JP2018172383A5 - 魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物及びそれを用いた魚介類のベコ病の治療方法 - Google Patents
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Description
本発明は、魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物及びそれを用いた魚介類のベコ病の治療方法に関する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する効果が高く、安全性にも優れた魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物及びそれを用いた魚介類の微胞子虫を防除し、産業上有効活用できる方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、スズキ目(Perciformes)又はカレイ目(Pleuronectiformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目又はカレイ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する活性を有する魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物であって、アルベンダゾール(下式参照)及びその薬学的に許容される塩の一方又は双方を有効成分として含む魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第2の態様は、スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する活性を有する魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物であって、アルベンダゾールを有効成分として含む、魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第2の態様は、スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する活性を有する魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物であって、アルベンダゾールを有効成分として含む、魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第3の態様は、スズキ目(Perciformes)又はカレイ目(Pleuronectiformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目又はカレイ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除することにより魚介類のベコ病を治療する方法であって、アルベンダゾール及びその薬学的に許容される塩の一方又は双方を有効成分として含む組成物をスズキ目又はカレイ目に属する魚介類に経口投与する工程を含む魚介類のベコ病の治療方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第4の態様は、スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除することにより魚介類のベコ病を治療する方法であって、アルベンダゾールを有効成分として含む組成物をスズキ目に属する魚介類に経口投与する工程を含む魚介類のベコ病の治療方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第4の態様は、スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除することにより魚介類のベコ病を治療する方法であって、アルベンダゾールを有効成分として含む組成物をスズキ目に属する魚介類に経口投与する工程を含む魚介類のベコ病の治療方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物並びに本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、治療対象が、ベコ病が感染していることが認められたスズキ目に属する魚介類であってもよい。
本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物並びに本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、前記スズキ目に属する魚介類が、スズキ目サバ科(Scombridae)マグロ属(Thunnus)、スズキ目アジ科(Carangidae)ブリ属(Seriola)、スズキ目タイ科(Sparidae)マダイ属(Chrysophrys)に属する魚類であり、カレイ目に属する魚介類がカレイ目ヒラメ科(Paralichthyidae)ヒラメ属(Paralichthys)又はカレイ目カレイ科(Pleuronectidae)マツカワ属(Verasper)に属する魚類であってもよい。
本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物並びに本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、前記スズキ目に属する魚介類が、スズキ目サバ科(Scombridae)マグロ属(Thunnus)、スズキ目アジ科(Carangidae)ブリ属(Seriola)、スズキ目タイ科(Sparidae)マダイ属(Chrysophrys)に属する魚類であり、カレイ目に属する魚介類がカレイ目ヒラメ科(Paralichthyidae)ヒラメ属(Paralichthys)又はカレイ目カレイ科(Pleuronectidae)マツカワ属(Verasper)に属する魚類であってもよい。
本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物並びに本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、前記Microsporidium属に属する微胞子虫が、Microsporidium seriolaeであってもよい。
本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物は、有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下、例えば20mg/kg以上50mg/kg以下或いは50mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与するものであってもよい。
本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、その有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下、例えば20mg/kg以上50mg/kg以下或いは50mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与することによりスズキ目又はカレイ目に属する魚介類のMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除するものであってもよい。
本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、その有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下、例えば20mg/kg以上50mg/kg以下或いは50mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与することによりスズキ目又はカレイ目に属する魚介類のMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除するものであってもよい。
本発明の第3及び第4の態様に係る魚介類のベコ病の治療方法において、本発明の第1及び第2の態様に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、その有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、3日以上180日以下の間隔で複数回経口投与することによりスズキ目又はカレイ目に属する魚介類のMicrosporidium属に属する微胞子虫の駆除及び再感染の予防を行うものであってもよい。この場合において、5日以上21日以下の間隔で経口投与してもよく、前記複数回の経口投与を1サイクルとし、前記サイクルを、3日以上180日以下の間隔で反復してもよい。
本発明によると、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する効果が高く、安全性にも優れた魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物及びそれを用いた魚介類のベコ病の治療方法が提供される。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤(以下、「魚介類のベコ病の経口投与用治療剤」又は単に「組成物」と略称する場合がある。)は、下記の一般式(I)で表され、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する活性を有する化合物、その薬学的に許容される塩及び魚介類の体内での代謝により下記の一般式(I)で表される化合物を生成する化合物(プロドラッグ)からなる群より選択される1又は複数を有効成分として含んでいる。
本発明の第1の実施の形態に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤(以下、「魚介類のベコ病の経口投与用治療剤」又は単に「組成物」と略称する場合がある。)は、下記の一般式(I)で表され、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する活性を有する化合物、その薬学的に許容される塩及び魚介類の体内での代謝により下記の一般式(I)で表される化合物を生成する化合物(プロドラッグ)からなる群より選択される1又は複数を有効成分として含んでいる。
上記一般式(I)で表される化合物、その薬学的に許容される塩及び上記一般式(I)で表される化合物を生成する化合物のプロドラッグの好ましい例としては、下記の式で表されるアルベンダゾールが挙げられる。
魚介類の微胞子虫のベコ病の経口投与用治療剤は、薬学的に許容される任意の担体、溶媒、賦形剤その他の添加剤を含んでいてもよい。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る魚介類のベコ病の治療方法(以下、「魚介類のベコ病の治療方法」又は単に「治療方法」と略称する場合がある。)は、前記一般式(I)で表され、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する活性を有する化合物、その薬学的に許容される塩及び魚介類の体内での代謝により前記一般式(I)で表される化合物を生成する化合物からなる群より選択される1又は複数を魚介類に経口投与する工程を含んでいる。なお、本発明の第1の実施の形態に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物の説明と重複する事項については、説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態に係る魚介類のベコ病の治療方法(以下、「魚介類のベコ病の治療方法」又は単に「治療方法」と略称する場合がある。)は、前記一般式(I)で表され、魚介類の筋肉又は臓器への微胞子虫の感染を予防し、かつ/又は魚介類の筋肉又は臓器中での微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又は魚介類の体内から微胞子虫を駆除する活性を有する化合物、その薬学的に許容される塩及び魚介類の体内での代謝により前記一般式(I)で表される化合物を生成する化合物からなる群より選択される1又は複数を魚介類に経口投与する工程を含んでいる。なお、本発明の第1の実施の形態に係る魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物の説明と重複する事項については、説明を省略する。
魚介類の微胞子虫の防除方法において用いることができる魚介類の微胞子虫の防除用組成物の魚介類への投与方法は、経口投与である。
Claims (19)
- スズキ目(Perciformes)又はカレイ目(Pleuronectiformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目又はカレイ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する活性を有する魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物であって、
アルベンダゾール及びその薬学的に許容される塩の一方又は双方を有効成分として含む魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。 - スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する活性を有する魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物であって、
アルベンダゾールを有効成分として含む魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。 - 治療対象が、ベコ病が感染していることが認められたスズキ目に属する魚介類である請求項2記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- 前記スズキ目に属する魚介類が、スズキ目サバ科(Scombridae)マグロ属(Thunnus)、スズキ目アジ科(Carangidae)ブリ属(Seriola)又はスズキ目タイ科(Sparidae)マダイ属(Chrysophrys)に属する魚類であり、カレイ目に属する魚介類が、カレイ目ヒラメ科(Paralichthyidae)ヒラメ属(Paralichthys)又はカレイ目カレイ科(Pleuronectidae)マツカワ属(Verasper)に属する魚類である請求項1から3のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- 前記Microsporidium属に属する微胞子虫が、Microsporidium seriolaeである請求項1から4のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- 有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与する、請求項1から5のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- 有効成分の用量が20mg/kg以上50mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与する請求項6記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- 有効成分の用量が50mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与する請求項6記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物。
- スズキ目(Perciformes)又はカレイ目(Pleuronectiformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目又はカレイ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除することにより魚介類のベコ病を治療する方法であって、
アルベンダゾール及びその薬学的に許容される塩の一方又は双方を有効成分として含む組成物をスズキ目又はカレイ目に属する魚介類に経口投与する工程を含む魚介類のベコ病の治療方法。 - スズキ目(Perciformes)に属する魚介類の筋肉又は臓器中でのMicrosporidium属に属する微胞子虫の増殖を抑制し、かつ/又はスズキ目に属する魚介類の体内からMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除することにより魚介類のベコ病を治療する方法であって、
アルベンダゾールを有効成分として含む組成物をスズキ目に属する魚介類に経口投与する工程を含む魚介類のベコ病の治療方法。 - 治療対象が、ベコ病が感染していることが認められたスズキ目に属する魚介類である、請求項10記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 前記スズキ目に属する魚介類が、スズキ目サバ科(Scombridae)マグロ属(Thunnus)、スズキ目アジ科(Carangidae)ブリ属(Seriola)又はスズキ目タイ科(Sparidae)マダイ属(Chrysophrys)に属する魚類であり、カレイ目に属する魚介類が、カレイ目ヒラメ科(Paralichthyidae)ヒラメ属(Paralichthys)又はカレイ目カレイ科(Pleuronectidae)マツカワ属(Verasper)に属する魚類である請求項9から11のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 前記Microsporidium属に属する微胞子虫が、Microsporidium seriolaeである請求項9から12のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 請求項1から5のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、その有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与することによりスズキ目又はカレイ目に属する魚介類のMicrosporidium属に属する微胞子虫を駆除する請求項9から13のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 有効成分の用量が20mg/kg以上50mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与する、請求項14記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 有効成分の用量が50mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、単回或いは6時間以上180日以下の間隔で複数回経口投与する、請求項14記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 請求項1から5のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、その有効成分の用量が20mg/kg以上400mg/kg以下となるよう、3日以上180日以下の間隔で複数回経口投与することによりスズキ目又はカレイ目に属する魚介類のMicrosporidium属に属する微胞子虫の駆除及び再感染の予防を行う請求項14から16のいずれか1項記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 前記魚介類のベコ病の経口投与用治療剤組成物を、5日以上21日以下の間隔で経口投与することを特徴とする請求項17記載の魚介類のベコ病の治療方法。
- 前記複数回の経口投与を1サイクルとし、前記サイクルを、3日以上180日以下の間隔で反復することを特徴とする請求項17又は18記載の魚介類のベコ病の治療方法。
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