷Lの種類に応じて、複数の燃料電池4を直列または並列に接続する構成としてもよい。
図2−図4は、燃料電池4の構成を模式的に示している。図3、図4に示すように、燃料電池4は、第1シリコン基板30と、第1シリコン基板30の上面に積層された第2シリコン基板32を備える積層基板34に形成されている。第1シリコン基板30と、第2シリコン基板32は、いずれも、ノンドープの高抵抗のシリコン基板である。第2シリコン基板32の上面には、絶縁膜36が積層されている。絶縁膜36は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの積層膜である。絶縁膜36には、複数の開口36aが形成されている。図2に示すように、複数の開口36aのそれぞれは、燃料電池4を上方から平面視したときに、円形状に形成されている。絶縁膜36において、複数の開口36aのそれぞれの周囲には、複数の支持部36bが対応して形成されている。図3、図4に示すように、複数の支持部36bのそれぞれは、絶縁膜36の上面から上方に向けて突出する円筒形状を有している。図3、図4に示すように、絶縁膜36の複数の開口36aのそれぞれには、複数の電解質膜38が対応して設けられている。電解質膜38は、LSO(ランタンシリケート)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、LaGaO3(ランタンガレート)等の薄膜である。電解質膜38の膜厚は、20−2000nm程度である。複数の電解質膜38のそれぞれは、燃料電池4を上方から平面視したときに、円形状に形成されている。複数の電解質膜38のそれぞれは、絶縁膜36の支持部36bによって、周縁部の側面および上面を支持されている。第2シリコン基板32の内部には、それぞれの電解質膜38に対応して、複数のキャビティ32aが形成されている。複数のキャビティ32aのそれぞれは、第2シリコン基板32の上面から下面までを貫通している。すなわち、複数のキャビティ32aのそれぞれは、第2シリコン基板32の上面に向けて開口している。複数のキャビティ32aのそれぞれは、第2シリコン基板32の上面から下面に向けて伸びる円柱形状を有している。
複数の電解質膜38のそれぞれの上面には、複数の第1電極膜40が形成されている。複数の第1電極膜40は、触媒および集電効果を持つ電極膜であって、Pt、Cr/Ni、Ni/Pt、Ti/Pt、Cr/Pt、またはこれらを含む混合物あるいは積層膜で形成された金属膜である。あるいは、複数の第1電極膜40は、これらの金属の粒子を含む、またはこれらの金属の粒子が担持された、導電性を持つ膜、例えば導電性セラミックス膜であってもよい。複数の第1電極膜40は、ポーラス(多孔質)構造を有している。複数の第1電極膜40は、燃料電池4の上方の空間に露出している。燃料電池4の上方の空間は、図1の空気供給経路12および空気排出経路16に連通している。複数の第1電極膜40は、燃料電池4において、空気極として機能する。
複数の電解質膜38のそれぞれの下面には、複数の第2電極膜42が形成されている。複数の第2電極膜42は、触媒および集電効果を持つ電極膜であって、Pt、Cr/Ni、Ni/Pt、Ti/Pt、Cr/Pt、またはこれらを含む混合物あるいは積層膜で形成された金属膜である。あるいは、複数の第2電極膜42は、これらの金属の粒子を含む、またはこれらの金属の粒子が担持された、導電性を持つ膜、例えば導電性セラミックス膜であってもよい。複数の第2電極膜42は、ポーラス(多孔質)構造を有している。複数の第2電極膜42は、第2シリコン基板32の対応するキャビティ32aに露出している。複数の第2電極膜42は、燃料電池4において、燃料極として機能する。
図4に示すように、複数の第2電極膜42のそれぞれは、対応する複数の貫通電極44に電気的に接続している。複数の貫通電極44は、500−700℃の高温に対して耐性を有しており、かつ空気や燃料ガスの通過を防ぐ緻密な構造を有する導電性材料であればよく、例えば、Pt/Cr、Pt/Ni、Pt/Ti、Mo、Ta、W、WSi等の金属から構成されている。複数の貫通電極44のそれぞれは、絶縁膜36を上面から下面まで貫通している。複数の貫通電極44のそれぞれは、対応する複数の電解質膜38の近傍に配置されている。
図2に示すように、絶縁膜36の上面には、第1電極パッド46と第2電極パッド48が設けられている。第1電極パッド46は、第1電極配線50を介して、複数の第1電極膜40のそれぞれと電気的に接続している。第2電極パッド48は、第2電極配線52を介して、複数の貫通電極44のそれぞれと電気的に接続している。第1電極パッド46、第2電極パッド48、第1電極配線50および第2電極配線52は、複数の貫通電極44は、500−700℃の高温に対して耐性を有する導電性材料であればよく、例えば、Pt/Cr、Pt/Ni、Pt/Ti、Mo、Ta、W、WSi等の金属から構成されている。
図3、図4に示すように、第1シリコン基板30の内部には、燃料ガス流路30aが形成されている。燃料ガス流路30aは、第2シリコン基板32の複数のキャビティ32aと連通している。また、燃料ガス流路30aは、図1の燃料ガス供給経路22および燃料ガス排出経路26に連通している。燃料ガス供給経路22から燃料電池4に供給された燃料ガスは、燃料ガス流路30aを介して、複数のキャビティ32aのそれぞれに供給される。また、それぞれのキャビティ32aにおいて反応に寄与しなかった燃料ガスは、反応によって生成された水蒸気とともに、燃料ガス流路30aを介して、燃料ガス排出経路26に排出される。
以下では、個々の電解質膜38と、その電解質膜38に対応する第1電極膜40および第2電極膜42を合わせて、発電要素54ともいう。図5、図6に、発電要素54の詳細を示している。
図5に示すように、燃料電池4においては、複数のキャビティ32aのそれぞれに燃料ガスが供給されている。一方、燃料電池4の上面側には、空気が供給されている。空気中の酸素は、ポーラス(多孔質)構造の第1電極膜40の中に入り、電解質膜38に到達する。そして、到達した酸素は、触媒の役割をするPt粒子によって酸化物イオン(O2−)となり、酸化物イオンが電解質膜38を通過して、第2電極膜42に到達する。また、燃料ガス中の水素は、ポーラス(多孔質)構造の第2電極膜42を通過して電解質膜38に到達し、酸化物イオンと反応して水蒸気が生成されるとともに、電子が放出される。放出された電子は、第2電極膜42、貫通電極44および第2電極配線52を介して第2電極パッド48に集電される。また、反応によって生成された水蒸気はキャビティ32aに放出され、反応に寄与しなかった水素とともに、キャビティ32aから排出される。
図6に示すように、燃料電池4を上方から平面視したときに、キャビティ32aの輪郭は支持部36bにより支持された電解質膜38の輪郭の周囲を囲んでいる。このため、図5に示すように、電解質膜38と第2シリコン基板32は重なり合う箇所を有しておらず、電解質膜38は周囲を取り囲む絶縁膜36によって支持されている。絶縁膜36と電解質膜38は部分的に重なり合っており、電解質膜38の周縁部は、絶縁膜36の支持部36bによって、側方および上方から支持されている。このため、第2シリコン基板32の反りによって第2シリコン基板32の上面が変形した場合でも、電解質膜38が第2シリコン基板32の上面に追従して大きく変形することがなく、電解質膜38に大きな歪が作用することを抑制することができる。本実施例の燃料電池4によれば、燃料電池4がオン/オフを繰り返して、それに伴う温度上昇および温度降下に起因して第2シリコン基板32に反りが生じても、電解質膜38への応力の作用が緩和されるので、電解質膜38の破損を抑制することができる。なお、電解質膜38の形状は、絶縁膜36の開口36aの形状と同じ形状としてもよい。また、第1電極膜40の形状は、電解質膜38の形状と同じ形状としてもよいし、より小さい形状としてもよい。
本実施例の燃料電池4では、第2シリコン基板32に積層された絶縁膜36には、引張残留応力が存在しており、絶縁膜36に支持された電解質膜38にも、引張残留応力が作用する。このため、第2シリコン基板32が上に凸な形状に反った場合や、燃料ガスの圧力変動により電解質膜38に面外方向の力が作用した場合でも、電解質膜38に圧縮応力が作用することを防ぐことができる。電解質膜38が座屈により破損してしまうことを防止することができる。なお、絶縁膜36がシリコン窒化膜である場合、絶縁膜36には200MPa程度の大きな引張残留応力が存在する。このため、電解質膜38にも、大きな引張残留応力が作用するので、第2シリコン基板32が上に凸な形状に大きく反った場合や、燃料ガスの圧力変動により電解質膜38に大きな面外方向の力が作用した場合でも、電解質膜38に圧縮応力が作用することを防ぐことができる。電解質膜38が座屈により破損してしまうことを防止することができる。
以下では、本実施例の燃料電池4の製造方法について説明する。
まず、図7に示すように、第2シリコン基板32となるシリコン基板を準備する。そして、第2シリコン基板32をRCA洗浄した後、希フッ酸溶液にて第2シリコン基板32をライトエッチングし、自然酸化膜を除去する。そして、第2シリコン基板32の表面に前駆体膜56をゾルゲル法によって成膜する。
次いで、図8に示すように、前駆体膜56を、電解質膜38の形状にエッチング加工する。この際に、第2シリコン基板32のシリコンについても、わずかにオーバーエッチングする。なお、この第2シリコン基板32のオーバーエッチングについては、しなくてもよい。
次いで、図9に示すように、第2シリコン基板32を焼成する。これによって、前駆体膜56が結晶化して電解質膜38が形成される。次いで、第2シリコン基板32の上面に絶縁膜36を成膜する。
次いで、図10に示すように、絶縁膜36にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストパターンを形成して、絶縁膜36をエッチングする。これによって、絶縁膜36のうち、複数の開口36aに対応する箇所と、貫通電極44が貫通する箇所が除去される。その後、絶縁膜36からレジストを剥離する。
次いで、図11に示すように、第2シリコン基板32の上面に電極材料膜58を成膜する。そして、電極材料膜58にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストパターンを形成する。そして、電極材料膜58をRIEによりエッチングして、レジストを剥離する。これによって、貫通電極44が形成される。
次いで、図12に示すように、第2シリコン基板32の上面に電極材料膜60を成膜する。そして、電極材料膜60にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストパターンを形成する。そして、電極材料膜60をRIEによりエッチングして、レジストを剥離する。これによって、第1電極膜40が形成される。なお、この際に貫通電極44上に成膜された電極材料膜60については、第1電極膜40から分離されていれば、そのまま残存させていてもよい。
次いで、図13に示すように、第2シリコン基板32の下面にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストパターンを形成する。そして、第2シリコン基板32の下面から深掘りRIE(DRIE)を行って、キャビティ32aを形成する。
次いで、図14に示すように、第2シリコン基板32の下面に電極材料膜62を成膜する。そして、電極材料膜62にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストパターンを形成する。そして、電極材料膜62をRIEによりエッチングして、レジストを剥離する。これによって、第2電極膜42が形成される。なお、この際にキャビティ32aの側壁上に成膜された電極材料膜62については、そのまま残存させていてもよい。
次いで、燃料ガス流路30aが形成された第1シリコン基板30を準備し、第1シリコン基板30と第2シリコン基板32を接合する。さらに、第2シリコン基板32の上面に、第1電極パッド46、第2電極パッド48、第1電極配線50および第2電極配線52を形成することで、燃料電池4が製造される。
本実施例の燃料電池4において、絶縁膜36の開口36a、支持部36b、電解質膜38および第1電極膜40の形状は、種々の形状とすることができる。例えば、図15に示すように、燃料電池4を上方から平面視したときに、絶縁膜36の開口36a、支持部36b、電解質膜38および第1電極膜40が、六角形状を有していてもよい。あるいは、燃料電池4を上方から平面視したときに、絶縁膜36の開口36a、支持部36b、電解質膜38および第1電極膜40は、六角形状以外の多角形状や、楕円形状など、任意の形状を有していてもよい。いずれの場合についても、本実施例の燃料電池4では、キャビティ32aの輪郭が電解質膜38の輪郭の周囲を囲んでいる。このため、電解質膜38と第2シリコン基板32は重なり合う箇所を有しておらず、電解質膜38は周囲を取り囲む絶縁膜36の支持部36bによって支持される。このような構成とすることによって、燃料電池4がオン/オフを繰り返して、それに伴う温度上昇および温度降下に起因して第2シリコン基板32に反りが生じても、電解質膜38への応力の作用が緩和されるので、電解質膜38の破損を抑制することができる。
上記の実施例では、絶縁膜36を上面から下面まで貫通する貫通電極44を介して、第2電極膜42を、第2電極配線52および第2電極パッド48に電気的に接続する構成について説明した。これとは異なり、例えば図16に示すように、貫通電極44を設けない構成としてもよい。図16に示す構成では、第2電極膜42が、キャビティ32aの側壁と、第2シリコン基板32の下面にも延在している。この場合、絶縁膜36と第2シリコン基板32を上面から下面まで貫通する貫通電極(図示せず)を別途設けることによって、第2シリコン基板32の下面の第2電極膜42と、絶縁膜36の上面の第2電極配線52および第2電極パッド48を電気的に接続することができる。
(燃料電池システム2の用途)
以上のように、本実施例の燃料電池4によれば、燃料電池4がオン/オフを繰り返して、それに伴う温度上昇および温度降下に起因して第2シリコン基板32に反りが生じても、電解質膜38への応力の作用が緩和され、電解質膜38の破損を抑制することができる。上記のような固体酸化物型の燃料電池4を組み込んだ燃料電池システム2(図1参照)は、従来にない用途に用いることができる。
例えば、図17に示すように、燃料電池システム2は、充電ケーブル80を介してタブレット等のモバイル機器82に接続可能な、充電器として用いることができる。この場合、モバイル機器82が備えるバッテリ84と、モバイル機器82の電力負荷と、燃料電池システム2を、電気的に並列に接続し、切り替えスイッチによって電力の供給先を切替可能な構成とすることで、燃料電池システム2によって、バッテリ84の充電を行うこともできるし、モバイル機器82の電力負荷に電力を供給することもできる。
あるいは、図18に示すように、燃料電池システム2は、電力によって駆動する小型のモビリティ86(例えばシニアカー)に搭載されるサブバッテリとして用いることができる。この場合、燃料電池システム2は、電力供給線88を介して、モビリティ86が備えるバッテリ90に接続される。この場合、モビリティ86が備えるバッテリ90と、モビリティ86のモータ92と、燃料電池システム2を、電気的に並列に接続し、切り替えスイッチによって電力の供給先を切替可能な構成とすることで、燃料電池システム2によって、バッテリ90の充電を行うこともできるし、モータ92に電力を供給することもできる。
あるいは、図19に示すように、燃料電池システム2は、電力によって駆動する歩行支援ロボット94のサブバッテリとして用いることができる。この場合、燃料電池システム2は、電力供給線96を介して、歩行支援ロボット94が備えるバッテリ98に接続される。この場合、歩行支援ロボット94が備えるバッテリ98と、歩行支援ロボット94のモータ100と、燃料電池システム2を、電気的に並列に接続し、切り替えスイッチによって電力の供給先を切替可能な構成とすることで、燃料電池システム2によって、バッテリ98の充電を行うこともできるし、モータ100に電力を供給することもできる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:燃料電池システム; 4:燃料電池; 6:ヒータ; 8:バッテリ; 10:ヒートシンク; 12:空気供給経路; 14:開閉弁; 16:空気排出経路; 18:封止弁; 20:カートリッジ; 22:燃料ガス供給経路; 24:減圧弁; 26:燃料ガス排出経路; 28:封止弁; 30:第1シリコン基板; 30a:燃料ガス流路; 32:第2シリコン基板; 32a:キャビティ; 34:積層基板; 36:絶縁膜; 36a:開口; 36b:支持部; 38:電解質膜; 40:第1電極膜; 42:第2電極膜; 44:貫通電極; 46:第1電極パッド; 48:第2電極パッド; 50:第1電極配線; 52:第2電極配線; 54:発電要素; 56:前駆体膜; 58:電極材料膜; 60:電極材料膜; 62:電極材料膜; 80:充電ケーブル; 82:モバイル機器; 84:バッテリ; 86:モビリティ; 88:電力供給線; 90:バッテリ; 92:モータ; 94:歩行支援ロボット; 96:電力供給線; 98:バッテリ; 100:モータ

Claims (5)

  1. 固体酸化物型の燃料電池であって、
    上面に向けて開口するキャビティを備える基板と、
    前記基板の上面に積層された絶縁膜と、
    前記絶縁膜に支持された電解質膜を備えており、
    前記燃料電池を上方から平面視したときに、前記キャビティの輪郭が前記電解質膜の輪郭の周囲を囲んでいる、燃料電池。
  2. 前記基板がシリコン基板である、請求項1の燃料電池。
  3. 前記絶縁膜が引張応力を有する、請求項1または2の燃料電池。
  4. 前記電解質膜の上面に積層された第1電極膜と、
    前記電解質膜の下面に積層された第2電極膜と、
    前記絶縁膜を上面から下面まで貫通しており、前記第2電極膜に接続された貫通電極を備える、請求項1から3の何れか一項の燃料電池。
  5. 前記基板の下面に接合されており、前記キャビティに連通する燃料ガス流路が形成された別の基板をさらに備える、請求項1から4の何れか一項の燃料電池。
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