JP2018173474A - 感光性樹脂組成物、及び共重合体の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、及び共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度又は現像性が良好であると共に、耐熱分解性及び耐熱黄変性に優れたパターンを形成し得る感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位、並びに前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を有する共重合体と、溶剤と、反応性希釈剤と、光重合開始剤とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、及び共重合体の製造方法に関する。特に、本発明は、有機ELディスプレイ、液晶表示装置、固体撮像素子などに組み込まれるカラーフィルターの製造に用いられる感光性樹脂組成物、及びこの感光性樹脂組成物に用いられる共重合体の製造方法に関する。
近年、省資源及び省エネルギーの観点から、各種コーティング、印刷、塗料、接着剤などの分野において、紫外線、電子線などの活性エネルギー線によって硬化可能な感光性樹脂組成物が広く使用されている。また、プリント配線基板などの電子材料の分野においても、活性エネルギー線によって硬化可能な感光性樹脂組成物がソルダーレジスト、カラーフィルター用レジストなどに使用されている。
カラーフィルターは、一般に、ガラス基板などの透明基板と、透明基板上に形成された赤(R)、緑(G)及び青(B)の画素と、画素の境界に形成されるブラックマトリックスと、画素及びブラックマトリックス上に形成される保護膜とから構成される。このような構成を有するカラーフィルターは、通常、透明基板上にブラックマトリックス、画素及び保護膜を順次形成することによって製造される。画素及びブラックマトリックス(以下、画素及びブラックマトリックスの配列のことを「パターン」という。)の形成方法としては、様々な製造方法が提案されているけれども、感光性樹脂組成物をレジストとして用い、塗布、露光、現像及びベーキングを繰り返すフォトリソグラフィ工法は、耐光性、耐熱性などの耐久性に優れ、ピンホールなどの欠陥が少ないパターンを与えるため、現在の主流となっている。
一般に、フォトリソグラフィ工法に用いられる感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、反応性希釈剤、光重合開始剤、及び溶剤を含有する。フォトリソグラフィ工法では、上記の利点を有している反面、ブラックマトリクス、R、G及びBのパターンを繰り返し形成することから、塗膜のバインダーとなるアルカリ可溶性樹脂には、高い耐熱分解性及び耐熱黄変性が要求される。
耐熱分解性を向上させる手段としては、従来、マレイミドを含む単量体をアルカリ可溶性樹脂として用いた感光性樹脂組成物(例えば、特許文献1)が提案されている。
しかしながら、マレイミドを含む単量体は、分子中に含まれる窒素原子を原因とした黄色から黄褐色の着色を与える。特に、加熱処理を行う後硬化の際に着色が進行するという問題がある。
一方、メタクリル酸と、ベンジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等とを共重合させたアクリル系共重合体を用いた感光性樹脂組成物が知られているけれども、塗膜の耐熱分解性が十分でない。そのため、パターン固着時の加熱工程で熱分解物がアウトガスとなって発生し、基板及び装置を汚染するという問題がある。
また、塗膜の耐熱黄変性を向上させるために、脂環式のシクロヘキシルメタクリレート等を使用したアクリル共重合体を用いた感光性樹脂組成物も知られているけれども、塗膜の耐熱分解性が十分でない。
さらに、塗膜の現像性及び感度を向上させる手段として、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド(EO)変性又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレートを用いた感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2及び3)。また、液晶配向用突起形成用ネガ型レジストとしてヒドロキシエチル化フェニルフェノール(メタ)アクリレートを用いた感光性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献4)。しかしながら、これらの感光性樹脂組成物は、耐熱分解性及び耐熱黄変性の両方を満足する塗膜(パターン)を形成することができない。
特開2003−29018号公報 特開2004−101728号公報 特開2006−215452号公報 特開2009−109879号公報
上記のように、従来の感光性樹脂組成物は、感度、現像性、耐熱分解性及び耐熱黄変性の全てを満足するパターンを形成することができないという問題がある。
したがって、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、感度又は現像性が良好であると共に、耐熱分解性及び耐熱黄変性に優れたパターンを形成し得る感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、上記のような特性を有する感光性樹脂組成物を与える共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の3種類の単量体を重合させた共重合体を含む感光性樹脂組成物が、上記の問題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(8)項である。
(1)エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位、並びに前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を有する共重合体と、溶剤と、反応性希釈剤と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物。
(2)前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が2価の金属塩である、第(1)項に記載の感光性樹脂組成物。
(3)前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が(メタ)アクリル酸金属塩であり、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸が(メタ)アクリル酸である、第(1)項又は第(2)項に記載の感光性樹脂組成物。
(4)前記共重合体の酸価が20〜300KOHmg/gである、第(1)項〜第(3)項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(5)前記他のラジカル重合性単量体が、芳香環含有単量体、アルキル基の炭素数が1〜9であるアルキル(メタ)アクリレート、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、及びポリアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、第(1)項〜第(4)項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(6)前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が(メタ)アクリル酸亜鉛である、第(1)項〜第(5)項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(7)前記共重合体における前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位の割合が0.1モル%〜20モル%である、第(1)項〜第(6)項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(8)エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体とを水酸基を有する溶媒の存在下で重合させる、共重合体の製造方法。
本発明によれば、感度又は現像性が良好であると共に、耐熱分解性及び耐熱黄変性に優れたパターンを形成し得る感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記のような特性を有する感光性樹脂組成物を与える共重合体の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、共重合体、溶剤、反応性希釈剤及び光重合開始剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる共重合体は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位と、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位とを有する。
エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。金属塩の金属としては、Al、Zn、K、Ca、Mgなどを用いることができる。これらの中でもZn、Caのような2価の金属塩であれば、イオン架橋ができるため好ましい。エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩の例としては、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸マグネシウムなどの(メタ)アクリル酸金属塩、クロトン酸金属塩、桂皮酸金属塩などが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中でも、耐熱分解性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸金属塩が好ましく、(メタ)アクリル酸亜鉛がより好ましい。エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩として(メタ)アクリル酸亜鉛を用いた場合、(メタ)アクリル酸亜鉛は、二官能(メタ)アクリレートとして共重合体中に取り込まれるため、ポリマー間を架橋したり、下記式(1)に示すような環状構造を形成したりして共重合体中に含まれると考えられる。なお、(メタ)アクリルとは「メタクリル」及び「アクリル」から選択される1種以上を意味する。
Figure 2018173474
式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
エチレン性不飽和基含有カルボン酸としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。例えば、エチレン性不飽和基含有カルボン酸として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸又はそれらの混合物を用いることができる。また、エチレン性不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基に、グリシジル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を有するグリシジル基含有単量体、次いで無水フタル酸、無水マレイン酸等の多塩基酸無水物を付加させてカルボン酸基を導入した構造を有するものを用いてもよい。さらに、エチレン性不飽和基を有するグリシジル基含有単量体のグリシジル基に、エチレン性不飽和基含有カルボン酸、次いで多塩基酸無水物を付加させてカルボン酸基を導入した構造を有するものを用いてもよい。特に、共重合体を合成する際の反応性の観点からは、エチレン性不飽和基含有カルボン酸は(メタ)アクリル酸であることが好ましい。
エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及びエチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体(以下、「他のラジカル重合性単量体」とも言う。)としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。他のラジカル重合性単量体の例としては、芳香環含有単量体、アルキル基の炭素数が1〜9であるアルキル(メタ)アクリレート、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、及びポリアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香環含有単量体としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。芳香環含有単量体の例としては、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド誘導体;ベンジル(メタ)アクリレート;ロジン(メタ)アクリレート;ナフタレン(メタ)アクリレート;アントラセン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中でも、反応性、耐熱性や入手のし易さの観点から、ビニルトルエン(メチルスチレン)が好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜9であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。このようなアルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリルレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中でも、現像性を向上させる観点から、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
ここで、本明細書において「橋かけ環式炭化水素」とは、アダマンタン、ノルボルナンに代表される、下記式(2)又は(3)で表される構造を有するものを意味する。また、「橋かけ環式炭化水素基」とは、当該構造から一部の水素を除いた残りの部分に相当する基を意味する。
Figure 2018173474
式(1)中、A及びBはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、直鎖又は分岐アルキレン基(環式を含む。)を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。また、AとBとが結合して環構造を形成していてもよい。
Figure 2018173474
式(2)中、A、B及びLはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、直鎖又は分岐アルキレン基(環式を含む。)を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。また、Aと、Bと、Lとが結合して環構造を形成していてもよい。
炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、単一種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、このような(メタ)アクリレートの中でも、アダマンチル(メタ)アクリレート又は下記式(4)で表される構造を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
Figure 2018173474
式(4)中、R〜R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表す。R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表すか、或いは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成していてもよく、当該環は好ましくは5員環又は6員環である。
炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する好ましい(メタ)アクリレートの例としては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物の中でも、耐熱分解性、密着性、現像性などを向上させる観点から、ジシクロペンタニルメタクリレートが好ましい。
ポリアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ここで、ポリアルキレンオキサイド鎖としては、特に限定されないが、ポリエチレンオキサイド鎖、ポリプロピレンオキサイド鎖が好ましい。
このような(メタ)アクリレートの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、これらの化合物は、ポリエチレンオキサイド鎖又はポリプロピレンオキサイド鎖の末端がアルコキシ基及び/又は芳香環エーテルで置換されていてもよい。そのような化合物としては、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中でも、現像性を向上させる観点から、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、感度及び現像性を向上させる観点から、他のラジカル重合性単量体として、前記以外のエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物を用いることもできる。このようなラジカル重合性化合物の例としては、ブタジエンなどのジエン類;ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、5−メチルノルボルニル(メタ)アクリレート、5−エチルノルボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロ−n−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロ−イソ−プロピル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、グリセリロールモノ(メタ)アクリレート、ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタントリオールモノ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−イソ−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、ビニルトルエンなどのビニル化合物;スチレン、;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル;グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシを有する3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートおよびそのラクトン付加物[例えば、ダイセル化学工業(株)製サイクロマーA200、M100]、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートのエポキシ化物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのエポキシ化物などのエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和多塩基酸無水物が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる共重合体は、上記の化合物を共重合させることによって製造することができる。したがって、この共重合体は、共重合に使用した化合物に由来する構造単位(モノマー単位)を有する。
共重合体の構造は、使用する化合物の種類及び量によって異なるため、一義的に定義することはできないが、この共重合体は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸及びエチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位においてカルボキシル基を有するため、感度及び現像性を向上させることができる。また、この共重合体は、後述のように側鎖にエチレン性不飽和基を有する化合物を導入することにより、感度及び現像性をより一層向上させることができる。
共重合体における各構造単位の割合は特に限定されないが、所望の耐熱分解性、現像性などの特性を安定して確保する観点から、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位の割合が、好ましくは0.1モル%〜20モル%、より好ましくは4モル%〜15モル%である。エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位の割合が0.1モル%以上であれば、十分な耐熱分解性を得ることができる。また、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位の割合が20モル%以下であれば、レジストとしての特性(例えば、現像性)を十分に維持することができる。
共重合体において、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位の割合は、現像性の観点から、好ましくは5モル%〜70モル%、より好ましくは10モル%〜60モル%である。エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位の割合が5モル%以上であれば、十分な現像性を得ることができる。また、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位の割合が70モル%以下であれば、十分な密着性を得ることができる。
共重合体において、他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位の割合は、感度、現像性、耐熱分解性及び耐熱黄変性をバランス良く向上させる観点から、好ましくは29.9モル%〜94.9モル%、より好ましくは36モル%〜86モル%である。他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位の割合が29.9モル%以上であれば、所望の現像性及び感度を得ることができる。また、他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位の割合が94.9モル%以下であれば、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及びエチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位の割合が多くなるため、十分な耐熱分解性及び耐熱黄変性を得ることができる。
共重合体を得るための共重合反応は、当該技術分野において公知のラジカル重合方法に従って行うことができる。例えば、上記の化合物を溶剤に溶解した後、その溶液に重合開始剤を添加し、50℃〜130℃で1時間〜20時間反応させればよい。
共重合反応に用いるエチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩、エチレン性不飽和基含有カルボン酸及び他のラジカル重合性単量体の配合割合としては、特に限定されず、所望の構造単位の割合に応じて適宜調整すればよい。
共重合反応に用いることが可能な溶剤としては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル系溶剤;乳酸エチルなどのエステル系溶剤、メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチルなどの反応性官能基を有していない溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの溶剤の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アルコール系溶剤などの水酸基を有する溶媒が好ましい。
溶剤の使用量は、特に限定されないが、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と、他のラジカル重合性単量体との合計を100質量部とした場合に、一般に30質量部〜1,000質量部、好ましくは50質量部〜800質量部である。特に、溶剤の使用量を1,000質量部以下とすることにより、連鎖移動作用によって共重合体の分子量の低下を抑制し、且つ共重合体の粘度を適切な範囲に制御することができる。また、溶剤の使用量を30質量部以上とすることにより、異常な重合反応を防止し、重合反応を安定して行うことができると共に、共重合体の着色及びゲル化を防止することもできる。
共重合反応に用いることが可能な重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。これらの重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と、他のラジカル重合性単量体との合計を100質量部とした場合に、一般に0.5質量部〜20質量部、好ましくは1.0質量部〜10質量部である。
なお、共重合反応については、使用する成分の種類によっては、溶剤を使用せずに、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩、エチレン性不飽和基含有カルボン酸、並びに他のラジカル重合性単量体のみを用い、又はこれらに少量の重合開始剤を加えて、塊状重合を行ってもよい。
また、共重合体は、感度及び現像性を向上させる観点から、付加反応によってエチレン性不飽和基を共重合体に導入してもよい。例えば、共重合体中のカルボキシル基に、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和基を有するエポキシ基含有単量体を反応させればよい。また、共重合体中にエポキシ基及び酸無水物基が存在する場合、(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有単量体及びエチレン性不飽和基を有する水酸基含有単量体をそれぞれ反応させればよい。
上記のような付加反応を行う場合、共重合体に、各単量体、重合禁止剤及び触媒を加えた後、50〜150℃、好ましくは80〜130℃で反応を行えばよい。この付加反応では、共重合反応に用いた溶剤が含まれていても特に問題はないため、共重合反応が終了した後に溶剤を除去する必要がない。
付加反応に用いることが可能な単量体としては、特に限定されず、上記で例示したラジカル重合性単量体と同じものを用いることができる。
付加反応に用いられる重合禁止剤は、共重合体の重合によるゲル化を防ぐために添加される。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。また、触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミンなどの第3級アミン;トリエチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物;クロムのキレート化合物などが挙げられる。
共重合体の酸価は、特に限定されないが、通常20KOHmg/g〜300KOHmg/g、好ましくは30KOHmg/g〜200KOHmg/gである。この酸価が20KOHmg/g以上でれば、感光性樹脂組成物の現像性を十分に得ることができる。また、この酸価が300KOHmg/g以下であれば、アルカリ現像液に対して露光部分(光硬化部分)が溶解し易くなることもなく、現像性が良好である。
ここで、本明細書において「共重合体の酸価」とは、JIS K6901 5.3に従って測定された共重合体の酸価を意味し、共重合体1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。
また、共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常1,000〜50,000、好ましくは3,000〜40,000である。共重合体の重量平均分子量が1,000以上であれば、現像後にパターンの欠けが発生しない。また、共重合体の重量平均分子量が50,000以下であれば、現像時間が短くなり、実用的である。
ここで、本明細書において「共重合体の重量平均分子量」とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーShodex GPC−101(昭和電工社製)を用いて下記条件にて測定されるポリスチレン換算の分子量を意味する。
カラム:昭和電工株式会社製、ショウデックス(登録商標)LF−804+LF−804
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1mL/分
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:昭和電工株式会社製、示差屈折計(ショウデックス(登録商標)RI−71S
また、共重合体がエチレン性不飽和基を有する場合、その不飽和基当量は、特に限定されないが、通常100g/mol〜4000g/mol、好ましくは200g/mol〜3000g/molである。共重合体の不飽和基当量が100g/mol以上であれば、耐熱分解性、耐熱黄変性をより高めるのに効果的である。また、共重合体の不飽和基当量が4000g/mol未満であれば、感度をより高めるのに効果的である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤としては、共重合体と反応しない不活性な溶剤であれば特に限定されない。
溶剤は、共重合体を製造する際(共重合反応)に用いた溶剤と同じものを用いることができる。また、溶剤は、共重合反応後に含まれている溶剤をそのまま用いることもでき、新たに加えることもできる。なお、感光性樹脂組成物にその他の成分を加える場合には、その成分に共存しているものであってもよい。
溶剤の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、メトキシブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの溶剤の中でも、共重合体を製造する際(共重合反応)において使用されるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
感光性樹脂組成物における溶剤の配合量は、共重合体の量を100質量部とした場合に、一般に30質量部〜1,000質量部、好ましくは50質量部〜800質量部であり、より好ましくは100質量部〜700質量部である。この範囲の配合量とすることにより、適切な粘度を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる反応性希釈剤としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネートなどの芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、アジピン酸ビニルなどのポリカルボン酸モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレートなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物における反応性希釈剤の配合量は、共重合体の量を100質量部とした場合に、一般に10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部であり、より好ましくは25〜70質量部である。この範囲の配合量とすることにより、適切な粘度及び光硬化性を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤としては、特に限定されないが、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノンなどのアセトフェノン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアルキルフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(0−アセチルオキシム)などのオキシムエステル類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;キサントン類などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物における光重合性開始剤の配合量は、共重合体の量を100質量部とした場合に、一般に0.1質量部〜30質量部、好ましくは0.5質量部〜20質量部、より好ましくは1質量部〜15質量部である。光重合性開始剤の配合量が、上記範囲内であると、感光性樹脂組成物の光硬化性がより適切になる。
感光性樹脂組成物は、上記の成分に加えて、所定の特性を付与するために、公知のカップリング剤、レベリング剤、熱重合禁止剤などの公知の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されない。
感光性樹脂組成物は、公知の混合装置を用い、上記の成分を混合することによって製造することができる。なお、混合する成分の順序は、特に限定されず、全成分を一緒に混合してもよいし、共重合体と溶剤とを混合した後に反応性希釈剤を添加して混合してもよい。
上記のようにして得られる本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像性を有しているので、アルカリ水溶液を用いることによって現像を行うことができる。特に、本発明の感光性樹脂組成物は、感度又は現像性が良好であると共に、耐熱分解性及び耐熱黄変性に優れたパターンを形成することができる。そのため、本発明の感光性樹脂組成物は、各種レジスト、特に、有機ELディスプレイ、液晶表示装置、固体撮像素子に組み込まれるカラーフィルターを製造するために用いられるレジストとして用いるのに適している。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、各種レジストに用いることに特に適しているが、他の用途に使用することも可能である。例えば、本発明の感光性樹脂組成物は、耐熱分解性及び耐熱黄変性などの様々な特性に優れた硬化膜を与えるので、各種コーティング、接着剤、印刷インキ用バインダーなどに用いることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、当該技術分野において公知の方法に従って使用することができる。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物を各種レジストとして用いる場合、感光性樹脂組成物を塗布して硬化させた後、所望のパターンに露光して現像及びベーキングすることにより、所望のパターンを得ることができる。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、スピンコート法などを用いることができる。また、感光性樹脂組成物の塗布後、必要に応じて、循環式オーブン、赤外線ヒーター、ホットプレートなどの加熱手段を用いて加熱することにより、溶剤を揮発させてもよい。加熱条件は、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて適宜設定すればよい。一般には、50℃〜120℃の温度で30秒〜30分加熱すればよい。
露光に用いられる光源としては、特に限定されないが、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどを用いることができる。また、露光量も、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて適宜調整すればよい。
現像に用いられるアルカリ水溶液としては、特に限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液;エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミン系化合物の水溶液;3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩などのp−フェニレンジアミン系化合物の水溶液などを用いることができる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン系化合物の水溶液を用いることが好ましい。なお、これらの水溶液には、必要に応じて消泡剤や界面活性剤を添加してもよい。また、上記のアルカリ水溶液による現像の後、水洗して乾燥させることが好ましい。
ベーキングの条件は、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて加熱処理を行えばよい。一般には、130〜250℃で10〜60分間加熱すればよい。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されない。
なお、この実施例において、部及びパーセントとあるのは特に断らない限り、全て質量基準である。また、共重合体の酸化及び重量平均分子量は、上記で説明した通りに従って測定した。
<共重合体の製造>
(製造例1)
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、297.9gのプロピレングリコールモノメチルエーテル及び10.4gのアクリル酸亜鉛(CH=CHCOO)Znを入れた後、窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。次に、88.5gのビニルトルエン及び17.2gのメタクリル酸からなる単量体混合物に、11.6gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤)を添加したものを滴下ロートから前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、120℃で2時間攪拌して共重合反応を行い、共重合体を生成させ、試料No.1(酸価88KOHmg/g、重量平均分子量4,000、固形分濃度30質量%)の共重合体を得た。
(製造例2〜6及び比較製造例1)
表1に記載の原料を用いる以外は製造例1と同様の条件にして共重合反応を行い、試料No.2〜7の共重合体を得た。得られた共重合体の酸価、重量平均分子量及び固形分濃度を表1に示す。
Figure 2018173474
<感光性樹脂組成物の製造>
上記で製造した試料No.1〜7の共重合体を用いて感光性樹脂組成物を製造した。その製造方法は以下の通りである。
試料No.1〜7の共重合体(固形分)100質量部に対して、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(反応性希釈剤)30質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)4質量部を添加して混合することにより、実施例1〜6及び比較例1の感光性樹脂組成物を得た。
<感光性樹脂組成物による硬化塗膜の形成>
上記で製造した実施例1〜6及び比較例1の感光性樹脂組成物を、5cm角ガラス基板(無アルカリガラス基板)上に、最終の硬化塗膜の厚さが2.5μmとなるようにスピンコートした後、90℃で3分間加熱することで溶剤を揮発させた。次に、塗膜の全面を露光(露光量50mJ/cm)して光硬化させた後、さらに230℃で30分間ベーキングすることによって硬化塗膜を得た。
<硬化塗膜の評価>
上記で得られた硬化塗膜について、耐熱分解性、耐熱黄変性、アルカリ現像性及び感度を評価した。
(1)耐熱分解性
ガラス基板上に形成した硬化塗膜を切り出したサンプルについて、熱重量分析(TGA)を行うことによって評価した。この分析では、このサンプルと、サンプルを220℃まで加熱して2時間保持したサンプルとの間の重量減少率を求めた。この評価の基準は以下の通りである。
◎:1.0%未満
○:1.0%以上2.0%未満
×:2.0%以上
(2)耐熱黄変性
ガラス基板上に形成した硬化塗膜を230℃の乾燥機(空気雰囲気)中に1時間放置して加熱処理し、加熱処理前後の硬化塗膜の着色を日本電色工業株式会社製の色差計SE2000にて比較して評価した。この評価の基準は以下の通りである。
◎:ΔEabが0.2未満
○:ΔEabが0.2以上0.3未満
×:ΔEabが0.3以上
(3)アルカリ現像性
塗膜の露光時に100μmの距離に所定のパターンのフォトマスクを配置し、このフォトマスクを介して露光し、露光部分を光硬化させた。
次に、0.1質量%の炭酸ナトリウムを含む水溶液を、温度23℃及び圧力0.3MPaでスプレーすることにより、未露光部分を溶解して現像した後、アルカリ現像後のパターンを、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の電子顕微鏡S−3400を用いて観察することによって評価した。この評価の基準は以下の通りである。
○:残渣なし
×:残渣あり
(4)感度
感度は、スプレーを用いたアルカリ現像を30秒間行い、アルカリ現像前後におけるパターン厚さの減少量を測定した。このパターン厚さは、減少量が少ないほど感度が良好であると言えるため、この評価の基準は以下の通りとした。
○:0.20μm未満
×:0.20μm以上
上記の各評価の結果を表2に示す。
Figure 2018173474
表2に示されているように、試料No.1〜6の共重合体を用いた実施例1〜6の感光性樹脂組成物は、耐熱分解性、耐熱黄変性、アルカリ現像性及び感度の全てが良好であった。これに対して試料No.7の共重合体を用いた比較例1の感光性樹脂組成物は、耐熱分解性及び耐熱黄変性が十分でなかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、感度又は現像性が良好であると共に、耐熱分解性及び耐熱黄変性に優れたパターンを形成し得る感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記のような特性を有する感光性樹脂組成物を与える共重合体の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位、エチレン性不飽和基含有カルボン酸に由来する構造単位、並びに前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を有する共重合体と、溶剤と、反応性希釈剤と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が2価の金属塩である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が(メタ)アクリル酸金属塩であり、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸が(メタ)アクリル酸である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記共重合体の酸価が20〜300KOHmg/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記他のラジカル重合性単量体が、芳香環含有単量体、アルキル基の炭素数が1〜9であるアルキル(メタ)アクリレート、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、及びポリアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩が(メタ)アクリル酸亜鉛である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記共重合体における前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩に由来する構造単位の割合が0.1モル%〜20モル%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩及び前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸以外の他のラジカル重合性単量体とを水酸基を有する溶媒の存在下で重合させる、共重合体の製造方法。
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