JP2005232329A - セルロースアシレートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示素子に組み込んだ時の使用環境における表示むらを改良する、電子ディスプレイ用基板フィルムを提供すること。
【解決手段】 下記の置換度を満足することを特徴とするセルロースアシレートと、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解縮合物を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム、
2.5≦A+B≦3.0
0≦A≦2.95
ただし、Aはアセチル基の置換度を表し、Bはアセチル以外のアシル基の置換度の総和を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明はハロゲン化銀写真感光材料または、液晶画像表示装置用の偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、あるいは、視野角拡大フィルムなどに使用される液晶画像表示装置に有用なセルロースアシレートフィルムに関する。
セルロースアシレートは吸湿性を有する高分子であり、これから作成されたセルロースアシレートフィルムは、湿度環境の変化に伴って面内のレターデーション(Re)ならびに厚み方向のレターデーション(Rth)が変動する。セルロースアシレートフィルムを液晶表示素子に組み込んだ場合、レターデーションの変動が起こると表示むらが発生し、液晶画像表示素子として性能を悪化させる。なお、Re、Rthの定義については、例えば、非特許文献1に記載されている。それゆえ、湿度変化に伴うReとRthの変動は少ないことが望まれており、25℃10%Rhと25℃80%Rhとの環境変化に伴うReならびにRthの変動が、好ましくは、0nm以上90nm以下、さらに好ましくは、0nm以上60nm以下、特に好ましくは0nm以上40nm以下であると、表示むらを解消できる。
このような湿度変化に伴うRe、Rth変化は、湿度変化に伴い短時間(数時間)で発生し、かつ可逆的な変化であり、耐湿性(長時間(数週間以上)高湿に曝すことで発生する非可逆的な変化)とは異なる。
セルロースエステルフィルムを延伸し、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を発現させ、液晶表示素子の位相差膜として使用し、視野角拡大を図ることが実施されている。近年、バーティカルアラインメント(VA)方式の液晶表示素子が開発され、より高いRe、Rthを持った位相差膜が要求されている。このような位相差膜に対応するため、アセチル基とプロピオニル基との混合エステルであるセルロースアシレートフィルムを溶液流延し製膜したフィルムを用いる技術が公開されている(特許文献1)。しかし、この特許に記載されているものについても、湿度変化に伴うRe、Rth変化は実用的に十分ではなく、これを改良できる技術が望まれている。
セルロースアシレートと、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の反応物とを含有する、いわゆる有機無機ハイブリッド技術によりフィルムを作成する技術が知られている。(例えば、特許文献2および3並びに非特許文献2参照)しかし、これらの公知技術により作成したフィルムは、全置換度の小さいセルロースアシレートを用いているために湿度変化に伴うRe又はRth変化を低減することができない、反応性金属化合物の加水分解を十分に進行させることが困難である、といった問題があり、これらの問題を解決できる技術が望まれていた。
特開2001−188128号公報 特開2003−171500号公報 特開2003−238688号公報 発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行) Journal of polymer science, Vol.58,1263−1274(1995)
本発明は、液晶表示素子に組み込んだ時の使用環境における表示むらを改良する、電子ディスプレイ用基板フィルムを提供するものである。
本発明の上記課題は以下の手段によって解決された。
(1) 下記の置換度を満足することを特徴とするセルロースアシレートと、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解縮合物を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム、
2.5≦A+B≦3.0
0≦A≦2.95
ただし、Aはアセチル基の置換度を表し、Bはアセチル以外のアシル基の置換度の総和を表す。
(2) セルロースアシレートが下記の置換度を満足することを特徴とする、(1)に記載のセルロースアシレートフィルム、
2.5≦A+B≦3.0
0.5≦A≦2.95
(3) 反応性金属化合物が、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンおよびゲルマニウムから選択される元素を含有する化合物であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のセルロースアシレートフィルム、
(4) 反応性金属化合物において、ケイ素を含有する化合物のモル含率が50%以上100%以下であることを特徴とする、(1)〜(3)いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム、
(5) 反応性金属化合物の加水分解と縮合の触媒として、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物を用いることを特徴とする、(1)〜(4)いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム、
(6) 面内のレターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)が、下記式を満足することを特徴とする(1)〜(5)いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム、
Rth≧Re
200≧Re≧0
500≧Rth≧20
(7) 25℃10%Rhと25℃80%Rhとの環境変化に伴うReならびにRthの変動が、0nm以上90nm以下であることを特徴とする、(1)〜(6)いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム。
本発明により、液晶表示素子に組み込んだ時の使用環境における表示むらを改良する新規なセルロースアシレートフィルムが得られた。
本発明において好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳細に記載する。本発明のセルロースアシレートは、アシル基が炭素数2ないし22のアシル基であり、かつ、アシル基の置換度は、以下の式を満足する範囲である。
2.5≦A+B≦3.0
0≦A≦2.95
ただし、A:アセチル基の置換度を表し、B:はアセチル以外のアシル基の置換度の総和を表す。アシル置換度の総和が2.5以上3.0以下、アセチル置換度が0以上2.95以下であることを特徴とする。A+Bが2.5未満であると、セルロースアシレートが親水的になることにより、高湿度条件でのレターデーションの変化が大きくなって好ましくない。
セルロースを構成する、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)の合計を意味する。本発明では、アシル置換度の総和が、より好ましくは2.65以上2.96以下であり、特に好ましくは2.75以上2.95以下である。
本発明においては、セルロースの2位、3位および6位のそれぞれの水酸基の置換度は特に限定されないが、セルロースアセテートの場合には、6位の置換度が好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは0.85以上であり、特に好ましくは0.90以上であるセルロースアセテートフィルムによりセルロースアシレートの溶解性を向上させることができ、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
本発明のセルロースアシレートのアシル基は、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基のいずれであってもよい。本発明のセルロースアシレートのアシル基が脂肪族アシル基である場合、炭素数2ないし22であることが好ましく、炭素数2ないし8であることが更に好ましく、炭素数2ないし4であることが特に好ましい。脂肪族アシル基の例としては、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニルあるいはアルキニルカルボニルなどを挙げることができる。アシル基が芳香族アシル基である場合、炭素数6ないし22であることが好ましく、炭素数6ないし18であることが更に好ましく、炭素数6ないし12であることが特に好ましい。脂肪族アシル基も芳香族アシル基も、それぞれ更に置換基を有していてもよい。
好ましいアシル基の例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、イソブチリル、t‐ブチリル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフタレンカルボニル、フタロイル、シンナモイルなどを挙げることができる。これらの中でも、更に好ましいものは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t‐ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどであり、特に好ましいものはアセチル、プロピオニル、ブチリルである。
上記の脂肪族アシル基又は芳香族アシル基に許容される置換基としては、以下に列挙する原子及び原子団が例示できる。すなわち置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。これらの基はさらに組み合わされて複合置換基を形成してもよく、このような置換基の例としては、エトキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、エトキシカルボニルエチル基などを挙げることができる。
本発明のセルロースアシレートは2種以上のアシル基の混合エステルであることが好ましく、具体例として、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロパノエートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートシクロヘキサノエート、セルロースアセテートデカノエート、セルロースアセテートアダマンタンカルボキシレート、セルロースアセテートカルバメート、セルロースアセテートフタレートなどを挙げることができる。更に好ましい例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロパノエートブチレート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートオクタノエートなどを挙げることができる。特に好ましい例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
本発明のセルロースアシレートが2種以上のアシル基の混合エステルであるとき、好ましいアシル基の置換度は、以下の式を満足する範囲である。
2.5≦A+B≦3.0
0≦A≦2.95
ただし、A:アセチル基の置換度を表し、B:はアセチル以外のアシル基の置換度の総和を表す。アセチル基の置換度は、0.5≦A≦2.95であることが更に好ましい。アシル置換度の総和は、2.65以上2.96以下であることがより好ましく2.75以上2.95以下であることが特に好ましい。
本発明においては異なる2種類以上のセルロースアシレートを同一層に混合して使用しても良くあるいは層を分けてフィルムを作成しても良い。
セルロースアシレートの合成方法は、右田伸彦他、木材化学180ないし190頁(共立出版、1968年)などに記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相アシル化法である。具体的には、綿花リンターや木材パルプ等のセルロース原料を適当量のカルボン酸(必要に応じて、水、硫酸などを含んでいても良い)で前処理した後、アシル化剤混液を投入してエステル化し、セルロースアシレートを合成する方法である。上記アシル化剤混液は、一般に溶媒としての酢酸またはカルボン酸、エステル化剤としてのカルボン酸無水物、および、プロトン酸またはルイス酸触媒(硫酸、過塩素酸、リン酸、塩化亜鉛、塩化スルフリルなど)を含む。カルボン酸無水物は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが好ましい。触媒の量はセルロース100重量に対して0.5ないし25重量部であることが好ましい。
反応温度は目的とするセルロースアシレートの特性に応じて任意に選択することができるが、−30℃ないし70℃であることが好ましく、−20℃ないし60℃であることが好ましく、−10℃ないし50℃であることが特に好ましい。反応温度は反応の段階に応じて変化させても良い。反応温度の調節は、アシル化剤混液の温度や反応容器の温度制御で行うことができる。
反応完了の際の2位、3位および6位のアシル置換度の合計は、ほぼ3.00に近い高置換度であることが好ましく、これより低い置換度のセルロースアシレートは、後述のいわゆる熟成工程を経ることにより得ることができる。
アシル化反応の終了後に、残存している過剰のカルボン酸無水物の加水分解およびエステル化触媒の一部または全部の中和のために、水や中和剤(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛などの炭酸塩、カルボン酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩など)、水酸化物または酸化物)またはその溶液を添加してもよい。
得られたセルロースアシレートは、少量の酸触媒(一般には、残存する硫酸や過塩素酸などの酸触媒)の存在下で−10℃ないし90℃に保つことにより、エステル結合の加水分解(ケン化)ならびにエーテル結合の解重合を行い、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートに至るまで加水分解させること(いわゆる熟成)が好ましく行われる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全または部分的に中和するか、あるいは中和することなく、水または適切な有機溶媒中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または適切な有機溶媒を投入)してセルロースアシレートを沈殿させ、洗浄を行うことによりセルロースアシレートを得ることができる。
副生するセルロース硫酸エステルの分解や、残存する酸の中和を目的に、安定化剤(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛などの炭酸塩、酢酸塩、水酸化物または酸化物)の水溶液による処理を行うことが好ましい。
6位置換度の大きいセルロースアシレートの合成については、特開平11−5851号、特開2002−212338号や特開2002−338601号などに記載がある。
セルロースアシレートの他の合成法としては、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、t−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下に、カルボン酸ハライドと反応させる方法、アシル化剤として混合酸無水物(カルボン酸・トリフルオロ酢酸混合無水物、カルボン酸・メタンスルホン酸混合無水物など)を用いる方法も用いることができ、特に後者の方法は、炭素数の多いアシル基や、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相アシル化法が困難なアシル基を導入する際には有効である。
セルロース混合アシレートを得る方法としては、アシル化剤として2種のカルボン酸無水物を混合または逐次添加により反応させる方法、2種のカルボン酸の混合酸無水物(例えば、酢酸・プロピオン酸混合酸無水物)を用いる方法、カルボン酸と別のカルボン酸の酸無水物(例えば、酢酸とプロピオン酸無水物)を原料として反応系内で混合酸無水物(例えば、酢酸・プロピオン酸混合酸無水物)を合成してセルロースと反応させる方法、置換度が3に満たないセルロースアシレートを一旦合成し、酸無水物や酸ハライドを用いて、残存する水酸基を更にアシル化する方法などを用いることができる。
セルロースアシレートから低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、硫酸触媒を用いて低分子成分の少ないセルロースシレテートを製造する場合、アシル化反応における硫酸触媒量を、セルロース100重量に対して0.5ないし25重量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、好ましい分子量分布を有する(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明に使用するこれらセルロースアシレートの、原料綿や合成方法については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7頁ないし12頁にも詳細に記載されている。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、平均重合度150ないし700、好ましくは180ないし550、更に好ましくは200ないし400であり、特に好ましくは平均重合度200ないし350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105ないし120頁、1962年)、ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)による分子量分布測定などの方法により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造に使用されるセルロースアシレートは、その含水率が2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.7質量%以下であることが特に好ましい。一般に、セルロースアシレートは水を含有しており、その平衡含有率は2.5ないし5質量%であることが知られている。本発明においてセルロースアシレートの含水率を好ましい量に調整するためには、セルロースアシレートを乾燥することが好ましい。乾燥の方法については、目的とする含水率が得られるのであれば特に限定されない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。『実質的に』とは、ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。フィルム製造の原料としては、セルロースアシレートが粒子状または粉末状であることが好ましい。セルロースアシレートが粒子状であるとき、使用する粒子の90質量%以上は、0.5ないし5mmの粒子径を有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1ないし4mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
次に、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解縮合物について詳細に説明する。該加水分解縮合物は、本発明のセルロースアシレートフィルム中では、加水分解、縮合して得られる縮合物または部分縮合物がフィルム中で構造体を形成したり、結合剤として機能することで、フィルムの湿度膨張を抑制して、レターデーションの湿度依存性を低下させる働きをすると考えられる。セルロースアシレートにアシル化されていない水酸基が存在するときは、反応性金属化合物との間に結合を形成させてもよい。なお、本発明において、金属とは、「周期表の化学」岩波書店 、斎藤一夫著、71頁に記載の金属すなわち半金属性原子を含む元素を表す。
本発明に用いられる加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物としては、例えば金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属アシルオキシドなどが挙げられ、これらの金属は反応性の置換基の他に、炭化水素基(例えば、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロ環基など)を有していても良い。
好ましくい金属種はケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンおよびゲルマニウムから選ばれるものであり、更に好ましくはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンであり、特に好ましい金属種はケイ素である。本発明のフィルムは複数の金属種を含んでいても良いが、ケイ素を含有する化合物のモル含率が50%以上100%以下であることが好ましく、70%以上100%以下であることが好ましく90%以上100%以下であることが特に好ましい。
本発明に用いられる加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物で、加水分解可能な置換基が該金属1原子当たり2個である化合物の例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、バリウムイソプロポキシド、カルシウムエトキシド、銅エトキシド、マグネシウムエトキシド、マンガンメトキシド、ストロンチウムイソプロポキシド、すずエトキシド、亜鉛メトキシエトキシド、などが挙げられる。
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり3個である化合物の例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウム−s−ブトキシド、アルミニウム−t−ブトキシド、アルマトラン、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、ビスマス−t−ペントキシド、クロムイソプロポキシド、エルビウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシド、インジウムメトキシエトキシド、鉄エトキシド、ランタンイソプロポキシド、ネオジウムメトキシエトキシド、プラセオジムメトキシエトキシド、サマリウムイソプロポキシド、バナジウムトリイソブトキシドオキシド、イットリウムイソプロポキシド等が挙げられる。
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり4個である化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオニルオキシシラン、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn−ブトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、テトラメトキシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、テトライソプロポキシゲルマン、テトラn−ブトキシゲルマン、セリウムt−ブトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムn−ブトキシド、テルルエトキシド等が挙げられる。
加水分解可能な置換基が金属1原子当たり5個である化合物の例としては、モリブデンエトキシド、ニオブエトキシド、ニオブn−ブトキシド、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルn−ブトキシド、タングステンエトキシド、タングステンフェノキシド等が挙げられる。
本発明においては、加水分解可能な置換基が金属1原子当たり2個以上5個以下である化合物を用いることが好ましい。
本発明において反応性金属化合物としては、金属酸化物になった際に400nm以上の可視部に吸収を持たない金属化合物が好ましく、より好ましくはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンの化合物であり、またこれらの複核化合物でも良い。
複核化合物とは、一分子中に複数の金属原子を含む化合物であり、アルミニウム銅アルコキシド、アルミニウムチタンアルコキシド、アルミニウムイットリウムアルコキシド、アルミニウムジルコニウムアルコキシド、バリウムチタンアルコキシド、バリウムジルコニウムアルコキシド、インジウムスズアルコキシド、マグネシウムアルミニウムアルコキシド、マグネシウムチタンアルコキシド、マグネシウムジルコニウムアルコキシド、ストロンチウムチタンアルコキシド、ストロンチウムジルコニウムアルコキシド等が挙げられる。
本発明において反応性金属化合物はケイ素化合物であるであることが特に好ましい。
一般的には式(R)4Siで表される化合物が好ましく用いられる。式中、Rは炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基で、これらの基は置換基を有していても良い)、アルコキシル基、オキシアシル基あるいはハロゲン原子を表す。1分子中の4個のRはこの定義の範疇であれば互いに同じであっても異なっていても良く、自由に組み合わせて選択することができるが、4個のRのうち少なくとも1つはアルコキシル基、オキシアシル基あるいはハロゲン原子を表す。好ましくは1分子中に同時に存在する炭化水素基は2つ以下である。
これらのケイ素化合物の中で、アルコキシシラン類が特に好ましく用いられる。例としては、一般式Si(OR1x(R24-xで表されるアルコキシシランである。ここで、xは2、3又は4を表す。xは3又は4であることが好ましい。
かかるアルコキシシラン中のR1 は、炭素数1ないし5のアルキル基または炭素数1ないし4のアシル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。また、R2 は、炭素数1ないし10の有機基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−デシル基、フェニル、ビニル基、アリル基等などの無置換の炭化水素基、γ−クロロプロピル基、CF3CH2−、CF3CH2CH2−、C37CH2CH2CH2−、H(CF24CH2OCH2CH2CH2−、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
これらのアルコキシシランの具体例を以下に示す。
x=4のもの(以下4官能オルガノシランと称す)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることができる。
x=3のもの(以下3官能オルガノシランと称す)としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2Si(OCH33、C25CH2CH2Si(OCH33、C25OCH2CH2CH2Si(OCH33、C37OCH2CH2CH2Si(OC2H5)3、(CF32CHOCH2CH2CH2Si(OCH33、C49CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、H(CF24CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3,3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
x=2のもの(以下2官能オルガノシランと称す)としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH22Si(OCH32、(C37OCH2CH2CH22Si(OCH32、[H(CF26CH2OCH2CH2CH22Si(OCH32、(C25CH2CH22Si(OCH32などを挙げる事ができる。
反応性金属化合物は、セルロースアシレート固形分100重量部に対して、5〜50重量部使用することが好ましく、10〜40重量部使用することがより好ましく、15〜35重量部使用することが特に好ましい。
上記のオルガノシランは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。後者の場合は、オルガノシランの総量を使用量とする。
本発明のセルロースアシレートを作製するためには、セルロースアシレートと無機高分子を共存させることが必須であり、いわゆる有機−無機ポリマーハイブリッドまたは有機−無機ポリマーコンポジットまたはゾル・ゲル法などと呼ばれる手法が用いてフィルムが作成される。
即ち、本発明のセルロースアシレートおよび加水分解重縮合可能な反応性金属化合物の溶液に、ゾル・ゲル法を適用し加水分解重縮合をおこなわせるため、必要に応じて水と触媒、その他の添加剤を加え、加水分解と縮合反応を実施する。
この組成物を基材上に押し出しあるいは流延して製膜、乾燥し、その後、必要に応じて、熱処理、紫外線処理、或いはプラズマ処理等を行うことにより、反応性金属化合物の加水分解と縮合の進んだセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、延伸してもよい。テンター乾燥装置としては、ピンテンター方式またはクリップテンター方式のいずれでもよく、液晶表示装置用のセルロースエステルフィルムとしては、テンター乾燥装置を使用して、0.5ないし5%程度横方向に延伸するのが好ましい。また、乾燥を行った後に、TgないしTgを上回る温度雰囲気下で延伸を行うこともできる。本発明の加水分解と縮合反応は、ドープを調整してから、フィルムの乾燥が終了するまでの間の任意の場所で、一段階または多段階で行えばよく、特にフィルムが乾燥工程にあるときにその熱を利用して縮合反応を実施させることが好ましい。また、フィルムを後加熱するアニーリングを行ってもよい。
本発明においては、反応性金属化合物の加水分解/部分縮合反応を促進する目的で、種々の触媒化合物を好ましく用いることができる。用いられる触媒は特に制限はなく、構成成分に応じて適量を使用すれば良い。
一般に有効であるのは下記(b1)ないし(b5)の化合物であり、これらの中から好ましい化合物を必要量添加することができる。また、これらの群の中2種以上を互いの促進効果が阻害されない範囲内で適宜選択して併用することができる。
(b1)有機または無機の酸
無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)を挙げることができる。
(b2)有機または無機の塩基
無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)、金属アルコキシド(ナトリウムメチラート、カリウムエチラートなど)を挙げることができる。
(b3)金属キレート化合物
一般式R10OH(式中、R10は炭素数1ないし6のアルキル基を示す)で表されるアルコールとR11COCH2COR12(式中、R11は炭素数1ないし6のアルキル基、R12は炭素数1ないし5のアルキル基または炭素数1ないし16のアルコキシ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。
本発明の金属キレート化合物として特に好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有するものであり、一般式Zr(OR10p1(R11COCHCOR12p2(p1及びp2は0〜4の整数であり、その総和は4である。)、Ti(OR10q1(R11COCHCOR12q2(q1及びq2は0〜4の整数であり、その総和は4である。)およびAl(OR10r1(R11COCHCOR12r2(r1及びr2は0〜3の整数であり、その総和は3である。)で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記(a)成分の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR10およびR11は、同一または異なってもよく炭素数1ないし6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R12 は、前記と同様の炭素数1ないし6のアルキル基のほか、炭素数1ないし16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などである。また、金属キレート化合物中のp1ないしr2は4あるいは6座配位となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタンなどのチタンキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
本発明においては、触媒としてアルミニウムキレート化合物またはチタンキレート化合物を用いることが更に好ましい。
(b4)有機金属化合物
好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが有機遷移金属が活性が高く、好ましい。中でもスズの化合物は安定性と活性が良く特に好ましい。これらの具体的化合物例としては、(C492Sn(OCOC11232、(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8172Sn(OCOC11232、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC492、Sn(OCOCC8172などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C492Sn(SCH2COOC8172、(C492Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2CH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2COOC12252等のメルカプチド型やスルフィド型の有機スズ化合物、(C492SnO、(C8172SnO、または(C492SnO、(C8172SnOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物などを挙げることができる。
(b5)金属塩類
金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
ゾル・ゲル触媒化合物の組成物中の割合は、原料である反応性金属化合物に対し、0.01ないし50質量%、好ましくは0.1ないし50質量%、さらに好ましくは0.5ないし10質量%である。
触媒は加水分解、縮合を行ったフィルムから除去しても、除去しなくても良く、酸触媒または塩基触媒を用いる場合には中和をしてもよい。揮発性の触媒を減圧下で除去してもよいし、適切な有機溶媒、水溶媒あるいは洗浄剤による洗浄等の手段により除去してもよい。
本発明においては、反応性金属化合物の加水分解・縮合反応用として水を添加する。水の使用量は、反応性金属化合物の加水分解可能な基あたり、通常、1.2ないし3.0当量、好ましくは1.3ないし2.0当量程度であるが、セルロースアシレートの飽和含水量として含まれる水分や環境中の水分を利用して、実質的に水を添加しなかったり、水の添加量を低下させることもできる。
加水分解のために添加する触媒の量は、添加する反応性金属化合物のアルコキシ基に対する当量で、0.1〜20%であることが好ましく、0.5〜10%であることがより好ましく、1〜5%であることが特に好ましい。
加水分解と縮合反応の温度は実施可能な温度であれば特に限定されない。一般に反応温度が高いほど反応速度が速いので、反応温度に応じて反応が十分に進行するために十分な時間を取ることが好ましい。
ゾル・ゲル反応速度の調節や液安定性向上の観点でキレート配位能のある化合物を用いることも好ましい。好ましく用いられるものとしては一般式R10COCH2COR11で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類であり、本発明の組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記促進液中に存在する金属キレート化合物(好ましくはジルコニウム、チタンおよび/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物による反応性金属化合物の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる膜の硬化速度をコントロールするものと考えられる。R10およびR11は、前記金属キレート化合物を構成するR10およびR11と同義であるが、使用に際して同一構造である必要はない。
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。かかるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、金属キレート化合物1モルに対し2モル以上、好ましくは3ないし20モルであり、2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
本発明において、特定の置換度を満足することを特徴とするセルロースアシレートと、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解縮合物を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムが、湿度変化に対するレターデーション変化が少ない理由については、詳細は明らかではないが、以下のように考えることができる。
すなわち、セルロースアシレートフィルム中に反応性金属化合物の重合体または構造体を形成させることにより、吸湿によるフィルムの膨張が抑制され、結果として湿度変化に対するレターデーション変化が少なくなるものと考えられる。全置換度が2.5よりも低いセルロースアシレートを用いた場合には、セルロースアシレート自体の親水性が大きく、反応性金属化合物の重合体または構造体を形成させたとしても、その効果は十分には発現されないと考えられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁ないし22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
次に、本発明のセルロースアシレートを溶解する有機溶媒について記述する。
本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延し、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは有機溶媒は特に限定されない。好ましい溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素系有機溶剤、ならびに非塩素系有機溶媒を挙げることができる。
本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3ないし12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3ないし12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3ないし12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3ないし12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロースアシレートに用いられる有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは以下のとおりである。すなわち、本発明のセルロースアシレートの好ましい混合溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が4ないし7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1ないし10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、より好ましくは炭素数1ないし8のアルコールである。なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチル、アセトン、ギ酸メチル、ギ酸エチルあるいはこれらの混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましく、これらの混合液であってもよい。
第3の溶媒であるアルコールは、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級ないし第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20ないし95質量%、第2の溶媒が2ないし60質量%さらに第3の溶媒が2ないし30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30ないし90質量%であり、第2の溶媒が3ないし50質量%、さらに第3のアルコールが3ないし25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30ないし90質量%であり、第2の溶媒が3ないし30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3ないし15質量%含まれることが好ましい。なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20ないし90質量%、第3の溶媒が5ないし30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30ないし86質量%であり、さらに第3の溶媒が7ないし25質量%含まれることが好ましい。以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の12頁ないし16頁に詳細に記載されている。本発明の好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロピルアルコール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロピルアルコール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール (70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール (60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブチルアルコール/シクロヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール (65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
・1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール (55/20/10/5/5/5、質量部)
などをあげることができる。
更に下記の方法でセルロースアシレート溶液を調製することもできる。
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製し、ろ過・濃縮後に2質量部のブタノールを追加添加
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(84/10/4/2、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製しろ過・濃縮後に4質量部のブタノールを追加添加
・酢酸メチル/アセトン/エタノール(84/10/6、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製しろ過・濃縮後に5質量部のブタノールを追加添加
本発明において用いるドープには、上記の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
また、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いることができる。本発明においては、セルロースアシレートを溶解した後、流延し、製膜できる範囲において、その塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが好ましい。本発明において併用される非塩素系有機溶媒について以下に記す。すなわち、好ましい非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3ないし12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3ないし12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3ないし12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3ないし12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級ないし第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロースアシレートに用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4ないし7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1ないし10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明の好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロピルアルコール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロピルアルコール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール (70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール (60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブチルアルコール/シクロヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール (65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
などをあげることができる。
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に10ないし30質量%溶解している溶液であることを特徴とするが、より好ましくは13ないし27質量%であり、特には15ないし25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9ないし14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
本発明はセルロースアシレート溶液に加水分解重縮合可能な反応性金属化合物、ゾル・ゲル法を適用し加水分解重縮合を行わせるための水・触媒ならびに必要な添加剤を加え、加水分解と縮合反応を起こさせる。これらの素材の添加時期、添加量、添加順序は目的に応じて任意に選択でき、加水分解と縮合反応を流延前の組成物の状態で部分的に進行させてから流延を行い、後工程で反応を完結しても、実質的に組成物の状態では反応を進行させず、後工程で反応を完結しても良い。
本発明においてセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301、特開昭61−106628、特開昭58−127737、特開平9−95544、特開平10−95854、特開平10−45950、特開2000−53784、特開平11−322946、さらに特開平11−322947、特開平2−276830、特開2000−273239、特開平11−71463、特開平04−259511、特開2000−273184、特開平11−323017、特開平11−302388などにセルロースアシレート溶液の調製法、が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の22頁ないし25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮、ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明においてセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instruments社製)を用いて測定した。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃ないし−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n*(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率G’(Pa)を求めた。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始した。本発明では、40℃での粘度が1ないし400Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上が好ましく、より好ましくは40℃での粘度が10ないし200Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が100ないし100万Paが好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万ないし100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万ないし500万Paであることが好ましい。
次に、本発明におけるセルロースアシレートフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルロースアシレートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の25頁ないし30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50ないし50℃であることが好ましい。更には−30ないし40℃であることが好ましく、特には−20ないし30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0ないし70%RHが好ましく、さらには0ないし50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50ないし130℃であり、好ましくは−30ないし25℃であり、更には−20ないし15℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
本発明においてその各層の内容と流延については、特に以下の構成が好ましい。すなわち、セルロースアシレート溶液が25℃において、少なくとも一種の液体又は固体の可塑剤をセルロースアシレートに対して0.1ないし20質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の液体又は固体の紫外線吸収剤をセルロースアシレートに対して0.001ないし5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の固体でその平均粒径が5ないし3000nmである微粒子粉体をセルロースアシレートに対して0.001ないし5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシレートに対して0.001ないし2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の剥離剤をセルロースアシレートに対して0.0001ないし2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の劣化防止剤をセルロースアシレートに対して0.0001ないし2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の光学異方性コントロール剤をセルロースアシレートに対して0.1ないし15質量%含有していること、及び/又は少なくとも一種の赤外吸収剤をセルロースアシレートに対して0.1ないし5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液およびそれから作製されるセルロースアシレートフィルムであって、(b)一般式(1)で表される芳香族ビニル化合物を少なくとも1種含有するモノマーを重合させたホモポリマーまたはコポリマーとを含有することが好ましい。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び/又は逐次共流延しても良い。2層以上からなる流延工程を有する場合は、作製されるセルロースアシレート溶液及びセルロースアシレートフィルムにおいて、各層の塩素系溶媒の組成が同一であるか異なる組成のどちらか一方であること、各層の添加剤が一種類であるかあるいは2種類以上の混合物のどちらか一方であること、各層への添加剤の添加位置が同一層であるか異なる層のどちらか一方であること、添加剤の溶液中の濃度が各層とも同一濃度であるかあるいは異なる濃度のどちらか一方であること、各層の会合体分子量が同一であるかあるいは異なる会合体分子量のどちらか一方であること、各層の溶液の温度が同一であるか異なる温度のどちらか一方であること、また各層の塗布量が同一か異なる塗布量のどちらか一方であること、各層の粘度が同一であるか異なる粘度のどちらか一方であること、各層の乾燥後の膜厚が同一であるか異なる厚さのどちらか一方であること、さらに各層に存在する素材が同一状態あるいは分布であるか異なる状態あるいは分布であること、各層の物性が同一であるかあるいは異なる物性のどちらか一方であること、各層の物性が均一であるか異なる物性の分布のどちらか一方であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液及びその溶液から作製されるセルロースアシレートフィルムであることも好ましい。ここで、物性とは発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の6頁ないし7頁に詳細に記載されている物性を含むものであり、例えばヘイズ、透過率、分光特性、レターゼーションRe、同Rth、分子配向軸、軸ズレ、引裂強度、耐折強度、引張強度、巻き内外Rt差、キシミ、動摩擦、アルカリ加水分解、カール値、含水率、残留溶剤量、熱収縮率、高湿寸度評価、透湿度、ベースの平面性、寸法安定性、熱収縮開始温度、弾性率、及び輝点異物の測定などであり、さらにはベースの評価に用いられるインピーダンス、面状も含まれるものである。また、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることが出来る。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3ないし20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の30頁ないし32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10ないし1000Kev下で20ないし500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30ないし500Kev下で20ないし300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行う。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、5秒以上5分以下がさらに好ましく、20秒以上3分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。 また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフィルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の32頁ないし45頁に詳細に記載されている。
本発明で作製されたセルロースアシレートの用途について簡単に述べる。本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途に用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90ないし360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300ないし1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。以上述べてきたこれらの詳細なセルロースアシレートフィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の45頁ないし59頁に詳細に記載されている。
以下に実施例により本発明のセルロースアシレートについての具体的な実施態様を記述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
セルロースアシレートフィルムの製膜を以下の(1)〜(3)の工程で実施した。
(1)セルロースアシレートの調製
表1に記載のアシル基の種類、置換度の異なるセルロースアシレートを調製した。これは、セルロース、カルボン酸無水物、触媒として硫酸、溶媒としてのカルボン酸より、0−40℃でアシル化反応を行い、カルボン酸無水物の種類と量とを調整することで、アシル基の種類、置換比の異なるセルロースアシレートを調整した。全置換度については、アシル化後で熟成条件(時間と温度)により調整を行った。
得られたセルロースアシレートについて、ASTM:D−817−91(セルロースアセテートなどの試験方法)のアセチル化度の測定法に準じて全アシル化度を測定した。また、13C−NMR(プロトン完全デカップリング・定量モード)により、アセチル基とそれ以外のアシル基の置換比を求めた。更にGPCによって分子量分布の測定を行い、その結果を表1に記載した。
(2)セルロースアシレートの溶解
(a)溶剤
下記溶剤から選択し、表1に記載した。
・非塩素系(1):酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール
(80/5/7/5/3、質量部)
・非塩素系(2):酢酸メチル/エタノール
(300/45、質量部)
・塩素系:ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール
(85/6/5/4、質量部)
(b)セロースアシレート溶液
送風乾燥によって含水率を0.5%以下とした後、表1記載のセルロースアシレートを上記溶剤に対し25wt%となるようにセルロースアシレート溶液(ドープ)を調製した。
(c)添加剤
下記添加剤を上記ドープに添加した。
・可塑剤A:リン酸トリフェニル(3重量%)
・可塑剤B:リン酸ビフェニルジフェニル(1wt%)
・UV剤a:2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(0.5wt%)
・UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(0.2wt%)
・UV剤c:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(0.1wt%)
・クエン酸エチルエステル(モノエステルとジエステルが1:1混合、0.2wt%)
※上記添加量(wt%)は全てセルロースアシレートに対する割合である。
(d)膨潤・溶解
これらのセルロースアシレート、溶剤、添加剤を溶剤中に撹拌しながら投入した。投入が終わると撹拌を停止し、25℃で3時間膨潤させスラリーを作成した。これを再度撹拌し、完全にセルロースアシレートを溶解した。
(e)反応性金属化合物と水、触媒の添加
上記セルロースアシレート溶液に、反応性金属化合物、水、触媒を添加し、40℃で4時間攪拌した。表1に記載の種類と量を示す。表中に記載の反応性金属化合物の添加量(重量%)は全てセルロースアシレートに対する割合である。また、表中に記載の水および触媒の添加量は、反応性金属化合物のアルコキシ基に対する当量である。
A)反応性金属化合物
A−1 テトラエトキシシラン
A−2 メチルトリメトキシシラン
A−3 フェニルトリメトキシシラン
A−4 ヘキシルトリメトキシシラン
A−5 ジメチルジメトキシシラン
B)触媒
B−1 塩酸
B−2 酢酸
B−3 エチルアセトアセトナトアルミニウムジイソプロポキシド
(f)ろ過・濃縮
この後、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)でろ過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過した。
Figure 2005232329
(3)未延伸フィルムの製膜
上述のドープを35℃に加温し、下記いずれかの方法で流延した(表1に記載)。
(a)バンド法
ギーサーを通して、15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。使用したギーサーは、特開平11−314233号に記載の形態に類似するものを用いた。なお流延スピードは60m/分でその流延幅は250cmとした。
残留溶剤が100wt%で剥ぎ取った後、40℃から120℃の間を昇温(除昇温)した後、120℃で5分、更に145℃で20分乾燥してセルローストリアシレートフィルムを得た。得られたフィルムは両端を3cmトリミングした後、両端から2ないし10mmの部分に高さ100μmのナーリングを付与し、3000mロール状に巻き取った。
(b)ドラム法
ギーサーを通して、−15℃に設定した直径3mの鏡面ステンレスのドラムに流延した。使用したギーサーは、特開平11−314233号に記載の形態に類似するものを用いた。なお流延スピードは100m/分でその流延幅は250cmとした。
残留溶剤が200wt%で剥ぎ取った後、40℃から120℃の間を昇温(除昇温)した後、120℃で5分、更に145℃で20分乾燥した後に徐冷し、セルローストリアシレートフィルムを得た。得られたフィルムは両端を3cmトリミングした後、両端から2ないし10mmの部分に高さ100μmのナーリングを付与し、3000mロール状に巻き取った。
(4)未延伸フィルムの特性評価
25℃10%Rhと25℃80%Rhとの環境変化に伴うReならびにRthの変動を測定し、表1に記載した。
本発明の範囲外である、アシル化度が2.5未満のセルロースアシレートから作成された試料番号1、2のフィルムは、本発明の反応性金属化合物と組み合わせても、湿度に対するレターデーション変化が大きいことが分かる。また、アシル化度が2.5以上のセルロースアシレートから作成したフィルムについても、本発明の反応性金属化合物を添加しない場合には、レターデーション変化がRe、Rthとも大きく、良好な光学フィルムを得ることはできない。
これに対し、アシル化度が2.5以上のセルロースアシレートと、本発明の反応性金属化合物と組み合わせて作成した本発明のフィルムは、良好な特性を示した。
(実施例2)
実施例1の未延伸フィルムNo.1〜23を延伸し、それぞれのセルロースアシレートフィルムのTgより10℃高い温度で100%/秒で50%MD延伸、20%/秒で50%TD延伸した。延伸方法として、縦横同時に延伸する同時2軸延伸を行い、実施例1と同様にRe、Rthおよびこれらの湿度依存性を測定したところ、本発明のフィルムは良好な特性を示した。
さらに、上記のような製膜乾燥後に延伸する方法以外にも、製膜中の未乾燥状態(剥ぎ取り後の除昇温終了直後)に延伸することも行ったが、同様に本発明のフィルムは良好な特性を示した。
(実施例3)
偏光板の作成と特性評価を以下のように行った。
(1)セルロースアシレートフィルムの鹸化
未延伸、延伸セルロースアシレートフィルムを下記のいずれかの方法で鹸化を行い、表2に記載した。
(a)塗布鹸化
イソプロピルアルコール80重量部に水20重量部を加え、これに水酸化カリウムを1.5規定となるように溶解し、これを60℃に調温したものを鹸化液として用いた。これを60℃のセルロースアシレートフィルム上に10g/m2塗布し、1分間鹸化した。
この後、50℃の温水をスプレーを用い、10l/m2・分で1分間吹きかけ洗浄した。
(b)浸漬鹸化
水酸化ナトリウムの1.5規定水溶液を鹸化液として用いた。
これを60℃に調温し、セルロースアシレートフィルムを2分間浸漬した。
この後、0.1規定の硫酸水溶液に30秒浸漬した後、水洗浴を通した。
(2)偏光層の作成
特開2001−141926の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光層を調製した。
(3)貼り合わせ
このようにして得た偏光層と、上記鹸化処理した未延伸、延伸セルロースアシレートフィルムのうちから2枚選び、これらで上記偏光層を挟んだ後、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とセルロースアシレートフィルムの長手方向が90度となるように張り合わせた。このうち未延伸、延伸セルロースアシレートフィルムを特開2000−154261号公報の図2ないし9に記載の20インチVA型液晶表示装置液晶表示装置に25℃60%rh下で取り付けた後、これを25℃10%rhの中に持ち込み、目視で色調変化の大小を10段階評価(大きいものほど変化が大きい)で評価し、表示むらの発生している領域を目視で評価し、それが発生している割合(%)を表2に記載した。本発明を実施した表示装置は、良好な性能が得られた。
特開2002−86554の実施例1に従い、テンターを用い延伸軸が斜め45度となるように延伸した偏光板についても同様に本発明のセルロースアシレートフィルムを用い作成したが、上記同様良好な結果が得られた。
Figure 2005232329
(実施例4)
光学補償フィルムの作成と評価を行った。
特開平11−316378号の実施例1の液晶層を塗布したセルロースアセテートフィルムの代わりに、本発明の鹸化済みの延伸セルロースアシレートフィルムを使用し、これを、特開2002−62431の実施例9に記載のベンド配向液晶セルに25℃60%rh下で取り付けた後、これを25℃10%rhの中に持ち込み、コントラストの変化を目視評価し、色変化の大小を10段階評価(大きいものほど変化が大きい)し、表3に記載した。本発明を実施したものは良好な性能が得られた。
Figure 2005232329
さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムを発明協会公開技報(公技番号2001−1745)の実施例47に従い本発明の延伸、未延伸セルロースアシレートフィルムを用いて低反射フィルムを作成したところ、良好な光学性能が得られた。

Claims (7)

  1. 下記の置換度を満足することを特徴とするセルロースアシレートと、加水分解と重縮合が可能な反応性金属化合物の加水分解縮合物を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
    2.5≦A+B≦3.0
    0≦A≦2.95
    ただし、Aはアセチル基の置換度を表し、Bはアセチル以外のアシル基の置換度の総和を表す。
  2. セルロースアシレートが下記の置換度を満足する請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
    2.5≦A+B≦3.0
    0.5≦A≦2.95
  3. 反応性金属化合物が、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンおよびゲルマニウムから選択される元素を含有する化合物である請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 反応性金属化合物において、ケイ素を含有する化合物のモル含率が50%以上100%以下である請求項1〜3いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 反応性金属化合物の加水分解と縮合の触媒として、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物を用いる請求項1〜4いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 面内のレターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)が、下記式を満足する請求項1〜5いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム。
    Rth≧Re
    200≧Re≧0
    500≧Rth≧20
  7. 25℃10%Rhと25℃80%Rhとの環境変化に伴うReならびにRthの変動が、0nm以上40nm以下である請求項1〜6いずれか1つに記載のセルロースアシレートフィルム。
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