JP2003055866A - 丸編み機の給糸器の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸に綿を発生させず、糸の輸送過程での切断
現象を発生させない丸編み機の給糸器の構造の提供。 【解決手段】 給糸部（１２）の一端に凸部（１４）が
凸設され、該凸部（１４）に一つの糸案内面（１５）が
設けられ、該糸案内面（１５）が円弧状、斜面状、直角
状のいずれかとされ、この糸案内面（１５）が糸（７）
が通過する時に、糸（７）に綿を発生させず、また綿を
凸部（１４）に滞留させず、さらに糸（７）の輸送過程
での切断現象を発生させず、有効に糸（７）を編み針の
上方に輸送して編み針のフックで捕捉して編成するよう
にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一種の丸編み機の給
糸器の構造に係り、特に、給糸器の給糸部に一つの凸部
が増設されて、糸を編み針にフィードし、編み針のフッ
クに糸を捕捉させて編成動作を行わせる、丸編み機の給
糸器の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のとおり、現在人々の着用する衣類
はいずれも丸編み機により編成され、丸編み機で編成す
る時、給糸器で糸を編み針上方にフィードし、編み針の
フックが糸を捕捉しループ形成し、布の編成を完成す
る。伸縮性を有する布を編成する時は、給糸器に弾性を
有する一組の糸を通せば、伸縮性を有する布（例えば下
着の布）を編成できる。しかし、伝統的な給糸器は弾性
を有する糸を編み針上方にフィードする際に、多くの問
題を発生した。

【０００３】図１に示される周知の給糸器（１）は、少
なくとも、本体（１１）、及び本体（１１）の下縁より
延伸された給糸部（１２）を具え、該給糸部（１２）に
糸を通すための少なくとも一つの孔（１３、１３’）が
設けられ、別に本体（１１）の適当な位置に凹溝（１
６）が設けられ、該凹溝（１６）中に調整手段（２）が
配置されている。該調整手段（２）に糸案内輪（３）が
配置され、この糸案内輪（３）が弾性を有する糸を編み
針上方にフィードし、編み針のフックに捕捉させる。し
かし、糸が糸案内輪（３）を経由して編み針上方にフィ
ードされる時、この糸に振動が発生しやすく、編み針の
フックが糸に届かなかったり、フックによる捕捉が不完
全であるために、編成した布面が整わなかったり、或い
は孔が発生することがあり、このため編成後の布の品質
が不良となった。

【０００４】このため、図２に示されるように、給糸部
（１２）に一つの案内溝（１７）が開設され、糸案内輪
（３）より導出した糸が直接案内溝（１７）に進入し、
この案内溝（１７）が糸のフィード過程で発生する振動
現象を解決する。しかし、糸が長時間案内溝（１７）内
部と接触摩擦することにより、綿を発生し、この綿が案
内溝（１７）中に溜まって詰まりやすく、綿が一定数量
溜まると糸が順調に案内溝（１７）を通過できずに切断
される恐れがあり、また、案内溝（１７）中に溜まった
綿が糸と一緒にフィードされ編成され、編成した布の表
面に突出し、編成後の布の品質不良を形成した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的
は、上述の伝統的な給糸器の欠点を解決し、欠点の存在
をなくすことにあり、即ち、本発明は、給糸器の給糸部
のもう一端に凸部を凸設し、該凸部に糸案内面を設け、
この糸案内面を第３糸が通過する時に、第３糸と摩擦接
触状態を形成させ、糸に綿を発生させにくくし、或いは
綿を凸部に滞留させにくくし、糸の輸送過程での切断現
象を発生させないようにし、有効に糸を編み針上方に輸
送して、編み針のフックに順調に糸を捕捉させて編成動
作を行わせる。

【０００６】本発明のもう一つの目的は、凸部に代わり
に柱体を採用し、この柱体を給糸部と一体成形し、該柱
体に円弧状の糸案内面を形成し、第３糸に柱体の糸案内
面を通過させて糸案内面と摩擦接触状態を形成するよう
にし、第３糸に綿を発生させにくくし、また綿を柱体に
滞留させにくくし、第３糸の輸送過程での糸の切断を発
生させないようにすることにある。

【０００７】本発明のさらにもう一つの目的は、柱体の
一端に接合部を設け、給糸部の一端に接合孔を増設し、
この接合孔内に接合面を設けて、この接合面を柱体の接
合部と組み合わせるか、或いはこの接合部を直接接合孔
に通してナットで接合部を固定し、柱体を給糸部に固定
し、第３糸と糸案内面に摩擦接触状態を形成させて、第
３糸が綿を発生しにくくし、或いは綿を柱体に滞留させ
にくくし、第３糸の輸送過程で糸の切断現象を発生させ
にくくすることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、丸編
み機に配置されニッティング用の糸（５，６，７）を編
み針上方にフィードする給糸器（１）であって、該給糸
器（１）が少なくとも本体（１１）と、本体（１１）下
縁より延伸された給糸部（１２）を具え、該給糸部（１
２）に少なくとも一つの孔（１３、１３’）が設けら
れ、該孔（１３、１３’）に糸（５，６）が通され、並
びに糸（５，６）が編み針上方にフィードされて編み針
が掛けて編成する、丸編み機の給糸器の構造において、
上述の給糸部（１２）の一端に凸部（１４）が凸設さ
れ、該凸部（１４）に一つの糸案内面（１５）が設けら
れ、該糸案内面（１５）が円弧状、斜面状、直角状のい
ずれかとされ、この糸案内面（１５）が糸（７）が通過
する時に、糸（７）に綿を発生させず、また綿を凸部
（１４）に滞留させず、さらに糸（７）の輸送過程での
切断現象を発生させず、有効に糸（７）を編み針の上方
に輸送して編み針のフックで捕捉して編成するようにし
たことを特徴とする、丸編み機の給糸器の構造としてい
る。請求項２の発明は、前記凸部（１４）の代わりに一
つの柱体（８）が設けられ、該柱体（８）に円弧状の糸
案内面（８１）が設けられ、該柱体（８）が給糸部（１
２）と一体成形されるか、或いは柱体（８）の一端に接
合部（８２）が設けられ、この接合部（８２）により給
糸部（１２）の接合孔（１２１）に接合され、該接合部
（８２）がネジ状とされて、接合孔（１２１）内にネジ
状の接合面（１２２）が設けられるか、接合部（８２）
が直接接合孔（１２１）を通過してナットで固定された
ことを特徴とする、請求項１に記載の丸編み機の給糸器
の構造としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】図３、４に示されるように、本発
明の丸編み機の給糸器の構造は、丸編み機に配置され、
複数の糸を編み針（図示せず）の上方にフィードする給
糸器（１）において、編み針が上昇する時に、糸を編み
針のフックが捕捉できるようにする。

【００１０】上述の給糸器（１）は少なくとも本体（１
１）、及び、本体（１１）の下縁より延伸された給糸部
（１２）を具え、該給糸部（１２）に糸を通すための少
なくとも一つの孔（１３、１３’）が設けられ、給糸部
（１２）のもう一端に凸部（１４）が凸設され、該凸部
（１４）に円弧状或いは斜面状の糸案内面（１５）が設
けられて糸を通過させる。別に本体（１１）の適当な位
置に凹溝（１６）が設けられ、該凹溝（１６）中に一つ
の調整手段（２）が配置され、該調整手段（２）に一つ
の糸案内輪（３）が配置され、この糸案内輪（３）が編
成用の糸を案内して前述の凸部（１４）の底を通過さ
せ、丸編み機の編成過程での糸の輸送に供される。

【００１１】別に固定手段（４）が設けられ、それに丸
編み機に固定される固定部（４１）が設けられ、該固定
部（４１）が滑り溝（図示せず）を具えた支持部（４
２）を承接し、給糸器（１）の本体（１１）が支持部
（４２）の滑り溝中に枢設され、給糸器（１）を固定手
段（４）上で高度調整させられる。こうして新規な給糸
器が構成されている。

【００１２】図５、６に示されるのは本発明の給糸器の
正面図及び側面図である。図示されるように、給糸器
（１）が固定手段（４）により丸編み機に固定される
時、編成に使用される第１糸（５）、第２糸（６）がそ
れぞれ給糸部（１２）の孔（１３、１３’）に通され、
弾性を有する第３糸（７）が糸案内輪（３）に配置さ
れ、さらに糸案内輪（３）の案内により凸部（１４）の
糸案内面（１５）を通過する。

【００１３】編成過程で、第１、２、３糸（５）、
（６）、（７）が順に編み針上方に送られ、編み針が上
昇する時、第１、２、３糸（５）、（６）、（７）をフ
ックで捕捉して編成する。第３糸（７）が凸部（１４）
の糸案内面（１５）を通過する時、糸案内面（１５）と
摩擦接触状態を形成し、糸に綿を発生させず、また、綿
が凸部（１４）に滞留せず、さらに第３糸（７）の輸送
過程での糸切断現象を発生させず、有効に第３糸（７）
を編み針上方に輸送し、編み針のフックに順調に第３糸
（７）を捕捉させて編成させ、これにより編成後の編物
の品質を確保する。

【００１４】図７は、本発明のもう一つの実施例表示図
である。この実施例では、上述の凸部（１４）の代わり
に柱体（８）が採用されている。この柱体（８）は給糸
部（１２）と一体成形され、該柱体（８）に円弧状を呈
する糸案内面（８１）が形成され、第３糸（７）が柱体
（８）の糸案内面（８１）を通過する時、糸案内面（８
１）と摩擦接触状態を形成し、第３糸（７）に綿を発生
させず、また綿を柱体（８）に滞留させず、第３糸
（７）の輸送過程での切断現象を発生させない。

【００１５】図８は、本発明のさらに別の実施例表示図
である。この実施例の上述の構造と異なるところは、柱
体（８）の一端にネジ状の接合部（８２）が設けられ、
給糸部（１２）の一端に接合孔（１２１）が増設され、
この接合孔（１２１）内にネジ状を呈する接合面（１２
２）が設けられ、この接合面（１２２）が前述の柱体
（８）の接合部（８２）と組み合わされるか、或いはこ
の接合部（８２）が直接接合孔（１２１）に通されてナ
ット（図示せず）が接合部（８２）に組み合わされて、
柱体（８）が給糸部（１２）に固定される。第３糸
（７）が柱体（８）の糸案内面（８１）を通過する時、
糸案内面（８１）と摩擦接触状態を形成し、第３糸
（７）に綿を発生させず、或いは綿を柱体（８）に滞留
させず、第３糸（７）の輸送過程での糸切断現象を発生
させない。

【００１６】図９は本発明のさらにまた別の実施例表示
図である。図示されるように、本実施例では給糸部（１
２）に凸設された凸部（１４’）が上述の凸部（１４）
よりも薄く設けられ、この凸部（１４’）の一側に直角
状態を呈する糸案内面（１５’）が設けられている。第
３糸（７）と糸案内面（１５’）が摩擦接触状態を形成
する時、第３糸（７）に綿を発生させにくくず、或いは
綿を凸部（１４’）に滞留させず、第３糸（７）の輸送
過程での糸切断現象を発生させない。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、上述の伝統的な給糸器の欠点
を解決し、欠点の存在をなくしており、即ち、本発明
は、給糸器の給糸部のもう一端に凸部を凸設し、該凸部
に糸案内面を設け、この糸案内面を第３糸が通過する時
に、第３糸と摩擦接触状態を形成させ、糸に綿を発生さ
せにくくし、或いは綿を凸部に滞留させにくくし、糸の
輸送過程での切断現象を発生させないようにし、有効に
糸を編み針上方に輸送して、編み針のフックに順調に糸
を捕捉させて編成動作を行わせるようにしている。

【００１８】本発明はまた、凸部に代わりに柱体を採用
し、この柱体を給糸部と一体成形し、該柱体に円弧状の
糸案内面を形成し、第３糸に柱体の糸案内面を通過させ
て糸案内面と摩擦接触状態を形成するようにし、第３糸
に綿を発生させにくくし、また綿を柱体に滞留させにく
くし、第３糸の輸送過程での糸の切断を発生させないよ
うにしている。

【００１９】本発明はさらにまた、柱体の一端に接合部
を設け、給糸部の一端に接合孔を増設し、この接合孔内
に接合面を設けて、この接合面を柱体の接合部と組み合
わせるか、或いはこの接合部を直接接合孔に通してナッ
トで接合部を固定し、柱体を給糸部に固定し、第３糸と
糸案内面に摩擦接触状態を形成させて、第３糸が綿を発
生しにくくし、或いは綿を柱体に滞留させにくくし、第
３糸の輸送過程で糸の切断現象を発生させにくくしてい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知の給糸器の斜視図である。

【図２】周知のもう一種類の給糸器の斜視図である。

【図３】本発明の給糸器の斜視図である。

【図４】図３の局部拡大図である。

【図５】図３の給糸器の正面図である。

【図６】図３の給糸器の側面図である。

【図７】本発明のもう一つの実施例表示図である。

【図８】本発明のさらにもう一つの実施例表示図であ
る。

【図９】本発明のさらにまたもう一つの実施例表示図で
ある。

【符号の説明】

（１）給糸器 （１１）本体 （１２）給糸部 （１３、１３’）孔 （１４）凸部 （１５）糸案内面 （１６）凹溝 （２）調整手段 （３）糸案内輪 （４）固定手段 （４１）固定部 （４２）支持部 （５）糸 （６）糸 （７）糸 （８）柱体 （８１）糸案内面 （８２）接合部 （１２１）接合孔 （１２２）接合面 （１４’）凸部 （１５’）糸案内面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 丸編み機に配置されニッティング用の糸
   （５，６，７）を編み針上方にフィードする給糸器
   （１）であって、該給糸器（１）が少なくとも本体（１
   １）と、本体（１１）下縁より延伸された給糸部（１
   ２）を具え、該給糸部（１２）に少なくとも一つの孔
   （１３、１３’）が設けられ、該孔（１３、１３’）に
   糸（５，６）が通され、並びに糸（５，６）が編み針上
   方にフィードされて編み針が掛けて編成する、丸編み機
   の給糸器の構造において、 上述の給糸部（１２）の一端に凸部（１４）が凸設さ
   れ、該凸部（１４）に一つの糸案内面（１５）が設けら
   れ、該糸案内面（１５）が円弧状、斜面状、直角状のい
   ずれかとされ、この糸案内面（１５）が糸（７）が通過
   する時に、糸（７）に綿を発生させず、また綿を凸部
   （１４）に滞留させず、さらに糸（７）の輸送過程での
   切断現象を発生させず、有効に糸（７）を編み針の上方
   に輸送して編み針のフックで捕捉して編成するようにし
   たことを特徴とする、丸編み機の給糸器の構造。
2. 【請求項２】 前記凸部（１４）の代わりに一つの柱体
   （８）が設けられ、該柱体（８）に円弧状の糸案内面
   （８１）が設けられ、該柱体（８）が給糸部（１２）と
   一体成形されるか、或いは柱体（８）の一端に接合部
   （８２）が設けられ、この接合部（８２）により給糸部
   （１２）の接合孔（１２１）に接合され、該接合部（８
   ２）がネジ状とされて、接合孔（１２１）内にネジ状の
   接合面（１２２）が設けられるか、接合部（８２）が直
   接接合孔（１２１）を通過してナットで固定されたこと
   を特徴とする、請求項１に記載の丸編み機の給糸器の構
   造。