JP2018172580A - セルロース誘導体の製造方法 - Google Patents

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寛人 高麗
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Abstract

【課題】種々の置換基を有するセルロース誘導体の生産工程を簡略化し、生産に必要な総時間を短縮し、目的とするセルロース誘導体を高収率、高効率で得る製造方法の提供。【解決手段】セルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を順次もしくは同時に反応させて、生成物を途中で単離することなくワンポットで有機シリル化及びアシル化を行うセルロース誘導体の製造方法。シリル化剤の一つ以上が3置換有機シリル基を含み、アシル化剤の1つ以上が芳香族炭化水素基を含む、セルロール誘導体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースに有機シリル置換基とアシル基とを導入するセルロース誘導体の製造方法に関する。
近年の電子材料関連市場の中で、フレキシブルディスプレイ市場またはタッチパネル市場において、耐熱性と透明性を兼ね備えた基板のニーズが高まっている。特に透明耐熱フィルムは従来のガラス基板と異なり、その形状の高い自由度、薄型・計量化が容易であることなどの特徴を持ち、透明性の維持及び製造工程で要求される高い耐熱性の両立が可能であるため、ガラス代替材料として薄型太陽電池、電子ペーパー、有機ELディスプレイなどのフレキシブル電子デバイスアプリケーションへの展開を中心に活発な開発が進められている。
また、透明耐熱フィルムの中でも、各種ディスプレイ機器に代表される画像表示機器に使用される透明光学フィルムは次世代のモデルを含めた各種電子デバイス機器の構成要素として重要であり、各表示デバイスの設計上で要求される様々な光学特性に応じて、様々な材料設計思想に基づき多くの透明光学フィルムが開発されている。以上の観点から、高耐熱性、高透明性、および光学特性を兼ね備えた透明耐熱フィルム及びそれを構成する高耐熱ポリマー材料の開発は、次世代の電子デバイスアプリケーション材料市場規模拡大の観点から意義が高い。
樹脂の耐熱性を向上するには、一般的には樹脂骨格の剛直性を高めるような設計が必要であり、多官能性架橋剤等を用いた化学的架橋、分子間相互作用等を用いた物理的架橋、立体的に嵩高い置換基を導入する方法等が挙げられる。
特許文献1には、トリメチルシリルエーテルセルロースの残ヒドロキシル基と、アセチル化剤をはじめとするアシル化剤との反応により、アシル基を導入したセルロース誘導体の合成が可能であることが記載されている。
特開平6−340687号
特許文献1は純粋なシリル化セルロース誘導体を用いて種々の反応を行うことが可能であると記載されているが、そのためにはシリル化セルロース誘導体を単離精製する工程が必要である。さらに単離されたシリル化セルロース誘導体をアシル化剤と反応させる際に水分が混入することも想定される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。耐熱性や逆波長分散性、低光弾性係数を発現することが可能な種々の置換基を有するセルロース誘導体の製造においては、セルロースに有機シリル基及びアシル基等の異なる置換基を導入して得られるセルロース誘導体を製造する。製造に際して、従来の方法ではシリル化反応とアシル化反応の工程が分かれており、それぞれの工程において単離精製することが必要なため、収率が低く、効率良く製造することが困難であるという課題があった。本発明の目的は、種々の置換基を有するセルロース誘導体の生産工程を簡略化し、生産に必要な総時間を短縮し、目的とするセルロース誘導体を高収率、高効率で得る製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を順次もしくは同時に反応させて、生成物を途中で単離することなくワンポットで有機シリル化及びアシル化を行うセルロース誘導体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
<1>
セルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を順次もしくは同時に反応させて、生成物を途中で単離することなくワンポットで有機シリル化及びアシル化を行うセルロース誘導体の製造方法に関する。
<2>
前記有機シリル化剤の少なくとも1つが3置換有機シリル基を含むことを特徴とする、<1>に記載のセルロース誘導体の製造方法に関する。
<3>
前記アシル化剤の少なくとも1つが芳香族炭化水素基を含むことを特徴とする、<1>に記載のセルロース誘導体の製造方法。
本発明によれば、セルロースに、種々の有機シリル基及びアシル基を順次もしくは同時に反応させることにより、各反応の生成物を単離することなく、目的とする有機シリル基及びアシル基を有するセルロース誘導体を効率良く製造することが可能となる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態及び実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
本明細書中、数値範囲に関して「A〜B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。
以下、各成分について説明する。
(A)セルロース誘導体
本明細書において、セルロース誘導体とは、セルロースに有機シリル基およびアシル基を導入したセルロース誘導体のことを言う。例えば、下記一般式(1)に記載のように、セルロースを構成する単量体であるβ−グルコース骨格が有する3つのヒドロキシル基を、公知の各種変換反応によりアルコール誘導体(ORn)に変換したものである。
Figure 2018172580
[一般式(1)中、
1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)及びアシル基からなる群より選択され、
かつ、前記セルロース誘導体中には、(a)前記有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)及び(b)前記アシル基が含まれ、
nは正の整数である]
なお、本明細書において、前記一般式(1)において括弧内に描かれている、セルロース誘導体の重合単位のことを「セルロースユニット」とも称する。
前記セルロース誘導体を効果的に選定することで、従来のセルロース誘導体では困難であったポリマー材料の高耐熱性と製膜フィルムの透明性の両立が可能となる。また当該製膜フィルムを延伸して作製される延伸フィルムに、高い透明性及び光学特性(高い面内レタデーション発現性、適切な逆波長分散性及び低い光弾性係数)を付与することが可能となる。
前記セルロース誘導体は、置換基の形態により、各種脂肪族及び芳香族のエステル、アルコキシル、アミド、ウレタン、カーボネート、カーバメート等であり得る。前述した各種置換基が同一分子内に混在していてもよい。延伸フィルムの高い耐熱性、良好な面内レタデーションと逆波長分散性との両立、及び低い光弾性係数を達成する観点から、一般式(1)に示すR1〜R3は、有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)またはアシル基であることが好ましい。更に、前記セルロース誘導体は、有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)と、アシル基とを同一のセルロース分子内に含むことがより好ましい。
延伸フィルムに逆波長分散性Re(450)/Re(550)を付与する観点からは、一般式(1)に示すR1〜R3は、有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)、又はアシル基であることが好ましい。更に、前記セルロース誘導体は、有機シリル基(当該有機シリル基は、脂肪族基、不飽和脂肪族基又は芳香族基を有する)と、アシル基とを同一のセルロース分子内に含むことがより好ましい。
前記セルロース誘導体が、有機シリル基を有することは、フィルム化した際に透明性を維持した状態で耐熱性が大幅に向上し、かつ延伸フィルムの位相差発現性が著しく向上するため好ましい。
なお、本明細書においては、ガラス転移温度(以下、Tgと記載することがある)をポリマー材料及びそれによって構成されるフィルムの耐熱性の指標とする。既存のセルロース誘導体を主成分とするフィルムの場合、ガラス転移温度は通常130℃〜180℃の範囲にある。本明細書においては、フィルムのガラス転移温度が180℃より大きい場合、当該フィルムは「耐熱性が高い」と評する。なお、本明細書においては、ポリマー材料のガラス転移温度は、当該ポリマー材料を原料とするフィルムのガラス転移温度と同一であるとする。したがって、「耐熱性が高い」フィルムの原料であるポリマー材料もまた、「耐熱性が高い」と評することができる。
(有機シリル化)
本発明における有機シリル化とは、セルロースが有する6位の1級水酸基、もしくは2位および3位の2級水酸基に、有機シリル化剤を反応させて有機シリルエーテル結合を形成する反応を呼ぶ。
(有機シリル化剤)
本発明における有機シリル化に用いる有機シリル化剤を構成する有機シリル基は、特には限定されないが、セルロース誘導体の有機溶媒に対する可溶性付与の観点から脂肪族基又は芳香族基を有していることが好ましく、更に嵩高い置換基を少なくとも1つ有していることが好ましい。このため、有機シリル基の中でも、2級又は3級の置換基を少なくとも1つ有する3置換有機シリル基がより好ましい。
前記有機シリル基が有している前記嵩高い置換基としては、三級ブチル基、三級ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、フェニル基、ナフチル基等がが例示され、三級ブチル基、三級ヘキシル基又はイソプロピル基を有していることが特に好ましい。
前述した好ましい置換基を有することにより、通常では加水分解性を有し、水分及び吸湿に対して耐久性が低い、有機シリル基を有するアルコキシル基(又はアルコキシシリル基ともいう)の耐水性が向上する。加えて、予想外の効果として、樹脂の母体骨格となるセルロース誘導体の耐熱性が樹脂の非晶性を維持したまま、例えば、ガラス転移温度(Tg)が180℃以上にまで大幅に向上する。
また、セルロースユニット内に嵩高い有機シリル置換基を有する場合、後述するように、同一のセルロースユニット内及び隣接するセルロースユニット内に導入された芳香族アシル基との高い立体障害が発生し、芳香族アシル基の芳香環の自由回転を阻害する。これにより、延伸フィルムにおいて、光弾性係数の増加を抑制する効果も合わせて発現することが可能となる。前述したように、3置換有機シリル基が、例えば三級ブチル基、三級ヘキシル基、イソプロピル基等に代表される嵩高い置換基を少なくとも1個有していることが好ましい。セルロース骨格への導入を管理しやすい点から、前記有機シリル基は、三級ブチルジメチルシリル基(以下、TBDMS基と記載することがある)、三級ブチルジフェニルシリル基(以下、TBDPS基と記載することがある)、三級ヘキシルジメチルシリル基(以下、THDMS基と記載することがある)、トリイソプロピルシリル基(以下TIPS基と記載することがある)のいずれかであることが好ましい。
有機シリル基全体の嵩高さの観点からは、TBDMS基及びTHDMS基が好ましい。TBDMS基は三級ブチル基以外の置換基がメチル基であるために、またTHDMS基は三級ヘキシル基以外の置換基がメチル基であるために、前記観点から適切な嵩高さを有する。一方、例えば、前記有機シリル基が三級ブチル基又は三級ヘキシル基に加えて更に同様に嵩高い置換基を有する場合、有機シリル基全体として過剰に嵩高い置換基となる。このため、セルロース骨格に対する有機シリル基の置換度を、適切な範囲に制御することが難しくなる。更に工業的に原料の入手が容易である点から、前記有機シリル基は、TBDMS基であることがより好ましい。有機シリル基としてTBDMS基を採用することにより、セルロース誘導体における目標の置換度を容易に達成することが可能である。
有機シリル化工程に使用することができる有機シリル化剤は、セルロースに有機シリル基を導入できれば特に制限されない。例えば、前記有機シリル基を含む有機シリルクロリドを挙げることができる。具体的には、三級ブチルジメチルクロロシラン、三級ブチルジフェニルクロロシラン、三級ヘキシルジメチルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。また、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザンを用いることも可能である。
(アシル化)
本発明におけるアシル化とは、セルロースが有する6位の1級水酸基、もしくは2位および3位の2級水酸基に、アシル化剤を反応させてセルロースにアシル基を導入する反応を呼ぶ。アシル化反応はエステル化反応やアルカノイル化反応と呼ばれることもある。
(アシル化剤)
本発明におけるアシル化に用いるアシル化剤を構成するアシル基は、アシル構造(RCO−)を有していれば特に限定されない。アシル基は、前式のR部分の構造により、複数の種類に分類され、その中には、脂肪族アシル基及び芳香族アシル基が含まれる。
脂肪族アシル基としては、Rがアルキル基で構成された構造が挙げられる。この場合、アルキル基の長さにより種々の直鎖状、枝分かれ状、環状構造などが挙げられるが、特に限定されない。また、不飽和アルキル基を有していても良い。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アリル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。アルキル基には水酸基やアミノ基などの官能基をさらに含んでもよい。これらの官能基を利用して、さらに他の置換基を導入することも可能である。
芳香族アシル基としては、Rが置換又は無置換である芳香環又は多環式芳香環、置換又は無置換である複素環又は多環式複素環等で構成された構造が挙げられる。ここで、多環式とは、少なくとも2つ以上の芳香環又は複素環が、それぞれの芳香環又は複素環が有するsp2炭素を少なくとも2つ以上共有する化合物を示す。また、前記置換基は特に限定されず、その具体例として例えば、脂肪族置換基、不飽和脂肪族置換基、芳香族置換基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン、イミド、及びカーバメート等が挙げられる。これらの芳香族には水酸基やアミノ基などの官能基をさらに含んでもよい。これらの官能基を利用して、さらに他の置換基を導入することも可能である。
前述したアシル基のうち、好適な逆波長分散性の発現させることができるとの観点に基づくと、芳香族アシル基をセルロース誘導体へ導入することが好ましく、ベンゾイル基、1−ナフトイル基又は2−ナフトイル基であることがより好ましい。少ない置換度においても高い逆波長分散性を発現する点から、2−ナフトイル基であることが更に好ましい。2−ナフトイル基は、ナフタレン環に置換基を有していても良い。置換基としては特に限定されず、アルコキシル基、エステル基、アミド基、ニトリル基、ハロゲン等が適用可能である。
本発明で用いられるアシル化剤は、セルロースにアシル基を導入することができれば特に制限されない。例えば、各種カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物等が挙げられる。具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸(飽和脂肪族カルボン酸)、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸(不飽和脂肪族カルボン酸)、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、アントラセンカルボン酸、ピレンカルボン酸(芳香族カルボン酸)、無水酢酸、無水安息香酸(カルボン酸無水物)、アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、1−ナフトイルクロリド、2−ナフトイルクロリド(カルボン酸ハロゲン化物)等が挙げられる。これらの中でも、嵩高さの付与や、逆波長分散性、低光弾性係数の観点から、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ナフトイルクロリド、2−ナフトイルクロリドが好ましい。
(有機シリル化剤およびアシル化剤を構成する置換基)
本発明においては、上記有機シリル化剤(有機シリル基ともいう)およびアシル化剤を構成する置換基(アシル基ともいう)が同一であっても異なっていてもよい。つまり、前記一般式(1)で表されるセルロース誘導体において、R1〜R3は、同一であっても異なっていてもよい。また、脂肪族基であっても芳香族基であってもよい。
前記セルロース誘導体から得られるフィルムを熱延伸することにより、その他のセルロース誘導体では通常トレードオフである良好な面内レタデーションと逆波長分散性との両立に加え、先行技術では困難であった低い光弾性係数を達成しているフィルムを製造することが可能である。このため、良好な逆波長分散性と面内レタデーションとを保持した状態にて大幅な薄膜化が可能であり、更に低い光弾性係数を有することにより、フィルムに外部応力が加わった際の色むらの防止が可能となる。また、セルロース誘導体は、単一の誘導体に限定されず、相溶化が可能であれば2種以上の誘導体の混合物であっても良い。
なお、本明細書では、フィルムに含まれる、一般式(1)で表されるセルロース誘導体のことを「ポリマー材料」とも呼ぶ。当該「ポリマー材料」は、1種類のセルロース誘導体からなるものである場合もあるし、複数種類のセルロース誘導体の混合物からなる場合もある。また、本発明の一実施形態に係るフィルムは、耐熱性を損なわない範囲で前述した「ポリマー材料」以外の構成を含んでいてもよい。
(B)セルロース誘導体の製造方法
本発明のセルロース誘導体の製造方法は、原料となるセルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を順次もしくは同時に反応させて、生成物を途中で単離することなくワンポットで有機シリル化及びアシル化を行うセルロース誘導体の製造方法であることを特徴とする。
具体的には、原料となるセルロースを用いて、有機シリル化剤またはアシル化剤を添加して、それらのいずれかの反応(以下、有機シリル化反応およびアシル化反応をそれぞれ素反応ということもある)を行い、その反応を実施した単一の反応器から有機シリル化体またはアシル化体を単離することなく、他方反応に用いる有機シリル化剤またはアシル化剤を同じ反応器へ添加して(本願において、ワンポットとよぶ)、他方の反応を実施することを特徴とする。または、原料となるセルロースを用いて、有機シリル化およびアシル化の反応を同時に行うことも可能である。従来は有機シリル化及びアシル化を行う際は有機シリル化及びアシル化反応後の生成物を単離精製して実施していた。この従来の方法によれば、生産性が悪く、また操作も煩雑になることから、本発明者らはこれらの反応を同時に、あるいは生成物を単離することなく、順次に反応を実施しても、反応可能であることを見出した。本発明の製造方法によれば、セルロースに、種々の有機シリル基およびアシル基を単一の反応容器内にて順次もしくは同時に導入することから、少なくとも有機シリル基およびアシル基のいずれか一方を有するセルロース誘導体を単離する必要がなく、他方の反応を行うことが可能なため、種々の有機シリル基およびアシル基を有するセルロース誘導体を効率良く製造することが可能となる。
以下に、本発明のセルロース誘導体の製法方法を、より具体的に例示する。しかしながら、当該セルロース誘導体の製造方法は、下記の例には限られない。また、より具体的な合成方法については、後述の合成例において開示されている。
(原料となるセルロース)
本発明の原料となるセルロース(以下、原料セルロースともいう)については特に制限がなく、種々のセルロースを使用することができる。例えば、綿リンタ、コーンスターチ、デンプン等を原料とするセルロースを挙げることができる。
原料セルロースの分子量も特に制限がないが、フィルム等に成形した後の特性、特に機械強度や耐熱性等に影響を及ぼすことがある。例えば、数平均分子量であれば、10,000〜400,000が好ましく、20,000〜300,000がより好ましい。
原料セルロースはβ−グルコース骨格が有する3つのヒドロキシル基を含むことから水分を吸湿しやすい。したがって後述するように、本発明の素反応が水分の影響を受けやすいことから、原料セルロース中の水分量も可能な限り減少させることが有効である。具体的には、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、300ppm以下が特に好ましい。原料セルロース中の水分量を減少させる方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、熱風乾燥炉や減圧乾燥炉、不活性ガス雰囲気下で乾燥させる方法などを適用することが可能である。
なお、本発明においては、原料セルロース、および原料セルロースに少なくとも有機シリル化剤またはアシル化剤のいずれか一方を処理して得られた生成物をセルロース誘導体と呼ぶ。また、これらをあわせてセルロースと呼ぶこともある。
(溶媒)
本発明において使用することができる溶媒は、前記セルロースを溶解することができれば特に制限されない。例えば、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒が例示される。
(反応助剤)
本発明で用いられる反応助剤は、有機シリル基またはアシル基を導入する有機シリル化工程またはアシル化工程を促進させることができれば特に制限されない。例えば、触媒、縮合剤、活性化剤等が挙げられる。
(有機シリル化工程)
セルロースに前記有機シリル基を導入する(有機シリル化)、有機シリル化工程について詳説する。
セルロースに有機シリル基を導入する方法は公知の種々の方法を利用することができる。
(触媒)
有機シリル化工程において、必要に応じて、シリル化反応を活性化する触媒を共存させて使用することができる。例えば、前記有機シリルクロリドを活性化する触媒として、N,N−ジメチルアミノピリジンや2,6−ルチジンなどが例示されるが、これらに制限されない。
(有機アミン)
有機シリル化工程において、必要に応じて、有機アミンを共存させて使用するができる。有機アミンは、例えば、有機シリル化剤として有機シリルクロリドを使用する場合に副生する塩化水素を中和することができれば特に制限されない。例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどが例示される。
(有機シリル化の反応条件)
有機シリル化工程の反応温度は、20℃〜100℃が好ましく、50℃〜90℃がより好ましい。
反応時間は、0.5時間〜5時間であることが好ましい。
反応時の圧力は大気圧が好ましいが、窒素ガス等の不活性ガスを注入して加圧しても良い。
(アシル化工程)
セルロースに前記アシル基を導入する(アシル化)、アシル化工程について詳説する。
セルロースにアシル基を導入する方法は公知の種々の方法を利用することができる。
(縮合剤)
本発明で用いられる縮合剤は、セルロースが有する6位の1級水酸基、もしくは2位及び3位の2級水酸基と、カルボン酸に例示されるアシル化剤との反応を促進し、セルロースアシレートを生成することができれば特に制限されず、公知のものを使用することができる。例えば、カルボジイミド系縮合剤、イミダゾール系縮合剤、トリアジン系縮合剤、ホスホニウム系縮合剤、ウロニウム系縮合剤、ハロウロニウム系縮合剤が挙げられる。
(活性化剤)
本発明で用いられる活性化剤は、カルボン酸に例示されるアシル化剤と反応し、反応活性なアシル中間体を生成し、セルロースが有する6位の1級水酸基、もしくは2位及び3位の2級水酸基との反応を促進し、セルロースアシレートを生成することができれば特に制限されず、公知のものを使用することができる。例えば、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド等のスルホン酸誘導体が挙げられる。これらの中でも、本反応においては、コスト、取扱の容易さの観点から、p−トルエンスルホニルクロリドがより好ましい。
(アシル化の反応条件)
反応温度は、50℃〜100℃が好ましく、70℃〜90℃がより好ましい。
反応時間は、長いほど反応率が向上するため好ましいが、生産性向上、低エネルギー化の観点から、36時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、12時間以下が更に好ましい。
反応時の圧力は大気圧が好ましいが、窒素ガス等の不活性ガスを注入して加圧しても良い。
(有機シリル化およびアシル化反応時の環境)
本発明の反応は空気雰囲気下でも進行するが、酸化による樹脂への着色抑制の観点、および有機シリル化剤や活性化剤などの副原料の水分による失活を防止する観点から不活性ガス雰囲気下が好ましい。不活性ガスとしては特に制限されないが、コスト、取扱の容易さから窒素が好ましい。
(水分量の制御)
本発明の反応は水分が混入しても進行するが、有機シリル化剤や活性化剤の水分による失活を避け、有機シリル化工程およびアシル化工程の反応率の向上、失活に起因する有機シリル化剤および活性化剤の使用量低減の観点から、反応系中の水分量は低い方が好ましい。水分量を低減するためには、原料セルロース、反応溶媒及び反応装置を事前に乾燥することが有効である。原料セルロースの乾燥方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、熱風乾燥炉や減圧乾燥炉、不活性ガス雰囲気下で乾燥させる方法などを適用することが可能である。反応溶媒の乾燥方法も特に制限されず、公知の方法、例えば、無水硫酸ナトリウムや無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ等の乾燥剤、常圧蒸留や減圧蒸留等の方法を適用することが可能である。反応装置の乾燥方法も特に制限されず、公知の方法を適用することが可能であり、さらに、塩化カルシウム管等の乾燥管を装着することで、反応系中に水分が混入することを防止できる。また、通常は有機シリル化剤またはアシル化剤のいずれか一方と反応させた後に、セルロース誘導体を水を使用する再沈殿等の方法により回収する工程が必要であるが、本発明の製造方法によればセルロース誘導体を単離する必要がなく、他方の反応を行うことが可能であり、セルロース誘導体への水分の混入を防止することができるため、有機シリル基及びアシル基を効率良く導入することが可能となる。反応溶液中の水分量は、具体的には、1,500ppm以下が好ましく、1,000ppm以下がより好ましい。反応溶液中の水分量が1,500ppmを超えると、有機シリル化及びアシル化工程に使用する有機シリル化剤及びアシル化剤の活性化剤が失活し、反応効率が低減するため好ましくない。
(反応機構)
本発明における、カルボン酸とp−トルエンスルホニルクロリド(p−TsCl)を用いたアシル化反応は、以下の反応機構にて進行すると考えられる。まず、カルボン酸とp−トルエンスルホニルクロリドがピリジン中で反応し、反応活性なN−アシルピリジニウム塩と、副生成物であるピリジンp−トルエンスルホン酸塩が生成する(化2)。続いて、活性なN−アシルピリジニウム塩とセルロースのヒドロキシル基とが反応し、セルロースアシレートが生成する(化3)。
Figure 2018172580
Figure 2018172580
(上記化2および化3におけるRは、飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基等、任意の炭化水素基である。Cellはセルロースユニットである。)
もしくは、カルボン酸とp−TsClとの反応によりカルボン酸無水物が生成し(化4)、カルボン酸無水物がセルロースのヒドロキシル基と反応することで、セルロースアシレートが生成する(化5)。このとき、カルボン酸が副生するが、再度p−TsClと反応し酸無水物が生成するため、定量的に反応を行うことができる。
Figure 2018172580
Figure 2018172580
(上記化4および化5におけるRは、飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基等、任意の炭化水素基である。Cellはセルロースユニットである。)
アシル化剤として、一般的にはカルボン酸塩化物を用いることが多い。カルボン酸塩化物を用い、ピリジン中で反応を行っても、活性なN−アシルピリジニウム塩が生成し、類似の反応機構にてアシル化することができるが、カルボン酸塩化物は空気中や溶媒中の水分で加水分解し、カルボン酸となって失活しやすい。したがって、カルボン酸塩化物を用いて所望の置換度を達成するためには、長い反応時間やカルボン酸塩化物の追添加が必要となり、反応率を制御するのは困難である。一方、上記のカルボン酸/p−トルエンスルホニルクロリド系では、水分が混入していても、p−トルエンスルホニルクロリドの添加量を調整することによりアシル化剤の活性を保持することができるため、反応率を制御することが容易である。したがって、コストや生産性の観点から、本発明によるカルボン酸とp−トルエンスルホニルクロリドを用いた反応系の方が好ましい。
(反応率の定量)
有機シリル化反応率(反応の進行度、後述のD1と同じ)及びアシル化反応率(反応の進行度、後述のD2と同じ)は、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー、1H−NMR(核磁気共鳴分光法)や13C−NMR、紫外可視吸光度測定法(UVスペクトル)等を用いて定量することができる。
(後処理工程)
<反応生成物の回収>
本発明のセルロース誘導体の製造方法は、原料となるセルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を単一の反応器内にて反応させるセルロース誘導体の製造方法であることを特徴とする。その結果、通常は有機シリル化剤またはアシル化剤と処理した後に、セルロース誘導体を回収する工程が必要であるが、少なくとも有機シリル基及びアシル基のいずれか一方を有するセルロース誘導体を単離する必要がなく、他方の反応を行うことが可能なため、種々の有機シリル基およびアシル基を有するセルロース誘導体を効率良く製造することが可能となることが特徴である。
反応終了後の反応混合溶液から樹脂を回収する方法は公知の方法を適用できる。例えば、再沈殿、遠心分離、濾過などが挙げられる。
反応終了後の反応混合溶液から樹脂を回収する一つの方法として適用することができる再沈殿は作業性、高収率化、コスト削減の観点から好ましい。再沈殿とは、良溶媒中に溶解している樹脂溶液に貧溶媒を添加し樹脂を固体として析出させることによる回収方法である。反応混合溶液に生成物である有機シリルセルロースアシレートを反応混合溶液から析出することができる溶媒であれば特に制限されないが、溶媒は、反応溶液と混和し、極性の高いものが好ましい。例えば、水、アルコールが好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールなどが好ましい。特に、コスト、取扱の容易さの観点から、メタノールがより好ましい。
得られる樹脂の純度およびモル収率向上の観点から、水およびアルコールの混合溶媒を用いることがより好ましい。前記混合溶媒の水/アルコールの重量比率は、樹脂の回収率および純度向上の観点から水:アルコール=90:10〜0:100が好ましく、50:50〜30:70がより好ましい。
再沈殿に用いる前記混合溶媒の量は、反応に用いた溶媒の80〜200重量部が好ましく、100重量部〜150重量部がより好ましい。
有機シリル化反応またはアシル化反応の生成物を一度単離し、その後もう一方の反応を行う従来の方法では、1段目の反応後に再沈殿のような方法で単離する工程で、反応溶液から樹脂を回収しきれない場合や、ろ過等の操作時にロスするため、モル収率が低下する。本発明の製造方法によれば、途中で単離することがないため、再沈殿やろ過等操作時のロスを抑制することが可能であり、高収率で目的とするセルロース誘導体を得ることができる。
<樹脂の洗浄>
前記再沈殿操作により得られた再沈殿後の樹脂には微量の未反応物質および副生成物が残存することがあり、これらを除去するために、再沈殿後の樹脂をさらに洗浄することが好ましい。洗浄に用いる溶媒は、有機シリルセルロースアシレートを溶解せず、未反応物質及び副生成物を溶解することができれば特に制限されない。未反応物質および副生成物の除去効率向上の観点から、アルコールのみを用い、洗浄操作を繰り返すことが好ましい。洗浄に用いるアルコールの量は、反応に用いた溶媒の80重量部〜200重量部が好ましく、100重量部〜150重量部がより好ましい。
<樹脂の乾燥>
洗浄に用いた溶媒を除去するために有機シリルセルロースアシレートを乾燥することも好ましい。有機シリルセルロースアシレートの乾燥は加熱のみの乾燥でもよく、真空乾燥の方法も用いることができる。
(純度)
有機シリルセルロースアシレートの純度は、1H−NMRを用いて定量することができる。その他の分析方法としては、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等も活用することができる。
(反応率)
反応率とは、置換度に対する副原料(有機シリル化剤及びアシル化剤)の仕込み当量の程度を示し、後述の有機シリル基の置換度D1を有機シリル化剤の当量で割った値及びアシル基の置換度D2をアシル化剤の当量で割った値で求められる。具体的には、得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定にて決定した有機シリル基及びアシル基の置換度と、反応に使用した有機シリル化剤及びアシル化剤当量との比較により、式1及び式2を用いて反応率を算出することができる。
Figure 2018172580
Figure 2018172580
(モル収率)
モル収率とは、セルロース誘導体の精製後の実収量と分子量により求まる数値であり、理論収量に対する実収量の程度を示す。本発明においては、1H−NMRを用いて定量することができる。その他の分析方法としては、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等も活用することができる。本発明においては、得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定にて決定した有機シリル基及びアシル基の置換度より分子量及び理論収量を算出し、実際に回収したセルロース誘導体の重量との比較により、式3を用いてモル収率を算出した。
Figure 2018172580
(C)セルロース置換度
セルロース分子中の2、3、6位に存在する3個の水酸基が置換基によってどれだけ置換されているかを示す値を置換度D(具体的には、D1およびD2)と呼ぶ。
本発明における置換度D1またはD2は、セルロース分子中の2、3、6位に存在する3個の水酸基が、置換位置に関係なく、平均してどれだけ有機シリル化またはアシル化されているかを表し、それぞれの最大値は3である。また、有機シリル基とアシル基の置換度の合計(D1+D2)の最大値も3である。置換度D1を特に「有機シリル基の置換度」、置換度D2を特に「アシル基の置換度」と呼称する場合がある。
置換度D1およびD2の値は、1H−NMR測定によって計算することができる。具体的には、導入した有機シリル基が有する脂肪族基プロトンの積分値、または、アシル基が有する脂肪族基または芳香族基プロトンの積分値と、セルロース骨格由来のプロトンの積分値との比を取ることで、セルロースユニット当りに導入された有機シリル基及びアシル基の個数を置換度としてそれぞれ算出することができる。
(D)第三成分
本発明のセルロース誘導体は、必要に応じて可塑剤や熱安定剤、紫外線安定剤、面内レタデーション上昇剤、フィラー等の添加剤を第三成分として加えてもよい。特に、得られたフィルムの脆さを補う目的、又は延伸等の加工特性を改善する目的で、可塑剤を加えることは有効である。これら第三成分の配合量は、所望の光学特性を損なわない範囲で任意である。
(E)セルロース誘導体の分子量
本発明のセルロース誘導体の分子量は、フィルム成形が可能な限り特に限定されるものではない。例えば、靱性に優れたフィルムを得るためには、樹脂の数平均分子量が、10,000〜400,000であることが好ましい。天然樹脂を原料セルロースとする場合、入手容易性の観点から、数平均分子量が、20,000〜200,000であることが更に好ましい。数平均分子量が10,000以上である場合、フィルムに十分な靱性が与えられる。一方、数平均分子量が400,000以下である場合、溶媒に樹脂が十分に溶解し、樹脂溶液の固形分濃度が低くなることによる溶液キャスト時の溶媒使用量の増加を防げるため、製造上好ましい。
(F)製膜方法
本発明のセルロース誘導体は、周知の方法にしたがってフィルムに成形することができる。
フィルムの代表的な成形方法としては、溶融した樹脂をTダイ等から押出してフィルム化する溶融押出法、及び、樹脂を溶解した有機溶媒を支持体上にキャストし加熱により有機溶媒を乾燥してフィルム化するソルベントキャスト法を挙げることができる。厚み精度の良いフィルムが比較的容易に得られるという理由から、ソルベントキャスト法を用いることが好ましい。これらの方法により得られたフィルムを本願では未延伸フィルムと呼ぶ。
(G)延伸
本発明のセルロース誘導体は、前記で得られた未延伸フィルムを公知の延伸方法にしたがって、少なくとも1軸に延伸して配向処理を行うことにより得られるフィルム(延伸フィルムとも呼ぶ)であることが好ましい。延伸方法としては、1軸又は2軸の熱延伸法を採用することができる。本発明のフィルムを得るためには、縦1軸延伸を採用することが好ましい。また、反射防止層として本発明の一実施形態に係るフィルムを使用する場合には、1軸性が重要となるため、自由端1軸延伸が好ましい。
<1.測定方法>
本明細書に記載の特性値等は、以下の評価法によって得られたものである。結果を表1、表2に記載する。
(1)置換度
ブルカー製400MHz−1H−NMRを用いて、各置換基に帰属されるスペクトルの積分値を用いて定量した。具体的には、置換度D1における有機シリル基の導入量は、有機シリル基が有する脂肪族基に帰属されるプロトンの−0.3〜1.5ppmの積分値と、セルロース骨格のプロトンに帰属される3.0〜5.2ppmの積分値との比から求めた。置換度D2におけるアシル基についても同様の手法を用い、芳香族アシル基の場合は、アシル基が有する芳香環上のプロトンに帰属される6.8〜9.0ppmの積分値と、セルロース骨格のプロトンに帰属される3.0〜5.2ppmの積分値との比から求めた。
(2)反応率
得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定にて決定したシリル基及びアシル基の置換度と、反応に使用したシリル化剤及びアシル化剤当量との比較により、反応率を算出した。
(3)モル収率
得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定にて決定したシリル基およびアシル基の置換度より分子量及び理論収量を算出し、実際に回収したセルロース誘導体の重量との比較により、モル収率を算出した。
(4)水分測定
京都電子工業社製カールフィッシャー水分計を使用し、セルロース溶液の水分量を算出した。具体的には、所定濃度に調製したセルロース溶液を所定量採取し、専用の脱水溶剤(三菱化学製アクアミクロン脱水溶剤CM、メタノール12%/クロロホルム87%)に滴下して分散させ、滴定剤(三菱化学製アクアミクロン滴定剤SS1mg、クロロホルム83%/ピリジン12%/ヨウ素1%〜5%/二酸化硫黄1%〜5%)を徐々に添加し、消費された滴定剤の量から水分量を換算して算出した。
<2.セルロース誘導体の製造方法>
(実施例1)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
粉末セルロースを,真空オーブンを用いて120℃で12時間乾燥し、含水分量を300ppmとした。乾燥した粉末セルロース(15.0g:92.5mmol、数平均分子量59,940)を4つ口リアクターに投入した後に三日月ヘラ付き撹拌棒を設置し、4つ口リアクターにジムロート冷却管、塩化カルシウム管、滴下漏斗、熱電対を取り付けた。続いてN,N−ジメチルアセトアミド(270mL)を投入し、130℃にて2時間加熱撹拌を実施した後に80℃まで自然冷却させたところで塩化リチウム(23.5g:555.1mmol)をリアクターに加え、さらに室温まで自然冷却させ、セルロースの均一溶液を得た。このセルロース溶液の含水分量は1,000ppmであった。この均一溶液に、続いて、トリエチルアミン(15.0g:148.0mmol)を加え、80℃に加熱し、撹拌下において滴下漏斗からN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)に溶解した三級ブチルジメチルクロロシラン(TBDMSCl)(22.3g:148.0mmol)を滴下し、3時間撹拌した。続いて、滴下漏斗からピリジン(50mL)に溶解した2−ナフトエ酸(11.2g:64.8mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(p−TsCl)(12.3g:64.8mmol)を滴下し、5時間撹拌した。純水(90mL)及びメタノール(210mL)の混合溶媒を加えて反応を停止し、白色沈殿を発生させ、当該白色沈殿をろ過後、メタノール(300mL)中で5回撹拌洗浄を繰り返し、真空オーブンを用いて80℃で5時間乾燥させた。られたセルロース誘導体の1H−NMR測定を行い、シリル基置換度D1及びアシル基置換度D2を算出した結果、D1=1.35、D2=0.27であった(収量28.3g、モル収率85%)。
(実施例2)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
未乾燥の粉末セルロース(原料セルロースの含水分量は30,000ppm、セルロース/DMAc溶液の水分量は3,000ppmであった)及びTBDMSCl(29.3g:194.3mmol)を使用し、シリル化工程の反応時間を2時間、アシル化工程の反応時間を6時間とした以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.34、D2=0.28、収量25.9g、モル収率78%)。
(実施例3)(TBDMSセルロースベンゾエートの製造)
アシル化剤を2−ナフトエ酸から安息香酸(2.8g:23.1mmol)に変更し、p−TsCl(8.8g:46.3mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.35、D2=0.20、収量26.4g、モル収率85%)。
(実施例4)(TBDMSセルロースアセテートの製造)
アシル化剤を2−ナフトエ酸から無水酢酸(2.8g:27.8mmol)に変更し、p−TSClを使用しないこと以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.35、D2=0.25、収量24.3g、モル収率80%)。
(実施例5)(TMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
シリル化剤をTBDMSClからトリメチルクロロシラン(16.1g:148.0mmol)に変更し、2−ナフトエ酸(4.0g:23.1mmol)及びp−TsCl(8.8g:46.3mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.50、D2=0.18、収量22.1g、モル収率80%)。
(実施例6)(TMSセルロースベンゾエートの製造)
アシル化剤を2−ナフトエ酸から安息香酸(2.8g:23.1mmol)に変更した以外は、実施例5と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.50、D2=0.20、収量22.1g、モル収率80%)。
(実施例7)(TIPSセルロース−2−ナフトエートの製造)
シリル化剤をTBDMSClからトリイソプロピルクロロシラン(26.8g:138.8mmol)に変更し、2−ナフトエ酸(4.0g:23.1mmol)及びp−TsCl(8.8g:46.3mmol)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.00、D2=0.15、収量28.6g、モル収率90%)。
(実施例8)(TIPSセルロースベンゾエートの製造)
アシル化剤を2−ナフトエ酸から安息香酸(2.8g:23.1mmol)に変更した以外は、実施例7と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.00、D2=0.20、収量28.2g、モル収率90%)。
(実施例9)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
TBDMSCl(20.9g:138.8mmol)を使用し、アシル化剤を2−ナフトエ酸から2−ナフトイルクロリド(7.1g:37.0mmol)に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.28、D2=0.32、収量27.8g、モル収率84%)。
(実施例10)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
粉末セルロースを,真空オーブンを用いて120℃で12時間乾燥し、含水分量を300ppmとした。乾燥した粉末セルロース(15.0g:92.5mmol、数平均分子量59,940)を4つ口リアクターに投入した後に三日月ヘラ付き撹拌棒を設置し、4つ口リアクターにジムロート冷却管、塩化カルシウム管、滴下漏斗、熱電対を取り付けた。続いてN,N−ジメチルアセトアミド(270mL)を投入し、130℃にて2時間加熱撹拌を実施した後に80℃まで自然冷却させたところで塩化リチウム(23.5g:555.1mmol)をリアクターに加え、さらに室温まで自然冷却させ、セルロースの均一溶液を得た。この均一溶液を80℃に加熱し、撹拌下において滴下漏斗からピリジン(30mL)に溶解した2−ナフトイルクロリド(7.1g:37.0mmol)を加え、5時間撹拌した。続いて、トリエチルアミン(14.0g:138.8mmol)を加え、撹拌下において滴下漏斗からN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)に溶解したTBDMSCl(20.9g:138.8mmol)を滴下し、3時間撹拌した。純水(90mL)及びメタノール(210mL)の混合溶媒を加えて反応を停止し、白色沈殿を発生させ、当該白色沈殿をろ過後、メタノール(300mL)中で5回撹拌洗浄を繰り返し、真空オーブンを用いて80℃で5時間乾燥させた。得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定を行い、シリル基置換度D1及びアシル基置換度D2を算出した結果、D1=1.35、D2=0.30であった(収量28.6g、モル収率85%)。
(実施例11)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
未乾燥の粉末セルロース(原料セルロースの含水分量は30,000ppm、セルロース/DMAc溶液の水分量は3,000ppmであった)及びTBDMSCl(30.7g:203.6mmol)を使用した以外は、実施例9と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.32、D2=0.26、収量24.8g、モル収率76%)。
(実施例12)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
2−ナフトイルクロリド(6.2g:32.4mmol)を使用した以外は、実施例9と同様に実施し、目的のセルロース誘導体を得た(D1=1.35、D2=0.26、収量26.3g、モル収率80%)。
(実施例13)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
粉末セルロースを,真空オーブンを用いて120℃で12時間乾燥し、含水分量を300ppmとした。乾燥した粉末セルロース(15.0g:92.5mmol、数平均分子量59,940)を4つ口リアクターに投入した後に三日月ヘラ付き撹拌棒を設置し、4つ口リアクターにジムロート冷却管、塩化カルシウム管、滴下漏斗、熱電対を取り付けた。続いてN,N−ジメチルアセトアミド(270mL)を投入し、130℃にて2時間加熱撹拌を実施した後に80℃まで自然冷却させたところで塩化リチウム(23.5g:555.1mmol)をリアクターに加え、さらに室温まで自然冷却させ、セルロースの均一溶液を得た。この均一溶液に、続いて、トリエチルアミン(14.0g:138.8mmol)を加え、80℃に加熱し、撹拌下において滴下漏斗からN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)に溶解したTBDMSCl(20.9g:138.8mmol)及びピリジン(30mL)に溶解した2−ナフトイルクロリド(7.1g:37.0mmol)を滴下し、5時間撹拌した。純水(90mL)及びメタノール(210mL)の混合溶媒を加えて反応を停止し、白色沈殿を発生させ、当該白色沈殿をろ過後、メタノール(300mL)中で5回撹拌洗浄を繰り返し、真空オーブンを用いて80℃で5時間乾燥させた。得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定を行い、シリル基置換度D1及びアシル基置換度D2を算出した結果、D1=1.30、D2=0.28であった(収量26.8g、モル収率82%)。
(比較例1)(TBDMSセルロース−2−ナフトエートの製造)
未乾燥の粉末セルロース(15.0g:92.5mmol、数平均分子量59,940)を4つ口リアクターに投入した後に三日月ヘラ付き撹拌棒を設置し、4つ口リアクターにジムロート冷却管、塩化カルシウム管、滴下漏斗、熱電対を取り付けた。続いてN,N−ジメチルアセトアミド(250mL)を投入し、130℃にて2時間加熱撹拌を実施した後に80℃まで自然冷却させたところで塩化リチウム(23.5g:555.1mmol)をリアクターに加え、さらに室温まで自然冷却させ、セルロースの均一溶液を得た。このセルロース溶液の含水分量は3,000ppmであった。この均一溶液に、続いて、トリエチルアミン(18.7g:185.0mmol)を加え、80℃に加熱し、撹拌下において滴下漏斗からN,N−ジメチルアセトアミド(50mL)に溶解したTBDMSCl(27.9g:185.0mmol)を滴下し、5時間撹拌した。反応溶液に純水(120mL)及びメタノール(180mL)の混合溶媒を加えて白色沈殿を発生させ、当該白色沈殿をろ過後、純水(120mL)及びメタノール(180mL)の混合溶媒中で5回撹拌洗浄を繰り返し、真空オーブンを用いて80℃にて5時間乾燥させた。
次に、得られたTBDMSセルロース(4g:13.3mmol)を4つ口リアクターに投入した後に三日月ヘラ付き撹拌棒を設置し、4つ口リアクターにジムロート冷却管、塩化カルシウム管、滴下漏斗、熱電対を取り付け、続いてピリジン(55mL)を投入した後、80℃加熱下において、TBDMSセルロースが溶解するまで撹拌した。溶液が透明になったのを確認した後、滴下漏斗からピリジン(5mL)に溶解した2−ナフトイルクロリド(0.8g:4.1mmol)を滴下し、5時間撹拌した。反応溶液に純水(24mL)及びメタノール(36mL)の混合溶媒を加えて白色沈殿を発生させ、当該白色沈殿をろ過後、純水(24mL)及びメタノール(36mL)の混合溶媒中で5回撹拌洗浄を繰り返し、真空オーブンを用いて80℃にて5時間乾燥させた。得られたセルロース誘導体の1H−NMR測定を行い、シリル基置換度D1及びアシル基置換度D2を算出した結果、D1=1.23、D2=0.22であった(モル収率68%)。
Figure 2018172580
Figure 2018172580
これらの結果から、本発明の製造方法により、従来方法として比較してセルロース誘導体のモル収率が大きく向上し、生産性を改善できることがわかり、本願の効果を理解できる。

Claims (3)

  1. セルロースと、有機シリル化剤及びアシル化剤を順次もしくは同時に反応させて、生成物を途中で単離することなくワンポットで有機シリル化及びアシル化を行うセルロース誘導体の製造方法。
  2. 前記有機シリル化剤の少なくとも1つが3置換有機シリル基を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  3. 前記アシル化剤の少なくとも1つが芳香族炭化水素基を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルロース誘導体の製造方法。
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MORMANN, W. ET AL.: "Selectivity in the acylation of partially silylated hydroxy polymers - a study with trimethylsilyl c", ACTA POLYM., vol. 50(1), JPN6016045548, 1999, pages 20 - 27, ISSN: 0004376436 *

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