JP2019031627A - アルカリ可溶性樹脂、それを含むカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びカラーフィルター - Google Patents

アルカリ可溶性樹脂、それを含むカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びカラーフィルター Download PDF

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拓樹 倉本
恭章 川口
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健宏 木下
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Abstract

【課題】耐熱分解性に優れたアルカリ可溶性樹脂の提供。【解決手段】(a−1)(メタ)アクリル酸、(a−2)エチレン性不飽和基を側鎖に有する(メタ)アクリルアミド及び(a−3)各種官能基を側鎖に有するアクリル酸アミドに由来する構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって、全構成単位の合計を100モル%としたときに、(a−1)の構成単位を10〜50モル%、(a−2)の構成単位を5〜50モル%、(a−3)の構成単位を5モル%〜85モル%含むアルカリ可溶性樹脂。好ましくは、前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が20〜300KOHmg/gであり、重量平均分子量が1000〜50000であるアルカリ可溶性樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ可溶性樹脂、それを含むカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びカラーフィルターに関する。
近年、省資源や省エネルギーの観点から、各種コーティング、印刷、塗料、接着剤等の分野において、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化可能な感光性樹脂組成物が広く用いられている。また、プリント配線基板等の電子材料の分野においても、活性エネルギー線により硬化可能な感光性樹脂組成物が、ソルダーレジストやカラーフィルター用レジスト等に用いられている。
カラーフィルターは、一般に、ガラス基板等の透明基板と、透明基板上に形成された赤(R)、緑(G)及び青(B)の画素と、画素の境界に形成されるブラックマトリックスと、画素及びブラックマトリックス上に形成された保護膜とから構成される。このような構成のカラーフィルターは、通常、透明基板上に、ブラックマトリックス、画素及び保護膜を順次形成することによって製造される。画素及びブラックマトリックス(以下、画素及びブラックマトリックスのことを「着色パターン」と言う。)の形成方法としては、種々の方法が開示されている。着色パターンの形成方法としては、例えば、感光性樹脂組成物をレジストとして用い、その感光性樹脂組成物の塗布、露光、現像及びベーキングを繰り返すフォトリソグラフィ工法を含む顔料/染料分散法が挙げられる。この顔料/染料分散法は、耐光性や耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホール等の欠陥が少ない着色パターンを形成することができるため、現在、広く用いられている。
一般に、フォトリソグラフィ工法に用いられる感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、溶剤、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含有する。
顔料/染料分散法は、上記の利点を有している反面、ブラックマトリックス、R、G、Bの各画素のパターンを高温で繰り返し形成することから、塗膜のバインダーとなるアルカリ可溶性樹脂には高い耐熱分解性が要求される。
また、フォトリソグラフィ工法では露光、及び現像工程を経て着色パターンを形成するため、アルカリ可溶性樹脂には活性エネルギー線に対する感度、及びアルカリ現像性が要求される。アルカリ可溶性樹脂の感度を良好にするためには、活性エネルギー線露光時に反応を引き起こす官能基を導入する必要があり、このような官能基としてはエチレン性不飽和基が一般的に挙げられる。一方で、アルカリ現像性を良好にするためには、酸基を導入する方法が最も一般的であり、酸基としてはカルボキシ基やリン酸基、スルホン酸基などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂にエチレン性不飽和基を導入する方法として、カルボキシ基を含む樹脂にエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させる方法が数多く報告されており、本発明者らも提案している(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、この反応は触媒存在下、高温で行う必要があり、又得られるアルカリ可溶性樹脂の耐熱分解性には更なる改善が望まれていた。
更に、アルカリ可溶性樹脂にエチレン性不飽和基を導入する別の方法として、ヒドロキシ基を含む樹脂にエチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物を反応させる方法が数多く報告されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この反応で生成するウレタン結合は熱に弱いため、得られるアルカリ可溶性樹脂は耐熱分解性に劣るという課題があった。
一般的に液晶表示装置は、個別に作製したカラーフィルター基板と、TFT(Thin−Film−Transistor)基板との間に、液晶を挟み、これらの部材を貼り合わせることにより製造される。これらの部材を貼り合わせる際、カラーフィルター基板には、液晶を配向させるためにポリイミドフィルム等の配向膜が設けられる。この際、カラーフィルター層は、ポリイミド樹脂に含まれるN−メチルピロリドン(NMP)等の極性の高い溶剤に晒されるため、カラーフィルター層には耐溶剤性(耐NMP性)が求められる。
最近では、更なる高輝度化や高精彩化のために画素中の着色剤が染料になり、含有濃度も高くなっている。しかし、染料は溶剤に対する溶解性が顔料よりも高く、染料が工程中に晒される溶剤に溶出してしまい、画素の色度が変化するという問題点があり、染料を多く含む画素は耐溶剤性の改良が求められている。また、カラーフィルター層がNMPなどの溶剤に曝される工程では、40℃以上の条件になることがあり、カラーフィルター層の耐NMP性の評価試験も高温(50℃以上)で行われている。
特開平10−231318号公報(特許第3900313号公報) 特開2015−067734号公報 特開2011−033952号公報(特許第5504739号公報)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、耐熱分解性に優れたアルカリ可溶性樹脂を提供することを目的とする。また、本発明は、良好なアルカリ現像性を有するとともに、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れた着色パターンを与えるカラーフィルター用感光性樹脂組成物、並びに耐熱分解性及び耐溶剤性に優れた着色パターンを有するカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[4]で示される。
[1]下記式(a−1)、(a−2)及び(a−3)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって、全構成単位の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−1)を10モル%〜50モル%含み、構成単位(a−2)を5モル%〜50モル%含み且つ構成単位(a−3)を5モル%〜85モル%含むことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂。
Figure 2019031627
(式中、R、R1’及びR1’’は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Rは、エチレン性不飽和基を含む基を表し、Rは、エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアナト基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含む基を表す。)
[2]前記アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が、20KOHmg/g〜300KOHmg/gであり且つ重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする[1]に記載のアルカリ可溶性樹脂。
[3][1]又は[2]に記載のアルカリ可溶性樹脂(A)、溶剤(B)、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)及び着色剤(E)を含むことを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
[4][3]に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物から形成された着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルター。
本発明の一実施形態のカラーフィルターを示す概略断面図である。
[アルカリ可溶性樹脂(A)]
本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)は、下記式(a−1)、(a−2)及び(a−3)で表される構成単位を有することを特徴とする。言い換えれば、アルカリ可溶性樹脂(A)は、構成単位(a−1)を10モル%〜50モル%、構成単位(a−2)を5モル%〜50モル%及び構成単位(a−3)を5モル%〜85モル%含んでいればよく、それぞれの構成単位の繰り返し数や、それぞれの構成単位が結合する順番は特に限定されない。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)は、(a−1)、(a−2)及び(a−3)それぞれに該当する構造を有するモノマーを共重合して得られるものであってもよいし、異なる構成単位を有する共重合体を調製した後に変性反応を加えることで、(a−1)、(a−2)及び(a−3)で表される構成単位が共重合体内に繰り返し単位として導入されたものであってもよい。
Figure 2019031627
(式中、R、R1’及びR1’’は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Rは、エチレン性不飽和基を含む基を表し、Rは、エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアナト基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含む基を表す。)
構成単位(a−1)は、(メタ)アクリル酸を共重合させることによって得られる構成単位であることが好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、メタクリル酸及びアクリル酸から選択される少なくとも1種を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも1種を意味する。
構成単位(a−2)は、構成単位(a−2)とは異なる構成単位を有する共重合体を調製した後に変性反応を加えることで得られる構成単位であることが好ましい。特に、構成単位(a−1)を有する共重合体の、構成単位(a−1)に含まれるカルボキシ基の一部に、エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物を反応させて得られる構成単位であることがより好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和結合を有するイソシアネート化合物は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さの観点から、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート及び1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが好ましい。即ち、Rとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチル基及び1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチル基が好ましい。
前記変性反応は、常法に従って実施することができる。例えば、構成単位(a−1)を有する共重合体を含む溶液中に、上記したエチレン性不飽和結合を有するイソシアネート化合物を加えて反応を行えばよい。また、この変性反応では、共重合時に用いた溶剤が含まれていても特に問題はないため、共重合反応が終了した後に溶剤を除去することなく、変性反応を実施することができる。
前記変性反応の反応温度は30℃〜150℃が好ましく、50℃〜130℃がより好ましい。反応温度を30℃以上とすることで、反応を十分に進行させることができる。また、反応温度を150℃以下とすることで、ゲル化が生じるのを抑制することができる。
前記変性反応では、カルボキシ基100モルに対して、エチレン性不飽和結合を有するイソシアネート化合物のイソシアナト基を1モル〜80モル反応させることが好ましく、10モル〜70モル反応させることがより好ましい。カルボキシ基100モルに対して反応させるイソシアナト基が1モル以上であると、エチレン性不飽和結合を十分に導入することができる。また、カルボキシ基100モルに対して反応させるイソシアナト基が80モル以下であれば、未反応のエチレン性不飽和結合を有するイソシアネート化合物が水等と反応することがなく、副生成物が生じるのを抑制することができる。
前記変性反応では必要に応じて、ゲル化防止のために重合禁止剤が添加される。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。
また、前記変性反応では必要に応じて、反応促進のために触媒が添加される。触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミンのような第3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドのような第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィンのようなリン化合物、クロムのキレート化合物などが挙げられる。
構成単位(a−3)は、エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアナト基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物を共重合させることによって得られる構成単位であることが好ましい。
エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアナト基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ基を有する3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートおよびそのラクトン付加物[例えば、ダイセル化学工業社製のサイクロマーA200、M100]、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートのエポキシ化物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのエポキシ化物等のエポキシ基を有する化合物、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、4−[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)プロポキシ]スチレン、4−[6−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]スチレン、4−[5−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ペンチルオキシ]スチレン、2−ビニル−2−メチルオキセタン等のオキセタニル基を有する化合物、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等のイソシアナト基を有する化合物のイソシアナト基を、ブロック剤を用いてブロック化したブロックイソシアナト基を有する化合物、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジメトキシシリルプロピルメタクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレート、メチルジエトキシシリルプロピルメタクリレート等のシリル基を有する化合物等が挙げられる。これらの中でも、入手のし易さの観点から、グリシジル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのイソシアナト基をブロック化した化合物及びトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。即ち、Rとしては、グリシジル基、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル基、2−イソシアナトエチル基のイソシアナト基をブロック化した基及びトリメトキシシリルプロピル基が好ましい。
上記イソシアナト基のブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、オキシ安息香酸エステル、チモール、p−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミド酸塩系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩系等が挙げられる。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)には、(a−1)、(a−2)及び(a−3)で表される構成単位以外の構成単位(a−4)を共重合反応により導入してもよい。構成単位(a−4)を導入するのに使用するエチレン性不飽和化合物の具体例としては、例えば、ブタジエン等のジエン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリルレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、5−メチルノルボルニル(メタ)アクリレート、5−エチルノルボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロ−n−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロ−イソプロピル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、グリセリロールモノ(メタ)アクリレート、ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ヘキサメチルピペリジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−イソプロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルモルフォリン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−9−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]ペンタデカ−3−エン、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、ビニルトルエン等のビニル化合物;スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド誘導体;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和多塩基酸無水物等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和化合物は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリルモルフォリン、スチレン、ビニルトルエンが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、スチレン及びビニルトルエンがより好ましい。
(a−1)、(a−2)、(a−3)及び(a−4)(任意)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂(A)を得るための共重合反応は、当該技術分野において公知のラジカル重合方法に従って行うことができる。例えば、各構成単位を構成するために必要な共重合可能なモノマーを溶剤に溶解して、溶液を調製した後、その溶液に重合開始剤を添加し、50℃〜130℃にて1時間〜20時間反応させればよい。
この共重合反応に用いることが可能な溶剤としては、反応に不活性であれば特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル化合物;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン化合物;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等のエステル化合物;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド化合物;等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、即ち、グリコールエーテル系溶剤が好ましい。
重合反応に用いる溶剤の使用量は、特に限定されないが、モノマーの仕込み量の合計を100質量部としたときに、一般に30質量部〜1,000質量部、好ましくは50質量部〜800質量部である。特に、溶剤の使用量を1,000質量部以下とすることで、連鎖移動作用による共重合体の分子量の低下を抑制し、且つ共重合体の粘度を適切な範囲に制御することができる。また、溶剤の配合量を30質量部以上とすることで、異常な重合反応を防止し、重合反応を安定して行うことができるとともに、共重合体の着色やゲル化を防止することもできる。
また、この共重合反応に用いることが可能な重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどのラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。重合開始剤の使用量は、モノマーの全仕込み量を100質量部とした場合に、一般に0.5質量部〜20質量部、好ましくは1質量部〜10質量部である。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)及び構成単位(a−3)の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−1)を10モル%〜50モル%含み、15モル%〜45モル%含むことが好ましく、20モル%〜40モル%含むことがより好ましい。構成単位(a−1)の含有比率が10モル%〜50モル%の範囲外であると、所望のアルカリ現像性が得られない。また、アルカリ可溶性樹脂(A)は、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)及び構成単位(a−3)の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−2)を5モル%〜50モル%含み、5モル%〜45モル%含むことが好ましく、10モル%〜40モル%含むことがより好ましい。構成単位(a−2)の含有比率が5モル%〜50モル%の範囲外であると、所望の耐熱分解性が得られない。また、アルカリ可溶性樹脂(A)は、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)及び構成単位(a−3)の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−3)を5モル%〜85モル%含み、5モル%〜70モル%含むことが好ましく、5モル%〜50モル%含むことがより好ましい。構成単位(a−3)の含有比率が5モル%〜85モル%の範囲外であると、所望の耐溶剤性が得られない。更に、アルカリ可溶性樹脂(A)が構成単位(a−4)を含む場合、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)、構成単位(a−3)及び構成単位(a−4)の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−4)を1モル%〜60モル%含むことが好ましい。構成単位(a−4)の含有比率が1モル%〜60モル%であれば、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)及び構成単位(a−3)の含有比率が少なくなり過ぎることがなく、所望のアルカリ現像性、耐熱分解性、及び耐溶剤性が得られる。
アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、1,000〜50,000であることが好ましく、2,000〜40,000であることがより好ましく、3,000〜30,000であることが最も好ましい。アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が1,000以上であれば、現像後に欠けのない良好な着色パターンを得ることができる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が50,000以下であれば、実用上問題のない現像時間とすることができる。本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定し、ポリスチレン換算にて算出されるものである。
カラム:ショウデックス(登録商標)LF−804+LF−804(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
試料:アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(商品名:ショウデックス(登録商標)RI−71S、昭和電工株式会社製)
流速:1mL/min
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は、特に限定されないが、好ましくは20KOHmg/g〜300KOHmg/g、より好ましくは30KOHmg/g〜200KOHmg/gである。アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が20KOHmg/g以上であれば、より良好な現像性が得られる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が300KOHmg/g以下であれば、アルカリ現像液に対して露光部分(光硬化部分)が溶解しない。
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価とは、JIS K6901 5.3に従ってブロモチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて測定された値であって、アルカリ可溶性樹脂(A)1g中に含まれる酸基を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を意味する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(A)が不飽和基を有する場合、その不飽和基当量は、特に限定されないが、好ましくは100g/mol〜4,000g/mol、より好ましくは200g/mol〜3,000g/molである。アルカリ可溶性樹脂(A)の不飽和基当量が100g/mol以上であれば、耐熱分解性及び耐熱黄変性をより高めるのに効果的である。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の不飽和基当量が4000g/mol以下であれば、感度をより高めるのに効果的である。
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)の不飽和基当量とは、アルカリ可溶性樹脂1g中に含まれる不飽和基のモル数の逆数であり、後述のモノマー仕込み量に基づいて算出される計算値である。
[カラーフィルター用感光性樹脂組成物]
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、上記したアルカリ可溶性樹脂(A)と、溶剤(B)と、反応性希釈剤(C)と、光重合開始剤(D)と、着色剤(E)とを含有するものである。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の配合量は、当該カラーフィルター用樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは5質量部〜85質量部、より好ましくは15質量部〜75質量部、最も好ましくは20質量部〜65質量部である。アルカリ可溶性樹脂(A)の配合量が、上記範囲内であると、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の硬化性がより適切になる。
[溶剤(B)]
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物に配合される溶剤(B)としては、アルカリ可溶性樹脂(A)と反応しない不活性な溶剤であれば、特に限定されない。
溶剤(B)としては、アルカリ可溶性樹脂(A)を製造する際に用いた溶剤をそのまま用いることができ、必要に応じて所望の溶剤を更に追加することもできる。また、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を調製する際に用いる他の成分に含まれている溶剤を、溶剤(B)の成分として用いることもできる。具体的には、溶剤(B)としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ可溶性樹脂(A)を製造する際(共重合反応)において使用されるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物における(B)溶剤の配合量は、当該カラーフィルター用感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは30質量部〜1,000質量部、より好ましくは50質量部〜800質量部、最も好ましくは100質量部〜700質量部である。溶剤(B)の配合量が、上記範囲内であると、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の粘度がより適切になる。
[反応性希釈剤(C)]
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物に配合される反応性希釈剤(C)としては、エチレン性不飽和基を有していれば特に限定されないが、ビニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。反応性希釈剤(C)の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のポリカルボン酸モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらの中でも、多官能(メタ)アクリレート類が特に好ましい。これらの反応性希釈剤(C)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物における反応性希釈剤(C)の配合量は、当該カラーフィルター用感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは5質量部〜85質量部、より好ましくは15質量部〜75質量部、最も好ましくは20質量部〜65質量部である。反応性希釈剤(C)の配合量が、上記範囲内であると、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の粘度及び光硬化性がより適切になる。
[光重合開始剤(D)]
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物に配合される光重合開始剤(D)としては、特に限定されない。具体的には、光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアルキルフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;キサントン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤(D)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物における光重合開始剤(D)の配合量は、当該カラーフィルター用感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは0.1質量部〜30質量部、より好ましくは0.5質量部〜20質量部、最も好ましくは1質量部〜15質量部である。光重合開始剤(D)の配合量が、上記範囲内であると、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の光硬化性がより適切になる。
[着色剤(E)]
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物に配合される着色剤(E)としては、公知の染料又は顔料を用いることができる。
着色剤(E)として染料を用いる場合には、顔料を用いた場合に比べて、輝度の高い着色パターンを得ることができ、また、良好なアルカリ現像性を示す。
染料としては、溶剤(B)やアルカリ現像液に対する溶解性、カラーフィルター用感光性樹脂組成物中の他の成分との相互作用、耐熱性等の観点から、カルボキシ基等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料の窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等を用いることが好ましい。このような染料としては、例えば、acid alizarin violet N;acid black1、2、24、48;acid blue1、7、9、25、29、40、45、62、70、74、80、83、90、92、112、113、120、129、147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green1、3、5、25、27、50;acid orange6、7、8、10、12、50、51、52、56、63、74、95;acid red1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、69、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、183、198、211、215、216、217、249、252、257、260、266、274;acid violet 6B、7、9、17、19;acid yellow1、3、9、11、17、23、25、29、34、36、42、54、72、73、76、79、98、99、111、112、114、116; food yellow 3及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アゾ系、キサンテン系、アントラキノン系又はフタロシアニン系の酸性染料が好ましい。これらの染料は、目的とする画素の色に応じて、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン23、25等の茶色顔料;C.I.ピグメントブラック1、7、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄等の黒色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、目的とする画素の色に応じて、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物における着色剤(E)の配合量は、当該カラーフィルター用感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは5質量部〜75質量部、より好ましくは5質量部〜65質量部、最も好ましくは10質量部〜55質量部である。
着色剤(E)として、顔料を用いる場合、顔料の分散性を向上させる観点から、カラーフィルター用樹脂組成物に公知の分散剤を配合してもよい。分散剤としては、経時の分散安定性に優れる高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性エステル系分散剤等が挙げられる。このような高分子分散剤としては、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成株式会社製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)等の商品名で市販されているものを用いてもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物における分散剤の配合量は、顔料等の種類に応じて適宜調整される。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物には、上記の成分に加えて、所定の特性を付与するために、公知のカップリング剤、レベリング剤、熱重合禁止剤等の公知の添加剤を配合してもよい。カラーフィルター用感光性樹脂組成物におけるこれらの添加剤の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されない。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、公知の混合装置を用い、上記の成分を混合することによって調製してもよいし、あるいは先に、アルカリ可溶性樹脂(A)及び溶剤(B)を含む組成物を調製した後、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)及び着色剤(E)を添加して混合することによって調製してもよい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、アルカリ現像性を有しているので、アルカリ水溶液を用いることによって現像を行うことができる。特に、本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、アルカリ現像性に優れるとともに、耐熱分解性と耐熱黄変性に優れた着色パターンを与えることができる。そのため、本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、有機EL表示装置、液晶表示装置、固体撮像素子に組み込まれるカラーフィルターを製造するために用いられるレジストとして好適に用いられる。
[カラーフィルター]
次に、本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いて作製されたカラーフィルターについて説明する。
本発明のカラーフィルターは、上述したカラーフィルター用感光性樹脂組成物から形成された着色パターンを有する。
以下、図面を参照して、本発明のカラーフィルターについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態のカラーフィルターを示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明のカラーフィルターは、基板1と、基板1の一方の面上に形成される、RGBの画素2及び画素2の境界に形成されるブラックマトリックス3と、画素2及びブラックマトリックス3上に形成される保護膜4とを備える。
本発明のカラーフィルターは、画素2及びブラックマトリックス3(着色パターン)が上述のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いて形成されることを除けば、その他の構成は公知のものを採用することができる。
なお、図1に示したカラーフィルターの構成は一例であり、本発明のカラーフィルターは、この構成のみに限定されない。
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。
まず、基材1の一方の面に着色パターンを形成する。具体的には、基材1の一方の面に、画素2及びブラックマトリックス3を順次形成する。
基材1としては、特に限定されないが、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、アルミニウム基板、プリント配線基板、アレイ基板等が挙げられる。
着色パターンは、フォトリソグラフィ法により形成することができる。具体的には、基板1の一方の面に、上述のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成した後、所定のパターンのフォトマスクを介して、塗布膜を露光して露光部分を光硬化させる。そして、未露光部分をアルカリ水溶液で現像した後、ベーキングすることにより、所定の着色パターンを形成することができる。
カラーフィルター用感光性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法等が用いられる。
また、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成した後、必要に応じて、循環式オーブン、赤外線ヒーター、ホットプレート等の加熱手段を用いて、塗布膜を加熱することにより、溶剤(B)を揮発させてもよい。
加熱条件は、特に限定されず、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定される。例えば、塗布膜を、50℃〜120℃の温度で30秒〜30分加熱すればよい。
カラーフィルター用感光性樹脂組成物からなる塗布膜の露光に用いられる光源としては、特に限定されない。光源の具体例としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。また、露光量も、特に限定されず、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定される。
現像に用いられるアルカリ水溶液としては、特に限定されない。アルカリ水溶液の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液;エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系化合物の水溶液;水酸化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩の水溶液;3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩等のp−フェニレンジアミン系化合物の水溶液等が用いられる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン系化合物の水溶液を用いることが好ましい。なお、これらのアルカリ水溶液には、必要に応じて、消泡剤や界面活性剤を添加してもよい。また、上記のアルカリ水溶液による現像の後、水洗して乾燥させることが好ましい。
ベーキングの条件は、特に限定されず、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の組成に応じて加熱処理を行えばよい。例えば、130℃〜250℃の温度で10分〜60分間加熱すればよい。
カラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いて、上述のような塗布、露光、現像及びベーキングを繰り返すことにより、所望の画素2及びブラックマトリックス3(着色パターン)を順次形成することができる。
なお、本実施形態では、光硬化による着色パターンの形成方法を説明したが、本発明はこれに限定されない。光重合開始剤(D)の代わりに、硬化促進剤及び公知のエポキシ樹脂を配合した樹脂組成物を用いれば、インクジェット法により塗布した後、加熱することにより、所望の着色パターンを形成することもできる。
次に、着色パターン(画素2及びブラックマトリックス3)上に保護膜4を形成する。
保護膜4は、特に限定されず、公知の材料及び形成方法を用いて形成される。
このようにして製造されるカラーフィルターは、アルカリ現像性に優れるとともに、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れた着色パターンを与えるカラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いて製造されているため、耐熱分解性と耐溶剤性に優れた着色パターン(画素2及びブラックマトリックス3)を有する。
[画像表示素子]
本発明の画像表示素子は、上述したカラーフィルターを具備する。本発明の画像表示素子としては、上述したカラーフィルターを具備していれば特に限定されないが、例えば、液晶表示素子、有機EL表示素子等が挙げられる。本発明の画像表示素子は、上述したカラーフィルターを具備するため、高輝度表示が可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600.0gを入れ、窒素ガス置換しながら攪拌し、90℃に昇温した。次に、メタクリル酸84.6g(0.98モル)、ベンジルメタクリレート216.4g(1.23モル)及びグリシジルメタクリレート34.9g(0.25モル)からなるモノマー混合物に、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(重合開始剤)40.3gを添加したものを、滴下ロートから前記フラスコ中に滴下し、90℃にて5時間攪拌して共重合反応を行った。その後、フラスコ内を空気に置換して、2−イソシアナトエチルアクリレート34.7g(0.25モル)及びジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)1.1gを上記共重合溶液中に投入し、80℃で1時間攪拌し、メタクリル酸由来のカルボキシ基と、2−イソシアナトエチルアクリレート由来のイソシアナト基とを反応させてアミド結合を形成することで樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1中のアルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は8,800であり、酸価は105KOHmg/gであり、不飽和基当量は1,630g/molであった。
[実施例2〜6、比較例1〜2]
表1及び2に記載の原料を用いる以外は実施例1と同様にして、共重合反応及び変性反応を行い、樹脂溶液2〜8を得た。得られた樹脂溶液中の樹脂の重量平均分子量(Mw)、酸価及び不飽和基当量を表1及び2に示す。
[比較例3]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600.0gを入れ、窒素ガス置換しながら攪拌し、90℃に昇温した。次に、ベンジルメタクリレート297.2g(1.69モル)及びグリシジルメタクリレート60.0g(0.42モル)からなるモノマー混合物に、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(重合開始剤)42.9gを添加したものを、滴下ロートから前記フラスコ中に滴下し、90℃にて5時間攪拌して共重合反応を行うことで樹脂溶液9を得た。得られた樹脂溶液9中の樹脂の重量平均分子量(Mw)は6,200であり、酸価は0KOHmg/gであった。
[比較例4]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600.0gを入れ、窒素ガス置換しながら攪拌し、90℃に昇温した。次に、メタクリル酸82.3g(0.96モル)、ベンジルメタクリレート210.5g(1.20モル)及びグリシジルメタクリレート34.0g(0.24モル)からなるモノマー混合物に、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(重合開始剤)39.2gを添加したものを、滴下ロートから前記フラスコ中に滴下し、90℃にて5時間攪拌して共重合反応を行った。その後、フラスコ内を空気に置換して、グリシジルメタクリレート34.0g(0.24モル)、ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)1.1g及びトリフェニルホスフィン(触媒)1.1gを上記共重合溶液中に投入し、120℃へ昇温した。1時間経過後、混合溶液がゲル化した。
[比較例5]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600.0gを入れ、窒素ガス置換しながら攪拌し、90℃に昇温した。次に、メタクリル酸80.1g(0.93モル)、ベンジルメタクリレート204.8g(1.16モル)及び(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート42.8g(0.23モル)からなるモノマー混合物に、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(重合開始剤)39.3gを添加したものを、滴下ロートから前記フラスコ中に滴下し、90℃にて5時間攪拌して共重合反応を行った。その後、フラスコ内を空気に置換して、グリシジルメタクリレート33.0g(0.23モル)、ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)1.1g及びトリフェニルホスフィン(触媒)1.1gを上記共重合溶液中に投入し、120℃で3時間攪拌し、メタクリル酸由来のカルボキシ基と、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基とを反応させてエステル結合を形成することで樹脂溶液10を得た。得られた樹脂溶液10中の樹脂の重量平均分子量(Mw)は8,000であり、酸価は107KOHmg/gであり、不飽和基当量は1,720g/molであった。
[比較例6]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600.0gを入れ、窒素ガス置換しながら攪拌し、90℃に昇温した。次に、メタクリル酸87.8g(1.02モル)、ベンジルメタクリレート134.7g(0.77モル)、グリシジルメタクリレート36.2g(0.25モル)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート66.3g(0.51モル)からなるモノマー混合物に、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(重合開始剤)39.0gを添加したものを、滴下ロートから前記フラスコ中に滴下し、90℃にて5時間攪拌して共重合反応を行った。その後、フラスコ内を空気に置換して、2−イソシアナトエチルアクリレート36.0g(0.26モル)、ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)1.1g及びジラウリン酸ジブチルすず(触媒)0.2gを上記共重合溶液中に投入し、80℃で1時間攪拌し、2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来のヒドロキシ基と、2−イソシアナトエチルアクリレート由来のイソシアナト基とを反応させてウレタン結合を形成することで樹脂溶液11を得た。得られた樹脂溶液11中の樹脂の重量平均分子量(Mw)は8,400であり、酸価は110KOHmg/gであり、不飽和基当量は1,570g/molであった。
上記で得られた樹脂溶液中の樹脂を構成する構成単位(a−1)、構成単位(a−2)、構成単位(a−3)及び構成単位(a−4)の合計を100モル%としたときのそれぞれの構成単位のモル%を表3に示す。
Figure 2019031627
Figure 2019031627
Figure 2019031627
<樹脂の耐熱分解性評価>
上記で得られた樹脂溶液を再沈殿させて分析用サンプルを作製した。熱重量分析装置TG−DTA(セイコーインスツル株式会社製)を用い、窒素ガス気流中、昇温速度10℃/分で30℃から230℃まで昇温した後、230℃で1時間保持するという条件で熱重量分析を行い、230℃到達時点での重量を100%としたときの1時間後の重量減少率を求めた。この評価の基準は以下の通りである。
○:10%未満
×:10%以上
上記の耐熱分解性の評価結果を表4に示す。
Figure 2019031627
表4の結果から、構成単位(a−2)を有する樹脂(実施例1〜6、比較例1及び2)の耐熱分解性が良好であることがわかる。これに対して、構成単位(a−2)に含まれるアミド結合の代わりに、エステル結合やウレタン結合を形成した樹脂(比較例5及び6)の耐熱分解性は不十分であった。一方で、構成単位(a−1)及び(a−2)を含まない樹脂(比較例3)は変性反応を行わないため、耐熱分解性が良好であった。
上記で得られた樹脂溶液1〜11を用いて、以下の方法に従ってカラーフィルター用感光性樹脂組成物を調製した。
<カラーフィルター用感光性樹脂組成物の調製>
表5に示す配合成分及び配合割合に従って、カラーフィルター用樹脂組成物を調製した。
なお、表5における樹脂の配合量は、樹脂を合成する際に用いた溶剤を含んでおらず、表5における溶剤(B)の配合量は、樹脂を合成する際に用いた溶剤と追加で配合したプロピレングリコールモノメチルエーテルとを合算したものである。
Figure 2019031627
<カラーフィルター用感光性樹脂組成物の評価>
(1)アルカリ現像性
調製されたカラーフィルター用感光性樹脂組成物を、5cm角のガラス基板(無アルカリガラス基板)上に、露光後の厚さが2.5μmとなるようにスピンコートした後、100℃にて3分間加熱することで溶剤を揮発させ、ガラス基板上に塗布膜を形成した。
次に、塗布膜から100μmの距離に所定のパターンのフォトマスクを配置し、このフォトマスクを介して、高圧水銀ランプを用いて露光(露光量150mJ/cm)し、露光部分を光硬化させた。
次に、0.1質量%の水酸化カリウムを含む水溶液を、温度23℃及び圧力0.2MPaでスプレーすることにより、未露光部分を溶解して現像した後、残渣及び現像形態により確認した。
アルカリ現像後の残渣は、アルカリ現像後のパターンを、日立ハイテクノロジーズ社製の電子顕微鏡S−3400を用いて観察することにより確認した。この評価の基準は以下の通りである。
○:残渣なし
×:残渣あり
上記のアルカリ現像性の評価結果を表6に示す。
(2)耐溶剤性
調製されたカラーフィルター用感光性樹脂組成物を、5cm角のガラス基板(無アルカリガラス基板)上に、ベーキング後の厚さが2.5μmとなるようにスピンコートした後、100℃にて3分間加熱することで溶剤を揮発させ、ガラス基板上に塗布膜を形成した。
次に、得られた塗布膜を、高圧水銀ランプを用いて露光し、露光部分を光硬化させた後、ベーキング温度230℃の乾燥器中に30分間放置して、硬化塗膜を作製した。
容量500mLの蓋付きガラス瓶に、200mLのN−メチル−2−ピロリドンを入れ、60℃の条件下に静置した。その中に上記の硬化塗膜付き試験片を浸漬した後、所定の温度に維持した状態で、30分静置した。
試験片のN−メチル−2−ピロリドンへの浸漬前後の色変化(ΔEab)を分光光度計UV−1650PC(島津製作所製)にて測定した。この評価の基準は以下の通りである。
○:ΔEabの値が4.5未満
×:ΔEabの値が4.5以上
上記の耐溶剤性の評価結果を表6に示す。
Figure 2019031627
表6の結果から、構成単位(a−1)及び(a−3)を含む樹脂(実施例7〜12、比較例10及び11)は、アルカリ現像性及び耐溶剤性に優れることがわかる。これに対して、構成単位(a−1)を含まない樹脂(比較例9)は、アルカリ現像性が不十分であり、構成単位(a−3)を含まない樹脂(比較例7及び8)は、耐溶剤性が不十分であった。
以上の結果より、構成単位(a−1)、(a−2)及び(a−3)を含む樹脂は、アルカリ現像性が良好であるとともに、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れることがわかる。
本発明は、耐熱分解性に優れたアルカリ可溶性樹脂を提供することができる。また、本発明は、アルカリ現像性が良好であるとともに、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れた着色パターンを与えるカラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供することができる。更に、本発明は、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れた着色パターンを有するカラーフィルターを提供することができる。本発明のカラーフィルターは、耐熱分解性及び耐溶剤性に優れ、信頼性が高いため、有機EL表示装置、液晶表示装置、固体撮像素子に組み込まれるカラーフィルターとして好適である。
1 基板、2 画素、3 ブラックマトリックス、4 保護膜。

Claims (4)

  1. 下記式(a−1)、(a−2)及び(a−3)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂であって、全構成単位の合計を100モル%としたときに、構成単位(a−1)を10モル%〜50モル%含み、構成単位(a−2)を5モル%〜50モル%含み且つ構成単位(a−3)を5モル%〜85モル%含むことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂。
    Figure 2019031627
    (式中、R、R1’及びR1’’は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Rは、エチレン性不飽和基を含む基を表し、Rは、エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアナト基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含む基を表す。)
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が、20KOHmg/g〜300KOHmg/gであり且つ重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂。
  3. 請求項1又は2に記載のアルカリ可溶性樹脂(A)、溶剤(B)、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)及び着色剤(E)を含むことを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物から形成された着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルター。
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