JP2018178315A - フットカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】薄手の伸縮性生地で構成されたフットカバーにおいて、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等を配置してホールド性を向上させてもサイズが限定されない。【解決手段】このフットカバー100は、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、薄手の伸縮性生地で構成された、足底部104、側辺部106、踵部108および爪先を覆う筒状の爪先部102で形成され、足底部104に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部を設け、開口部を形成する側辺部106の上縁に伸縮性細幅生地116を設け、足底部104の踵の位置であって足肌と当接する面と逆側の面に、3次元立体形状の弾性部材で伸縮性生地よりも伸縮性を備えない弾性部材としてのクッション材120が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、着用すると、スニーカー(カジュアルな運動用の靴)やパンプス(履き口である甲部分が大きく開いている主として婦人用の靴)等の靴の内側に隠れて見えなくなるフットカバーに関し、特に、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等が配置されることによりホールド性が良く、かつ、そのような伸縮性を備えないクッション等が配置されているにも関わらずサイズが限定されないフットカバーに関する。
素足にパンプス等の靴を履くことが、ファッションとして定着している。この場合、パンプスと足裏とが直接接していると、足に発生した汗により靴の中が蒸れてしまい不快感がある。
そこで、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、着用時にパンプスから露出することのないよう履き口が大きくカットされた薄手のフットカバーが提案されている。このフットカバーを着用してパンプスを履けば、外観上、素足にパンプスを履いているように見え、足裏とパンプスとの間にはフットカバーが介しているため、汗によって靴の中が蒸れてしまうことを防止することができる。
なお、このような足装着具を、本明細書ではフットカバーと記載するが、ソックスカバー、インナーソックス、ヌードソックス、カバーソックス等と記載される場合もある。
このようなフットカバーはパンプスから露出しないよう履き口が大きくカットされているため、歩行中の摩擦等によって履き位置がずれたり、脱げたりすすることがある。一方、履き口を小さくしてしまうとパンプスから露出してしまう。このような問題点に鑑みて開発されたフットカバーが、以下の先行技術文献に開示されている。
特開平10−292206号公報(特許文献1)は、歩行時におけるパンプスとフットカバーとの摩擦によってフットカバーが素足から脱げてしまったり、パンプスの脱ぎ履き時にフットカバーが脱げてしまったり履き位置がずれてしまったりすることを防止するために、踵当接部内面に摩擦付与体を取り付けたフットカバーを開示する。
実用新案登録第3165733号公報(特許文献2)は、特許文献1に開示されたフットカバーの開口部の周縁に沿ってゴム紐を設けたのでは、ゴム紐が足に食い込むため、足にゴム紐の型が付いてしまったり、痛みを感じたり、履き心地が良くないという問題があったことに鑑み、開口部の周縁に沿って平ゴムを設けて一面が足に接するようにした帯状伸縮部を形成したフットカバーを開示する。
このようなフットカバーは、足を被覆する点で靴下と類似し、靴下において、歩行やスポーツによる踵部分への衝撃の緩和することや、履くことにより身長を高く見せることを目的として、靴下の踵部分にインソールや中敷きを設ける技術が、以下の先行技術文献に開示されている。
特開2011−015927号公報(特許文献3)は、踵および足底の皮膚の過剰な角化やひび割れを防止し、歩行やスポーツの踵への衝撃を緩和し、さらに足部の冷えの軽減や防臭等を目的とした、足の皮膚に直接密着させて使用するインソールを開示する。このインソールは、靴下やストッキングの中で、踵および足底の皮膚に直接装着して使用する。すなわち、踵および足底に直接密着した状態でインソールを装着し、その上から靴下やストッキングを履いて過ごすことにより、保湿や保温、さらには衝撃緩和、防臭効果等を発現させることを期待できる。
特開平10−066606号公報(特許文献4)は、靴を脱いでも身長を高く保て、靴下を履いているので外観も自然な靴下用踵部中敷きを開示する。この靴下用踵部中敷きは、ゴム等のクッション材でできた靴底様の板の踵部を厚くし、上部を踵の丸みに合わせ、下部を踵に似せて丸みを持たせ、足甲部に固定するゴム製のバンドを取り付けて履いたとき脱げにくくしたサンダル型靴下用中敷きである。まず、この靴下用中敷きを足に装着して、その上から靴下を履くと、外部から見れば形状は自然で、身長は踵部の厚み分だけ高くなる。
特開平10−292206号公報 実用新案登録第3165733号公報 特開2011−015927号公報 特開平10−066606号公報
特許文献1または特許文献2に開示されたフットカバーにおいて踵部分にクッション材を設けるために、特許文献3または特許文献4に開示された技術を適用することが考えられる。
しかしながら、フットカバーに特許文献3に開示された技術を組み合わせたところで、特許文献3に開示されたインソールは踵および足底の皮膚に直接装着して使用するものに過ぎず、足肌、インソール、フットカバー、靴内面の順に構成されるために、インソール自体が足肌からずれたり、インソールがフットカバーを介して靴内面からずれたりするので、ホールド性が好ましくない。この点では、フットカバーに特許文献4に開示された技術を組み合わせることにより、このようなずれが緩和される可能性があるとはいえ、足甲部に固定するゴム製のバンドを取り付けなければならない。いずれにしても、このようにインソールや中敷きを足肌に当接させる場合には、フットカバーの足底部が薄手の伸縮性生地で構成することによる肌ざわりがよい点を実現できなくなるばかりか、足(踵部分)に発生した汗により靴の中が蒸れてしまうことによる不快感を解消できなくなる。
さらに、周縁が盛り上がった3次元立体形状で平面形状は靴底形状の靴の中敷き(クッション材)が製造販売されている。フットカバーのホールド性を向上させるために、特許文献1または特許文献2に開示された薄手の伸縮性生地で構成されたフットカバーの足底に、このような周縁が盛り上がった3次元立体形状の靴の中敷き(クッション材)を単に設けても、このようなクッション材はホールド性を向上させるために伸縮性生地よりも伸縮性を備えない。このため、足長に対応させた様々な長さの足底部を有するフットカバーを製造販売しなければならない。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等が配置されることによりホールド性が良く、かつ、そのような伸縮性を備えないクッション等が配置されているにも関わらずサイズが限定されないフットカバーを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るフットカバーは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るフットカバーは、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、薄手の伸縮性生地で構成された、足底部、側辺部、踵部および前記爪先を覆う筒状の爪先部で形成され、前記足底部に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部を設け、前記開口部を形成する側辺部の上縁に伸縮性細幅生地を設け、前記足底部の踵の位置であって足肌と当接する面と逆側の面に、3次元立体形状の弾性部材で前記伸縮性生地よりも伸縮性を備えない弾性部材が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、前記弾性部材は、その平面形状として前記足底部の略半分の形状を備えるとともに、前記平面形状の周縁が盛り上がった形状を備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記弾性部材は、靴内面と当接する面の摩擦係数が高いように構成することができる。
本発明のフットカバーによれば、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等が配置されることによりホールド性が良く、かつ、そのような伸縮性を備え
ないクッション等が配置されているにも関わらずサイズが限定されないフットカバーを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るフットカバーについての、(A)全体斜視図、(B)踵が上がった状態の背面側から見た斜視図である。 図1のフットカバーの平面図であって、(A)側面図、(B)下面図(靴内面または床面当接側)、(C)フットカバーの足底部へ接着する前の弾性部材(クッション材)単体の上面図(足裏側)、(D)弾性部材のD−D断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るフットカバー100を、図面に基づき詳しく説明する。なお、フットカバーの構造には様々なものがあり、本発明は特定の構造に限定されるものではなく、後述する特徴(足底部104の踵部分に弾性部材としてのクッション材120を備える点)を備えたものであれば、どのようなフットカバーの構造であっても、フットカバーを形成する生地の種類、生地の型紙およびその生地の接合方法がどのようなものであっても基本的には構わない。そのため、以下に示すフットカバー100の構造自体は単なる例示でしかない。
なお、このフットカバー100は複数の生地片(パーツ)から形成され、いずれの生地も伸縮性を備えた編地(伸縮性生地)である。ここでは、このフットカバーを形成する生地(足底部104の踵部分に設けられた弾性部材としてのクッション材120は生地でないので除く)は、ベア天(ベア天竺:ポリウレタン糸を軸にして他の素材の糸(綿、ウール等)を巻きつけた糸(カバード・ヤーン等)を用いて編んだ平編みの生地)、トリコット(経編み機の一種であるトリコット機で編んだ経編みの生地)、パンティストッキング用の生地(ポリウレタン糸とナイロン糸とを含む編地)等が好ましく用いられる。特に、これらの中でもベア天は、(1)伸縮性にすぐれている点、(2)形状安定性がよく洗濯後の形状変化が少ない点、(3)風合いが柔らかくフィット感にすぐれている点、(4)シワや折り目がつきにくい点、(5)多孔性の構造なので通気性がある点、(6)綿を含む場合には肌触りおよび吸湿性がよい点、でフットカバーに好ましい。なお、このように伸縮性生地は伸縮性にすぐれており、足底部104の踵部分に設けられた弾性部材としてのクッション材120はこの伸縮性生地よりも伸縮性を備えない。
さらに、本実施の形態に係るフットカバー100は、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、足底部104、側辺部106、踵部108および爪先を覆う爪先部102で形成される(限定されるものではないがここでは側辺部106から踵部108を形成する生地は1つの生地片(パーツ))。また、限定されるものではないが、以下に示すフットカバー100は左右共用であって、左右共用であるために左右を履き間違いすることがない点で好ましい。なお、フットカバーが左右共用でない場合には、左足用と右足用とは(全体として)左右非対称の形状を備えてもかまわないし、後述するクッション材120を除いて(クッション材120の部分のみ左右非対称であって部分的に)左右対称の形状を備えてもかまわない。
さらに、本実施の形態に係るフットカバー100は複数の生地(爪先部102を形成する生地、足底部104を形成する生地および側辺部106から踵部108を形成する生地の3つの生地)により構成されているが、これらの生地どうしの接合については限定されるものではない。たとえば、縫合により生地どうしを接合するものであっても構わないし、帯状部材の一面に接着材が塗布された接着テープを用いて加熱することにより接着材が溶融して生地を熱接着して生地どうしを接合するものであっても構わない。ここで、この接合には、熱圧着によるもの、熱溶着によるもの、熱融着によるもの等を含む。
そして、特徴的であるのは、足底部を形成する生地の少なくとも一部(ここでは踵側の略半分)であって足肌と当接する面と逆側の面に、3次元立体形状の弾性部材で伸縮性生地よりも伸縮性を備えない弾性部材としてのクッション材120が設けられている。そして、そのクッション材120は、その平面形状として足底部の略半分の形状を備えるとともに、平面形状の周縁が盛り上がった形状を備える。さらに、そのクッション材120は
、靴内面と当接する面の摩擦係数が高い。このような特徴を備えたフットカバー100について、以下に詳しく説明する。
図1および図2に本発明の実施の形態に係るフットカバー100を示す。図1(A)はフットカバー100の全体斜視図であって、図1(B)は踵が上がった状態の背面側から見たフットカバー100の斜視図である。図2(A)はフットカバー100の側面図であって、図2(B)はフットカバー100の下面図(靴内面または床面当接側)であって、図2(C)はフットカバー100の足底部104へ接着する前の弾性部材であるクッション材120単体の上面図(足裏側)であって、図2(D)はクッション材120のD−D断面図である。なお、図2(C)および図2(D)を除くいずれの図においても、着用者の足Fにフットカバー100を着用している状態を想定している。すなわち、本発明の実施の形態に係るフットカバー100は、トリコット等の伸縮性生地で形成されているために、このように想定して図示しない場合には縮んだ状態となり、形状を理解することが困難なため、上述のように想定している。これらの図を参照すると理解できるように、このフットカバー100は、着用者の足Fの爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーである。
このフットカバー100は、着用時にスニーカー等の靴から露出することのないよう履き口である開口部がカットされた薄手の伸縮性生地(トリコット等の生地)で形成されている。なお、フットカバー100は、着用時にスニーカーよりも履き口である甲部分が大きく開いているパンプスから露出することのないよう履き口である開口部がさらに大きくカットされた薄手の伸縮性生地(トリコット等の生地)で形成されていても構わない。ここで、着用時に靴やパンプスから露出することのないとは、フットカバー100が靴やパンプスに隠れて、見えなくなることも、見えにくくなることも含む。
このフットカバー100は、爪先部102、足底部104、側辺部106および踵部108で形成されている。そして、足底部104に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部が設けられている。開口部は、爪先部102の上部、側辺部106の上部および踵部108の上部で形成されることになる。このフットカバー100は、たとえば、爪先部102、足底部104、側辺部106および踵部108を別々に編成して(側辺部106および踵部108は一体的に編成された1つの生地片(パーツ))、側辺部106および踵部108と爪先部102とを縫着して一体化して、さらに、一体化されたこれらの爪先部102、側辺部106および踵部108と足底部104とを縫着して一体化している。
このフットカバー100においては、足底部104に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部が爪先部102、側辺部106および踵部108により形成されている。この開口部の上縁の全周に亘ってフットカバー100の内側(足Fが接する側:肌側)に伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116が設けられている。このフットカバー100を履くときにこれらの伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116を伸張させると開口部が大きく開くために履きやすく、かつ、このフットカバー100を履いた後は伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116が収縮して開口部が小さくなるために歩行時にフットカバー100が脱げることがない。なお、この開口部の上縁の全周に亘ってフットカバー100の外側(足Fが接する側とは逆側:靴内面に当接する側)に伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116を設けるようにしても構わない。
なお、これらの伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116は、開口部の上縁の全周ではなく上縁の一部に設けるようにしても構わないし、連続的ではなく断続的に設けるようにしても構わない。いずれであっても、これらの伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116により、このフットカバー100が履きやすく、フットカバー100は歩行等の動作によっても脱げたり位置ずれすることが少ない。
ここで、この伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116の一例として、ナイロン製テープを挙げることができる。また、この伸縮性細幅生地112および伸縮性細幅生地116をこのフットカバー100(の少なくとも一部)を構成する伸縮性生地と同じ生地にすることも好ましい。
さらに、このフットカバー100の踵部108の上縁には、フットカバー100の内側(足Fが接する側:肌側)には、シリコン樹脂等の薄い透明のシートで形成された踵部滑り止め118を設けることも好ましい。これにより、足Fの踵との密着性を高めてフットカバー100が足Fの踵の部分からずれることをさらに防止することができる。なお、この踵部滑り止め118は、本発明に係るフットカバーにおいて必須の構成ではない。
このフットカバー100においては、足底部104を形成する生地の少なくとも一部(ここでは爪先側ではなく踵側の略半分)であって足肌と当接する面と逆側の面に、3次元立体形状の弾性部材で伸縮性生地よりも伸縮性を備えない弾性部材としてのクッション材120が設けられている。このクッション材120は、足底部104の全体に亘って設けられているものではなく、踵側のみに設けられていることが特徴である。なお、このクッション材120を足底部104の靴内面が当接する側(足肌に当接する面の逆側)に取り付ける方法については限定されるものではなく、たとえばクッション材120と足底部104との間にクッション材120の平面形状に対応する面積(最大限度)の接着層を設けて固定することによりクッション材120が足底部104からずれないように取り付けられている。
図2(C)および図2(D)に示すように、クッション材120は、その平面形状として足底部104の略半分の形状を備えるとともに、その平面形状の周縁(より詳しくは側部周縁124、中間周縁126および踵周縁128)が平面部122よりも盛り上がった形状を備える。さらに、そのクッション材120は、靴内面と当接する面130の摩擦係数が高い。さらに好ましくは、足底部104の略半分の平面形状の断面において、踵側が爪先側よりも高く、その爪先側先端Sは薄くなっている。このフットカバー100の足底側は、踵側から爪先側へ向けて、クッション材120が次第に薄くなっていき(クッション材120の断面部分132の長さが次第に短くなっていき)、爪先側先端Sにおいてクッション材120がなくなり足底部104を構成する薄手の伸縮性生地のみとなるが、この爪先側先端Sにおいてクッション材120の厚さが薄くなっているので、足底部104を構成する薄手の伸縮性生地との段差を感じにくい。このため、クッション材120が足底部104の全体に亘って設けられているものではなく踵側のみに設けられていても、足裏の感覚として違和感が少ない。
ここで、このクッション材120の素材としては、限定されるものではないが、このフットカバー100を構成する伸縮性生地よりも伸縮性(ここでの伸縮性は足の踵から爪先への方向またはその逆方向における伸縮性)を備えず、かつ、靴内面と当接する面130の摩擦係数が高い素材であればよく、たとえば、シリコン樹脂、エラストマー、スポンジ等である。このようなシリコン樹脂、エラストマー、スポンジ等は、クッション性を発現させるために伸縮性(ここでの伸縮性は足甲から足裏への方向またはその逆方向における伸縮性)を備えるとしても、足の踵から爪先への方向またはその逆方向における伸縮性についてはフットカバー100を構成する伸縮性生地よりも備えない。
さらに、クッション材120が靴内面と当接する面130の摩擦係数が高いことを、素材の特性ではなくディンプル等の形状で実現する場合には、フットカバー100の素材はさらに限定されない。
以上のような構造を備えたフットカバー100を着用者が足Fに着用したとき、または、フットカバー100を着用者が足Fに着用してさらに靴を履いたときの効果について説明する。
(1)足底部104の踵側略半分に設けられたクッション材120は、その平面形状の周縁に側部周縁124、中間周縁126および踵周縁128が盛り上がった3次元形状を備えるので、これらのクッション材120の周縁が着用者の足Fの踵部分を好ましくホールドして、(後述するようにクッション材120が靴内面からずれないことも相俟って)フットカバー100を着用して靴を履いたときに靴の中で足が好ましくホールドされて、靴の中で足がずれることがなくなる。
(2)クッション材120が靴内面と当接する面130の摩擦係数が高いためにクッション材120が靴内面からずれずクッション材120は足底部104に固定されているので
、(上述したようにクッション材120の周縁が着用者の足Fの踵部分を好ましくホールドしてフットカバー100が足Fからずれないことと相俟って)フットカバー100を着用して靴を履いたときに靴の中で足が好ましくホールドされて、靴の中で足がずれることがなくなる。
(3)クッション材120は、足底部104の全体に亘って設けられているものではなく、踵側のみに設けられている。すなわち、足底部104の踵側につてはこのクッション材120の伸縮性が伸縮性生地ほどには備えないので伸び縮みしないが、足底部104の爪先側についてはこのクッション材120がないので足底部104の伸縮性生地により伸び縮みすることができる。このため、クッション材120が設けられていない足底部104の爪先側の伸縮性生地により足の長さの違いに対応することができる。その結果、足長に対応させた様々な長さの足底部を有するフットカバーを製造販売する必要がない。
(4)上述したように、クッション材120は足底部104の全体に亘って設けられているものではなく踵側のみに設けられているが、その爪先側先端Sにおいてクッション材120の厚さが薄くなっているので、クッション材120が踵側のみに設けられていても、クッション材120と足底部104を構成する薄手の伸縮性生地との段差を感じにくい。このため、履き心地が良い。
(5)クッション材120は足裏が当接する側ではなく靴内面が当接する側の足底部104に設けられているので、足肌にフットカバー100の伸縮性生地が当接して、肌ざわりがよく、足(踵部分)に発生した汗により靴の中が蒸れてしまうことによる不快感を解消することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係るフットカバーによると、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等が配置されることによりホールド性が良く、かつ、そのような伸縮性を備えないクッション等が配置されているにも関わらずサイズが限定されないフットカバーを提供することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、素足で履くフットカバーに好適であり、足裏の踵の位置に伸縮性を備えない3次元立体形状のクッション等が配置されることによりホールド性を向上させてもサイズが限定されないフットカバーを提供することができる点で特に好ましい。
100 フットカバー
102 爪先部
104 足底部
106 側辺部
108 踵部
120 クッション材
F 足

Claims (1)

  1. 爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、薄手の伸縮性生地で構成された、足底部、側辺部、踵部および前記爪先を覆う筒状の爪先部で形成され、
    前記足底部に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部を設け、
    前記開口部を形成する側辺部の上縁に伸縮性細幅生地を設け、
    前記足底部の踵の位置であって足肌と当接する面と逆側の面に、3次元立体形状の弾性部材で前記伸縮性生地よりも伸縮性を備えない弾性部材が設けられていることを特徴とするフットカバー。
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