JP2018172490A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】滑落性及び耐摩耗性に優れた撥水皮膜を実現できる組成物を提供することを目的とする。【解決手段】式(1):CmH2m+1−SiX3(mは4〜30の整数、Xは加水分解性基)で表されるアルキルシラン化合物(A)と、式(2):Si(OR1)4(R1はアルキル基)で表されるアルコキシシラン化合物(B)と、式(3):R2−SiY3(R2はアルキル基の1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された基であり、Yは加水分解性基)で表されるフルオロアルキルシラン化合物(C)とを含む組成物であり、上記アルキルシラン化合物(A)に対する上記フルオロアルキルシラン化合物(C)のモル比(C/A)が0.1〜50である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物に関する。
各種の表示装置、光学素子、建築材料、自動車部品、工場設備などにおいては、基材の表面に液滴が付着することにより基材が汚れたり、腐食したり、またこの汚れや腐食によって所望の性能が発揮できないなど、様々な問題が生じることがある。そのため、これらの分野においては、基材表面の撥水性や撥油性が良好であることが求められる。
例えば特許文献1には、撥油性、撥水性、及び撥汚れ性コーティングを得ることを目的として、一般式I:R1−Yu−(CH22Si(CH3q(R23-qで表され、R1が所定のフッ化アルキル基又はフッ化アリール基であり、R2は塩素原子又は1〜4つの炭素原子を有するアルコキシ基であり、qが0又は1であるフルオロアルキルシラン、及び/又は一般式II:R3Si(CH3p(R43-pで表され、R3が所定のアルキル基であり、R4は塩素原子又は1〜4つの炭素原子を有するアルコキシ基でありpは0又は1であるアルキルシランを含む二成分系が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも1つの第1の炭化水素鎖含有基と、少なくとも1つの加水分解性基とがケイ素原子に結合している有機ケイ素化合物(A)と、少なくとも1つの加水分解性基が金属原子に結合している金属化合物(B)とを含む撥水撥油コーティング組成物が開示されている。
特表2007−501304号公報 国際公開第2016/068103号
基材の表面の水滴の付着を抑制するためには、撥水性の他、基材を傾けた時に水滴が滑落しやすいことが重要であり、また撥水性や滑落性の性能を長期に亘って維持するためには、基材表面に設けられる皮膜の耐摩耗性も要求される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、滑落性及び耐摩耗性に優れた撥水皮膜を実現できる組成物を提供することを目的とする。
本発明は、
式(1):Cm2m+1−SiX3(mは4〜30の整数、Xは加水分解性基)で表されるアルキルシラン化合物(A)と、
式(2):Si(OR14(R1はアルキル基)で表されるアルコキシシラン化合物(B)と、
式(3):R2−SiY3(R2はアルキル基の1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された基であり、Yは加水分解性基)で表されるフルオロアルキルシラン化合物(C)とを含む組成物であり、
上記アルキルシラン化合物(A)に対する上記フルオロアルキルシラン化合物(C)のモル比(C/A)が0.1〜50である組成物である。
本発明の組成物は、更に下記要件(i)〜(v)の少なくともいずれかを満たすことが好ましい。
(i)上記アルキルシラン化合物(A)に対する上記アルコキシシラン化合物(B)のモル比(B/A)が0.1〜30である
(ii)前記アルキルシラン化合物(A)を表す式(1)におけるXが炭素数1〜6のアルコキシ基である
(iii)前記アルコキシシラン化合物(B)を表す式(2)におけるR1が炭素数1〜6のアルキル基である
(iv)前記フルオロアルキルシラン化合物(C)を表す式(3)におけるYがアルコキシ基又はシアノ基である
(v)前記アルキルシラン化合物(A)、アルコキシシラン化合物(B)及びフルオロアルキルシラン化合物(C)の合計割合が、固形分濃度で3〜60質量%である
本発明は、多孔性基材の表面に、上記した本発明の組成物のいずれかからなる皮膜を有する表面処理多孔性基材も包含する。
また、多孔性基材の表面に、上記した本発明の組成物のいずれかを塗布し、常温で硬化させる表面処理多孔性基材の製造方法も本発明に含まれる。
本発明は、それぞれ所定の式で表されるアルキルシラン化合物(A)、アルコキシシラン化合物(B)及びフルオロアルキルシラン化合物(C)の3成分を含む組成物であるため、滑落性及び耐摩耗性に優れた撥水皮膜を実現できる。
本発明の組成物に含まれるアルキルシラン化合物(A)、アルコキシシラン化合物(B)及びフルオロアルキルシラン化合物(C)について、それぞれ以下に説明する。
(1)アルキルシラン化合物(A)
アルキルシラン化合物(A)(以下、単に「化合物(A)」と呼ぶ場合がある)は、式(1):Cm2m+1−SiX3で表され、mは4〜30の整数、Xは加水分解性基を表す。mを4〜30とすることで、得られる皮膜の撥水性、滑落性及び耐摩耗性を良好にできるとともに、皮膜の外観を良好にできる。特にmが30を超えると皮膜の外観が悪くなる。式(1)においてCm2m+1−で表されるアルキル基は、得られる皮膜に撥水性を付与する。Cm2m+1−で表されるアルキル基は直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、好ましくは直鎖状である。mの値、すなわちケイ素原子に結合するアルキル基の炭素数の下限は、6以上が好ましく、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上であり、また炭素数の上限は20以下が好ましく、より好ましくは15以下であり、更に好ましくは13以下である。
また式(1)におけるXは加水分解性基であり、加水分解によりヒドロキシ基(シラノール基)を与える基であればよく、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、塩素原子、イソシアネート基等を挙げることができる。Xとしては、炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基、シアノ基が好ましく、炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基であることがより好ましい。3つのXは同一であっても、異なっていてもよく、3つのXが同一であることが好ましい。全てのXが炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基であることが好ましい。化合物(A)としては、特に、Cm2m+1−が直鎖状アルキル基であり、mの値が7以上、13以下であると共に、全てのXが炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基であり、3つのXが同一であるものが好ましい。
化合物(A)は1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(2)アルコキシシラン化合物(B)
アルコキシシラン化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」と呼ぶ場合がある)は、式(2):Si(OR14で表され、R1はアルキル基であり、4つのR1は同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。R1は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、これらの時に4つのR1が同一であることが更に好ましい。
化合物(B)は1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(3)フルオロアルキルシラン化合物(C)
フルオロアルキルシラン化合物(C)(以下、単に「化合物(C)」と呼ぶ場合がある)は、式(3):R2−SiY3で表され、R2はアルキル基の1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された基であり、Yは加水分解性基である。R2は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、好ましくは直鎖状である。R2の炭素数は1〜15であることが好ましく、より好ましい炭素数は3〜13であり、更に好ましくは5〜10である。R2におけるフッ素原子の数は、3以上が好ましく、R2の末端にR2の全炭素数の1/2以上の炭素数を有するパーフルオロアルキル基が存在していることが好ましい。
加水分解性基であるYとしては、上記Xと同様の加水分解性基を挙げることができ、Yはアルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜6、より好ましくは炭素数が1〜4)又はシアノ基が好ましい。3つのYは同一であっても、異なっていてもよく、3つのYが同一であることが好ましい。全てのYが炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基であることが好ましく、この時3つのYが同一であることが更に好ましい。
化合物(C)としては、式(3−1):CpF2p+1−Cq2q−SiY3で表され、pが3〜10の整数、qが0〜5の整数であるものが好ましい。式(3−1)におけるYは、上記式(3)におけるYと同じものを意味する。特にpが6〜10であり、qが1〜5であり、かつCpF2p+1−Cq2q−が直鎖状であることが好ましく、この時Yが炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)のアルコキシ基であり、3つのYが同一であることが更に好ましい。
化合物(C)は1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
化合物(B)におけるR1はアルキル基であることから、OR1はアルコキシ基を形成するが、化合物(A)におけるXがアルコキシ基であり、かつ化合物(C)におけるYがアルコキシ基である場合、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)のアルコキシ基がいずれも炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)のアルコキシ基であることが好ましく、このとき化合物(A)、(B)及び(C)におけるアルコキシ基は異なっていてもよい。
化合物(A)、(B)、(C)が同時に以下の条件を満たすことも好ましい態様の1つである。
化合物(A)が式(1):Cm2m+1−SiX3で表され、Cm2m+1−が直鎖状アルキル基であり、mの値が7以上、13以下であると共に、全てのXが炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のアルコキシ基であり、3つのXが同一であるという条件を満たす。
化合物(B)が式(2):Si(OR14で表され、R1が炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基であり、4つのR1が同一であるという条件を満たす。
化合物(C)が式(3−1):CpF2p+1−Cq2q−SiY3で表され、pが6〜10であり、qが1〜5であり、CpF2p+1−Cq2q−が直鎖状であり、Yが炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)のアルコキシ基であり、3つのYが同一であるという条件を満たす。
滑落性及び耐摩耗性が良好な撥水性の皮膜を実現できる本発明の組成物は、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)の相互の含有比率を調整することも好ましく、これによって滑落性及び耐摩耗性を一層向上でき、また皮膜の外観も良好にできる。
化合物(A)に対する化合物(B)のモル比(B/A)は0.1〜30であることが好ましい。B/Aのモル比の下限は、より好ましくは1以上であり、更に好ましくは2以上である。B/Aのモル比の上限は、より好ましくは20以下であり、更に好ましくは15以下である。
化合物(A)に対する化合物(C)のモル比(C/A)は0.1〜50である。C/Aのモル比の下限は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.5以上であり、更に好ましくは1以上である。C/Aのモル比の上限は、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下であり、更に好ましくは10以下である。
化合物(A)と(C)の合計に対する化合物(B)のモル比(B/(A+C))は、0.01〜15であることが好ましい。B/(A+C)のモル比の下限は、より好ましくは0.1以上であり、更に好ましくは1以上である。B/(A+C)のモル比の上限は、より好ましくは10以下であり、更に好ましくは8以下である。
化合物(A)と(B)の合計に対する化合物(C)のモル比(C/(A+B))は、0.01〜15であることが好ましい。C/(A+B)のモル比の下限は、より好ましくは0.1以上であり、更に好ましくは0.3以上である。C/(A+B)のモル比の上限は、より好ましくは10以下であり、更に好ましくは5以下である。
本発明の組成物における化合物(A)、(B)及び(C)の合計割合は、固形分濃度で3〜60質量%であることが好ましい。化合物(A)、(B)及び(C)の合計の固形分濃度は、5質量%以上がより好ましく、更に好ましくは10質量%以上であり、また50質量%以下がより好ましく、更に好ましくは45質量%以下である。
本発明の組成物における化合物(A)及び(C)の合計割合は、固形分濃度で2〜60質量%であることが好ましい。化合物(A)及び(C)の合計の固形分濃度は、4質量%以上がより好ましく、更に好ましくは6質量%以上であり、また40質量%以下がより好ましく、更に好ましくは30質量%以下である。
本発明の組成物は、化合物(A)、(B)及び(C)を含む他、溶媒を含んでいることが好ましい。溶媒としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒等の親水性有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、エーテル系溶媒としては、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられ、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。中でも、アルコール系溶媒を用いることが好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防カビ剤、抗菌剤、生物付着防止剤、消臭剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等、各種の添加剤を含有していてもよい。
上記した化合物(A)〜(C)の3成分を含む本発明の組成物は、基材と接触させ、化合物(A)〜(C)に含まれる加水分解性基が加水分解及び重縮合されることで、基材表面に撥水性の皮膜を形成できる。加水分解に際しては通常、触媒の存在下に反応させる場合があるが、本発明の組成物は、加水分解の触媒を含まなくても加水分解反応が良好に進行し、皮膜を形成できる。但し、触媒を含んでいてもよく、触媒としては、ゾルーゲル法で一般的に用いられる塩酸、硝酸、酢酸等の酸性化合物、アンモニア、アミンなどの塩基性化合物、アルミニウムエチルアセトアセテート化合物等の有機金属化合物などを用いることができる。触媒を含む場合には、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)及び触媒の合計に対する触媒含有量はモル比で11mol%以下とすることが好ましく、質量比では60質量%以下が好ましい。
また、本発明の組成物を基材と接触させる方法としては、例えば組成物を基材にコーティングする方法が挙げられ、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコート法、バーコート法、手塗り(布等に液を染み込ませ、基材に塗りこむ方法)、かけ流し(液をスポイトなどを用いて基材にそのままかけ、塗布する方法)、霧吹き(霧吹きを用いて基材に塗布する方法)などが挙げられる。特に、作業性の観点から、手塗り、かけ流し、霧吹き、スプレーコート法が好ましい。本発明の組成物を基材と接触させた状態で、空気中、常温で静置(例えば10時間〜48時間)することで、空気中の水分が取り込まれ、加水分解性基の加水分解・重縮合が促進され、基材上に皮膜を形成できる。得られた皮膜を更に乾燥させることも好ましい。皮膜の膜厚は例えば0.1〜1000nm程度とできる。
本発明の組成物を接触させる基材は特に限定されず、基材の形状は平面、曲面のいずれでもよいし、多数の面が組み合わさった三次元的構造でもよい。また基材の材質も限定されず、有機系材料、無機系材料のいずれで構成されていてもよい。前記有機系材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂;等が挙げられ、無機系材料としては、セラミックス;ガラス;鉄、シリコン、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属;前記金属を含む合金;等が挙げられる。
また基材の表面性状についても特に限定されない。通常、多孔性の基材(例えば、コンクリート又はモルタルなどのセメント硬化物)を用いた場合には、組成物が基材の深さ方向に染みこみ、撥水性等の性能を十分に発揮させることが困難な場合があるが、本発明の組成物は、多孔性の基材上であっても滑落性及び耐摩耗性に優れる撥水皮膜を基材上に形成できる。従って、多孔性基材の表面に、本発明の組成物からなる皮膜を有する表面処理多孔性基材も本発明に含まれる。このような表面処理多孔性基材は、本発明の組成物を多孔性基材の表面に塗布し、常温で静置することなどによって組成物を硬化させることで製造できる。
前記基材には予め易接着処理を施しておいてもよい。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の親水化処理が挙げられる。また、樹脂、シランカップリ
ング剤、テトラアルコキシシラン等によるプライマー処理を用いてもよい。また、樹脂、シランカップリング剤、テトラアルコキシシラン等によるプライマー処理を施しても良いし、ポリシラザンなどのガラス皮膜を基材に予め塗布しておいても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(コーティング液の作製)
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシラン)4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン4.4×10-4molをイソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.4mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液1を得た。
(皮膜の作製)
旭化成社製BEMCOT(登録商標)にコーティング液1を3ml染み込ませ、表面をきれいにふき取ったコンクリート基材5×5cmに対して、コーティング液1を手塗りで塗りこみ、常温で24時間放置して、乾燥させ、皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
実施例2
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.2×10-3molをイソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液2を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
実施例3
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン1.4×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル2.8×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン7.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.9mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液3.4mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液3を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
実施例4
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル1.9×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン9.4×10-3molを、イソプロピルアルコール2.0mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液3.7mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液4を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
実施例5
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン4.4×10-4mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル8.8×10-4mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.3×10-2molを、イソプロピルアルコール0.9mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液4.0mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液5を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
実施例6
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.9×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-4mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.9×10-3molを、イソプロピルアルコール6.2mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液1.8mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液6を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
実施例7
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン1.6×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル8.0×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.6×10-3molを、イソプロピルアルコール3.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液3.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液7を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例8
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン1.1×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル1.1×10-2mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.1×10-3molを、イソプロピルアルコール3.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液3.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液8を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例9
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン4.7×10-4mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル1.4×10-2mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン4.7×10-4molを、イソプロピルアルコール3.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液3.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液9を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例10
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.9ml滴下した。調液開始から24時間撹拌し、得られた液をイソプロピルアルコールで3倍に希釈し、コーティング液10を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
実施例11
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、得られた液をイソプロピルアルコールで5倍に希釈し、コーティング液11を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例12
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、得られた液をイソプロピルアルコールで7倍に希釈し、コーティング液12を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例13
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.9mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、得られた液をイソプロピルアルコールで10倍に希釈し、コーティング液13を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例14
アルキルシラン化合物(A)としてn−オクチルトリメトキシシラン1.1×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル2.2×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.1×10-3molを、イソプロピルアルコール2.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液1.5mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液14を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
実施例15
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.5×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル5.0×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.5×10-3molを、イソプロピルアルコール5.3mlに溶解させた。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液15を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
実施例16
アルキルシラン化合物(A)としてn−オクタデシルトリメトキシシラン1.8×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.6×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.8×10-3molを、イソプロピルアルコール5.4mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.4mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液16を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
実施例17
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.5×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル5.0×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン2.5×10-4molを、イソプロピルアルコール5.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.3mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液17を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
比較例1
コーティング液としてリフレパセットA(住友大阪セメント社製)を準備し、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
比較例2
コーティング液としてリフレパセットA1000(住友大阪セメント社製)を準備し、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に若干色褪せが観察された(評価○)。
比較例3
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシランを2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチルを4.4×10-3mol、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.3mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液18を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
比較例4
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシランを5.0×10-4mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチルを1.5×10-2mol、イソプロピルアルコール1.0mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液5.7mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液19を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
比較例5
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシランを2.2×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシランを2.2×10-3mol、イソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液1.3mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液20を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
比較例6
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシランを1.4×10-4mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシランを1.4×10-2mol、イソプロピルアルコール0.3mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液4.2mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液21を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、元の基材の状態を維持していた(評価◎)。
比較例7
アルキルシラン化合物(A)としてn−デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、アルコキシシラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.4×10-3mol、フルオロアルキルシラン化合物(C)としてトリエトキシ−1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン1.1×10-4molをイソプロピルアルコール4.6mlに溶解させた後に、0.01M塩酸水溶液2.3mlを滴下した。調液開始から24時間撹拌し、コーティング液22を得て、皮膜の作製に関しては実施例1と同様にして皮膜を得た。皮膜の外観を目視にて評価したところ、基材に黒い色褪せが観察された(評価△)。
上記実施例及び比較例で得られた皮膜について下記の測定を行った。
(1)撥水性の評価
皮膜の上に、スポイトで水を1滴(約0.025g)滴下し、目視で水の接触角を判定した。目視での接触角が100°以上であるものを◎、およそ80°以上100°未満であるものを○、およそ80°未満であるものを△、撥水せず水が基材に染みこんだものを×と評価した。
(2)耐摩耗性の測定
皮膜にザビーナ(登録商標)MX(KBセーレン社製のワイピングクロス)を押し当て、皮膜表面を50往復するごとにスポイトで水を1滴(約0.025g)滴下し、上記撥水性の評価と同様に目視で接触角を判定した。上記△の判定(目視での接触角がおよそ80°未満)になった時点での往復回数を耐摩耗回数とした。
(3)滑落角の測定
皮膜が形成された基材を約45°に傾け、スポイトで水を1滴(約0.025g)滴下し、水滴の滑落性を評価した。0.5秒以内で水滴が約5cm滑落したものを◎、0.5秒超1秒以内で水滴が約5cm滑落したものを○、水滴が滑り落ちるが皮膜に残るものを△、水滴が滑らないものを×と評価した。
実施例及び比較例の組成物の構成を表1−1、1−2に示し、実施例及び比較例の組成物から得られた皮膜の評価結果を表2に示す。
Figure 2018172490
Figure 2018172490
Figure 2018172490
表1−1、表1−2、表2によれば、本発明の要件を満たす組成物を用いた実施例1〜17では、良好な撥水性を示すと共に、200回以上の耐摩耗性かつ○又は◎の評価の滑落性を実現しており、耐摩耗性と滑落性を同時に達成できる撥水皮膜が実現できた。一方、既存品のリフレパセットA又はリフレパセットA1000を用いた比較例1及び2では、耐摩耗性及び滑落性ともに劣っている。また、本発明における化合物(C)を含まない比較例3及び4、また本発明における化合物(C)を所定モル比で含まない比較例7では、撥水性は良好であるものの、耐摩耗性又は滑落性が劣る結果となった。また、化合物(B)を含まない比較例5、6は、撥水性は良好であるものの耐摩耗性が劣る結果となった。
本発明の組成物を用いることにより、耐摩耗性及び滑落性に優れた撥水皮膜を提供することができ、表示装置、光学素子、建築材料、自動車部品、工場設備などに有用に用いることができる。

Claims (8)

  1. 式(1):Cm2m+1−SiX3(mは4〜30の整数、Xは加水分解性基)で表されるアルキルシラン化合物(A)と、
    式(2):Si(OR14(R1はアルキル基)で表されるアルコキシシラン化合物(B)と、
    式(3):R2−SiY3(R2はアルキル基の1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された基であり、Yは加水分解性基)で表されるフルオロアルキルシラン化合物(C)とを含む組成物であり、
    上記アルキルシラン化合物(A)に対する上記フルオロアルキルシラン化合物(C)のモル比(C/A)が0.1〜50である組成物。
  2. 上記アルキルシラン化合物(A)に対する上記アルコキシシラン化合物(B)のモル比(B/A)が0.1〜30である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記アルキルシラン化合物(A)を表す式(1)におけるXが炭素数1〜6のアルコキシ基である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記アルコキシシラン化合物(B)を表す式(2)におけるR1が炭素数1〜6のアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記フルオロアルキルシラン化合物(C)を表す式(3)におけるYがアルコキシ基又はシアノ基である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記アルキルシラン化合物(A)、アルコキシシラン化合物(B)及びフルオロアルキルシラン化合物(C)の合計割合が、固形分濃度で3〜60質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 多孔性基材の表面に、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物からなる皮膜を有する表面処理多孔性基材。
  8. 多孔性基材の表面に、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を塗布し、常温で硬化させる表面処理多孔性基材の製造方法。
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