JP2018179330A - 気液分離器、および冷凍サイクル装置 - Google Patents

気液分離器、および冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒に生じる圧力損失を充分に低減可能な気液分離器を提供する。【解決手段】通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部140に、冷媒通路を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部としての螺旋状部141を形成し、この螺旋状部141に、冷媒通路内で分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口14bを設け、本体部140の冷媒通路の冷媒流れ最下流部に、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口14cを設ける。さらに、液相冷媒出口14bの開口面積を冷媒通路の通路断面積よりも小さく設定するとともに、液相冷媒出口14bを螺旋状部141の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口させる。【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒の気液を分離する気液分離器、およびこれを備える冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、エジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクルに適用された気液分離器が開示されている。この特許文献1の気液分離器は、エジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された液相冷媒を蒸発器の入口側へ流出させ、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させている。
さらに、特許文献1では、気液分離器を螺旋状に湾曲させた二重管で形成することによって、気液分離器全体としての小型化を図ろうとしている。
特開2007−322001号公報
ところで、エジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタの昇圧作用によって圧縮機へ吸入される吸入冷媒の圧力を上昇させることができる。これにより、エジェクタ式冷凍サイクルでは、圧縮機の消費動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
従って、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタの昇圧作用によるCOP向上効果を充分に得るためには、エジェクタの出口側と圧縮機の吸入側との間に配置される気液分離器を流通する冷媒に生じる圧力損失を充分に低減させることが有効である。ところが、特許文献1には、気液分離器を流通する冷媒に生じる圧力損失を充分に低減させる手段について開示されていない。
ここで、気液分離器を流通する冷媒に生じる圧力損失を低減させる手段としては、冷媒通路の通路断面積を充分に拡大しておく手段や、冷媒の流れ方向を不必要に転向させない手段等が考えられる。
しかしながら、これらの手段を採用すると、気液分離器が大型化しやすく、気液分離器を他のサイクル構成機器に取り付けにくくなってしまう。つまり、これらの手段を採用して、圧力損失を低減させようとすると、気液分離器を冷凍サイクル装置に適用できなくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記点に鑑み、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減可能な気液分離器を提供することを目的とする。
また、本発明は、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減可能な気液分離器を備える冷凍サイクル装置を提供することを別の目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明は、冷凍サイクル装置(10)に適用されて、冷媒の気液を分離する気液分離器であって、
通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)を備え、
本体部は、冷媒通路を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部(141、145)を有し、湾曲部には、分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口(14b)が設けられており、液相冷媒出口は、湾曲部の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口しており、液相冷媒出口の開口面積は、本体部の通路断面積よりも小さく形成されており、本体部のうち、冷媒通路の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、気相冷媒出口は、湾曲部の中心線の接線方向に気相冷媒を流出させるように開口している気液分離器である。
これによれば、気相冷媒出口(14c)が、湾曲部(141、145)の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口しているので、本体部(140)から気相冷媒を滑らかに流出させることができる。従って、本体部(140)から気相冷媒を流出させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
同様に、単一の液相冷媒出口(14b)が、湾曲部(141、145)の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口しているので、本体部(140)から液相冷媒を滑らかに流出させることができる。従って、本体部(140)から液相冷媒を流出させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
このように本体部(140)から液相冷媒を滑らかに流出させることで、分離された液相冷媒が本体部(140)の冷媒通路内に滞留してしまうことを抑制することができる。従って、本体部(140)の冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積を縮小させてしまうことを抑制することができる。
さらに、液相冷媒出口(14b)の開口面積が、本体部(140)の通路断面積よりも小さく形成されているので、分離された液相冷媒が液相冷媒出口(14b)から流出する際に、気相冷媒とともに流出してしまうことを抑制することができる。従って、実質的に、冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積が液相冷媒出口側に拡大されてしまうことを抑制することができる。
これに加えて、本体部(140)の冷媒通路の通路断面積が一定に形成されているので、本体部(140)のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積が急激に変化してしまうことを抑制することができる。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、気相冷媒を気相冷媒出口(14c)から滑らかに流出させることができるだけでなく、本体部(140)の冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積の急拡大あるいは急縮小を抑制することができる。従って、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減可能な気液分離器を提供することができる。
ここで、湾曲部(141、145)の中心線は、湾曲部(141、145)の通路断面の重心点を結んだ線等で定義することができ、湾曲部(141、145)を流通する冷媒の主流の流れ方向に相当する。
また、請求項5に記載の発明は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器(12)から流出した冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させるエジェクタ(13)と、エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させる気液分離器(14)と、気液分離器にて分離された液相冷媒を蒸発させて、冷媒吸引口側へ流出させる蒸発器(15)と、を備え、
気液分離器は、通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)を有し、冷媒通路の冷媒流れ最上流部には、エジェクタから流出した冷媒を流入させる冷媒入口(14a)が設けられており、本体部は、冷媒通路を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部(141、145)を有し、湾曲部には、分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口(14b)が設けられており、液相冷媒出口は、湾曲部の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口しており、液相冷媒出口の開口面積は、本体部の通路断面積よりも小さく形成されており、本体部のうち、冷媒通路の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、気相冷媒出口は、湾曲部の中心線の接線方向に気相冷媒を流出させるように開口しているものである冷凍サイクル装置である。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、冷媒が気液分離器(14)を流通する際に生じる圧力損失を充分に低減することができる。すなわち、請求項5に記載の発明によれば、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減可能な気液分離器を備える冷凍サイクル装置を提供することができる。
さらに、エジェクタ(13)の出口側と圧縮機(11)の吸入側との間に配置される気液分離器(14)における冷媒の圧力損失を低減することは、エジェクタ(13)の昇圧作用によるサイクルのCOP向上効果を充分に得ることができるという点で極めて有効である。
ここで、請求項に記載された液相冷媒出口(14b)は、液相冷媒のみを流出させる冷媒出口に限定されるものではなく、主に液相冷媒を流出させるために比較的乾き度の低い気液二相冷媒を流出させる冷媒出口となっていてもよい。
また、請求項に記載された気相冷媒出口(14c)は、気相冷媒のみを流出させる冷媒出口に限定されるものではなく、主に気相冷媒を流出させるために比較的乾き度の高い気液二相冷媒を流出させる冷媒出口となっていてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の気液分離器の外観斜視図である。 第2実施形態の気液分離器の一部断面図である。 第1実施形態の変形例の気液分離器の外観斜視図である。
(第1実施形態)
図1、図2を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の冷却対象流体は、送風空気である。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図1の全体構成図に示すエジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。より具体的には、本実施形態の圧縮機11は、1つのハウジング内に固定容量型の圧縮機構、および圧縮機構を駆動する電動モータを収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。また、電動モータは、後述する空調制御装置20から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式のものを採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される車室外空気(外気)を熱交換させて、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。冷却ファン12aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器12の冷媒出口には、エジェクタ13のノズル部13aの入口側が接続されている。エジェクタ13は、放熱器12から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズル部13aを有し、冷媒減圧装置としての機能を果たす。さらに、エジェクタ13は、ノズル部13aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、外部から冷媒を吸引して循環させる冷媒循環装置としての機能を果たす。
これに加えて、エジェクタ13は、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒との混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換し、混合冷媒を昇圧させるエネルギ変換装置としての機能を果たす。
より具体的には、エジェクタ13は、ノズル部13a、およびボデー部13bを有している。ノズル部13aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る略円筒状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)等で形成されている。ノズル部13aは、内部に形成された冷媒通路にて冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるものである。
ノズル部13aの内部に形成された冷媒通路には、通路断面積を最も縮小させる喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口へ向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、本実施形態のノズル部13aは、ラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、ノズル部13aとして、サイクルの通常運転時に冷媒噴射口から噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されたものが採用されている。もちろん、ノズル部13aを先細ノズルで構成してもよい。
ボデー部13bは、略円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。ボデー部13bは、内部にノズル部13aを支持固定する固定部材として機能するとともに、エジェクタ13の外殻を形成するものである。より具体的には、ノズル部13aは、ボデー部13bの長手方向一端側の内部に収容されるように圧入にて固定されている。ボデー部13bは、樹脂にて形成されていてもよい。
ボデー部13bの外周面のうち、ノズル部13aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部13aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口13cが形成されている。冷媒吸引口13cは、ノズル部13aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、後述する蒸発器15から流出した冷媒をエジェクタ13の内部へ吸引する貫通穴である。
ボデー部13bの内部には、冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒をノズル部13aの冷媒噴射口側へ導く吸引通路、および、吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部としてのディフューザ部13dが形成されている。
吸引通路は、ノズル部13aの先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー部13bの内周側との間の空間に形成されており、吸引通路の冷媒通路面積は、冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。これにより、吸引通路を流通する吸引冷媒の流速を徐々に増加させて、ディフューザ部13dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(すなわち、混合損失)を減少させている。
ディフューザ部13dは、吸引通路の出口に連続するように配置された円錐台状の冷媒通路である。ディフューザ部13dでは、通路断面積が冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大する。ディフューザ部13dは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換する。
より具体的には、本実施形態のディフューザ部13dを形成するボデー部13bの内周壁面の断面形状は、複数の曲線を組み合わせて形成されている。そして、ディフューザ部13dの冷媒通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かって徐々に大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転時にディフューザ部13dから流出する冷媒が気液二相冷媒となる。より具体的には、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、通常運転時にディフューザ部13dから流出する冷媒の乾き度が、0.4以上、かつ、0.8以下となるように冷媒が充填されている。
ディフューザ部13dの出口には、気液分離器14の冷媒入口14a側が接続されている。気液分離器14は、ディフューザ部13dから流出した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒を後述する蒸発器15の冷媒入口側へ流出させ、分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入側へ流出させるものである。
気液分離器14の詳細構成については、図2を用いて説明する。なお、図2等における上下の各矢印は、気液分離器14を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。
気液分離器14は、通路断面積が一定の冷媒通路を形成する金属製(本実施形態では、アルミニウム製)の管状部材で形成された本体部140を有している。本体部140の通路断面は、円形状である。本体部140は、円筒状に形成された上流側円筒部142、螺旋状に曲げられた螺旋状部141、円筒状に形成された下流側円筒部143、および中間円筒部144に大別される。
螺旋状部141は、内部を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部である。本実施形態では、充分な気液分離性能を確保するために螺旋状部141の巻き数を4巻きとしている。また、気液分離器14は、螺旋状部141の螺旋の中心軸が鉛直方向となるように配置されている。
上流側円筒部142は、螺旋状部141の上方側に配置されており、ディフューザ部13dから流出した冷媒を流入させる冷媒入口14aを形成している。換言すると、気液分離器14では、本体部140の冷媒流れ最上流部に、気液分離対象となる冷媒を流入させる冷媒入口14aが設けられている。
さらに、上流側円筒部142の中心線は、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている。このため、冷媒入口14aは、ディフューザ部13dから流出した冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流入させるように開口している。ここで、螺旋状部141の冷媒通路の中心線は、螺旋状部141の通路断面の重心点を結んだ線等で定義することができ、螺旋状に描かれる。
下流側円筒部143は、螺旋状部141の下方側に配置されており、圧縮機11の吸入側へ気相冷媒を流出させる気相冷媒出口14cを形成している。換言すると、気液分離器14では、本体部140の冷媒流れ最下流部に、本体部140の内部で分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口14cが設けられている。
さらに、下流側円筒部143の中心線は、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている。このため、気相冷媒出口14cは、分離された気相冷媒を螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流出させるように開口している。
また、螺旋状部141には、本体部140の内部で分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口14bが形成された中間円筒部144が接続されている。より具体的には、中間円筒部144は、螺旋状部141の入口側から3.75巻程度進行した位置(換言すると、入口側から約1350°進行した位置)に接続されている。
このため、中間円筒部144は、液相冷媒出口14bが冷媒入口14aよりも気相冷媒出口14cの近くに位置付けられるように接続されている。さらに、中間円筒部144の中心線は、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている。このため、液相冷媒出口14bは、分離された液相冷媒を、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に流出させるように開口している。
液相冷媒出口14bの開口面積は、本体部140の通路断面積よりも小さく形成されている。つまり、液相冷媒出口14bの開口面積は、冷媒入口14aの開口面積、および気相冷媒出口14cの開口面積よりも小さく形成されている。より具体的には、液相冷媒出口14bの開口面積は、蒸発器15の冷媒入口の開口面積と同等の値に設定されている。
気液分離器14の液相冷媒出口14bには、図1に示すように、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。
蒸発器15は、内部へ流入した低圧冷媒と送風機15aから車室内へ向けて送風される送風空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。送風機15aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。蒸発器15の冷媒出口には、エジェクタ13の冷媒吸引口13c側が接続されている。
次に、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置20は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器11、12a、15a等の作動を制御する。
また、空調制御装置20には、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、蒸発器15から吹き出される吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ等のセンサ群が接続され、これらの空調用センサ群の検出信号が入力される。
さらに、空調制御装置20の入力側には、図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が空調制御装置20へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の空調制御装置20は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、空調制御装置20のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。例えば、圧縮機11の作動を制御する構成が、吐出能力制御部を構成している。
次に、上記構成における本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動について説明する。操作パネルの空調作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置20が、圧縮機11、冷却ファン12a、送風機15a等を作動させる。
これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器12へ流入する。放熱器12へ流入した冷媒は、冷却ファン12aから送風された外気と熱交換し、冷却されて凝縮する。
放熱器12から流出した冷媒は、エジェクタ13のノズル部13aへ流入して等エントロピ的に減圧されて噴射される。そして、噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器15から流出した冷媒が、冷媒吸引口13cから吸引される。
ノズル部13aから噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部13dへ流入する。ディフューザ部13dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部13dにて昇圧された気液二相状態の冷媒は、気液分離器14の冷媒入口14aへ流入する。
気液分離器14へ流入した気液二相状態の冷媒は、本体部140の螺旋状部141を流通する際に、遠心力の作用によって気液分離される。これにより、気相冷媒よりも比重の大きい液相冷媒が、螺旋状部141の螺旋の中心軸外周側に偏在する。そして、螺旋の中心軸外周側に偏在する液相冷媒を含む比較的乾き度の低い冷媒が、液相冷媒出口14bから流出する。分離された気相冷媒は、気相冷媒出口14cから流出する。
液相冷媒出口14bから流出した冷媒は、気液分離器14から蒸発器15へ至る冷媒流路を流通する際に圧力を低下させながら蒸発器15へ流入する。蒸発器15へ流入した冷媒は、送風機15aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。蒸発器15から流出した冷媒は、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される。気相冷媒出口14cから流出した気相冷媒は、圧縮機11へ吸入され再び圧縮される。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動して、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、エジェクタ13のディフューザ部13dにて昇圧された冷媒を圧縮機11へ吸入させている。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10によれば、蒸発器における冷媒蒸発圧力と圧縮機吸入冷媒の圧力が略同等となる通常の冷凍サイクル装置よりも、圧縮機11の消費動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
ここで、エジェクタ13の昇圧作用によるCOP向上効果を充分に得るためには、エジェクタ13のディフューザ部13dの出口側と圧縮機11の吸入側との間に配置される気液分離器14にて冷媒に生じる圧力損失を充分に低減させる必要がある。より詳細には、ディフューザ部13dから流出した気液二相冷媒と圧縮機11へ吸入される気相冷媒が同等の圧力となるように、圧力損失が低減されていることが望ましい。
そして、気液分離器14にて冷媒に生じる圧力損失を低減させる手段としては、冷媒通路の通路断面積を拡大させる手段や、冷媒の流れ方向を不必要に転向させない手段等が考えられる。しかしながら、圧力損失の低減のために、これらの手段を採用すると、気液分離器14が大型化しやすく、気液分離器14を他のサイクル構成機器(すなわち、エジェクタ13および圧縮機11)に取り付けにくくなってしまう。
これに対して、本発明者は、気液分離器14の大型化を招くことなく、気液分離器14内で冷媒に生じる圧力損失を低減させるための試験検討を行った。その結果、気液分離器14内の冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積の急拡大あるいは急縮小を抑制することで、冷媒通路内での冷媒流れの剥離を抑制して、圧力損失を効果的に抑制できることを見出した。
そこで、本実施形態の気液分離器14では、下流側円筒部143の気相冷媒出口14cを、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に気相冷媒を流出させるように開口させている。これにより、螺旋状部141にて分離された気相冷媒を滑らかに流出させることができる。従って、本体部140から気相冷媒を流出させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
また、気液分離器14では、中間円筒部144に単一の液相冷媒出口14bを設け、さらに、この液相冷媒出口14bを、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に液相冷媒を流出させるように開口させている。これにより、螺旋状部141にて分離された液相冷媒を、冷媒の動圧を利用して滑らかに流出させることができる。従って、本体部140から液相冷媒を流出させる際に生じる圧力損失を低減させることができる。
このように螺旋状部141から液相冷媒を滑らかに流出させることで、分離された液相冷媒が本体部140(具体的には、螺旋状部141)の冷媒通路内に滞留してしまうことを抑制することができる。従って、冷媒入口14aから液相冷媒出口14bへ至る範囲で分離された液相冷媒が本体部140内に滞留して、本体部140内の冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積を縮小させてしまうことを抑制することができる。
さらに、液相冷媒出口14bの開口面積が、本体部140の通路断面積よりも小さく形成されているので、液相冷媒が液相冷媒出口14bから流出する際に、気相冷媒とともに流出してしまうことを抑制することができる。従って、実質的に、冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積が液相冷媒出口14bの下流側にまで拡大されてしまうことを抑制することができる。
これに加えて、本体部140の通路断面積が一定に形成されているので、本体部140のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積が急激に変化してしまうことを効果的に抑制することができる。
すなわち、本実施形態の気液分離器14によれば、気相冷媒を気相冷媒出口14cから滑らかに流出させることができるだけでなく、本体部140の冷媒通路のうち気相冷媒が流通する領域の通路断面積の急拡大あるいは急縮小を抑制することができる。従って、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減することができる。延いては、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOP向上効果を充分に得ることができる。
また、本実施形態の気液分離器14では、上述の如く、冷媒に生じる圧力損失を低減させるために、単一の液相冷媒出口14bを設けている。このため、液相冷媒出口14bの下流側では、冷媒の気液を分離することができなくなってしまう。
これに対して、本実施形態の本体部140は螺旋状部141を有しているので、螺旋状部141のうち液相冷媒出口14bよりも上流側の部位の巻き数等を調整することによって、気液分離性能を調整することができる。従って、気液分離器14全体としての気液分離性能を充分に確保することができる。
ここで、本発明者の検討によれば、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のように、ディフューザ部13dの下流側に配置された気液分離器14にて分離された液相冷媒を蒸発器15へ流入させるサイクル構成では、負荷変動によらず蒸発器15へ適切な流量の冷媒を供給するために、ディフューザ部13dから流出する冷媒の乾き度を、0.4以上、かつ、0.8以下に設定しておくことが望ましい。より好ましくは、この乾き度を、0.5以上、かつ、0.7以下に設定しておくことが望ましい。
従って、エジェクタ式冷凍サイクル10に適用される気液分離器14では、冷媒入口14aへ流入する冷媒の乾き度が0.4以上、かつ、0.8以下の範囲で充分な気液分離性能を発揮するように、気液分離性能を調整しておくことによって、エジェクタ式冷凍サイクル10に充分な冷凍能力を発揮させることができる。
また、本実施形態では、液相冷媒出口14bを、冷媒入口14aよりも気相冷媒出口14cの近くに配置しているので、液相冷媒出口14bから気相冷媒出口14cへ至る通路を流通する気相冷媒に生じる圧力損失をより一層抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、湾曲部として、冷媒の流れ方向を連続的に転向させる螺旋状の冷媒通路を形成する螺旋状部141を採用した気液分離器14を説明したが、本実施形態の気液分離器14xでは、図3に示すように、湾曲部として、冷媒の流れ方向を90℃程度転向させる曲げ部145を採用している。
なお、図3では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。また、液相冷媒を網掛けハッチングによって液相冷媒の分布を模式的に示している。
より具体的には、気液分離器14xの本体部140は、上流側円筒部142、曲げ部145、下流側円筒部143、および中間円筒部144に大別される。上流側円筒部142は、中心軸が略水平方向に延びるように配置されている。下流側円筒部143は、中心軸が略鉛直方向に延びるように配置されている。下流側円筒部143の気相冷媒出口14cは、鉛直方向上方側の成分を含む方向に気相冷媒を流出させるように開口している。
その他の気液分離器14xおよびエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の気液分離器14xにおいても、冷媒に生じる圧力損失を充分に低減することができる。さらに、エジェクタ式冷凍サイクル10のCOP向上効果を充分に得ることができる。
また、本実施形態の気液分離器14xによれば、気相冷媒出口14cが、鉛直方向上方側の成分を含む方向に気相冷媒を流出させるように開口しているので、重力の作用によって、分離された液相冷媒が気相冷媒出口14cから流出してしまうことを抑制することができる。従って、気液分離性能を向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)第1実施形態では、本体部140を管状部材で形成した例(すなわち、配管を折り曲げることによって形成した例)を説明したが、本体部140はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、金属あるいは樹脂製のブロック部材に複数の冷媒通路を形成することによって、同様の冷媒通路を形成したものであってもよい。
また、第1実施形態では、上流側円筒部142の中心線が、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びている例を説明したが、上流側円筒部142の中心線の方向と螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向は、完全に一致している必要はない。
例えば、螺旋状部141の螺旋の中心軸方向から見たときに、上流側円筒部142の中心線が、螺旋状部141の冷媒通路の中心線の接線方向に延びていれば、同様の効果を得ることができる。このことは、下流側円筒部143の中心線、および中間円筒部144の中心線についても同様である。
また、第1実施形態では、螺旋状部141の螺旋の中心軸が鉛直方向となるように気液分離器14を配置した例を説明したが、螺旋状部141の螺旋の中心軸が水平方向となるように配置されていてもよい。
また、第1実施形態では、液相冷媒出口14bを冷媒入口14aよりも気相冷媒出口14cの近くに配置した例を説明したが、液相冷媒出口14bから気相冷媒出口14cへ至る通路を流通する気相冷媒に生じる圧力損失を充分に抑制できる場合は、液相冷媒出口14bを気相冷媒出口14cよりも冷媒入口14aの近くに配置してもよい。
また、第2実施形態では、中心軸が略水平方向に延びるように配置された上流側円筒部142、および中心軸が略鉛直方向に延びるように配置された下流側円筒部143を採用した例を説明したが、上流側円筒部142および下流側円筒部143の配置はこれに限定されない。
つまり、気相冷媒出口14cが、鉛直方向上方側の成分を含む方向に気相冷媒を流出させるように開口していれば、上流側円筒部142の中心軸および下流側円筒部143の中心軸は、垂直方向あるいは鉛直方向に対して傾斜していてもよい。さらに、液相冷媒出口14bが、鉛直方向下方側の成分を含む方向に液相冷媒を流出させるように開口していてもよい。
(2)エジェクタ式冷凍サイクル10を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介して車両走行用エンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。さらに、エンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整可能な可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整可能な固定容量型圧縮機を採用することができる。
また、上述の実施形態では、放熱器12の詳細構成について言及していないが、放熱器12として、凝縮させた冷媒を蓄えるレシーバ部(換言すると、受液器)を有するレシーバ一体型の凝縮器を採用してもよい。さらに、レシーバ部から流出した液相冷媒を過冷却する過冷却部を有して構成される、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用してもよい。
また、上述の実施形態に対して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入する冷媒流量を調整する流量調整機構を追加してもよい。このような流量調整機構としては、蒸発器15出口側冷媒(すなわち、冷媒吸引口13cから吸引される冷媒)の過熱度が、予め定めた基準過熱度に近づくように弁開度を変化させる温度式膨張弁等を採用することができる。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R1234yf、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。さらに、冷媒として二酸化炭素を採用して、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成してもよい。
(3)上述の各実施形態では、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置に適用したが、エジェクタ式冷凍サイクル10の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置、冷温保存庫、その他の冷却加熱装置等に適用してもよい。
10 エジェクタ式冷凍サイクル
11 圧縮機
12 放熱器
13 エジェクタ
14、14α 気液分離器
140 本体部
14a 冷媒入口
14b 液相冷媒出口
14c 気相冷媒出口
15 蒸発器

Claims (5)

  1. 冷凍サイクル装置(10)に適用されて、冷媒の気液を分離する気液分離器であって、
    通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)を備え、
    前記本体部は、前記冷媒通路を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部(141、145)を有し、
    前記湾曲部には、分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口(14b)が設けられており、
    前記液相冷媒出口は、前記湾曲部の中心線の接線方向に前記液相冷媒を流出させるように開口しており、
    前記液相冷媒出口の開口面積は、前記本体部の通路断面積よりも小さく形成されており、
    前記本体部のうち、前記冷媒通路の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、
    前記気相冷媒出口は、前記湾曲部の中心線の接線方向に前記気相冷媒を流出させるように開口している気液分離器。
  2. 前記湾曲部は、螺旋状に形成されている請求項1に記載の気液分離器。
  3. 前記気相冷媒出口は、鉛直方向上方側の成分を含む方向に前記気相冷媒を流出させるように開口している請求項1または2に記載の気液分離器。
  4. 前記冷媒通路に流入する冷媒は、乾き度が0.4以上、かつ、0.8以下の気液二相冷媒である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の気液分離器。
  5. 冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)から流出した冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させるエジェクタ(13)と、
    前記エジェクタから流出した冷媒の気液を分離し、分離された気相冷媒を前記圧縮機の吸入側へ流出させる気液分離器(14)と、
    前記気液分離器にて分離された液相冷媒を蒸発させて、前記冷媒吸引口側へ流出させる蒸発器(15)と、を備え、
    前記気液分離器は、
    通路断面積が一定の冷媒通路を形成する本体部(140)を有し、
    前記冷媒通路の冷媒流れ最上流部には、前記エジェクタから流出した冷媒を流入させる冷媒入口(14a)が設けられており、
    前記本体部は、前記冷媒通路を流通する冷媒の流れ方向を転向させる湾曲部(141、145)を有し、
    前記湾曲部には、分離された液相冷媒を流出させる単一の液相冷媒出口(14b)が設けられており、
    前記液相冷媒出口は、前記湾曲部の中心線の接線方向に前記液相冷媒を流出させるように開口しており、
    前記液相冷媒出口の開口面積は、前記本体部の通路断面積よりも小さく形成されており、
    前記本体部のうち、前記冷媒通路の冷媒流れ最下流部には、分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒出口(14c)が設けられており、
    前記気相冷媒出口は、前記湾曲部の中心線の接線方向に前記気相冷媒を流出させるように開口しているものである冷凍サイクル装置。
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