JP2018178292A - 編地の編成方法 - Google Patents

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卓哉 宮井
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Abstract

【課題】反転プレーティング編成を行なっても編地の品質が低下し難い編地の編成方法を提供する。
【解決手段】主糸が編地の表面側に配置される標準プレーティング編成と、添糸が編地の表面側に配置される反転プレーティング編成と、を切り替える編地の編成方法である。反転プレーティング編成では、標準プレーティング編成を行う場合よりも早いタイミングで編針3による主糸と添糸の引き込みを開始すると共に、可動シンカー5を揺動させ、編針よりも編成方向側にある可動シンカー5に備わる凹状縁部に主糸と添糸を引っ掛けながら編針3を引き込むことで、凹状縁部上で主糸と添糸の上下位置を逆転させる。その後、標準プレーティング編成を行う場合と同じタイミングで度決めを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレーティング編成を含む編地の編成方法に関する。
従来から、複数の編針を有する前後の針床を備える横編機を用いて編地を編成することが行なわれている。図7は、横編機1の針床2をその上面から見た模式図である。図7に示すように、横編機1において、針床2の歯口側の先端部で各編針3に並列されるシンカー5が設けられている。シンカー5は、編針3のフック3Fに給糸された編糸8Y(9Y)を針床2に引き込んだときに、編糸8Y(9Y)全体が針床2側に引き込まれないように押さえることで、編目4と編目4の間を繋ぐシンカーループ40を形成する部材である。シンカー5でシンカーループ40を形成しつつ、編針3の引き込み量を調整することでフック3Fに形成される編目4の大きさが決まる。この編目4の大きさを決定することを『度決め』という。このような機能を有するシンカー5として、針床2の上下方向(紙面奥行き方向)に揺動可能に設けられる可動シンカー(特許文献1参照)を挙げることができる。
上述した図7は、種類の異なる二つの編糸8Y,9Yを並列させて編成するプレーティング編成の様子を示した模式図でもある。プレーティング編成では、編成方向(紙面左側)の先行位置にある先行給糸口8から給糸される主糸8Yと、後行位置にある後行給糸口9から給糸される添糸9Yとを一つの編針3で引き込んで編地を編成する。後行給糸口9は先行給糸口8よりも編針3に近い位置にあるため、後行給糸口9から編針3に延びる添糸9Yの角度が主糸8Yのそれよりも大きくなり、主糸8Yよりも添糸9Yの方が高い位置に配置される。編地の編成時におけるこの主糸8Yと添糸9Yの上下関係のために、編地の表面側に主糸8Yが配置され、添糸9Yは編地の裏面側に配置される。
特許文献2には、上述した編地の表面側に主糸8Yを配置する標準プレーティング編成に加え、編地の表面側に添糸9Yを配置する反転プレーティング編成を行う技術が開示されている。特許文献2の技術では、編針3で主糸8Yと添糸9Yを引き込む際に可動シンカー5を揺動させ、可動シンカー5上で主糸8Yと添糸9Yの位置を入れ替えることで、反転プレーティングを行っている。
特開平6−033348号公報 特開2016−176159号公報
特許文献2の編地の編成方法には、反転プレーティング編成の際に糸切れが生じ易いという課題がある。例えば図7において、図中の二つの編目4,4を標準プレーティング編成で編成する場合、先に標準プレーティング編成を行なった右側の編目4の度決めが終了した後、左側の編目4の度決めが行なわれる。ところが、特許文献2の方法では、反転プレーティング編成を行なう場合、標準プレーティング編成を行なう場合よりも早いタイミングで編糸の引き込みを開始し、編糸の引き込みを終了するタイミング(度決めのタイミング)も標準プレーティング編成を行なう場合に比べて早くなっている(特許文献2の図11参照)。そのため、例えば図7において、右側の編目4を標準プレーティング編成で、左側の編目4を反転プレーティング編成で形成する場合、左側の編目4の度決めが先に行なわれてしまう。そうなると、両編目4,4を繋ぐシンカーループ40は、両側から強く引っ張られることになり、編糸8Y,9Yが切れてしまうなどして、編成が不安定になり、編地の品質が低下する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、反転プレーティング編成を行なっても編地の品質が低下し難い編地の編成方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の編地の編成方法は、
少なくとも前後一対の針床と、各針床に配置される複数の編針と、前記針床の先端で前記針床の上下方向に揺動して編目のシンカーループを押える可動シンカーと、を備える横編機を用いて、
編成方向の先行位置にある先行給糸口から給糸される主糸と、後行位置にある後行給糸口から給糸される前記主糸よりも高い位置にある添糸と、を前記編針で引き込んで編地を編成するにあたり、前記主糸が編地の表面側に配置される標準プレーティング編成と、前記添糸が編地の表面側に配置される反転プレーティング編成と、を切り替える編地の編成方法において、
前記反転プレーティング編成では、前記標準プレーティング編成を行う場合よりも早いタイミングで前記編針による前記主糸と前記添糸の引き込みを開始すると共に、前記可動シンカーを揺動させ、前記編針よりも前記編成方向側にある前記可動シンカーに備わる凹状縁部に前記主糸と前記添糸を引っ掛けながら前記編針を引き込むことで、前記凹状縁部上で前記主糸と前記添糸の上下位置を逆転させ、
その後、前記標準プレーティング編成を行う場合と同じタイミングで度決めを行う。
本発明の編地の編成方法の一形態として、
前記先行給糸口が前記後行給糸口よりも、前記編地を編成する前記針床から見て近い位置にある直線上を移動している、または前記先行給糸口と前記後行給糸口とが前記針床から見て同一直線上を移動しており、
前記反転プレーティング編成において、前記可動シンカーの前記凹状縁部で前記主糸を前記針床の上方側に引き上げて、前記主糸と前記添糸の相対的な上下の位置を入れ替える形態を挙げることができる。
本発明の編地の編成方法の一形態として、
前記後行給糸口が前記先行給糸口よりも、前記編地を編成する前記針床から見て近い位置にある直線上を移動しており、
前記反転プレーティング編成において、前記可動シンカーの前記凹状縁部で前記添糸を前記針床の下方側に引下げて、前記主糸と前記添糸の相対的な上下の位置を入れ替える形態を挙げることができる。
本発明の編地の編成方法では、反転プレーティング編成を行なう際、標準プレーティング編成を行なう場合よりも早いタイミングで主糸と添糸の引き込みを開始するが、その度決めのタイミングは、標準プレーティング編成を行なう場合と同じとしている。そのため、編地の編成途中で標準プレーティング編成から反転プレーティング編成に切り替えたときに、標準プレーティング編成で編成される編目の度決めが終了してから、反転プレーティング編成で編成される編目の度決めが行なわれる。つまり、従来技術のように近接する二つの編目の度決めの順序が逆転することがなく、両編目を繋ぐシンカーループに過大な張力が作用することを抑制できる。その結果、従来よりも編地の編成が安定し、編地の品質を向上させることができる。
実施形態1における標準プレーティング編成と反転プレーティング編成における編針のフックの軌跡と可動シンカーの軌跡を示す模式図である。 (A)〜(F)は、図1の標準プレーティング編成における編針のフック近傍の状態を示す模式図である。 (A)〜(F)は、図1の反転プレーティング編成における編針のフック近傍の状態を示す模式図である。 実施形態2における標準プレーティング編成と反転プレーティング編成における編針のフックの軌跡と可動シンカーの軌跡を示す模式図である。 (A)〜(F)は、図4の標準プレーティング編成における編針のフック近傍の状態を示す模式図である。 (A)〜(F)は、図4の反転プレーティング編成における編針のフック近傍の状態を示す模式図である。 標準プレーティング編成の様子を針床の上方から見た模式図である。
<実施形態1>
以下、主糸を編地の表面側に配置する標準プレーティング編成と、添糸を編地の表面側に配置する反転プレーティング編成と、を適宜切り替える編地の編成方法を図1〜図3に基づいて説明する。本例の編成方法に使用する横編機は、2枚ベッドの横編機であっても良いし、4枚ベッドの横編機であっても良い。横編機に備わる編針は、フックを開閉するラッチを備えるラッチニードルでも良いし、フックを開閉するスライダーを備える複合針でも良い。本例では、図2,図3に示すように、ラッチ3Lを備えるラッチニードル(編針3)を使用している。また、本例では、主糸8Yを給糸する先行給糸口8と、添糸9Yを給糸する後行給糸口9とが、編地を編成する針床2から見て同一直線上を移動する構成である。また、本例では、先行給糸口8と後行給糸口9はそれぞれ別のヤーンキャリアに備わっている。本例とは異なり、先行給糸口8と後行給糸口9の二つの給糸口が設けられた一つのヤーンキャリア(いわゆる、プレーティングキャリア)を利用することもできる。その他、先行給糸口8が後行給糸口9よりも、編地を編成する針床2から見て近い位置にある直線上を移動する構成であっても良い。
本例の横編機1は、図7を参照する従来の横編機1と同様に、隣接する編針3の間に可動シンカー5を備える。本例の可動シンカー5は、図2,3に示すように、後述する反転プレーティング編成で編糸8Y,9Yが接触する凹状縁部5Aと、シンカーループ40(図7)を押え込む編糸受け部5Bと、を備える。凹状縁部5Aは、可動シンカー5の外周側の縁部の一部が、編針3の後退方向側(図2,3の紙面左下側)にV字状に凹むことで形成されている。V字状の凹状縁部5Aを構成する二つの傾斜面のうち、可動シンカー5の先端側にある傾斜面は、可動シンカー5の揺動範囲のいずれにあっても、編針3の進退方向に直交する直交面よりも編針3の後退方向側(反時計回り側)に傾いている。この先端側の傾斜面は、後述する図3(A),(B)に示すように、反転プレーティング編成の際に編糸8Y,9Yが引っ掛けられる部分である。また、凹状縁部5Aのうち、可動シンカー5の根本側にある傾斜面は、可動シンカー5の揺動範囲のいずれにあっても、編針3の進退方向に直交する直交面にほぼ平行か、もしくは直交面よりも編針3の進出方向側(時計回り側)に傾いている。この根元側の傾斜面は、後述する図2の標準プレーティング編成の度決め、および図3の反転プレーティング編成の度決めの際に編糸8Y,9Yが係止される部分である。一方、編糸受け部5Bは、可動シンカー5の外周側の縁部のうち、凹状縁部5Aよりも可動シンカー5の先端側の部分が、針床上方側(紙面左上側)に向って凹むことで形成されている。
図1には、標準プレーティング編成と反転プレーティング編成における編針3のフック3Fの進退の軌跡(紙面下側)と可動シンカー5の先端部の揺動の軌跡(紙面上側)が示されている(フック3Fと可動シンカー5の形状については図2,3を参照)。図1では、紙面右側に向って時間が経過しており、標準プレーティング編成時のフック3Fの軌跡は実線で、反転プレーティング編成時のフック3Fの軌跡のうち、標準プレーティング編成時とは異なる軌跡を描く部分は点線で示す。一方、可動シンカー5の先端部の軌跡における紙面上側の二点鎖線は、可動シンカー5の閉位置(closed position)を示し、下側の二点鎖線は、可動シンカー5の開位置(open position)を示している。以降、可動シンカー5が針床側に向って揺動することを『可動シンカーが閉じる』と表現し、可動シンカー5が針床から離れる方向に揺動することを『可動シンカーが開く』と表現する。標準プレーティング編成(反転プレーティング編成)における時期A〜Fでの編針3と可動シンカー5と編糸8Y,9Yの三者の位置関係をそれぞれ、図2(図3)の(A)〜(F)に示す。図2,3では、編糸(添糸)9Yにハッチングを付している。
編針3のフック3Fは、図1の紙面左側から右側にかけて、大きな山型の軌跡を描いた後、編成のための軌跡を描く。大きな山型の軌跡では、編針3(図2,3)を歯口に向って進出させて、フック3Fに係止される既存の編目(図示せず)にラッチ3L(図2,3)を乗り越えさせた後、進出量と同じ分だけ編針3を後退させている。このとき、可動シンカー5は閉位置に配置され、シンカーループを押えて編目が浮き上がらないようにしている。一方、度決めのための軌跡では、編針3を後退させつつ、可動シンカー5を開閉する。フック3Fが編成のための軌跡を描く前に、可動シンカー5を一旦開いておく。以下、標準プレーティング編成と反転プレーティング編成を順次説明する。
≪標準プレーティング編成≫
標準プレーティング編成の説明には図1,2を使用する。以降、標準プレーティング編成は、『SP編成』と表記する。SP編成では、図1の時期Aに示すように、編成のための編糸の引き込み前に、可動シンカー5を半分程度閉じている。図2(A)に示す時期Aにおいて、主糸8Yと、主糸8Yよりも高い位置にある添糸9Yは、丸囲み拡大図に示すように、編針3のフック3Fにも可動シンカー5にも接触していない。
図1の時期Aから時期Bでは、編成のための編糸の引き込みが開始され、その間、可動シンカー5は時期Aと同じ位置に保持されている。図2(B)に示す時期Bにおいて、主糸8Yと添糸9Yは、その上下関係を維持したままフック3Fに引かれた状態になっている。
図1の時期Bから時期Cでは、編糸の引き込みが継続されつつ、可動シンカー5が閉じられる。図2(C)に示す時期Cにおいて、主糸8Yと添糸9Yは、その上下関係を維持したまま、可動シンカー5の凹状縁部5Aに接触した状態になっている。
図1の時期Cから時期Dでは、時期Bから時期Cと同様に一定の速さで編糸の引き込みが継続され、可動シンカー5は閉位置に維持される。図2(D)に示す時期Dにおいて、図2(C)よりも若干編針3が後退しただけで、両編糸8Y,9Yの上下関係は維持された状態になっている。
図1の時期Dから時期Eでも、一定の速さで編糸の引き込みが継続され、可動シンカー5は閉位置を維持する。時期Eにて度決めが完了する。図2(E)に示す時期Eにおいても、編針3が若干後退しただけで、両編糸8Y,9Yの上下関係は維持された状態になっている。
図1の時期Eの後は、編針3を歯口に向って若干進出させると共に、可動シンカー6を開位置まで開き、編糸8Y,9Yにかかるテンションを緩めた後、可動シンカー5を再び閉位置まで閉じる。図2(F)に二点鎖線で示すように、可動シンカー5が一旦開くことで、両編糸8Y,9Y(図7のシンカーループ40に相当する部分)が凹状縁部5Aを滑り降り、その状態から可動シンカー5が閉じることで、両編糸8Y,9Yが編糸受け部5Bに引っ掛けられ、保持される。編糸受け部5Bにシンカーループを保持させることで、シンカーループを押え、編目の編成状態を安定させることができる。
≪反転プレーティング編成≫
次に、図1,3を用いて反転プレーティング編成の説明を行なう。以降、反転プレーティング編成を『RP編成』と表記する。図1に示すように、RP編成における可動シンカー5の先端部の軌跡は、SP編成と同じであり、フック3Fの軌跡のみがSP編成と異なる。
RP編成では、図1の時期Aに示すように、SP編成を行なう場合よりも早いタイミングで編成のための編糸の引き込みが開始される。このとき、可動シンカー5は半分程度閉じており、主糸8Yと添糸9Yが可動シンカー5の凹状縁部5Aに引っ掛けられた状態で編針3のフック3Fに引き込まれる。その際、図3(A)に示すように、主糸8Yが、凹状縁部5Aにおける可動シンカー5の先端側の傾斜面に接触し、凹状縁部5Aの最深部に向って移動する。即ち、主糸8Yが凹状縁部5A上で上方に引き上げられる。その結果、主糸8Yと添糸9Yの上下関係が入れ替わった状態で、両編糸8Y,9Yがフック3Fに係止される。
RP編成において、SP編成を行なう場合よりも早いタイミングで編糸8Y,9Yを引き込むことで、SP編成を行なう場合よりも給糸口8,9に近い位置で編糸8Y,9Yをフック3Fに引っ掛けることになる。図7に示すように、給糸口8,9に近い位置では、主糸8Yと添糸9Yとが離隔しているため、両編糸8Y,9Yの上下関係を入れ替え易い。また、給糸口8,9に近い位置で、編糸8Y,9Yをフック3Fに引っ掛けて、編糸8Y,9Yに可動シンカー5を当接させることで、編糸8Y,9Yの上下関係が入れ替わった状態を維持し易く、RP編成が安定する。
時期AからBでは、編糸の引き込みが継続され、可動シンカー5の位置は維持されている。図3(B)に示す時期Bにおいて、図3(A)よりも若干編針3が後退しただけで、時期Aで入れ替えられた両編糸8Y,9Yの上下関係は維持された状態になっている。
図1の時期BからCでは、編糸の引き込みが継続され、かつ可動シンカー5が徐々に閉じられる。時期Cにおいて、編針3の後退が停止され、可動シンカー5は閉位置に配置される。
図1の時期CからDでは、編糸の引き込みも可動シンカー5の揺動も完全に停止されている。そのため、図3(C)に示す時期Cの各部材の状態と図3(D)に示す時期Dの各部材の状態とに変化はない。この各部材の休止期間を設けることで、編糸8Y,9Yが深く引き込まれない状態を作り出すことができる。RP編成にこの休止期間を設けることで、RP編成を連続して行なったときの編糸8Y,9Yの入れ替え状態を安定させることができる。今まさに編針3を動かして編糸8Y,9Yの入れ替えを行なっているときに、一つ前に編糸8Y,9Yの入れ替えを行なった編針3が休止期間で止まっていると、動かしている編針3に掛かる編糸8Y,9Yに余計なテンションが作用しないからである。編糸8Y,9Yに余計なテンションが作用しないことで、編糸8Y,9Yに対する負荷も低減される。
図1の時期D以降は、RP編成におけるフック3Fの軌跡と可動シンカー5の先端部の軌跡は、SP編成のそれと完全に一致している。つまり、RP編成における編針3(フック3F)の引き込みルートが、その途中でSP編成における編針3(フック3F)の引き込みルートに合流しており、RP編成を行なう場合の度決めのタイミングは、SP編成を行なう場合の度決めのタイミングと同じになっている。しかし、図3(E),(F)に示すように、フック3F内において主糸8Yが添糸9Yよりも上方に配置されており、そのためSP編成とは異なり、編地の表面側に添糸9Yが配置される。
ここで、図1のRP編成の編針3の引き込み開始から、時期DでSP編成における編針3の引き込みルートに合流するまでのRP編成の編針3の引き込みルートは特に限定されない。例えば、編針3の引き込み開始から一度も編針3の引き込みを止めることなく、RP編成の編針3の引き込みルートをSP編成の編針3の引き込みルートに合流させても良い。つまり、上述した時期Cから時期Dの休止期間は必須ではない。例えば、時期Cから時期Dの期間を、時期Aから時期Cの期間とは異なる傾斜を有する引き込みルートとしたり、引き込みの開始から時期Dに一直線に繋がる引き込みルートとしたりしても良い。
≪効果≫
本例の編地の編成方法によれば、SP編成からRP編成に切り替えたときに、編糸8Y,9Yの糸切れなどを抑制することができ、その結果として編地の品質を向上させることができる。それは、図1,3を参照して説明したように、本例のRP編成では、SP編成を行なった場合と同じタイミングで度決めを行なっているからである。このようにすることで、編地の編成途中でSP編成からRP編成に切り替えたときに、SP編成で編成される編目の度決めが終了してから、RP編成で編成される編目の度決めが行なわれる。つまり、従来技術のように近接する二つの編目の度決めの順序が逆転することがなく、両編目を繋ぐシンカーループに過大な張力が作用することを抑制できる。その結果、従来よりも編地の編成が安定し、編地の品質を向上させることができる。
<実施形態2>
実施形態2では、編地を編成する針床2から見て、後行給糸口9を先行給糸口8よりも、近い位置にある直線上を移動させてSP編成とRP編成を行なう例を、図4〜6に基づいて説明する。図4は、フック3Fと可動シンカー5の軌道を示す図、図5,6は、図4の各時期A〜Fにおけるフック3F近傍の状態を示す図である。
図5,6に示すように、本例では、編地を編成する針床(紙面左側)から見て近い位置に後行給糸口9のヤーンキャリアが配置され、遠い位置に先行給糸口8のヤーンキャリアが配置されている。また、図5,6に示すように、本例で使用する可動シンカー5の形状は、実施形態1の可動シンカー5(図2,3)の形状と若干異なる。しかし、実施形態2の可動シンカー5(図5,6)の形状は異なるものの、実施形態1の可動シンカー5(図2,3を)と同様の機能を持った凹状縁部5Aと編糸受け部5Bとを備えている。本例のV字状の凹状縁部5Aを構成する二つの傾斜面のうち、可動シンカー5の根本側にある傾斜面は、可動シンカー5の揺動範囲のいずれにあっても、編針3の進退方向に直交する直交面よりも編針3の進出方向側(時計回り側)に傾いている。この根元側の傾斜面は、後述する図6(A),(B)に示すように、RP編成の際に編糸8Y,9Yが引っ掛けられる部分である。また、凹状縁部5Aのうち、可動シンカー5の先端側にある傾斜面も、可動シンカー5の揺動範囲のいずれにあっても、編針3の進退方向に直交する直交面にほぼ平行か、もしくは直交面よりも編針3の進出方向側(時計回り側)に傾いている。この先端側の傾斜面は、後述する図5のSP編成の度決め、および図6のRP編成の度決めの際に編糸8Y,9Yが係止される部分である。
≪標準プレーティング編成≫
図4の実線で示すSP編成では、編糸の引き込み前に可動シンカー5を閉じ(時期A参照)、編糸の引き込みを開始してから可動シンカー5を開閉している(時期B〜紙面左側の時期Eを参照)。この場合、図5(A)〜5(E)に示すように、主糸8Yと添糸9Yは、給糸されたときの上下関係を保ったまま、フック3Fに引っ掛けられる。
図4の時期E以降は、可動シンカー5を開いた後、編針3を歯口に向って若干進出させ、編糸にかかるテンションを緩めながら可動シンカー5を閉じる。そうすることで、図5(E),(F)に示すように、編糸8Y,9Yが凹状縁部5Aを滑り降り、編糸受け部5Bに保持される。
≪反転プレーティング編成≫
図4の実線と点線で示すRP編成では、実施形態1と同様に、SP編成を行なう場合よりも早いタイミングで編糸の引き込みを開始し、SP編成を行なう場合と同じタイミングで度決めを行なっている。
本例のRP編成では、図6(A)の丸囲み拡大図に示すように、主糸8Yと添糸9Yが可動シンカー5の凹状縁部5Aに引っ掛けられた状態で編針3のフック3Fに引き込まれる。その際、添糸9Yが、凹状縁部5Aにおける根元側の傾斜面に接触し、凹状縁部5Aの最深部に向って移動する。即ち、添糸9Yが凹状縁部5A上で下方に引下げられる。その結果、主糸8Yと添糸9Yの上下関係が入れ替わった状態で両編糸8Y,9Yがフック3Fに係止される。
図6(A)以降は、図6(B)〜(F)に示すように、図6(A)で入れ替えられた編糸8Y,9Yの上下関係が保持され、編成が終了する。その結果、編地の表面側に添糸9Yが配置される。
≪効果≫
実施形態2の編地の編成方法においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。即ち、編地の編成途中でSP編成からRP編成に切り替えたときに、SP編成で編成される編目の度決めと、RP編成で編成される編目の度決めと、が順次行なわれるようにできる。そのため、SP編成からRP編成に切り替えるときに、糸切れを抑制できる。
1 横編機
2 針床
3 編針 3F フック 3L ラッチ
4 編目 40 シンカーループ
5 シンカー(可動シンカー)
5A 凹状縁部 5B 編糸受け部
8 先行給糸口 8Y 主糸(編糸)
9 後行給糸口 9Y 添糸(編糸)

Claims (3)

  1. 少なくとも前後一対の針床と、各針床に配置される複数の編針と、前記針床の先端で前記針床の上下方向に揺動して編目のシンカーループを押える可動シンカーと、を備える横編機を用いて、
    編成方向の先行位置にある先行給糸口から給糸される主糸と、後行位置にある後行給糸口から給糸される前記主糸よりも高い位置にある添糸と、を前記編針で引き込んで編地を編成するにあたり、前記主糸が編地の表面側に配置される標準プレーティング編成と、前記添糸が編地の表面側に配置される反転プレーティング編成と、を切り替える編地の編成方法において、
    前記反転プレーティング編成では、前記標準プレーティング編成を行う場合よりも早いタイミングで前記編針による前記主糸と前記添糸の引き込みを開始すると共に、前記可動シンカーを揺動させ、前記編針よりも前記編成方向側にある前記可動シンカーに備わる凹状縁部に前記主糸と前記添糸を引っ掛けながら前記編針を引き込むことで、前記凹状縁部上で前記主糸と前記添糸の上下位置を逆転させ、
    その後、前記標準プレーティング編成を行う場合と同じタイミングで度決めを行う編地の編成方法。
  2. 前記先行給糸口が前記後行給糸口よりも、前記編地を編成する前記針床から見て近い位置にある直線上を移動している、または前記先行給糸口と前記後行給糸口とが前記針床から見て同一直線上を移動しており、
    前記反転プレーティング編成において、前記可動シンカーの前記凹状縁部で前記主糸を前記針床の上方側に引き上げて、前記主糸と前記添糸の相対的な上下の位置を入れ替える請求項1に記載の編地の編成方法。
  3. 前記後行給糸口が前記先行給糸口よりも、前記編地を編成する前記針床から見て近い位置にある直線上を移動しており、
    前記反転プレーティング編成において、前記可動シンカーの前記凹状縁部で前記添糸を前記針床の下方側に引下げて、前記主糸と前記添糸の相対的な上下の位置を入れ替える請求項1に記載の編地の編成方法。
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