JP2018173099A - シリンダ装置 - Google Patents

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Funke Joachim
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Abstract

【課題】 中間筒の油穴から流出した直後の電気粘性流体の流れに乱れが生じる虞れがある。【解決手段】 中間筒15は、下側の円筒部15Aよりも大径に形成された拡径筒部15Cを有する。油穴2Aから流出した直後の中間筒15に拡径筒部15Cを設けたことにより拡径したので、内筒2から油穴2Aを介して流出した電気粘性流体20の流れに乱れが生じることを抑制することができる。また、拡径筒部15Cは中間筒15を減肉して形成するが、スウェージ加工による加工硬化により強度を維持することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるシリンダ装置に関する。
一般に、自動車等の車両には、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に油圧緩衝器に代表されるシリンダ装置が設けられている。ここで、シリンダ装置の内筒と外筒との間には中間筒を設け、前記内筒と中間筒との間に電気粘性流体を流通させる構成としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。前記内筒、中間筒は共に一端から他端まで内径および外径何れも同径で形成されている。
国際公開第2014/135183号
ところで、特許文献1による従来技術では、前記内筒から油穴を介して流出した電気粘性流体の流れを前記内筒と中間筒との間の通路に流通させるが、内筒と中間筒との間の隙間は1mm以下程度と狭いため、特に油穴から隙間に流出した直後の電気粘性流体の流れに乱れが生じる虞れがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、内筒から油穴を介して流出した電気粘性流体の流れに乱れが生じることを抑制することができるようにしたシリンダ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明によるシリンダ装置は、電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入されるシリンダ装置であって、内部にロッドが挿入される内筒と、該内筒の外側に設けられる外筒と、前記内筒と前記外筒との間に設けられ、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの少なくとも伸び側の移動により前記電気粘性流体が流動する通路を前記内筒との間に形成し、電極となる中間筒と、を有し、前記中間筒の一端側には、該一端側に向かって内径が徐々に拡径された拡径筒部を設けたことを特徴としている。
本発明のシリンダ装置によれば、内筒から油穴を介して流出した電気粘性流体の流れに乱れが生じることを抑制することができる。
実施形態によるシリンダ装置としての緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の内筒および外筒の切断斜視図である。
以下、本発明の実施形態によるシリンダ装置を、4輪自動車等の車両に設ける緩衝器に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。
ここで、図1は本発明の第1の実施形態によるシリンダ装置としての緩衝器を示している。緩衝器1は、内部に封入する作動油等の電気粘性流体20を用いた減衰力調整式の油圧緩衝器(セミアクティブダンパ)として構成されている。緩衝器1は、例えばコイルばねからなる懸架ばね(図示せず)と共に、車両用のサスペンション装置を構成する。なお、以下の説明では、緩衝器1の軸方向の一端側を「上端」側と、軸方向の他端側を「下端」側として記載するものとする。
緩衝器1は、内筒2、外筒3、ピストン5、ピストンロッド8、ロッドガイド9および中間筒15等を含んで構成されている。内筒2は、軸方向に延びる円筒状の筒体として形成され、後述の電気粘性流体20が内部に封入されている。内筒2の内部には、後述のピストンロッド8が挿入され、内筒2の外側には、外筒3が同軸となるように配設されている。
外筒3は、緩衝器1の外殻をなすもので、円筒体として形成されている。外筒3は、その下端側がボトムキャップ4により溶接手段等を用いて閉塞された閉塞端となっている。ボトムキャップ4は、後述するボトムバルブ12のバルブボディ12Aと共にベース部材を構成している。外筒3の上端側は、開口端となり、この開口端側には、かしめ部3Aが径方向内側に屈曲して形成されている。該かしめ部3Aは、後述するロッドシール10の環状板体10Aの外周側を抜け止め状態で保持している。
内筒2は、外筒3内に該外筒3と同軸に設けられている。内筒2は、下端側がボトムバルブ12のバルブボディ12Aに嵌合して取付けられ、上端側はロッドガイド9に嵌合して取付けられている。内筒2は、外筒3と共にシリンダを構成し、該シリンダ内には、電気粘性流体20が封入されている。また、内筒2には、後述の通路16に常時連通する油穴2Aが径方向の横孔として形成され、該油穴2Aによって、内筒2内のロッド側油室Bは後述の通路16に連通される。
内筒2と外筒3との間には、環状のリザーバ室Aが形成されている。リザーバ室A内には、電気粘性流体20と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室A内のガスは、ピストンロッド8の縮小(縮み行程)時に、当該ピストンロッド8の進入体積分を補償すべく圧縮される。
ピストン5は、内筒2内に摺動可能に嵌装(挿嵌)されている。該ピストン5は、内筒2内をロッド側油室Bとボトム側油室Cとの2室に画成している。ピストン5には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。ここで、本実施の形態による緩衝器1は、ユニフロー構造となっている。このため、内筒2内の電気粘性流体20は、ピストンロッド8の縮み行程と伸び行程との両行程で、ロッド側油室B(即ち、内筒2の油穴2A)から後述の通路16に向けて常に一方向(即ち、図1中の矢示E方向)に流通する。なお、本実施の形態ではユニフロー構造を例にあげて説明したが、バイフロー構造に採用してもよい。
このようなユニフロー構造を実現するため、ピストン5の上端面には、ピストンロッド8の縮み行程でピストン5が内筒2内を下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮み側逆止弁6が設けられている。縮み側逆止弁6は、ボトム側油室C内の油液(作動流体20)がロッド側油室Bに向けて各油路5A内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止する構成となっている。
ピストン5の下端面には、例えば伸長側減衰力発生機構としてのディスクバルブ7が設けられている。伸長側のディスクバルブ7は、ピストンロッド8の伸び行程でピストン5が内筒2内を上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力が所定のリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を、各油路5Bを介してボトム側油室C側にリリーフさせる。
ロッドとしてのピストンロッド8は、内筒2内を軸方向に変位可能に延びている。ピストンロッド8は、その下端側が内筒2内でピストン5に連結(固定)され、上端側はシリ
ンダとなる内筒2および外筒3の外部へと延出している。この場合、ピストンロッド8の一端側となる上端側は、ロッドガイド9を介して外筒3の外部に突出している。
ロッドガイド9は、内筒2と外筒3の上端側を閉塞するように嵌合して設けられている。ロッドガイド9は、例えば金属材料、硬質な樹脂材料等に成形加工、切削加工等を施すことにより所定形状の筒体として形成されている。図1および図2に示す如く、ロッドガイド9は、上側に位置して外筒3の内周側に挿嵌される環状の大径部9Aと、該大径部9Aの下側に位置して内筒2の内周側に挿嵌される短尺筒状の小径部9Bと、該小径部9Bと大径部9Aとの間に位置して外周側に設けられ後述のスペーサ17が嵌合される環状段差9Cとにより段付円筒状に形成されている。
ロッドガイド9の小径部9Bの内周側には、ピストンロッド8を軸方向に摺動可能にガイドするガイド部9Dが設けられている。このガイド部9Dは、例えば金属筒の内周面に4フッ化エチレンコーティングを施すことにより形成されている。また、ロッドガイド9の大径部9Aには、周方向に離間した複数箇所(例えば、3箇所)に連通路9Eが設けられている。該各連通路9Eは、後述の油溜め室11をチェック弁体10Cを介してリザーバ室Aに連通させるための通路である。このように構成されたロッドガイド9は、大径部9Aを外筒3の内周側に圧入し、小径部9Bを内筒2の内周側に圧入して取付けられている。この状態で、ロッドガイド9は、内周側に設けたガイド部9Dによりピストンロッド8を軸方向に摺動可能にガイドし、ピストンロッド8を支持している。
外筒3のかしめ部3Aとロッドガイド9の大径部9Aとの間には、環状のロッドシール10が設けられている。ロッドシール10は、内周側がピストンロッド8の挿通孔となった金属性の環状板体10Aと、該環状板体10Aに焼付け等の手段で固着されたゴム等の弾性材料からなる弾性シール部10Bと、環状板体10Aの下面側に弾性変形可能に形成されたチェック弁体10Cとを含んで構成されている。ロッドシール10は、弾性シール部10Bの内周がピストンロッド8の外周側に摺接することにより、外筒3とピストンロッド8との間を液密、気密に封止(シール)するものである。
ロッドガイド9の大径部9Aとロッドシール10との間には、油溜め室11が設けられている。該油溜め室11は、ピストンロッド8、ロッドガイド9の大径部9A、ロッドシール10の弾性シール部10B等に囲まれた環状の空間部として形成されている。そして、油溜め室11は、ロッド側油室B内の作動油またはこの油中に混入したガスがピストンロッド8とガイド部9Dとの僅かな隙間等を介して漏出したときに、この漏出油等を一時的に溜めるものである。
ロッドシール10のチェック弁体10Cは、油溜め室11とリザーバ室Aとの間に配置されている。チェック弁体10Cは、前記油溜め室11内の漏洩油がロッドガイド9の各連通路9Eを通じてリザーバ室A内に流通するのを許し、逆向きの流れを阻止する。これにより、チェック弁体10Cは、リザーバ室A内のガス、作動油が油溜め室11側へと逆流するように流れるのを阻止する。
内筒2の下端側には、該内筒2とボトムキャップ4との間に位置してボトムバルブ12が設けられている。該ボトムバルブ12は、ボトムキャップ4の内側面(上面)に固着して設けられたバルブボディ12Aと、該バルブボディ12Aに設けられた伸長側および縮小側の弁部材等とを備えている。バルブボディ12Aは、内筒2の下端側とボトムキャップ4との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを画成している。また、バルブボディ12Aには、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを前記弁部材を介して連通可能とする油路がそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。
バルブボディ12Aの外周側には、図1に示すように環状の段差部12Bが形成され、該段差部12Bには、内筒2の下端内周側が嵌合して固定されている。また、段差部12Bには、環状の保持部材13が内筒2の外周側に嵌合して取付けられている。保持部材13は、後述する中間筒15の下端側を径方向および軸方向に位置決めした状態で保持している。保持部材13は、例えば電気絶縁性材料により形成され、内筒2、ボトムキャップ4およびバルブボディ12Aと中間筒15との間を電気的に絶縁した状態に保っている。また、保持部材13には、後述の通路16をリザーバ室Aに対して連通させる複数の油路13Aが形成されている。
ボトムバルブ12のバルブボディ12Aとボトムキャップ4との間には、リザーバ室Aに連通する油通路14が設けられている。この油通路14は、保持部材13の各油路13Aを介して中間筒15内の通路16にも連通する。油通路14は、内筒2内のボトム側油室Cとリザーバ室Aとの間に配設され、両者間をボトムバルブ12により連通,遮断させる。
内筒2と外筒3との間には、軸方向に延びる圧力管からなる中間筒15が配設されている。この中間筒15は、導電性材料を用いて形成され筒状の電極を構成するものである。中間筒15は、内筒2と同軸をなして軸方向に延び内筒2の外径よりも予め決められた寸法だけ僅かに大径に形成された円筒部15Aと、該円筒部15Aの上端側に一体形成されテーパ状の傾斜筒部15Bを介して径方向外向きに拡径された上側の拡径筒部15Cと、円筒部15Aの下端側に同じく一体形成された下側の拡径筒部15Dとを含んで構成されている。該下側の拡径筒部15Dは、円筒部15Aの下端側からテーパ状の傾斜筒部15Eを介して径方向外向きに拡径されている。円筒部15Aに対する傾斜筒部15Bの角度は、4°から15°の間の角度にすることが望ましい。さらには、8°から12°の間の角度にすることが望ましい。
さらに、上側の拡径筒部15Cと下側の拡径筒部15Dを同形状、すなわち、中間筒15の軸方向中間を中心に対称形状とすることで、組み付け時の方向性がなくなり、組間違いがなくなる。
中間筒15の傾斜筒部15Bには、円筒部15Aと拡径筒部15Cとの間に位置して環状の段部を構成している。即ち、上側の拡径筒部15Cは、円筒部15Aの上端側から環状の段部(テーパ状の傾斜筒部15B)を介して径方向外向きに拡径されている。この拡径筒部15Cは、その上端内周側が後述するスペーサ17の下筒部17Bに嵌合している。
中間筒15の上端側(拡径筒部15C)は、スペーサ17を介してロッドガイド9の環状段差9Cに位置決めされ、下端側の拡径筒部15Dは、バルブボディ12Aの段差部12Bに保持部材13を介して位置決めされている。中間筒15は、内筒2の外周側を全周にわたって取囲むように延びる環状の通路16を内部(即ち、内筒2との間)に形成している。この通路16は、内筒2に形成した油穴2Aを介してロッド側油室Bと常時連通している。なお、内筒2と中間筒15の円筒部15Aとで形成される通路16は、1mm以下に形成されることが好ましい。
ここで、内筒2内の電気粘性流体20は、ピストンロッド8の縮み行程と伸び行程の両方で、ロッド側油室Bから矢示E方向へと油穴2Aを通じて通路16に流入する。通路16内に流入した電気粘性流体20は、ピストンロッド8が内筒2内を進退動するとき(即ち、縮み行程と伸び行程を繰返す間)に、この進退動により通路16の軸方向の上端側から下端側に向けて流動する。
通路16内に流入した電気粘性流体20は、中間筒15の下端側から保持部材13の油路13A等を介してリザーバ室Aへと流出する。このとき、電気粘性流体20の圧力は、通路16の上流側(即ち、油穴2A側)で最も高く、通路16内を流通する間に流路(通路)抵抗を受けるため漸次低下する。このため、通路16内の電気粘性流体20は、通路16の下流側(即ち、保持部材13の油路13A)を流通するときに最も低い圧力となっている。
スペーサ17は、中間筒15の上端側(即ち、拡径筒部15C)をロッドガイド9に対して位置決めするための取付部材である。スペーサ17は、例えば電気絶縁性材料により短尺な段付筒状体として形成され、環状の鍔部17A、筒部17B、シール部17Cおよびシール部17Dを有している。スペーサ17は、その内周側が内筒2の上端側外周に嵌合した状態で取付けられる。このとき、スペーサ17の環状の鍔部17Aは、ロッドガイド9の環状段差9Cに嵌合され、環状段差9Cに対して抜止め状態で固定(位置決め)される。
スペーサ17は、その内径が内筒2の外径よりも僅かに大きくなるように形成され、筒部17Bの外径が中間筒15の拡径筒部15Cの内径よりも僅かに小さくなるように形成されている。
ここで、中間筒15の上端側は、テーパ状の傾斜筒部15Bを介して径方向外向きに拡径された拡径筒部15Cとなっている。このため、テーパ状の傾斜筒部15B(即ち、環状の段部)は、通路16内の作動流体20による圧力を受圧する受圧面となり、傾斜筒部15Bが受圧する圧力によって、中間筒15は下向き(図1、図2中の矢示F方向)に押圧される。この結果、中間筒15は、下側の拡径筒部15Dが保持部材13(即ち、バルブボディ12Aの段差部12B)に対して下向きに押付けられた状態で保持される。
また、通路16内、即ち、内筒2の外周面と中間筒15の円筒部15Aとの間は、複数の隔壁30によって複数の流路31が形成されている。通路16内の電気粘性流体20は、各隔壁30によって案内されつつ各隔壁30間の流路31を流動する。
中間筒15は、電源となるバッテリ19の正極に、例えば、高電圧を発生する高電圧ドライバ(図示せず)を介して接続されている。中間筒15は、通路16内の電気粘性流体20に電界をかける電極(エレクトロード)を構成する。中間筒15の両端側(即ち、上下の拡径筒部15C,15D)は、電気絶縁性の保持部材13,スペーサ17により電気的に絶縁されている。一方、内筒2は、ロッドガイド9、ボトムバルブ12、ボトムキャップ4、外筒3、前記高電圧ドライバ等を介して負極(グランド)に接続されている。内筒2と中間筒15との間に形成された環状の通路16は、内筒2および外筒3内でピストン5の摺動によって流通する電気粘性流体20に流動抵抗を付与し、これによって後述の如く減衰力を発生することができる。
ここで、本実施の形態で採用した作動油となる電気粘性流体20は、ER流体:Electric Rheological Fluidを用いて構成されている。電気粘性流体は、印加される電圧に応じて流動抵抗(減衰力)が変化するものである。具体的には、電気粘性流体は、例えば、シリコンオイル等からなる基油(ベースオイル)と、該基油に分散した状態で混合され電界の変化に応じて粘性抵抗が変化する粒子(微粒子)とにより構成されている。
前記高電圧ドライバは、緩衝器1の減衰力を可変に調整するためのコントローラ(図示せず)から出力される指令(高電圧指令)に基づいて、バッテリ19から出力される直流電圧を昇圧する。そして、中間筒15には、バッテリ19からの直流電圧を昇圧した高電圧が供給(印加)される。これにより、内筒2と中間筒15との間の通路16内には、中間筒15に印加される電圧に応じた電位差が発生し、電気粘性流体20の粘度が電位差に応じて可変に制御される。
この結果、緩衝器1は、中間筒15に印加される電圧に応じて、発生減衰力の特性(減衰力特性)をハードな特性(硬特性)からソフトな特性(軟特性)に連続的に調整することができる。なお、緩衝器1は、減衰力特性を必ずしも連続的に変化させる必要はなく、例えば2段階または複数段階に調整可能に構成することもできる。このように、緩衝器1は、内筒2と中間筒15との間で通路16内に電位差を発生させ、該通路16を通過する電気粘性流体の粘度を制御することにより、発生減衰力を可変に制御(調整)する構成となっている。
本実施の形態による緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
緩衝器1を自動車等の車両に実装するときは、例えば、ピストンロッド8の上端(突出端)側を車両の車体側に取付け、外筒3の下端側(例えば、ボトムキャップ4側の取付アイ)を車輪側(車軸側)に取付ける。車両の走行時には、路面の凹凸等により、上,下方向の振動が発生すると、ピストンロッド8が外筒3から伸長、縮小するように変位する。このとき、内筒2と中間筒15との間の通路16内には、コントローラからの指令に基づいて電位差を生じさせ、通路16を通過する電気粘性流体20の粘度を可変に制御することにより、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整する。
例えば、ピストンロッド8の伸び行程では、内筒2内をピストン5が上向きに移動し、ピストン5の縮み側逆止弁6が閉弁される。このため、ロッド側油室Bの作動流体20は加圧され、内筒2の油穴2Aを通じて通路16内に流入し、通路16の下端側からリザーバ室Aへと流れる。このとき、内筒2のボトム側油室C内には、リザーバ室Aから作動流体20がボトムバルブ12を介して補給されるように流入する。
一方、ピストンロッド8の縮み行程では、内筒2内をピストン5が下向きに移動し、ピストン5の縮み側逆止弁6が開弁される。このとき、ボトムバルブ12は実質的に閉弁されるため、ボトム側油室Cの油液は、ピストン5の油路5Aを通じてロッド側油室Bへと流入する。このため、ピストンロッド8が縮み行程で内筒2内に進入した進入体積分に相当する作動流体20が、ロッド側油室Bから内筒2の油穴2Aを通じて通路16内に流入する。
このように、ピストンロッド8の伸び行程、縮み行程の両行程において、通路16内に流入した作動流体20は、内筒2と中間筒15との間(即ち、通路16内)の電位差に応じた粘度で通路16内を出口側(即ち、保持部材13の油路13A側)に向けて流通し、リザーバ室Aへと流出する。このとき、通路16内を通過する電気粘性流体20は、その粘度(即ち、粘性抵抗)に応じた減衰力を発生でき、緩衝器1は車両の上下振動を緩衝(減衰)することができる。
ところで、内筒2から油穴2Aを介して流出した電気粘性流体20の流れを内筒2と中間筒15との間の通路16に流通させるが、内筒2と中間筒15の円筒部15Aとの間の隙間は1mm以下と狭いため、特に油穴2Aから流出した直後の電気粘性流体20は、油穴2Aの全周から径方向に広がる方向に拡散するように流れ、その後他端側に向けて流れようとするため、流れに乱れが生じる虞れがある。内筒2と中間筒15の円筒部15Aとの間の隙間を1mmと狭くしているのは、中間筒15に印加された高電圧により所望の電位差を通路16内に発生させ、電気粘性流体20の粘度を制御するためである。
そこで、本実施の形態では、中間筒15のうち、油穴2Aと対向する位置、即ち油穴2Aから流出した直後の通路16となる位置に、径方向外向きに徐々に拡径された拡径筒部としての円筒部15Cを設ける構成としている。
これにより、内筒2から油穴2Aを介して流出した電気粘性流体20の流れに乱れが生じることを抑制することができる。また、電気粘性流体20の乱れを抑制し、整流された電気粘性流体は、通路16内の各隔壁30によって案内されつつ各隔壁30間の流路31を流動する。即ち、ピストンロッド8の伸び側の移動と縮み側の移動とにより、電気粘性流体20が内筒2内から油穴2A、傾斜筒部15Bに対応する通路16に流入した後、円筒部15Aに対応する流路31内を軸方向の一端側から他端側に向けて流動する。
また、傾斜筒部15B、拡径筒部15Cと前記内筒2との間の隙間は、円筒部15Aと内筒2との間の隙間よりも大きいため、発生する電界は小さくなる。よって、傾斜筒部15B、円筒部15Cに対応する通路16を流れる電気粘性流体20の粘度も、円筒部15Aに対応する通路16を流れる電気粘性流体20と比して小さくなるため、油孔2Aを介して流出した電気粘性流体20の流れがスムーズになる。
また、中間筒15の上端側には、径方向外向きに拡径する拡径筒部15Cを形成し、その下側には圧力の受圧面となるテーパ状の傾斜筒部15Bを形成している。このため、通路16内で最も高圧となる作動流体20の圧力を傾斜筒部15Bで受圧させて中間筒15に矢示F方向の押付け力を発生させ、この力を保持部材13側で受承させることができる。この結果、中間筒15をロッドガイド9とバルブボディ12Aとの間に軸方向の押付け力(締付力)をもって位置決めできるようになり、中間筒15の位置決め精度を確保することができる。
さらに、中間筒15は、一端側から他端側まで同一径のステンレス鋼を用い、一端側である拡径筒部15Cと、他端側である下側の拡径筒部15Dとをスウェージ加工によりフレアー状に拡径して形成する。また、円筒部15Aの厚みと比して、拡径工程による減肉により拡径筒部15C、15Dが薄くなったとしても、スウェージ加工により加工硬化させているため、拡径筒部15C、15Dの強度を円筒部15Aと同等とすることができる。
また、円筒部15Aに対する傾斜筒部15Bの角度は、外筒3との間のスペースおよび電気粘性流体20の乱れの抑制を考慮すると、4°から15°の間の角度にすることが望ましい。さらには、8°から12°の間の角度にすることが望ましい。
かくして、本実施の形態によれば、中間筒15の一端側には、径方向外向きに徐々に拡径された拡径筒部15Cを設けている。これにより、内筒2から油穴2Aを介して流出した電気粘性流体20の流れに乱れが生じることを抑制することができる。また、中間筒15は、一端側から他端側まで同一径のステンレス鋼を用い、一端側である拡径筒部15Cと、他端側である下側の拡径筒部15Dとをスウェージ加工によりフレアー状に拡径して形成する。また、円筒部15Aの厚みと比して、拡径工程による減肉により拡径筒部15C、15Dが薄くなったとしても、スウェージ加工により加工硬化させているため、拡径筒部15C、15Dの強度を円筒部15Aと同等とすることができる。
次に、図2は本実施の形態の変形例を示している。本実施の形態の変形例は、一端側にのみ、拡径筒部15Cを設ける構成としている。特に、ユニフロー構造の場合においては、一端側である上側にのみ拡径筒部15Cを設けるようにしてもよい。
1 緩衝器(シリンダ装置)
2 内筒
3 外筒
4 ボトムキャップ(ベース部材)
5 ピストン
8 ピストンロッド(ロッド)
9 ロッドガイド
12 ボトムバルブ
12A バルブボディ(ベース部材)
13 保持部材
15 中間筒
15B 傾斜筒部
15C 拡径筒部
16 通路
17 スペーサ
20 電気粘性流体

Claims (5)

  1. 電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入されるシリンダ装置であって、
    内部にロッドが挿入される内筒と、
    該内筒の外側に設けられる外筒と、
    前記内筒と前記外筒との間に設けられ、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの少なくとも伸び側の移動により前記電気粘性流体が流動する通路を前記内筒との間に形成し、電極となる中間筒と、
    を有し、
    前記中間筒の一端側には、該一端側に向かって内径が徐々に拡径された拡径筒部を設けたことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記拡径筒部は、前記中間筒に対し4°から15°の角度で拡径されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記拡径筒部は、前記中間筒に対し8°から12°の角度で拡径されて形成されることを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記中間筒の他端側にも、該他端側に向かって内径が徐々に拡径された拡径筒部を設けたこと特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  5. 前記中間筒は、軸方向中間を中心に対称形状であること特徴とする請求項4に記載のシリンダ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110238307A (zh) * 2019-06-28 2019-09-17 成都联创精密机械有限公司 一种贮油筒胀形装置

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