JP2010007009A - カルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アシル基置換度の高いカルボシキメチルセルロースアシル化物を簡易なプロセスにより高収率で得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】カルボキシメチルセルロースとエステル化合物とを反応させて得ることを特徴とするカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明はカルボキシアルキルセルロースアシル化物の製造方法に関する。より詳細には、カルボキシアルキルセルロースの高置換度のアシル化物が得られることを特徴とする製造方法に関する。
セルロースの代表的なエステル化方法としては、無水酢酸をエステル化剤とし、硫酸を触媒とする酢酸セルロースの製造方法が挙げられる。得られる酢酸セルロースは、高置換度であり、必要に応じて加水分解をさせることで任意の置換度に調整することが可能である(特許文献1)。
一方、セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースナトリウムをアシル化する場合、アシル化剤である無水酢酸の反応効率が悪く、高置換度のカルボキシメチルセルロースアセテートを得ることは困難である。
そこで、高置換度のカルボキシメチルセルロースアシル化物を得る製造方法としては、反応効率の観点から、末端カルボン酸ナトリウムをカルボン酸型に置換してからアシル化反応を行う方法が挙げられる。すなわち、カルボキシアルキルセルロースナトリウムを硫酸や塩酸などの強酸を用いてナトリウム塩を酸型に置換してから、水洗浄を行った後、溶媒置換をした上で硫酸を触媒とし、酸無水物をアシル化剤としてアシル化する方法が広く用いられている(特許文献2)。
しかし、上記のカルボン酸型に置換する工程を経る製造方法では、多段階工程であり、工程時間が長く収率が低下するため、工業化には不向きであった。
また、別の製造方法としては、セルロースエステルをアルカリ条件下でカルボキシメチルエーテル化する方法が挙げられる。
しかし、上記のアルカリ条件下のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法では、エステル基の加水分解速度がカルボキシメチルエーテル化速度よりも速いため、高置換度のカルボキシメチルセルロースアシル化物を製造することは困難であった(非特許文献1)。
特開昭56−59801公報 国際公開US4520192号パンフレット Holzforschung、1973年、第27巻、第2号、68〜70頁
本発明は、アシル基置換度の高いカルボシキメチルセルロースのアシル化物を簡易なプロセスにより高収率で得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、カルボキシメチルセルロースの遊離酸またはそのナトリウム塩に高収率で直接アシル化反応させることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、カルボキシメチルセルロースのアシル化物の製造方法において、カルボキシメチルセルロースと下記一般式(1)で表されるエステル化合物とを反応させて得ることを特徴とするカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法である。
Figure 2010007009
[式(1)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。R2、R3、R4は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。]
本発明のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法は、カルボキシメチルセルロースの遊離酸またはそのナトリウム塩を直接アシル化する簡易なプロセスにより高収率で得ることができ、かつ得られたカルボキシメチルセルロースアシル化物は高置換度である。
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明のカルボキシメチルセルロースのアシル化物(B)の製造方法は、下記一般式(1)で表されるエステル化合物(C)とカルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金属塩(A)を反応させて得ることを特徴とする製造方法である。
Figure 2010007009
[式(1)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。]
本発明に使用されるカルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金属塩(A) (以下、「カルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金属塩」を単に「カルボキシメチルセルロース」と略称することもある。)は、セルロースの水酸基にカルボキシメチル基が導入されたセルロース誘導体であり、市販品のみならず、公知の方法で作成し、それをそのまま本発明の製造方法で使用してもよい。なお、カルボキシメチル基の部分は、遊離酸であってもいいし、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩であってもよい。
カルボキシメチルセルロースはセルロースを出発原料とし、この無水グルコースユニットあたり3個存在する水酸基を、アルカリ条件下でモノクロロ酢酸もしくはモノクロロ酢酸ナトリウムでエーテル化反応させることでカルボキシメチル基を導入して、まず末端カルボキシル基がナトリウム塩型であるカルボキシメチルセルロースナトリウムを得る。
通常、カルボキシメチル置換度は0.5〜2.4であり、それらの置換基のうち、末端がカルボン酸であるカルボキシルメチル基と、アルカリ金属塩型であるカルボキシメチル基とを混在していてもよい。
カルボキシメチルセルロースをアシル化するために本発明で用いられるエステル化合物(C)は、糖類の水酸基と反応し、糖類のアシル化物とビニルアルコールや2−プロペニルアルコールなどを生成する。
生成したビニルアルコールや2−プロペニルアルコールは、それぞれ速やかにアセトアルデヒドやアセトンに異性化し非平衡反応となるため、過剰のアシル化剤を使用する必要がなく有用である。
エステル化合物(C)としては、上記一般式(1)で表される化合物である。
式中(1)のR1は、アルキル基、アルケニル基、またはアリール基であるが、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。なお、その一部がフッ素原子、水酸基、シアノ基等の官能基で置換されていてもよい。
式中(1)のR2、R3、R4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアリール基である。なお、その一部がフッ素原子、水酸基、シアノ基等の官能基で置換されていてもよい。
好ましくは水素原子あるいはメチル基である。
膨潤剤(D)は、カルボキシメチルセルロースの水素結合を切断しカルボキシメチルセルロースを膨潤させる役割を果たす。
このような膨潤剤(D)としては、アミン(D1)、アミド(D2)、スルホキシド(D3)、ケトン(D4)、ポリオキシエチレングリコールもしくはその誘導体(D5)、およびカルボン酸(D6)等がその役割を果たす。また、後述の塩(D7)とこれらの膨潤剤を組み合わせたの混合溶剤もさらに膨潤させる役割を果たす。
アミン(D1)の具体例としては、第一級の脂肪族アミン類(D11)[アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、等];第二級の脂肪族アミン類(D12)[ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、等];第三級の脂肪族アミン類(D13)[トリメチルアミン、トリエチルアミン、等]等が例示される。
さらに、芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(D14)(例えばアニリン、N,N−ジメチルアニリン等)、ピロリジン誘導体(D15)(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピロリドン等)、ピリジン誘導体(D16)(例えばピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等)、アミジン類(D17)(例えばイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン)等が例示される。
アミド(D2)の具体例としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルプロピオアミド等が例示される。この中でジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが入手しやすいことから好ましい。
スルホキシド(D3)の具体例としてはジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジi−プロピルスルホキシド、ジn−プロピルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メチルi−プロピルスルホキシド等を例示できるが、この中でジメチルスルホキシドが入手しやすいことから好ましい。
ケトン(D4)の具体例としてはアセトン、2−ブタノン、3−メチル−2−ブタノン等が挙げられる。この中でアセトンが入手しやすいことから好ましい。
ポリオキシエチレングリコール及びその誘導体(D5)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
カルボン酸(D6)の具体例としては、炭素数1〜18の非置換もしくは置換基を有するカルボン酸が挙げられる。この中で酢酸が入手しやすいことから好ましい。
塩(D7)の具体例としては、塩化リチウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。これらは(D1)〜(D6)と組み合わせることにより、膨潤効果をさらに高める。
本発明で、好ましい膨潤剤(D)としては、ピリジン誘導体(D16)、アミジン類(D17)、アミド(D2)、スルホキシド(D3)、カルボン酸(D6)、および塩(D7)との混合溶媒、さらに好ましくは、1−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混合溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシドとフッ化テトラブチルアンモニウムとの混合溶媒、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、特に好ましくは、1−エチル−2−メチルイミダゾール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジアザビシクロウンデセン、ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混合溶媒である。
本発明のアシル化反応には触媒を使用しても良い。触媒としては、ルイス酸、酵素等が使用可能である。
ルイス酸としてはスカンジウムトリフラート、イッテルビウムトリフラート、ハフニウムトリフラート、三フッ化ホウ素、トリスペンタフルオロフェニルボラン等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ等が挙げられる。
本発明のカルボキシメチルセルロースのアシル化物の製造方法における反応条件として、反応温度としては特に限定されることはないが、好ましくは30℃〜150℃ 、更に好ましくは60℃〜110℃の範囲である。前記範囲外でも製造できるが、前記下限値より低いと反応速度が低下し生産性が低下することがある。一方、前記上限値より高いと糖類が分解する恐れがある。
反応時間としては、特に限定されることはないが、通常、3時間〜60時間程度であり、好ましくは5時間〜50時間である。
本発明にて得られるかセルロースアシル化物は、通常、重量平均分子量が400,000以上である。従来のセルロースのアシル化物の製造方法では一般的に強酸を触媒として用いるため、セルロースの主鎖の切断が起こり、分子量が低下する。
本製造法においてセルロースの主鎖に、酢酸ビニルと同時もしくは前後して、紫外線吸収剤と光安定剤をエステル交換反応によって組み込むことにより高耐光性かつ高耐久性である酢酸セルロースを得ることができる。
紫外線吸収剤としては一般的に使用されるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系;光安定剤としてはヒンダードアミンを使用することができる。この中でベンゾフェノン系光安定剤をセルロース主鎖に組み込むと黄変の度合いが少ないため好ましい。
さらに、ビニルエステル化合物(C)として、R1としての炭素数3〜18までのアルキル基をもつビニルエステル(C1)と、カルボキシメチルセルロースとを反応させることにより、アルキル基をもつカルボキシメチルセルロースアシル化物が得られる。
このようなアルキル基をもつビニルエステル(C1)としては、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
本発明のカルボキシメチルセルロースアシル化物のアシル基置換度とは、カルボキシメチルセルロースの構成単位である無水グルコースユニットに存在する水酸基をアシル化反応させることにより置換されたアシル基の個数の平均値である。
アシル基置換度は、従来の方法と同等またはそれ以上であり、好ましくは0.4〜2.9、さらに好ましくは0.5〜2.9である。
アシル基置換度は、1H−NMRやけん化を行い測定することができる。
例えば、けん化法の場合、試料1gをフラスコに入れ、エタノール2mlを加え、よく湿潤させた後、アセトンを50ml加え、完全に溶解させる。次に撹拌しながら50mlの0.2mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加え、30分撹拌し、3時間放置する。再び撹拌しながら50mlの0.2mol/l塩酸溶液を加え、15分以上放置する。次に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、過剰な酸を0.2mol/l水酸化ナトリウム水溶液で淡紅色を示すまで滴定することでアシル基置換度を算出する。
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、カルボキシメチルセルロースナトリウムとして「CMCダイセル1390」(ダイセル化学工業(株)製、カルボキシメチル置換度=0.8)20重量部、酢酸ビニル35重量部、ジメチルアセトアミド60重量部、1−エチル−2−メチルイミダゾール20重量部をフラスコに仕込み、90℃で48時間加熱還流することで、カルボキシメチルセルロースアセテート溶液を得た。
50℃に温調した上記の粗カルボキシメチルセルロースアセテート溶液130重量部をイソプロパノール500重量部中に投入し、目的物質であるカルボキシメチルセルロースアセテートを析出させた。
ホモミキサーで10,000rpmで3分間破砕させることで析出物をイソプロパノール中に破砕分散させた後、ヌッチェを用い、減圧濾過することでカルボキシメチルセルロースアセテートと有機溶媒とに分離した。
得られた固形物はさらにイソプロパノール200重量部を加えて30分間撹拌することで洗浄し、上記と同様の方法で固液分離操作を行った。イソプロパノール洗−脱イソプロパノールの操作をさらに3回繰り返し、70℃で24時間減圧乾燥して、カルボキシメチルセルロースアセテート25.9重量部を得た。アシル基置換度は1.8であった。
実施例2
1−エチル−2−メチルイミダゾール20重量部を塩化リチウム6重量部にかえること以外は、実施例1と同様にして、反応および精製を行い、カルボキシメチルセルロースアセテート27.1重量部を得た。アシル基置換度は2.2であった。
実施例3
ジメチルアセトアミドをジメチルスルホキシドにかえ、1−エチル−2−メチルイミダゾールを使用しない以外は、実施例1と同様にして、反応および精製を行い、カルボキシメチルセルロースアセテート25.4重量部を得た。アシル基置換度は1.8であった。
実施例4
1−エチル−2−メチルイミダゾールを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、反応および精製を行い、カルボキシメチルセルロースアセテート25.4重量部を得た。アシル基置換度は1.8であった。
実施例5
酢酸ビニルをパルミチン酸ビニル85重量部にかえること以外は、実施例1と同様にして、反応および精製を行い、カルボキシメチルセルロースパルミチレート60.4重量部を得た。アシル基置換度は1.5であった。
実施例6
カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチル置換度=0.8)を、よりカルボキシメチル置換度の高いカルボキシメチルセルロース「アーネストガムFDM」(ダイセル化学工業(株)製、カルボキシメチル置換度=2.4)にかえること以外は、実施例2と同様にして、反応および精製を行い、カルボキシメチルセルロースアセテート19.8重量部を得た。アシル基置換度は、理論的には最大値0.6しかないのに対して0.5もあった。
比較例1
カルボキシメチルセルロース20重量部に濃硫酸2部を含む80部の氷酢酸を混合し、攪拌機付きの密閉容器中で、20℃の温度で3時間攪拌した。その後、さらに無水酢酸を60重量部添加し、攪拌混合した。内容物は反応により発熱したが、30〜35℃に調節し2時間攪拌し、カルボキシメチルセルロースアセテート18.4重量部を得た。アシル基置換度は0.2しかなかった。
比較例2
カルボキシメチルセルロース100重量部に、63%硝酸水溶液10部を含む400部のアセトンを混合し、攪拌機付きの密閉容器中で、20℃の温度にて、3時間攪拌した。その後、ヌッチェで濾過し、92%アセトン水溶液で3回洗浄しカルボキシメチル基末端が遊離カルボン酸である酸型カルボキシメチルセルロース80重量部を得た。
酸型カルボキシメチルセルロース80重量部に対して、硫酸8部を含む320部の氷酢酸を混合し、攪拌機付きの密閉容器中で、20℃の温度にて、3時間攪拌した。アシル化剤である無水酢酸を240重量部添加し、攪拌、混合した。内容物は反応により発熱したが、30〜35℃に調節し2時間攪拌した。このようにしてアセチル置換度2.1のカルボキシメチルセルロースアセテートを得た。アシル基置換度は2.1であった。
表1に得られたカルボキシメチルセルロースアシル化物の収率を示す。
カルボキシメチルセルロースアシル化物の収率は、過剰の仕込量のエステル化合物がカルボキシメチルセルロースと100%反応した場合の重量に対する、得られたカルボキシメチルセルロースアシル化物の重量から算出した。
収率(%)= (S×100)/T
但し、S:得られたカルボキシメチルセルロースアシル化物の重量
T:理論得量(過剰の仕込量のエステル化合物がカルボキシメチルセルロースと
100%反応した場合に得られるはずの計算重量)
なお、表1中の略号は以下の化合物を表す。
CMC:カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルボキシメチル基置換度:0.8)
FDM:カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルボキシメチル基置換度:2.4)
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMAc:ジメチルアセトアミド
EMI:1−エチル−3−メチルイミダゾール
LiCl:塩化リチウム
Figure 2010007009
表1で明らかなように、 実施例1〜6はいずれも、非常に高収率でカルボキシメチルセルロースアシル化物が得られる。
一方、アシル化剤である無水酢酸の反応効率が低い比較例1では、アシル基置換度が極度に低いカルボキシメチルセルロースアセテートしか得られない。また、カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基をカルボン酸型に置換してから反応させた比較例2では、多段階工程を必要とするため、カルボキシメチルセルロースアセテートの収率が低い。
本発明のカルボキシメチルセルロースアシル化物は、塗料、医薬品コーティング剤、粘度調製剤、乳化安定剤、バインダーなどに利用できる。

Claims (5)

  1. カルボキシメチルセルロース(A)のアシル化物(B)の製造方法において、下記一般式(1)で表されるエステル化合物(C)とカルボキシメチルセルロース(A)またはそのアルカリ金属塩(A)を反応させて得ることを特徴とするカルボキシメチルセルロースアシル化物(B)の製造方法。
    Figure 2010007009
    [式(1)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。R2、R3、R4は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。]
  2. 該カルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金属塩(A)を、膨潤剤(D)で膨潤させると同時に、または膨潤させた後に、該エステル化合物(C)と反応させる請求項1記載のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法。
  3. 膨潤剤(D)が、アミン、アミド、スルホキシド、ケトン、ポリオキシエチレングリコールもしくはその誘導体およびカルボン酸からなる群から選択される1種以上である請求項1または2記載のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法。
  4. 膨潤剤(D)が、ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混合液である請求項1〜3いずれかに記載のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法。
  5. 該カルボキシメチルセルロースアシル化物のアシル基置換度が0.4〜2.9であることを特徴とする請求項1〜4記載のカルボキシメチルセルロースアシル化物の製造方法。
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