JP3799452B2 - ミシンの上糸案内構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンにおいて上方から針の針孔へ送られる上糸を、該針の直ぐ側方において案内するための上糸案内構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のミシンの上糸案内構造としては、例えば特開平8−33786号公報に記載されたものがあり、該構造は、図6に示すように上糸50を針51の直ぐ側方において案内するための上糸案内部材52を、1本の金属線の上部を略真直に延ばしてなる挿入部53と、該金属線の下部を水平ループ状に略一巻きしてなるフック部54とから形成し、環状の針止め部材55に取付けている。針止め部材55は、針棒56の下端外周に取付けられ、針51を針棒56に固定するようになっている。
【0003】
この上糸案内構造においては、上糸50は、天秤(図示略)に掛けた後、エプロンの上糸案内孔(図示略)に挿通させ、さらに上糸案内部材52のフック部54に引っ掛けてから、針51の針孔57から上方へ向けて凹設された糸案内溝58を介して、針孔57に挿通させるようになっている。ここで、糸案内溝58は、針51が加工布に入るときの、上糸50と加工布との摩擦を少なくするために設けられている。
【0004】
この上糸案内構造によれば、上糸50を上糸案内部材52のフック部54によって針51の直ぐ側方において案内することにより、上糸50を糸案内溝58に案内するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、縫製時において、針51の上死点から下死点までは、下糸をくぐらせるために必要な糸の量が天秤によって弛められるため、上糸50がフリーの状態になる。このとき、上糸案内部材52のフック部54が水平ループ状(円形状)をしていること、また、上糸50には不可避的な多少のよじれがあることによって、フック部54の内側で上糸50がばたついてしまい、糸案内溝58への案内位置が安定しないまま、針51が加工布に入ることがある。このため、縫製時に上糸50が糸案内溝58に案内されない状態で加工布に入り、上糸50と加工布との摩擦によって糸切れが発生してしまうことがあった。
【0006】
また、上糸50はフック部54に引っ掛けられているだけであるため、前述のように上糸50がばたついて、フック部54から外れてしまうことがあった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、針への上糸の供給を安定して行えるミシンの上糸案内構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のミシンの上糸案内構造は、針棒の下端外周に取付けられ、該針棒に針を固定する環状の針止め部材と、該針止め部材に取付けられ、前記針の上方から供給される上糸を該針の直ぐ側方において案内する上糸案内部材とを備えた上糸案内構造において、前記上糸案内部材は、1本の金属線を曲折形成してなるものであり、該金属線の一端側を略上方に延ばしてなる糸通し部を備え、前記針止め部材の側面には、幅が前記金属線の直径より広い糸通し溝を略上方へ向けて凹設し、前記上糸案内部材の糸通し部を前記針止め部材の糸通し溝に嵌装した状態で、該上糸案内部材の反糸通し部側を前記針止め部材に取付けるようにした。
【0010】
また、本発明のミシンの上糸案内構造は、針棒の下端外周に取付けられ、該針棒に針を固定する環状の針止め部材と、該針止め部材に取付けられ、前記針の上方から供給される上糸を該針の直ぐ側方において案内する上糸案内部材とを備えた上糸案内構造において、前記上糸案内部材は、1本の金属線を曲折形成してなるものであり、該金属線の略中央を折曲してなり、前記針の針孔から上方へ向けて凹設された糸案内溝の正面にV字先端部が位置される略V字状ガイド部と、前記金属線の一端側を略上方に延ばしてなる糸通し部とを備え、前記針止め部材の側面には、幅が前記金属線の直径より広い糸通し溝を略上方へ向けて凹設し、前記上糸案内部材の糸通し部を前記針止め部材の糸通し溝に嵌装した状態で、該上糸案内部材の反糸通し部側を前記針止め部材に取付けるようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施したミシンの上糸案内構造の形態例について、図1〜図5を参照して説明する。図5に示すように、アーム1に支持されたミシンヘッド2には、公知の駆動手段(図示略)によって上下駆動される複数の針棒3が上下動自在に支持されている。各針棒3の下部には布押え20が取付けられている。ミシンヘッド2の前方には各針棒3を囲繞するようにエプロン21が装着され、このエプロン21には各針10より上方かつ手前側に位置する上糸案内孔22が針棒3と同数だけ形成されている。テーブル23には針板24が設けられ、テーブル23の直ぐ上方では加工布Wを展張した刺繍枠25が前後左右に駆動される。
【0012】
本上糸案内構造は、針棒3の下端外周に取付けられ、針棒3に針10を固定する環状の針止め部材6と、針止め部材6に取付けられ、針10の上方から供給される上糸11を針10の直ぐ側方において案内する上糸案内部材12とを備えている。
【0013】
図4に示すように、針棒3の下端面の中央には該下端面から上向きに針挿入孔4が形成され、針棒3の下端面よりやや上部の側面には針挿入孔4に直角に開口する貫通孔5が形成されている。
【0014】
針棒3の下端部の外周には針止め部材6が次のように取付けられている。この針止め部材6は、針棒3が入る穴7を備えた円環状をなしているが、その右側部6a及び左側部6bは肉厚削減のために外周面が平らに削られている。また、針止め部材6の前面部6cには、前記貫通孔5に連通し得る雌ねじ孔8が形成されている。
【0015】
針止め部材6の右側部6aと前面部6cとの境界部位には取付部位6dが設けられ、該取付部位6dの下面には、該下面から上向きに、内径が後述する上糸案内部材12の金属線の直径と略等しい取付孔15が形成されている。針止め部材6の左側部6bには、糸通し溝29が上方へ向けて凹設されており、その幅は前記金属線の直径よりも広くなっている。
【0016】
そして、針止め部材6を針棒3の下端部に外嵌するとともに、雄ねじ9を雌ねじ孔8に螺合して貫通孔5にまで進入させれば、針止め部材6を針棒3に止めることができる。また、針10の上端部を針挿入孔4に挿入し、雌ねじ孔8に螺合した前記雄ねじ9を針10に押し当てて締め付ければ、針10を針棒3に止めることができるようになっている。
【0017】
なお、針10には、図1及び図2に示すように、その針孔18から上方へ向けて糸案内溝19が凹設されており、糸案内溝19を介して上糸11が針孔18に挿通されるようになっている。このように、糸案内溝19を凹設することにより、針10が加工布に入るときに糸案内溝19が上糸11をガードして、加工布と上糸11との摩擦を軽減させ、もって、糸切れを防止することができる。
【0018】
上糸案内部材12は、図1〜図4に示すように、1本の金属線を曲折形成してなるものであり、該金属線の一端側を略真直に延ばしてなる挿入部13と、該金属線の略中央を折曲してなるV字状ガイド部14と、該金属線の他端側を略上方に延ばすとともに、その上端側を反挿入部方向へ少し折曲してなる糸通し部30とを備えている。ここで、V字状ガイド部14は、針止め部材6に取付けたときに、糸案内溝19の正面にV字先端部が位置するとともに、糸案内溝19に向かって延びるように形成されている。
【0019】
そして、図4に示すように、挿入部13の一側部に凹所16を形成し、糸通し部30を糸通し溝29に嵌装しながら挿入部13を取付孔15に挿入した後、取付部位6dの外面部をプレス等により押圧し、この押圧部17を凹所16に食い込ませることにより、挿入部13を取付孔15に対して抜脱不能かつ回転不能に取付けるようになっている。このとき、外方に折曲された糸通し部30の先端が糸通し溝29から外側にはみでるようになっており、ここに上糸11を引っ掛けることにより、上糸案内部材12内に上糸11を容易に挿通させることができるようになっている。また、糸通し部30と糸通し溝29との間には、上糸の直径と略等しい隙間が形成されるようにすることが好ましく、これによって、糸通し部30と糸通し溝29との間に上糸11をスムーズに通すことができるようになる。
【0020】
上糸11は、図5に示すように、天秤(図示略)に掛けた後、エプロン21の上糸案内孔22に挿通させ、さらに上糸案内部材12の糸通し部30に引っ掛けて、針止め部材6の糸通し溝29と、上糸案内部材12の糸通し部30との間を通すことにより、V字状ガイド部14を経由させてから、針10の糸案内溝19を介して針孔18に挿通させる。
【0021】
このように構成されたミシンの上糸案内構造によれば、上糸案内部材12にV字状ガイド部14を設けたため、上糸案内部材12と針孔18との間での上糸11のばたつきを防止して、上糸11を安定かつ確実に糸案内溝19に案内することができる。従って、縫製時に上糸11が糸案内溝19に案内されない状態で加工布Wに入り、上糸11と加工布Wとの摩擦によって発生する糸切れを大きく減少させることができる。
【0022】
さらに、針止め部材6に凹設した糸通し溝29に糸通し部30を嵌装させ、糸通し溝29と糸通し部30との間を介して上糸11を上糸案内部材12に挿通させるようにしたため、縫製中に上糸11が上糸案内部材12から外れてしまうという問題は一切生じない。
【0023】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されず、例えば、上糸案内部材12を1本の金属線の上部を略真直に延ばしてなる挿入部13と、該金属線の下部を水平ループ状に略一巻きしてなるフック部とから形成するとともに、該フック部の糸案内溝の正面をV字状に曲折形成し、糸案内溝の正面にV字先端部が位置されるようにすること等、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係るミシンの上糸案内構造によれば、上糸案内部材からの上糸の外れを防止し、もって、針への上糸の供給を安定して行うことができるという優れた効果を奏する。
【0026】
また、請求項2の発明に係るミシンの上糸案内構造によれば、請求項1の発明と同様の効果に加え、上糸を安定かつ確実に糸案内溝に案内することによって、糸切れを防止し、もって、針への上糸の供給を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態のミシンの上糸案内構造の正面図である。
【図2】同上糸案内構造の左側面の部分断面図である。
【図3】同上糸案内構造の下面図である。
【図4】同上糸案内構造の分解斜視図である。
【図5】同上糸案内構造を適用したミシンヘッドの断面図である。
【図6】従来例に係る上糸案内構造を示す正面図である。
【符号の説明】
3 針棒
6 針止め部材
10 針
11 上糸
12 上糸案内部材
14 V字状ガイド部
18 針孔
19 糸案内溝
Claims (2)
- 針棒の下端外周に取付けられ、該針棒に針を固定する環状の針止め部材と、該針止め部材に取付けられ、前記針の上方から供給される上糸を該針の直ぐ側方において案内する上糸案内部材とを備えた上糸案内構造において、
前記上糸案内部材は、1本の金属線を曲折形成してなるものであり、該金属線の一端側を略上方に延ばしてなる糸通し部を備え、
前記針止め部材の側面には、幅が前記金属線の直径より広い糸通し溝を略上方へ向けて凹設し、
前記上糸案内部材の糸通し部を前記針止め部材の糸通し溝に嵌装した状態で、該上糸案内部材の反糸通し部側を前記針止め部材に取付けたことを特徴とするミシンの上糸案内構造。 - 針棒の下端外周に取付けられ、該針棒に針を固定する環状の針止め部材と、該針止め部材に取付けられ、前記針の上方から供給される上糸を該針の直ぐ側方において案内する上糸案内部材とを備えた上糸案内構造において、
前記上糸案内部材は、1本の金属線を曲折形成してなるものであり、該金属線の略中央を折曲してなり、前記針の針孔から上方へ向けて凹設された糸案内溝の正面にV字先端部が位置される略V字状ガイド部と、前記金属線の一端側を略上方に延ばしてなる糸通し部とを備え、
前記針止め部材の側面には、幅が前記金属線の直径より広い糸通し溝を略上方へ向けて凹設し、
前記上糸案内部材の糸通し部を前記針止め部材の糸通し溝に嵌装した状態で、該上糸案内部材の反糸通し部側を前記針止め部材に取付けたことを特徴とするミシンの上糸案内構造。
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JPH10244089A JPH10244089A (ja) | 1998-09-14 |
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